昭和22(れ)10 強盗、同未遂

裁判年月日・裁判所
昭和22年11月11日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人堀田実寛上告趣意は、原審判決は未決勾留日数を全然本刑に算入せざるの 失当あり、原判決認定事実第一は「被告人等は強盗

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判決文本文1,542 文字)

主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人堀田実寛上告趣意は、原審判決は未決勾留日数を全然本刑に算入せざるの 失当あり、原判決認定事実第一は「被告人等は強盗の目的を以てA方に押入りたる も同家貧困なる実情を知るに及び之に同情して犯行を中止したため其の目的を遂げ ず」と判示した。而して被告人の供述、被害者Aの証言に徴すれば其の退去に際し 被害者の子供二人に各金五拾銭宛を恵与して引揚げたること明白で如何にも純なる 未成年者と微笑を禁じ難きものがある。次に第二の認定事実は「原審相被告人Bが 被害者C所有の西洋剃刀一挺を奪取した」と判示した。之亦極めて軽微な犯行であ る。要するに原審認定の事実を通覧せば、この事実に就て五人の未成年者を二年六 月若くは三年の各懲役に服せしめるには余りに馬鹿々々しき犯罪事実である。原審 は之に対し酌量減軽を為して被告人Dを懲役二年六月の最低刑に処したのは一応相 当である。現行刑法が執行猶予を改正刑法仮案第九十六条の如く三年以下の懲役禁 錮とせず二年以下と定めてあるから実刑を不必要と認めながら実刑の言渡をせねば ならぬのは現行法の欠点である。そこで政府は今開会中の国会に刑法改正案を提出 し執行猶予三年以下の懲役禁錮を言渡す場合迄拡張する法案を出したのである。こ の法案が今国会を通過して法律となる迄本件判決宣言を延期するを適当とする。然 しそれが不可ならば特に本件処理に就て現行法の欠点を補正するの道は一つある。 即ち未決勾留日数の本刑通算である改正刑法仮案第七十二条によれば未決勾留の日 数は其の全部又は一部は必ず本刑に算入すべきことになつて居る。現行刑法は第二 十一条に於て算入することを得としてある現行法の妥当ならざるは既に改正を企図 せる事実により明白なる所にして多言を要しないと思ふ。然らば現行法が得とある が に算入すべきことになつて居る。現行刑法は第二 十一条に於て算入することを得としてある現行法の妥当ならざるは既に改正を企図 せる事実により明白なる所にして多言を要しないと思ふ。然らば現行法が得とある が故に裁判官の勝手気儘に出来ると考へる事は妥当でない。本件被告人Dは勾留状 - 1 - の執行を受けて保釈許可保釈される迄実に満十ケ月の長期間未決勾留された。而か も本件記録を通覧して勾留日数多き原因は全く裁判所の都合で被告人側に責任あり と思考すべき理由は全くない。斯かる事案に就ては原審は宜敷く現行法第二十一条 を活用するを相当とするに不拘之を適用せざるは違法に近い不相当な判決で、被告 人の心服出来ぬ判決である。仍て原判決を破毀して更に適当なる裁判を望む次第で あると云うのである。  しかし未決勾留の日数を本刑に算入するかどうかは原審自由裁量の範囲に属する こと刑法第二十一条の字句上疑ない、されば原審が其を算入しなかつた事が法令違 反でない事は勿論で此点を攻撃するのみの論旨は上告の理由とならない。  右は当廷裁判官一同意見の一致する処である。仍て刑事訴訟法第四百四十六条に 従つて主文の通り判決する。  検察官福尾彌太郎関与   昭和二十二年十一月十一日      最高裁判所第三小法廷          裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎             裁判官    井   上       登             裁判官    庄   野   理   一             裁判官    島           保             裁判官    河   村   又   介 - 2 - 河   村   又   介 - 2 -

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