【DRY-RUN】○ 主文 一 本件控訴を棄却する。 二 控訴費用は控訴人の負担とする。 ○ 事実 第一 当事者の求める裁判 一 控訴人 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人が昭和五八年一一月一六日付けでした控訴人の昭
○ 主文一本件控訴を棄却する。 二控訴費用は控訴人の負担とする。 ○ 事実第一当事者の求める裁判一控訴人 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人が昭和五八年一一月一六日付けでした控訴人の昭和五六年度分所得税の更正決定及び過少申告加算税の賦課決定を取り消す。 3 訴訟費用は第一、第二審とも被控訴人の負担とする。 二被控訴人主文一項同旨第二当事者の主張当事者双方の主張は、次のとおり付加、訂正するほか原判決の事実として摘示されたところ(添付の別表及び第一、第二別紙物件目録を含む。)と同一であるから、これを引用する。 1 原判決二枚目表八、九行目の「昭和五六年度」の次に「分」を加える。 2 同二枚目裏九行目の「同月一四日」を「同年三月一四日」に改める。 3 同三枚目裏一行目及び八行目の「本件更正処分による」をいずれも「本件更正処分における」に改める。 4 同五枚目裏六行目の「(二)」を削り、六枚目裏二行目の「次男」の次に「A」を加え、五行目の「昭和五五年七月二六日、」の次に「地上家屋を撤去して宅地造成したうえ土地付き建物の分譲をするため、」を加え、六行目の「右家屋等及び右土地上の借地権」を「右家屋を含めて右土地の借地権」に、八枚目表三行目の「(三)」を「(6)」にそれぞれ改める。 5 同八枚目裏一行目冒頭から五行目末尾までを次のとおり改める。 「(二)さらに、固定資産交換につき所得税法五八条が適用されるためには、前記(一)の要件に加えて交換時における交換取得資産の価額と交換譲渡資産の価額の差額がこれらのうちいずれか高い方の価額の一〇〇分の二〇を超えないことが必要であるから、仮に売買契約の一部の合意解約による交換取得土地の取戻しが新たな取得と認められない場合でも(すなわち、Bが昭和五五年七月二六日以降も引き続き同土地を所有していたと認め 超えないことが必要であるから、仮に売買契約の一部の合意解約による交換取得土地の取戻しが新たな取得と認められない場合でも(すなわち、Bが昭和五五年七月二六日以降も引き続き同土地を所有していたと認められる場合でも)、本件土地交換には所得税法五八条の適用はない。すなわち、」 6 同一〇枚目裏二行目の「同(二)(1)冒頭の」から四行目末尾までを「同(二)の事実を否認し、主張は争う。ただし、控訴人がBとの間で交換譲渡土地と交換取得土地とを交換したことは認め(もつとも、契約日は、昭和五六年五月初めではなく同年六月二六日ころである。また、交換譲渡土地は、川口市<地名略>宅地二二九・五〇平方メートル及び同所<地名略>宅地二三〇・〇〇平方メートルの二筆に分筆されていた。)、交換譲渡土地がBから初穂に昭和五六年五月八日一億一六五〇万円で売却されたことは不知。」に、六行目の「交換差額が常に支払われる実情を」を「交換差額が常に考えられるのが実情であることを」にそれぞれ改める。 7 同一一枚目表五、六行全部を削り、「(一)抗弁2(一)の冒頭前段の主張を認め、冒頭後段の主張を争う。」を加え、七行目の「(2)同(二)(1)のうち」を「(1)同(1)のうち」に改め、八行目の「BとCとの間には」の前に「後記のとおり、」を加え、一一枚目裏一行目の「(3)」を「(2)」に改め、三行目の「乙第五号証の売買契約書は、」を削り、五、六行目の「逸脱して」の次に「売買契約書を」を、九行目の「右売買契約は、」の次に「造成した宅地の分譲する都合上、」をそれぞれ加え、一二枚目表二行目の「(4)」を「(3)」に、八行目の「(5)」を「(4)」に、九行目の「(6)」を「(5)」に、末行の「契約日」から一二枚目裏三行目の末尾までを「契約日を否認する。契約日は前記のとおり昭和五六年六月二六日こ を「(3)」に、八行目の「(5)」を「(4)」に、九行目の「(6)」を「(5)」に、末行の「契約日」から一二枚目裏三行目の末尾までを「契約日を否認する。契約日は前記のとおり昭和五六年六月二六日ころであり、交換譲渡土地は二筆に分筆されていた。」に、五行目の「(三)同(三)の主張は争う。」を「(6)同(6)の主張は争う。」にそれぞれ改める。 8 同一二枚裏一〇行目の「(四)同(四)の主張は争う。」を「(二)同(二)の主張は争う。」に、末行から一三枚目表四行目までを「被控訴人は、BとCとの間に賃貸借契約があつたとしているが、契約書を作成しておらず、固定資産税分の負担だけで地代が支払われていたわけではないから、兄弟間の好意による使用貸借関係に過ぎない。また、被控訴人は、借地権の価額を四〇〇〇万円と認定しているが、底地が一億三三六〇万円で売却されていることからして借地権の価額というには余りにも低額に過ぎるというほかなく、これは、Bがあづま商事を通じて移転するCを援助するために与えた生活資金か、そうでなければ同人との間の使用貸借関係を解消するための明渡料とみるべきものである。」にそれぞれ改める。 9 同一三枚目裏九行目の「租税債権確定のために」を「租税債権確保のために」に改める。 第三証拠(省略)○ 理由一当裁判所も、控訴人の請求は失当であると判断する。 その理由は、次のとおり付加、訂正するほか原判決の理由として説示されたところと同一であるから、これを引用する。 1 原判決一四枚目裏九行目の「昭和五六年五月初め、」を削り、一〇行目から末行の「当事者間に争いがない。」を「当事者間に争いがなく、原審における証人Dの証言によつて成立を認める乙第一〇号証の一及び二、同D証言、原審における控訴人本人尋問の結果によると、控訴人とBは、昭和五六年五月初めこ に争いがない。」