主文 1 被告大阪市長が原告らに対し平成15年12月5日付けでした別紙文書目録記載の文書のうち別紙非公開部分目録記載の部分を非公開とした処分を取り消す。 2 原告らの被告大阪市に対する請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は,原告らに生じた費用の2分の1と被告大阪市長に生じた費用を被告大阪市長の負担とし,原告らに生じたその余の費用と被告大阪市に生じた費用を原告らの負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 主文1項と同旨 2 被告大阪市は,原告ら各自に対し,33万円及びこれに対する平成16年3月16日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は,被告大阪市長(以下「被告市長」という。)が原告らの公文書公開請求に対してした非公開決定のうち別紙文書目録記載の文書(以下「本件各文書」という。)中別紙非公開部分目録記載の部分を非公開とする部分を取り消した判決が確定した後,被告市長が,原告らに対し,別紙非公開部分目録記載の部分を再度非公開とする処分をしたため,原告らが,同処分は行政事件訴訟法(平成16年法律第84号による改正前のもの。以下「行訴法」という。)33条の拘束力に反する違法な処分であるとして,その取消しを求める(抗告訴訟)とともに,原告らは,各自,上記違法な処分によって知る権利が侵害されたなどとして,被告大阪市(以下「被告市」という。)に対し,国家賠償法1条1項に基づき,慰謝料30万円及び弁護士費用3万円の合計33万円並びにこれに対する本件訴状送達の日の翌日である平成16年3月16日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 1 法令の定め大阪市公文書公開条例(昭和63年大阪市条例第11号。以下「条例」という。 年3月16日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 1 法令の定め大阪市公文書公開条例(昭和63年大阪市条例第11号。以下「条例」という。)2条1号は,大阪市長等を実施機関と定め,条例5条1号は,大阪市の区域内に住所を有する者は,実施機関に対し,公文書の公開を請求することができると定めている。そして,条例6条は,「実施機関は,次の各号のいずれかに該当する情報が記録されている公文書については,公文書の公開をしないことができる。」と定め,その2号は,「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)で,特定の個人が識別され,又は識別され得るもの。ただし,次に掲げる情報を除く。ア法令等の規定により,何人も閲覧することができるとされている情報イ本市の機関が作成し,又は取得した情報で,公表を目的とするものウ法令等の規定に基づく許可,免許,届出等の際に本市の機関が作成し,又は取得した情報で,公開することが公益上必要であると認められるもの」と規定している。 2 前提事実(1) 原告らは,大阪市の住民である。 (2) 原告らは,平成4年6月15日,条例所定の実施機関である被告市長に対し,条例5条に基づき,昭和63年7月から平成4年3月までの間の大阪市財政局財務部財務課(以下「財務課」という。)に係る食糧費の支出関係文書の公開を請求した(以下「本件公開請求」という。)。 (3) 被告市長は,平成4年6月29日付けで,原告らに対し,本件公開請求に係る公文書の件名を昭和63年7月から平成4年3月までの間の財務課の食糧費支出に係る支出決議書,支出命令書及び予算差引簿と特定した上,条例6条2号,3号,7号及び8号に該当することを理由に,上記各文書を全部 書の件名を昭和63年7月から平成4年3月までの間の財務課の食糧費支出に係る支出決議書,支出命令書及び予算差引簿と特定した上,条例6条2号,3号,7号及び8号に該当することを理由に,上記各文書を全部非公開とする旨の決定(以下「本件旧非公開決定」という。)をした。 (4) 原告らは,平成4年7月16日,大阪地方裁判所に対し,本件旧非公開決定の取消しを求める訴え(同裁判所平成4年(行ウ)第47号。以下,この事件の第1審,控訴審及び上告審を併せて「第1次訴訟」という。)を提起した。 (5) 被告市長は,第1次訴訟第1審係属中の平成8年4月10日付けで,本件旧非公開決定の一部を取り消し,原告らに対し,本件公開請求に係る前記(3)の各文書のうち下記部分を墨塗りし,また,食糧費外支出部分の記載には白色マスキングをし,これらの部分を除くその余の部分(被告市側の出席者の氏名を含む。)を原告らに公開した。 記ア支出決議書の記載のうち(ア) 相手方の氏名,団体名(審議会の名称等を含む。),役職名(イ) 支出先個人名(ウ) 債権者の印影イ支出命令書の記載のうち(ア) 用途欄中の相手方団体名(イ) 金融機関コード,振込先金融機関名,預金種目,口座番号,請求者の印影部分(ウ) 請求者が個人の場合の個人名ウ歳出予算差引簿の記載のうち(ア) 摘要項目の件名欄中の相手方名(イ) 同じく人名欄中の支払先個人名(6) 第1次訴訟の第1審は,平成9年3月25日,本件旧非公開決定のうち下記部分を非公開とする部分を取り消す旨の判決をした。 記ア ) 同じく人名欄中の支払先個人名(6) 第1次訴訟の第1審は,平成9年3月25日,本件旧非公開決定のうち下記部分を非公開とする部分を取り消す旨の判決をした。 記ア支出決議書の記載のうち(ア) 相手方の氏名,団体名(審議会の名称等を含む。),役職名(イ) 支出先個人名イ支出命令書の記載のうち(ア) 用途欄中の相手方団体名(イ) 請求者が個人の場合の個人名ウ歳出予算差引簿の記載のうち(ア) 摘要項目の件名欄中の相手方名(イ) 同じく人名欄中の支払先個人名(7) 第1次訴訟第1審判決に対し,被告市長のみが,本件旧非公開決定のうち支出決議書の記載中相手方の氏名及び役職名並びに歳出予算差引簿の記載中摘要項目の件名欄中の相手方名を非公開とする部分(以下「非公開部分」という。)