昭和52(行ウ)2 更正の請求に対してその更正をすべき理由がない旨処分の取消請求事件

裁判年月日・裁判所
昭和55年3月31日 岡山地方裁判所 租税
ファイル
hanrei-pdf-17444.txt
🤖 AI生成要約2026/3/13

【DRY-RUN】○ 主文 一 被告が原告に対し、昭和五一年七月二四日付でした、原告の昭和三五年四月一 日から昭和三六年三月三一日までの事業年度及び昭和三六年四月一日から昭和三七 年三月三一日までの事業年度にかかる各更

タグ

キーワード(AI生成)

判決文本文16,999 文字)

○ 主文一被告が原告に対し、昭和五一年七月二四日付でした、原告の昭和三五年四月一日から昭和三六年三月三一日までの事業年度及び昭和三六年四月一日から昭和三七年三月三一日までの事業年度にかかる各更正の請求に対する更正をすべき理由がない旨の各行政処分を取り消す。 二訴訟費用は被告の負担とする。 ○ 事実第一当事者の求める裁判一請求の趣旨主文と同旨二請求の趣旨に対する答弁 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 第二原告の請求原因及び主張一本件更正をすべき理由がない旨の処分の経緯等について 1 原告は青色申告の承認を受けた株式会社であるが、被告は原告に対し、昭和三六年三月三一日付で、昭和三四年四月一日から昭和三五年三月三一日までの事業年度(以下、昭和三五年度という。)以降青色申告の承認を取り消す旨の処分(以下、本件青色申告取消処分という。)及び右事業年度の法人税について更正処分をした。 2 原告は、右各処分を争い、右係争は所定の不服手続を経て、第一審岡山地方裁判所昭和三八年(行)第四号事件において原告の全部勝訴、被告控訴に係る第二審広島高等裁判所岡山支部昭和四六年(行コ)第二号事件で控訴棄却となり、被告(控訴人)が上告して最高裁判所昭和四九年(行ツ)第二五号事件として係属したが、昭和四九年八月一二日被告(上告人)が上告を取り下げて第一審判決が確定し(以下、この訴訟を前訴という。)、原告は昭和三五年度以降も青色申告の承認を受けた法人となつた。なお、右上告取下書は、昭和四九年八月一九日被上告代理人に送達された。 3 原告は、昭和三五年四月一日から昭和三六年三月三一日までの事業年度(以下、昭和三六年度という。)及び昭和三六年四月一日から昭和三七年三月三一日までの事業年度(以下、昭和三七年度という。)についても 原告は、昭和三五年四月一日から昭和三六年三月三一日までの事業年度(以下、昭和三六年度という。)及び昭和三六年四月一日から昭和三七年三月三一日までの事業年度(以下、昭和三七年度という。)についても、青色申告の承認を受けている法人として税務申告をしたが、被告は、本件青色申告取消処分以降であるとして、右昭和三六年度及び昭和三七年度分(以下、右両年度を、本件係争年度という。)についていずれも白色申告法人として取り扱い、昭和三六年度分については昭和三七年四月三〇日に、昭和三七年度分については昭和三八年六月一一日に、それぞれ別表一記載のとおり更正処分をした。 4 原告は、被告の前訴の上告取下によつて、本件係争年度も青色申告の承認を受けた法人となつたので、本件係争年度について、白色申告に基づく納税額と青色申告に基づく法人税額の差額について減額更正をすべきであるとして、昭和四九年一〇月一八日に本件係争年度の法人税額の更正の請求をしたが、被告は、昭和五一年七月二四日付で本件係争年度についていずれも更正をすべき理由がない旨の行政処分(以下、本件処分という。)をした。そこで原告は、被告に対し、昭和五一年九月二〇日付でそれぞれにつき異議申立をしたが、被告は昭和五一年一二月一六日付で各異議申立をいずれも却下したので、原告は、昭和五二年一月一一日付で広島国税不服審判所長に対し審査請求をした。しかし、その翌日の昭和五二年一月一二日から三か月を経過するも裁決がないので、国税通則法(以下、通則法という。)一一五条一項一号により本訴を提起した。 二本件各更正の請求が許される根拠について、原告の主張は次のとおりである。 1 青色申告の承認が取り消されたことを前提としてなされた更正処分は、青色申告法人を否定されたことから必然的に生ずる各種の特典の否認を追認して明確にするた 拠について、原告の主張は次のとおりである。 1 青色申告の承認が取り消されたことを前提としてなされた更正処分は、青色申告法人を否定されたことから必然的に生ずる各種の特典の否認を追認して明確にするための形式的な処分であり、一応別途な形式にはなるが、その実質は青色申告の承認の取消処分と一体をなしているものである。したがつて、青色申告の承認を取り消す旨の処分が取り消されれば、その判決の効力により、爾年度以降も青色申告の承認を受けた法人であつたことになるのであるから、その年度以降において、青色申告の承認の取消の結果白色申告法人として取り扱われて納税をしておれば、青色申告をした場合の税額との差額分については、当然何らかの方法で救済がされるべきである。 