を「当事者間に争いがなく、原審における証人Dの証言によつて成立を認める乙第一〇号証の一及び二、同D証言、原審における控訴人本人尋問の結果によると、控訴人とBは、昭和五六年五月初めころ(なお、右の土地交換契約書である乙第九号証には契約日が同年一月二三日と記載されているが、これは初穂の要請により実際の契約日から遡及させて記載したものである。)土地交換契約を締結したことが認められ、他に右認定に反する証拠はない。」に改める。 2 同一五枚目裏二行目の「乙第二号証の二ないし四」を「乙第二号証の一ないし四」に、三行目冒頭から五行目の「乙第四号証」までを「その方式及び趣旨により公務員が職務上作成したと認められるので真正に成立した公文書と推定される乙第三号証(ただし、後記認定に反する部分を除く。)、第四号証(ただし、添付の借地権付建物売買契約書については前掲D証言によつて成立を認める。)」に、一〇行目の「地目」を「現況」に、一六枚目表三行目の「九七・五四」を「九七・五九」にそれぞれ改め、末行の「認められ、」の次に「乙第三号証中右認定に反する部分は採用せず、他に」を加える。 3 同一六枚目裏二行目の「乙」の次に「第二号証の一ないし四、」を加え、五行目の「第一九」を「第一八」に改め、同行の「第二三号証」の次に「、前掲D証言によつて成立を認める乙第五、第六号証」を、六行目の「各証言」の次に「(ただし、いずれも後記認定に反する部分は除く。)」を、九行目の「代表者D」の次に「(以下「D」という。)」をそれぞれ加え、一〇行目の「買い取つて」から末行の「前提として」までを「造成したうえ土地付き建物分譲を行うことを計画し」に、一七枚目表四行目の「同社との間で」から七、八行目の「契約を締結したこと」までを「Bと同社との間で、同土地を代金一億三三六〇万円 提として」までを「造成したうえ土地付き建物分譲を行うことを計画し」に、一七枚目表四行目の「同社との間で」から七、八行目の「契約を締結したこと」までを「Bと同社との間で、同土地を代金一億三三六〇万円で売り渡す、右代金は遅くとも昭和五六年一二月末日までに所有権移転登記と引き換えに支払い、その時点で所有権を移転する、ただし、第三者に販売したときはその都度当該販売部分につき所有権移転登記(中間省略によりBから買主に直接所有権移転登記をする。)を受けるのと引き換えに販売土地の面積割合に応じて計算して支払い、その時点で所有権を移転する、旨の契約が締結され、即日手付内金として三〇〇万円が支払われる一方、Cと同社との間で借地権付建物売買契約の形式により地上家屋(その固定資産評価額の合計額は約二六〇万円である。)を含め借地権を代金四〇〇〇万円で売り渡す旨の契約が締結され、即日四〇〇〇万円が支払われたこと」にそれぞれ改め、一〇行目の「造成工事」の前に「九区画の宅地と私道部分に分ける」を、一七枚目裏一行目の「したこと、」の次に「そして、土地付き建物分譲を始めたが、昭和五六年一二月にEに一区画一棟分(<地名略>及び<地名略>。面積合計八九・七五平方メートル)を販売するにとどまつていたこと、」をそれぞれ加える。 4 同一八枚目表八行目の「第一九号証、甲第二二、第二三号証」を「第九号証、第一八ないし第二三号証、乙第六号証、第一〇号証の一及び二」に改め、一〇行目の「第六、」を削り、一〇行目から末行の「乙第八号証の一、二及び乙第一〇号証の一、二」を「乙第八号証の一及び二」に改め、一八枚目裏一行目の「各証言」の次に「(ただし、いずれも後記認定に反する部分を除く。)」を、四行目の「交換譲渡土地」の前に「貸駐車場にしていた」を、五行目の「原告は」の次に「、譲渡所得に課税 改め、一八枚目裏一行目の「各証言」の次に「(ただし、いずれも後記認定に反する部分を除く。)」を、四行目の「交換譲渡土地」の前に「貸駐車場にしていた」を、五行目の「原告は」の次に「、譲渡所得に課税されることから」をそれぞれ加え、末行の「あづま商事を訪れ、」を削り、一九枚目表三行目の「一区画」の次に「一棟分」を加え、同行の「(川口市」から四、五行目の「平方メートル)」までを削り、五行目の「訴外E」を「前記E」に、一九枚目裏一〇行目の「宅地」を「田」に、二〇枚目裏一行目の「<地名略>及び<地名略>」を「<地名略>宅地二二九・五〇平方メートル及び<地名略>宅地二三〇・〇〇平方メートル」にそれぞれ改める。 5 同二〇枚目裏八行目冒頭から二一枚目裏三、四行目の「消長を来たすべきものではないというべきである。」までを次のとおり改める。 「そこで、右の1ないし3に認定した本件土地交換の経緯に関する事実に基づき検討するに、Bとあづま商事が締結した売買契約は、買主が売買代金の支払いをするまで所有権を売主に留保する旨の特約がなされ、合意解約当時第三者に転売されていた土地部分を除き売買代金の支払いがされておらず(ただし、手付金の一部は支払われていた。)、所有権移転登記手続も未了であつたものであるが、反面、売買の目的たる土地が買主に引き渡され、買主において地上家屋を撤去して宅地造成を行い、分筆手続も済ませたうえ、逐次建物を建築して土地付き建物分譲を行うことを予定していたことからすれば、これに合わせて、売買代金の支払いを確保するなめにその支払いと引き換えに所有権移転登記手続をすることを主眼として、所有権移転が留保される形式をとつて契約書に記載されていたと見ることができ、買主は同土地を使用収益及び処分する権限を取得していたというべきであるから、その実質に着目すると 続をすることを主眼として、所有権移転が留保される形式をとつて契約書に記載されていたと見ることができ、買主は同土地を使用収益及び処分する権限を取得していたというべきであるから、その実質に着目すると、所得税法五八条一項の適用との関係では、右所有権留保の点は、交換取得土地がBからあづま商事に譲渡されていたものであると認定するのを妨げるものとはいえない。