平成21(行ケ)10369 審決取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成22年6月30日 知的財産高等裁判所 2部 判決 請求棄却
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判決文本文18,858 文字)

- 1 -平成22年6月30日判決言渡平成21年(行ケ)第10369号審決取消請求事件(商標)口頭弁論終結日平成22年5月19日判決原告株式会社お菓子のポルシェ訴訟代理人弁護士田中康久同川添利賢同与世田兼稔同新見研吾同谷口由記同田村展靖被告特許庁長官指定代理人渡邉健司同田村正明主文 原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1請求特許庁が不服2006-10349号事件について平成21年9月29日にした審決を取り消す。 第2事案の概要 本件は,原告が,後記商標について商標登録出願をしたところ,拒絶査定を受けたので,これを不服として審判請求をしたが,特許庁が請求不成立の審決をしたことから,その取消しを求めた事案である。 争点は,下記内容の商標(本願商標)が,①単に商品の品質又は原材料を表示- 2 -するにすぎないものか(商標法3条1項3号),②使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができたものであるか(特別顕著性,同法3条2項),③審判手続の違法の有無,である。 記(商標)(指定商品)第30類「紅芋を用いたタルト」第3当事者の主張 請求の原因(1)特許庁における手続の経緯原告は,平成17年6月10日,上記内容の商標につき商標登録出願(商願2005-52084号。ただし,指定商品は第30類「タルト」とするもの。)をし,平成18年2月15日付けで指定商品を「紅芋を用いたタルト」とする旨の手続補正を行ったが,平成18年4月24日付けで拒絶査定を受けたので,これに対する不服の審判請求をした。 ,,特許庁は上記請求を不服2006-1 日付けで指定商品を「紅芋を用いたタルト」とする旨の手続補正を行ったが,平成18年4月24日付けで拒絶査定を受けたので,これに対する不服の審判請求をした。 ,,特許庁は上記請求を不服2006-10349号事件として審理した上,「,。」,平成21年9月29日本件審判の請求は成り立たないとの審決をしその謄本は同年10月21日原告に送達された(乙1)。 (2)審決の内容審決の内容は,別添審決写しのとおりである。その理由の要点は,①上記商標は,商品の品質又は原材料を表示するものであるから商標法3条1項3号に該当する,②また,使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものに至っていないから同法3条2項に該当しない,というものである。 - 3 -(3)審決の取消事由しかしながら,審決には次のとおり誤りがあるから,違法として取り消されるべきである。 ア取消事由1(審判手続の違法)(ア)本件審判手続では,請求人である原告の反駁の機会を奪った重大な違法があり,かつ,審理終結後に提出された証拠を審理の前提にした手続違背がある。 すなわち,本件審判事件は,平成20年6月27日に手続が中止され,那覇地方裁判所平成19年(ワ)第1032号事件(以下「那覇地裁事件」という。)の結果を待つことにし,審判事件に関する今後の手続の再開については別途お知らせしますとの手続中止通知書が同年7月4日に審判請求人である原告に発送された。そして,平成20年10月21日付けで,手続中止通知書の発送から3か月が経過したこと及び那覇地裁事件について判決がなされたので,手続中止を解除する旨の通知書が同年10月24日付けで発送され,原告に送達された。 そこで,原告は同年10月28日付け「上申書」を提出し,那覇地裁事件の判決に 覇地裁事件について判決がなされたので,手続中止を解除する旨の通知書が同年10月24日付けで発送され,原告に送達された。 そこで,原告は同年10月28日付け「上申書」を提出し,那覇地裁事件の判決に対して控訴を提起して,福岡高等裁判所那覇支部(以下「高裁那覇支部」という。)に係属した(平成20年(ネ)第131号事件)ことから,上記控訴審判決があるまで更に手続を中止されるよう上申した。 すると,同年11月14日に,再度,控訴審に係属したことを理由に,審判手続が中止され,今後の手続の再開については別途お知らせしますとの手続中止通知書が同年11月21日に原告に発送された。 しかるに,平成21年8月17日になって「手続中止通知書の発送日,から相当の期間が経過したので,この審判事件の手続中止を解除する。なお,この事件を継続しない場合は,審判請求を取り下げてください」と。 手続中止解除通知がなされ,同年8月21日に原告に発送された。 - 4 -そこで,原告は,同年8月27日付け上申書で,再度,本件審判事件について,高裁那覇支部の事件で提出した証拠等を提出するので,審判手続を再開してほしいと上申した。 しかし,審判長は,同年8月25日付けで審理を終結し,同年8月28日に審理終結通知書を原告に発送した。 ,,,これに対し原告は同年9月16日付で審理再開の申立てを行いかつ意見書(上申書)で,高裁那覇支部に提出した証拠を甲第50号証~第66号証(枝番号を含む。以下同じ。)として,特許庁に提出した。 (イ)以上のとおり,那覇地裁事件の判決を待つとの理由で審判手続が中止され,また,同事件が控訴審に移行するや高裁那覇支部の控訴審判決があるまで手続を中止するとしていたのが,控訴審判決の言渡しの前に,突然中止を解除し,原告に攻撃防御の機会を与えず審理を終結したの 中止され,また,同事件が控訴審に移行するや高裁那覇支部の控訴審判決があるまで手続を中止するとしていたのが,控訴審判決の言渡しの前に,突然中止を解除し,原告に攻撃防御の機会を与えず審理を終結したのは,原告の攻撃防御の権利を不当に奪った違法がある。そして,審決では原告が提出した証拠について信用性を疑う認定を行っているが,これは本来,審判において,証拠調べの結果を審判請求人である原告に通知し,その反論の機会を与えた上で審決すべきものであった(事実,審決の認定は事実を誤認している点が多々ある。)。 また,原告が審判手続の再開を上申したが,再開されずに審決がなされたが,審決では,審理終結後に原告が提出した証拠(甲50~66)を証拠調べ済みの証拠として,判断の基礎にしている。しかし,職権で証拠調べを行った旨の通知もなされておらず(証拠調べ通知書は平成20年4月4。,。 日付けのみである)これは明らかに重大な手続違背というべきであるイ取消事由2(商標法3条1項3号該当とした判断の誤り)審決は,「本願商標をその指定商品「紅芋を用いたタルト」について使用するときは,全体として「(原材料として)紅いもを使用したタルト」,の意味を認識させるにすぎず,単に商品の品質又は原材料を表示するもの- 5 -といわなければならない」(12頁7行~10行)として,本願商標は,。 商標法3条1項3号に該当するとしている。 しかし,原告の「紅いもタルト」は,パイ生地であるタルトの原材料に紅芋を使用してはおらず,タルト生地の上に紅芋餡を盛り付けた菓子(タルト菓子)を意味しており,本願商標から「タルトの原材料として紅芋を使用している」という認識を抱くとするのは正しい認識とはいえない。 また「紅いもタルト」は,原告代表者が昭和61年に,沖縄県の読谷,村の「紅いも 味しており,本願商標から「タルトの原材料として紅芋を使用している」という認識を抱くとするのは正しい認識とはいえない。 また「紅いもタルト」は,原告代表者が昭和61年に,沖縄県の読谷,村の「紅いも」(「読谷紅いも」という名称で県下では有名であった。)による「むらおこし事業」の一環として,読谷村商工会から「紅いも」を素材とした和洋菓子の可能性について依頼され,試行錯誤をしながら開発・発売した菓子である。当時「紅いも」の用語ではなく「読谷紅いも」の,,用語が用いられていたのを「紅いも」とし,また,そのような形態の小さな菓子は一般に「タルトレット」と呼ばれていたのを「タルト」とし,いずれも短縮化し,結合させて「紅いもタルト」とネーミングしたもので,あって,和名と洋名とを一体として絶妙に組み合わせた「造語名称」であり,その形態と相まって,開発・発売後23年間の長期間にわたり需要者に愛され続け,沖縄を代表する土産菓子の座を獲得するに至ったものであり,消費者において「紅いもタルト」は原告の商品であるとの認識が広まっているといえる。 したがって,原告の「紅いもタルト」の名称が,単に「タルトの原材料として紅芋を使用している」との認識を抱くからとの理由で商標法3条1項3号に該当するとの判断は誤りである。 ウ取消事由3(商標法3条2項非該当とした判断の誤り)審決は「本願商標が請求人の出所を表示する商標として,指定商品の,需要者の間で全国的に広く認識されているものとは認められない」(24頁27行~28行)と認定・判断した。しかし,審決は,以下のとおり,- 6 -「」,,原告の紅いもタルトの販売数量や宅配数量等の認定方法を誤りかつ事実も誤認した上で,誤った判断を行ったものである。 (ア)販売数量の認定方法について,審決は,原告が「紅 - 6 -「」,,原告の紅いもタルトの販売数量や宅配数量等の認定方法を誤りかつ事実も誤認した上で,誤った判断を行ったものである。 (ア)販売数量の認定方法について,審決は,原告が「紅いもタルト」の販売数量について公表した数値が異なることを捉えて「正確性に疑義が存す,るところである」(23頁20行~21行)として,数値の信用性に疑念。 を差し挟み,大量に製造販売されて本願商標が需要者の間に広く知られていることを否定する。 しかし,製造販売の数量は,その証明されるべき命題と相関的に考慮されるべきものであり,例えば,代金請求訴訟では数量の命題について正確,,な数値が不可欠であるが大量に製造販売されてきたという命題であればおおよその数量が把握できればよい(許容範囲内の誤差があってもよい。)のであって,公表される数量が書証によって若干の齟齬があるからといって,殊更にこれを強調し,全体として大量に販売されてきた事実の信用性に疑念を差し挟むことは不当な認定方法というべきであり,数量がおおよその数値で合致しておれば,大量に販売されたという命題が証明されたものとして取り扱うべきである。 また,審決では,原告の主張する集計数値の一部に欠落があったので,これを修正すれば,大量に販売されてきた事実について疑念を抱くことなく認定することができるはずである。 (イ)審決は,原告が提出した証拠についての総合的な判断を行っていない。 例えば,審決は,甲7,12,13,16,17の新聞記事は「いずれ,も地方新聞の記事であって,これらの記事をもって,本願商標が請求人の出所表示として,指定商品の需要者の間で全国的に広く認識されているものとは認められない」(21頁17行~19行)とか,甲21及び甲23。 