を取り消すとした部分についてのみ大阪高等裁判所に控訴した(同裁判所平成9年(行コ)第17号)。その結果,本件公開請求のうち第1次訴訟控訴審における控訴人の控訴に関する請求部分に係る文書(以下「第1次訴訟関係文書」という。)は,支出決議書で相手方の氏名又は役職名の記載のあるもの及び歳出予算差引簿で摘要項目の件名欄中の相手方名の記載のあるものとなった。 (8) 被告市長は,第1次訴訟控訴審係属中の平成9年4月18日付けで,本件旧非公開決定のうち,一部を更に取り消し,原告らに対し,本件公開請求に係る前記(3)の各文書のうちの前記(5)記の部分のうち,第1次訴訟関係文書に係る上記(7)の非公開部分及び第1次訴訟第1審判決で取り消されることのなかった前記(5)記のア(ウ)及びイ(イ)の部分を除いて,前記(5) 文書のうちの前記(5)記の部分のうち,第1次訴訟関係文書に係る上記(7)の非公開部分及び第1次訴訟第1審判決で取り消されることのなかった前記(5)記のア(ウ)及びイ(イ)の部分を除いて,前記(5)記ア(ア)のうちの相手方の団体名(審議会の名称等を含む。)及び(イ),イ(ア),(ウ)並びにウ(イ)の部分を公開した。 (9) 第1次訴訟の控訴審は,平成10年6月17日,被告市長の控訴を棄却する旨の判決をした。 (10) 被告市長は,第1次訴訟控訴審判決に対して上告した(最高裁判所平成10年(行ヒ)第54号)。 (11) 第1次訴訟上告審は,平成15年11月11日,一部破棄差戻し,一部破棄自判,一部上告棄却の判決をした。同判決により,前記(7)の非公開部分のうち後記オの整理番号3の文書等に係る部分に係る本件旧非公開決定は維持され,前記(7)の非公開部分のうち後記キの整理番号1の文書等に係る部分に係る本件旧非公開決定は取消しが確定した。第1次訴訟上告審判決の判断の概要は,次のとおりである。 ア条例6条2号にいう「個人に関する情報」は,個人の思想,信条,健康状態,所得,学歴,家族構成,住所等の私事に関する情報に限定されるものではなく,個人にかかわりのある情報であれば,原則として同号にいう「個人に関する情報」に当たる。 イ法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。以下「法人等」という。)の代表者又はこれに準ずる地位にある者以外の従業員の職務の遂行に関する情報は,その者の権限に基づく当該法人等のために行う契約の締結等に関する情報を除き,条例6条2号にいう「個人に関する情報」に当たる。 ウ法人等の代表者若しくはこれに準ずる地位にある者が当該法人等の職務として行う行為に関する情報又はその他の の締結等に関する情報を除き,条例6条2号にいう「個人に関する情報」に当たる。 ウ法人等の代表者若しくはこれに準ずる地位にある者が当該法人等の職務として行う行為に関する情報又はその他の者が権限に基づいて当該法人等のために行う契約の締結等に関する情報その他の法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報は,条例6条2号にいう「個人に関する情報」に当たらない。 エ国及び地方公共団体の公務員の職務の遂行に関する情報は,公務員個人の私事に関する情報が含まれる場合を除き,条例6条2号にいう「個人に関する情報」に当たらない。 オ第1次訴訟関係文書のうち第1次訴訟上告審判決添付別紙一覧表(本判決添付別紙一覧表と同一のもの。以下「一覧表」という。)整理番号3の文書,同7の文書,同9の文書,同15の文書,同24の文書の(4)から(6)まで及び(8)の部分,同26の文書,同27の文書,同30の文書,同31の文書,同37の文書並びに同39の文書の(1),(2)及び(5)から(14)までの部分(以下「整理番号3の文書等」という。いずれも支出決議書)における同表の「相手方の氏名」欄及び「相手方の役職名」欄に対応する記載を含む情報については,いずれも国及び地方公共団体の公務員以外の者が会議等に出席したことに関する情報であることが原審(第1次訴訟控訴審判決)によって確定されているところ,会議の名称及びこれから推知される会議の目的,相手方出席者の所属団体等に照らすと,事務打合せや,非公式の協議,懇談に関する情報であり,法人等の代表者又はこれに準ずる地位にある者が当該法人等の職務としてそのような会合に出席したとはいい難く,その他の者が権限に基づいて当該法人等のために契約の締結等をしたということもできないから,条例6条2号にいう「 はこれに準ずる地位にある者が当該法人等の職務としてそのような会合に出席したとはいい難く,その他の者が権限に基づいて当該法人等のために契約の締結等をしたということもできないから,条例6条2号にいう「個人に関する情報」に該当する。 カ第1次訴訟関係文書のうち一覧表整理番号38の文書(支出決議書)及び同24の文書(支出決議書)の(1)の部分に記録された情報は,被告市の公務員の職務の遂行に関する情報として条例6条2号の非公開情報に当たらないと解する余地がある。また,同40から同43までの文書(いずれも歳出予算差引簿)に記録された情報は,条例6条2号の非公開情報に当たると解する余地がある。 キ一覧表整理番号1の文書,同2の文書,同4から同6までの文書,同8の文書,同10から同14までの文書,同16から同23までの文書,同24の文書の(2),(3),(7)及び(9)から(12)までの部分,同25の文書,同28の文書,同29の文書,同32から同36までの文書並びに同39の文書の(3)及び(4)の部分(以下「整理番号1の文書等」という。)