そして、Bは、マンシヨン建設用地として交換譲渡土地を必要とした初穂の要請を受け、交換の対象とするため、右交換取得土地を売買契約の合意解約によつて取り戻して取得したものであり、右取戻しが、本件土地交換の実現を目的としたものであることに加え、その方法自体売買契約締結時に存した原因に基づく無効・取消しあるいはその後の債務不履行に基づく解除によつてなされたものでなく、合意解約というもつぱら当事者の任意に委ねられた方法によつてなされたものであることからすれば、Bが有していた交換取得土地は、同条項の適用対象から除かれている「交換のために取得したと認められるもの」に該当することは明らかというべきである。 これに対し、控訴人は、Bとあづま商事との間の売買契約はその後の合意解約により契約当初から存在しなかつたこととなるのであるから、交換取得土地はこれに該当しないと主張するが、前記認定のとおり、Bは合意解約の結果使用借権の負担のない土地を取り戻したものであつて、実体的に交換取得土地が売買契約当時の原状に復したというわけではないから、契約当初から存在しなかつたものと同視できないし、本来所得税法五八条一項において「交換のために取得したと認められるもの」を適用対象から除くこととしたのは、そのようなものについても譲渡資産の値上りにより所有者に帰属する増加益につき譲渡所得として課税することを繰り延べるとするならばこれが際 に取得したと認められるもの」を適用対象から除くこととしたのは、そのようなものについても譲渡資産の値上りにより所有者に帰属する増加益につき譲渡所得として課税することを繰り延べるとするならばこれが際限なく拡大されることによつて譲渡資産の取得価額及びこれと対比すべき増加益が不分明となり、右の譲渡所得に対し適正な課税をする機会が失われるに至るおそれがあるためであり、合意解約による交換取得土地の取戻しも、交換取得土地の売買による取得と同じく右の課税の機会を失わせるおそれを否定し得ないことからすれば、たとえ合意解約においては売買契約の効力が遡及的に失われるとする法原則上の違いはあるにせよ、右法案の適用との関係ではこれについて別異に解する理由に乏しく、前記結論を左右するものでないといわなければならない。」 6 同二二枚目表二、三行目の「本件土地交換後」を「あづま商事がB及びCからCのため使用借権を設定された交換取得土地を含むB所有地を合計一億七三六〇万円で買い受けた後、交換取得土地につき右売買契約の合意解約のうえ控訴人とB間で本件土地交換が行われ、更に」に、四、五行目の「成立に争いのない」から六行目の「第九号証」までを「前掲甲第九、第一〇及び第一八号証、乙第九号証、成立に争いのない乙第一一号証の一及び二」に、九行目の「交換取得土地の対象は」を「交換の対象とされた造成区画は」に、一〇行目の「の各土地」を「に当たる五区画の土地」にそれぞれ改め、同行目の「原告の要求により、」の前に「私道部分は無価値であり、交換取得土地のうち私道部分を除いた宅地部分の面積と交換譲渡土地の面積とが等しくなければならないとする」を加え、同行及び末行の「の土地が加えられたこと」を「に当たる一区画の土地が加えられ、その結果交換譲渡土地の面積と交換取得土地のうち宅地部分の面積とは 渡土地の面積とが等しくなければならないとする」を加え、同行及び末行の「の土地が加えられたこと」を「に当たる一区画の土地が加えられ、その結果交換譲渡土地の面積と交換取得土地のうち宅地部分の面積とはほぼ等しくなつたこと」に改め、二二枚目裏一行目の「金銭の授受はなされなかつたこと」の次に「、控訴人が被控訴人に提出した「五六年分の所得税の損失申告書」によれば、譲渡価額の総額が八三四五万四五四五円とされていること」を加える。 7 同二二枚目裏三行目冒頭から五行目末尾までを次のとおり改める。 「本件土地交換においては、あづま商事がB及びCからCのため使用借権の設定された交換取得土地を含むB所有地を合計一億七三六〇万円で取得しており、これによつて交換取得土地の取得価格を面積比で算出すると約一億一七四七万円になるところ、一方前記判示の本件土地交換の経緯により交換譲渡土地は交換取得土地と交換のうえBから初穂に一億一六五〇万円で売却されたものであり、交換取得土地を含むB所有地の造成に約八三九万円(面積比で交換取得土地分を算出すると約五六八万円になる。)を要している反面、右の取得価格のなかには地上家屋分(その固定資産評価額の合計は前記判示のとおり約二六〇万円である。)が含まれているとみられることを考慮に入れても、交換譲渡土地が客観的交換価値である時価を大きく上回る価格でBから初穂に売却されたとみるべきではなく、正常な取引価格の範囲内の価格をもつて売却されたものというべきであり、したがつて、交換譲渡土地の前記売却価格一億一六五〇万円をもつて本件土地交換における譲渡収入金額と認定するのが相当である。」二よつて、控訴人の請求を棄却した原判決は相当であつて、本件控訴は理由がないから、これを棄却することとし、控訴費用の負担につき民訴法九五条、八九条を適用して、主 金額と認定するのが相当である。」二よつて、控訴人の請求を棄却した原判決は相当であつて、本件控訴は理由がないから、これを棄却することとし、控訴費用の負担につき民訴法九五条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。 (裁判官渡邉卓哉渡邉温土屋文昭)(原裁判等の表示)○ 主文一原告の請求をいずれも棄却する。 二訴詮費用は原告の負担とする。 ○ 事実第一当事者の求めた裁判一請求の趣旨 1 被告が昭和五八年一一月一六日付でなした原告の昭和五六年度分所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を取り消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 二請求の趣旨に対する答弁主文同旨第二当事者の主張一請求原因 1 原告は、昭和五七年三月一五日、被告に対し、昭和五六年度の所得金額を別表の確定申告欄記載のとおり青色申告書により確定申告をしたところ、被告は、同五八年一一月一六日、別表の更正及び加算税賦課決定欄記載のとおり右年度分の所得税の更正及び過少申告加算税の賦課決定処分(以下「本件処分」という。)を行い、同月一九日、その旨を原告に通知した。 