主文 本件抗告を棄却する。 抗告費用は抗告人らの負担とする。 理由 抗告代理人吉田亘の抗告理由について【要旨】滞納処分による差押えがされた後強制競売等の開始決定による差押えがされるまでの間に賃借権が設定された不動産が強制競売手続等により売却された場合に、執行裁判所は、右賃借権に基づく不動産の占有者に対し、民事執行法八三条による引渡命令を発することができると解するのが相当である。けだし、右賃借権者は滞納処分による差押えをした者に対抗することができないところ、滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律による強制執行等の続行決定(同法一七条、一三条、九条、二〇条)がされたときは、強制競売等の開始決定による差押えに先行する滞納処分による差押えによって把握された賃借権の負担のないことを前提とする当該不動産の交換価値が、右続行決定後の強制競売手続等において実現されることになるから(同法一〇条一項、三二条参照)、滞納処分による差押えの後に設定された賃借権は、民事執行法五九条二項の類推適用により、続行決定に係る強制競売手続等における売却によってその効力を失うというべきであり、同法八三条一項ただし書の「買受人に対抗することができる権原」に当たるものとはいえないからである。そうすると、本件において、相手方の抗告人らに対する引渡命令の申立てを認容すべきものとした原審の判断は、結論において是認することができる。論旨は採用することができない。 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官元原利文裁判官千種秀夫裁判官金谷利廣裁判官奥田昌道)- 1 - 元原利文裁判官千種秀夫裁判官金谷利廣裁判官奥田昌道)- 1 -
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