令和2年6月30日判決言渡同日原本交付裁判所書記官平成30年(ワ)第10126号特許権侵害差止等請求事件口頭弁論終結日令和2年3月19日判決 原告 グリッドマーク株式会社 上記訴訟代理人弁護士 小林幸夫 弓削田博 神田秀斗 平田慎二 上記訴訟代理人弁理士 平川明 今堀克彦 被告 ワールド・ファミリー株式会社 上記訴訟代理人弁護士 下田憲雅 上記訴訟代理人弁理士 住吉勝彦 瀧澤匡則 被告補助参加人 ソニックステクノロジー株式会社 上記訴訟代理人弁護士 矢部耕三 岡本義則 上記補佐人弁理士 松尾淳一 末松亮太 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 被告は,別紙被告製品目録記載の各製品を製造し,譲渡し,輸入し,輸出し,譲渡の申出をし,又は譲渡のために展示してはならない。 2 被告は,前項の各製品及びその半製品(同目録記載の各製品の構造を具備しているが製品として完成するに至らないもの)を廃棄せよ。 3 被告は,原告に対し,1億円及びこれに対する平成30年3月30日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 第2 事案の概 いるが製品として完成するに至らないもの)を廃棄せよ。 3 被告は,原告に対し,1億円及びこれに対する平成30年3月30日から支払 済みまで年5%の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要等 1 事案の概要本件は,発明の名称を「ドットパターン」とする特許権(第4392521号),「音声情報再生装置」とする特許権(第4817157号),「ドットパターン」 とする特許権(第4899199号),「ドットパターンが形成された媒体,ドットパターンを用いた情報入力方法,ドットパターンを用いた情報入出力方法,ドットパターンを用いた情報入力装置,ドットパターンを用いた情報処理装置」とする特許権(第5259005号)を有する原告が,被告が製造,譲渡等する別紙被告製品目録記載の各製品(以下,同目録記載1の製品を「被告製品1」,同目 録記載2の製品を「被告製品2」といい,併せて「被告各製品」という。)が原告の上記各特許権を侵害すると主張し,被告に対し,特許法100条1項及び2項に基づき,被告各製品の製造,譲渡等の差止め及び廃棄を求めるとともに,民法709条,特許法102条1項に基づき,1億円(18億3333万3332円の一部請求)及びこれに対する不法行為後の日である平成30年3月30日から 支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案で ある。 2 前提事実(当事者間に争いがないか,後掲各証拠及び弁論の全趣旨によって容易に認められる事実)当事者等ア原告は,二次元コード等に関わる情報技術の研究,開発及びコンサルティ ング,同技術情報を利用した情報デバイスの企画,設計,開発,製造,輸入及び販売等を目的とする株式会社である(甲1)。 イ被告は,英語教材販売,教育関連事業及びイベン 究,開発及びコンサルティ ング,同技術情報を利用した情報デバイスの企画,設計,開発,製造,輸入及び販売等を目的とする株式会社である(甲1)。 イ被告は,英語教材販売,教育関連事業及びイベントに関する企画・後援・普及,その他の教材・出版物の販売等をその事業内容とする株式会社である(弁論の全趣旨)。 ウ被告補助参加人(以下「補助参加人」という。)は,半導体製品の輸出入及び販売等を目的とする株式会社であり,台湾法人である松翰科技股份有限公司(以下「補助参加人親会社」という。)の100%子会社であって,補助参加人親会社の日本市場における営業,顧客サポートなどの事業を統括する(弁論の全趣旨)。 原告の特許権原告は,以下の各特許権(以下,順に「本件特許権1」,「本件特許権2」などといい,併せて「本件各特許権」という。)を有している。以下,本件各特許権に係る特許を,順に「本件特許1」,「本件特許2」などといい,併せて「本件各特許」という。また,本件各特許に係る明細書及び図面を,特許の符号に 従い「本件明細書1」,「本件明細書2」などという。本件明細書1の記載は段落番号の後にⅠを付し,本件明細書2の記載は段落番号の後にⅡを付し,本件明細書3の記載は段落番号の後にⅢを付し,本件明細書4の記載は段落番号の後にⅣを付す。本件明細書1~4の図面は,番号も含めて同じなので,図面は単に図面番号で示す。 ア本件特許権1(甲3,4,顕著な事実) 特許番号第4392521号発明の名称ドットパターン出願日平成20年9月1日原出願日平成15年9月26日(平成21年7月22日付け更正通知では,平成14年9月26日) 優先日平成14 ットパターン出願日平成20年9月1日原出願日平成15年9月26日(平成21年7月22日付け更正通知では,平成14年9月26日) 優先日平成14年9月26日,同年10月4日,平成14年12月27日登録日平成21年10月23日イ特許権2(甲6,7)特許番号第4317157号 発明の名称音声情報再生装置出願日平成22年11月30日原出願日平成15年9月26日優先日平成14年9月26日,同年10月4日,平成14年12月27日 登録日平成23年9月9日ウ特許権3(甲9,10)特許番号第4899199号発明の名称ドットパターン出願日平成23年2月28日 原出願日平成15年9月26日優先日平成14年9月26日,同年10月4日,平成14年12月27日登録日平成24年1月13日エ特許権4(甲12,13) 特許番号第5259005号 発明の名称ドットパターンが形成された媒体,ドットパターンを用いた情報入力方法,ドットパターンを用いた情報入出力方法,ドットパターンを用いた情報入力装置,ドットパターンを用いた情報処理装置出願日平成24年9月28日 原出願日平成15年9月26日優先日平成14年9月26日,同年10月4日,平成14年12月27日登録日平成25年8月7日⑶ 本件各特許権に係る専用実施権の設定登録並びに取得の経緯 ア原告は,本件特許権1につき 年9月26日,同年10月4日,平成14年12月27日登録日平成25年8月7日⑶ 本件各特許権に係る専用実施権の設定登録並びに取得の経緯 ア原告は,本件特許権1につき,原特許権者であるZⅰ(以下「Zⅰ」という。)から平成25年1月9日を受付日とする専用実施権の設定を受け,その後,平成26年8月25日を受付日とする特許権移転登録を受けた(甲3)。 イ原告は,本件特許権2につき,Zⅰから平成25年1月9日を受付日とする専用実施権の設定を受け,その後,平成26年8月25日を受付日とする 特許権移転登録を受けた(甲6)。 ウ原告は,本件特許権3につき,Zⅰから平成26年8月25日を受付日とする特許権移転登録を受けた(甲9)。 エ原告は,本件特許権4につき,Zⅰから平成26年8月25日を受付日とする特許権移転登録を受けた(甲23)。 ⑷ 本件各特許の特許請求の範囲本件各特許に係る特許請求の範囲の記載は,以下のとおりである。 ア本件特許1の請求項1(以下,この請求項に記載された発明を「本件発明1」という。)「媒体面上に形成され,且つデータ内容が定義できる情報ドットが配置さ れたドットパターンであって,前記ドットパターンは,縦横方向に等間隔に 設けられた格子線の交点である格子点を中心に,前記情報ドットを前記格子点の中心から等距離で45°ずつずらした方向のうちいずれかの方向に,どの程度ずらすかによってデータ内容を定義し,前記情報ドットが配置されて情報を表現する部分を囲むように,前記縦方向の所定の格子点間隔ごとに水平方向に引いた第一方向ライン上と,該第一方向ラインと交差するように前 記横方向の所定の格子点間隔ごとに垂直方向に引いた第二方向ライン上とにおいて,該縦横 ,前記縦方向の所定の格子点間隔ごとに水平方向に引いた第一方向ライン上と,該第一方向ラインと交差するように前 記横方向の所定の格子点間隔ごとに垂直方向に引いた第二方向ライン上とにおいて,該縦横方向の複数の格子点上に格子ドットが配置されたことを特徴とするドットパターン。」イ本件特許2の請求項1(以下,この請求項に記載された発明を「本件発明2」という。) 「媒体表面に印刷され,所定の配置法則で印刷された所定のドットパターンを読み取る光学読取手段と,予め所定の音声情報をドットパターンと関連づけた参照テーブルと,前記音声情報が記憶された音声記憶手段と,前記光学読取手段によって前記ドットパターンが読み取られたときに,前記参照テーブルを参照して前記音声記憶手段から当該ドットパターンに関連付けら れた音声情報を読み出して出力する音声出力手段とからなる音声情報再生装置であって,前記所定のドットパターンは,媒体面上に形成され,且つデータ内容が定義できる情報ドットが配置されたドットパターンであって,縦横方向に等間隔に設けられた格子線の交点である格子点を中心に,前記情報ドットを前記格子点の中心から等距離で45°づつずらした方向のうちい ずれかの方向に,どの程度ずらすかによってデータ内容を定義し,前記情報ドットが配置されて情報を表現する部分を囲むように,前記縦方向の所定の格子点間隔ごとに水平方向に引いた第一方向ライン上と,該第一方向ラインと交差するように前記横方向の所定の格子点間隔ごとに垂直方向に引いた第二方向ライン上とにおいて,該縦横方向の複数の格子点上に格子ドットが 配置されたドットパターンであることを特徴とする音声情報再生装置。」 ウ本件特許3の請求項1(以下,この請求項に記載された発明を「本件発明 該縦横方向の複数の格子点上に格子ドットが 配置されたドットパターンであることを特徴とする音声情報再生装置。」 ウ本件特許3の請求項1(以下,この請求項に記載された発明を「本件発明3」という。)「等間隔に所定個数水平方向に配置されたドットと,前記水平方向に配置されたドットの端点に位置する当該ドットから等間隔に所定個数垂直方向に配置されたドットと,前記水平方向に配置されたドットから仮想的に設定 された垂直ラインと,前記垂直方向に配置されたドットから水平方向に仮想的に設定された水平ラインとの交点を格子点とし,該格子点からのずれ方でデータ内容が定義された情報ドットと,からなるドットパターンであって,前記垂直方向に配置されたドットの1つは,当該ドット本来の位置からのずらし方によって前記ドットパターンの向きを意味していることを特徴とす るドットパターン。」エ本件特許4の請求項1(以下,この請求項に記載された発明を「本件発明4」という。)「ドットパターンが形成された媒体であって,前記ドットパターンは,等間隔に所定個数水平方向に配置されたドットと,前記水平方向に配置された ドットの端点に位置する当該ドットから等間隔に所定個数垂直方向に配置されたドットと,前記水平方向に配置されたドットから仮想的に設定された垂直ラインと,前記垂直方向に配置されたドットから水平方向に仮想的に設定された水平ラインとの交点を格子点とし,該格子点からのずれ方でデータ内容が定義された情報ドットと,からなり,前記垂直方向に配置されたドッ トの1つは,当該ドット本来の位置からのずらし方によって前記ドットパターンの向きを意味していることを特徴とするドットパターンである,ドットパターンが形成された媒体。」オ本件特許4の ッ トの1つは,当該ドット本来の位置からのずらし方によって前記ドットパターンの向きを意味していることを特徴とするドットパターンである,ドットパターンが形成された媒体。」オ本件特許4の請求項20(以下,この請求項に記載された発明を「本件発明5」といい,本件発明1~5を併せて「本件各発明」ということがある。) 「請求項1~11のいずれか一項に記載のドットパターンが形成された媒 体に対して,該媒体のドットパターンを撮影する手段と,等間隔に所定個数,所定方向に配置されたドットを水平方向に配置されたドットとして抽出し,前記所定方向に対して垂直方向に等間隔に所定個数配置されたドットを垂直方向に配置されたドットとして抽出し,前記水平方向に配置されたドットから仮想的に設定された垂直ラインと,前記垂直方向に配置されたドットか ら水平方向に仮想的に設定された水平ラインとの交点である格子点からのずれ方でデータ内容が定義された情報ドットを抽出する手段と,前記垂直方向に配置されたドットの1つにおける当該ドット本来の位置からのずれ方によって,前記ドットパターンの向きを認識する手段と,該ドットの配置にしたがって該ドットパターンの定義するデータ内容を解析する手段と,該デ ータ内容に対応した情報を記憶する記憶手段と,該データ内容に対応した情報を出力する出力手段と,を備えたドットパターンを用いた情報処理装置。」⑸ 本件各発明の構成要件本件各発明を構成要件に分説すると,次のとおりである(以下,それぞれの符号に従い「構成要件A1」などと表記する。)。 ア本件発明1A1 媒体面上に形成され,且つデータ内容が定義できる情報ドットが配置されたドットパターンであって,B1 前記ドットパターンは,縦横方向に等間隔 」などと表記する。)。 ア本件発明1A1 媒体面上に形成され,且つデータ内容が定義できる情報ドットが配置されたドットパターンであって,B1 前記ドットパターンは,縦横方向に等間隔に設けられた格子線の交点である格子点を中心に,前記情報ドットを前記格子点の中心から等距 離で45°ずつずらした方向のうちいずれかの方向に,どの程度ずらすかによってデータ内容を定義し,C1 前記情報ドットが配置されて情報を表現する部分を囲むように,前記縦方向の所定の格子点間隔ごとに水平方向に引いた第一方向ライン上と,該第一方向ラインと交差するように前記横方向の所定の格子点間隔 ごとに垂直方向に引いた第二方向ライン上とにおいて,該縦横方向の複 数の格子点上に格子ドットが配置されたD1 ことを特徴とするドットパターン。 イ本件発明2A2 媒体表面に印刷され,所定の配置法則で印刷された所定のドットパターンを読み取る光学読取手段と, B2 予め所定の音声情報をドットパターンと関連づけた参照テーブルと,C2 前記音声情報が記憶された音声記憶手段と,D2 前記光学読取手段によって前記ドットパターンが読み取られたときに,前記参照テーブルを参照して前記音声記憶手段から当該ドットパターンに関連付けられた音声情報を読み出して出力する音声出力手段と E2 からなる音声情報再生装置であって,F2 前記所定のドットパターンは,媒体面上に形成され,且つデータ内容が定義できる情報ドットが配置されたドットパターンであって,G2 縦横方向に等間隔に設けられた格子線の交点である格子点を中心に,前記情報ドットを前記格子点の中心から等距離で45°づつずらした方 向のうちいずれかの方向に,どの程度ずらすかによってデータ内 2 縦横方向に等間隔に設けられた格子線の交点である格子点を中心に,前記情報ドットを前記格子点の中心から等距離で45°づつずらした方 向のうちいずれかの方向に,どの程度ずらすかによってデータ内容を定義し,H2 前記情報ドットが配置されて情報を表現する部分を囲むように,前記縦方向の所定の格子点間隔ごとに水平方向に引いた第一方向ライン上と,該第一方向ラインと交差するように前記横方向の所定の格子点間隔 ごとに垂直方向に引いた第二方向ライン上とにおいて,該縦横方向の複数の格子点上に格子ドットが配置されたドットパターンであるI2 ことを特徴とする音声情報再生装置。 