主文 1 控訴人三和町及び控訴人Xの本件各控訴をいずれも棄却する。 ただし,原判決主文第1項の原判決別紙図面を本判決別紙図面1と差し替え更正する。 2 控訴費用は,控訴人三和町の控訴に係る費用は同控訴人の負担とし,控訴人Xの控訴に係る費用は同控訴人の負担とする。 事実 第1 当事者の求めた裁判 1 控訴人三和町の控訴の趣旨(1) 原判決中,乙事件について,控訴人三和町敗訴部分を取り消す。 (2) 控訴人X,被控訴人Y1及び同Y2は,控訴人三和町に対し,各自金2000万円及びこれに対する控訴人X及び被控訴人Y1については平成4年7月24日から,同Y2については同月23日からそれぞれ支払済みまで年5分の割合による各金員を支払え。 2 控訴人Xの控訴の趣旨(1) 原判決中,甲事件について,控訴人X敗訴部分を取り消す。 (2)(本案前の主張)控訴人三和町の甲事件に係る訴えを却下する。 (3)(本案に対する主張)① 控訴人三和町の甲事件に係る請求を棄却する。 ② 別紙目録1記載の土地(以下「本件土地」という。)と同目録2記載の土地(以下「本件共有土地」という。)との境界(以下「本件境界」という。)は,別紙図面2(「座標変換(2点指定)」と題する書面添付)記載の1,A・1ないしA・7並びに9ないし19の各点を順次直線で結んだ線であることを確定する。 第2 当事者の主張当事者双方の主張は,次のとおり付加訂正するほかは,原判決の「第二当事者の主張」に記載のとおりであるから,これをここに引用する。 1(1) 原判決の6頁4行目の「別紙図面」を「本判決別紙図面1」と改める。 (2) 同8頁3行目の「直線」の後に「,又は本判決別紙図面2(「座標変換(2点指定 ら,これをここに引用する。 1(1) 原判決の6頁4行目の「別紙図面」を「本判決別紙図面1」と改める。 (2) 同8頁3行目の「直線」の後に「,又は本判決別紙図面2(「座標変換(2点指定)」と題する書面添付)記載の1,A・1ないしA・7並びに9ないし19の各点を順次結ぶ直線」を加える。 (3) 同10頁5行目の「翌日」の後に「である控訴人X及び被控訴人Y1については平成4年7月24日から,同Y2については同月23日」を加える。 2 当審における当事者の主張(1) 甲事件について① 控訴人Xの主張ア本案前の主張について(ア) 本件土地(別紙図面3の「三和町」と表示の土地)と本件共有土地(別紙図面3の「2464-1」及び「2464-2」と表示の土地,同図面4の「2464」と表示の土地と同じ。)は,別紙図面3記載のA及びBの各点を結ぶ直線上で隣接しているが,その余の本件土地の隣接地は,同図面4及び5記載のとおり,控訴人X所有の別紙物件目録3記載の土地(同図面4の「2466-1」と表示の土地)に隣接するとともに,更に甲田町が管理するO所有の別紙物件目録4記載の土地(同図面4の「2465」と表示の土地)に隣接している。 また,控訴人Xは,中国管区警察局広島通信部(以下「通信部」という。)に対し,本件共有土地の一部505平方メートルを賃貸していたところ,通信部からその割譲を求められた。そして,通信部は,平成2年4月ころ,株式会社ウエスコのP測量士に依頼して,別紙図面6(乙55の5の地積測量図)及び同図面7(乙55の6の土地所在図)を作成したが,これらの各図面記載の「2464-2」が上記賃貸部分である。この別紙図面6及び7によると,本件共有土地の隣接地の大部分は,高田郡T町 地積測量図)及び同図面7(乙55の6の土地所在図)を作成したが,これらの各図面記載の「2464-2」が上記賃貸部分である。この別紙図面6及び7によると,本件共有土地の隣接地の大部分は,高田郡T町U番Vの土地である。 なお,別紙図面3は,同図面7を援用して作成したものであり,同図面3の「A」点は,同図面4及び原判決別紙図面の各「1<イ>」にそれぞれ該当する。 (イ) したがって,控訴人三和町の甲事件に係る境界確定の訴えは,本件土地との隣接の要件を欠いている。 イ本件境界について次の事情があるので,本件境界は,別紙図面2(「座標変換(2点指定)」と題する書面添付)記載の1,A・1ないしA・7並びに9ないし19の各点を順次直線で結んだ線である。 (ア)a くぐり岩は,奇岩で,その付近には南無阿弥陀仏と刻んだ岩もあり,信仰の対象とも考えられ,また古来から国,郡,村境の境界目印とされてきた。本件境界は,単に本件土地と本件共有土地のみの境界ではなく,高田郡,双三郡の郡境,甲田町(高田郡)と三和町(双三郡)の町境でもある。そして,くぐり岩がもとは個人であるWの所有であったことはあり得ない。 すなわち,明治以前から安芸国と備後国,明治以降は高田郡と双三郡(その以前は三次郡),そして上小原村(高田郡)と羽手庭村(三次郡),現在は甲田町(高田郡)と三和町(双三郡)の国,郡,村,町の各境界としてくぐり岩を定めていた。 b 藝藩通誌添付の羽出庭村の図面(乙21)では,羽出庭村(現在の三和町)と高田郡小原村との境界としてくぐり岩(潜岩)が表示されており,山絵図(乙63)も同様である。 c 甲田町誌(乙22の1及び2),合併10周年記念甲田町誌( 羽出庭村(現在の三和町)と高田郡小原村との境界としてくぐり岩(潜岩)が表示されており,山絵図(乙63)も同様である。 c 甲田町誌(乙22の1及び2),合併10周年記念甲田町誌(乙31)には,「東は三次御領板木村境くぐり岩うね限り」と記され,くぐり岩が境界と明記されている。 d 安芸国高田郡図(乙67の1及び2),村絵図(乙68の1及び2)は,いずれも郡境,村境として古くからくぐり岩が認識されている。 (イ) 別紙図面2(「座標変換(2点指定)」と題する書面添付)記載の1,A・1ないしA・7並びに9ないし19の各点を順次直線で結んだ線,あるいは原判決別紙図面記載の1<イ>,A・1ないしA・7並びに9ないし66の各点を順次直線で結んだ線は,いずれもほぼ稜線となっている。 すなわち,別紙図面2(「座標変換(2点指定)」と題する書面添付)記載の1,A・1ないしA・7並びに9ないし19の各点を順次直線で結んだ線は,高田郡甲田町と高田郡向原町の町境にまたがって稜線上に存在する中国管区警察局の無線基地との延長線上の分水嶺となっている。 (ウ) a 明治31年ころ,三次郡板木村羽出庭地区(旧羽手庭村)と高田郡小田村上小原地区の各代表者間で,b 昭和8年,双三郡板木村長Q及び同村羽出庭地区代表と高田郡小田村上小原地区代表との間で,それぞれ地区の境界若しくは村の境界について協議がなされたり,合意に従ってその都度栗の木の境界杭が設置されたりしたことはない。 (エ) 明治政府は,境界を定めるについて後日の紛議発生を予防し,紛らわしさを避けるため,道,川,溝,堤防のように容易に変動すべからざるものをもって村・字の境界と定めている(明治15年2月大蔵省・「地租改正報告書」)。 定めるについて後日の紛議発生を予防し,紛らわしさを避けるため,道,川,溝,堤防のように容易に変動すべからざるものをもって村・字の境界と定めている(明治15年2月大蔵省・「地租改正報告書」)。 ② 控訴人三和町の主張ア本案前の主張について(ア) 本件土地と本件共有土地は,隣接している。 (イ) 控訴人X提出の乙55の5及び6の各図面は,控訴人三和町の立会もなく作成されているところ,同図面に記載された2464番1及び2の各土地の範囲,隣接地番との境界は明らかではなく,また,2464番2と表示する土地部分が2464番の土地の中に占める位置等に関しては,何ら根拠となる正式の図面ではない。そして,本件共有土地については,現実に2464番1と2に分筆登記がなされているわけではなく,別紙図面3ないし7は正確な図面ではない。 (ウ) 本件土地と本件共有土地が別紙図面3記載のA及びBの各点を結ぶ直線上でのみ隣接しているとの主張は恣意的なものである。 イ本件境界について(ア)a 藝藩通志五巻(甲42)には,「潜岩」は羽出庭村(現在の三和町)にありと明記されている。のみならず,その具体的所在及び形状についても「小槌山頂にて,両石相倚る」との記載があり,山頂が境界でないことも併せて明らかにしている。 