令和6年6月24日判決言渡 令和5年(行ケ)第10061号特許取消決定取消請求事件 口頭弁論終結日令和6年5月13日判決 原告 株式会社IHI 同訴訟代理人弁護士 三縄隆 同松村啓 同訴訟代理人弁理士 服部智 同黒瀬雅一 同片岡央 被告 特許庁長官 同指定代理人 鈴木充 同間中耕治 同槙原進 同海老原えい子 同須田亮一 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 特許庁が異議2021-700789号事件について令和5年5月1日にした異議の決定のうち、特許第6880823号の請求項1、3及び4に係る特許を取り消すとの部分を取り消す。 第2 事案の概要 1 特許庁における手続の経過等(当事者間に争いがない。) (1) 原告は、発明の名称を「燃焼器及びボイラ」とする発明について、平成29年2月24日の特許出願を経て、令和3年5月10日に本件特許(特許第6880823号)に係る特許権の設定登録を受けた(請求項の数4)。 (2) 本件特許(請求項1~4に係るもの)について、令和3年8月10日に特許異議の申立てがされ、特許庁は、同申立てを異議2021-700789号事件として審理を行った。 (3) 原告は、令和 (2) 本件特許(請求項1~4に係るもの)について、令和3年8月10日に特許異議の申立てがされ、特許庁は、同申立てを異議2021-700789号事件として審理を行った。 (3) 原告は、令和4年9月21日付けで取消理由通知(決定の予告)を受け たことから、その意見書提出期間内である同年11月25日、本件特許の特許請求の範囲の訂正請求をし、さらに同年12月15日付けで訂正拒絶理由通知を受けたため、令和5年1月17日、上記訂正請求に係る手続補正をした(以下、同補正後の訂正請求に係る訂正を「本件訂正」という。これにより請求項2は削除されており、本件訂正後の請求項の数は3となった。)。 (4) 特許庁は、令和5年5月1日、本件訂正を認めた上で、本件特許の請求項1、3及び4に係る特許を取り消し、請求項2に係る特許についての特許異議の申立てを却下するとの異議の決定(以下「本件決定」という。)をし、その謄本は同月11日原告に送達された。 (5) 原告は、令和5年6月9日、本件決定のうち、本件特許の請求項1、3 及び4に係る特許を取り消すとした部分の取消しを求める本件訴訟を提起した。 2 本件発明の内容(1) 特許請求の範囲の記載本件特許の特許請求の範囲の記載(本件訂正後のもの)は、以下のとおり である(以下、本件訂正後の特許請求の範囲の記載によって特定される発明 を「本件発明」といい、その各請求項に係る発明を個別に指すときは、請求項番号に対応して「本件発明1」などという。)。 【請求項1】複数のバーナが二次元状に配置され、前記バーナから燃料を噴射して燃焼させる燃焼器であって、 複数の前記バーナは、垂直に設けられた炉壁に二次元状に設けられ、前記炉壁に設けられた複数の前記バーナ バーナが二次元状に配置され、前記バーナから燃料を噴射して燃焼させる燃焼器であって、 複数の前記バーナは、垂直に設けられた炉壁に二次元状に設けられ、前記炉壁に設けられた複数の前記バーナは、第1燃料であるアンモニアの噴射領域の周囲に前記アンモニアとは異なる第2燃料の噴射領域を形成し、個々の前記バーナは、二重管状あるいは三重管状に形成されており、 中心から前記アンモニアを噴射し、周囲から前記第2燃料及び燃焼用空気を噴射することを特徴とする燃焼器。 【請求項2】(削除)【請求項3】 前記第2燃料は微粉炭であり、噴射された前記アンモニアの周囲には、前記第2燃料の燃焼によって発生する還元領域として機能する高温度領域が形成されることを特徴とする請求項1に記載の燃焼器。 【請求項4】 複数のバーナが二次元状に配置され、前記バーナから燃料を噴射して燃焼させる燃焼器を備えるボイラであって、複数の前記バーナは、垂直に設けられた炉壁に二次元状に設けられ、前記炉壁に設けられた複数の前記バーナは、第1燃料であるアンモニアの噴射領域の周囲に前記アンモニアとは異なる第2燃料の噴射領域を 形成し、 個々の前記バーナは、二重管状あるいは三重管状に形成されており、中心から前記アンモニアを噴射し、周囲から前記第2燃料及び燃焼用空気を噴射し、噴射された前記アンモニアの周囲には、前記第2燃料の燃焼によって発生する還元領域として機能する高温度領域が形成されていることを特 徴とするボイラ。 (2) 本件特許明細書(甲14)には、次のような開示があることが認められる。 ア本発明は、燃焼器及びボイラに関する(【0001】)。 イ従来、アンモニアを燃料として燃焼させる燃焼装置が 。 (2) 本件特許明細書(甲14)には、次のような開示があることが認められる。 ア本発明は、燃焼器及びボイラに関する(【0001】)。 イ従来、アンモニアを燃料として燃焼させる燃焼装置が開示されている。 燃焼の技術分野ではアンモニアは専ら還元剤として用いられているが、この燃焼装置は、燃焼ガスに含まれる二酸化炭素の濃度を低減することを目的として水素キャリアとしてのアンモニアを燃料として用いるものである。また、この燃焼装置は、アンモニアあるいはアンモニアと天然ガスとの予混合ガスをガスタービンの燃焼器で燃焼させるものである (【0002】)。 ところで、燃焼器内の燃焼場は燃焼器の用途によって大幅に異なり、ガスタービンの燃焼器における燃料場とガスタービン以外の燃焼器における燃料場とでは燃焼条件が大幅に異なっている。ガスタービンを念頭に置いた、アンモニアを燃料として燃焼させる際の窒素酸化物(NOx) の低減手法は、上述した燃焼場の違いからガスタービン以外の燃焼器、例えばボイラにそのまま適用することができない(【0004】【0005】)。 本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、二酸化炭素(CO2)削減の観点から石炭火力においてアンモニアを燃料として活 用するに際し、微粉炭とアンモニアとを燃料として燃焼させるボイラに おいて窒素酸化物(NOx)を低減することを目的とするものである(【0005】、【0006】)。 ウ本発明では、ボイラに係る解決手段として、下記の第1~第4のいずれかの解決手段に係る燃焼器を備える、という手段を採用する(【0011】)。 (ア) 第1の解決手段複数のバーナが二次元状に配置され、前記バーナから燃料を噴射して燃焼させる燃焼器であって、第1燃料であるア る燃焼器を備える、という手段を採用する(【0011】)。 (ア) 第1の解決手段複数のバーナが二次元状に配置され、前記バーナから燃料を噴射して燃焼させる燃焼器であって、第1燃料であるアンモニアの噴射領域の周囲に前記アンモニアとは異なる第2燃料の噴射領域が形成される、という手段(【0007】) (イ) 第2の解決手段上記第1の解決手段において、複数の前記バーナは、第1燃料を噴射するバーナと、前記第1燃料を噴射するバーナの周りに配置される第2燃料を噴射するバーナとからなる、という手段(【0008】)(ウ) 第3の解決手段 上記第1の解決手段において、個々の前記バーナは、内側と外側とで異なる燃料を噴射できるように形成され、前記内側から第1燃料を噴射し、前記外側から前記第2燃料を噴射する、という手段(【0009】)(エ) 第4の解決手段上記第1~第3のいずれかの解決手段において、前記第2燃料は微粉 炭である、という手段(【0010】)エ本発明によれば、微粉炭とアンモニアとを燃料として燃焼させるボイラにおいて窒素酸化物(NOx)を低減することが可能である(【0012】)。 オ第1実施形態(図1、2) (ア) 例えば、個々のバーナM11~M33、N11~N33は三重管状 に形成されており、内側管にアンモニア(第1燃料)が供給され、中央管に微粉炭(第2燃料)が供給され、外側管に燃焼用空気が供給される。したがって、火炉1内には、図示するように各々のバーナM11~M33、N11~N33について、アンモニア(第1燃料)の噴射領域(アンモニア噴射領域Sa)の周囲に微粉炭(第2燃料)の噴 射領域(微粉炭噴射領域Sb)が形成される。【0026】(イ) ここで、本第1実施形態に係 について、アンモニア(第1燃料)の噴射領域(アンモニア噴射領域Sa)の周囲に微粉炭(第2燃料)の噴 射領域(微粉炭噴射領域Sb)が形成される。【0026】(イ) ここで、本第1実施形態に係る燃焼器A及びボイラでは、各々のバーナM11~M33、N11~N33は、アンモニア噴射領域Saの周りに微粉炭噴射領域Sbが形成されるようにアンモニア(第1燃料)及び微粉炭(第2燃料)を火炉1内に噴射する。周知のようにア ンモニア(第1燃料)は、微粉炭(第2燃料)よりも燃焼性が低く、一般に燃え難いが、燃焼性に優れた微粉炭(第2燃料)がアンモニア(第1燃料)より先行して燃焼することにより、火炉1内に噴射されたアンモニア(第1燃料)の周囲には、微粉炭(第2燃料)の燃焼によって発生する高温度領域Skが形成される。【0029】 (ウ) この高温度領域Skは、アンモニア(第1燃料)の熱分解を促進し、アンモニア(第1燃料)の酸化(NOx化)を抑制する。すなわち、上記高温度領域Skはアンモニア(第1燃料)に対して還元領域として機能するものであり、アンモニア(第1燃料)は、高温度領域Skに曝されることにより、水素ガス(H2)と窒素ガス(N2)とに熱分 解し、窒素酸化物(NOx)の生成が抑制される。このような高温度領域Skのアンモニア(第1燃料)に対する還元作用は、アンモニア(第1燃料)と微粉炭(第2燃料)との混合燃焼実験によっても確認されており、燃焼温度を高くする程に窒素酸化物(NOx)の生成率が低下することが確認されている。【0030】 (エ) このような第1実施形態によれば、各々のバーナM11~M33、 N11~N33において、アンモニア噴射領域Saの周りに微粉炭噴射領域Sbが形成されるようにアンモニア(第1燃料) (エ) このような第1実施形態によれば、各々のバーナM11~M33、 N11~N33において、アンモニア噴射領域Saの周りに微粉炭噴射領域Sbが形成されるようにアンモニア(第1燃料)及び微粉炭(第2燃料)を噴射する燃焼器Aをボイラに採用するので、アンモニア(第1燃料)を燃料として燃焼させるに際して窒素酸化物(NOx)を低減することが可能である。【0031】 【図1】 【図2】 3 本件決定の理由の要旨本件決定は、本件発明1、3及び4はいずれも主引用例である甲2(本件特許出願前に頒布された刊行物である特開2013-2658号公報)に記載さ れた発明(甲2発明)及び副引用例である甲1(実願昭52-151682号・実開昭53-79782号のマイクロフィルム)に記載された技術(甲1技術)に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであると判断した。その理由の抜粋を別紙に掲げる。 4 本件決定(本件特許取消部分)の取消事由と争点 (1) 取消事由1(相違点1関係)ア甲1技術の認定の誤りイ甲2発明に対して甲1技術を適用する動機付けの欠如ウ相違点1についての容易想到性の判断の誤り(2) 取消事由2(相違点2関係) 相違点2の判断の誤りに基づく本件発明3及び4の進歩性判断の誤り 第3 当事者の主張 1 甲1技術の認定の誤り(取消事由1ア)について【原告の主張】以下のとおり、本件決定における甲1技術の認定(「錐状炎」及びバーナの噴射態様関係)には誤りがある。 (1) 「錐状炎」の認定について甲1の記載からは「錐状炎」が如何なる炎であるか不明である。すなわち、甲1の図面において、「錐状炎7」が一つだけ存在する の噴射態様関係)には誤りがある。 (1) 「錐状炎」の認定について甲1の記載からは「錐状炎」が如何なる炎であるか不明である。すなわち、甲1の図面において、「錐状炎7」が一つだけ存在するのか(その場合の錐状炎は、鉛直方向に回転対称軸を有する、中空でほぼ円筒形の単一の炎ということになる。)、複数の炎が円環状に並んで存在するのか明らかでない 上、前者だとすると、如何にしてアンモニアガスが「空所」を介して「中空な錐状炎」の外側にある「一方の反応領域」へ拡散できるのか不明であり、後者だとすると、アンモニアガスが「中空な錐状炎7の空所」へ供給されることはあり得ないことになる。 このように甲1の記載は不明確であり、甲1技術は認定できない。 (2) バーナの噴射態様の認定について仮に甲1から「錐状炎」の態様が認定できるとしても、甲1記載によれば、「アンモニヤガス」が「一方の反応領域」と「第2の反応領域」について「これら両領域の温度はアンモニヤの燃焼に合わされて」とあることからすると、錐状炎の外側の「一方の反応領域」及び内部の「第2の反応領域」 の両領域でアンモニアガスが燃焼されるはずである。そうすると、甲1のバーナ2の態様を「二重管状あるいは三重管状に形成されており、中心から前記アンモニアを噴射し、周囲から前記第2燃料及び燃焼用空気を噴射する態様」とする本件決定の認定(別紙「本件決定の理由(抜粋)」の2(2)ア)は誤りである。 【被告の主張】 (1) 「錐状炎」の認定について甲1において、アンモニアガス、コークス炉ガス及び燃焼用空気が3つの別々の通路から供給されており、コークス炉ガスが中央に空所を有する全体として単一の環状の流出口から管状炉内へ噴出するものであることに照らせば、コークス ニアガス、コークス炉ガス及び燃焼用空気が3つの別々の通路から供給されており、コークス炉ガスが中央に空所を有する全体として単一の環状の流出口から管状炉内へ噴出するものであることに照らせば、コークス炉ガスの燃焼により生じる「錐状炎」は、中央に空所を有す る全体として環状の単一の炎であることが明確に把握される。甲1における「錐状炎」に関する記載が不明確であるとする原告の主張は理由がない。 (2) バーナの噴射態様の認定についてアンモニアガスの燃焼領域については、甲1の「アンモニヤガスは、通路としての分配ランス5を通って、環状の中空な錐状炎7の領域6へ流れ込 む」のであり、「錐状炎を包囲する外側範囲」にある「一方の反応領域」には供給されず、中空な「錐状炎の内部」にある「第2の反応領域」に供給される。