ウ本件発明3A3 等間隔に所定個数水平方向に配置されたドットと, B3 前記水平方向に配置されたドットの端点に位置する当該ドットから 等間隔に所定個数垂直方向に配置されたドットと,C3 前記水平方向に配置されたドットから仮想的に設定された垂直ラインと,前記垂直方向に配置されたドットから水平方向に仮想的に設定された水平ラインとの交点を格子点とし,該格子点からのずれ方でデータ内容が定義された情報ドットと,からなるドットパターンであって, D3 前記垂直方向に配置されたドットの1つは,当該ドット本来の位置からのずらし方によって前記ドットパターンの向きを意味しているE3 ことを特徴とするドットパターン。 エ本件発明4A4 ドットパターンが形成された媒体であって, B4 前記ドットパターンは,等間隔に所定個数水平方向に配置されたドットと,C4 前記水平方向に配置されたドットの端点に位置する当該ドットから等間隔に所定個数垂直方向に配置されたドットと,D4 前記水平方向に配置されたドットから仮想的に設定された垂直ライ トと,C4 前記水平方向に配置されたドットの端点に位置する当該ドットから等間隔に所定個数垂直方向に配置されたドットと,D4 前記水平方向に配置されたドットから仮想的に設定された垂直ライ ンと,前記垂直方向に配置されたドットから水平方向に仮想的に設定された水平ラインとの交点を格子点とし,該格子点からのずれ方でデータ内容が定義された情報ドットと,からなり,E4 前記垂直方向に配置されたドットの1つは,当該ドット本来の位置からのずらし方によって前記ドットパターンの向きを意味していること を特徴とするドットパターンである,F4 ドットパターンが形成された媒体。 オ本件発明5A5 請求項1~11のいずれか一項に記載のドットパターンが形成された媒体に対して, B5 該媒体のドットパターンを撮影する手段と, C5 等間隔に所定個数,所定方向に配置されたドットを水平方向に配置されたドットとして抽出し,前記所定方向に対して垂直方向に等間隔に所定個数配置されたドットを垂直方向に配置されたドットとして抽出し,前記水平方向に配置されたドットから仮想的に設定された垂直ラインと,前記垂直方向に配置されたドットから水平方向に仮想的に設定された水 平ラインとの交点である格子点からのずれ方でデータ内容が定義された情報ドットを抽出する手段と,D5 前記垂直方向に配置されたドットの1つにおける当該ドット本来の位置からのずれ方によって,前記ドットパターンの向きを認識する手段と, E5 該ドットの配置にしたがって該ドットパターンの定義するデータ内容を解析する手段と,F5 該データ内容に対応した情報を記憶する記憶手段と,G5 該データ内容に対応した情報を出力する出力手段と,H5 を備えたドットパ 該ドットパターンの定義するデータ内容を解析する手段と,F5 該データ内容に対応した情報を記憶する記憶手段と,G5 該データ内容に対応した情報を出力する出力手段と,H5 を備えたドットパターンを用いた情報処理装置。 ⑹ 原告による訂正請求原告は,平成31年1月25日付で,本件明細書1~4を訂正する旨の訂正審判を請求した。その後,特許庁から,同年4月17日付で,同訂正審判事件につき,他の審判事件(無効2018-800155,無効2018-800156,無効2018-800157,無効2019-800003)と同じ 特許に対して請求されたものであることを理由として,手続中止通知を受けると,令和元年6月10日,上記各無効審判事件の手続において,訂正請求をした(甲34~37,44~50,54。以下「本件訂正」という。)。 本件訂正の内容は,以下のとおりである。(下線を付したのは訂正箇所)ア 【0186】Ⅰ,【0230】Ⅱ,【0232】Ⅲ,【0226】Ⅳ「ここ で,4×4個の格子領域を1つのデータブロックまたは格子ブロックと呼び, この格子ブロックの四隅(格子線の交点(格子点)上)には格子ドットLDが配置されている。」を「ここで,図105における4×5個の格子領域を1つのデータブロックまたは格子ブロックと呼び,この格子領域の四隅(格子線の交点(格子点)上)には格子ドットLDが配置されている。」に訂正する。 イ 【0187】Ⅰ,【0231】Ⅱ,【0233】Ⅲ,【0227】Ⅳ「どの格子ブロックからどの格子ブロックまでが1つのデータであるかを示すためにキードットKDを配置している。」を「どの格子領域からどの格子領域までが1つのデータであるかを示すためにキードットKDを配置している。」に訂 らどの格子ブロックまでが1つのデータであるかを示すためにキードットKDを配置している。」を「どの格子領域からどの格子領域までが1つのデータであるかを示すためにキードットKDを配置している。」に訂正する。 ウ 【0191】Ⅰ,【0235】Ⅱ,【0237】Ⅲ,【0231】Ⅳ「データは,図103に示すように,ドット605を格子ブロック内の中心点からどの程度ずらすかによってデータ内容が定義できるようになっている。」を「データは,図103に示すように,ドット605を格子領域内の中心点からどの程度ずらすかによってデータ内容が定義できるようになっている。」に訂 正する。 上記各段落「同図では,中心から等距離で45度ずつそれぞれずらした点を8個定義することによって単一の格子ブロックで8通り,すなわち3ビットのデータを表現できるようになっている。」を「同図では,中心から等距離で45度ずつそれぞれずらした点を8個定義することによって単一の格 子領域で8通り,すなわち3ビットのデータを表現できるようになっている。」に訂正する。 エ 【0192】Ⅰ,【0236】Ⅱ,【0238】Ⅲ,【0232】Ⅳ「つまり,前述のようにキードットKDがデータ領域の範囲を定義しているため,このキードットKDの配置を変更すれば任意の可変長の格子ブロック群を データ格納領域として扱うことができるわけである。」を「つまり,前述の ようにキードットKDがデータ領域の範囲を定義しているため,このキードットKDの配置を変更すれば任意の可変長の格子領域群をデータ格納領域として扱うことができるわけである。」に訂正する。 ⑺ 被告各製品被告製品1は,マジックペン1本,絵本合計8冊,CD4枚,ゲームカード 合計6セット,ステッカーブック1冊 データ格納領域として扱うことができるわけである。」に訂正する。 ⑺ 被告各製品被告製品1は,マジックペン1本,絵本合計8冊,CD4枚,ゲームカード 合計6セット,ステッカーブック1冊,ガイドブック・説明書合計3冊,コントロールカード1枚,USBケーブル1本,ACアダプター1個で構成されている(甲14の1,争いのない事実)。 被告製品2は,マジックペン1本,ミッキーのしゃべる人形1体,絵本4冊,カード合計42枚,カード用スティック・オンズ(ステッカー)11枚,ポス ター1枚,ガイドブック・説明書合計2冊,コントロールカード1枚,アクティビティ・レッツ・スタート・カード1枚,USBケーブル1本,ACアダプター1個で構成されている(甲14の2,弁論の全趣旨,争いのない事実)。 被告各製品に含まれる上記絵本,カード等の一部には,肉眼で視認困難な程度の大きさの点の配列(ドットパターン)が印刷されている(以下,被告各製 品を構成する絵本,カード等に印刷されたドットパターンを「被告ドットパターン」といい,上記絵本,カード等を「被告媒体」という。)。また被告各製品に含まれるマジックペン(以下「被告マジックペン」という。)には,ドットパターンの読み取りに用いるデコーダICとカメラモジュール等が搭載されており,被告ドットパターンを読み取って,特定の音声を再生する(弁論の全趣 旨)。 ⑻ 被告の行為被告は,遅くとも平成22年11月26日以降,被告各製品を輸入し,販売している(争いのない事実)。 なお,補助参加人親会社は,被告ドットパターンを生成するソフトウェア (SONIXOIDAT-InfoWeaver)を提供し,上記マジックペンに搭載されたデ コーダICとカメラモジュールを製 人親会社は,被告ドットパターンを生成するソフトウェア (SONIXOIDAT-InfoWeaver)を提供し,上記マジックペンに搭載されたデ コーダICとカメラモジュールを製造している(弁論の全趣旨)。 3 争点本件の主要な争点は,以下のとおりである。 ⑴ 被告ドットパターンは本件発明1の技術的範囲に属し,被告マジックペンは本件発明2の技術的範囲に属するか(争点1) ア構成要件B1・G2「縦横方向に等間隔に設けられた格子線の交点である格子点を中心に,前記情報ドットを前記格子点の中心から等距離で45°ずつずらした方向のうちいずれかの方向に,どの程度ずらすかによってデータ内容を定義し」)の充足性(争点1-1)イ構成要件C1・H2(「情報ドットが配置されて情報を表現する部分を囲 むように,前記縦方向の所定の格子点間隔ごとに水平方向に引いた第一方向ライン上と,該第一方向ラインと交差するように前記横方向の所定の格子点間隔ごとに垂直方向に引いた第二方向ライン上とにおいて,該縦横方向の複数の格子点上に格子ドットが配置された」)の充足性(争点1-2)⑵ 被告ドットパターンは本件発明3の技術的範囲に属し,被告媒体は本件発明 4の技術的範囲に属するか(争点2)ア構成要件B3・C4(「前記水平方向に配置されたドットの端点に位置する当該ドットから等間隔に所定個数垂直方向に配置されたドット」)の充足性(争点2-1)イ構成要件C3・D4(「前記水平方向に配置されたドットから仮想的に設 定された垂直ラインと,前記垂直方向に配置されたドットから水平方向に仮想的に設定された水平ラインとの交点を格子点とし,該格子点からのずれ方でデータ内容が定義された情報ドット」)の充足性(争点2-2)ウ構 直ラインと,前記垂直方向に配置されたドットから水平方向に仮想的に設定された水平ラインとの交点を格子点とし,該格子点からのずれ方でデータ内容が定義された情報ドット」)の充足性(争点2-2)ウ構成要件D3・E4(「ずらし方によって前記ドットパターンの向きを意味している」)の充足性(争点2-3) ⑶ 被告マジックペンは本件発明5の技術的範囲に属するか(争点3) ⑷ 本件各特許が特許無効審判により無効にされるべきものであるか(争点4)ア実施可能要件に違反しているか(争点4-1)イ補正要件に違反しているか(争点4-2)ウサポート要件に違反しているか(争点4-3)エ明確性要件に違反しているか(争点4-4) オ進歩性を欠いているか(争点4-5)カ新規性を欠いているか(争点4-6)キ産業上利用可能性を欠いているか(争点4-7)ク特許法39条2項に違反しているか(争点4-8)⑸ 損害額(争点5) 4 争点に対する当事者の主張⑴ 構成要件B1・G2(「縦横方向に等間隔に設けられた格子線の交点である格子点を中心に,前記情報ドットを前記格子点の中心から等距離で45°ずつずらした方向のうちいずれかの方向に,どの程度ずらすかによってデータ内容を定義し」)の充足性(争点1-1) (原告の主張)ア被告ドットパターンの構成被告ドットパターンを,本件発明1の構成要件に合わせて表現すると,以下のとおりとなる。 a1 媒体面上に形成され,且つデータ内容が定義できるドットである別 紙当事者図面目録の原告図(8)~(16)(以下,原告の主張につき,同原告図の符号を用いることがある。)が配置されたドットパターンであって,b1 前記ドットパターンは,縦横方向に等間隔に 紙当事者図面目録の原告図(8)~(16)(以下,原告の主張につき,同原告図の符号を用いることがある。)が配置されたドットパターンであって,b1 前記ドットパターンは,縦横方向に等間隔に設けられた格子線の交点である格子点を中心に,前記ドット(8)~(16)を前記格子点の中 心から等距離で90°ずつずらした方向のうちいずれかの方向に,どの 程度ずらすかによってデータ内容を定義し,c1 前記ドット(8)~(16)が配置されて情報を表現する部分を囲むように,前記垂直方向の4個の格子点間隔ごとに水平方向に引いた水平ライン上と,該水平ラインと交差するように前記水平方向の4個の格子点間隔ごとに垂直方向に引いた垂直ライン上とにおいて,該垂直水平方 向の14個の格子点上にドット(1)~(5),(7),(1)’,(5)’,(7)’,(1)”~(4)”,(1)’”が配置された,d1 ドットパターン。 イ被告マジックペンの構成被告マジックペンを,本件発明2の構成要件に合わせて表現すると,以下 のとおりとなる。 a2 被告媒体表面に印刷された被告ドットパターンを撮影して読み取る光学ユニット及びドット解析用CPUと,b2 予め所定の音声情報を被告ドットパターンと関連づけた情報と,c2 前記音声情報が記憶されたマイクロSDカードと, d2 前記光学ユニット及びドット解析用CPUによって被告ドットパターンが読み取られたときに,前記被告ドットパターンと関連づけた情報を参照して前記マイクロSDカードから当該被告ドットパターンに関連付けられた音声情報を読み出して出力する音声再生用CPU及びスピーカーと e2 からなる音声情報再生装置であって,f2 前記被告ドットパターンは,媒体面上 ら当該被告ドットパターンに関連付けられた音声情報を読み出して出力する音声再生用CPU及びスピーカーと e2 からなる音声情報再生装置であって,f2 前記被告ドットパターンは,媒体面上に形成され,且つデータ内容が定義できるドット(8)~(16)が配置されたドットパターンであって,g2 縦横方向に等間隔に設けられた格子線の交点である格子点を中心に,前記ドット(8)~(16)を前記格子点の中心から等距離で90°ずつ ずらした方向のうちいずれかの方向に,どの程度ずらすかによってデー タ内容を定義し,h2 前記ドット(8)~(16)が配置されて情報を表現する部分を囲むように,前記垂直方向の4個の格子点間隔ごとに水平方向に引いた水平ライン上と,該水平ラインと交差するように前記水平方向の4個の格子点間隔ごとに垂直方向に引いた垂直ライン上とにおいて,該垂直水平方 向の14個の格子点上にドット(1)~(5),(7),(1)’,(5)’,(7)’,(1)”~(4)”,(1)’”が配置された,i2 音声情報再生装置。 