b 控訴人X提出に係る藝藩通誌添付の羽出庭村の図面(乙21)山絵図(乙63),甲田町誌(乙22の1及び2),合併10周年記念甲田町誌(乙31),安芸国高田郡図(乙67の1及び2),村絵図(乙68の1及び2)は,高田郡や甲田町の立場から作成されたものであり,これらによってはくぐり岩が高田郡と双三郡,旧上小原村と旧羽出庭村(あるいは旧板木村)の境標であると即断することはで ),村絵図(乙68の1及び2)は,高田郡や甲田町の立場から作成されたものであり,これらによってはくぐり岩が高田郡と双三郡,旧上小原村と旧羽出庭村(あるいは旧板木村)の境標であると即断することはできない。 (イ) 本件境界は,大土山の稜線を含む山肌に存し,控訴人三和町によるくぐり岩付近における輪伐景観施業による伐採地や被控訴人Y1らによる採石地以外は樹木が密生し,比較的平らな部分も含まれ,稜線ないし分水嶺の位置は必ずしも明確ではない。 (ウ) くぐり岩付近から上記採石地付近までの地域の航空写真(甲28)には,別紙図面1記載の110ないし127の各点を順次結ぶ直線に沿って東西の林相に明らかな相異が現われているので,本件境界は控訴人三和町の主張する境界線である。 (エ) 控訴人X及び甲田町は,山の稜線(分水嶺)が本件境界線であると主張するが,その主張に係る境界線の具体的な地点を特定して明示したことはない。 (2) 乙事件について① 控訴人三和町の不法行為の主張についてア次の事情があるので,控訴人X並びに被控訴人Y1及び同Y2(以下「控訴人Xら」という。)が本件共有土地の所有権侵害の故意を有しており,あるいは少なくともそれについて過失があったというべきである。 (ア) 控訴人三和町,甲田町及び控訴人Xの関係者である被控訴人Y1らは,控訴人Xが設立された後である昭和33年4月22日,本件境界線について協議したが,双方の意見が対立し,その後も協議を継続したものの,話し合いは平行線をたどった。そして,控訴人三和町,甲田町及び控訴人Xの各関係者立会の下で昭和51年10月29日に現地踏査が実施されたが,本件境界に関する控訴人三和町及び甲田町の主張は大きく異なっていた。 たどった。そして,控訴人三和町,甲田町及び控訴人Xの各関係者立会の下で昭和51年10月29日に現地踏査が実施されたが,本件境界に関する控訴人三和町及び甲田町の主張は大きく異なっていた。 (イ) 控訴人三和町は,昭和51年7月下旬,残存する境界杭や境界石に沿って下刈りを行い,その秋ころにかけて西側の甲田町側との境界として別紙図面1記載の66ないし127,1の各点にコンクリートないしプラスチックの境界杭(同杭を設置することができない箇所については,自然石に番号を付した境界石)を設置した。 (ウ) 甲田町と控訴人三和町が昭和43年7月22日に取り交わした文書(乙19)においては,本件境界が確定するまでは両町ともに住民の立入施業等を一切行わないと合意されていたところ(以下「本件合意」という。),控訴人Xと被控訴人Y1は,昭和55年3月27日,本件土地内の岩石を売買するに際し,現地を踏査の上,本件合意の対象となった大土山の争論地域内に位置する岩石をも売買の対象とすることを明確に認識していた。 (エ) 控訴人三和町は,被控訴人Y1に対し,昭和63年8月ころ,採石の中止を求めるとともに,同町議会議員全員による現地調査を実施し,境界をテープや赤ペンキで明示した。にもかかわらず,被控訴人Y1は,被控訴人Y2に対し,平成元年3月4日,本件土地内の岩石を売却した。 (オ) 控訴人三和町は,被控訴人Y1に対し,平成元年5月,再度採石の中止を要請するとともに,更に同月31日付及び同年8月30日付各内容証明郵便により,同被控訴人,控訴人X及び甲田町に対し,採石の中止を申し入れた。 (カ) 控訴人三和町は,被控訴人Y2に対し,平成2年4月29日,採石の中止を申し入れたが,同被控訴人はこれを無視して採石を続けた。 人,控訴人X及び甲田町に対し,採石の中止を申し入れた。 (カ) 控訴人三和町は,被控訴人Y2に対し,平成2年4月29日,採石の中止を申し入れたが,同被控訴人はこれを無視して採石を続けた。 (キ) 本件土地内の岩石が採掘・搬出された時期は,平成元年5月31日付及び同年8月30日付各内容証明郵便により,被控訴人Y1,控訴人X及び甲田町に対し,採石の中止を申し入れて以後のことである。 イしたがって,控訴人Xらは,不法行為損害賠償義務がある。 ② 控訴人三和町の不法行為の主張に対する控訴人Xらの認否及び反論(ア) 控訴人三和町の不法行為の主張はすべて争う。 なお,控訴人三和町は,本件合意に違反し,甲田町に対する通知承諾もなく,無断で昭和51年7月下旬から秋ころにかけ,甲田町側との境界としてコンクリートないしプラスチックの境界杭を設置している。 (イ) 控訴人Xらは,控訴人三和町が主張する採石場所については控訴人Xの所有する山林内であると認識しており,故意過失はない。 なお,被控訴人Y1は,控訴人Xの所有する山林内で採石することを前提にして,広島県可部農林事務所からその採石許可を得て採石したものであるから,何らの違法性はない。 第3 証拠原審及び当審の各書証目録及び証人等目録に記載のとおりであるから,これをここに引用する。 理由 第1 甲事件について 1 本案前の主張について控訴人Xの本案前の主張に対する判断は,次のとおり付加訂正するほかは,原判決の理由説示中の「第一本案前」(原判決11頁7行目から15頁7行目まで)のとおりであるから,これをここに引用する。 (1) 原判決11頁10行目の「第三六号証」の後に「 加訂正するほかは,原判決の理由説示中の「第一本案前」(原判決11頁7行目から15頁7行目まで)のとおりであるから,これをここに引用する。 (1) 原判決11頁10行目の「第三六号証」の後に「の1及び2,第三八号証」を,同11行目の「第一七号証」の後に「の1ないし3」をそれぞれ加える。 (2) 控訴人Xは,本件土地と本件共有土地については別紙図面3記載のA及びBの各点を結ぶ直線上で隣接し,更に本件土地が同図面4及び5記載のとおり別紙物件目録3及び4記載の各土地に隣接していると主張し,これに沿う乙55の1ないし8,56の1ないし3,57,58の1ないし6,59の1及び2,60のほか,当審の控訴人X代表者兼被控訴人Y1本人尋問における供述が存する。 しかし,別紙図面3は,同図面7(乙55の6の土地所在図)を援用して作成されたものであるが,弁論の全趣旨によると,同図面及び別紙図面6(乙55の5の地積測量図)は,控訴人三和町の立会もなく作成されたものである上,同各図面に記載された2464番1及び2の各土地の位置,範囲及び隣接地番との境界は明らかではなく,また現実に本件共有土地が同番1及び2に分筆登記がなされているわけではないことが認められる。そして,別紙図面3ないし5においては,乙55の1ないし4並びに7及び8,56の1ないし3,57,58の1ないし6,59の1及び2,60を検討しても,本件土地及び本件共有土地の位置等につきその図面相互の関係が必ずしも明確ではなく,更にまた別紙物件目録3及び4記載の各土地の位置,範囲及び隣接地番との境界も分明ではなく,甲26及び乙37とも整合していないものである。 加えて,上記控訴人X代表者兼被控訴人Y1の供述は,あいまいである上,原審における同人の供述とも齟齬している。のみならず,乙3, 分明ではなく,甲26及び乙37とも整合していないものである。 加えて,上記控訴人X代表者兼被控訴人Y1の供述は,あいまいである上,原審における同人の供述とも齟齬している。のみならず,乙3,原審の控訴人X代表者尋問の結果によれば,平成2年,控訴人三和町は,本件土地と本件共有土地とが本件係争土地部分全体で隣接することを前提として,被控訴人Y1が控訴人Xから本件共有土地内の転石を買い受けたとして本件土地内(本件係争土地内)の岩石を被控訴人Y2に依頼して採掘,搬出していると主張して,控訴人X,被控訴人Y1及び同Y2を債務者として,本件係争土地の執行官保管,同土地部分への立入り禁止等を求める仮処分を広島地方裁判所に申請したが,その平成2年10月25日の審尋期日に,債権者の控訴人三和町,債務者の控訴人X,被控訴人Y1及び同Y2並びに利害関係人として参加した甲田町の5者の間で,本件土地と本件共有土地とが本件係争土地部分全体で隣接することを前提として,本件係争土地における本件土地と本件共有土地との境界が確定するまで,本件係争土地内において伐採,採石等を行わないことなどを和解条項とする和解が成立したこと,控訴人X代表者兼被控訴人Y1は,昭和30年3月甲田町議会議員に当選し,また,同年4月控訴人Xの総代に就任し,それ以後,甲田町議会議員及び控訴人Xの総代として,本件土地と本件共有土地との境界紛争が生じる度にその交渉等に関与してきた者であることが認められる。 