に記録された情報は,国又は地方公共団体の公務員がその職務として会議等に出席したことに関する情報であり,公務員個人の私事に関する情報を含むものでないことが原審(第1次訴訟控訴審判決)によって確定されているのであるから,上記文書における一覧表の「相手方の氏名」欄及び「相手方の役職名」欄に対応する記載を含む情報は,国及び地方公共団体の公務員の職務の遂行に関する情報であり,条例6条2号の非公開情報に当たらない。 (12) 本件各文書は,一覧表整理番号18の文書(平成2年度支出決議書),同33の文書(平成3年度支出決議書)及び同36の文書(平成3年度支出決議書)であり,上記(11)キのとおり, い。 (12) 本件各文書は,一覧表整理番号18の文書(平成2年度支出決議書),同33の文書(平成3年度支出決議書)及び同36の文書(平成3年度支出決議書)であり,上記(11)キのとおり,いずれも整理番号1の文書等に含まれるものとして,第1次訴訟上告審判決によりその非公開部分(相手方の氏名及び役職名)に係る本件旧非公開決定の取消しが確定したものである。このうち,同18の文書は,平成2年12月14日実施の大阪府との財政問題に関する協議懇談会に係る経費の支出決議書であり,うち決議番号15-2に係るものは当該協議懇談会の実施後に決議番号15による事前の経費の支出決議を変更したものである。同33の文書は,平成3年9月27日実施の自治省職員の市施設見学に伴う接遇に係る経費の支出決議書であり,うち決議番号11-2に係るものは当該接遇の実施後に決議番号11による事前の経費の支出決議を変更したものである。同36の文書は,平成3年12月24日実施の大阪府との財政問題に関する協議懇談会に係る経費の支出決議書であり,うち決議番号15-2に係るものは当該協議懇談会の実施後に決議番号15による事前の経費の支出決議を変更したものである。 (13) 被告市長は,本件各文書に係る本件公開請求について,平成15年12月5日付けで,原告らに対し,本件各文書のうち別紙非公開部分目録記載の部分(以下「本件非公開部分」という。)を非公開とする旨の部分公開決定(以下「本件非公開決定」という。)をした。一覧表整理番号18の文書に係る本件非公開部分は,平成2年12月14日実施の大阪府との財政問題に関する協議懇談会の出席(予定)者中大阪府及び大阪市以外の出席(予定)者の氏名及び役職名であり,時事通信社に所属する職員の氏名及び役職名が記載されている。同33の文書に係る本 の大阪府との財政問題に関する協議懇談会の出席(予定)者中大阪府及び大阪市以外の出席(予定)者の氏名及び役職名であり,時事通信社に所属する職員の氏名及び役職名が記載されている。同33の文書に係る本件非公開部分は,平成3年9月27日実施の自治省職員の市施設見学に伴う接遇の出席(予定)者のうち財団法人地方自治情報センター(以下「地方自治情報センター」という。)に所属する職員の氏名及び役職名である。同36の文書に係る本件非公開部分は,平成3年12月24日実施の大阪府との財政問題に関する協議懇談会の出席(予定)者のうち時事通信社に所属する職員の氏名及び役職名である。 また,本件非公開決定における非公開理由は,公務員以外の相手方の氏名及び役職名については,個人にかかわりのある情報であり,法人その他の団体の従業員が職務として行った行為に関する情報ではあるが,法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報には該当しないから,条例6条2号にいう「個人に関する情報」であり,同号ただし書ア,イ,ウのいずれにも該当しないというものである。 3 争点(1) 本件非公開決定の違法性ア原告らの主張被告市長は,第1次訴訟において,本件各文書に係る相手方の団体名は省庁又は自治体であり,相手方の役職名は公務員であると主張し,判決において被告市長が主張するとおりの事実認定がされたにもかかわらず,被告市長は,第1次訴訟の判決が確定した後になって,本件非公開部分には私人の氏名及び役職名の記載があるという前訴判決の事実認定と矛盾,抵触する事実主張を行い,本件旧非公開決定と同一の条例6条2号を理由に,再度の非公開決定(本件非公開決定)をした。この決定は,行訴法33条の拘束力に反する違法な処分である。 すなわち,最高裁昭 主張を行い,本件旧非公開決定と同一の条例6条2号を理由に,再度の非公開決定(本件非公開決定)をした。この決定は,行訴法33条の拘束力に反する違法な処分である。 すなわち,最高裁昭和63年(行ツ)第10号平成4年4月28日第三小法廷判決(民集46巻4号245頁。以下「平成4年最判」という。)は,行訴法33条の拘束力は,判決主文が導き出されるのに必要な事実認定及び法律判断にわたるものである旨判示しており,同判決の射程は特許無効審決取消訴訟に限らず一般的に及ぶ。そうすると,行政庁は,再度の行政処分を行うに当たっては,取消判決の拘束力の及ぶ判決理由中の認定判断に拘束され,行政庁がこの認定判断に矛盾,抵触する認定判断をすることは許されず,行政庁が矛盾,抵触する認定判断を行った場合,その再度の処分は同条に違反する違法な処分であるというべきである。本件についていうと,第1次訴訟において,確定した判決主文が導き出されるのに必要な事実認定として,本件非公開部分の相手方の団体名が省庁又は自治体であり,相手方の役職名が公務員であるという事実認定がされたのであるから,この事実認定について同条の拘束力が生じ,被告市長はこの事実認定に拘束される。しかるに,被告市長は,本件非公開部分には私人の氏名及び役職名の記載があるという事実主張に基づいて本件非公開決定を行ったものであり,この事実主張は第1次訴訟における上記事実認定に一見して明白に矛盾,抵触するものであるから,本件非公開決定は,第1次訴訟の取消判決の拘束力に違反する違法な処分である。 