ウ 「縦横方向に等間隔に設けられた格子線の交点を中心に…どの程度ずらすかによってデータ内容を定義し」について 原告図におけるドット(8)~(16)は,縦横方向に等間隔に設けられた格子線の交点である格子点を中心に,前記格子点の中心から等距離で90°ずつずらした方向のうちいずれかの方向に,どの程度ずらすかによってデータ内容を定義している。 被告らは被告ドットパターンにおいてステートゾーンと称するエリアが 定義されていると主張するが,そうであるとしても,被告媒体に印刷された被告ドットパターンのどこにも,ステートゾーンと称する四角形の枠は存在しないから,ステートゾーンが定義 ンと称するエリアが 定義されていると主張するが,そうであるとしても,被告媒体に印刷された被告ドットパターンのどこにも,ステートゾーンと称する四角形の枠は存在しないから,ステートゾーンが定義されていることと被告ドットパターンの構成とは無関係である。本件発明1及び2においては,ドットパターンにおけるドットの配置が構成要件になっているのであるから,本件発明1及び2 と対比されるのは被告ドットパターンにおけるドットの配置である。 エ 「格子点の中心」について「格子点の中心」とは,格子線の交点である格子点の中心を意味するとともに,4個の格子点の中心をも包含する概念である。 「点」とは,「①物の面に現れている小さな円形のかたち。②物の表面 に打った小さなしるし。」を意味する。そして,「小さな円形のかたち」に は物理的な広さがある上,一般的な意味においても点には中心が存在するから,本件発明1及び2の格子点にも中心が存在することが明らかであり,当業者であれば当然に理解できる事項である。そして,本件明細書1及び2の図6には,情報ドットが,そのもののあるべき位置であるラインの交点(格子点)からずれることで情報が表現されており,当該記載に 対応して,構成要件B1・G2には「格子点を中心に…どの程度ずらすかによってデータ内容を定義」すると記載されているのであるから,本件発明1及び2は,情報ドットについて,格子点を基準としてずらすことを内容とした発明を含むことは明らかである。 被告らは,「格子点の中心」は4個の格子点の正中心,すなわち格子ブ ロック内の中心点を意味すると主張するが,本件訂正のとおり誤記を訂正した後の【0186】によれば,「格子領域」の集まりを「1つのデータブロックまたは格子ブロック」と呼 正中心,すなわち格子ブ ロック内の中心点を意味すると主張するが,本件訂正のとおり誤記を訂正した後の【0186】によれば,「格子領域」の集まりを「1つのデータブロックまたは格子ブロック」と呼ぶことが理解でき,「四隅(格子線の交点(格子線)上)」とは「格子ブロック」の四隅ではなく,「格子領域の四隅」と解釈されなければならない。 なお,本件訂正につき誤記の訂正(特許法126条1項2号)を目的とするものとは認められなかったとしても,明瞭でない記載の釈明(同行3号)を目的とするということもできる。 被告ドットパターン(原告図)のドット(8)~(16)は,縦横方向に等間隔に設けられた格子線の交点である格子点を中心に,格子点の中 心から等距離で90°ずつずらした方向に配置されているから,「格子点の中心から…ずらす」を充足する。 オ 「45°ずつずらした方向のうちいずれか」について構成要件B1・G2に「いずれかの方向に」と記載されているとおり,情報ドットは,これを8方向全てにずらす必要はなく,8方向のうち選択 的にいずれかの方向にずらせばよい。つまり,8方向のうち,何方向を使 用してもよく,2方向であれば1ビット,4方向であれば2ビット,8方向であれば3ビットのデータ内容を定義することができる。【0191】Ⅰ,【0235】Ⅱ及び図103においては,45°ずつずらすことにより3ビットのデータ内容を定義することができることが記載されているだけであって,8方向全てに情報ドットを配置しなければならないこと は記載されていない。 したがって,本件発明1及び2は,情報ドットを8方向のうち4方向のみに配置した発明をその技術的範囲に含んでいる。 被告ドットパターンにおいては,原告図のとおり,水平方向に 記載されていない。 したがって,本件発明1及び2は,情報ドットを8方向のうち4方向のみに配置した発明をその技術的範囲に含んでいる。 被告ドットパターンにおいては,原告図のとおり,水平方向に配置されたドット(1)~(4)から仮想的に設定された垂直ラインと,垂直方向 に配置されたドット(1),(5)~(7)から水平方向に仮想的に設定された水平ラインとの交点を格子点とすると,ドット(8)~(16)は,当該格子点から等距離で90°ずつずらした方向のうちいずれかの方向にずれた4つの位置に存在する。そして,ドット(8)~(16)は,ドットの位置によってデータ内容を定義するものであるところ,その配置 として4つの位置が存在するから,格子点から等距離で90°ずつずらした方向のうちいずれかの方向にずれた4つの位置によりデータ内容を定義するものである。 したがって,被告ドットパターンは「45°ずつずらした方向のうちいずれかの方向に」を充足する。 (被告及び補助参加人(以下「被告ら」ということがある)の主張)ア被告ドットパターンの構成被告ドットパターンの構成は,以下のとおりである。 物体表面上に印刷される画像インジケーターであって,別紙当事者図面目録の被告ら図の画像インジケーター(10)(以下,被告らの主張につき, 同図の符号を用いることがある。)は4行×4列の16個のステートゾーン (状態エリア)であるmu1~mu16で構成されるコンテンツ・データ部(DP)およびヘッダー部(HP)を有し,ヘッダー部は,第1行および第1列にL字型に設けられた7個のステートゾーン(状態エリア)(mu1~mu5,mu9,mu13)を有し,前記第1行と前記第1列が交差する第1画像ステートゾーン(状態エリア)( ー部は,第1行および第1列にL字型に設けられた7個のステートゾーン(状態エリア)(mu1~mu5,mu9,mu13)を有し,前記第1行と前記第1列が交差する第1画像ステートゾーン(状態エリア)(mu1)から列方向に2個目の第2 ステートゾーン(状態エリア)(mu9)内のドット(画像マイクロユニット)(d9)を第1位置に配置し,残りの6個のステートゾーン(状態エリア)(mu1~mu5,mu13)内のドット(画像マイクロユニット)(d1~d5,d13)を各ステートゾーン(状態エリア)内の第2位置に配置し,前記第2ステートゾーン(状態エリア)(mu9)において,第1位置 は,第2位置に対し,行方向に沿うコンテンツ・データ部(DP)の側の固定位置であり,ヘッダー部にしたがってその分布エリアが決定されるコンテンツ・データ部(DP)は3行×3列の9個のステートゾーン(状態エリア)(mu6~mu8,mu10~mu12,mu14~mu16)を含み,前記ステートゾーン(状態エリア)のそれぞれが専有するエリアは4つのバー チャルエリア(AR1~AR4)を収容し,該4つのバーチャルエリアのうち何れかのエリア内の任意の位置に1つのドット(画像マイクロユニット)が配置され,コンテンツ・データ部(DP)の9個のドット(画像マイクロユニット)(d6~d8,d10~d12,d14~d16)が配置されるバーチャルエリアに対応したデータがそれぞれ特定されることにより,画像 インジケーター(10)によって示されるコンテンツ・データが決定される,画像インジケーター(10)。 イ被告マジックペンの構成被告マジックペンの構成は,以下のとおりである。 前記ア記載の画像インジケーター(10)を読み取るマジックペンであっ て,物体表面上 ケーター(10)。 イ被告マジックペンの構成被告マジックペンの構成は,以下のとおりである。 前記ア記載の画像インジケーター(10)を読み取るマジックペンであっ て,物体表面上に印刷された複数のドット(画像マイクロユニット)の配置 領域の画像を読み取る撮像光学ユニットと,読み取った画像を解析してコンテンツ・データを特定すると共に,コンテンツ・データを音声ファイルに関連付けた情報を予め保持する画像解析ユニットと,音声ファイルを記憶するメモリ・ユニットと,撮像光学ユニットによって読み取られたのに応じて,コンテンツ・データに関連付けられた音声ファイルを再生する音声再生ユニ ットと,再生された音声ファイルの音声を出力するスピーカと,を備え,画像解析ユニットが,ドット配置領域内で,4行×4列の16個のステートゾーン(状態エリア)(mu1~mu16)を含む画像インジケーター(10)を,L字型のヘッダー部(HP)を特定することによって特定し,特定された上記画像インジケーター(10)において,コンテンツ・データ部(DP) の9個のドット(画像マイクロユニット)(d6~d8,d10~d12,d14~d16)が配置されるバーチャルエリアに対応したデータをそれぞれ特定することにより,上記画像インジケーター(10)が示すコンテンツ・データが決定される,マジックペン。 ウ 「縦横方向に等間隔に設けられた格子線の交点である格子点を中心に…ど の程度ずらすかによってデータ内容を定義し」について被告ドットパターンは,前記アのとおり,4×4の16個のステートゾーンで構成され,コンテンツ・データ部においては各ステートゾーンの4つのバーチャルエリアのうちいずれかのエリア内の任意の位置に1つのドットが配置されることによ アのとおり,4×4の16個のステートゾーンで構成され,コンテンツ・データ部においては各ステートゾーンの4つのバーチャルエリアのうちいずれかのエリア内の任意の位置に1つのドットが配置されることによってデータが決定されているから,縦横方向に等間隔 で設けられた格子線やその格子線の交点である格子点を設定してデータ内容を定義していない。 エ 「格子点の中心」について【0191】Ⅰ,【0235】Ⅱでは,格子ブロック内の中心点からのずらし方によりデータ内容が定義できると記載されており,【0186】Ⅰ, 【0230】Ⅱでは,格子ブロックの四隅のことを格子線の交点(格子点) と説明していること及び図103の記載を踏まえれば,「格子点の中心」は4個の格子点の正中心,すなわち格子ブロック内の中心点を意味すると解釈されるべきである。そうすると,本件明細書1及び2において開示されている発明は,格子ブロック内の中心点からの情報ドットのずれ方によって情報を定義する発明ということになる。原告は,【0186】Ⅰ,【0191】Ⅰ, 【0230】Ⅱ,【0235】Ⅱの「格子ブロック」は「格子領域」の誤記であると主張するが,「格子ブロック」が誤りで「格子領域」の記載が正しいことが本件明細書1及び2の記載や当業者の技術常識等から明らかであることを主張していない。 原告は,小さな円形の形には物理的な広さがあるから,点には中心がある として,「格子点の中心」とは格子線の交点である格子点の中心である旨主張するが,本件明細書1及び2における格子線は仮想のものであり,格子線の交点である格子点も仮想点であるところ(【0185】Ⅰ,【0229】Ⅱ),実際の大きさを持たない仮想点の「中心」は観念できないから,原告の上記主張は失当である。 線は仮想のものであり,格子線の交点である格子点も仮想点であるところ(【0185】Ⅰ,【0229】Ⅱ),実際の大きさを持たない仮想点の「中心」は観念できないから,原告の上記主張は失当である。 したがって,原告が主張する被告ドットパターンの構成によっても,被告ドットパターンは「格子点の中心から…ずらす」を充足するものではない。 オ 「45°ずつずらした方向のうちいずれかの方向に」について構成要件B1・G2は「格子点の中心から等距離で45°ずつずらした方向のうちいずれかの方向に」と記載されており,90°ではなく45°を選 択したことによって,ベクトル8方向の3ビットで情報を定義するドットパターンの発明であることは明らかである。4方向で2ビットの情報を定義するドットパターンであれば,「90°ずつずらした方向」とクレームされるべきである。 構成要件B1の補正前のクレームは「いずれかの方向に」として全ての方 向を含む記載であったが,原告は,平成21年5月25日付拒絶理由通知書 において審査官から補正を示唆されたことを受け,ずらす角度として90°ではなく45°を選択して,ずらす角度を45°に限定する形でクレーム文言を補正して特許査定を受けた。この審査経過からすれば,情報ドットを8方向のうち,90°ずつずらした4方向のみに選択して配置して2ビットのデータ内容を定義することを含むとする原告の主張は,出願段階における上 記補正内容と矛盾する上,クレーム文言とも乖離し,本件明細書1の記載にも基づかないものである。 ⑵ 構成要件C1・H2(「情報ドットが配置されて情報を表現する部分を囲むように,前記縦方向の所定の格子点間隔ごとに水平方向に引いた第一方向ライン上と,該第一方向ラインと交差するように前記横 る。 ⑵ 構成要件C1・H2(「情報ドットが配置されて情報を表現する部分を囲むように,前記縦方向の所定の格子点間隔ごとに水平方向に引いた第一方向ライン上と,該第一方向ラインと交差するように前記横方向の所定の格子点間隔ご とに垂直方向に引いた第二方向ライン上とにおいて,該縦横方向の複数の格子点上に格子ドットが配置された」)の充足性(争点1-2)(原告の主張)ア 「所定の格子点間隔ごとに…引いた第一方向ライン…第二方向ライン」について 「所定の格子点間隔」とは,2個の格子点の間隔に限定されるものではなく,3個以上の格子点の間隔をも含む。すなわち,「所定」とは,「間隔」に係る修飾語ではなく,「格子点間隔」に係る修飾語であり,「間隔」とは,ある物とある物との距離であるから,当該物が隣り合っている必要はない。 本件明細書1及び2の図6には,縦方向の4個の格子点間隔ごとに水平方向に引いた第一方向ラインと,該第一方向ラインと交差するように横方向の4個の格子点間隔ごとに垂直方向に引いた第二方向ライン上とにおいて,該縦横方向の複数の格子点上の格子ドットが配置されたドットパターンが開示されており,当該ドットパターンは本件発明1及び2 の技術的範囲に含まれる。 被告ドットパターンの構成c1の「垂直方向の4個の格子点間隔ごとに水平方向に引いた水平ライン」は,「第一方向ライン」に,「該水平ラインと交差するように前記水平方向の4個の格子点間隔ごとに垂直方向に引いた垂直ライン」は「第二方向ライン」に,それぞれ相当する。 