2 原告は、昭和五九年一月一四日、本件処分について被告に対し異議の申立をしたが、被告は、同年四月一三日、原告の右異議申立を棄却した。そこで、原告は、同年五月八日、国税不服審判所長に対し審査請求をしたところ、同所長は、同六〇年二月二七日、原告の右審査請求を棄却する裁決をし、同月一四日、その旨を原告に通知した。 3 しかし、被告のした本件処分は、所得税法五八条等の法律の適用を誤り、交換物件の評価を誤つた結果なされたものであつて、違法である。 4 よつて、原告は、本件処分の取消を求める。 二請氷原因に対する認否 1 請求原因1および2の各事実は認める。 2 同3の主張は争う。 三抗弁 1 本件 つた結果なされたものであつて、違法である。 4 よつて、原告は、本件処分の取消を求める。 二請氷原因に対する認否 1 請求原因1および2の各事実は認める。 2 同3の主張は争う。 三抗弁 1 本件更正処分の適法性原告の昭和五六年度分の所得金額及びその算定根拠は、次のとおりである。 (一) 総合課税の対象となる総所得金額 △(赤字。以下同じ。)五三六万九二三四円(本件更正処分による総所得金額も右と同額)原告が、昭和五七年三月一五日、被告に提出した同五六年度分所得税の確定申告書(青色申告書)に記載された不動産所得金額△七八四万七二三四円と給与所得金額二四七万八〇〇〇円との合計額である。 (二) 分離課税の対象となる長期譲渡所得金額一億〇九六七万五〇〇〇円(本件更正処分による長期譲渡所得金額は七八二八万一八一八円)譲渡収入金額から取得費及び特別控除額を減じたものであつて、その各金額は、以下のようにそれぞれ算出した。 (1) 譲渡収入金額一億一六五〇万円(本件更正処分における金額は八三四五万四五四五円)右金額は、原告が、昭和五六年五月初め、訴外Bとの間で、原告所有の別紙第一物件目録記載の土地(以下「交換譲渡土地」という。)と、B所有の別紙第二物件目録記載の各土地(以下「交換取得土地」という。)とを交換(以下「本件土地交換」という。)することによつて取得した交換取得土地の価額相当額である。 本件土地交換は、交換差金等の授受のない等価の交換として行われているので、交換取得土地の価額は交換譲渡土地の価額と等価とみることができるところ、交換譲渡土地は、本件土地交換直後の昭和五六年五月八日、Bから訴外株式会社初穂(以下「初穂」という。)に一億 行われているので、交換取得土地の価額は交換譲渡土地の価額と等価とみることができるところ、交換譲渡土地は、本件土地交換直後の昭和五六年五月八日、Bから訴外株式会社初穂(以下「初穂」という。)に一億一六五〇万円で売却されているので、本件土地交換による原告の譲渡収入金額は一億一六五〇万円と算定した。 (2) 取得費五八二万五〇〇〇円(本件更正処分における金額は四一七万二七二七円)原告の交換譲渡土地の譲渡は、租税特別措置法(以下「措置法」という。)三一条に該当するので、同法三一条の四に基づき、(1)の譲渡収入金額に法定の一〇〇分の五を乗じて算出した。 (3) 特別控除額一〇〇万円(本件更正処分における金額も右と同額)措置法三一条二項(昭和五七年法律第八号による改正前のもの)に基づく特別控除額である。 (三) 以上のように、被告が本件更正処分において認定した総合課税による総所得金額(△五三六万九二三四円)及び長期譲渡所得金額(七八二八万一八一八円)は、被告が本訴において主張する各金額と同額又はその範囲内であるから、本件更正処分は適法である。 2 所得税法五八条の不適用(一) 固定資産交換の場合の譲渡所得の特例である所得税法五八条が適用されるためには、交換取得資産は、交換の相手方が一年以上所有していたものであつて、かつその交換のために取得したものではないことが要件とされている。 (二) しかるに、本件土地交換に関する以下の事実によれば、本件交換取得土地は、交換の相手方であるBが、本件交換のために取得したものであり、しかも同人が取得後所有していたのは一年未満であるから、本件土地交換について同条の適用はない。 ( 下の事実によれば、本件交換取得土地は、交換の相手方であるBが、本件交換のために取得したものであり、しかも同人が取得後所有していたのは一年未満であるから、本件土地交換について同条の適用はない。 (1) Bは昭和四四年ころ同人の実弟である訴外Cに自己の所有地(埼玉県川口市<地名略>所在、田(現況宅地)、八一九・八三平方メートル)を賃貸し、Cは、同四五年一月五日同土地の中央部北側に木造瓦葺平家建居宅(床面積九七・五四平方メートル)を、同年ころその北東部に木造スレート葺平家建物置(床面積四七・九二平方メートル)及び南東部に木造亜鉛葺平家建作業所(床面積四一・三一平方メートル)をそれぞれ新築し、同五五年八月ころまで妻子と共に右居宅に居住しながら釣竿の製造販売業を営んでいた。また、同五三年ころ、Cは、同土地の南西部に木造亜鉛葺平家建教室(床面積二九・七四平方メートル)を新築し、同五五年五月ころまで同人の次男の妻が経営する学習塾に使用させていた。 (2) 訴外株式会社あづま商事(以下「あづま商事」という。)は、昭和五五年七月二六日、Bから右土地を一億三三六〇万円で、Cから右家屋等及び右土地上の借地権を四〇〇〇万円で買い受けた後、同年一一月ころ、分譲するため同土地を分筆した(右<地名略>。分筆後の面積合計八一七・〇四平方メートル。以下「本件分譲地」という。)。 (3) 昭和五五年ころ初穂が、原告に対し、マンシヨン建設用地とするため交換譲渡土地の買い受けを申し出たところ、原告は税負担を伴う譲渡に難色を示した。 そこで、初穂は、原告に税負担をかけないようにするため、昭和五六年一月ころ、あづま商事に対し、本件分譲地をいつたんBに戻し、原告とBとの間で交換譲渡土地と本件分譲地とを交換させた上、Bから交換譲渡土地を買い受けたい旨の斡旋を申し入れたところ、あづま商 昭和五六年一月ころ、あづま商事に対し、本件分譲地をいつたんBに戻し、原告とBとの間で交換譲渡土地と本件分譲地とを交換させた上、Bから交換譲渡土地を買い受けたい旨の斡旋を申し入れたところ、あづま商事はこれを了承し、Bもこの案を受け入れた。 (4) この案に基づいて、昭和五六年一月一〇日、あづま商事は、Bとの間で、本件分譲地のうち、あづま商事が訴外Eに売却した<地名略>及び<地名略>の各土地(合計八九・七五平方メートル)を除く一五筆の土地(合計七二七・二九平方メートル)につき前記売買を解約する旨の合意をすると共に、Bから、あづま商事がさきにCに支払つた前記借地権の代金四〇〇〇万円及び同社が行つた本件分譲地に対する造成費等八三九万七一四一円の各支払を受けた。 (5) その後、Bは、昭和五六年五月初め、原告との間で、あづま商事から返還を受けた本件分譲地のうち<地名略>、<地名略>、<地名略>及び<地名略>の各土地(合計一七二・五〇平方メートル)を除いた土地(交換取得土地)と原告所有の交換譲渡土地とを交換し、さらに同年五月八日、交換譲渡土地を一億一六五〇万円で初穂に売り渡した。 (三) 以上の本件土地交換の経緯からすれば、交換取得土地は、Bが昭和五五年七月二六日にあづま商事に売却したものを、同五六年一月一〇日、右売買契約の一部を解約して取り戻したものであるが、この交換取得土地の再取得は、明らかに本件土地交換のためになされたものであり、また、同人が交換取得土地を所有していた期間は、右再取得から昭和五六年五月初めまでの一年未満の期間にすぎないから、本件土地交換には所得税法五八条の適用はない。 (四) なお、売買契約の一部解約による交換取得土地の取戻しが同土地のあらたな取得と認められない場合(すなわち、Bが、昭和五五年七月二六日以降も同土地を所有してい 換には所得税法五八条の適用はない。 (四) なお、売買契約の一部解約による交換取得土地の取戻しが同土地のあらたな取得と認められない場合(すなわち、Bが、昭和五五年七月二六日以降も同土地を所有していたと認められる場合)でも、次の理由から本件土地交換には所得税法五八条の適用はない。 (1) 前記のように、同条に定める交換取得資産は、交換の相手方が一年以上所有していた固定資産であることを要するところ、本件の場合、交換取得土地には昭和五五年七月二六日までCのための借地権が存していたから、同土地のうち右借地権相当部分は、Bの所要期間が一年未満となるため同条一項所定の交換取得資産に該当しない。 したがつて、交換取得資産の価額は、交換取得土地の価額から右借地権相当部分の価額を控除した価額(交換取得土地の底地部分の価額)となり、また、本件土地交換は交換差金等の授受のない等価の交換として行われているので、交換取得土地の価額は交換譲渡土地の価額と等価とみることができることから、交換譲渡資産の価額と交換取得資産の価額との差額は右借地権相当部分の価額に相当することになる。 (2) そこで、借地権相当部分の価額について検討すると、前記のとおりBは本件分譲地の借地権をあづま商事から四〇〇〇万円で取得しているので、交換取得土地に占める借地権相当部分の価額は二七一六万〇九七一円と算出される(四〇〇〇万円÷本件分譲地の面積八一七・〇四平方メートル×交換取得土地の面積五五四・七九平方メートル)。他方、交換譲渡土地は一億一六五〇万円で売却されているので、本件土地交換時における同土地の価額もこれと同額とするのが合理的である。 (3) そうすると、右借地権相当部分の価額は、交換譲渡土地の価額の二三パーセントに当たり、所得税法五八条二項所定の一〇〇分の二〇という割合を超えることに の価額もこれと同額とするのが合理的である。 (3) そうすると、右借地権相当部分の価額は、交換譲渡土地の価額の二三パーセントに当たり、所得税法五八条二項所定の一〇〇分の二〇という割合を超えることになる(同条二項一から、結局本件土地交換には所得税法五八条の適用はないというべきである。 3 本件過少申告加算税賦課決定処分の適法性被告は、本件更正処分によつて納付すべき所得税金額一六八三万八〇〇〇円を基礎として、これに国税通則法(昭和五九年法律第五号による改正前のもの。以下同じ。)六五条一項所定の割合一〇〇分の五を乗じて過少申告加算税八四万一九〇〇円を算出し、賦課決定したものであるから、同賦課決定処分は適法である。 四抗弁に対する認否 1 抗弁1について(一) 抗弁1(一)の主張は認める。 (二) 同(二)(1)冒頭の主張事実のうち、原告が昭和五六年五月初めBとの間で交換譲渡土地と交換取得土地とを交換したことは認めるが、同(二)(1)のその余の主張は争う。 交換譲渡土地の価額を交換取得土地の価額と等価とする考え方は、交換差額が常に支払われる実情を無視したものであり、譲渡収入金額を一億一六五〇万円と認定した経過は独断的である。本件土地交換の場合、交換譲渡土地を含まないとマンシヨン建設に支障が生じるという特段の事情があつたのであるから、交換取得土地の価額を交換譲渡土地の売却価額と一致させることは誤りである。 同(2)及び(3)の算出方法は証める。 (三) 同(三)の主張は争う。 2 抗弁2について(一) 抗弁2(一)は認める。 (二) (1)同2(二)の冒頭の主張は争う。 (2) 同(二)(1)のうち、BがCに対し、その所有地を賃貸したことは否認する。BとCとの間には単に使用貸借関係があつたにすぎず、この関係も昭和五五年ころにはその目的を達して終了し の主張は争う。 (2) 同(二)(1)のうち、BがCに対し、その所有地を賃貸したことは否認する。BとCとの間には単に使用貸借関係があつたにすぎず、この関係も昭和五五年ころにはその目的を達して終了している。その余の事実は不知。 (3) 同(2)のうち、Bとあづま商事との間で、Bの所有地につき売買契約が締結されたことは否認し、その余の事実は不知。乙第五号証の売買契約書は、Bはあづま商事に対し単に右土地を造戒・分譲することのみを依頼したにすぎないのに、あづま商事が依頼の趣旨を逸脱して作成したものであつて、Bとあづま商事との間の売買契約を証する証拠となるものではない。