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昭和42(オ)980 損害賠償請求

裁判所

昭和45年10月29日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 名古屋高等裁判所 昭和41(ネ)727

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2,092 文字

主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人岩田孝の上告理由第一、三点について。原審の確定するところによれば、被上告人Bは、昭和三九年一月一七日午後三時四〇分頃被上告人会社所有の自動車ダツトサン愛四や六一五九号を運転して原判決添付図面表示のa通を北進し、名古屋市b区c通d丁目先の交差点にさしかかり、一旦停止して前面の信号が青信号に変つた後ほぼ北に向つて前進し、交差点の東側歩道の手前で右折し、時速五粁ないし一〇粁の速度で東進せんとした瞬間、同交差点を西方より時速数十粁の速力で東進してきた上告人運転の軽四輪車が被上告人Bの運転する車の左側前部に衝突し、そのバンパーをひつかけ、上告人の車はそのまま平衡を失つてc通の東側停止線に信号待ちのため一時停止していた自動車群に突入し、その中の一台である訴外D運転の車に衝突したものであり、一方、これに先だち上告人は交差点東側の信号が黄信号当時、同交差点西側の停止線を出発して交差点に入つたため、その出発直後前面の信号が赤に変つたので、急スピードで交差点を通り抜けようとして、すでに右交差点に入り東方に方向転換していた被上告人Bの車の背後から同車を追越そうとした瞬間、自車を右被上告人運転の車の左前部に衝突せしめたものであるというのであり、この認定は、その挙示する証拠関係に徴し、首肯しえないことはない。右の認定に反する甲六号証の記載および一審証人Eの証言は信用し難いとした原審の判断も、その証拠内容および挙示する証拠関係に照らし肯認することができる。そこで、案ずるに、本件交差点のように信号機の表示する信号により交通整理が行われている場合、同所を通過する者は、互にその信号に従わなければならないの- 1 -であるから、交差点 ることができる。そこで、案ずるに、本件交差点のように信号機の表示する信号により交通整理が行われている場合、同所を通過する者は、互にその信号に従わなければならないの- 1 -であるから、交差点で右折する車両の運転者は、通常、他の車両の運転者も信号に従つて行動するであろうことを信頼し、それを前提として注意義務を尽せば足り、特別な事情のないかぎり、信号を無視して交差点に進入してくる車両のありうることまでも予想して左右後方の安全を確認すべき注意義務を負わないものと解するのが相当である(最高裁判所昭和四三年(あ)第四九〇号同四三年一二月二四日第三小法廷判決、刑事裁判集一六九号九〇五頁参照)。 点で右折する車両の運転者は、通常、他の車両の運転者も信号に従つて行動するであろうことを信頼し、それを前提として注意義務を尽せば足り、特別な事情のないかぎり、信号を無視して交差点に進入してくる車両のありうることまでも予想して左右後方の安全を確認すべき注意義務を負わないものと解するのが相当である(最高裁判所昭和四三年(あ)第四九〇号同四三年一二月二四日第三小法廷判決、刑事裁判集一六九号九〇五頁参照)。この見地に立つてみると、前記事実関係のもとにおいては、被上告人Bには本件事故につき過失はなく、かえつて、本件事故はもつぱら上告人の過失に基因するものであることが明らかである。したがつて、被上告人らに対する本訴請求を排斥した原判決の判断は正当として、是認することができ、原判決に所論の違法はない。したがつて、論旨は採用することができない。同第二点一について。自動車損害賠償保障法三条但書所定の免責要件事実のうちある要件事実の存否が、当該事故発生と関係のない場合においては、運行供用者は、右要件事実の存否が当該事故と関係がない旨を主張立証すれば免責されると解するのが当裁判所の判例である(最高裁判所昭和四三年(オ)第一〇五七号同四五年一月二二日第一小法廷判決民集二四巻一号四〇頁)。本件記録に徴すれば、被上告人会社において、自己が本件事故車の運行に関し注意を怠らなかつたかどうか、自動車に構造上の欠陥または機能の障害がなかつたかどうかは、本件事故と関係がない旨暗黙の主張をしているものと解せられ、原審も、その旨の認定判断をしているものと解せられないではないから( たかどうか、自動車に構造上の欠陥または機能の障害がなかつたかどうかは、本件事故と関係がない旨暗黙の主張をしているものと解せられ、原審も、その旨の認定判断をしているものと解せられないではないから(右認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし是認するに足りる。)、所論の点につき判断するまでもなく、上告人の請求は排斥を免れず、結局原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。同第二点二について。- 2 -すでに第一、三点について説示したところに徴し、原判決に所論の違法がないことは明らかである。したがつて、論旨は採用することができない。よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官長部謹吾裁判官入江俊郎裁判官岩田誠裁判官大隅健一郎裁判官藤林益三- 3 -

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