イ被告市長の主張(ア) 本件非公開部分は,一覧表整理番号18の文書については時事通信社の職員の氏名及び役職名であり,同33の文書については地方自治情報センターの職員の氏名及び役職名で 告市長の主張(ア) 本件非公開部分は,一覧表整理番号18の文書については時事通信社の職員の氏名及び役職名であり,同33の文書については地方自治情報センターの職員の氏名及び役職名であり,同36の文書については時事通信社の職員の氏名及び役職名であって,これらの者がいずれも国又は地方公共団体の公務員に当たらないことは明らかであるから,本件非公開部分に関する情報は,国及び地方公共団体の公務員以外の者を特定することができる情報であって,条例6条2号の「個人に関する情報」に該当することは明らかである。また,本件各文書は,いずれも国及び地方公共団体の公務員以外の者が懇談会に出席した際の支出についての決裁に関するものであり,法人等の代表者又はこれに準ずる地位にある者が当該法人等の職務としてそのような会合に出席したとはいえない。そうであるとすれば,本件非公開決定は,行訴法33条2項に基づき,第1次訴訟上告審判決の趣旨に従って非公開とすべき「個人に関する情報」を非公開としたものであるから,適法である。 (イ) 被告市長は,本件旧非公開決定をするに当たっては,条例6条2号に規定する「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)で,特定の個人が識別され,又は識別され得るもの」について,当該個人が公務員であるか否かを区別することなく,およそ個人が識別され又は識別され得るものをすべて含むとの解釈に従ったものである。これに対し,本件非公開決定については,同号の解釈について第1次訴訟上告審判決で示された解釈に従い,国及び地方公共団体の公務員に係る情報並びに法人等を代表する者が職務として行う行為等当該法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報は含まれないとの前提に立って同号該当性を判断した。したがって,本件旧 地方公共団体の公務員に係る情報並びに法人等を代表する者が職務として行う行為等当該法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報は含まれないとの前提に立って同号該当性を判断した。したがって,本件旧非公開決定及び本件非公開決定は,非公開理由としていずれも条例6条2号を挙げているが,第1次訴訟上告審判決を受けた上記の解釈の変更によってその文言の意味するところが変更されており,本件旧非公開決定と本件非公開決定は,実質的には異なる理由によって非公開を判断しているのであるから,同一の事情の下で,同一の理由によって,同一人に対して,同一の内容の処分を行ったものとはいえず,行訴法33条の拘束力に反しない。 (ウ) 平成4年最判の射程は本件非公開決定には及ばない。すなわち,平成4年最判は,特許無効審決取消訴訟における判決であるところ,特許法に基づく特許無効審決は,準司法手続によって審判官の合議体が行うものであって,行政処分としては非常に特殊なものである。そして,平成4年最判は,審判において,一貫して特許法29条2項に規定する特許無効要件である特定の引用例から当該発明を容易に発明することができたか否かが争点となり,この争点について証拠調べも含めた準司法的手続によって事実認定がされ,これに基づいて行われた審決について取消訴訟が提起され,当該訴訟において当該審決が取り消された事案について,当該審決の取消判決の拘束力が及ぶと判示したものであって,当該事案において,当事者は第1次審判手続及び審決取消訴訟を通じて攻撃防御の機会を制度上保障され,これを利用して当事者が攻撃防御を尽くしていた。平成4年最判の判断においては,仮に当該事案において再度の審決に当初の判決の拘束力が及ばないとすると,手続が特許庁と裁判所の間を際限なく往復することにもなりかね して当事者が攻撃防御を尽くしていた。平成4年最判の判断においては,仮に当該事案において再度の審決に当初の判決の拘束力が及ばないとすると,手続が特許庁と裁判所の間を際限なく往復することにもなりかねず,特許紛争の長期化を招くこととなり,訴訟経済上も好ましくないという考慮も働いていたということができる。したがって,平成4年最判の趣旨は直ちに一般の行政処分に及ぶとはいえず,その射程は限定的なものであり,本件非公開決定に当てはまるものではない。 (エ) 仮に平成4年最判の射程が一般の行政処分にも及ぶとしても,本件においては,以下のような特殊な事情が存在するから,本件には,例外的にその趣旨は及ばない。すなわち,第1次訴訟において,本件非公開部分に係る情報が公務員であるか否かの事実認定は,当事者間において争点となっていなかった。第1次訴訟において,条例6条2号の解釈について,被告市長は,公務員であるか否かを区別することなく,およそ個人が識別され又は識別され得る情報はすべて同号にいう個人識別情報に含まれるとの前提で主張を行い,原告らは,公務員であるか私人であるかを問わず,職務としての行為に係る情報は同号にいう個人識別情報に該当しないと主張していたのであって,被告市長,原告らのいずれの主張によっても,非公開とされた情報が公務員であるか否かによって結論が分かれるものではなかった。また,第1次訴訟の第1審及び控訴審の各判決の理由においても,本件非公開部分に係る情報が公務員であるか否かによって本件非公開部分に係る本件非公開決定が適法か否かの結論が分かれるものではなかった。このように,本件非公開部分に係る情報が公務員であるか否かは,判決主文が導き出されるのに必要な事実認定とはなっていなかった。したがって,当該事実認定については当事者が攻撃防御を れるものではなかった。