これらの点に照らし,上記控訴人X代表者兼被控訴人Y1の供述は,直ちに採用することはできない。 したがって,別紙図面3ないし5の正確性についての疑念を払拭することはできず,他に,控訴人Xの上記主張を裏付ける的確な証拠はないから,上記引用に係る原判決認定のとおり,本件土地は本件共有 。 したがって,別紙図面3ないし5の正確性についての疑念を払拭することはできず,他に,控訴人Xの上記主張を裏付ける的確な証拠はないから,上記引用に係る原判決認定のとおり,本件土地は本件共有土地と隣接しているものというべきである。 2 本件境界について当裁判所も,本件境界については,別紙図面1記載の66ないし127並びに1の各点を順次直線で結ぶ線であることを確定するのが相当であると判断するものである。その理由は,次のとおり付加訂正するほかは,原判決の理由説示中の「第二本案」(原判決15頁8行目から42頁4行目まで)のとおりであるから,これをここに引用する。 (1)① 原判決19頁2行目の「第三六号証」の後に「の1及び2,第三八号証」を加える。 ② 同19頁2行目の「第一二号証」を「第一一号証,第一二号証の1ないし3」と,同2・3行目「第二一乃至第二三号証」を「第二一号証,第二二,二三号証の各1及び2」とそれぞれ改める。 ③ 同20頁8行目,同23頁10行目及び11行目,同24頁2行目,4行目及び6行目,同25頁1行目,同27頁4行目,同29頁7行目,同36頁9行目ないし11行目,同37頁7行目及び11行目,同38頁3行目及び5行目,同40頁10行目,同41頁9行目並びに42頁3・4行目の各「別紙図面」を「本判決別紙図面1」とそれぞれ改める。 ④ 同38頁1行目の「同図面」を「原判決別紙図面」と改める。 ⑤ 同41頁7行目の「直線」の後に「,又は本判決別紙図面2(「座標変換(2点指定)」と題する書面添付)記載の1,A・1ないしA・7並びに9ないし19の各点を順次結ぶ直線」を加える。 ⑥ 同41頁8行目の「被告主張線」から同9行目の「加えて,」までを削除する。 (2) 控訴人Xは,明治以前 記載の1,A・1ないしA・7並びに9ないし19の各点を順次結ぶ直線」を加える。 ⑥ 同41頁8行目の「被告主張線」から同9行目の「加えて,」までを削除する。 (2) 控訴人Xは,明治以前から安芸国と備後国,明治以降は高田郡と双三郡(その以前は三次郡),そして上小原村(高田郡)と羽手庭村(三次郡),現在は甲田町(高田郡)と三和町(双三郡)の国,郡,村,町の各境界としてくぐり岩を定めていたと主張し,それを裏付けるものとして乙21,22の1及び2,31,63,67の1及び2,68の1及び2,70及び71の各1及び2,72を提出する。 上記各書証及び弁論の全趣旨によれば,乙21(藝藩通誌添付の羽出庭村の図面),63並びに68の1及び2(祖先が元小田村の村長を務めたことがあるR方で保管されている山絵図),67の2(安芸國高田郡図,正徳6(1716)年に広島藩の正徳改革の一環として作成されたもので,吉田税務署に保管されているものである。その写真が70の2(吉田町民族資料館作成の「高田郡文化財展」と題する冊子)に掲載されている。同冊子には,同図の説明として,広島藩の正徳改革において作成されたもので,藩が郡制度の編成替えを徹底させるため,各郡の村々に対して現状の報告を求めたが,その際に,村絵図・郡絵図を提出させたものである旨の解説が付されている(乙70の3)),71の2(吉田町民族資料館作成の「近世資料にみる戦国吉田毛利元就」と題する冊子に掲載されている安芸國高田郡図(個人所蔵)であり,その一部の拡大写真が乙72である。同図には,元禄15(1702)年改めの本図を「吉田地下役人」が所持していた旨の端書きがされている。)の各図面には,大土山は高田郡に所在し,その頂上に「くぐり岩」があるように記載されている。また,乙22の1及び2並びに 1702)年改めの本図を「吉田地下役人」が所持していた旨の端書きがされている。)