イ 「第一方向ライン上と…第二方向ライン上とにおいて,該縦横方向の複数 の格子点上に格子ドットが配置された」について「第一方向ライン上と…第二方向ライン上とにおいて,該 れぞれ相当する。 イ 「第一方向ライン上と…第二方向ライン上とにおいて,該縦横方向の複数 の格子点上に格子ドットが配置された」について「第一方向ライン上と…第二方向ライン上とにおいて,該縦横方向の複数の格子点上に格子ドットが配置された」とは,あくまで縦横方向の複数の格子点上に格子ドットが配置されていれば足り,全ての格子ドットが第二方向ライン上の格子点に配置されている必要はない。すなわち,本件 発明1及び2は,一部の格子ドットが第二方向ライン上の格子点に配置されていない発明を含む。 被告ドットパターン(原告図)においては,垂直ライン及び水平ライン上にドット(1),(5),(7),(1)”(垂直ライン),(1),(2),(3),(4),(1)’(水平ライン),(1)’,(5)’,(7)’,(1)’”(垂 直ライン),(1)”,(2)”,(3)”,(4)”,(1)’”(水平ライン)が配置されており,これらのドットは「格子ドット」に該当する。 ウ 「情報ドットが配置されて情報を表現する部分を囲むように」について被告ドットパターンにおいては,前記イのとおり「格子ドット」に相当するドットは,「情報ドット」に相当するドット(8)~(16)を囲うように 配置されているから,「情報ドットが配置されて情報を表現する部分を囲むように」を充足する。 (被告らの主張)ア 「所定の格子点間隔ごとに…引いた第一方向ライン…第二方向ライン」について 「間隔」とは,物と物との距離を意味するから,「格子点間隔」は,隣 接する2つの格子点の間隔(2つの格子点の間の距離)を意味する。原告が主張するように,4個などの複数個の格子点分の距離を意味するのであれば,「所定個数の格子点間隔」とクレームされるべきであり, 接する2つの格子点の間隔(2つの格子点の間の距離)を意味する。原告が主張するように,4個などの複数個の格子点分の距離を意味するのであれば,「所定個数の格子点間隔」とクレームされるべきであり,「所定の格子点間隔」とクレームされれば,当業者は2つの隣り合う格子点の間の間隔を意味すると理解する。 本件明細書1及び2の図6には「第一方向ライン」を示す「603」や「第二方向ライン」を示す「604」の番号は付されていないから,原告が主張するように4個の格子点間隔ごとに第一方向ライン及び第二方向ラインが引かれていることを読み取ることはできない。 被告ドットパターンでは,仮想的にラインを設定していないから,「第 一方向ライン」及び「第二方向ライン」は存在しない。 イ 「第一方向ライン上と…第二方向ライン上とにおいて,該縦横方向の複数の格子点上に格子ドットが配置された」について被告ドットパターンにおける「第一方向ライン」と「第二方向ライン」の交点である格子点上には,格子ドットが配置されていない箇所もあるから, 「第一方向ライン上と…第二方向ライン上とにおいて,該縦横方向の複数の格子点上に格子ドットが配置された」を充足しない。 ウ 「情報ドットが配置されて情報を表現する部分を囲むように」について被告ドットパターンは4×4のドットを構成単位としており,原告が主張するドット(1)~(16)と,ドット(1)’,(5)’,(6)’,(1)”,(2)”, (3)”,(4)”,(1)’”は異なる構成単位である。そうすると,(1)~(7)は,原告が「情報ドット」に該当すると主張するドット(8)~(16)を「囲むように…配置」されていない。 ⑶ 構成要件B3・C4(「前記水平方向に配置されたドットの端点に位置する当 (1)~(7)は,原告が「情報ドット」に該当すると主張するドット(8)~(16)を「囲むように…配置」されていない。 ⑶ 構成要件B3・C4(「前記水平方向に配置されたドットの端点に位置する当該ドットから等間隔に所定個数垂直方向に配置されたドット」)の充足性(争 点2-1) (原告の主張)ア被告ドットパターンの構成被告ドットパターンを,本件発明3の構成要件に合わせて表現すると,以下のとおりとなる。なお,被告ドットパターンのうち4×4の1単位のみを比較対象とした場合の予備的主張は,括弧内のとおりである。以下,括弧内 の記載は同趣旨である。 a3 等間隔に5個水平方向に配置されたドット(1)~(4),(1)’又はドット(1)”~(4)”,(1)’”と(等間隔に4個水平方向に配置されたドット(1)~(4)と),b3 前記水平方向に配置されたドット(1)~(4),(1)’(ドット(1) ~(4))の端点に位置する当該ドット(1)又は(1)’(ドット(1))から等間隔に5個(4個)垂直方向に配置されたドット(1),(5)~(7),(1)” 又はドット(1)’,(5)’~(7)’,(1)’”と(ドット(1),(5)~(7)と),c3 前記水平方向に配置されたドット(2)~(4)から仮想的に設定さ れた垂直ラインと,前記垂直方向に配置されたドット(5)~(7)から水平方向に仮想的に設定された水平ラインとの交点を格子点とし,該格子点からのずれ方でデータ内容が定義されたドット(8)~(16)と,からなるドットパターンであって,d3 前記垂直方向に配置されたドット(1),(5)~(7),(1)” 又は ドット(1)’,(5)’~(7)’,(1)’”(ドット(1),(5)~(7))の1 なるドットパターンであって,d3 前記垂直方向に配置されたドット(1),(5)~(7),(1)” 又は ドット(1)’,(5)’~(7)’,(1)’”(ドット(1),(5)~(7))の1つドット(6)又は(6)’(ドット(6))は,当該ドット(1),(5)~(7),(1)” 又はドット(1)’,(5)’~(7)’,(1)’”(ドット(1),(5)~(7))本来の位置からのずらし方によって前記ドットパターンの向きを意味している e3 ドットパターン。 イ 「水平方向に配置されたドットの端点に位置する当該ドット」について被告ドットパターンのドット(1)又は(1)’は,水平方向に配置されたドット(1)~(4),(1)’の端点に位置するドットである。 また,被告ドットパターンが4×4との構成であったとしても,ドット(1)は,水平方向に配置されたドット(1)~(4)の端点に位置するドットで ある。 ウ 「当該ドットから等間隔に所定個数垂直方向の配置されたドット」について「等間隔に所定個数垂直方向に配置された」の「等間隔に」は「所定個数垂直方向に」を修飾しており,「配置された」を修飾するものではない。 垂直方向において等間隔に所定個数配置されたドットは,本件明細書3及び4の図5~8に開示されているから,本件発明3及び4の「等間隔」の意味は,上記各図を考慮して解釈されるべきである。そして,上記各図においては,水平方向においてずれているものの,垂直方向において等間隔のドットが開示されている。 被告ドットパターンのドット(1),(5)~(7),(1)”((1),(5)~(7))又は(1)’,(5)’~(7)’,(1)’”((1)’,(5)’~(7)’)は,ドット(1 ている。 被告ドットパターンのドット(1),(5)~(7),(1)”((1),(5)~(7))又は(1)’,(5)’~(7)’,(1)’”((1)’,(5)’~(7)’)は,ドット(1)又は(1)’から等間隔に5個(4個)垂直方向に配置されたものであるから,「当該ドットから等間隔に所定個数垂直方向の配置されたドット」を充足する。ドット(6)又は(6)’は,(1),(5), (7),(1)”又は(1)’,(5)’,(7)’,(1)’”を通る垂直方向のライン上から水平方向にずれて配置されているが,垂直方向にはずれていないから,垂直方向において等間隔といえる。 (被告らの主張)ア 「水平方向に配置されたドットの端点に位置する当該ドット」について 原告が「端点」であると主張するドット(1)及び(1)’は,他のドット にはさまれているから端点に位置していない。 イ 「当該ドットから等間隔に所定個数垂直方向の配置されたドット」について「等間隔に…垂直方向に配置されたドット」との文言記載からすれば,「ドット」が「等間隔」なのであって,「ドット」間の距離が等しいこと を意味していることは明らかである。本件明細書3及び4の図104及び図105をみると,水平方向,垂直方向の双方において等間隔に配置されたドットが開示されているのであり,本件発明3及び4は上記各図に対応する発明と解されるべきである。 被告ドットパターンにおける原告が主張するドット(6)又は(6)’ は,垂直方向に位置するドットとの間が「等間隔」ではない。 ⑷ 構成要件C3・D4(「前記水平方向に配置されたドットから仮想的に設定された垂直ラインと,前記垂直方向に配置されたドットから水平方向に仮想的に設定された水平ラインとの交点を 等間隔」ではない。 ⑷ 構成要件C3・D4(「前記水平方向に配置されたドットから仮想的に設定された垂直ラインと,前記垂直方向に配置されたドットから水平方向に仮想的に設定された水平ラインとの交点を格子点とし,該格子点からのずれ方でデータ内容が定義された情報ドット」)の充足性(争点2-2) (原告の主張)被告ドットパターンの構成c3の「前記水平方向に配置されたドット(2)~(4)から仮想的に設定された垂直ラインと,前記垂直方向に配置されたドット(5)~(7)から水平方向に仮想的に設定された水平ラインとの交点を格子点とし」は,構成要件C3の「水平方向に配置されたドットから仮想的に 設定された垂直ラインと,前記垂直方向に配置されたドットから水平方向に仮想的に設定された水平ラインとの交点を格子点とし」に相当する。 また,被告ドットパターンの構成c3の「該格子点からのずれ方でデータ内容が定義されたドット(8)~(16)」は,構成要件C3の「格子点からのずれ方でデータ内容が定義された情報ドット」に相当する。 (被告らの主張) 被告ドットパターンでは,原告が主張するドット(2)~(4)から仮想的に垂直ラインやドット(5)~(7)から仮想的に水平ラインを設定していないから,これらのラインの交点である格子点も存在しない。 また,格子点からのずれ方でデータ内容を定義していることもない。 ⑸ 構成要件D3・E4(「ずらし方によって前記ドットパターンの向きを意味 している」)の充足性(争点2-3)(原告の主張)ア 「ずらし方」とは,【0072】Ⅲ,【0066】Ⅳに開示されるように,連続する等間隔のドットを結ぶ「ライン上」があるべき位置であり,そのライン上からずらされていることを意味する。すな の主張)ア 「ずらし方」とは,【0072】Ⅲ,【0066】Ⅳに開示されるように,連続する等間隔のドットを結ぶ「ライン上」があるべき位置であり,そのライン上からずらされていることを意味する。すなわち,【0072】Ⅲ,【0 066】Ⅳに記載された「次の点もしくは3つ目の点がライン上にないこと」とは,本来あるべき点がほかの位置にずれているためにないのであるから,垂直方向に配置されたドットの1つ(次の点もしくは3つ目の点)が,本来の位置である垂直ライン上からずれていることと同義である。そして,「上下方向を認識する」ことは,上下方向が定まれば当然に左右方向も定まるか ら,ドットパターンの向きを認識することと同義である。 上記【0072】Ⅲ,【0066】Ⅳ,図5~8に加え,【0234】Ⅲ,【0228】Ⅳ,【0239】~【0241】Ⅲ,【0233】~【0235】Ⅳ及び図104~106には,ドットがずれることで別の向きを定義することが記載されている。 このような本件明細書3及び4における開示事項を総合すれば,本件発明3及び4において,向きを示すドットは,水平ラインを構成するドットから次の点もしくは3つ目の点に限られるわけではなく,被告ドットパターンのように,水平ラインを構成するドットから2つ目のドットが右にずれることにより,ドットパターンの向きを定義する態様を含む。なぜなら,図8に示 されるドットのように,ドットのずれる向きが一つに定まっていれば,2つ 目の点であっても,ドットのずらし方によって向きを定義することにより,ドットパターンの向きを定義することができるからである。 イ被告ドットパターンの構成d3の「垂直方向に配置されたドット(1),(5)~(7),(1)” 又はドット(1)’,(5)’~ ことにより,ドットパターンの向きを定義することができるからである。 イ被告ドットパターンの構成d3の「垂直方向に配置されたドット(1),(5)~(7),(1)” 又はドット(1)’,(5)’~(7)’,(1)’”の1つドット(6)又は(6)’」は,「当該ドット(1),(5)~(7),(1)” 又 はドット(1)’,(5)’~(7)’,(1)’”本来の位置からのずらし方によって前記ドットパターンの向きを意味している」ものであるから,構成要件D3の「ドット本来の位置からのずらし方によって前記ドットパターンの向きを意味している」「垂直方向に配置されたドットの1つ」に相当する。 仮に,ドット(6)が本体の位置からずれた位置に存在していないという ことになると,連続して配置されたドットパターンの水平垂直方向に等間隔なドットでは,上下左右が全て同じ形状であるため,ドットパターンの向きを特定することができない。そこで,ドット(6)を本体の位置からずれた位置に配置し,非対称の形状を顕出させ,これによってドットパターンの向きの特定を可能とする。このように,被告ドットパターンにおけるドット(6) (被告ら図のd9)が水平方向右側にずれていることに意味があり,その意味は「ドットパターンの向き」である。 (被告らの主張)ア 「ずらし方」とは,少しすべらせて動かすやり方,すなわち,どのように元の位置から少しすべらせて動かすかをいうものであり,少しすべらせて動 かすやり方に複数の候補があり,どの候補を選んだかによって情報を表現している場合をいうと解される。そうすると,「ずらし方によって前記ドットパターンの向きを意味している」とは,どのようにドットを元の位置から最終位置まで少しすべらせて動かすかについて複数の候補があり,どの候補 場合をいうと解される。そうすると,「ずらし方によって前記ドットパターンの向きを意味している」とは,どのようにドットを元の位置から最終位置まで少しすべらせて動かすかについて複数の候補があり,どの候補を選んだかによって「前記ドットパターン」の基準(格子線)の方向との関係 で向いている方向を表現しているということができる。 