ところで、このように青色申告と白色申告との相違分の税額について救済する手段としては、次のような方法が考えられる。 (一) 当然その部分を無効として不当利得で返す。 (二) 更正の請求によつて相違分の税額について減額更正を求める。 (三) 白色申告法人扱いの処分に対し取消訴訟によつて解決する。 原告は、本件において、右(二)の方法を正当な救済方法と考える。蓋し、行政処分は重大かつ明白な瑕疵がない以上無効ではないところ、本件係争年度当時において白色申告法人扱いとして各更正処分は重大かつ明白な瑕疵があるとはいえないから右(一)の方法は妥当でなく、また、白色申告法人扱いの更正処分の取消訴訟によるのでは、出訴の除斥期間制限によつて提訴が困難だからである。これらに比べ、更正の請求による方法は、次項以下で主張するとおり、本件における無理のない救済の方法である。 2 ある申告額を増額する場合の是正原因は大別して三つある。 (一) 当該年度の課税標準又は税額等の計算が国税の規定に従つていない場合(通則法二四条・一九条・二三 おける無理のない救済の方法である。 2 ある申告額を増額する場合の是正原因は大別して三つある。 (一) 当該年度の課税標準又は税額等の計算が国税の規定に従つていない場合(通則法二四条・一九条・二三条一項)(二) 右計算の基礎となつた事実が後日異つたことになり計算をし直す場合(通則法七一条二項・二三条二項・所得税法一五二条)(三) ある年度の更正・決定・修正申告書の提出・不服手続による原処分の異動等により、その年度以外の年度の課税標準等又は税額等の計算に影響を与えることから生ずる場合(通則法七一条一項、法人税法八二条、所得税法一五三条)原告は、本件が右(三)の場合に該当すると考えて、被告に対し、更正の請求をするものである。以下、詳論する。 3 通則法七一条は、同法七〇条の例外として、特殊な場合における税務当局の賦課権の除斥期間の特例を規定する。特殊な場合とは、右七一条一号の規定によれば、原処分が争訟になり、その争訟の確定による原処分の異動に伴い、争訟対象年度以外の年度分等について更正をすべきときである。 この争訟の意義については、法人税取扱通達一五七(昭三二直法一-一三〇)において「通則法第七一条第一号に規定する『裁決、決定若しくは判決・・・・・・による原処分の異動』は課税標準若しくは法人税額又は欠損金額の取消による異動だけではなく、事業年度の指定、たな卸資産の評価方法の変更申請の却下、固定資産の減価償却方法の変更申請の却下、又は青色申告書の提出の承認の取消による異動を含むのであるから留意する」と明記されており、右通達を本件に適用すれば、被告がした本件青色申告取消処分を取り消す旨の判決の確定によつて、当該昭和三五年度以降(まさに本件係争年度)も原告は青色申告法人であつたことになり、したがつて、被告は本件係争年度の増減額の更正処分をすべき した本件青色申告取消処分を取り消す旨の判決の確定によつて、当該昭和三五年度以降(まさに本件係争年度)も原告は青色申告法人であつたことになり、したがつて、被告は本件係争年度の増減額の更正処分をすべき場合に該当する。 4 右に述べたところは、税務当局における賦課権の特例であるが、これに対し、申告人側にも賦課権の発動を促すべく認められたのが、法人税法八二条の更正の請求の規定である。即ち、同条は「その修正申告書の提出又は更正若しくは決定に伴い、次の各号に掲げる場合に該当することとなるときは、その修正申告書を提出した日又はその更正若しくは決定の通知を受けた日の翌日から二か月以内に限り・・・・・・」と規定するが、ここにいう「更正若しくは決定に伴い」とは、「税務当局の更正若しくは決定が有つたことに伴い」という意味と同時に、「税務当局の更正若しくは決定が有つたが、その更正若しくは決定が無かつたことになつたということに伴い」という意味をも含むのである。このことは、通則法七一条一項に対応して法人税法八二条が規定され、通則法七一条二項に対応して同法二三条が規定された立法の趣旨にも合致する。 5 ところで、本件においては、税務当局(被告)が前訴の上告の取下をしたことによつて本件青色申告取消処分の取消が確定しているが、このような上告の取下をしたこと自体が通則法七一条の裁決等に該当し、かつ、法人税法八二条にいう「修正申告書を提出し、又は更正若しくは決定を受けたこと」に該当する。蓋し、訴訟の場において、原告の請求を税務当局が認諾することは、訴訟外で自ら更正処分等を取り消し、原告が訴えを取り下げることと同じ意味をもつものであり、また、第一、二審で原告の請求が認められ、税務当局(被告)が上告中の場合、税務当局(上告人)が上告を取り下げて原告勝訴の判決が確定することは、右 原告が訴えを取り下げることと同じ意味をもつものであり、また、第一、二審で原告の請求が認められ、税務当局(被告)が上告中の場合、税務当局(上告人)が上告を取り下げて原告勝訴の判決が確定することは、右同様に税務当局が自ら更正処分を取り消し、原告が訴えを取り下げることと同じ意味をもつのである。