令和3(わ)1441 金融商品取引法違反

裁判年月日・裁判所
令和4年5月11日 名古屋地方裁判所
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判決文本文2,346 文字)

- 1 -主 文被告人Aを懲役2年6月及び罰金300万円に、被告人Bを懲役1年6月及び罰金50万円に、被告人Cを懲役1年6月及び罰金150万円に処する。 被告人らにおいてその罰金を完納することができないときは、金1万円を1日に換算した期間、被告人らを労役場に留置する。 この裁判が確定した日から、被告人Aに対し4年間、被告人B及び被告人Cに対し3年間、それぞれその懲役刑の執行を猶予する。 理 由(罪となるべき事実)Dは、シンガポールに拠点を置くE社が主宰し、仮想通貨のウォレットサービスを提供するF社が監修、連携する「OZプロジェクト」への出資金を運用して生じる収益の配当を受けることができる権利の募集等の事業を行い、その事業全般を統括していた者、Gは、海外の仮想通貨取引所Hを運営するI社及び前記F社の代表者として、前記OZプロジェクトの出資者への紹介報酬支払等の業務を行っていた者、被告人Aは、前記募集をマルチレベルマーケティングのセミナー形式で実施して取り扱うOZプロジェクト認定講師の組織を統括管理していた者、被告人B及び被告人Cは、被告人Aの委託を受けて、前記認定講師として、前記募集の取扱いを行っていた者であるが1 被告人A及び被告人Bは、D及びGと共謀の上、法定の除外事由がないのに、内閣総理大臣の登録を受けないで、業として、別表1記載のとおり、平成29年6月11日から同年8月13日までの間、3回にわたり、名古屋市a 区bc 丁目d 番地eJほか1か所において、被告人Bが、Kほか4名に対し、前記OZプロジェクトへの出資により、出資した金銭を充てて行う仮想通貨取引等による運用事業から生じる収益の配当を受けることができる権利の取得の申込みの勧誘を取扱うとともに2 、Kほか4名に対し、前記OZプロジェクトへの出資により、出資した金銭を充てて行う仮想通貨取引等による運用事業から生じる収益の配当を受けることができる権利の取得の申込みの勧誘を取扱うとともに2 被告人3名は、D及びGと共謀の上、法定の除外事由がないのに、内閣総理大臣 - 2 -の登録を受けないで、業として、別表2記載のとおり、同年6月10日から同年8月26日までの間、3回にわたり、同市k区l町m番n号Pほか2か所において、被告人B及び被告人Cが、Sほか3名に対し、前記OZプロジェクトへの出資により、出資した金銭を充てて行う仮想通貨取引等による運用事業から生じる収益の配当を受けることができる権利の取得の申込みの勧誘を取扱いもって、無登録で第二種金融商品取引業を行ったものである。 (法令の適用)被告人3名について1 罰条 刑法60条、金融商品取引法197条の2第10号の4、29条2 刑種の選択 懲役刑及び罰金刑を選択3 労役場留置 刑法18条(金1万円を1日に換算)4 執行猶予 刑法25条1項被告人A及び被告人Bについて、更に5 訴訟費用の処理 刑訴法181条1項ただし書(量刑の理由)本件は、被告人3名が、Dらと共謀の上、無登録で、第二種金融商品取引業(業として行った有価証券の募集)を行った事案である。被告人3名は、登録の要否について十分な確認もせずに、仲間の言を鵜呑みにして、大した抵抗感を持たずに、組織的に投資への勧誘行為を行っていた。被告人3名において、違法であるとの明確な認識があったとまではいえないが、適法であると信じるに足る合理的な根拠もなかったのであるから、このような認識状態にあったことを酌むにも限度がある。また、被告人3名らが行った勧誘セミナーの内容を信じて実際に投資した者が多数 えないが、適法であると信じるに足る合理的な根拠もなかったのであるから、このような認識状態にあったことを酌むにも限度がある。また、被告人3名らが行った勧誘セミナーの内容を信じて実際に投資した者が多数にわたることも考慮すると、投資家の保護を図った金融商品取引法の趣旨を害した責任は軽くない。そして、被告人Aは、Dから直接依頼を受けてマーケティングプランを策定するなどしたほか、勧誘セミナーを行う、被告人B及び被告人Cを含む6名の認定講師を選抜・統括する立場にあって、本件により受領した報酬も多額に上っていることから - 3 -すると、被告人3名の中では上位の立場にあったということができる。なお、被告人Cは、被告人Bを勧誘した者であるが、いずれも認定講師として似たような立場で勧誘行為を行っていたと認められる。 他方で、被告人3名が罪を認めて反省の態度を示していること、前科がないことなどの事情が存在する。 そこで、被告人3名に対しては、経済的な制裁を科す必要性から主文の罰金刑を併科することとするが、懲役刑については、それぞれその刑の執行を猶予するのが相当である。 (検察官遠山玲子、同小池雄一朗、同濵圭太郎、国選弁護人田宮均【被告人A】、同山口季男【被告人B】、私選弁護人稲垣美鈴(主任)、同竹内小百合、佐々木滉【被告人C】各出席)(求刑 被告人Aを懲役2年6月及び罰金300万円、被告人Bを懲役1年6月及び罰金50万円、被告人Cを懲役2年及び罰金200万円)令和4年5月13日名古屋地方裁判所刑事第6部裁判長裁判官 平 城 文 啓 裁判官 伊 藤 昌 代 裁判官飯塚大航は差支えのため署名押印できない。 長裁判官 平 城 文 啓 裁判官 伊 藤 昌 代 裁判官飯塚大航は差支えのため署名押印できない。 裁判長裁判官 平 城 文 啓

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