のビデオテープは「地方テレビ局が1回放送したもの が請求人の出所表示として,指定商品の需要者の間で全国的に広く認識されているものとは認められない」(21頁17行~19行)とか,甲21及び甲23。 のビデオテープは「地方テレビ局が1回放送したものと思われる番組内,容であって,反復継続される広告として放送したものとは認められないか- 7 -ら,…指定商品の需要者の間で全国的に広く認識されているものとは認められない」(21頁下6行~下2行)としている。地方新聞は購読者の範。 囲が地方であり全国紙のように購読者の範囲が全国的ではないので,地方新聞の記事に記載されている事実は全国的に認識されることはないとの判断によるものと思われるが,全国紙は主として大都市圏を中心に購読者が多いというものであって,必ずしも地方で地方紙よりも購読者が多いとは限らない。言い換えると,審決は,全国的な認識に対するメディアとしての地方新聞や地方テレビ局の証拠力を低く認定しすぎている。地方新聞で掲載された記事であっても,それらが積み重なれば,全国的な認識となるのであり,また,商標法3条2項の「使用による識別性」(特別顕著性)も総合的判断であるから,地方の認識を踏まえ,それらを総合的に判断すべきものであり,審決の上記認定判断は誤っている。 (ウ)審決は,原告が本願商標「紅いもタルト」を使用する商品が,土産物であるという特性を無視した認定を行ったといわざるを得ない。 すなわち「紅いも」は,沖縄県の特産品であり,日本全国から沖縄を,訪れる観光客年間約500万人以上(中学・高校修学旅行生約40万人を含む。甲54の2)が原告の製造販売する「紅いもタルト」を沖縄県特産の土産物として購入し,これを自宅や職場に土産として持ち帰り,1箱という単位ではなく,1箱に5個入り,10個入りとして「紅いもタルト」の商標が付された包装袋に入 販売する「紅いもタルト」を沖縄県特産の土産物として購入し,これを自宅や職場に土産として持ち帰り,1箱という単位ではなく,1箱に5個入り,10個入りとして「紅いもタルト」の商標が付された包装袋に入れられた商品が,1個(1袋)の単位で,沖縄県を訪問したことのない家庭や職場の人々にも,沖縄県産の土産品として渡り,食されている。その結果,個々の袋に「紅いもタルト」の名称を表示している原告商品は,国民の間に爆発的な人気を博して,沖縄県特産の土産品と広く知られるようになり,今や沖縄県を代表する土産品の座を獲得したのである。 (エ)また,審決は,原告の商品が沖縄県でのみ製造されている沖縄県の特産- 8 -品であることから,販売地域を沖縄県だけに限ったかのように誤解し,宅配便として販売を全国展開していることを見過ごした判断を行っている。 すなわち,原告は,沖縄県内の直営店で購入する消費者の注文により,また,いわゆる通信販売であるインターネットの電子メール,電話及びFAXを利用した注文により,全国各地へ向けて宅配便による販売を展開しているのである「紅いもタルト」の販売は毎年飛躍的に増加しており,。 その規模は1都1道2府43県の全都道府県にくまなく配達しており,直営7店舗における平成21年9月と10月の2か月間の「紅いもタルト」の沖縄県外への宅配販売件数は1万4885件(宅配の件数であり包装箱の数量ではない。)で,販売個数は124万7744個,1か月平均約7400件で,約62万個である。しかも,原告は,県外需要が多くなるに伴い,品質管理と包装工程の厳格化により,原材料を変更することなく,賞味期限を2週間から30日に延長できるように工夫し,現在では,沖縄県内はもとより,原告や取引業者のインターネットショップによる販売及び株式会社沖縄県物産公社や株式 より,原材料を変更することなく,賞味期限を2週間から30日に延長できるように工夫し,現在では,沖縄県内はもとより,原告や取引業者のインターネットショップによる販売及び株式会社沖縄県物産公社や株式会社沖縄物産企業連合を通して県外の「」,「」わしたショップや各地コープ(生協)などでも沖縄県特産の紅いもで作った原告の「紅いもタルト」が展示販売され,多くの人々によって購入されている。 (オ)食材の「紅いも」(当初の呼び方は「紅いも」ではなく「読谷紅芋」で。 ,,あった)についてそれまで菓子の素材には用いられていなかったのを菓子に用いることを最初に開発したのは,原告代表者個人である。 すなわち,読谷村商工会が昭和59年度に地域ビジョンを策定し,地域活性化事業として「読谷紅芋」による特産品づくりを提唱し,昭和61年に原告代表者が個人営業として地元の紅芋を素材にした商品を開発し,その中の1つに「紅いもタルト」と命名し,これがヒット商品となり,以来20年間以上にわたり「紅いもタルト」を標榜し「読谷紅芋」のイメー,- 9 -ジアップによる産地ブランド化を図るとともに,読谷村の地域振興に大きく貢献してきたものであり,原告商品「紅いもタルト」は,読谷村商工会との関わりの中で,沖縄県内外に広く周知されてきたのであった。 したがって,原告代表者が「紅いもタルト」と命名した昭和61年当時において,同人のほかには,紅芋を利用した菓子を製造販売する者は存在しなかったのであるから,この時点においては「紅いもタルト」の商標,について,菓子業者及び消費者(需要者)が「(原材料として)紅いもを使,用したタルト」との意味で商品の原材料又は品質を表示したものとして認識することはあり得ないことは明らかである。 そして,原告商品「紅いもタルト」は,平 費者(需要者)が「(原材料として)紅いもを使,用したタルト」との意味で商品の原材料又は品質を表示したものとして認識することはあり得ないことは明らかである。 