それゆえ、訴訟外において更正処分等の取消処分をする場合に法人税法八二条が適用される以上、経済的に全く同一であり、しかも、より厳格にして既判力が生ずる上告の取下という訴訟行為に、同条の適用があるのは当然である。 三なお、原告が主張する本件係争年度に関する増減額は別表二及び三の原告が主張する青色申告法人としての再計算額欄記載のとおりである。 付言するに、本件更正の請求に基づく加算・減算額については、原告の確定申告が基本とされるべきである。即ち、本件青色申告取消処分の取消が確定したことに伴い、本件係争年度について青色申告法人でないものとして更正処分をした部分は違法であつたことになるから、青色申告以外の要件を仮に被告が審査しなかつたとしても、それは止むを得ないことであり、また、その要件に疑義があれば、現在審査すれば足りるのである。そして、それが仮に書類の紛失等で事実上不能となつたとしても、申告納税方式の租税においては、課税標準・税額の確定権は原則的には納税者にあり、税務署長の処分はあくまで第二義的・補助的な地位にあるから、原告のしたところでまず確定しているのであり、青色申告を要件としない加算金額があるならば、それは被告において主張・立証すべきであり、これが不能であるならば、右の原則に従つて、原告の申告を基本として更正の請求に対する減額の処分をすべきである。 四よつて、原告の各更正の請求に対して、更正をすべき理由がないとした被告の処分は違法であるから、原告はそ ば、右の原則に従つて、原告の申告を基本として更正の請求に対する減額の処分をすべきである。 四よつて、原告の各更正の請求に対して、更正をすべき理由がないとした被告の処分は違法であるから、原告はその取消を求める。 第三請求原因に対する被告の認否及び主張一請求原因に対する被告の認否請求原因事実一のうち、被上告代理人が上告取下書の送達を受けた日は不知、その余の事実は認める。原告の主張は争う。 二被告の主張 1 通則法七一条の趣旨について(一) 通則法七一条一号の争訟に伴う更正の特例は、争訟が長期にわたつて係属し、その結果ある年度の課税処分に変動を生ずる結果、それ以外の年度の処分にも必然的な変動を生ずるときに、右争訟年度以外の年度についても、同法七〇条の期間にかかわらず、更正ないし賦課決定をし得る余地を認めたものである。 したがつて、同条にいう「伴う」というためには、争訟の対象となつた原処分の変動により、必然的に次年度以降の処分が変動する場合に限られる。例えば、法令上、その年度の課税標準等又は税額等が他の年度の課税標準等の計算の基礎となつており、それと異なる計算が許されないような関係がある場合ないしは争訟の対象となつている増額更正等の処分のときに、その更正等に伴つて他の年度の減額更正がされている場合に、その増額更正等の取消に伴い、原状回復のため、他の年度について更正をする場合などである。 (二) 原告は、前訴にかかる昭和三五年度以降の本件係争年度についても減額更正すべきであると主張するが、被告のした本件青色申告取消処分と右処分以降の法人税の更正処分とは全く別個の処分である。即ち、前者は、納税義務者の資格に関する処分であり、後者は、当該事業年度の納税義務を確認し、納付すべき税額を具体的に確定する処分である。 また、原告は青色申告の承認の取 処分とは全く別個の処分である。即ち、前者は、納税義務者の資格に関する処分であり、後者は、当該事業年度の納税義務を確認し、納付すべき税額を具体的に確定する処分である。 また、原告は青色申告の承認の取消処分の取消によつて青色申告者として申告し得る資格を回復するが、右青色申告をしうる資格を有するということは、青色申告の特典を受けるための一要件でしかない。例えば、繰越欠損金の特典を受けるためには、法人税法五七条に規定する(1)当該事業年度開始の日前五年以内に開始した事業年度に欠損金額が生じること(2)繰越控除される欠損金額は繰もどし還付の基礎とならなかつたものであること(3)繰越控除される欠損金額はその欠損金額を生じた事業年度以後において一度も控除されなかつたこと(4)繰越控除される欠損金額はその繰越控除をする前における当該事業年度の所得の金額を限度とすること(5)欠損金額を生じた事業年度以降当該事業年度まで連続して確定申告書を提出していること、以上の要件をも充足することが必要であり、これらはすべて当該法人が有効に青色申告の承認を受けていたか否かには関係しない事実によつて要件充足の有無が判断されるのみならず、特に(1)の要件充足の有無を判断するためには、欠損金額が生じたとされる事業年度の益金及び損金の額を、その事業年度を通じて多数の事実の存否を確定したうえ、これを総合し、これに会計上の処理をして行わなければならないのである。 次に、青色申告の特典の効果を受けるための前提事実の存否がすべて確定でき、その受けることのできる特典の種類及びその額が確定できたとしても、当該事業年度の課税標準・税額は容易に算出できない。