こうした点を踏まえれば、アンモニアガスは、「錐状炎を包囲する外側範囲」にある「一方の反応領域」には供給されず、中空な「錐状炎の内部」にある「第2の反応領域」に供給されることが明らかである。 2 甲2発明に対して甲1技術を適用する動機付けの欠如(取消事由1イ)について【原告の主張】仮に甲1技術が認定できたとしても、以下のとおり、当業者は甲2発明と甲1技術を組み合わせる動機を有しない。 (1) 石炭を燃料として燃焼させる石炭ボイラに係る甲2発明と、コークス炉に発生するアンモニア除去を課題とする甲1技術とは、技術分野、課題が異なる。個別には以下の違いがある。 ア甲2発明が想定する温度領域(甲13によれば、微粉炭を燃焼させるボイラ装置においてバーナ近傍の温度は1300度以上に達する。)と、甲 1技術が想定する温度領域(甲33によれば、アンモニアガスの自燃温 度は760度~980度)は異なっている。 るボイラ装置においてバーナ近傍の温度は1300度以上に達する。)と、甲 1技術が想定する温度領域(甲33によれば、アンモニアガスの自燃温 度は760度~980度)は異なっている。 イ甲2発明は複数のバーナを備える燃焼器に係る発明であるが、甲1技術ではバーナを複数備えることは想定されていない。すなわち、甲1技術は「コークス炉ガスを生成する際に」生ずる「アンモニヤ」を「比較的低温での燃焼」により除去することを目的とする技術であり、甲2発明 のようなボイラ装置と異なり、火炉全体を均一に温めるため複数のバーナで高温の雰囲気を作り出すことを目的としていない。 (2) 本件決定が上記動機付けを導く技術常識の根拠とする甲3は、あくまで当時進行中の研究成果を示すだけであって、「二酸化炭素排出量を低減するために微粉炭燃焼場にアンモニアを燃料として投入すること」が当時周知で あったことの根拠とはならない。甲3がプレスリリースとして発表された事実自体が、当時まだ、当業者の間で、微粉炭燃焼場でアンモニアが燃料として利用できるとまで広く認識されていなかったことを裏付けている。乙1に関するSIPの取組も、2018年度に終了したものであり、2017年(本件特許の出願年)に公知の乙1にはその途中経過までしか報告されてい ない。 (3) 後記被告主張(1)は、甲1~3と乙1~4を用いることで、独立した二以上の引用発明を組み合わせて主引用発明とし、あるいは、甲1技術を他の文献を参酌して拡張(甲1には「アンモニアを燃料として利用する」ことは記載されていないのに、これが記載されているかのように認定している。) したりすることにより、進歩性否定の論理付けをしたものであって、失当である。 【被告の主張】本件特許の出願時の技術 記載されていないのに、これが記載されているかのように認定している。) したりすることにより、進歩性否定の論理付けをしたものであって、失当である。 【被告の主張】本件特許の出願時の技術常識を参酌すると、以下のとおり、当業者は、甲2発明と甲1技術とを組み合わせる動機を有するといえる。 (1) 本件特許の出願当時、二酸化炭素排出量を低減することが社会的要請で あり周知の課題であった。戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「エネルギーキャリア」の下で研究開発が行われ、石炭燃焼の技術分野において、アンモニアを微粉炭発電ボイラ用燃料として投入し二酸化炭素排出量を低減することが試みられていた(甲3、乙1)。そして、SIPと同時期に微粉炭とアンモニアとをボイラの炉内で燃焼させる発電設備に関する特許 出願もされていた(乙2~4)。コークス炉ガスに含まれるアンモニアの燃焼熱を熱源として利用することは、本件特許の出願時における技術常識であったといえる(乙5~7)。こうした点を踏まえると、アンモニアを燃料として用いて二酸化炭素排出量を低減すること、また、二酸化炭素排出量を低減するために微粉炭燃焼場にアンモニアを燃料として投入することも、周 知なもの又は技術常識といえる。 そして、甲3は進行中の研究に関するものとはいえ、既に研究の成果を出し、可能性が見出され、実用化が期待されていることを示すものであり、本件特許の出願当時においても、二酸化炭素排出量を低減するため、アンモニアを燃焼する甲1技術を採用する動機付けは十分あるというべきである。 (2) また、甲2発明は、燃料(微粉炭)の燃焼熱を熱源として利用するものであるところ、甲1にもアンモニアガス4の燃焼熱を利用して油18を加熱することが記載されている。 というべきである。 (2) また、甲2発明は、燃料(微粉炭)の燃焼熱を熱源として利用するものであるところ、甲1にもアンモニアガス4の燃焼熱を利用して油18を加熱することが記載されている。甲1に記載された課題それ自体は、「『コークス炉ガスを生成する際に』生ずる無用な『アンモニヤ』を『除去する』こと」であるとしても、甲1技術に接した本件特許の出願時の当業者であれば、上 記周知ないし技術常識を踏まえ、アンモニアガスの燃焼熱を何らかの熱源として利用することを自然に想起し得る。そうすると、甲2発明と甲1技術とは、燃料の燃焼熱を熱源として利用するという点で技術分野が関連するものであり、微粉炭燃焼ボイラに関する発明である甲2発明において、二酸化炭素排出量を低減するため、アンモニアを燃焼する甲1技術を採用する動機が あるといえる。 (3) 甲3及び乙1~4は、特許法29条2項における「その発明の属する技術の分野における通常の知識」を示すものであって、これらについて独立した二以上の引用発明を組み合わせて主引用発明としたとか、あるいは、甲1技術を他の文献を参酌して拡張したとかする原告の主張は失当である。 3 相違点1についての容易想到性の判断の誤り(取消事由1ウ)について 【原告の主張】本件発明と甲1技術には以下のような差異があることから、甲2発明に甲1技術を適用しても本件発明の噴射領域を構成することはできず、本件発明を得ることはできない。 (1) 本件発明の噴射領域は、微粉炭噴射領域Sbが先端を開口した中空箇所 を有さずにアンモニア噴射領域Saを覆っているものである。また、微粉炭(第2燃料)噴射領域Sb、アンモニア噴射領域Saのいずれも高温度領域Skに含まれる構造である。そのような構造を用いて、アン を有さずにアンモニア噴射領域Saを覆っているものである。また、微粉炭(第2燃料)噴射領域Sb、アンモニア噴射領域Saのいずれも高温度領域Skに含まれる構造である。そのような構造を用いて、アンモニア噴射領域Saを微粉炭噴射領域Sbの中に定めることにより、高温度領域Skの一部であるアンモニア噴射領域Saへと確実にアンモニアを噴射でき、その結果、 アンモニアの熱分解を効率よく行い、「酸化(NOx化)」を抑制(低減)することができる作用機序を有する。 そのような構造を有する本件発明は、「空所」や「充分冷却された雰囲気」を用いる甲1技術と異なる。