【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 理 由 被告人の上告趣意第一(1)について。 所論は、たばこ専売法が憲法二五条等に違反するというに止まり、本件に適用さ れた当
主 文 本件上告を棄却する。 理 由 被告人の上告趣意第一(1)について。 所論は、たばこ専売法が憲法二五条等に違反するというに止まり、本件に適用さ れた当該法条に対する具体的な非難ではないから、上告理由としては不適法である。 同(2)について。 まず所論は、たばこ専売法二九条が憲法一四条、二二条に違反すると主張する。 しかし、前記二九条は本件には適用されていないから、この点に関する論旨は、上 告理由としては不適法である。 次に所論は、たばこ専売法七一条、七五条が憲法一四条、二二条に違反すると主 張する。しかし、一般社会観念上合理的な根拠のある場合に、これを理由として区 別ある取扱がなされたからといつて、憲法一四条に違反するものとは認められず、 また憲法二二条にいわゆる職業選択の自由は、無制限に認められるものではなく、 公共の福祉に反しない限りにおいて、その自由が認められるものであることは、同 条の明示するところである。ところで、国がたばこ等につき専売制を施行する所以 のものは、国の財政上の重要な収入を図ることを主たる目的とするものであるが、 同時に、国民一般の日常生活において広く需要せられるたばこ等は、僻陬の地たる と都会地たるとを問わず、同一の品質のものはこれを同一の価格により販売し、公 衆のすべてに均等に利用し得る機会を与え、安んじてこれを比較的簡便に購入し得 ることとし、もつて一般国民の日常生活における必要に応ずることをも目的として いるものであつて、結局右専売制は、公共の福祉を維持するための制度にほかなら ない。そして、たばこ専売法六六条一項がたばこその他の物につき所有等の制限を 定め、同法七一条、七五条において同条所定の違反行為に対し必要な罰則を設けて - 1 - いるのは、前記のようなたばこ等の専売制を支障なく 、たばこ専売法六六条一項がたばこその他の物につき所有等の制限を 定め、同法七一条、七五条において同条所定の違反行為に対し必要な罰則を設けて - 1 - いるのは、前記のようなたばこ等の専売制を支障なく施行する上に遺憾なきを期す るためのものであると認められるから、右条項は、合理的な根拠に基づき且つ公共 の福祉の要請に適合する規定というべきであつて、憲法一四条、二二条に違反する ものではない。それ故、所論は採るを得ない。 同(3)について。 所論は、本件追徴額の算定が違法であることを前提として達憲をいうものである。 しかし、たばこ専売法七五条は、犯則物件またはこれに代るべき価額が犯則者の手 に存することを禁止すると共に、国の財政収入を確保する等のたばこ専売制の目的 とするところを支障なく達成するため、特に必要没収、必要追徴の規定を設け、不 正たばこの販売などの取締を厳に励行しようとする趣旨であると解せられるから、 同法七五条二項にいわゆるその価額の追徴とは、現実の取引違反の価額の如何にか かわらず、その物件の犯行時における客観的に適正な価額の追徴を意味し、当該物 件が日本専売公社によつて定価の公示された製造たばこ(輸入製造たばこを含む。) にあたると認められるものについてはその価格により、公示された定価のないもの については客観的に適正と認められる価額によるとするのを相当とする。原判決の 是認した第一審判決は、この趣旨により追徴額の算定をしているのであつて、所論 の違法は認められない。それ故、所論違憲の主張は前提を欠き、採るを得ない。 同第二について。 所論は、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に 当らない。 よつて、同四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 昭和三九年七月一五日 最高裁判所大法廷 単なる法令違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に 当らない。 よつて、同四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 昭和三九年七月一五日 最高裁判所大法廷 裁判長裁判官 横 田 喜 三 郎 - 2 - 裁判官 入 江 俊 郎 裁判官 奥 野 健 一 裁判官 石 坂 修 一 裁判官 山 田 作 之 助 裁判官 五 鬼 上 堅 磐 裁判官 横 田 正 俊 裁判官 齋 藤 朔 郎 裁判官 長 部 謹 吾 裁判官 城 戸 芳 彦 裁判官 石 田 和 外 裁判官 柏 原 語 六 裁判官 田 中 二 郎 裁判官 松 田 二 郎 - 3 -
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