蓋し、法人税の課税標準は、当該事業年度の益金の額から損金の額を控除したものであるが、このような所得の額は、事業年度を通じての多数の事実を しても、当該事業年度の課税標準・税額は容易に算出できない。蓋し、法人税の課税標準は、当該事業年度の益金の額から損金の額を控除したものであるが、このような所得の額は、事業年度を通じての多数の事実を総合し、これに会計上の処理を経てはじめては握し得るものだからである。 したがつて、青色申告の承認の取消が、当該取消処分を行つた事業年度以後の事業年度の課税標準・税額を必然的に変動させるものでないことは明らかである。 (三) 特に、本件青色申告取消処分は、理由付記という手続的事由により取り消されたものであつて、このような手続の瑕疵に起因する処分の取消は、課税標準又は税額を何ら確定するものではない。手続的瑕疵を理由とする原処分の取消が確定したならば、確定申告がされたのち何ら更正処分がされていない状態と同じになる。この場合、取消判決の確定が更正の除斥期間内であれば、税務署長は当然再更正処分を行うことができる。ところが、取消判決の確定が更正の除斥期間後であれば、税務署長は再更正処分を行うことができない。この当該事業年度の課税標準・税額等が確定申告額どおり確定するのは、更正の除斥期間の経過という事実に基づくものであり、判決によるものではない。 したがつて、手続の瑕疵のみを理由とする判決による原処分の取消は、通則法七一条一号にいう原処分の異動には含まれない。 (四) なお、原告は通則法七一条一号の解釈について、法人税取扱通達一五七(昭三二直法一-一三〇)において「通則法第七十一条第一号に規定する裁決、決定若しくは判決・・・・・・による原処分の異動は・・・・・・青色申告書の提出の承認の取消しによる異動を含むものであるから留意する。」と規定していると主張する。確かに同通達において原告主張のような記載がなされていたことは認めるが、同通達は、昭和四四年五月一日直審( 書の提出の承認の取消しによる異動を含むものであるから留意する。」と規定していると主張する。確かに同通達において原告主張のような記載がなされていたことは認めるが、同通達は、昭和四四年五月一日直審(法)二五(例規)国税庁長官通達により廃止されている。右通達が廃止されたのは、前記(二)で主張したとおり、青色申告の承認の取消処分と課税処分とは別個のものであることが認識されたためである。 2 原告は、法人税法八二条により更正の請求が理由があるとするが、右主張は次のとおり失当である。 (一) 法人税法八二条は、更正の請求の原則である通則法に対し特例を設けているが、その立法趣旨は次のとおりである。 即ち、法人税法においては、法人の貸借対照表について税務上の修正を加えた結果としての税務対照表というべきものが存在し、この税務対照表は企業の貸借対照表と密接な関連を有する。例えば、法人が一事業年度の売掛金等を、その事業年度の貸借対照表に計上せず、翌事業年度の貸借対照表に計上したとすると、この場合には、税務計算においては、その売掛金をその生じた事業年度の貸借対照表に属すべきものとして更正等を行うこととなる。しかして、その更正が行われた場合に、既に次の事業年度の申告書が提出されていた場合には、その申告の基礎となる貸借対照表には、前の事業年度で除外された売掛金等が計上されているはずであり、したがつて、確定申告書に記載された税額は、その売掛金等が含まれているだけに、税務計算上の税額よりも過大となることは明らかである。しかるに、既に確定申告書が提出されているので、その一般の更正の請求の期間は徒過したことになるので、これを行うことが許されない。しかし、この修正は、法人税法の一貫した適用を考える場合には当然必要なことであり、税務署においては、このような決定を行つた場合 更正の請求の期間は徒過したことになるので、これを行うことが許されない。しかし、この修正は、法人税法の一貫した適用を考える場合には当然必要なことであり、税務署においては、このような決定を行つた場合には、その後の事業年度において計上されている部分に限りこれを減算する処置をとつているのが普通である。しかし、このような場合には、法人からも当然に更正の請求を行わせることが実務上は便宜でもあり、また、納税者の利益にも合致する。これを認めるのが、法人税法八二条の趣旨である。 (二) 右立法趣旨及び同条の「修正申告書の提出又は更正若しくは決定」という文言によれば、更正の請求が同条に該当するためには、少なくとも次の要件を満たすことが必要である。 (1) 当該更正の請求の対象となつている事業年度より前の事業年度の課税標準・税額等につき変動が生ずること。 (2) その変動は、修正申告書が提出されるか、更正又は決定がなされることにより生ずるものであることに限定される。 (3) 前の事業年度の課税標準・税額等が変動したことによつて、必然的に当該更正の請求の対象となつている事業年度の課税標準・税額等が過大となること。 (三) 右の要件を本件にあてはめてみるに、(1) 本件更正の請求は、本件青色申告取消処分の取消が確定したことをその理由としているが、本件各事業年度より前の事業年度の課税標準・税額等につき変動が生じたことをその理由としていない。