本件発明における微粉炭噴射領域Sbはアンモニア噴射領域Saを取り囲む周囲に存在し、甲1にあるような先端が開口し た中空箇所は設けられていない。本件決定が本件発明の「アンモニア噴射領域Saの先端側には、H₂と反応するための酸素が供給されている」とした認定(別紙「本件決定の理由(抜粋)」の2(2)エ)は誤りである。 (2) さらに、本件発明の作用機序は、アンモニア噴射領域Saを、微粉炭噴射領域Sbの中に定めることにより、高温度領域Skの一部であるアンモニ ア噴射領域Saへと確実にアンモニアを噴射し、その結果、アンモニアの熱 分解を効率よく行い、酸化(NOx化)を抑制(低減)するものであり、「アンモニヤガス」が「空所」を介して「中空な錐状炎」の外側の「充分冷却された雰囲気」へ拡散し、これにより「アンモニヤガス」の「窒素原子」が「酸素原子とあまり化合することはできない」ようにしている甲1技術とは、作用機序も異なる。 【被告の主張】(1) 本件発明及び甲1技術の噴射領域は、どちらも、アンモニアとは異なる微粉炭(第2燃料)燃焼領域の内側にアンモニアを噴射し、アンモニア 甲1技術とは、作用機序も異なる。 【被告の主張】(1) 本件発明及び甲1技術の噴射領域は、どちらも、アンモニアとは異なる微粉炭(第2燃料)燃焼領域の内側にアンモニアを噴射し、アンモニア熱分解の生成物が当該燃焼領域から流出する構造を有するとともに、噴射されたアンモニアを熱分解し、窒素酸化物の生成を抑制するという作用機序をもた らすものであるから、噴射領域の構造及び作用機序に関して差異はない。 (2) 本件発明の微粉炭噴射領域Sbはアンモニア噴射領域Saを覆っているものであるとの原告の主張は、特許請求の範囲及び本件明細書の記載に沿ったものではなく、前提において誤りである。本件明細書の記載に照らせば、本件発明はアンモニアの熱分解で生じた水素ガス(H₂)を燃焼するもので あって、その燃焼が生じるに足る程度の酸素が存在するはずである。 4 相違点2の判断の誤りに基づく本件発明3及び4の進歩性判断の誤り(取消事由2)について【原告の主張】本件決定が行った本件発明3及び4の進歩性に関する判断、具体的には相違 点2の「還元領域」及び「高温度領域」に関する容易想到の判断には誤りがある。 すなわち、本件発明3及び4の「還元領域」とは、「高温度領域Skのアンモニア(第1燃料)に対する還元作用」が行われる領域を意味し、この「還元領域」において、アンモニア(第1燃料)は、高温度領域Skに曝されること により、水素ガス(H₂)と窒素ガス(N₂)とに熱分解し、窒素酸化物(N Ox)の生成が抑制される。高温度領域Skは、微粉炭噴射領域Sb及びアンモニア噴射領域Saの両方を領域の一部として含むものであって、本件決定が「アンモニア噴射領域の内側まで『高温度領域』が形成されていること意味するとは、解されない」とした 、微粉炭噴射領域Sb及びアンモニア噴射領域Saの両方を領域の一部として含むものであって、本件決定が「アンモニア噴射領域の内側まで『高温度領域』が形成されていること意味するとは、解されない」とした認定判断(別紙「本件決定の理由(抜粋)」の3(2)オ)は誤りである。 以上を踏まえると、本件発明3及び4は、アンモニアの高温での熱分解を利用するのに対し、甲1技術はアンモニアガスを比較的低温で燃焼させるものであり、そもそもの技術的思想が異なる。甲1技術は本件発明3、4の高温度領域Skに相当する構成を有さず、甲2発明に甲1技術を組み合わせても、本件発明3及び4は得られない。 【被告の主張】原告は、本件発明3及び4はアンモニアガスを比較的低温で燃焼させるもの、甲1技術はアンモニアの高温での熱分解を利用するものであるとして、その技術的思想の違いを強調するが、以下のとおり失当である。 すなわち、高温で低酸素の状態(還元性雰囲気)において、アンモニアと酸 素の反応が抑制され、アンモニアが窒素と水素とに熱分解されること、その結果として、有害な窒素酸化物の生成が抑制されることは、本件特許の出願時における技術常識であった(乙8~10)。こうした技術常識を踏まえると、甲1技術は、第2の反応領域において、供給されたアンモニアガスが窒素と水素に熱分解され、水素ガスの燃焼反応を生じ、窒素原子が錐状炎から離れた位置 に流出するものと理解される。 甲1に記載されている従来技術も、燃料の燃焼によってアンモニアガスを加熱してから、分解領域に通し、最後に完全燃焼させるものであるから、「分解領域」において「加熱されたアンモニヤガス」を熱分解して、燃焼させるものであるところ、甲1技術は、この従来技術につき「費用は非常に高価」という 課題を 後に完全燃焼させるものであるから、「分解領域」において「加熱されたアンモニヤガス」を熱分解して、燃焼させるものであるところ、甲1技術は、この従来技術につき「費用は非常に高価」という 課題を解決しようというものであるから、従来技術と同様のアンモニアガスを 熱分解して燃焼させるという反応を前提にしていると考えられる。この甲1技術の「第2の反応領域」は、酸素の少ない還元性雰囲気であり、所定の温度に加熱されるものであるから、甲1技術の「第2の反応領域」においてアンモニアガスが熱分解されると理解することは、技術常識とも整合するものである。 甲1技術の還元性雰囲気の領域(第2の反応領域)は、「比較的低温」でア ンモニアガスが燃焼する領域とされているが、甲1における「比較的低温」とは、錐状炎7を包囲する外側の範囲で酸素が直接燃焼ガス流であるコークス炉ガスに当たる領域の温度と比較して「低温」であることを意味すると解され、錐状炎7よりは低温であるが、アンモニアの熱分解が生じる程度の温度と解されるのであり、本件発明3及び4の高温度領域Skと異なるものである。 なお、本件発明3及び4は「噴射された前記アンモニアの周囲には、前記第2燃料の燃焼によって発生する還元領域として機能する高温度領域が形成される」ものであるから、「噴射された前記アンモニア」が存在する領域と、「前記第2燃料の燃焼によって発生する還元領域として機能する高温度領域」とは、それぞれ別の領域として区別されるものであって、「アンモニア噴射領域の内 側まで『高温度領域』が形成されていること意味するとは、解されない」とした本件決定に誤りはない。 第4 当裁判所の判断 1 引用例の記載事項(1) 甲2(主引用例)には以下の記載があることが認められる。 形成されていること意味するとは、解されない」とした本件決定に誤りはない。 第4 当裁判所の判断 1 引用例の記載事項(1) 甲2(主引用例)には以下の記載があることが認められる。 ア 【技術分野】【0001】本発明は、互いに対向する缶前壁及び缶後壁に、それぞれ複数のバーナを縦横に並べて配置して成る対向燃焼ボイラを備えた対向燃焼ボイラ装置に関するものである。 イ 【0016】 図1に示すように、この石炭焚きタワーボイラ装置1は、互いに対向する缶前壁11及び缶後壁12を有していると共に上部に過熱器及び再熱器を配置した全体で箱型を成す石炭焚きボイラ10を備えている(過熱器及び再熱器は図示省略)。 