そして,原告商品「紅いもタルト」は,平成6年12月から平成11年3月までの4年4か月の間,沖縄の那覇空港の日本航空等4社の機内食の茶菓に採用され,平成13年には原告が自動製造機を導入し「御菓子御,」,,,殿を建設して製造現場を硝子越しに見学させこれが観光名所となり沖縄を訪れる多くの観光客が「御菓子御殿」に足を運び,土産として本土へ持ち帰り,沖縄名産の土産として,県外へ広まり,更に人気を博し,新聞で紹介され,また,日本の地方向けや全国向けのテレビで紹介され,沖縄県内における周知商標といえるだけでなく,全国的にも周知商標といえる状態になったものである。 (カ)被告が他の業者が使用していると主張する業者たちは,すべて本願商標が周知性を獲得した後に,ただ乗りをしようとして類似商標を使用してきたフリーライダーであって,法的に保護されるべき利益を有しないのであり,ナンポー通商以外の業者については「紅いもタルト」の同一ないし,類似商標を使用した商品は数量的にも少なく,メイン商品として販売して,。 はいないのであり使用できないことにより受ける被害は少ないのであるしたがって,原告に独占的使用が認められるのを公益上適当としないという背景事実は存在しない。 - 10 - 請求原因に対する認否請求原因(1),(2)の各事実は認めるが,(3)は争う。 被告の反論,,。 審決の認定判断は正当であり原告主張の取消事由はいずれも理由がない(1)取消事由1に対しア平成20年6月27日付けの1回目の手続中止通知書(乙2)には「こ,の審判事件について,請求人が平成20年5月 判断は正当であり原告主張の取消事由はいずれも理由がない(1)取消事由1に対しア平成20年6月27日付けの1回目の手続中止通知書(乙2)には「こ,の審判事件について,請求人が平成20年5月13日付けで提出した意見書の最後において『なお,この点は上記業者の販売規模,地域,期間に,関する資料を追加で提出する予定である』旨述べているので,3ヶ月待。 つこととしましたので,この審判事件の手続を中止します。また,那覇地方裁判所平成19年(ワ)第1032号事件の結果を待つことこととしましたので,この審判事件の手続を中止します。なお,この審判事件に関する今後の手続の再開については,別途お知らせします」と記載したのに。 ,,対し平成20年11月14日付けの2回目の手続中止通知書(乙3)には「この審判事件について,請求人が平成20年10月28日付けで提出した上申書において『那覇地方裁判所平成19年(ワ)第1032号事件,は,請求人が控訴し,福岡高等裁判所那覇支部に平成20年(ネ)第131号事件として係属した』旨述べているので,この審判事件の手続を中止。 します。なお,この審判事件に関する今後の手続の再開については,別途お知らせします」と記載したにとどまること,また,平成21年9月1。 6日付け上申書(乙4)において「審判官の電話での話では,本件事件は,商標の拒絶査定不服審判であり,福岡高等裁判所那覇支部の訴訟事件は不正競争防止法に基づく請求であって,商標の登録要件とは関係のない事件であるとの説明がありました」と記載されているとおり,手続の中止を解除する理由についても説明したものである。 民事,刑事の訴訟手続の完結に至るまで,審判手続を中止する必要があ- 11 -るか否かは,審判官の裁量に委ねられていて,必ず中止しなければならな の中止を解除する理由についても説明したものである。 民事,刑事の訴訟手続の完結に至るまで,審判手続を中止する必要があ- 11 -るか否かは,審判官の裁量に委ねられていて,必ず中止しなければならないものでない。また,出願人等に中止申立権を認めたものでない。 イ原告は,手続中止解除通知及び審理終結通知の送達後においても,反論することが可能であるし,実際に反論しているから,反論の機会を不当に奪った違法があるということはできない。 また,審決は,那覇地裁判決の判断を取り込んで審決したものではないから,攻撃防御の機会を不当に奪った違法があるということはできない。 ウまた,審決時の証拠の数値の矛盾点が,たとえ多い方に一致し,仮に,本願商標が,特定の者の出所表示として,本願の指定商品の需要者の間で全国的に認識されているものと認めることができたとしても,後述するように,同業他社もまた「紅いもタルト「紅芋タルト」及び「べにいもた,」ると」を使用している以上,原告のみに本願商標を独占させるのは適切でなく,また,そうである以上,需要者も何人かの業務に係る商品であることを認識し得ない商標であることに変わりはないから,結論を左右するものではないと判断し,釈明を求めずに審決をしたことに,反論の機会を不当に奪った違法があるということはできない。 エ証拠調べ通知は,当事者の知らない間に,不利な証拠が集められ,当事者の利益が害されるという事態を防ぐためのものであるところ,甲第50号証ないし甲第66号証は,そもそも,審判請求人である原告自らが審理再開の求めとともに提出した証拠であるから,原告の知らない間に,不利な証拠が集められ利益が害されるというものではないし,また,その証拠,,自体が審決の結論を決定付けたものでもないから実質的に問題にはなく重大な手続違 した証拠であるから,原告の知らない間に,不利な証拠が集められ利益が害されるというものではないし,また,その証拠,,自体が審決の結論を決定付けたものでもないから実質的に問題にはなく重大な手続違背には当たらない。 (2)取消事由2に対し本願商標は「紅いもタルト」の文字を表したものと理解されるのである,から,その指定商品「紅芋を用いたタルト」との関係においては,構成中- 12 -の「タルト」の文字部分は,その指定商品である「タルト」を表示したものと理解されるものであり,また「紅いも」の文字部分は,そのタルトが,「紅芋」を用いたものであることから,原材料としての「紅芋」を表示したものと理解されるものであって,商標全体としても「(原材料として)紅いもを使用したタルト」との意味で商品の原材料又は品質を表示したものと認識されるといえる(乙15~22)。そして,審決「第3当審の証拠調べ通知」(2頁以下)に記載したとおり,商品「紅芋を用いたタルト」を表す語として「紅いもタルト「紅芋タルト」及び「べにいもたると」等,」,の文字を当該商品を取り扱う各社が使用しているのである(乙23~30(枝番号を含む。)及び甲59の2)から,本願商標に接する取引者,需要者もまた本願商標を「(原材料として)紅いもを使用したタルト」との意味で商品の原材料又は品質を表示したものとして認識するというべきである。 さらに,土産品や菓子等の食品を取り扱う業界においては,商品の名称を表示する際に,文字の一部を大きくしたり,籠文字風に表したりするなどして,商品の包装の正面に顕著に表示することもまた一般的である(乙5~14)ことからすると,本願商標は,いまだ普通に用いられる方法の域を脱する表示方法とはいえないものである。 したがって,本願商標は,商標法3条1項3号に該 顕著に表示することもまた一般的である(乙5~14)ことからすると,本願商標は,いまだ普通に用いられる方法の域を脱する表示方法とはいえないものである。 したがって,本願商標は,商標法3条1項3号に該当する。 (3)取消事由3に対しア商標法3条2項によって商標登録が認められるためには,以下のような要件を具備することが必要であると解される。 (ア)使用により自他商品識別力を有すること商標登録出願された商標(以下「出願商標」という。)が,商標法3条2項の要件を具備し,登録が認められるか否かは,実際に使用している商標(以下「使用商標」という。)及び商品,使用開始時期,使用期間,使用地域,当該商品の生産又は販売の数量,並びに広告宣伝の方法及び- 13 -回数等を総合考慮して,出願商標が使用された結果,判断時である審決時において,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものと認められるか否か(いわゆる「自他商品識別力(特別顕著性)」の獲得の有無)によって決すべきものである。 (イ)出願商標と使用商標の同一性が認められること商標法3条2項の要件を具備するためには,使用商標は,出願商標と同一であることを要し,出願商標と類似のもの(例えば,文字商標において書体が異なるもの)を含まないと解すべきである。なぜなら,同条項は,本来的には自他商品識別力がなく特定人の独占にもなじまない商標について,特定の商品に使用された結果として自他商品識別力を有するに至ったことを理由に商標登録を認める例外的規定であり,実際に商品に使用された範囲を超えて商標登録を認めるのは妥当でないからである。そして,登録により発生する権利が全国に及ぶ更新可能な独占権であることをも考慮すると,同条項は,厳格に解釈し適用されるべきものである。 そして,甲4(原告パン 登録を認めるのは妥当でないからである。そして,登録により発生する権利が全国に及ぶ更新可能な独占権であることをも考慮すると,同条項は,厳格に解釈し適用されるべきものである。 そして,甲4(原告パンフレット「沖縄銘菓選」)では,本願商標と相違する「紅芋タルト」の文字が使用されており,甲34(包装袋),甲35(包装紙箱),甲39(インターネット広告),甲41(インターネット記事)及び甲48の1(沖縄物産販売・沖縄宝島のホームページ)では,「紅いもタルト」の文字が「御菓子御殿」又は「ポルシェ」の文字と,ともに使用されている。 イそして,本件審決においては,審決時までに提出されていた証拠によって,商品「紅芋を用いたタルト」について実際に使用している商標,使用開始時期,使用期間,使用地域,当該商品の生産又は販売の数量,並びに,,広告宣伝の方法及び回数等を総合考慮して判断時である審決時において需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないと- 14 -判断したものである。 ウまた,前述したとおり,商品「紅芋を用いたタルト」について「紅い,もタルト「紅芋タルト」及び「べにいもたると」等の商標を使用する他」人が少なからず存在する(乙23~30(枝番号を含む。)及び甲59の2)ものであるから,本願商標が使用により識別力を有するに至ったかどうかについては,原告以外の者による使用の有無及びその使用の状況を確認の上,判断したものである。 したがって,原告が,本願商標をその業務に係る商品の自他識別標識として他人に使用されることなく永年独占排他的に継続使用した実績を有するとはいうことができないから,本願商標を例外的に商標法3条2項の規定に基づいて登録すべきではない。 第4当裁判所の判断 請求原因(1)(特許庁における手続の 独占排他的に継続使用した実績を有するとはいうことができないから,本願商標を例外的に商標法3条2項の規定に基づいて登録すべきではない。 第4当裁判所の判断 請求原因(1)(特許庁における手続の経緯),(2)(審決の内容)の各事実は,当事者間に争いがない。 取消事由1(審判手続の違法)について原告は,本件審判手続には,請求人である原告の反駁の機会を奪った重大な違法があり,かつ,審理終結後に提出された証拠を審理の前提にした手続違背があると主張するので,まずこの点について判断する。 (1)証拠(乙2~4)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 本件審判手続において,審判長は,平成20年6月27日付け手続中止通知書(乙2)に「この審判事件について,請求人が平成20年5月13日付けで提出した意見書の最後において『なお,この点は上記業者の販売規模,,,。』,地域期間に関する資料を追加で提出する予定である旨述べているので3ヶ月待つこととしましたので,この審判事件の手続を中止します。また,那覇地方裁判所平成19年(ワ)第1032号事件の結果を待つことこととしましたので,この審判事件の手続を中止します。なお,この審判事件に関- 15 -する今後の手続の再開については,別途お知らせします」と記載し,審判。 手続を中止した。 その後,審判長は,手続中止通知書の発送から3か月が経過したこと及び那覇地裁事件について判決がなされたことから手続中止を解除する旨の平成20年10月21日付け通知書を,同年10月24日付けで発送し,同通知書が原告に送達された。 そこで,原告は,同年10月28日付け「上申書」を提出し,那覇地裁事件の判決に対して控訴を提起して高裁那覇支部に係属した(平成20年(ネ)第131号)ことから,上記控訴審判決があ 原告に送達された。 そこで,原告は,同年10月28日付け「上申書」を提出し,那覇地裁事件の判決に対して控訴を提起して高裁那覇支部に係属した(平成20年(ネ)第131号)ことから,上記控訴審判決があるまで更に手続を中止されるよう上申した。 これに対し,審判長は,平成20年11月14日付け手続中止通知書(乙3)に「この審判事件について,請求人が平成20年10月28日付けで提出した上申書において『那覇地方裁判所平成19年(ワ)第1032号事,件は,請求人が控訴し,福岡高等裁判所那覇支部に平成20年(ネ)第131号事件として係属した』旨述べているので,この審判事件の手続を中止し。 ます。なお,この審判事件に関する今後の手続の再開については,別途お知らせします」と記載し,審判手続を中止した。 。 その後,審判長は,手続中止通知書の発送から相当期間が経過したことを理由に手続中止を解除する旨の平成21年8月17日付け通知書を,同年8月21日付けで発送し,同通知書が原告に送達された。 そこで,原告は,同年8月27日付け上申書で,再度,本件審判事件について,高裁那覇支部の事件で提出した証拠等を提出するので,審判手続を再開してほしい旨上申した。 しかし,審判長は,平成21年8月25日付け「審理終結通知書」を,同年8月28日付けで発送し,同通知書が原告に送達された。なお,合議体の審判官は,審判手続中止の解除に際し,原告に対し,本件審判は商標の拒絶- 16 -査定不服審判であるのに対し高裁那覇支部の訴訟事件は不正競争防止法に基づく請求であって,商標の登録要件とは関係のない事件であること等を説明した。 これに対し,原告は,平成21年9月16日付け上申書(乙4)において,「…訴訟事件は不正競争防止法に基づく請求ではありますが,周知商品等表示として周知商標を 関係のない事件であること等を説明した。 これに対し,原告は,平成21年9月16日付け上申書(乙4)において,「…訴訟事件は不正競争防止法に基づく請求ではありますが,周知商品等表示として周知商標を主張しており,本件不服事件で争点となっている登録要件としての商標法3条2項の「使用による顕著性」と共通しているものであり,争点は共通するといえます。したがって,訴訟事件の高裁の判断を待つべきものと考えますが,それができないとしても,中止を解除した後,上申者の主張立証を事実上封じて,審理を終結することは,上申者の攻撃防御の権利を不当に奪うものであって,許されるものではありません。よって,審理を再開されるよう上申いたします」と記載し,審理の再開を上申すると。 ともに,同日付け意見書において,高裁那覇支部に提出した証拠を甲第50号証~第66号証として本件審判に提出したが,平成21年9月29日付けで本件審決が行われた。なお,審決においては,原告が平成21年9月16日付けで提出した甲第50号証~第66号証についても検討され,その結果が示されている(19頁12行~21頁11行,23頁下9行~24頁22行)。 (2)ア上記認定の本件審判手続について,原告は,那覇地裁事件の判決を待つとの理由で審判手続が中止され,また,同事件が控訴審に移行するや高裁那覇支部の控訴審判決があるまで手続を中止するとしていたのが,同控訴審判決の言渡しの前に,突然中止を解除し,原告に攻撃防御の機会を与えず審理を終結したのは,原告の攻撃防御の権利を不当に奪った違法があると主張する。 しかしながら,商標法56条が準用する特許法168条1項は「審判,において必要があると認めるときは,他の審判の審決が確定し,又は訴訟- 17 -手続が完結するまでその手続を中止することができる」と規定 ながら,商標法56条が準用する特許法168条1項は「審判,において必要があると認めるときは,他の審判の審決が確定し,又は訴訟- 17 -手続が完結するまでその手続を中止することができる」と規定し,民事。 又は刑事上の訴訟手続の完結まで審判手続を中止することができる旨を定めるだけであって,中止しなければならないとするものではなく,審判の当事者に手続中止の申立権を付与したものではない。また,同じく商標法56条が準用する特許法156条1項は「審判長は,事件が審決をする,のに熟したときは,審理の終結を当事者又は参加人に通知しなければならない」と規定し,審判合議体において事件が審決をするのに熟したもの。 