また、仮にBとあづま商事との間に売買契約があつたとしても、右売買契約は、Bとあづま商事との間で真実所有権を移転する意思なくなされた仮装の契約であつて、これにはつて本件土地の所有権がBからあづま商事に移転するものではない。 (4) 同(3)のうち、初穂が、昭和五五年ころ、原告に対しマンシヨン建設用地とするため交換譲渡土地の買い受けを申し出たこと、原告がこれを断わつたこと、及び初穂が、原告とBとの間で交換譲渡土地と交換取得土地とを交換させた上、交換譲渡土地をBから取得することとしたことは認め、その余は不知。 (5) 同(4)の事実は不知。 (6) 同(5)のうち、原告がBとの間で、原告所有の交換譲渡土地とBの交換取得土地とを交換したことは認めるが、契約日及び交換譲渡土地の内容は否認する。本件土地交換の日は昭和五六年六月二六日ころである。また、交換譲渡土地は分筆され、川口市<地名略>及び<地名略>となつていた。 その余の事実は不知。 (三) 同(三)の主張は争う。Bとあづま商事との間に売買契約があつたとしても、右契約は合意解除により契約当初から存在しなかつたことになるから、Bはこれによつて なつていた。 その余の事実は不知。 (三) 同(三)の主張は争う。Bとあづま商事との間に売買契約があつたとしても、右契約は合意解除により契約当初から存在しなかつたことになるから、Bはこれによつて交換取得土地を所得税法五八条一項にいわゆる取得したものではないというべきである。 (四) 同(四)の主張は争う。 被告は、BとCとの間に賃貸借契約があつたとし、その価額を四〇〇〇万円と認定しているが、これは、Bが弟であるCの生活資金として与えたものか、あるいは同人との間の使用賃借関係を解消するための明渡料とみるべきものである。 仮に、BとCとの間に賃貸借契約があつたとしても、右金額にはC所有の建物の価額も含まれているものと考えるべきであるから、借地権の価額を四〇〇〇万円と算出することは誤りである。 3 抗弁3は争う。 五再抗弁(抗弁3に対し)原告は、Bの所有地(埼玉県川口市<地名略>、宅地、八一九・八三平方メートル)上にCのための借地権が存在していたことを知らなかつたのであるから、所得金額を過少に申告したことにつき、国税通則法六五条二項にいう「正当な理由」がある。 六再抗弁に対する認否及び被告の反論再抗弁事実は否認する。 国税通則法六五条二項所定の「正当な理由がある場合」とは、付帯税たる過少申告加算税が、租税申告の適正を確保し、租税債権確定のために納税者に対して賦課されるという性質を有することからすれば、税法の解釈に関し申告当時に公表されていた見解がその後改変されたことに伴い修正申告し又は更正を受けた場合、あるいは災害又は盗難等に関し申告当時損失とすることが相当とされたものが、その後予期しなかつた保険金等の支払を受けあるいは盗難品の返還を受けたため修正申告し又は更正を受けた場合等、申告当時適法とみられた申告がその後の事情の変更により納税者の ることが相当とされたものが、その後予期しなかつた保険金等の支払を受けあるいは盗難品の返還を受けたため修正申告し又は更正を受けた場合等、申告当時適法とみられた申告がその後の事情の変更により納税者の故意・過失に基づかずして当該申告額が過少になつた場合のように、当該申告が真にやむをえない理由によるものであり、かかる納税者に加算税を賦課することが不当若しくは酷になる場合を指称するものであつて、税法の不知若しくは誤解に基づく場合はこれに当たらないというべきである。 したがつて、原告が交換取得土地の状況を確認していなかつたことは、同法六五条二項の「正当な理由がある場合」に該当しない。 第三証拠(省略)○ 理由一請求原因1(本件処分)及び同2(異議申立及び審査請求)の各事実は、当事者間に争いがない。 二抗弁1(一)(総所得金額)は当事者間に争いがない。 三同(二)のうち、原告が昭和五六年五月初め、Bとの間で交換譲渡土地と交換取得土地とを交換したことは、当事者間に争いがない。 四本件土地交換が、固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例に関する所得税法五八条の適用されるべき場合であるかどうかについて検討するに、所得税法五八条によれば、同法三三条(譲渡所得)の特例として同法五八条による固定資産の交換につき課税の繰延が認められるためには、取得資産については、交換の相手方が一年以上有していた固定資産(同条一項に掲げられたもの)であること、及びそれが交換のために取得したと認められないものであることが必要とされ、したがつて、取得資産について交換の相手方の有していた期間が一年未満である場合、又はそれが交換のために取得したと認められる場合には、同条の適用はないものといわなければならない。 そこで、本件土地交換の経緯について検討する。 1 成立に争いのない乙第一号 間が一年未満である場合、又はそれが交換のために取得したと認められる場合には、同条の適用はないものといわなければならない。 そこで、本件土地交換の経緯について検討する。 1 成立に争いのない乙第一号証、乙第二号証の二ないし四、弁論の全趣旨により真正に成立したものと認められる乙第三号証、証人Dの証言により真正に成立したものと認められる乙第四号証、並びに証人D及び同Bの各証言によれば、Bは、昭和四四年ころ、実弟であるCの求めにより、当時訴外Fに貸して耕作させていた自己所有地(埼玉県川口市<地名略>、田、八一九・八三平方メートル)を、同人に対する離作料と同土地の埋立費用をCに負担させ、地目を宅地に変更した上で、Cに貸し渡したこと、Bはこの貸借について地代に関する定めをしなかつたが、Cは、そののち年一回、同土地の固定資産税相当額を持参しBに渡していたこと、Cは、同四五年一月、同土地の中央部北側に木造瓦葺平家建居宅(床面積九七・五四平方メートル)を、同じころ、同土地の北東部に木造スレート葺平家建物置(床面積四七・九二平方メートル)及び同土地の南東部に木造亜鉛葺平家建作業所(床面積四一・三一平方メートル)をそれぞれ新築し、妻子とともに居住しながら釣竿の製造販売業を営んでいたこと、さらに同五三年ころには、同土地の南西部に木造亜鉛葺平家建教室(床面積二九・七四平方メートル)を建て、次男Aの妻が経営する算数塾に使用させていたことの各事実が認められ、右認定を覆すに足りる証拠はない。 