この場合には、両処分は別個であり、更正の請求を認めるべきではないことは、前記1で主張したとおりである。 (2) 本件更正の請求の理由である本件青色申告取消処分の取消が確定したのは、修正申告書の提出、更正又は決定のいずれによるものでもない。なお原告は、被告による前訴の上告取下が、法人税法八二条の「更正若しくは決定」に当たる旨主張する 本件青色申告取消処分の取消が確定したのは、修正申告書の提出、更正又は決定のいずれによるものでもない。なお原告は、被告による前訴の上告取下が、法人税法八二条の「更正若しくは決定」に当たる旨主張するが、同条は厳格に解釈されるべきであつて、原告の主張するように安易に拡張解釈されるべきではない。蓋し、同条の立法趣旨及び同法二条四三号、四四号の定義規定の存在からして、同法八二条にいう「更正若しくは決定」とは、通則法二四条、二六条の更正及び同法二五条の決定のみを意味すると解すべきであり、また、法人税法八二条と同じく更正の請求について規定した通則法二三条及び同法七一条には、「判決」「判決と同一の効力を有する和解その他の行為」などという文言があるから、税法が意識的に「更正」又は「決定」の文言と、「判決」等の文言を使い分けていることが明らかであるからである。 したがつて、本件各更正の請求は、前記(二)(3)の要件について吟味するまでもなく(1)及び(2)の要件を欠くので、法人税法八二条に該当しない。 3 本件におけるような場合の現行税法が予定する争訟方法は、青色申告の承認の取消処分を争うとともに、爾後の申告も青色申告書によつて各種の青色申告の特典計算を行つたうえで行い、これに対する更正処分に対し、不服申立及び訴訟提起を行つて争う方法であり、原告とすれば、右の方法により本件係争年度の各更正処分を争うべきであつたのである。現に、原告は、本件係争年度につき、青色申告により申告を行つており、また、昭和三七年については、不服申立を行つている。 もし原告の主張するように、青色申告の承認の取消の取消が訴訟上確定した後に更正の請求が許されるとするならば、納税者は、税務官庁の資料の散逸を待つて更正の請求を行うことにより、所定の期間内に所定の不服手続を経由して取消訴訟を提起 申告の承認の取消の取消が訴訟上確定した後に更正の請求が許されるとするならば、納税者は、税務官庁の資料の散逸を待つて更正の請求を行うことにより、所定の期間内に所定の不服手続を経由して取消訴訟を提起するよりも有利な地位に立つという不合理な事態を招くことになる。 4 本件係争年度の法人税につき、被告が、原告の本件更正の請求に応じて、原告を青色申告法人扱いとして減額更正すると仮定した場合の課税所得金額は、別表二及び三の被告が主張する青色申告法人としての再計算額欄記載のとおりである。 原告は、本件更正の請求の対象金額については、原則として原告の確定申告書の記載に従うべきである旨主張するが、右主張は失当である。即ち、本件青色申告取消処分の取消判決の確定により、本件係争年度の各更正処分は何らその効力を失うことはないのであつて、右取消判決確定後においても、本件係争年度の課税標準・税額は本件各更正処分によつて確定されたままなのである。そして後発的理由による更正の請求の制度は、特定の事由がある場合に限つて、既に更正等によつて確定している課税標準及び税額を、自己の有利に変更すべきよう税務署長に求めるものであるから、その更正の請求の対象金額の主張・立証責任は納税者側にあると解すべきである。 第四被告の主張に対する原告の反論(法人税取扱通達一五七(昭三二直法一-一三〇)が削除された理由)通達一五七が削除された理由は、昭和四四年五月一日法人税基本通達を公示した際の「従来の法人税通達の規定のうち法令の解釈に必要性が少ないと認められる留意的規定を積極的に削除する」という方針に基づき、解釈上あまり当然な通達は公示していても意味がないから削除したに過ぎず、削除された現在も、通則法七一条の意味内容には何らの変化はない。 第五証拠(省略)○ 理由一請求原因一の事実( に基づき、解釈上あまり当然な通達は公示していても意味がないから削除したに過ぎず、削除された現在も、通則法七一条の意味内容には何らの変化はない。 第五証拠(省略)○ 理由一請求原因一の事実(本件処分の経緯等)のうち、本件青色申告取消処分等の取消訴訟の上告審において、被上告代理人が上告取下書の送達を受けた日の点を除き、その余の事実はいずれも当事者間に争いがなく、成立に争いのない甲第四号証によれば、右上告取下書は、昭和四九年八月一九日被上告代理人に送達されたことが認められる。 二原告は、本件更正の請求が認められる根拠として、法人税法八二条を挙げるので、まずこの点について判断する。 1 申告納税方式による租税について納税申告をした者が、申告によつていつたん確定した課税標準等又は税額等を、自己の有利に変更することを求めて租税行政庁の確定権の発動を促すところの更正の請求の制度については、通則法二三条において一般的原則及び手続が定められているが、法人税法八二条は、通則法二三条二項のいわゆる後発的理由に基づく更正の請求の特例として、確定申告書の記載事項に掲げる金額(以下、課税標準又は税額等という。)