の各図面には,大土山は高田郡に所在し,その頂上に「くぐり岩」があるように記載されている。また,乙22の1及び2並びに31(いずれも甲田町誌)には,広島藩で作成された上小原差出帖(貞亨4年)に,大土山は上小原に所在し,「東は三次御領板木村境くぐり岩うね限り」との記載がされている。 これらの図面等の記載は,安芸国高田郡上小原村においては,大土山にくぐり岩があり,同岩は安芸国高田郡(上小原村)と双三郡(板木村)との境界付近にあると考えられてきていたことをうかがわせるものとはいえる。 しかしながら,上記乙21及び63の作成経緯は不明であり,その記載自体は大雑把なものであるから,正確な境界位置の表示と認めることはできないものというべきである。 また,乙67の1及び2,68の1及び2,70及び71の各1及び2は,いずれも高田町あるいは甲田町側から作成されたものであって,その客観性に乏しいものである上,これらによってもくぐり岩が高田郡と双三郡,旧上小原村と旧羽出庭村(あるいは旧板木村)の境標であると確定することはできない。 のみならず,甲42及び弁論の全趣旨によると,藝藩通志五巻(甲42)には「潜岩羽出庭村にあり,小槌山頂にて,両石相倚る」との記載があり,くぐり岩(潜岩)が羽出庭村(現在の三和町)に属し,また山頂が境界でないことも併せて明らかにしていることが認められることにかんがみると,控訴人Xの上記主張は理由がない。 もっとも,控訴人Xは,別紙図面2(「座標変換(2点指定)」と題する書面添付)記載の1,A・1ないしA・7並びに9ないし19の各点を順次直線で結んだ線,あるいは原判決別紙図面記載の1<イ>,A・1ないしA・7並びに9ない 別紙図面2(「座標変換(2点指定)」と題する書面添付)記載の1,A・1ないしA・7並びに9ないし19の各点を順次直線で結んだ線,あるいは原判決別紙図面記載の1<イ>,A・1ないしA・7並びに9ないし66の各点を順次直線で結んだ線は,いずれもほぼ稜線となっていると主張する。 しかしながら,甲28,原審証人Sの証言及び弁論の全趣旨によると,本件境界については,大土山の稜線を含む山肌に存するものであって,控訴人三和町によるくぐり岩付近における輪伐景観施業による伐採地や被控訴人Y1らによる採石地以外は樹木が密生し,比較的平らな部分も含まれ,稜線ないし分水嶺の位置は明確ではないこと,くぐり岩付近から上記採石地付近までの地域の航空写真には,別紙図面1記載の110ないし127の各点を順次結ぶ直線に沿って東西の林相に明らかな相異が現われていることが認められ,これを左右するに足りる的確な証拠はない。 なお,控訴人Xは,明治政府が境界を定めるについて後日の紛議発生を予防し,紛らわしさを避けるため,道,川,溝,堤防のように容易に変動すべからざるものをもって村・字の境界と定めている(明治15年2月大蔵省・「地租改正報告書」)と主張するが,これをもって具体的な本件境界の根拠とすることは相当ではない。 したがって,控訴人Xの上記主張は採用することはできず,その他の主張立証も上記引用に係る原判決の認定判断を左右するに足りないものというべきである。 第2 乙事件について次に,当裁判所は,控訴人三和町の乙事件に係る請求は理由がなくこれを棄却すべきものと判断する。その理由は,次のとおり付加訂正するほかは,原判決の理由説示中の「第一本案前」及び「第二本案」(原判決42頁6行目から44頁1行目まで)のとおりであるから,これをここに引用する。 ものと判断する。その理由は,次のとおり付加訂正するほかは,原判決の理由説示中の「第一本案前」及び「第二本案」(原判決42頁6行目から44頁1行目まで)のとおりであるから,これをここに引用する。 (1) 控訴人三和町は,控訴人Xらが本件共有土地の所有権侵害の故意を有しており,あるいは少なくともそれについて過失があったと主張する。 ① 確かに,上記引用に係る原判決認定事実(原判決26頁5行目から35頁4行目まで)に加えて,原審の控訴人X代表者尋問の結果及び弁論の全趣旨によると,次の事実が認められる。 ア控訴人三和町,甲田町及び控訴人Xの関係者である被控訴人Y1らは,昭和33年4月22日,本件境界線の協議をしたものの,双方の意見が対立し,その後も引き続き交渉を継続したが,解決には至らなかった。 