と認めたときは,いつでも審理を終結することができる旨を定めている。 そして,上記認定事実によれば,審判長及び審判合議体がその権限を逸脱又は濫用して,審判事件の中止を解除し又は審理の終結を行ったことを窺わせるような事情は認められないから,原告の上記主張は採用することができない。 イまた,原告は,審決では,審理終結後に原告が提出した証拠(甲50~66)を証拠調べ済みの証拠として,判断の基礎にしているが,職権で証拠調べを行った旨の通知もなされておらず,これは明らかに重大な手続違背であると主張する。 しかしながら,当該証拠(甲50~66)は,審理終結通知を受けた後に原告自らが提出したものであるから,これが審決において検討され,その結果が示されている(19頁12行~21頁11行,23頁下9行~24頁22行,なお,これらの証拠が審決の判断を左右したものとは認められない。)としても,原告にとって不利益を受けるものでないことは明らかであるから,原告の上記主張も採用することができない。 取消事由2(商標法3条1項3号該当)について審決は本願商標が上 認められない。)としても,原告にとって不利益を受けるものでないことは明らかであるから,原告の上記主張も採用することができない。 取消事由2(商標法3条1項3号該当)について審決は本願商標が上記法条に該当するとしたのに対し,原告はこれを争うので,以下,その該当性の有無を判断する。 (1)本願商標は,前記第2の2で認定したとおり,紅色で「紅いもタルト」- 18 -の文字を書してなり,冒頭の「紅」の文字が他の文字の倍程度の大きさで表され,全ての文字に白い輪郭線が施されて籠文字様とされているが,取り立てて顕著な特徴を有するものではなく,ほぼ「紅いもタルト」の文字を普通。 ,,,「」に表示したものと理解されるまた指定商品は当初第30類タルトとして出願されたが,平成18年2月15日付け手続補正により「紅芋を用いたタルト」とされたものである。 そうすると,本願商標「紅いもタルト」は,当該指定商品「紅芋を用いたタルト」に使用した場合,その構成中の「タルト」の文字部分は,指定商品である「タルト」(「果物・ジャムなどをのせた円形の焼き菓子」岩波書店刊広辞苑,乙18)を表示したものと理解され,また「紅いも」の文字部分,は,そのタルトに「紅芋」が用いられたものであることから,原材料としての「紅芋」(沖縄県産のサツマイモの品種の一種であり,果肉が紫色又は紫紅色のもの。甲51,52,74の4ないし6,乙15,16)を表示したものと理解される。したがって,本願商標をその指定商品に使用した場合,その日本語の持つ通常の意味からして,取引者・需要者は「原材料として,紅いもを使用したタルト」と理解し,商品の原材料又は品質を表示したものと認識するものというべきである。 (2)原告は「紅いもタルト」がパイ生地であるタルトの原材料に紅芋を使用 は「原材料として,紅いもを使用したタルト」と理解し,商品の原材料又は品質を表示したものと認識するものというべきである。 (2)原告は「紅いもタルト」がパイ生地であるタルトの原材料に紅芋を使用,してはおらず,タルト生地の上に紅芋餡を盛り付けた菓子(タルト菓子)を意味しており,本願商標から「タルトの原材料として紅芋を使用している」という認識を抱くとするのは正しい認識とはいえないと主張する。 しかしながら,審決は,本願商標について,その指定商品の取引者・需要者が,パイ生地であるタルトの原材料として紅芋を使用したと認識すると認定するものではなく,原告自身が本願商標を付したと主張して販売する商品及び他業者により販売されている類似の商品と同様に,原材料である紅芋を加工してタルトの上にのせた菓子として認識することを前提として,商標法- 19 -3条1項3号の該当性の有無を判断していることは明らかである。原告の主張は,審決を曲解するものであってこれを採用することはできない。 また,原告代表者は「紅いもタルト」は,原告が昭和61年に,沖縄県,の読谷村の「紅いも」による「むらおこし事業」の一環として,試行錯誤しながら開発・発売した菓子であり,当時「紅いも」の用語ではなく「読谷,,紅いも」の用語が用いられていたのを「紅いも」とし,また,そのような形態の小さな菓子は一般に「タルトレット」と呼ばれていたのを「タルト」とし,いずれも短縮化し,結合させて「紅いもタルト」とネーミングしたも,のであって,和名と洋名とを一体として絶妙に組み合わせた「造語名称」であると主張する。 しかしながら,仮に,原告代表者個人(A)が,昭和61年に沖縄県読谷村における「むらおこし事業」の一環として「紅いも」を用いた菓子を開発・,,「」,発売しその際紅いもタ あると主張する。 しかしながら,仮に,原告代表者個人(A)が,昭和61年に沖縄県読谷村における「むらおこし事業」の一環として「紅いも」を用いた菓子を開発・,,「」,発売しその際紅いもタルトとネーミングしたものであったとしても,,「」それから20余年も経過した審決時点においては前記(1)のとおり紅芋は,果肉が紫色又は紫紅色である沖縄県産のサツマイモの品種の一種として事典等に広く掲載されるに至っており,また「タルト」は,果物やジャム,などをのせた円形の焼き菓子であることが一般的に知られているから,本願指定商品「紅芋を用いたタルト」の取引者・需要者は,本願商標「紅いもタルト」に接した場合,これを「原材料として紅いも使用したタルト」と理解し,商品の原材料又は品質を表示したものと認識するというべきである。