- 1 -主文 被告人を懲役1年6月に処する。 この裁判確定の日から3年間その刑の執行を猶予する。 被告人から10万円を追徴する。 理由 (犯罪事実)被告人は、群馬県桐生市副市長として桐生市長を補佐し、桐生市長の命を受け政策及び企画をつかさどり、同市発注の設計業務等の入札及び契約等に関する事務を監督するなどの職務に従事していたもの、Aは、群馬県議会議員であったものであるが、被告人は、第1 Aと共謀の上、同市が令和2年9月29日に最終審査を行った公募型プロポーザル方式による「桐生市庁舎建設基本計画策定及び基本設計業務委託」の契約の締結に関し、株式会社Bを最優秀者として同契約の受託候補者に選定させようと考え、被告人において、前記職務に従事する者として適正に入札等に関する職務を行う義務があるのに、その職務に反し、同年8月下旬頃、群馬県内又はその周辺において、Aを通じて、株式会社B従業員Cに対し、職務上知り得た同プロポーザルの秘密事項である審査委員の氏名等を教示するなどし、もって入札等に関する秘密を教示するなどの方法により入札等の公正を害すべき行為を行い、第2 同年12月23日頃、同市(住所省略)所在の被告人方において、株式会社B従業員Dから、前記第1記載の職務上不正な行為をしたことに対する謝礼及び今後も同様の取り計らいを受けたいとの趣旨の下に供与されるものであることを知りながら、宅配便により送付を受ける方法により、額面合計10万円の商品券の供与を受け、もって自己がその職務上不正な行為をしたことに関し、賄賂を収受した。 (量刑の理由)被告人は、副市長という要職にありながら、公共入札等の公正を害する行為を自ら行った 円の商品券の供与を受け、もって自己がその職務上不正な行為をしたことに関し、賄賂を収受した。 (量刑の理由)被告人は、副市長という要職にありながら、公共入札等の公正を害する行為を自ら行った。公共入札制度の公平性や透明性が求められる中、本件は、こうした社会情勢に逆行する悪質な犯行であり、市民の公務に対する信頼も大きく損なわれた。 - 2 -被告人は、Aからの何度にもわたる依頼を断り切れずに審査委員の氏名等を伝えたなどと述べるが、そうした安易な理由で不正行為を行うこと自体、要職にあることの責務を軽んじていたことの表れといえるし、更にその不正行為に関して賄賂を受け取るなど言語道断である。本件の犯情は悪く、被告人の刑事責任を軽く見ることはできない。 その上で、被告人が事実を素直に認め、副市長の職を辞して桐生市民に謝罪の言葉を述べるなど、反省の態度を示していること、前科がないこと、自業自得とはいえ本件が広く報道されたことにより相応の社会的制裁を受けたこと等の事情も認められるので、こうした事情も考慮し、刑の執行を猶予するのが相当と判断した。 (求刑懲役1年6月及び主文同旨の追徴)令和7年11月25日さいたま地方裁判所第1刑事部裁判長裁判官佐伯恒治 裁判官藤田まり絵 裁判官岸健司
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