【0017】 また、この石炭焚きタワーボイラ装置1は、燃料の石炭を粉砕して微粉炭を製造する複数のミル2(2A~2D)と、複数のミル2からの微粉炭を石炭焚きボイラ10側に送る給炭管4(4A~4D)と、この給炭管4により運ばれるミル2からの微粉炭を一次空気とともに石炭焚きボイラ10内部に供給する複数のバーナ3から成るバーナ群 30を備えている。 【0018】このバーナ群30は、バーナ3を水平方向に複数並べて成るバーナ列31を垂直方向に複数段並べて成っており、この実施例では、図2に示すように、バーナ3を水平方向に6個並べてバーナ列31を形 成し、このバーナ列31を4段並べてバーナ群30を形成している。 このバーナ群30は、4段のバーナ列31の各バーナ3同士が互いに対向するようにして石炭焚きボイラ10の缶前壁11及び缶後壁12にそれぞれ配置されている。 ウ 【0020】 缶前壁11及び缶後壁12の各バーナ群30の上方で且つ壁幅方向(水平方向)には、二次空気を通す二段燃焼用 ボイラ10の缶前壁11及び缶後壁12にそれぞれ配置されている。 ウ 【0020】 缶前壁11及び缶後壁12の各バーナ群30の上方で且つ壁幅方向(水平方向)には、二次空気を通す二段燃焼用ポート13がそれぞれ複数並べて配置されており、これらの二段燃焼用ポート13の両端には、サイドポート14が配置されている。二次空気は、これらの二段燃焼用ポート13及びサイドポート14により分配されて石炭焚き ボイラ10内に供給され、ポート13、14個々の空気通過量は、手 動ダンパ5により運転前の段階でそれぞれ設定されるようになっている。 エ図面【図1】 【図2】 (2) 甲1(副引用例)には以下の記載があることが認められる(下線は本判決による注記である。)。 ア考案の詳細な説明本考案は、コークス炉ガスの精製の際生ずるガス―蒸気混合気の燃焼装置に関する。 コークス炉ガスを精製する際に特に生ずるアンモニヤは、空中窒素固定工業の分野における技術の開発以来、競争性がないため実用的には無 用なものとして考えられていた。この理由で、既に長年来アンモニヤをできるだけ費用を節約して除去するように非常な努力が払われて来ており、環境特に空気汚染に関して法律の不断にきびしくなる要求を考慮するようにしている。 この点を考慮して、煙道ガスと共に大気中へ放出される窒素酸化物を できるだけ少なくするように、アンモニヤを燃焼させることも提案され ている。放出されるアンモニヤガスを炉において燃焼させることも公知である(米国特許第3000693号明細書)。 イしかしながらアンモニヤガスを燃焼する際に生ずる熱を経済的に利用することは ている。放出されるアンモニヤガスを炉において燃焼させることも公知である(米国特許第3000693号明細書)。 イしかしながらアンモニヤガスを燃焼する際に生ずる熱を経済的に利用することは知られており、コークス工場およびガス工場のガスを処理する際に生ずるアンモニヤを燃焼する別の提案もある(ドイツ特許第120 2772号明細書)。この方法によれば、反応装置において、アンモニヤガスは燃料の燃焼により加熱され、続いて高温ガス混合気が、耐熱性充填材あるいはニツケル触媒を満たされた任意の形の分解領域を通して導かれ、最後に第3の領域においてさらに空気を付加して完全に燃焼させる。この提案された方法を実施するために必要な費用は非常に高価であ る。したがって3つの異なった領域とガス、空気およびアンモニヤ用の別々の入口をもつ特別な反応装置が設けられる。最後に、燃焼熱を完全に利用するために、煙道ガスは、後に接続された廃熱ボイラに導かねばならない。 ウ本考案の目的は、上述の欠点のない燃焼装置を提供することにある。 この目的を達するため、本考案によれば、バーナが、アンモニヤガス、コークス炉ガスおよび燃焼用空気を同時に供給する3つの別々な通路をもち、これら通路のうちコークス炉ガスを導く通路が、環状流出口をもつノズルに終っており、このノズルの中心に、アンモニヤガスを導く分配ランスの形の通路が開口しており、燃焼用空気を導く通路が分配ラン スおよびノズルを包囲しており、バーナが、熱伝達媒体の通るコイル管を設けられた炉空間内へ入り込んでいる。 こうしてバーナは通常の圧力すなわち大気圧のガス圧でしかも低温の自立炎で動作し、コークス炉ガスおよび空気はアンモニヤガスと混合されず、別々に火炎へ供給され、換言すれば、アンモニヤは中空な錐 。 こうしてバーナは通常の圧力すなわち大気圧のガス圧でしかも低温の自立炎で動作し、コークス炉ガスおよび空気はアンモニヤガスと混合されず、別々に火炎へ供給され、換言すれば、アンモニヤは中空な錐状炎の 空所へ供給され、空気はその外周の範囲へ供給されるようにすることが できる。その大きい利点は、空所をもつ錐状炎が形成され、この火炎を包囲する外側範囲から直接熱が取り出されることである。すなわち一方の反応領域は、錐状炎を包囲する外側範囲にあり、この範囲では酸素が直接燃焼ガス流に当って、必要な温度を生じる。第2の反応領域は、錐状炎の内部にあり、ここでは酸素が少なく、したがってここには還元性 雰囲気が生じる。これら両領域の温度はアンモニヤの燃焼に合わされて、窒素原子がこの反応領域の後で充分冷却された雰囲気に当り、この雰囲気中ではもはや酸素原子とあまり化合することはできないようにする。 それにより燃焼炉が著しく簡単になり、窒素酸化物の生成が著しく低減され、後燃えおよび爆発のおそれがなくなる。 エ以下図面により本考案の実施例を説明する。 管状炉1の中では、バーナ2により、導管3を通して導かれるアンモニヤガス4が燃焼される。この目的で、アンモニヤガスは、通路としての分配ランス5を通って、環状の中空な錐状炎7の領域6へ流れ込む。 導管10を通りかつ通路11を経てノズル9の環状流出口8から出る コークス炉ガス12と、導管14からノズル9の少なくとも流出口8を囲む通路15を経て外方から錐状炎7へ導かれる燃焼用空気13とにより、この錐状炎7が形成される。高温の燃焼ガス16は、コイル管17の所で冷却され、その際このコイル管17中を流れる油18を加熱する。 炎7の縁の範囲における酸素過剰の領域が錐状炎7の中心軸線へ向 り、この錐状炎7が形成される。高温の燃焼ガス16は、コイル管17の所で冷却され、その際このコイル管17中を流れる油18を加熱する。 炎7の縁の範囲における酸素過剰の領域が錐状炎7の中心軸線へ向 かって酸素不足の領域へ移行するように燃焼用空気13を供給される錐状炎7の形成により、この酸素不足の領域へ導入されたアンモニヤガス4は、還元性雰囲気中で比較的低温で燃焼するので、燃焼の際生ずる窒素酸化物の量は僅少に維持される。 図面 2 甲1技術の認定の誤り(取消事由1ア)について(1) 原告は、甲1の「錐状炎」に係る本件決定の認定の誤りを主張するが、上記1(2)ウの甲1の記載及び図面によれば、アンモニアガス4、コークス 炉ガス12及び燃焼用空気13が3つの別々の通路から供給されており、コークス炉ガスが中央に空所を有する全体として単一の環状の流出口から管状炉内へ噴出するものであることが認められる。