につき、修正申告書を提出し、又は更正若しくは決定を受けた法人は、これに伴い、その修正申告書若しくは更正若しくは決定に係る事業年度の確定申告書に記載した、又は決定を受けた、(イ)当該事業年度に係る法人税額等が過大となる場合、或いは、(ロ)欠損金額又は還付金額が過少となる場合には、更正の請求ができる旨規定する。 このような前事業年度の課税標準又は税額等の更正等に伴う更正の請求が認められた趣旨については、概ね次のような説明がされるのが通例である。即ち、例えば、法人がある事業年度の売上等をその事業年度に計上せずに、翌事業年度に計上して確定申告をしていたが、 伴う更正の請求が認められた趣旨については、概ね次のような説明がされるのが通例である。即ち、例えば、法人がある事業年度の売上等をその事業年度に計上せずに、翌事業年度に計上して確定申告をしていたが、その後、当該売上等について、その生じた事業年度(前期)に属するものとして、前期分について修正申告書を提出し、又は更正がされた場合、その結果、この売上等を計上して申告した事業年度の課税標準又は税額等は、右売上等の金額が含まれているので当然に過大となるが、この場合でも、通常の更正の請求はその除斥期間が徒過して利用できないことになる。このような場合、税法の一貫した適用の要請から、租税行政庁自ら減額更正をするのが通常であろうが、申告法人からも更正の請求を認めるのがその利益に合致する、というにある。 右のような税法の一貫した適用の必要性は、ひとり法人税の課税に限らず、所得税の課税においても同じく要請されるところであるから、所得税法一五三条において、法人税法八二条と同様の規定が設けられている。 2 右立法趣旨、更正の請求の原則規定との関係及び法人税法八二条の規定文言を総合すれば、同条の更正の請求が認められるためには、少なくとも、当該更正の請求の対象となつている事業年度より前の事業年度の課税標準又は税額等について変動を生じたことにより、その反射的作用として、当該更正の請求の対象となつている事業年度の課税標準又は税額等に変動が生ずることになつた場合であることを要するものと解すべきである。 これを本件についてみるに(なお、被告は、法人税法八二条の規定文言上、前事業年度の課税標準又は税額等の変動は、修正申告書の提出、更正又は決定により生じたものであることに限定され、判決や判決と同一の効力を有する和解その他の行為を含まない旨主張するが、右主張の当否の点はひとまずおく 課税標準又は税額等の変動は、修正申告書の提出、更正又は決定により生じたものであることに限定され、判決や判決と同一の効力を有する和解その他の行為を含まない旨主張するが、右主張の当否の点はひとまずおく。)、原告の主張するところは、本件青色申告取消処分の取消判決が確定したことにより、その判決の効果として、本件係争年度についても、原告は、青色申告の承認を受けた法人であつたことになり、青色申告の特典を享受し得る地位にあるので、法人税額等が減少するというに過ぎず、本件係争年度より前の事業年度、即ち昭和三五年度分の課税標準又は税額等に変動が生じ、その反射的結果として、本件係争年度の課税標準又は税額等に変動が生じた事実を主張するものでないことは明らかであるから、本件は、法人税法八二条により更正の請求が認められる場合には該当しないといわざるを得ない。 三そこで、進んで本件更正の請求が、通則法二三条二項によつて認めることができるか否かについて検討する。 1 通則法二三条二項は、いわゆる後発的理由に基づく更正の請求を可能としているが、その一号においては、申告、更正又は決定に係る課税標準等又は税額等の計算の基礎となつた事実に関する訴えについて判決(判決と同一の効力を有する和解その他の行為を含む。 )により、その事実が当該計算の基礎としたところと異なることが確定したときは、その確定した日の翌日から起算して二か月以内において更正の請求ができる旨規定している。 同号が予想する典型的な場合は、例えば、不動産の売買があつたものとして譲渡所得について申告したところ、後日売買の無効を確認する旨の訴訟が提起され、譲渡が無かつたことに確定したような事案であり、同号にいう「計算の基礎となつた事実」とは、納税義務が成立するための物的基礎をなすところの課税の対象事実が主要なもので 効を確認する旨の訴訟が提起され、譲渡が無かつたことに確定したような事案であり、同号にいう「計算の基礎となつた事実」とは、納税義務が成立するための物的基礎をなすところの課税の対象事実が主要なものであろうが、青色申告の承認を受けた者であつたか否かという事実も、そのことのみで課税標準等又は税額等に直接影響を及ぼすことは無いが、青色申告の承認を受けておれば、他の要件の充足と相まつて、法人税法(五七条、八一条)や租税特別措置法(四三条ないし四六条の二、四八条ないし五二条、五三条ないし五七条の六、五八条、五八条の三、その他)に規定する各種の税負担の軽減をもたらす特典を享受することができ、課税標準等又は税額等の決定の基礎となることは明らかであるから、やはり同号にいう「当該計算の基礎となつた事実」に該当すると解するのが相当である。 