原告が「ずらし方」の具体例として挙げる【0072】Ⅲ,【0066】Ⅳは,「次の点もしくは3つ目の点がライン上にないことから上下方向を認識する。」と記載されているとおり,上下方向を認識するに当たって,どの位置のドットがライン上に存在しないかが重要となるところ,被告ドットパターンにおいて原告が向きを意味していると主張するドット(6)(原告図) は,水平ラインから2つ目の点であり,「次の点もしくは3つ目の点がライン上にないこと」に該当しない。そして,被告ドットパターンが媒体上に印刷されたものを180°回転した場合も,やはりドット(6)は上から2つ目の位置にあって,上下方向を認識できない。そうすると,被告ドットパターンは【0072】Ⅲ,【0066】Ⅳが説明するところの「ドットパター ンの向き」を有していないことは明らかである。 イドット(6)(原告図)を含むドット(1)~(7)はヘッダー部に該当するものであるが,被告ドットパターンにおいてドット(1)~(7)は固定であって,ドット(6)をずらすことはなく,「本来の位置」との概念も存在しない。 すなわち,被告ドットパターンでは,Tile1~Tile4を用いてコンテンツ・データ部(被告ら図のmu6~mu8,mu10~mu12,mu14~mu16)のステートゾーンによって情報を定義している。原告がずれていると主張するドット(6)(被告 Tile4を用いてコンテンツ・データ部(被告ら図のmu6~mu8,mu10~mu12,mu14~mu16)のステートゾーンによって情報を定義している。原告がずれていると主張するドット(6)(被告ら図のd9)は,ヘッダー部を構成するTileBに対応するものであるが,TileBは6つのTileAとともにヘッダー部を 構成するステートゾーンタイルの一つという意味しかない。ヘッダー部のステートゾーンタイルは常に固定されており,デコードプロセスにおいては,ヘッダー部を認識することによって,向きとは関係なく,コンテンツ・データ部のデコードが開始される。 したがって,被告ドットパターンは「ずらし方によって前記ドットパター ンの向きを意味している」を充足しない。 ⑹ 被告マジックペンは本件発明5の技術的範囲に属するか(争点3)(原告の主張)ア被告マジックペンの構成被告マジックペンを,本件発明5の構成要件に合わせて表現すると,以下のとおりとなる。なお,被告ドットパターンのうち4×4の1単位のみを比 較対象とした場合の予備的主張は,括弧内のとおりである。 a5 被告媒体に対して,b5 該被告媒体の被告ドットパターンを撮影して読み取る光学ユニット及びドット解析用CPUと,c5 前記ドット解析用CPUは,等間隔に5個(4個),所定方向に配置 されたドット(1)~(4),(1)’ (ドット(1)~(4))を水平方向に配置されたドットとして抽出し,前記所定方向に対して垂直方向に等間隔に5個(4個)配置されたドット(1),(5)~(7),(1)”((1),(5)~(7))を垂直方向に配置されたドットとして抽出し,前記水平方向に配置されたドット(2)~(4)から仮想的に設定された垂直ライ ドット(1),(5)~(7),(1)”((1),(5)~(7))を垂直方向に配置されたドットとして抽出し,前記水平方向に配置されたドット(2)~(4)から仮想的に設定された垂直ライ ンと,前記垂直方向に配置されたドット(5)~(7)から水平方向に仮想的に設定された水平ラインとの交点である格子点からのずれ方でデータ内容が定義されたドット(8)~(16)を抽出し,d5 前記垂直方向に配置されたドット(1),(5)~(7),(1)” 又はドット(1)’,(5)’~(7)’,(1)’”の1つドット(6)又は(6)’ (ドット(1),(5)~(7)の1つドット(6))における当該ドット本来の位置からのずれ方によって,前記被告ドットパターンの向きを認識し,e5 該ドット(8)~(16)の配置にしたがって該被告ドットパターンの定義するデータ内容を解析し, f5 該データ内容と関連づけた音声情報が記憶されたマイクロSDカー ドと,g5 該データ内容に関連付けられた音声情報を読み出して出力する音声再生用CPU及びスピーカーと,h5 を備えた音声情報再生装置。 イ被告マジックペンは,本件発明5の構成要件をすべて充足するから,本件 発明5の技術的範囲に属する。 構成要件A5については,被告媒体は,本件発明4の構成要件全てを充足するから,これを充足する。 構成要件B5については,被告マジックペンはドットパターンを撮影する手段を有し,構成要件C5については,被告マジックペンの「ドット 解析用CPU」の構成は上記構成c5のとおりであり,「情報ドットを抽出する手段」に相当する。 構成要件D5については,被告マジックペンの「ドット解析用CPU」の構成は上記構成d5のとおりであり,「ドットパタ 」の構成は上記構成c5のとおりであり,「情報ドットを抽出する手段」に相当する。 構成要件D5については,被告マジックペンの「ドット解析用CPU」の構成は上記構成d5のとおりであり,「ドットパターンの向きを認識する手段」に相当する。 構成要件E5については,被告マジックペンの「ドット解析用CPU」の構成は上記構成e5のとおりであり,「ドットパターンの定義するデータ内容を解析する手段」に相当する。 構成要件F5については,被告マジックペンの「マイクロSDカード」の構成は上記f5のとおりであり,「記憶手段」に相当する。 構成要件G5については,被告マジックペンの「音声再生用CPU及びスピーカー」の構成は上記g5のとおりであり,「出力手段」に相当する。 (被告らの主張)ア被告マジックペンの構成被告マジックペンの構成は,前記⑴イの被告らの主張で述べたとおりであ る。 イ本件発明5はその構成要件の主要な要素が本件発明3と共通であることから,被告ドットパターンの情報定義方法が本件発明3の構成要件を充足しない以上,被告マジックペンも本件発明5の構成要件を充足しない。 構成要件A5については,被告媒体が本件発明4の構成要件を充足しないため,充足しない。 構成要件C5については,被告ドットパターンは,仮想的に設定されたラインやそれらの格子点を設定しておらず,格子点からのずれ方でデータ内容を定義するものではないから,充足しない。 構成要件D5については,被告ドットパターンにおいては,ドット(6)の本来の位置という概念は存在しないから,充足しない。 構成要件E5については,被告ドットパターンは構成要件B5及びC5記載のデータ定義方法によって定義されていないため,被告マ ット(6)の本来の位置という概念は存在しないから,充足しない。 構成要件E5については,被告ドットパターンは構成要件B5及びC5記載のデータ定義方法によって定義されていないため,被告マジックペンのドット解析用CPUは「該ドットの配置にしたがって該ドットパターンの定義するデータ内容を解析する手段」に該当しない。 構成要件F5については,被告ドットパターンは構成要件B5及びC 5記載のデータ定義方法によって定義されておらず,構成要件B5及びC5のドットパターンが定義するデータ内容に対応した情報を記憶することはないので,被告マジックペンの「マイクロSDカード」は,「該データ内容に対応した情報を記憶する記憶手段」に該当しない。 構成要件G5については,被告ドットパターンは構成要件B5及びC 5記載のデータ定義方法によって定義されておらず,構成要件B5及びC5のドットパターンが定義するデータ内容に対応した情報を出力することはないので,被告マジックペンの「音声再生用CPU及びスピーカー」は,「該データ内容に対応した情報を出力する出力手段」に該当しない。 ⑺ 実施可能要件に違反しているか(争点4-1) (被告らの主張) 本件明細書1〜4の発明の詳細な説明の記載は,以下に述べるとおり,当業者が本件発明1~5の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるとはいうことができないから,本件発明1~5に係る本件特許1~4は特許法36条4項1号に違反する。 ア本件明細書1~4において,【0184】~【0202】Ⅰ,【0228】 ~【0246】Ⅱ,【0230】~【0248】Ⅲ,【0224】~【0242】Ⅳ及び図103~図106の記載からは,「格子領域」「格子ブロック」「格子ブロック 4】~【0202】Ⅰ,【0228】 ~【0246】Ⅱ,【0230】~【0248】Ⅲ,【0224】~【0242】Ⅳ及び図103~図106の記載からは,「格子領域」「格子ブロック」「格子ブロック群」を互いに矛盾なく定義することができず,その結果,「情報ドット」についても正しく定義することができない。 イ本件明細書1及び2には,「第一方向ライン」及び「第二方向ライン」を ドットパターンのみから一義的に導き出せることが記載されていない。ドットが直線状に配置されていることを検出することによって,そのドットを通る直線を検出することは周知技術であるが,図2の「第一方向ライン603」「第二方向ライン604」上では,その格子点からずれた位置に「ドット605」が配置されているから,「ドット605」の配置から「第一方向ライ ン603」「第二方向ライン604」を検出することもできない。したがって,その記載から本件発明1及び2を実施することはできない。 ウ本件発明3~5は,図6において,垂直ライン上のドットが水平ラインを構成するドットを含めて2ドットしかないドットパターンも含むところ,この水平ラインを構成するドットからスタートして次の点であるドットが右 にずれていた場合,上下の水平ラインを構成するドットから数えていずれも1つ目であるから,【0072】Ⅲ,【0066】Ⅳ「ライン上にないことから上下方向を認識する」ことができない。本件明細書3,4の発明の詳細な説明には,このような場合にどのように対処するか記載されていないから,「上下方向を認識する」との課題を実現できず,本件発明3~5を実施する ことはできない。 エ本件発明1及び2は「情報ドットを…どの程度ずらすかによってデータ内容を定義し」(構成要件B1,G2) する」との課題を実現できず,本件発明3~5を実施する ことはできない。 エ本件発明1及び2は「情報ドットを…どの程度ずらすかによってデータ内容を定義し」(構成要件B1,G2),本件発明3~5は「該格子点からのずれ方でデータ内容が定義された情報ドット」(構成要件C3,D4,C5)を要件とするところ,図103~図106は「格子点からのずれ方」を記載したものではなく,図5~図8については点線で囲われた領域内の10個以 上のドットが全体として情報を表現するものであり,いずれも上記構成に対応しておらず,実施態様・実施例が示されておらず,本件発明1~5を実施することはできない。 オ本件発明3及び4は「ずらし方によって前記ドットパターンの向きを意味している」,本件発明5は「ずれ方によって,前記ドットパターンの向きを 認識する」との構成を有するところ,【0072】Ⅲ,【0066】Ⅳには,「次の点もしくは3つ目の点がライン上にないことから」との記載からも明らかなとおり,ドットがライン上にあるか否かの説明しかなく,ドットがラインの右にあっても左にあってもライン上にないことは同じであるから,「ずらし方」を因果関係として向きの情報を表現しているとの上記構成に対 応しておらず,実施態様・実施例が示されておらず,本件発明3~5を実施することはできない。 原告が指摘する【0239】Ⅲ,【0233】Ⅳの記載は,図103~図106に対応するものであり,これらは,前記エで述べたとおり,本件発明3~5の実施例ではない。 (原告の主張)ア本件訂正をした後の記載によれば,「格子領域」「格子ブロック」「格子ブロック群」について矛盾なく定義することができるから,被告らの前記アの主張には理由がない。 イ当業者は【0 原告の主張)ア本件訂正をした後の記載によれば,「格子領域」「格子ブロック」「格子ブロック群」について矛盾なく定義することができるから,被告らの前記アの主張には理由がない。 イ当業者は【0017】Ⅰ,【0021】Ⅰ,【0025】Ⅰ,【0026】Ⅰ 及び図6を参照することで,ドットパターンのみから「第一方向ライン」及 び「第二方向ライン」を導き出すことができるから,被告らの前記イの主張には理由がない。 ウ 【0239】Ⅲ,【0240】Ⅲ,【0233】Ⅳ,【0234】Ⅳ,図105,図106(d),図8には,ドットをずらす方向で,向きを定義し,認識できることが示されているから,被告が前記ウで示す場合であっても,ドッ トをずらす方向で向きを定義することにより,ドットパターンの向き(上下方向)を認識することができる。 エ図5~図8の点線で囲われた領域内のそれぞれのドットが,格子点からのずれ方でデータ内容が定義された情報ドットであることには変わりないし,図5~図8を含む実施例と図103~106を含む実施例は,同一の課題を 解決するために互いに組み合わせ可能である。したがって,本件明細書1~4には構成要件B1,G2,C3,D4,C5に対応する実施態様が記載されており,被告らの前記エの主張には理由がない。 オ 【0072】Ⅲ,【0066】Ⅳの記載は,明細書の一文にすぎず,本件発明3~5はこれらを包含するものの,この記載に限定されるわけではない。 【0239】Ⅲ,【0240】Ⅲ,【0233】Ⅳ,【0234】Ⅳ及び図105,図106(b),図8には,キードット等のずらし方を一定の方向とすることで,ドットパターンの向きを意味しているから,本件明細書3,4には,本件発明3~5の実施態様が記載されており,被告らの前 5,図106(b),図8には,キードット等のずらし方を一定の方向とすることで,ドットパターンの向きを意味しているから,本件明細書3,4には,本件発明3~5の実施態様が記載されており,被告らの前記オの主張には理由がない。 ⑻ 補正要件に違反しているか(争点4-2)(被告らの主張)本件特許1について平成21年6月15日付けでした補正(以下「本件補正1」という。),本件特許2について平成23年6月30日付けでした補正(以下「本件補正2」という。)は,本件特許1及び2の出願の願書に最初に添付し た明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてされたも のではないから,特許法17条の2第3項に違反する。 ア補正後の構成要件B1・G2は,【0184】~【0202】Ⅰ,【0228】~【0246】Ⅱ及び図103~図106に記載される実施例に対応し,補正後の構成要件C1・H2は,図5~図8に記載される実施例に対応する。 