そうすると、甲1記載のコークス炉ガスの燃焼により生じる「錐状炎」とは、中央に空所を有する全体として環状の単一の炎であることが把握されるといえ、その形状は、コー クス炉ガス噴出孔から炎の先端に向かって先細る円錐形の炎を形成していることが見てとれる。よって、「錐状炎」の記載が不明確で甲1技術の認定ができないなどとはいえない。 (2) 次に原告は、甲1技術におけるバーナの噴射態様の認定の誤りを主張する。 しかし、甲1の上記1(2)ウの下線部のとおり、「アンモニヤは中空な錐状炎の空所へ供給され、空気はその外周の範囲へ供給される」のであり、 「空所をもつ錐状炎が形成され」、「一方の反応領域は、錐状炎を包囲する外側範囲にあり、この範囲では酸素が直接燃焼ガス流に当って、必要な温度を 空気はその外周の範囲へ供給される」のであり、 「空所をもつ錐状炎が形成され」、「一方の反応領域は、錐状炎を包囲する外側範囲にあり、この範囲では酸素が直接燃焼ガス流に当って、必要な温度を生じ」、「第2の反応領域は、錐状炎の内部にあり、ここでは酸素が少なく、したがってここには還元性雰囲気が生じる」のであるから、甲1技術のバーナ2は「二重管状あるいは三重管状に形成されており、中心から前記アンモ ニアを噴射し、周囲から前記第2燃料及び燃焼用空気を噴射する態様」のものであり、アンモニアガスは中空な錐状炎の空所である第2の反応領域に供給されると解するのが相当である。甲1の「これら両領域の温度はアンモニヤの燃焼に合わされて」との記載(前記1(2)ウ下線部)は、両領域(「一方の反応領域」及び「第2の反応領域」)の温度がアンモニアの燃焼によっ て定まることを意味するにすぎず、この記載をもって、アンモニアが燃焼する領域自体が「両領域」であると表現されているとまでは読み取れない。 (3) よって、取消事由1アは理由がない。 3 甲2発明に対して甲1技術を適用する動機付けの欠如(取消事由1イ)について (1) 原告は、甲2発明と甲1技術とは技術分野及び課題が異なるとして、本件発明が容易想到ではない旨主張する。 しかし、甲2発明は微粉炭を燃焼させるボイラに関する発明であるところ、甲1技術は、コークス炉に発生するアンモニアを燃焼により除去することを目的として有するものではあるが、その燃焼による燃焼ガス16でコイル管 17中を流れる油18を加熱していること(上記1(2)エ)に鑑みると、両者は共に燃焼により生じる熱を利用する装置であって、同じ技術分野に属するといえる。 そして、証拠(甲3、乙1)によれば、本件特許の出願当 れる油18を加熱していること(上記1(2)エ)に鑑みると、両者は共に燃焼により生じる熱を利用する装置であって、同じ技術分野に属するといえる。 そして、証拠(甲3、乙1)によれば、本件特許の出願当時、二酸化炭素排出量低減が社会的要請ないし周知の課題であったことが認められる。ま た、アンモニアの燃焼熱を熱源として利用することについては、甲1におけ る従来技術としても「アンモニヤガスを燃焼する際に生ずる熱を経済的に利用することは知られており」と言及されており、しかも、証拠(乙5~7)によれば、本件特許の出願当時、アンモニアの燃焼熱の熱源としての利用は技術常識であったと認めることができる。 そうすると、甲2発明と甲1技術は、燃焼熱を利用する装置という同じ 技術分野に属するといえ、さらに、上記周知の課題や技術常識に照らせば、課題及び解決手段の点において共通していることは当業者には明らかであり、甲2発明に甲1技術を適用する動機付けがあるとした本件決定の判断は相当である。 (2) 原告は、上記(1)の技術常識の根拠である甲3について、これはあくま で当時進行中の研究成果を示すだけであって、当該技術常識を認める証拠とはならない旨主張する。 しかし、甲3(本件特許の出願日である平成29年2月24日に先立つ同年1月10日付けプレスリリース)には「燃焼してもCO₂を排出しないアンモニア(NH₃)を燃料として利用する技術開発を進めています」、「こ のたび、・・・可能性を見出しました。本成果は、アンモニアの発電分野における利用技術として実用化が期待されます。」との記載があり、単なる途中経過を報告するものではなく、実用化を見据えた報告をするものである。甲3は、本件特許の出願当時、二酸化炭素排出量低減が社会的要請ないし周知 術として実用化が期待されます。」との記載があり、単なる途中経過を報告するものではなく、実用化を見据えた報告をするものである。甲3は、本件特許の出願当時、二酸化炭素排出量低減が社会的要請ないし周知の課題であったこと、さらにはアンモニアの燃焼熱を熱源として利用するこ とが技術常識であったことをも認めるに足りるものである。 なお、上記甲3及び上記(1)で援用した乙1、5~7は、いずれも本件特許の出願当時における技術常識を示すものであって、独立した引用例として用いるものではない。これと異なる前提で被告主張を論難する原告の主張は失当である。 (3) 原告は、甲2発明が想定する微粉炭燃焼ボイラの温度領域(甲13によ れば1300度以上)と甲1技術が想定するアンモニア燃焼の温度領域(甲33によれば760~980度)の違いを主張するが、甲2及び甲1には想定される温度領域が記載されているわけではなく、原告の主張する各温度領域が、甲2発明と甲1技術にそのまま妥当するかどうかは明らかでない(現に、乙12は微粉炭バーナ近傍であっても最高1000度程度としている。)。 仮に、一定の温度領域の違いがあるとしても、甲2発明に甲1技術を適用することの阻害要因になることを示す具体的な主張立証はない。 (4) また、原告は、甲1技術は複数のバーナを備えることを想定していない点で甲2発明と異なると主張するが、甲1にはバーナの数を一つとした実施例(図面)が示されている一方、バーナの数を一つに限定するものであるこ とを明記ないし示唆する記載は見当たらない。また、甲1技術を採用すると甲2発明における石炭炊きボイラからの二酸化炭素排出量を低減することができなくなる等の事情を認めるに足りる証拠もないから、甲2発明において甲1技術を採用すること たらない。また、甲1技術を採用すると甲2発明における石炭炊きボイラからの二酸化炭素排出量を低減することができなくなる等の事情を認めるに足りる証拠もないから、甲2発明において甲1技術を採用することの動機付けがないと判断することもできない。 (5) 以上により、取消事由1イは理由がない。 4 相違点1についての容易想到性の判断の誤り(取消事由1ウ)について(1) 原告は、本件発明の噴射領域は、微粉炭噴射領域Sbが先端を開口した中空箇所を有さずにアンモニア噴射領域Saを覆っているものであるとして(特許異議手続においては、「第1燃料であるアンモニアの噴射領域の外周の周りに前記アンモニアとは異なる第2燃料の噴射領域を形成する」と表現 していたものである。)