昭和51(あ)661 覚せい剤取締法違反、関税法違反

裁判年月日・裁判所
昭和51年12月17日 最高裁判所第三小法廷 決定 棄却 大阪高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人柳瀬宏の上告趣意は、憲法一三条、三九条前段、後段、九七条、九九条違 反をいうが、実質はすべて単なる法令違反の主張で

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判決文本文1,318 文字)

主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人柳瀬宏の上告趣意は、憲法一三条、三九条前段、後段、九七条、九九条違 反をいうが、実質はすべて単なる法令違反の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告 理由にあたらない。  よつて、同法四一四条、三八六条一項三号により、主文のとおり決定する。  この決定は、裁判官天野武一、同服部高顯の各意見があるほか、裁判官全員一致 の意見によるものである。  裁判官天野武一の意見は、次のとおりである。  上告趣意が問題としている原判決における併合罪の判断に関する私の見解は、以 下に述べるとおりである。原判決の維持する第一審判決の認定事実によると、被告 人は、覚せい剤取締法上輸入行為を禁止されており、かつ、関税定率法上の有税品 であるフエニルメチルアミノプロパン塩酸塩を含有する覚せい剤を隠匿携帯して空 路本邦に搬入して税関を通過する際これを発見された、というのであつて、被告人 の右行為の全動態は、自然的観察のもとにおける社会的見解上明らかに事象を同じ くする一個の覚せい剤輸入行為として評価することができ、それが覚せい剤取締法 四一条一項一号、二項、一三条及び関税法一一〇条三項、一項一号前段の各罪に同 時に該当するのであるから、右両罪は刑法五四条一項前段の観念的競合の関係にあ ると解するのが相当である。詳細は、昭和四六年(あ)第一五九〇号同四九年五月 二九日大法廷判決・刑集二八巻四号一五一頁、昭和五〇年(あ)第一五号同五一年 九月二二日大法廷判決における私の各補足意見及び昭和四九年(あ)第一四三一号 同年一二月二〇日第三小法廷決定・裁判集刑事一九四号四八七頁における私の意見 で述べたとおりである。そうすると、原判決は、同一の日時、場所における同一の - 1 - 覚せい剤輸入の機会にされた覚せい剤取締法違反の罪と関税 三小法廷決定・裁判集刑事一九四号四八七頁における私の意見 で述べたとおりである。そうすると、原判決は、同一の日時、場所における同一の - 1 - 覚せい剤輸入の機会にされた覚せい剤取締法違反の罪と関税法違反の罪との罪数に 関し、これらを併合罪の関係にあると判断した点において、法令の解釈適用を誤つ た違法があるが、原判決の維持する第一審判決の宣告刑は相当と認められるから、 原判決を破棄しなくても未だ著しく正義に反するものとは認められない。  よつて、私は、本件上告を棄却することとした多数意見に対し、その結論につい てのみ同調するのである。  裁判官服部高顯の意見は、次のとおりである。  私は、裁判官天野武一の意見に同調する。   昭和五一年一二月一七日      最高裁判所第三小法廷          裁判長裁判官    環       昌   一             裁判官    天   野   武   一             裁判官    江 里 口   清   雄             裁判官    高   辻   正   己             裁判官    服   部   高   顯 - 2 -

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