そして,図103~図105の実施例と図5~図8の実施例は,「情報ドッ ト」「格子線」「格子ドットLD」「キードットKD」「格子領域」「格子ブロック」「格子ブロック群」といった基本的部分で互いに相違し,両発明を組み合わせることは当業者に自明であるとはいえないから,補正後の本件発明1及び2は,出願の願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものではない。 イ補正後の本件発明1の構成要件C1及び本件発明2の構成要件H2「前記情報ドットが配置されて情報を表現する部分を囲むように」という点も,図5~図8の実施例に記載されておらず,出願の願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものではない。 (原告の主張) を表現する部分を囲むように」という点も,図5~図8の実施例に記載されておらず,出願の願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものではない。 (原告の主張) ア図103~図106の実施例と図5~8の実施例は,極小領域であってもコード情報やXY座標情報が定義可能なドットパターンを提案するという共通の課題を解決するための異なる実施例であり,共通の課題を解決するための解決手段が,専門家であれば選択可能な2つの変形例として記載されているのであるから,これらを組み合わせることは当業者には自明の範囲のも のである。 図6の実施例における情報ドットと図103〜106の実施例における情報ドットは,ずらされる方向が90°ごとか,45°ごとかという違いしかなく,相互に代替可能であるし,図103〜図106の実施例と図4〜図8の実施例とは,いずれもずらすことでドットパターンの向きを意味すると いう同一の機能を有するドット(図105ではキードットKD)を有してお り,相互に組み合わせることができない理由はない。 イ 【0186】Ⅰ,【0025】Ⅰ,【0026】Ⅰ,【0230】Ⅱ及び図6によれば,水平ライン・垂直ライン上の格子ドットが,情報ドットが配置される領域を囲んでいるから,本件明細書1及び2からは,「格子ドット」が「前記情報ドットが配置されて情報を表現する部分を囲むように」という構 成は自明のものである。 ⑼ サポート要件に違反しているか(争点4-3)(被告らの主張)本件発明1及び2の「前記縦方向の所定の格子点間隔ごとに水平方向に引いた第一方向ライン」「該第一方向ラインと交差するように前記横方向の所定の 格子点間隔ごとに垂直方向に引いた第二方向ライン」「前記縦方 1及び2の「前記縦方向の所定の格子点間隔ごとに水平方向に引いた第一方向ライン」「該第一方向ラインと交差するように前記横方向の所定の 格子点間隔ごとに垂直方向に引いた第二方向ライン」「前記縦方向の所定の格子点間隔ごとに水平方向に引いた第一方向ライン上と,該第一方向ラインと交差するように前記横方向の所定の格子点間隔ごとに垂直方向に引いた第二方向ライン上とにおいて,該縦横方向の複数の格子点上に格子ドットが配置された」との点,及び,本件発明3~5の「ドット本体の位置からのずらし方」「ド ットパターンの向き」との点は,それぞれ,本件明細書1~4の発明の詳細な説明に記載されたものではないから,本件発明1~5に係る本件特許1ないし4は,いずれも特許法36条6項1号に違反する。 ア本件発明1及び2について,構成要件C1・H2の「前記縦方向の所定の格子点間隔ごとに水平方向に引いた第一方向ライン」「該第一方向ラインと 交差するように前記横方向の所定の格子点間隔ごとに垂直方向に引いた第二方向ライン」との記載からは,本件発明1及び2のドットパターンにおいては「第一方向ライン」の間に「縦方向の所定の格子点間隔」があり,また,「第二方向ライン」の間に「横方向の所定の格子点間隔」がある必要があり,複数の「第一方向ライン」「第二方向ライン」が存在するはずである。しか し,【0017】Ⅰ,【0021】Ⅰ,【0061】Ⅱ,【0065】Ⅱには, 1つのドットパターンの中に複数の「第一方向ライン」「第二方向ライン」が存在することは記載されておらず,図2にも「第一方向ライン603」「第二方向ライン604」と考えられるものは一つずつしか存在しない。 イ本件発明1及び2について,構成要件C1・H2の「前記縦方向の所定の格子点間隔ごとに水平 ず,図2にも「第一方向ライン603」「第二方向ライン604」と考えられるものは一つずつしか存在しない。 イ本件発明1及び2について,構成要件C1・H2の「前記縦方向の所定の格子点間隔ごとに水平方向に引いた第一方向ライン上と,該第一方向ライン と交差するように前記横方向の所定の格子点間隔ごとに垂直方向に引いた第二方向ライン上とにおいて,該縦横方向の複数の格子点上に格子ドットが配置された」との記載からすれば,本件発明1及び2の「第一方向ライン」「第二方向ライン」の上に存在する「格子点」には「格子ドット」が配置されている必要がある。しかしながら,【0017】Ⅰ及び【0061】Ⅱに は「ドット605」が格子点上に配置されることの明示は無く,また同段落における「ドット605」は「格子ドット」ではなく「情報ドット」に相当すべきものである上,図2は「第一方向ライン603」「第二方向ライン604」上の「格子点」からずれた位置のみに「ドット605」が配置されているから,「該縦横方向の複数の格子点上に格子ドットが配置された」もの ではない。 ウ本件発明3~5について,構成要件D3・E4・D5「ずらし方によって前記ドットパターンの向きを意味している」「ずれ方によって,前記ドットパターン」の各構成につき,本件明細書3及び4において説明する段落は【0072】Ⅲ,【0066】Ⅳのみであるところ,同段落で用いられる「上下 方向」という用語は「左右方向」との概念を含まない上,前記⑺オの被告らの主張で述べたとおり,「ずらし方」を因果関係として向きの情報を表現しているとの上記各構成について記載するものではない。 さらに,【0237】Ⅲ,【0238】Ⅲ,【0231】Ⅳ,【0232】Ⅳ及び図104,図105におけるキードットKDは,データ の情報を表現しているとの上記各構成について記載するものではない。 さらに,【0237】Ⅲ,【0238】Ⅲ,【0231】Ⅳ,【0232】Ⅳ及び図104,図105におけるキードットKDは,データ領域の範囲を定 義するためのドットであるから,ずらし方によってドットパターンの向きを 意味するものではない。たとえキードットKDがドットパターンの向きを意味するとしても,図104,図105に示される実施例は,本件発明3~5における情報ドットを有していないから,同実施例に係る構成を図5~図8の実施例に適用することはできない。 エ本件発明3~5について,構成要件D3・E4・D5が解決しようとする 課題は「上下方向を認識する」ことにあるところ,図6において「一般コードフラグ」とされるドットが本来の位置であるライン上に戻り,その下のドットが右にずれた場合,「ライン上にない」ドットは上下の水平ラインを構成するドットから数えていずれも2つ目であるから,「ライン上にないことから上下方向を認識する」ことができない。本件発明3~5は,このような 状態を含むものであるから,発明の課題を解決する手段が反映されていない。 オ本件発明1~5について,本件明細書1~4には,前記⑺ウないしオの被告らの主張で述べたとおり,本件発明1及び2「情報ドットを…どの程度ずらすかによってデータ内容を定義し」,本件発明3~5「当格子点からのずれ方でデータ内容が定義された情報ドット」,「ずらし方によって前記ドット パターンの向きを意味している」の構成に対応する実施態様・実施例が開示されていない。 (原告の主張)ア被告らが挙げる【0017】Ⅰ,【0021】,【0061】Ⅱ,【0065】Ⅱ及び図2は,本件発明1及び2の一実施例にすぎず,本件明細 する実施態様・実施例が開示されていない。 (原告の主張)ア被告らが挙げる【0017】Ⅰ,【0021】,【0061】Ⅱ,【0065】Ⅱ及び図2は,本件発明1及び2の一実施例にすぎず,本件明細書1及び2 において複数の「第一方向ライン」「第二方向ライン」を導き出せることは,【0025】Ⅰ,【0026】Ⅰ,【0069】Ⅱ,【0070】Ⅱ及び図6のとおりであるから,被告らの上記アの主張には理由がない。 イ前記アと同様に,【0025】Ⅰ,【0026】Ⅰ,【0069】Ⅱ,【0070】Ⅱ及び図6には,第一方向ラインと第二方向ラインの複数の格子点上 に格子ドットが配置された構成が開示されているから,被告らの上記イの主 張には理由がない。 ウ 【0072】Ⅲ,【0066】Ⅳには上下方向の特定しか記載されていないが,上下方向が認識できれば左右方向も認識できるのは自明であるから,同段落にはドットパターンの向きを認識できることが記載されている。また,「ずらし方」について,図103~図106の実施例と図5~図8の実施例 とは,共通の課題解決するための異なる実施例であり,これらを組み合わせることは当業者には自明の範囲のものであるところ,【0234】Ⅲ,【0239】Ⅲには「ずらし方」が例示されている。 したがって,被告らの上記ウの主張には理由がない。 エ前記⑺ウで述べたとおり,ドットをずらす方向で向きを定義することによ り,ドットパターンの向き(上下方向)を認識することができるから,被告らの上記エの主張には理由がない。 オ前記⑺エ及びオで述べたとおり,本件明細書1~4には本件発明1~5に係る実施態様・実施例が開示されているから,被告らの上記オの主張には理由がない。 ⑽ 明確性要件に違反しているか(争 オ前記⑺エ及びオで述べたとおり,本件明細書1~4には本件発明1~5に係る実施態様・実施例が開示されているから,被告らの上記オの主張には理由がない。 ⑽ 明確性要件に違反しているか(争点4-4)以下のとおり,本件発明1~5は明確でないから,本件発明1~5に係る本件特許1~4は特許法36条6項2号に違反する。 (被告らの主張)ア本件発明2の構成要件A2は,光学読取手段が採用する読取アルゴリズム としては各種のものが想定できるから「媒体表面に印刷され,所定の配置法則で印刷された所定のドットパターンを読み取る光学読取手段」が具体的にどのような構成をしているのか一義的に定まらない。また,構成要件F2・G2・H2の記載は,「ドットパターン」との用語を含む構成要件B2・D2を限定するのか否か,限定するとすればどのように限定しているのかが明 らかではない。 イ本件発明5の構成要件B5~G5に記載された内容は,それぞれ各種のものが想定できるから,明確ではない。 ウ本件発明1及び2の構成要件B1・C1・G2・H2には「縦横方向」「縦方向」「横方向」「水平方向」「垂直方向」という表現,本件発明3~5には「水平方向」「垂直方向」「垂直ライン」「水平ライン」という表現をそれぞ れ用いた記載があるが,ドットパターン自体には「縦」「横」や「水平」「垂直」という概念を含んでいないし,これらの概念を導き出すこともできない。 また,本件発明1及び2で用いられる「縦」と「垂直」,「横」と「水平」それぞれの意味がどのようなものであり,互いにどのように異なるのかについては,全く明らかではない。 エ本件発明1及び2における「格子線」「格子点」は仮想のものであり,幾何学での「線」「点」の定義によれば,「格子線 ものであり,互いにどのように異なるのかについては,全く明らかではない。 エ本件発明1及び2における「格子線」「格子点」は仮想のものであり,幾何学での「線」「点」の定義によれば,「格子線」は幅を持たず,「格子点」は大きさを持たないものと解釈すべきものであるから,構成要件B1・G2の「格子点の中心」はどのような技術的意味を有しているのか明らかではない。 オ本件発明1及び2における「情報ドット」は「格子点の中心」のからずれ た位置に存在するものであるところ,ドットパターンに含まれる「情報ドット」のみをみた場合には,その「情報ドット」が位置する座標を導き出すことができたとしても,それがずれたものであるか否か,ずれたものであるとして,ずれる前の位置はどこかを導き出すことはできないから,「格子点の中心」を導き出すことはできない。そして,「格子点の中心」が導き出せな ければ,「格子点」「格子線」も導き出すことができない。また,「格子点の中心」が導き出せたとしても,これが一つだけである場合には,その「格子点」を通る「格子線」は無数に存在することとなるから,「格子線」が「縦横方向に等間隔に設けられた」ものであることも確認できず,「格子点を中心に」情報ドットをずらしたものであるか否かも確認することはできない。 カ本件発明1及び2の構成要件B1・G2は,①前記オのとおり「情報ドッ ト」のみをみた場合,それがずれたものであるか否か判別できないため,「等距離で45°ずつずらした」か否か判断できないこと,②ドットパターンが一つだけしか存在しない場合には「等距離で45°ずつずらした」か否か判断できないこと,③「等距離で」は「45°ずつずらした」にかかるのか,「どの程度ずらすか」にかかるのか不明であること,④「等距離」 一つだけしか存在しない場合には「等距離で45°ずつずらした」か否か判断できないこと,③「等距離で」は「45°ずつずらした」にかかるのか,「どの程度ずらすか」にかかるのか不明であること,④「等距離」と「4 5°」という用語は,一方は長さ,他方は角度という,極座標系では直交し対立する概念であるが,この一つの「ずらす」という動詞で直交する概念の双方に対し「ずらす」という概念を表現していると解釈しているのは技術的に不自然であることから,明確ではない。 キ本件発明1及び2の構成要件C1・H2の「所定の格子点間隔」とい う表現は,「格子点間隔」の整数倍という意味か,単に「格子点間隔」そのものを指しているのか,それら以外の何かを表現しようとしているのか,明らかではない。また,「所定の格子点間隔」が2回用いられていることについて,それぞれ同じ間隔を表現しているのか,異なる間隔を表現しているのか,いずれでもよいのか明らかではない。 ク本件発明3~5の「等間隔に所定個数水平方向に配置されたドット」(構成要件A3・B4・C5)と「前記水平方向に配置されたドットの端点に位置する当該ドットから等間隔に所定個数垂直方向に配置されたドット」(構成要件B3・C4)における「所定個数」とは「水平方向に配置されたドット」「垂直方向に配置されたドット」双方で同じ個数とな ることを表しているのか明らかではない。また,「前記水平方向に配置されたドットの端点に位置する当該ドットから等間隔に所定個数垂直方向に配置されたドット」における「所定個数」とは「前記水平方向に配置されたドットの端点に位置する当該ドット」を含んだ数を指しているのか否か明らかではない。 