2 被告は、青色申告承認の取消処分と、それに基づく更正処分とは別個の処分であり、青色申告の承認が取り消された場合において、右取消処分を前提とする当該年度及び爾年度以降の白色申告扱いの更正処分については、それぞれ別途不服申立及び訴訟を提起してこれを争うべきであり、それが法の予定するところである旨主張する。 なるほど、青色申告の承認は、納税義務者に対し、各種の特典を伴う青色申告で申告することができる資格を付与する行政処分であり、他方、更正処分は、租税行政庁が課税標準等又は税額等を二次的に確定する行政処分であり、両者は別個の行政処分であるから、更正処分は所定の手続を経過すればそれ自体として確定するのであり、納税者は、青色申告承認の取消処分を争うとともに、それに基づく更正処分に対しても、別途不服申立や訴訟によりその取消を求める必要があるようにも思われる。 しかしながら、このような更正処分の取消を求める訴えは、別訴である青色申告承 分を争うとともに、それに基づく更正処分に対しても、別途不服申立や訴訟によりその取消を求める必要があるようにも思われる。 しかしながら、このような更正処分の取消を求める訴えは、別訴である青色申告承認の取消処分の取消訴訟において、右承認取消処分を取り消す旨の判決が確定した場合には白色申告として取り扱われてなされた更正処分の取消を求めるという、一種の条件付で形成を求める訴えにならざるをえず、その適法性には疑問をさしはさむ余地が無くもなく、少なくとも、この訴えが、青色申告承認の取消処分の取消を求める訴えと別個に提起された場合には、右取消処分の公定力のためこれを取り消す判決が確定するまでは、請求棄却とならざるを得ないと思われ、その実際的機能を果し得るかは疑わしい。 また、仮にこのような訴訟が認められるとしても、青色申告承認が取り消された場合、爾年度以降白色申告者として取り扱われるから、納税者としては、青色申告承認の取消処分があつた当該年度の更正処分の取消を求めるだけでなく、青色申告承認取消処分の取消訴訟が係属する限り、毎事業年度毎に青色申告をし、白色申告として更正処分を受けたうえで、一々その取消訴訟を提起しなければならないこととなる。しかしながら、青色申告者という資格が裁決・判決等により復活すれば(前記のとおり、青色申告の承認と更正処分とは別個の処分であるから、既に確定した更正処分が遡つて瑕疵のあるものになつたり、青色申告承認取消処分の取り消された時点において瑕疵のあるものに変ることはないが、)行政訴訟が行政の法適合性を保障するという機能を有している点を重視する限り、遡及して既になされた白色申告扱いの更正処分は是正させる必要があり、本来それは租税行政庁において職権をもつてしても是正すべきなのである。原告が主張するところの法人税取扱通達一五七( を重視する限り、遡及して既になされた白色申告扱いの更正処分は是正させる必要があり、本来それは租税行政庁において職権をもつてしても是正すべきなのである。原告が主張するところの法人税取扱通達一五七(昭和三二年直法一-一三〇)において、更正の除斥期間の特例を規定した通則法七一条に関し、「通則法第七一条第一号に規定する『裁決、決定若しくは判決・・・・・・による原処分の異動』は、・・・・・・青色申告書の提出の承認の取消による異動を含むのであるから留意する」と定められていた趣旨もこのような意味で理解することができる。したがつて、前記のような繁雑な手段をとることを納税者に要求し、それをせずにおれば、後日青色申告承認取消処分が取り消されたとしても、納税者は全く救済されないと解することは正当とはいえず、これまで述べたとおり、右手段が理論的・実際的にみて必ずしも十分その機能を果たし得るものか疑問が多い以上、少なくとも、納税者が更正の請求という手段を選択して、白色申告扱いの更正処分の是正を求めてきた場合に、前記通則法二三条二項一号によつて認容することが制度として妥当である。 このように解することは、同項が昭和四五年三月六日法律第八号において制定される際の答申として「このように期限を延長しても(更正の請求の除斥期間を一年に延長することを指す)期限内に権利が主張できなかつたことについて正当な理由があると認められる場合の納税者の立場を保護するため、後発的事由により期限の特例が認められる場合を拡張し、課税要件事実について、申告の基礎となつたものと異なる判決があつた場合その他これらに類する場合を追加するものとする」と述べられている趣旨にも合致するものである。 3 そこで、本件についてこれをみるに、前記一の事実関係によれば、前訴本件青色申告取消処分等の取消訴訟の上告審 他これらに類する場合を追加するものとする」と述べられている趣旨にも合致するものである。 