2 次に、前掲乙第四号証、弁論の全趣旨により原本の存在及びその成立が真正と認められる甲第九、第一〇号証、原本の存在及び成立に争いのない甲第一三号証、成立に争いのない甲第一九ないし第二三号証並びに証人D及び同Bの各証言によれば、昭和五五年初めころ、Bは、他地への移転を計画したCか る甲第九、第一〇号証、原本の存在及び成立に争いのない甲第一三号証、成立に争いのない甲第一九ないし第二三号証並びに証人D及び同Bの各証言によれば、昭和五五年初めころ、Bは、他地への移転を計画したCから前記土地上に借地権を有することを前提としてその買取りを求められ、従前から不動産取引を依頼していたあづま商事の代表者Dに相談したこと、相談を受けたDは、あづま商事が同土地を買い取つて造成・分譲することを前提として、Bに対し、Cは四〇〇〇万円位で同土地の借地権を買い取つてほしいと言つているが、その程度であれば有利である等と述べて、同土地をあづま商事に売却するよう勧めたこと、その結果、Bは、同土地をあづま商事に売ることとし、同年七月二六日、同社との間で同土地を代金一億三三六〇万円で売り渡す旨の契約を締結し、あづま商事は、同日、Cとの間で借地権付建物売買契約の形式により前記賃借権を代金四〇〇〇万円で買い取る旨の契約を締結したこと、その後、あづま商事は、同土地の引渡を受け、これを造成するため同年一〇月ころ同土地上の建物を取り壊し、造成工事をした上で同土地を分筆(川口市<地名略>)ないし<地名略>。面積合計八一九・八三平方メートル)したこと、その後、Bは、右土地売買について譲渡所得税を納付していることの各事実が認められる。 証人D及び同Bの証言中、右認定に反する供述部分は採用することができず、他に右認定を覆すに足りる証拠はない。 なお、原告は、乙第五号証のBとあづま商事との間の売買契約書は、Bがあづま商事に対し右土地の造成・分譲を依頼したにすぎないのに、同社が依頼の趣旨を逸脱して作成したものであるとか、Bとあづま商事との間の前記売買契約は、真実は所有権を移転する意思なくしてなした仮装のものであると主張し、証人Bの証言中には、右主張に副う趣旨の供述部分か 頼の趣旨を逸脱して作成したものであるとか、Bとあづま商事との間の前記売買契約は、真実は所有権を移転する意思なくしてなした仮装のものであると主張し、証人Bの証言中には、右主張に副う趣旨の供述部分かあるが、前掲各証拠に照らして採用し難い。 3 (一)初穂が、昭和五五年ころ、原告に対しマンシヨン建設用地とするため交換譲渡土地の買い受けを申し出たが、原告はこれを拒絶したこと、初穂は、本件分譲地と交換譲渡土地とを交換させた上、交換譲渡土地の取得者から同土地を取得することとしたことは、いずれも当事者間に争いがない。 (二) 前掲甲第一九号証、甲第二二、第二三号証、成立に争いのない乙第九号証、証人Dの証言により真正に成立したものと認められる乙第六、第七号証、乙第八号証の一、二及び乙第一〇号証の一、二、証人D及び同Bの各証言並びに原告本人尋問の結果によれば、初穂は、交換譲渡土地に隣接した土地を所有しており、交換譲渡土地を含めた上でマンシヨンの建設を計画していたことから、昭和五五年一〇月ころより原告に対し交換譲渡土地の買い受けを申し出ていたが、原告は終始同土地は売らないという態度を取つていたこと、右計画の早期実現を迫られていた初穂は、同五六年初めに至り、他の物件を探すのでこれと交換してほしい旨を申し出るようになつたこと、これに対し、原告は、同じ面積の土地を交換するのであれば税金を負担することはないものと考え、土地交換に応ずることとしたこと、そこで初穂は、同年五月、あづま商事を訪れ、Dに対し本件分譲地を原告所有の交換譲渡土地と交換した後、売買の形で交換譲渡土地を取得したいと申し入れたこと、Dは、本件分譲地のうち一区画(川口市<地名略>及び<地名略>。面積合計八九・七五平方メートル)が訴外Eに売却できたものの、他の区画が売却できないでいたことから、初穂の申 得したいと申し入れたこと、Dは、本件分譲地のうち一区画(川口市<地名略>及び<地名略>。面積合計八九・七五平方メートル)が訴外Eに売却できたものの、他の区画が売却できないでいたことから、初穂の申入れに従つた方が得策と考え、Bにも相談した上で右申入れを受けることとしたこと、Bと原告との間で土地を交換する形式を取る必要上、Bとあづま商事は、Bが同社に売却した前記土地のうちEに売却した右区画を除いた部分について前記売買契約を合意解除し、同年一月一〇日付で解約合意書を作成したこと、そのころ、Dが事務員に指示して、この合意に基づく請求書及び領収書(Cに支払つた代金四〇〇〇万円及び本件分譲地に対する造成費等八三九万七一四一円の清算についてのもの)を作らせ、その日付も初穂の指示により同年一月一〇日付としたこと、Bはその資金管理をDに委せていたことから、この清算についてはD限りで帳簿上の会計処理がなされ、実際に現金の授受は行われていないこと、そして同年五月初め、原告と妻との間で、原告所有の交換譲渡土地(川口市<地名略>、宅地、四五九・五〇平方メートル。土地交換契約書(乙第九号証)上の面積四五九・〇平方メートル)とB所有の交換取得土地(<地名略>ないし<地名略>、宅地。 同番<地名略>及び<地名略>ないし<地名略>、道路。面積合計五五六・五四平方メートル。同契約書上の面積合計五五五・七一平方メートル)とを交換する旨の契約が締結されたこと(原告とBとの間で交換契約がなされたことは、当事者間に争いがない。)