(判決主文)被告人を懲役1年に処する。 未決勾留日数中60日をその刑に算入する。 (罪となるべき事実)被告人は第1 平成13年11月3日ころ,秋田市ab丁目c番d号先路上において,同所に駐車中のA所有の普通乗用自動車のフロントガラス等を鉄パイプ様のもので叩き割るなどし(損害額14万6230円相当),もって,他人の物を損壊した第2 同月19日午後零時20分ころ,同市ef丁目g番h号B駐車場において,C(当時38歳)に対し,「男いるんだべ。結婚するんだが。エルグランドの男,ただにしておかねえや。自分だけ幸せになろうなんて思うなよ。そんなこと,俺は許さねや。」等と怒号して,同人の身体,自由及び名誉等に危害を加えかねない気勢を示して脅迫したものである。 (法令の適用)被告人の第1の所為刑法261条同第2の所為同法222条1項刑種の選択いずれも懲役刑併合罪加重同法45条前段,47条本文,10条重い第1の罪の刑に法定の加重未決勾留日数の本刑算入同法21条(量刑の理由)被告人は,妻子と家庭を持ちながら,前妻であるCとの交際だけは維持したいとの自己中心的な動機から,約9年前から同女に対し,その居宅に押しかけたり,無言電話をかけるなどのつきまとい行為をし,同女が自己の意に沿わない場合には,同女あるいは同女の交際相手などに嫌がらせをするなどしていたものであり,本件各犯行もその一環といえる。この間,被告人はCからの申請により,面会強要や架電や住居付近の徘徊を禁止する仮処分を受けたり,あるいは同女に面会を求めないとする家事調停がなされたにもかかわらず,全くこのことを無視して,同女に対する面会強要や付きまとい行為を継続して来たものである。従って,被告人には再犯の虞があるというべきである 同女に面会を求めないとする家事調停がなされたにもかかわらず,全くこのことを無視して,同女に対する面会強要や付きまとい行為を継続して来たものである。従って,被告人には再犯の虞があるというべきである。このように,被告人の本件犯行態様は誠に執拗かつ悪質であって,Cが被った精神的被害は計り知れない。さらに2人の間に生まれたCの養育する子も,情緒不安定になっているということである。又,本件第1の犯行は,被告人がCに交際する男性がいると知るや,その後をつけ,同人の使用する車両のフロントガラスを割るなどして14万円余の損害を被らしめたものであり,これ又その犯行態様は陰湿であり悪質というほかはない。 近時,本件のようなストーカー的犯行が増加し,女性が被害に遭うケースが後を絶たず,大きな社会問題となっていることからも,この種事犯を抑止すべく一般予防の見地からも被告人に対しては厳重なる処罰が望まれる。このようなことから,被告人の本件刑事責任は重い。 以上の諸点に照らせば,被告人は本件第1の犯行にかかる自動車の損害を弁償したこと,被告人が反省をしていること等を考慮しても,本件については実刑が相当であって,被告人を懲役1年に処するを相当と判断する。 平成14年2月25日秋田地方裁判所刑事部裁判官穴澤成巳
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