このように,本件非公開部分に係る情報が公務員であるか否かは,判決主文が導き出されるのに必要な事実認定とはなっていなかった。したがって,当該事実認定については当事者が攻撃防御を尽くしているとはいい難く,平成4年最判の事案とは全く状況が異なるのであって,同判決の射程は及ばない。 本件非公開部分は時事通信社の職員及び地方自治情報センターの職員の氏名及び役職名であり,第1次訴訟上告審判決においては,各種団体の職員及び報道機関の職員の氏名及び役職名は非公開とされているのであるから,本件非公開部分を公開すると,同判決と矛盾することとなるのは明らかである。平成4年最判の射程が本件にも及ぶとすると,前訴判決の拘束力によって,かえって第1次訴訟上告審判決と矛盾した処分を行うこととなり,結果として行訴法33条1項が拘束力を認めた趣旨を没却することとなる。よって,平成4年最判は,本件のような特殊な事情がある場合まで,前訴判決の拘束力を及ぼす趣旨とは考えられない。 (2) 原告ら各自の被告市に対する損害賠償請求権の成否ア原告らの主張(ア) 前記(1)ア及び後記(イ)のとおり,被告市長は行訴法33条に違反して違法に本件非公開決定を行い,原告らの知る権利を侵害したものであるところ,行訴法33条の拘束力については,平成4年最判により判決主文が導き出されるのに必要な事実認定及び法律判断にわたるものであるとの判断が確立され,それ以後,同判決に反する判断を明示的に採用する裁判例は存在しないのであるから,被告市長は,本件公開請求について再度の決定をするに当たっては,平成4年最判の見解に従って決定をする義務を負っていた。すなわち,被告市長は,本件非公開部分に係る情報の相手方団体は省庁又は自治体 ら,被告市長は,本件公開請求について再度の決定をするに当たっては,平成4年最判の見解に従って決定をする義務を負っていた。すなわち,被告市長は,本件非公開部分に係る情報の相手方団体は省庁又は自治体であり,相手方の役職名は公務員であるという,判決主文が導き出されるのに必要な認定判断に拘束され,これに従って決定をする義務を負っていたにもかかわらず,これに矛盾する認定判断をして本件非公開決定をした。被告市長が上記義務を知らないはずはないから,被告市長には故意があったというべきである。仮に被告市長が上記義務を知らなかったとしても,同条の拘束力について調査する義務を怠り,漫然と拘束力に反した本件非公開決定を行ったのであるから,被告市長には少なくとも過失が認められる。 (イ) 本件非公開決定によって原告らの知る権利が侵害されるとともに,本件訴訟の提起,訴訟追行のために弁護士費用の出捐を余儀なくされた。その精神的苦痛を金銭的に評価すれば,各自30万円を下ることはない。この苦痛は,原告らが,第1次訴訟において訴訟提起から10年以上の訴訟追行を経て判決を得たにもかかわらず,本件非公開決定がされ,本件訴訟を余儀なくされたという経緯からすれば,仮に大阪市から本件公文書の公開を受けたとしても,回復されるということはない。また,原告ら各自の本件訴訟に要した弁護士費用は各自3万円を下らない。 イ被告市の主張(ア) 上記(1)イ(ア)のとおり,被告市長が行った本件非公開決定は,行訴法33条2項に反するものではないから,被告市は,原告らに対して損害賠償責任を負わない。 (イ) 被告市長は,本件非公開決定を行うに当たり,平成4年最判を無視したのではなく,前記(1)イ(ウ),(エ)のとおり,平成4年最判との事案 原告らに対して損害賠償責任を負わない。 (イ) 被告市長は,本件非公開決定を行うに当たり,平成4年最判を無視したのではなく,前記(1)イ(ウ),(エ)のとおり,平成4年最判との事案の相違から同判決の射程は前訴判決には及ばず,また,前訴判決が各種団体の職員及び報道機関の職員の氏名及び役職名について一方で非公開とし,他方で公開するという矛盾した判断を示したものではないとの判断に基づいて,本件非公開決定をしたのであって,その判断には十分な合理性がある。よって,仮に平成4年最判の射程が本件にも及び,本件非公開決定が違法であるとして取り消されたとしても,被告市長には国家賠償法1条1項の故意若しくは過失又は同法上の違法性は認められない。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(本件非公開決定の違法性)について(1) 行訴法33条1項は,処分又は裁決を取り消す判決は,その事件について,当事者たる行政庁その他の関係行政庁を拘束する旨規定し,同条2項は,申請を却下し若しくは棄却した処分又は審査請求を却下し若しくは棄却した裁決が判決により取り消されたときは,その処分又は裁決をした行政庁は,判決の趣旨に従い,改めて申請に対する処分又は審査請求に対する裁決をしなければならない旨規定し,同条3項は,申請に基づいてした処分又は審査請求を認容した裁決が判決により手続に違法があることを理由として取り消された場合に同条2項の規定を準用する旨規定している。これらの規定は,行政庁に対し,処分又は裁決を違法とした判決の判断内容を尊重し,その事件について判決の趣旨に従って行動しなければならないという特別の義務を課すことにより,取消訴訟による権利救済の実効性を期す趣旨に出たものであると解される。このような趣旨からすれば,同条1項の規定する処分又は裁決を 趣旨に従って行動しなければならないという特別の義務を課すことにより,取消訴訟による権利救済の実効性を期す趣旨に出たものであると解される。このような趣旨からすれば,同条1項の規定する処分又は裁決を取り消す判決(以下「取消判決」という。)の拘束力は,取消判決の主文についてのみ生じるものではなく,同項により取消判決の理由において示された具体的違法事由についての判断に与えられた通用力として,当該主文が導き出されるのに必要な事実認定及び法律判断にわたり,その限度で生じるものと解されるのであり(平成4年最判参照),その性質上,当該取消判決に係る訴訟の審理経過ないし当事者の具体的主張,立証状況等によって拘束力の生じる範囲が左右されるものではないと解するのが相当である。