なお「紅いもタルト」が商品の原材料又は品質を表示したものと認識される,ことは,上記審決時点では,原告以外の複数の菓子販売業者(少なくとも5社)が「紅芋を用いたタルト」を表す語として「べにいもたると「紅い,,」,もタルト」及び「紅芋タルト」の文字を当該商品に使用している(乙24~28)ことからも明らかであるし,紅芋が菓子の原材料として一般的に用いられることは「紅芋かりんとう「紅芋ちんすこう「紅芋キャラメル,,」,」,」- 20 -紅芋まんじゅう紅芋ムース紅芋モンブラン紅芋ごま団子紅「」,「」,「」,「」,「芋(イモ)ケーキ「紅芋パイ「紅芋チップス」及び「紅芋サーターアンダ」,」,ギー等の名称を用いて紅芋を原材料とする各種の菓子が販売されている(乙」17)ことから明らかである。 したがって,原告の上記主張を採用することはできない。 取消事由3(商標法3条2項非該当)に ギー等の名称を用いて紅芋を原材料とする各種の菓子が販売されている(乙」17)ことから明らかである。 したがって,原告の上記主張を採用することはできない。 取消事由3(商標法3条2項非該当)について審決は本願商標が上記法条に該当しないとしたのに対し,原告はこれを争うので,以下,その該当性の有無を判断する。 (1)原告は,本願商標を付した商品が,沖縄県内のみならず,通信販売や各種物産展,沖縄県の県産品販売店,航空機の機内食等を通じて全国で大量に,。 製造販売された結果本願商標が需要者の間に広く知られている旨主張するしかしながら,本願商標のように冒頭の「紅」の文字をやや大きく表示した標章が付されたと認められる商品は,証拠上,商品を包装する袋に付されたもの(甲34,41)のみであり,かえって本願商標は商品の外箱等には表示されていないものと認められる(甲4,35,40,48の1,57,58,59の2,72等)。また,包装する袋・外箱等のいずれについても,原告の商号である「お菓子のポルシェ,その略称「ポルシェ」又は直営店」舗である「御菓子御殿」の名称が付されており,当該商品の取引者・需要者は,上記商号等をもって当該商品の出所を表示したものと解するものと認められる。しかも,複数の菓子販売業者が「紅芋を用いたタルト」を表す語,として「べにいもたると」及び「紅いもタルト」及び「紅芋タルト」の文,字を当該商品に使用していることは,前記3(2)のとおりである。 以上のことからすると,紅芋を原材料とした「紅いもタルト」の菓子が,仮に原告が主張するように,大量に製造され全国に向けて出荷販売されているとしても,そのことによって,既に商品の原材料又は品質を表示したものと認識されている本願商標が,原告により使用されて自他識別力を獲得し,- 21 - に,大量に製造され全国に向けて出荷販売されているとしても,そのことによって,既に商品の原材料又は品質を表示したものと認識されている本願商標が,原告により使用されて自他識別力を獲得し,- 21 -原告の業務に係る商品であると認識される商標になったと認めることはできないから,原告の上記主張は採用することができない。 (2)また,原告は,昭和61年に原告代表者が個人営業として地元である沖,「」縄県読谷村の紅芋を素材にした商品を開発しその中の1つ紅いもタルトがヒット商品となり,以来20年間以上にわたり,沖縄県内外に広く周知されてきたのであり,昭和61年当時において,原告代表者のほかには,紅芋を利用した菓子を製造販売する者は存在しなかったのであるから,この時点においては紅いもタルトの商標について菓子業者及び消費者(需要者),「」,が「(原材料として)紅いもを使用したタルト」との意味で,商品の原材料又は品質を表示したものとして認識することはあり得ないと主張する。 しかしながら,昭和61年当時,原告代表者個人のほかに紅芋を利用した菓子を製造販売する者が存在せず,原告代表者が初めてそのような菓子を開発し製造販売したとしても,その後,前記3(2)のとおり,紅芋あるいは紅芋を使用した各種の菓子が製造販売された結果,前記昭和61年から20余年を経過した審決時点においては「紅芋」は果肉が紫色又は紫紅色である,沖縄県産のサツマイモの一種の食材として一般的に知られるに至っており,また「紅いもタルト」についても,原告以外にも複数の菓子製造販売業者,が使用した結果「紅芋を用いたタルト」を表す語として知られるに至った,ものと認められるから,審決時点においては,本願商標が,全国的にみて専ら原告の業務に係る商品であることを表示したとまで認める ,が使用した結果「紅芋を用いたタルト」を表す語として知られるに至った,ものと認められるから,審決時点においては,本願商標が,全国的にみて専ら原告の業務に係る商品であることを表示したとまで認めることはできず,商品の原材料又は品質を表示したものとして認識されるだけであるというべきである。 したがって,原告の上記主張は採用することができない。 (3)その他原告は,審決の説示が誤りであることに関して縷々主張するが,本願商標が商標法3条2項に該当するものでないことは,上述したとおりであるから,これらの主張はいずれも採用することができない。 - 22 - 結論 以上によれば,原告の主張する取消事由は,いずれも理由がなく,本願商標が,商標法3条1項3号に該当し,同条2項に該当するものでないとした審決の判断に誤りはない。 よって,原告の請求を棄却することとして,主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第2部裁判長裁判官中野哲弘裁判官清水節裁判官古谷健二郎

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