ケ本件発明3~5において「当該ドット本来の位置から」ずらされてい る「 水平方向に配置されたドットの端点に位置する当該ドット」を含んだ数を指しているのか否か明らかではない。 ケ本件発明3~5において「当該ドット本来の位置から」ずらされてい る「垂直方向に配置されたドットの1つ」(構成要件D3・E4・D5)は,その直上や直下のドットとの間隔がずらされている分だけ変化することから,「等間隔に所定個数垂直方向に配置されたドット」となることはありえないから,「前記水平方向に配置されたドットの端点に位置する当該ドットから等間隔に所定個数垂直方向に配置されたドット」という 点と,「前記垂直方向に配置されたドットの1つは,当該ドット本来の位置からのずらし方によって前記ドットパターンの向きを意味している」という点は互いに矛盾している。 (原告の主張)ア本件発明2は,「所定の配置法則で印刷された所定のドットパターンを読 み取る光学読取手段」(構成要件A2)により,所定のドットパターンと光学読取手段とが明確に対応付けられ,「予め所定の音声情報をドットパターンと関連づけた参照テーブル」(構成要件B2)により,ドットパターンと参照テーブルとが対応付けられ,「前記光学読取手段によって前記ドットパターンが読み取られたときに,前記参照テーブルを参照して前記音声記憶手 段から当該ドットパターンに関連付けられた音声情報を読み出して出力する音声出力手段」(構成要件D2)という限定によって,「所定の配置法則で印刷された所定のドットパターンが読み取られたとき」の処理が明確に限定されている。その上で,構成要件F2~H2によってドットパターンが限定され,ドットパターンによって光学読取手段が明確に特定されるから,被告 らの上記アの主張には理由がない。 イ本件発明5においても,「該媒体のドット 要件F2~H2によってドットパターンが限定され,ドットパターンによって光学読取手段が明確に特定されるから,被告 らの上記アの主張には理由がない。 イ本件発明5においても,「該媒体のドットパターンを撮影する手段」(構成要件B5),「等間隔に所定個数,所定方向に配置されたドットを…データ内容が定義された情報ドットを抽出する手段」(構成要件C5),「前記垂直方向に配置されたドットの1つにおける当該ドット本来の位置からのずれ方 によって,前記ドットパターンの向きを認識する手段」(構成要件D5),「該 ドットの配置にしたがって該ドットパターンの定義するデータ内容を解析する手段」がいずれもドットパターンとの関係を限定されており,ドットパターンによって各手段が明確に特定されているから,被告らの上記イの主張には理由がない。 ウ本件発明1~5において,「縦」「横」や「水平」「垂直」という概念を用い て,ドットパターンを規定することは,当該技術分野の技術水準からして不明なものではないし,「縦」と「垂直」,「横」と「水平」それぞれの意味は同義であるから,被告らの上記ウの主張には理由がない。 エ 「格子点の中心」の意味は,前記⑴エで述べたとおり明確であるから,被告らの上記エの主張には理由がない。 オ本件発明1の構成要件B1の記載内容によれば,「縦横方向に等間隔に設けられた格子線」は複数であること,格子線の交点も複数あることは当然であり,複数の情報ドットが存在するから,ドットパターンが「情報ドット」を1つだけ含む場合を想定することはできず,これを前提とする被告らの上記オの主張には理由がない。 カ ①例えば本件発明1の構成要件B1に示されるように,「情報ドット」のずれる前の位置は格子線の交点である格子点であ することはできず,これを前提とする被告らの上記オの主張には理由がない。 カ ①例えば本件発明1の構成要件B1に示されるように,「情報ドット」のずれる前の位置は格子線の交点である格子点であるから,ずれる前の位置はどの位置であるかを導き出せること,②前記で述べたとおり,本件発明1の構成からドットパターンが「情報ドット」を一つだけ含むことはないこと,③「等距離で」はその直後の「45°ずつずらした」にかかるものであり, 読点によって区切られた後の「どの程度ずらすか」にかかるものではないことは明らかであることから,被告らの上記カの主張には理由がない。 キ 「所定の」とは,その文言のとおり「定まっていること」であり,「所定の格子点間隔」とは構成要件C1で示されるように第一方向ライン及び該第一方向ラインと交差する第二方向ラインにおけるものであり,いずれも不明確 ではないから,被告らの上記キの主張には理由がない。 ク本件発明3~5の「所定個数」は,「水平方向に配置されたドット」「垂直方向に配置されたドット」双方で同じ個数となる必要はなく,限定はない。 また,「水平方向」と「垂直方向」とは向きが異なるから,これらが双方で同じ個数となる否かで,上記各発明が不明確となるものでもない。また,「所定個数」自体が特定の数値に限定されない個数を表しているから,「前記水 平方向に配置されたドットの端点に位置する当該ドットから等間隔に所定個数垂直方向に配置されたドット」における「所定個数」が「前記水平方向に配置されたドットの端点に位置する当該ドット」を含んだ数を指すか否かを明確にする必要はないから,被告らの上記クの主張には理由がない。 ケ 「前記水平方向に配置されたドットの端点に位置する当該ドットから等間 隔に所定個数垂 る当該ドット」を含んだ数を指すか否かを明確にする必要はないから,被告らの上記クの主張には理由がない。 ケ 「前記水平方向に配置されたドットの端点に位置する当該ドットから等間 隔に所定個数垂直方向に配置されたドット」における「等間隔」とは,「等間隔に」「垂直方向に配置され」たドットを意味するから,水平方向にずれているドットが存在していても,「等間隔に所定個数垂直方向に配置されたドット」といえるから,被告らの上記ケの主張には理由がない。 ⑾ 進歩性を欠いているか(争点4-5) (被告らの主張)ア優先権主張について本件特許1~4に係る出願は,平成14年9月26日に出願された特願2002-281815号(以下「本件基礎出願1」という。),平成14年10月4日に出願された特願2002-292907号(以下「本件基礎出願 2」という。),平成14年12月27日に出願された特願2002-380503号(以下「本件基礎出願3」という。),特願2002-380932号(以下「本件基礎出願4」という。),及び特願2002-381743号(以下「本件基礎出願5」という。)を基礎とする優先権を主張する出願である。しかし,本件基礎出願1~5に最初に添付した明細書,特許請求の範 囲又は図面には,図103~図106の実施例に対応する記載は存在しない。 したがって,本件発明1~5の新規性,進歩性の判断が,本件基礎出願1~5の出願日を基準としてされることはない。 なお,本件特許1~4に係る出願の原出願は,特願2005-501954号(出願日平成15年9月26日。以下「本件原出願」という。本件特許1~4に係る出願と本件原出願との関係は後記イのとおり。)である。 イ出願日の遡及について本件特許1 501954号(出願日平成15年9月26日。以下「本件原出願」という。本件特許1~4に係る出願と本件原出願との関係は後記イのとおり。)である。 イ出願日の遡及について本件特許1に係る出願(特願2008-223887号)は,本件原出願から数えて第3世代に当たる特願2008-177416号(以下「第3世代出願」という。)の一部を分割したものであり,第3世代出願は特願2007-026471号(以下「第2世代出願」という。)を分割したもので あり,第2世代出願は特願2006-261555号(以下「第1世代出願」という。)を分割したものであり,第1世代出願は本件原出願を分割したものである。 また本件特許2に係る出願(特願2010-267198号)は,特願2010-254460号(以下「第4世代出願」という。)を分割したもの であり,第4世代出願は第3世代出願を,第3世代出願は第2世代出願を,第2世代出願は第1世代出願を,第1世代出願は本件原出願をそれぞれ分割したものである。 また本件特許3に係る出願(特願2011-041190号)は,本件特許2に係る出願を分割したものである。 また本件特許4に係る出願(特願2012-218687号)は,特願2012-039515号(以下「第8世代出願」という。)を分割したものであり,第8世代出願は特願2011-180881号(以下「第7世代出願」という。)を分割したものであり,第7世代出願は本件特許3に係る出願を分割したものである。 【0002】~【0013】Ⅰ,【0002】~【0056】Ⅱ,【00 02】~【0058】Ⅲ,【0002】~【0052】Ⅳにそれぞれ記載された事項は,第2世代出願の明細書,特許請求の範囲及び図面に記載され 013】Ⅰ,【0002】~【0056】Ⅱ,【00 02】~【0058】Ⅲ,【0002】~【0052】Ⅳにそれぞれ記載された事項は,第2世代出願の明細書,特許請求の範囲及び図面に記載された事項の範囲内であるとはいえず,本件特許1~4に係る出願は特許法44条1項所定の分割要件を満たさない。したがって,本件発明1~5の新規性,進歩性の判断の基準となるのは,本件特許1~4の現実の出願 日であり,本件発明1につき平成20年9月1日,本件発明2につき平成22年11月30日,本件発明3につき平成23年2月28日,本件発明4,5につき平成24年9月28日である。 第7世代出願の明細書の【0002】~【0065】,第8世代出願の明細書の【0002】~【0011】に記載されている事項は,いずれも 第2世代出願の明細書,特許請求の範囲及び図面に記載された事項の範囲内であるとはいえず,特許法44条1項所定の分割要件を満たさないから,第9世代出願の本件特許4に係る本件発明4,5の新規性,進歩性の判断の基準となるのは,第7世代出願の出願日である平成23年8月22日か,第8世代出願の出願日である平成24年2月27日である。 本件特許1及び2に係る出願は,前記⑻(補正要件違反)で述べたのと同じ理由により,本件特許1につき第3世代出願,本件特許2につき第4世代出願の明細書,特許請求の範囲及び図面に記載された事項の範囲内であるとはいえず,特許法44条1項所定の分割要件を満たさないから,本件発明1,2の新規性,進歩性判断の基準となるのは,それぞれ本件特 許1,2の現実の出願日である。 本件特許1~4に係る出願は,前記⑼(サポート要件違反)で述べたのと同じ理由により,本件特許1につき第3世代出願,本件特許2につき第4世代出願 ぞれ本件特 許1,2の現実の出願日である。 本件特許1~4に係る出願は,前記⑼(サポート要件違反)で述べたのと同じ理由により,本件特許1につき第3世代出願,本件特許2につき第4世代出願,本件特許3につき本件特許2に係る出願,本件特許4につき第8世代出願の各明細書,特許請求の範囲及び図面に記載された事項の 範囲内であるとはいえず,特許法44条1項所定の分割要件を満たさな いから,本件発明1の新規性,進歩性判断の基準となるのは本件特許1の現実の出願日であり,本件発明2の新規性,進歩性判断の基準となるのは本件特許2の現実の出願日であり,本件発明3の新規性,進歩性判断の基準となるのは本件特許3の現実の出願日であり,本件発明4,5の新規性,進歩性判断の基準となるのは本件特許4の現実の出願日である。 本件特許3に係る出願は,本件特許2に係る出願を分割したものであるが,前のとおり,本件発明2の新規性,進歩性判断の基準となるのは,本件特許2の現実の出願日である平成22年11月30日であるから,本件特許3に係る本件発明3の新規性,進歩性判断の基準となるのも同日である。また,本件特許4は,本件特許2及び3に係る出願をさらに 複数回分割したものであるが,前記のとおり,本件特許2及び本件特許3に係る発明の新規性,進歩性の判断の基準となるのは,それぞれの特許の現実の出願日である平成22年11月30日,平成23年2月28日であるから,本件特許4に係る本件発明4,5の新規性,進歩性判断の基準となるのは,それらの日である。 ウ各引用発明の認定平成10年12月8日に公開された特開平10-326331号公報(丙5。以下「丙5公報」という。)には,音声情報,映像情報又はデジタルコードデータ等を含む情報が光学 ウ各引用発明の認定平成10年12月8日に公開された特開平10-326331号公報(丙5。以下「丙5公報」という。)には,音声情報,映像情報又はデジタルコードデータ等を含む情報が光学的に読み取り可能なコードパターンとして紙等の記録媒体に記録されるドットコード1であって,所定単 位のドットの集合からなるブロック2を二次元マトリクス状に隣接配置したブロック群で構成され,ブロック2は,変調処理の施された情報データの各ビット値がその値に対応するドットで配列された複数のデータドット7を有するデータドットパターン部3と,データドットパターン部3の4隅に配置された,ブロックの認識に利用するマーカ5と,第1の方 向に隣接するマーカ5の間に配置されたマッチングドットパターン部6 と,第2の方向に隣接するマーカ5の間に配置されているブロックヘッダ部4と,互に直交し格子状の,第1の方向・第2の方向の複数の仮想直線とを有し,データドットパターン部3に存在する格子状の第1の方向・第2の方向の複数の仮想直線は互いに等間隔であり,マッチングドットパターン部6と,ブロックヘッダ部4は,データドットパターン部3を囲 むものであり,データドットパターン部3には,格子状の第1の方向・第2の方向の複数の仮想直線の交点上のみにデータドット7が配置され,マッチングドットパターン部6には,第1の方向の仮想直線と第2の方向の仮想直線の交点に一つとばしでドットが等間隔で配列され,ブロックヘッダ部4には,第1の方向の仮想直線と第2の方向の仮想直線の交 点上にドットが配置され,マッチングドットパターン部6とブロックヘッダ部4には,ドットが異なるように配置されており,第2の方向に読み取られる,ことを特徴とする,音声情報,映像情報又はデジタル 点上にドットが配置され,マッチングドットパターン部6とブロックヘッダ部4には,ドットが異なるように配置されており,第2の方向に読み取られる,ことを特徴とする,音声情報,映像情報又はデジタルコードデータ等を含む情報が光学的に読み取り可能なコードパターンとして紙等の記録媒体に記録されるドットコード1の発明(以下「丙5発明A」とい う。)が記載されている。 