また,当該事件について行政庁に対し判決の趣旨に従って行動しなければならない義務を課すことにより取消判決による権利救済の実効性を期すという拘束力の前記趣旨からすれば,判決主文が導き出されるのに必要な法律判断として判示された法理についても,当該判決主文が導き出されるのに必要なものとして認定された事実に適用される限りにおいて,当該事実認定と相まって拘束力が生じるのであって,当該事実認定と離れて一般的に拘束力が生じるものではないと解するのが相当である。 (2) 前提事実によれば,第1次訴訟の控訴審判決において,本件各文書のうち一覧表整理番号18の文書に記載された相手方の団体名は自治体,相手方の氏名及び役職名は公務員であり,同33の文書に記載された相手方の団体名は省庁,相手方の氏名及び役職名は公務員であり,同36の文書に記載された相手方の団体名は自治体,相手方の氏名及び役職名は公務員であるという趣旨の事実認定及び本件公開請求に係る公文書において非公開とされた相手方氏名が公務員の氏名である 務員であり,同36の文書に記載された相手方の団体名は自治体,相手方の氏名及び役職名は公務員であるという趣旨の事実認定及び本件公開請求に係る公文書において非公開とされた相手方氏名が公務員の氏名である場合の当該公務員は,その所属する各省庁や自治体等の職務として財務課との会議,懇談会等に出席したと推認され,当該公務員が個人の立場で個人的に出席したとの主張,立証はないとの事実認定がされた上,本件非公開決定のうち本件各文書に係る本件非公開部分を非公開とした部分は違法として取り消すべきである旨の判断がされ,第1次訴訟の上告審判決において,前提事実(11)キのとおり,本件各文書を含む整理番号1の文書等に記録された情報は,国又は地方公共団体の公務員がその職務として会議等に出席したことに関する情報であり,公務員個人の私事に関する情報を含むものでないことが原審(第1次訴訟控訴審判決)によって確定されているのであるから,上記文書における一覧表の「相手方の氏名」欄及び「相手方の役職名」欄に対応する記載を含む情報は,国及び地方公共団体の公務員の職務の遂行に関する情報であり,条例6条2号の非公開情報に当たらないとして,上記文書における同表の「相手方の氏名」欄及び「相手方の役職名」欄に対応する記載に関する部分については被告市長の上告を棄却すべきである旨の判断がされたというのである。 そうであるとすれば,本件旧非公開決定のうち本件非公開部分に係る部分を取り消した第1次訴訟の確定判決において,本件各文書に記録された情報が,国又は地方公共団体の公務員がその職務として会議等に出席したことに関する情報であり,公務員個人の私事に関する情報を含むものでないとの事実認定及び本件各文書における本件非公開部分の記載を含む情報が,国及び地方公共団体の公務員の職務の遂行に て会議等に出席したことに関する情報であり,公務員個人の私事に関する情報を含むものでないとの事実認定及び本件各文書における本件非公開部分の記載を含む情報が,国及び地方公共団体の公務員の職務の遂行に関する情報であり,条例6条2号の非公開情報に当たらないとの法律判断は,いずれも判決主文が導き出されるのに不可欠な事実認定及び法律判断ということができるから,上記確定判決の拘束力は,上記事実認定及び法律判断にわたり生じるものというべきである。 しかるところ,前提事実によれば,被告市長は,本件非公開部分に係る本件旧非公開決定が上記確定判決により取り消された後,公務員以外の相手方の氏名及び役職名については,個人にかかわりのある情報であり,法人その他の団体の従業員が職務として行った行為に関する情報ではあるが,法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報には該当しないから,条例6条2号にいう「個人に関する情報」であり,同号ただし書のいずれにも該当しないという理由により,本件非公開部分を非公開とする旨の本件非公開決定をしたというのであるから,たとい本件非公開部分の記載内容について前提事実(13)のとおり認定することができるものであったとしても,本件非公開決定は,第1次訴訟の取消判決の拘束力に反するものであって,行訴法33条2項に違反し,違法といわざるを得ない。 この点,被告市長は,第1次訴訟上告審判決で示された条例6条2号の解釈に従い,国及び地方公共団体の公務員の職務の遂行に関する情報並びに法人等を代表する者が職務として行う行為等当該法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報は「個人に関する情報」に含まれないが,法人等の代表者に準ずる地位にある者以外の従業員の職務の遂行に関する情報はその者の権限に基づく当該法人等のため 法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報は「個人に関する情報」に含まれないが,法人等の代表者に準ずる地位にある者以外の従業員の職務の遂行に関する情報はその者の権限に基づく当該法人等のための契約の締結等に関する情報を除き「個人に関する情報」に該当するとの前提に立って本件各文書につき同号該当性を判断し,本件非公開決定をしたのであるから,本件非公開決定は,第1次訴訟上告審判決の趣旨に添ったものであって,取消判決の拘束力に反しないといった趣旨の主張をする。しかしながら,第1次訴訟上告審判決において前提事実(11)アないしエの法理が判決主文が導き出されるのに必要な法律判断として判示されたとしても,前記のとおり,当該判決主文が導き出されるのに必要な事実認定と離れて当該判示部分について一般的に拘束力が生じるものではないから,本件非公開決定が当該判決主文が導き出されるのに必要な事実認定と異なる事実認識に基づき上記法理を適用してされたものである以上,本件非公開決定は第1次訴訟の取消判決の拘束力に反するものといわざるを得ない。 (3) 以上のとおりであるから,被告市長に対し本件非公開決定の取消しを求める原告らの請求は,その余の点について判断するまでもなく,理由がある。 2 争点(2)(原告ら各自の被告市に対する損害賠償請求権の成否)について(1) 前提事実(13)のとおり,本件各文書のうち一覧表整理番号18の文書に係る本件非公開部分は,平成2年12月14日実施の大阪府との財政問題に関する協議懇談会の出席(予定)者中大阪府及び大阪市以外の出席(予定)者の氏名及び役職名であって,時事通信社に所属する職員の氏名及び役職名が記載されており,同33の文書に係る本件非公開部分は,平成3年9月27日実施の自治省職員の市施設見学に伴う接遇の出席 席(予定)者の氏名及び役職名であって,時事通信社に所属する職員の氏名及び役職名が記載されており,同33の文書に係る本件非公開部分は,平成3年9月27日実施の自治省職員の市施設見学に伴う接遇の出席(予定)者のうち地方自治情報センターに所属する職員の氏名及び役職名であり,同36の文書に係る本件非公開部分は,平成3年12月24日実施の大阪府との財政問題に関する協議懇談会の出席(予定)者のうち時事通信社に所属する職員の氏名及び役職名であるというのであり,この事実は本件各文書の該当部分の記載自体から容易に認められるものである。この事実によれば,本件各文書の本件非公開部分を含む情報は,いずれも国及び地方公共団体の公務員以外の者が協議懇談会又は接遇に出席したことに関する情報であって,その者の社会的活動にかかわる情報であり,その氏名及び役職名により特定の個人が識別され,又は識別され得るものということができる。そして,この情報は,当該協議懇談会又は接遇の名称及びこれから推知される会議の目的,相手方出席者の所属団体等に照らすと,法人等の代表者又はこれに準ずる地位にある者が当該法人等の職務として当該協議懇談会又は接遇に出席したと推認するのは困難であり,その他の者が権限に基づいて当該法人等のために契約の締結等をしたと認めることもできないから,第1次訴訟上告審判決の判示した前提事実(11)アないしエの法理を適用すると,本件非公開部分に係る情報は,本件非公開決定の理由のとおり,条例6条2号本文にいう「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)で,特定の個人が識別され,又は識別され得るもの」に該当し,同号ただし書に該当する事実を認めるに足りる証拠はないから,同号により非公開とすることができるものというべきである。 ところで,行 特定の個人が識別され,又は識別され得るもの」に該当し,同号ただし書に該当する事実を認めるに足りる証拠はないから,同号により非公開とすることができるものというべきである。 ところで,行訴法33条1項の規定する取消判決の拘束力は判決主文が導き出されるのに必要な事実認定及び法律判断にわたるものである旨判示した平成4年最判は,特許出願に係る発明(以下「本件発明」という。)が特許出願前に本件発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(当業者)において特定の引用例から容易に発明することができたとしてされた特許無効審決(以下「前審決」という。)について,本件発明に係る特許の権利者がその取消しを求めて訴訟(前訴)を提起したところ,本件発明は特許出願前に当業者が当該引用例から容易に発明することができたとは認められないとして前審決を取り消す旨の判決(以下「前判決」という。)がされ,前判決が確定した後,本件発明は特許出願前に当業者が当該引用例から容易に発明することができたとはいえないとして,無効審判請求不成立との審決(以下「本件審決」という。)がされたため,請求人が,本件発明が当該引用例から容易に発明することができたとはいえないとした本件審決の認定判断が違法であるとして,その取消しを求めて提訴した訴訟について,当該引用例から本件発明を特許出願前に当業者が容易に発明することができたとはいえないとした本件審決の認定判断が前判決の拘束力に従ったものであって適法であるとした事案である。 これに対し,前提事実,証拠(甲1ないし3,乙1ないし25)及び弁論の全趣旨によれば,第1次訴訟において,原告らは,条例6条2号にいう「個人に関する情報」とは個人のプライバシーにかかわる情報を意味し,プライバシーに関係しないことが明らかな情報は「個 25)及び弁論の全趣旨によれば,第1次訴訟において,原告らは,条例6条2号にいう「個人に関する情報」とは個人のプライバシーにかかわる情報を意味し,プライバシーに関係しないことが明らかな情報は「個人に関する情報」に該当しないのであって,財務課が公務の遂行として食糧費を支出した会合等に出席することは,相手方にとって公務又は職務であって,私的領域にかかわるものでないから,これに出席した相手方の氏名及び役職名は,それが公務員であると否とを問わず,同号に該当しないという趣旨の主張をしていたのに対し,被告市長は,第1審から上告審に至るまで一貫して,特定の個人が識別され又は識別され得る情報は,プライバシーに関係しないことが明らかであっても,特定の個人が公務員であると否とを問わず,同号に該当すると解すべきであり,プライバシーに関係しないことが明らかな情報が同号に該当しないと解されるとしても,本件公開請求に係る公文書に記載された会議等の相手方の氏名や役職名は,当該相手方が公務員であると否とを問わず,通常人であれば当該会議等に出席したことを一般に知られたくないと考えるものであるから,プライバシーに属する事項であり,同号に該当するといった趣旨の主張をしていたこと,第1次訴訟の第1審判決及び控訴審判決は,個人に関する情報とされている情報であっても,プライバシーに関係しないことが明らかな情報については,非公開とすることは許されないところ,大阪市の事務事業に直接関係のある会議等に相手方出席者が個人としての資格を離れ,公務あるいは所属する団体の職務として出席する限りは,私的な領域の問題とはいえないから,これらに関する情報は,相手方出席者のプライバシーに関係しないものとして,条例6条2号の非公開情報に該当しない旨の判断をしており,法人その他の団体(国及び地方公共団 