、その際用いられた土地交換契約書の条項は初穂が作成したものであり、同社の希望により契約締結日が同年一月二三日付とされたこと、本件土地交換に関する交渉は、初穂が中心となつて、原告及びあづま商事との間で行つていたため、原告と妻、Dは右交換契約締結のときが初 であり、同社の希望により契約締結日が同年一月二三日付とされたこと、本件土地交換に関する交渉は、初穂が中心となつて、原告及びあづま商事との間で行つていたため、原告と妻、Dは右交換契約締結のときが初対面であつたこと、その後、交換譲渡土地は川口市<地名略>及び<地名略>に分筆された上、同年五月八日、Bから初穂へ代金一億一六五〇万円で売り渡されたこと、あづま商事は、初穂の求めによりこの売買契約の仲介入とされたことの各事実が認められる。 証人D及び同Bの各証言中、以上の認定に反する供述部分は採用することができず、他に右認定を覆すに足りる証拠はない。 4 以上の事実を総合すれば、交換取得土地は、Bが昭和五五年七月二六日にあづま商事に売却したものを、同五六年一月一〇日、右売買契約の一部を解約するという方法によつて取り戻したものであり、これは交換取得土地を本件土地交換のために取得したものであると認めるのが相当である。 これに対して原告は、Bとあづま商事との間の前記売買契約は、その後の合意解除により契約当初から存在しなかつたことにされるから、Bはこれによつて交換取得土地を所得税法五八条一項にいわゆる取得したものではないと主張する。しかし、前記認定事実によれば、右合意解除は、Bと原告との間の本件土地交換の手筈を整えるために、Bが前記のとおりいつたん譲渡した交換取得土地を譲渡先のあづま商事から取り戻すための手段としてなされたものであることは明瞭であるから、Bはこれによつて交換取得土地を所得税法五八条一項にいわゆる「(交換のために)取得」したものというべきであつてこの判断は、合意解除により当事者間において私法上さきになされた契約の効力がその当初に遡つて失われることになるかどうかによつて、消長を来たすべきものではないというべきである。この点に関する原告の主張は 判断は、合意解除により当事者間において私法上さきになされた契約の効力がその当初に遡つて失われることになるかどうかによつて、消長を来たすべきものではないというべきである。この点に関する原告の主張は到底採用することができない。 したがつて、本件土地交換は、これについて所得税法五八条が適用されるべき場合には当たらないというべきである。 五譲渡所得金額の算定 1 譲渡収入金額交換譲渡土地の面積は四五九・五〇平方メートル(土地交換契約書上は四五九・〇平方メートル)であり、交換取得土地の面積は合計五五六・五四平方メートル(土地交換契約書上は合計五五五・七一平方メートル)であること、本件土地交換後、交換譲渡土地がBから初穂へ代金一億一六五〇万円で売り渡されたことは前記判示のとおりであり、また、成立に争いのない甲第一八号証、前掲甲第九、第一〇号証及び乙第九号証並びに原告本人尋問の結果によれば、原告所有の交換譲渡土地は、交換取得土地とは道路を隔てた西側対面にあり、地価の評価及び行政上の規制について特段の差異はないこと、当初、交換取得土地の対象は川口市<地名略>ないし<地名略>の各土地であつたが、原告の要求により、さらに<地名略>の土地が加えられたこと、本件土地交換については他に金銭の授受はなされなかつたことがそれぞれ認められ、他にこれを覆すに足りる証拠はない。 以上の事実からすれば、譲渡所得金額上交換取得土地の価額を交換譲渡土地の売買代金額と等価とみて、これを一億一六五〇万円と算定するのが相当である。 2 取得費措置法三一条、同条の四に基づき、取得費が五八二万五〇〇〇円と算出されることについては、当事者間に争いがない。 3 特別控除額措置法三一条二項(昭和五七年法律第八号による改正前のもの)に基づき、特別控除額が一〇〇万円と算出されることについては、 五〇〇〇円と算出されることについては、当事者間に争いがない。 3 特別控除額措置法三一条二項(昭和五七年法律第八号による改正前のもの)に基づき、特別控除額が一〇〇万円と算出されることについては、当事者間に争いがない。 4 したがつて、本件交換による譲渡所得金額は、右譲渡収入金額から取得費及び特別控除額を減じた結果、一億〇九六七万五〇〇〇円と算出され、右譲渡所得が所得税法三三条及び措置法三一条により分離課税の対象となる長期譲渡所得に当たることは明らかである。 六以上により、原告の総合課税による総所得金額は△五三六万九二三四円、分離長期譲渡所得金額は一億〇九六七万五〇〇〇円であり、本件更正処分において認定された各金額はこれと同額又はその範囲内であるから、本件更正処分は適法というべきである。 七再抗弁(過少申告の正当理由)について原告は、Bの前記所有地上にCのため借地権が存在していたことを知らなかつたから、所得金額を過少に申告したことについて、国税通則法六五条二項の「正当な理由」がある旨主張するが、同項の「正当な理由」とは、所得金額の過少申告が真にやむをえない理由に基づいており、納税者に加算税を賦課することが不当若しくは酷になる場合を指称するものであつて、税法の不知若しくは誤解に基づく場合はこれに当たらないと解するのが相当であるところ、本件土地交換に関する経緯は前記認定のとおりであり、所得金額を過少申告したことについて原告に正当な理由があると認めることはできず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。 したがつて、被告による本件過少申告加算税賦課決定処分に違法はない。 八結論以上によれば、その余の点については判断するまでもなく、本件処分はいずれも適法であつて、原告の本訴請求はいずれも理由がないというべきであるからこれを棄却することとし、訴 処分に違法はない。 八結論以上によれば、その余の点については判断するまでもなく、本件処分はいずれも適法であつて、原告の本訴請求はいずれも理由がないというべきであるからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条を適用して、主文のとおり判決する。 別表、別紙第一、第二物件目録(省略)
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