3 そこで、本件についてこれをみるに、前記一の事実関係によれば、前訴本件青色申告取消処分等の取消訴訟の上告審において、被告がその上告を取り下げたことにより原告勝訴の第一審判決が確定したこと、そこで原告は、本件係争年度についても青色申告法人であつたことになつたとして、右上告取下書の送達を受けた日の翌日である昭和四九年八月二〇日から二か月以内である同年一〇月一八日、白色申告扱いによる更正処分の是正を求める本件更正の請求をしたことは明らかであり、成立に争いのない甲第一号証の一及び二によれば、被告は、本件更正の請求は、通則法二三条二項一号にいう計算の基礎となつた事実が、当該計算の基礎としたところと異なる場合には該当しない旨の理由により(併せて、法人税法八二条の更正の請求としても認められない旨付記されている)、本件処分をしたことが認められる。 そうすると、原告の本件更正の請求は、通則法二三条二項一号に基づくものとして適式なものであつたと認められ(上訴の取下の場合には、取下のあつたことの通知を受けた日の翌日から二か月以内は更正の請求をすることができると解すべきである。)、本件更正の請求が同号に該当しないとしてなされた被告の本件各処分は、いずれも違法であり、取消を免れないといわなければならない。 4 なお、原告は、本件更正の請求が認められる根拠法条として、異議申立以降本訴に至るまで法人税法八二条を主張し、被告も本訴においては右原告の主張に応答する形で、同条には該当しない旨のみ主張するところであるが、通則法二三条二項の更正の請求は、法人税法八二条の更正の請求に対し、一般的原則及び手続を定めた関係に立ち、また、原告において主張する更正の請求を求める事実関係にも何らの のみ主張するところであるが、通則法二三条二項の更正の請求は、法人税法八二条の更正の請求に対し、一般的原則及び手続を定めた関係に立ち、また、原告において主張する更正の請求を求める事実関係にも何らの変動はないこと、前記三3認定のとおり、本件処分の理由は、本件更正の請求が通則法二三条二項一号の事由に該当しないということであり、併せて法人税法八二条にも該当しない旨付記されていること、被告の本訴における主張は、本件のような場合、更正の請求は一切認められず、その更正処分ごとに別途不服申立及び訴訟を行うべきであるというのであり、通則法二三条二項にも該当しない旨の判断を前提としてなされていると認められること等の事情を考慮すれば、裁判所としては、当事者の根拠法条の点に関する法律的主張に拘束されずに本件処分の適否を判断することができ、かつ、それによつて当事者に著しく不利益を与えるものではない。 四 1なお、以上の争点から派生する争点として、本件のような更正の請求を認めるとき、青色申告承認取消処分の取消訴訟が長期に亘れば、その間所得額等の認定資料の散逸という事態が起きることが十分考えられ、被告が更正の請求に応ずるとしても、対象金額が不明となる可能性がある。 この点に関し、原告は、青色申告承認取消処分の取消により、右処分を前提とする白色申告扱いの更正処分が違法・無効となり、原告の確定申告の効力が復活するとして、青色申告を要件としない加算金額があれば、被告において主張立証すべきであり、これが不能であるならば、原告の申告を基本として更正の請求に対する減額の処分をすべきである旨主張する。しかしながら、前記三2のとおり、青色申告承認の取消処分と、右処分を前提としてなされた白色申告扱いの更正処分とは、別個の処分であり、青色申告承認取消処分が取り消されても、更正処分が瑕疵 る旨主張する。しかしながら、前記三2のとおり、青色申告承認の取消処分と、右処分を前提としてなされた白色申告扱いの更正処分とは、別個の処分であり、青色申告承認取消処分が取り消されても、更正処分が瑕疵のあるものに変ることなく、所定の手続を経過すれば確定しているのであるから、原告の右主張は左袒できない。 2 しかしながら、更正処分が形式的に確定しているとはいえ、青色申告承認取消処分の取消があつたことを後発的理由として更正の請求を認め、白色申告扱いの更正処分による税額と青色申告による税額との差額分について減額を認めるということは、実質的にみれば、右白色申告扱いの更正処分のない状態に戻し、原告に青色申告者としての特典を享受させるということを意味するのであるから、請求の対象金額につき、原告の確定申告と異なる点は、被告において主張立証すべきであると解するのが相当である。また、このように解しても、本件更正の請求を認めることに不合理なところはない。 3 そして、右更正請求の対象金額については、まず行政庁の処分により決定されるものであるから、この点について判断するまでもなく、被告の本件処分を取り消すこととする。 五よつて、原告の本訴請求は、理由があるからこれを認容し、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条を適用して主文のとおり判決する。 (裁判官早瀬正剛大内捷司柴田寛之)

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る