私的な領域の問題とはいえないから,これらに関する情報は,相手方出席者のプライバシーに関係しないものとして,条例6条2号の非公開情報に該当しない旨の判断をしており,法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。)の代表者に準ずる地位にある者以外の従業員の職務の遂行に関する情報は,その者の権限に基づく当該法人等のために行う契約の締結等に関する情報を除き,同号にいう「個人に関する情報」に当たるが,国及び地方公共団体の公務員の職務の遂行に関する情報は,公務員個人の私事に関する情報が含まれる場合を除き,同号にいう「個人に関する情報」に当たらないといった前提事実(11)アないしエの法理は,第1次訴訟の上告審判決において初めて判示されたこと,以上の事実が認められる。 (2) 以上認定説示したところによれば,本件旧非公開決定のうち本件非公開部分に係る部分を取り消した第1次訴訟の確定判決において当該判決主文が導き出されるのに必要な法律判断としてされた,本件各文書における本件非公開部分の記載を含む情報が,国又は地方公共団体の公務員の職務の遂行に関する情報であり,条例6条2号の非公開情報に当たらないという法律判断は,その前提となる前提事実(11)アないしエの法理が第1次訴訟上告審判決において初めて判示されたものであって,前記認定の第1次訴訟の審理経過にかんがみると,第1次訴訟の第1審及び控訴審において,当該法理を前提とした要件事実についての主張,立証が尽くされたとはいい難いのであり,とりわけ,第1次訴訟において公務員がその職務として会議等に出席したことに関する情報も条例6条2号にいう「個人に関する情報」に該当する趣旨の主張を一貫して行っていた被告市長の立場からすれば,第1次訴訟において,本件各文書を含む第1次訴訟関係文書中の本件非公開部分を含む非公 る情報も条例6条2号にいう「個人に関する情報」に該当する趣旨の主張を一貫して行っていた被告市長の立場からすれば,第1次訴訟において,本件各文書を含む第1次訴訟関係文書中の本件非公開部分を含む非公開部分に公務員の氏名及び役職名が含まれるか否かについて主張,立証等を尽くさなかったとしても,やむを得ないものということができる。そうであるとすれば,この点において,本件は,判決主文が導き出されるのに必要な事実認定(特許出願前に当業者において本件発明を特定の引用例から容易に発明することができたとは認められないという事実認定)が前審決に係る審判手続以来一貫して主要な争点となり,当該争点についての主張,立証を尽くす機会が十分に存した平成4年最判の事案とは,その事案を異にするものということができる。他方で,本件各文書の本件非公開部分には財務課が実施した協議懇談会又は接遇に出席した国及び地方公共団体の公務員以外の者の氏名及び役職名が記載されている事実は,第1次訴訟の確定判決が本件旧非公開決定中本件非公開部分に係る部分を取り消す旨の判決主文を導き出すための前提として認定した事実とは異なるものの,本件各文書の当該部分の記載自体から客観的に明らかであり,この事実に第1次訴訟上告審判決の判示した法理を適用すると,本件非公開部分に係る情報は,条例6条2号により非公開とすることができるものである。 これらの事情を総合勘案すれば,被告市長において,本件各文書の本件非公開部分には財務課が実施した協議懇談会又は接遇に出席した国及び地方公共団体の公務員以外の者の氏名及び役職名が記載されているという客観的に明らかな事実関係に依拠して,これに第1次訴訟上告審判決の判示した法理を適用して,本件非公開部分を非公開とすることが,第1次訴訟の上告審判決の判旨に適合するもの び役職名が記載されているという客観的に明らかな事実関係に依拠して,これに第1次訴訟上告審判決の判示した法理を適用して,本件非公開部分を非公開とすることが,第1次訴訟の上告審判決の判旨に適合するものであって,第1次訴訟の取消判決の拘束力に反しないと判断したとしても,そのことには相応の根拠があったというべきであるから,前記判示のとおり本件非公開決定が第1次訴訟の取消判決の拘束力に反するものであるとしても,少なくとも,被告市長が上記のように判断して本件非公開決定をしたことが,その職務上通常尽くすべき注意義務を尽くさなかったとして,国家賠償法1条1項にいう違法があったとまでいうことはできないというべきであり,また,少なくとも,被告市長が本件非公開決定をしたことについて過失があったということはできない。 (3) 以上のとおりであるから,被告市に対し国家賠償法1条1項に基づき損害賠償を求める原告らの請求は,その余の点について判断するまでもなく,理由がない。 第4 結論以上のとおり,原告らの被告市長に対する請求は理由があるからこれを認容すべきであり,原告らの被告市に対する請求はいずれも理由がないからこれを棄却すべきである。 よって,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第2民事部 裁判長裁判官西川知一郎 裁判官田中健治 裁判官和久一彦 裁判官 和久一彦
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