、これと甲1技術の噴射領域との違いを主張する。 しかし、本件発明が、窒素酸化物の発生を低減させるため第1燃料であるアンモニアの噴射領域への酸素の流入を抑制するという技術的思想を有しているからといって、「微粉炭噴射領域Sbが先端を開口した中空箇所を有さずにアンモニア噴射領域Saを覆っている」構成が必然的に導かれるわけでは ない。このほか、原告の上記主張は、本件特許明細書、特許請求の範囲の記 載に根拠を見出すことはできず、採用できない。 原告は、上記主張を前提に、本件発明の「アンモニア噴射領域Saの先端側にはH2と反応するための酸素が供給されている」とした本件決定の認定の誤りをいうが、その前提において失当である。 (2) 原告は、本件発明と甲1技術の作用機序の違いについても主張するが、 以下に述べるとおり、甲1技術も、本件発明と同様、アンモニアの熱分解を行うことで窒素酸化物を抑制するものであり、基本的な作用機序において異なるところはないと解される。 ついても主張するが、 以下に述べるとおり、甲1技術も、本件発明と同様、アンモニアの熱分解を行うことで窒素酸化物を抑制するものであり、基本的な作用機序において異なるところはないと解される。 すなわち、甲1に記載された従来技術は、「反応装置において、アンモニヤガスは燃料の燃焼により加熱され、続いて高温ガス混合気が、耐熱性充填 材あるいはニッケル触媒を満たされた任意の形の分解領域を通して導かれ、最後に第3の領域においてさらに空気を付加して完全に燃焼される」ものであり、「分解領域」において「加熱されたアンモニヤガス」を熱分解して、燃焼させるものであるというのが相当である。その上で、甲1技術は、この従来技術に対して「この提案された方法を実施するために必要な費用は非常 に高価である」という欠点のない燃焼装置を提供するものであるから、甲1の従来技術と同様のアンモニアガスを熱分解して燃焼させるという反応を前提にしていると認めるのが相当である。そして、上記のとおり、甲1技術において、アンモニアガスが供給される箇所は「第2の反応領域」であり、この「第2の反応領域」は「酸素が少なく、したがってここには還元性雰囲気 が生じる」ものであるから、甲1技術の「第2の反応領域」は、甲1の従来技術の「分解領域」と同様に機能するといえる。その上、証拠(乙8~10)及び弁論の全趣旨によれば、高温で低酸素の状態(還元性雰囲気)において、アンモニアと酸素の反応が抑制され、アンモニアが窒素と水素とに熱分解されること、その結果として、有害な窒素酸化物の生成が抑制されることは、 本件特許の出願時における技術常識であったと認められる。 よって、甲1技術は「第2の反応領域」においてアンモニアガスを熱分解するものであるといえる。 (3 制されることは、 本件特許の出願時における技術常識であったと認められる。 よって、甲1技術は「第2の反応領域」においてアンモニアガスを熱分解するものであるといえる。 (3) 以上により、取消事由1ウは理由がない。 5 相違点2の判断の誤りに基づく本件発明3及び4の進歩性判断の誤り(取消事由2)について 原告は、本件発明3及び4はアンモニアの高温での熱分解を利用するのに対し、甲1技術はアンモニアを比較的低温で燃焼させるものであり、甲1技術は本件発明3及び4の高温度領域Skに相当する構成を有さない旨主張する。 しかし、甲1技術が、本件発明と同様、アンモニアの熱分解を行うことで窒素酸化物を抑制するものであることは、上記4(2)で述べたとおりである。そ うすると、甲1技術における「第2の反応領域」は、還元的雰囲気下でアンモニアを熱分解するに足りる温度になっていると考えられ、そのような領域は本件発明3及び4の「高温度領域」に相当するものといえる。 原告は、甲1中に「アンモニヤガス4は、還元性雰囲気中で比較的低温で燃焼する」との記載(上記1(2)エの下線部)があることから、本件発明3及び 4の「高温度領域」とは異なると指摘するが、何をもって「高温」ないし「低温」とするかは相対的なものである。甲1の「比較的低温で燃焼」という上記記載は、酸素が直接燃焼ガス流に当たって高温を発する「一方の反応領域」との対比において、相対的に低温であると説明するものと理解することができ、そのような理解が不自然ともいえない。 よって、取消事由2は理由がない。 6 結論以上のとおり、原告主張の取消事由はいずれも理由がなく、本件決定にこれを取り消すべき違法は認められない。よって、原告の請求を棄却することとして、主文 よって、取消事由2は理由がない。 6 結論以上のとおり、原告主張の取消事由はいずれも理由がなく、本件決定にこれを取り消すべき違法は認められない。よって、原告の請求を棄却することとして、主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第4部 裁判長裁判官宮坂昌利 裁判官 本吉弘行 裁判官岩井直幸 別紙本件決定の理由(抜粋) 1 甲1~3の記載事項(1) 甲2発明甲2には、以下の甲2発明が記載されていると認められる。 「 互いに対向する缶前壁11及び缶後壁12を有しており、全体で箱型を成す石炭焚きボイラ10であって、垂直に設けられた缶前壁11及び缶後壁12のそれぞれに、バーナ群30が配置されており、バーナ群30は、バーナ3を水平方向に複数並べて成るバーナ列31を垂直方向に 複数段並べて成っており、缶前壁11及び缶後壁12に設けられた複数のバーナ3は、微粉炭を供給し、複数のバーナ3は、微粉炭を一次空気とともに供給する、石炭焚きボイラ10。」(2) 甲1技術 甲1には、以下の甲1技術が記載されていると認められる。 「 バーナ2は、アンモニヤガス4を中空な錐状炎7の空所へ供給し、コークス炉ガス12を錐状炎7へ供給し、バーナ2は、3つの別々な通路を持ち、これら通路のうちコークス炉ガス12を導く通路が、環状流出口8を持つノズル9に終わっており、このノズル の空所へ供給し、コークス炉ガス12を錐状炎7へ供給し、バーナ2は、3つの別々な通路を持ち、これら通路のうちコークス炉ガス12を導く通路が、環状流出口8を持つノズル9に終わっており、このノズル9の中心に、ア ンモニヤガス4を導く分配ランスの形の通路が開口しており、燃焼用空気13を導く通路が分配ランス及びノズル9を包囲する、という技術。」(3) 甲3事項甲3(電力中央研究所プレスリリース、2017年1月10日、「石炭火力発電所でのアンモニア利用の実現に向けて―窒素酸化物の排出を抑制した微粉炭との混焼技術を開 発―」)には、以下の事項(甲3事項)が記載されていると認められる。 「 石炭火力発電所からの二酸化炭素排出量を低減するため、微粉炭燃焼場にアンモニアを燃料として投入しても窒素酸化物(NOx)の排出を石炭の専燃時と同等レベルに抑制すること。」 2 本件発明1について(1) 本件発明1と甲2発明は、次の一致点及び相違点を有する。 