イ控訴人三和町は,昭和51年7月下旬,残存する境界杭や境界石に沿って下刈りを行い,その秋ころにかけて西側の甲田町側との境界として別紙図面1記載の66ないし127,1の各点にコンクリートないしプラスチックの境界杭(同杭を設置することができない箇所については,自然石に番号を付した境界石)を設置した。 ウ控訴人Xと被控訴人Y1は,昭和55年3月27日,本件土地内の岩石を売買するに際し,本件合意の対象となった大土山の争論地域内に位置する岩石をも売買の対象とすることを理解していた。 エ控訴人三和町は,被控訴人Y1に対し,昭和63年8月ころ,採石の中止を求めるとともに,平成元年1月,同町議会議員全員による現地調査を実施し,甲田町に対しても越境採石の中止を要請した。 オ被控訴人Y1は,被控訴人Y2に対し,平成元年3月4日,本件土地内の岩石を200万円で転売した。 カ控訴人三和町は,被控訴人Y1に対し 甲田町に対しても越境採石の中止を要請した。 オ被控訴人Y1は,被控訴人Y2に対し,平成元年3月4日,本件土地内の岩石を200万円で転売した。 カ控訴人三和町は,被控訴人Y1に対し,平成元年5月,再度採石の中止を要請するとともに,更に同月31日付及び同年8月30日付各内容証明郵便により,同被控訴人,控訴人X及び甲田町に対し,採石の中止を申し入れた。 キ控訴人三和町は,被控訴人Y2に対し,平成2年4月29日,採石の中止を申し入れたが,同被控訴人はこれを無視して採石を続けた。 ② しかしながら,本件全証拠によっても,控訴人三和町の主張に係る本件土地所有権侵害の範囲,程度及び損害額を具体的に特定することはできない。のみならず,上記認定のとおり,控訴人三和町,控訴人X及び甲田町の協議においても本件境界が確認できず,しかも控訴人Xは,本件土地と本件共有土地との隣接状況を争い,仮にこれが隣接するとしても,本件境界については,原判決別紙図面記載の1,A・1ないしA・7並びに9ないし66の各点を順次直線で結んだ線,又は別紙図面2(「座標変換(2点指定)」と題する書面添付)記載の1,A・1ないしA・7並びに9ないし19の各点を順次直線で結んだ線であると主張していたものであるから,控訴人Xらにおいては,控訴人Xの所有に係る土地における採石であると認識していたことを否定することはできない。 そして,境界確定訴訟は,当事者相互の相接する各所有地間の境界に争いがあるためにその境界を形式的に定める形成訴訟であり,その形成要件を定めた法律の規定はないから,判決によって,証拠により認定された諸般の事実関係に基づいて最も合理的と考えられる線が境界として定められることになるのであり,この作業は,合目的的処分行為の性質を有するものであ 法律の規定はないから,判決によって,証拠により認定された諸般の事実関係に基づいて最も合理的と考えられる線が境界として定められることになるのであり,この作業は,合目的的処分行為の性質を有するものであって,客観的に存在する境界線の発見,確認をする性質のものではないのである。したがって,控訴人Xらが控訴人三和町が本件土地と本件共有土地との境界と主張する線を認識していなかったからといって,そのことによって当然に本件採石地が控訴人三和町所有の土地に属すると認識したとはいえないし,前記認定の本件境界紛争の経緯及び本件境界についての控訴人三和町及び控訴人Xらの各主張の内容等を合わせ考慮すれば,控訴人Xらにおいて,本件採石地内の岩石の売却,採石等に当たり,本件係争土地部分が控訴人三和町所有地に属すると認識しなかったことに過失があったと認めることもできない。 これらの点からすれば,控訴人三和町の主張事実を考慮しても,控訴人Xらに不法行為上の故意過失があったものと断定することは困難である。 第3 結論よって,上記と結論において同旨の原判決は相当であるから,控訴人三和町及び控訴人Xの本件各控訴をいずれも棄却し,原判決主文第1項の原判決別紙図面を本判決別紙図面1と差し替え更正することとし,主文のとおり判決する。 広島高等裁判所第4部裁判長裁判官竹中省吾裁判官廣永伸行裁判官河野清孝(別紙図面1ないし7,別紙物件目録は添付省略)
▼ クリックして全文を表示