【一致点】「 複数のバーナが二次元状に配置され、バーナから燃料を噴射して燃焼させる燃焼器であって、複数のバーナは、垂直に設けられた炉壁に二次元状に設けられ、炉壁に設けられた複数のバーナは、アンモニアとは異なる第2燃料の噴射領域を形 成し、個々のバーナは、第2燃料及び燃焼用空気を噴射する、燃焼器。」【相違点1】「バーナ」に関して、本件発明1では、「炉壁に設けられた複数の前記バーナは、第1燃料であるアンモニアの噴射領域の周囲に前記アンモニアとは異なる第2燃料の噴 射領域を形成し、」「個々の前記バーナは、二重管状あるいは三重管状に形成されており、中心から前記アンモニアを噴射し、周囲から前記第2燃料及び燃焼用空気を噴射する」のに対し、甲2 第2燃料の噴 射領域を形成し、」「個々の前記バーナは、二重管状あるいは三重管状に形成されており、中心から前記アンモニアを噴射し、周囲から前記第2燃料及び燃焼用空気を噴射する」のに対し、甲2発明では、「缶前壁11及び缶後壁12に設けられた複数のバーナ3は、微粉炭を供給し、」「複数のバーナ3は、微粉炭を一次空気とともに供給する」点。 (2) 上記相違点1について検討する。 ア甲1技術におけるバーナ2の態様は、二重管状あるいは三重管状に形成されており、中心からアンモニアを噴射し、周囲から第2燃料及び燃料用空気を噴射する態様であるといえる。 イそして、例えば甲3事項に示されるように、二酸化炭素排出量を低減することは社 会的要請であって、石炭燃焼の技術分野において、二酸化炭素排出量を低減すること は、周知な課題であるといえる。そして、当該周知の課題に対して、二酸化炭素排出量を低減するために微粉炭燃焼場にアンモニアを燃料として投入することも周知であるといえるから、微粉炭を燃焼させる甲2発明において、アンモニアを燃料として投入して二酸化炭素排出量を低減するべく、バーナの中心からアンモニアを噴射する技術である甲1技術を採用することには、動機があるといえる。 ウそうすると、甲2発明における各「バーナ3」の具体的構造に甲1技術を採用し、炉壁に設けられた複数のバーナを、第1燃料であるアンモニアの噴射領域の周囲に前記アンモニアとは異なる第2燃料の噴射領域を形成し、個々の前記バーナは、二重管状あるいは三重管状に形成されており、中心から前記アンモニアを噴射し、周囲から前記第2燃料及び燃焼用空気を噴射するように構成することは、当業者が容易に想到 し得たことである。 エなお、特許権者(原告)は、本件発明1の「第 り、中心から前記アンモニアを噴射し、周囲から前記第2燃料及び燃焼用空気を噴射するように構成することは、当業者が容易に想到 し得たことである。 エなお、特許権者(原告)は、本件発明1の「第1燃料であるアンモニアの噴射領域の周囲に前記アンモニアとは異なる第2燃料の噴射領域を形成し」とは、第1燃料であるアンモニアの噴射領域の外周の周りに前記アンモニアとは異なる第2燃料の噴射領域を形成すること(下線は本判決による注記である。)であるところ、そのような構 成は甲1には示唆されていない旨主張する。しかし、アンモニア噴射領域Saの先端側には、H₂と反応するための酸素が供給されていると解することが合理的であって、噴射領域の構成に関する特許権者の上記解釈は、本件特許明細書、特許請求の範囲の記載に基づかないものである。 3 本件発明3について (1) 本件発明3と甲2発明とを対比すると、上記相違点1に加えて、以下の相違点2で相違する。 【相違点2】本件発明3は、「噴射された前記アンモニアの周囲には、前記第2燃料の燃焼によって発生する還元領域として機能する高温度領域が形成される」のに対して、甲2発明 は、そのような構成を備えない点。 (2) 上記相違点2について検討する。 ア甲1技術では、錐状炎7の周囲にコークス炉ガス4の燃焼によって発生する還元性雰囲気の領域が形成されることが甲1に記載されている。 イ 「高温度領域」について検討すると、甲1技術の還元性雰囲気の領域は、「比較的低温」でアンモニヤガスが燃焼する領域であるが、甲1における「比較的低温」とは、 錐状炎7(本件決定中に「錘状炎7」とあるのは誤記であるから、訂正して引用する。)を包囲する外側の範囲で酸素が直接燃焼ガス流であるコークス炉ガスにあた であるが、甲1における「比較的低温」とは、 錐状炎7(本件決定中に「錘状炎7」とあるのは誤記であるから、訂正して引用する。)を包囲する外側の範囲で酸素が直接燃焼ガス流であるコークス炉ガスにあたる領域の温度と比較して「低温」であることを意味すると解され、錐状炎7を包囲する外側の範囲に「還元性雰囲気」の領域が形成されているのであるから、錐状炎7よりは低温であるが、炉内の錐状炎7から遠い領域と比較したら、むしろ「高温度領域」である と認められる。 ウまた、甲1の還元性雰囲気では「・・・窒素原子がこの反応領域の後で充分冷却された雰囲気に当り、この雰囲気中ではもはや酸素原子とあまり化合することはできない・・・」ようにしてアンモニヤガスが「比較的低温で燃焼する」のであるから、アンモニヤガスを熱分解することで、窒素原子と酸素原子との化学反応に起因したNO xの生成を抑制しようとする本件発明3の「高温度領域」と同様の作用機序をもたらすものと解するのが合理的である。 エそして、甲1技術でのコークス炉ガス12の燃焼ではなく、本件発明3の微粉炭の燃焼によっても還元性雰囲気を形成することができることが技術常識であるから、甲2発明に甲1技術を適用する際に、微粉炭をアンモニアの周囲から供給して空所をも つ錐状炎7を形成し、錐状炎7の内部に酸素の少ない還元性雰囲気の領域を形成することは、当業者が容易になし得たことである。 オ特許権者は、本件発明3、4の「還元領域として機能する高温度領域」は、アンモニアの噴射領域にも形成されるものである一方、甲1には、アンモニアガスが比較的低温の還元性雰囲気で燃焼するとされており、上記「還元領域として機能する高温度 領域が形成」されることは記載されていない旨主張する。しかし、本件発明3におい 1には、アンモニアガスが比較的低温の還元性雰囲気で燃焼するとされており、上記「還元領域として機能する高温度 領域が形成」されることは記載されていない旨主張する。しかし、本件発明3におい て、アンモニア噴射領域の内側まで「高温度領域」が形成されていることを意味するとは解されない。 4 本件発明4について甲2発明における「石炭焚きボイラ10」は、本件発明4における「燃焼器を備える」「ボイラ」に相当する。そうすると、本件発明4と甲2発明とは、上記一致点で一致し、 相違点1、相違点2で相違する。しかしながら、相違点1、相違点2については、上記2(2)及び3(2)で論じたとおりであるから、本件発明4も、甲2発明及び甲1技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 5 結論請求項1、3、4に係る本件特許は、特許法29条2項の規定に反してされたものであ り、同法113条2号に該当し、取り消されるべきものである。
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