また,丙5公報には,音声情報,映像情報又はデジタルコードデータ等を含む情報が光学的に読み取り可能なコードパターンとして紙等の記録媒体に記録されるドットコード1として記録されたマルチメディア情報を読み取るコード読取装置であって,前記コード読取装置は,紙等の記録 媒体に記録されるドットコード1の画像を撮像するための検出部12と,この検出部12から供給される画像データをドットコード画像として認識しノーマライズを行う走査変換部13と,データ列の調整や変調テーブル19を参照して復調処理を行うデータ列調整部14と,再生時の読み取りエラーやデータエラーを訂正するエラー訂正部15と,データを それぞれの属性に応じたデータ圧縮処理に対応する伸長処理を行う再生 処理部16と,これら各部を制御するコントローラ17と,スピーカやモニタ等のマルチメディア情報が出力される出力装置18とを有し,音声情報,映像情報又はデジタルコードデータ等を含む情報が光学的に読み取り可能なコードパターンとして紙等の記録媒体に記録されるドットコード1は,所定単位のドットの集合からなるブロック2を二次元マトリ クス状に隣接配置したブロック群で構成され,ブロック2は,変調処理の施された情報データの各ビット値がその値に対応するドットで配列された複数のデータドット7を有するデータドットパターン部3 トリ クス状に隣接配置したブロック群で構成され,ブロック2は,変調処理の施された情報データの各ビット値がその値に対応するドットで配列された複数のデータドット7を有するデータドットパターン部3と,データドットパターン部3の4隅に配置された,ブロックの認識に利用するマーカ5と,第1の方向に隣接するマーカ5の間に配置されたマッチング ドットパターン部6と,第2の方向に隣接するマーカ5の間に配置されているブロックヘッダ部4と,互に直交し格子状の,第1の方向・第2の方向の複数の仮想直線とを有し,データドットパターン部3に存在する格子状の第1の方向・第2の方向の複数の仮想直線は互いに等間隔であり,マッチングドットパターン部6と,ブロックヘッダ部4は,データド ットパターン部3を囲むものであり,データドットパターン部3には,格子状の第1の方向・第2の方向の複数の仮想直線の交点上のみにデータドット7が配置され,マッチングドットパターン部6には,第1の方向の仮想直線と第2の方向の仮想直線の交点に一つとばしでドットが等間隔で配列され,ブロックヘッダ部4には,第1の方向の仮想直線と第2の方 向の仮想直線の交点上にドットが配置され,マッチングドットパターン部6とブロックヘッダ部4には,ドットが異なるように配置されており,第2の方向に読み取られる,ことを特徴とする,音声情報,映像情報又はデジタルコードデータ等を含む情報が光学的に読み取り可能なコードパターンとして紙等の記録媒体に記録されるドットコード1として記録さ れたマルチメディア情報を読み取るコード読取装置の発明(以下「丙5発 明B」という。)が記載されている。 平成14年7月11日に公開された米国特許出願公開第2002-091711号明細書(丙6)には,光学 報を読み取るコード読取装置の発明(以下「丙5発 明B」という。)が記載されている。 平成14年7月11日に公開された米国特許出願公開第2002-091711号明細書(丙6)には,光学的に読み取り可能な位置コードパターンであって,表面上の位置を決定する装置によって直接検出することもできない仮想ラスタ線A8と,仮想ラスタ線A8の交点によって表 されるラスタ点A6と,円形のドットの形状をしているマークA7とを有し,表面上の位置を決定する装置によって直接検出することもできない仮想ラスタ線A8は直交グリッドを構成し,円形のドットの形状をしているマークA7は,円形のドットの形状をしているマークA7が,仮想ラスタ線A8の交点によって表されるラスタ点A6に対してどこに位置 するかという変位に依存してマークA7の値を表現するものであり,円形のドットの形状をしているマークA7は,仮想ラスタ線A8の交点によって表されるラスタ点A6から伸びる各ラスタライン上にある4つの可能な位置と,正方形のラスタパターンの別個の四分円内の4つの可能な位置の8方向に変位し,仮想ラスタ線A8の交点によって表されるラ スタ点A6からの変位は,すべての値で同じサイズであり,互に45度ずつずらされている,ことを特徴とする光学的に読み取り可能な位置コードパターンの発明(以下「丙6発明」という。)が記載されている。 平成3年2月19日に公開された特開平03-038791号公報(丙7)には,マトリクスに配列された内部のデータセル14を備えたデ ータフィールド12と,前記データフィールド12に隣接した境界線16と,を備えることを特徴とする機械により効率よく読取ることができるシンボル10において,前記境界線16の外側又は内側に方向付け用セル120をさ ド12と,前記データフィールド12に隣接した境界線16と,を備えることを特徴とする機械により効率よく読取ることができるシンボル10において,前記境界線16の外側又は内側に方向付け用セル120をさらに含み,前記方向付け用セル120はシンボルの3次元方向を規定し,シンボル10が撮像装置40のイメージ面に正確に配 されているような状況においては,前記データフィールド12の2つの 側94と96にそれぞれ1本の境界線16を配するのに対し,そうではない場合には,境界線16を,データフィールド12の四方を囲むように境界線16を配する,ことを特徴とする,機械により効率よく読取ることができるシンボル10の発明(以下「丙7発明」という。)が記載されている。 昭和60年6月14日に公開された特開昭60-108894号公報(丙8)には,マイクロプロセッサなどを用いる制御部2,必要な音声のデータ(またにパラメータ)を内蔵しているROM4,ROM4からの音声データを音声に変換する音声合成回路を有する音声合成装置において,前記マイクロプロセッサなどを用いる制御部2は,外部からの2値信号 5を受け取り,内部に有する外部コード-ROMアドレス変換テーブルから所望の音声単語(または文章)のデータが格納されているROM4の先頭アドレスを得,この先頭アドレスをROM4に出力する,音声合成装置の発明(以下「丙8発明」という。)が記載されている。 平成15年7月16日に公開された英国特許出願公開第238409 4号明細書(丙9。以下「丙9明細書」という。)には,オブジェクトの表面に書き添えられたもしくは付された図形標識11であって,6×6マトリックスの形式で36単位の状態領域113を含むコンテンツ情報112と,直交する2つの腕を有 細書」という。)には,オブジェクトの表面に書き添えられたもしくは付された図形標識11であって,6×6マトリックスの形式で36単位の状態領域113を含むコンテンツ情報112と,直交する2つの腕を有するL字状の形状をし,L字状のそれぞれの腕に直線状に概略等間隔に連なるドットが含まれ,L字状のそれぞ れの腕に含まれるドット数が異なることによって,図形標識11の配向を規定しているヘッダ情報111とを含み,各状態領域113は,第1又は第2状態を表すために,選択的に1つのドットを含んだり,そのドットを含まなかったりするものであり,第1状態の状態領域113に“1”の値を割当てられ,第2状態の状態領域113に“0”の値を割当てられ, ヘッダ情報111のL字状のそれぞれの腕に直線状に概略等間隔に連な るドットを通る直線の交点上に,各状態領域113に含まれるドットが存在し,ヘッダ情報111のL字状のそれぞれの腕の一方を水平に,他方を垂直に置くことができ,ヘッダ情報111のL字状のそれぞれの腕に直線状に概略等間隔に連なるドットと,各状態領域113に含まれるドットを通る直線の一方を水平に,他方を垂直に置くことができる,オブジ ェクトの表面に書き添えられたもしくは付された図形標識11の発明(以下「丙9発明A」という。)が記載されている。 また丙9明細書には,図形標識11を含むオブジェクトの表面から画像を取り込む光学装置311と,画像から図形標識11を取り出し,図形標識11に対応する追加情報を取得する処理装置312と,処理装置3 12から追加情報を取り出して,その追加情報を出力する出力装置313と,を含む,標識を利用する電子システム31であって,処理装置312が取得する追加情報は,英語で馬の発音等の音声情報や,馬の挿絵など 12から追加情報を取り出して,その追加情報を出力する出力装置313と,を含む,標識を利用する電子システム31であって,処理装置312が取得する追加情報は,英語で馬の発音等の音声情報や,馬の挿絵など他の映像情報を含み,出力装置313は,音声情報をスピーカ3131で出力し,また,表示パネル3132で映像情報を出力するものであり,図 形標識11は,オブジェクトの表面に書き添えられたもしくは付されたものであって,6×6マトリックスの形式で36単位の状態領域113を含むコンテンツ情報112と,直交する2つの腕を有するL字状の形状をし,L字状のそれぞれの腕に直線状に概略等間隔に連なるドットが含まれ,L字状のそれぞれの腕に含まれるドット数が異なることによっ て,図形標識11の配向を規定しているヘッダ情報111とを含み,各状態領域113は,第1又は第2状態を表すために,選択的に1つのドットを含んだり,そのドットを含まなかったりするものであり,第1状態の状態領域113に“1”の値を割当てられ,第2状態の状態領域113に“0”の値を割当てられ,ヘッダ情報111のL字状のそれぞれの腕に直線状 に概略等間隔に連なるドットを通る直線の交点上に,各状態領域113 に含まれるドットが存在し,ヘッダ情報111のL字状のそれぞれの腕の一方を水平に,他方を垂直に置くことができ,ヘッダ情報111のL字状のそれぞれの腕に直線状に概略等間隔に連なるドットと,各状態領域113に含まれるドットを通る直線の一方を水平に,他方を垂直に置くことができる,図形標識11である,標識を利用する電子システム31の 発明(以下「丙9発明B」という。)が記載されている。 平成19年11月1日に公開された特開2007-288756号公報(丙10。以下「丙10公 11である,標識を利用する電子システム31の 発明(以下「丙9発明B」という。)が記載されている。 平成19年11月1日に公開された特開2007-288756号公報(丙10。以下「丙10公報」という。)には,物体表面上に形成され,画像識別を利用して読み取ることができる画像インジケーター10であって,コンテンツデータ部12とヘッダー部14を含み,コンテンツデー タ部12は,9個のドット16で構成される9個の画像マイクロユニットを含み,コンテンツデータ部12の占有エリアは9個の状態エリア18に区分され,3*3の平面2次元状態エリアのアレイを構成しており,コンテンツデータ部12の状態エリア18は,4個のバーチャルエリアに等分し,ドット16は選択的に右下方,左下方,左上方或いは右上方の バーチャルエリアに設置でき,ドット16が,横軸を0°とし反時計方向が角度の正方向としたときに,右下方315°,左下方225°,左上方135°,右上方45°の方向であって,状態エリア18の中心から一定の距離の位置に置かれることにより,ビット値00,01,10或いは11を表すか,又は,8個のバーチャルエリアに区分し,ドット16が,状 態エリア18の中心から等距離であって,横軸を0°とし反時計方向が角度の正方向としたときに,右下方337.5°右下方292.5°,左下方247.5°,左下方202.5°,左上方157.5°,左上方112.5°,右上方67.5°,右上方22.5°の方向であって,状態エリア18の中心から一定の距離の位置に置かれることにより,ビット 値000,001,010,011,100,101,110或いは11 1を表すことができ,ヘッダー部14は,コンテンツデータ部12を囲うようにL型分布に形成され,状態エ り,ビット 値000,001,010,011,100,101,110或いは11 1を表すことができ,ヘッダー部14は,コンテンツデータ部12を囲うようにL型分布に形成され,状態エリア18に区分され,ヘッダー部14の各状態エリア18は,L型分布に形成されたヘッダー部14の腕にそれぞれ3個,L型分布に形成されたヘッダー部14の角の位置に1個の計7個あるように配置することができ,ヘッダー部14の各状態エリア 18は,1つのドットを含み,ヘッダー部14中の1つのドット16'の位置は特定方向に偏移させ,その他のドット16の位置と変えることによって,画像インジケーター10のヘッダー部14を識別するだけで,その画像インジケーター10に対する方向付けができ,ヘッダー部14中の1つのドット16'が偏移される特定方向として,そのヘッダー部14 中の1つのドット16'が含まれるL型分布に形成されたヘッダー部14の腕と直交する方向を選ぶことができ,L型分布に形成されたヘッダー部14の各状態エリア18に含まれるドットを通るように,横方向と縦方向に仮想的なラインを置くことができ,ヘッダー部14の各状態エリア18に含まれるドットは,互いに,水平方向又は垂直方向の少なくと も一方について一定の間隔に配置されており,水平方向及び/又は垂直方向に複数繰返して配置できる,物体表面上に形成され,画像識別を利用して読み取ることができる画像インジケーター10の発明(以下「丙10発明A」という。)が記載されている。 また丙10公報には,光学デバイス112,プロセッサー114及び出 力デバイス116を有し,画像識別ステップにより,その画像インジケーター10を読み取る電子システム110において,画像インジケーター10は,物体表面上に形成 112,プロセッサー114及び出 力デバイス116を有し,画像識別ステップにより,その画像インジケーター10を読み取る電子システム110において,画像インジケーター10は,物体表面上に形成され,画像識別を利用して読み取ることができるものであって,コンテンツデータ部12とヘッダー部14を含み,コンテンツデータ部12は,9個のドット16で構成される9個の画像マイ クロユニットを含み,コンテンツデータ部12の占有エリアは9個の状 態エリア18に区分され,3*3の平面2次元状態エリアのアレイを構成しており,コンテンツデータ部12の状態エリア18は,4個のバーチャルエリアに等分し,ドット16は選択的に右下方,左下方,左上方或いは右上方のバーチャルエリアに設置でき,ドット16が,横軸を0°とし反時計方向が角度の正方向としたときに,右下方315°,左下方225°, 左上方135°,右上方45°の方向であって,状態エリア18の中心から一定の距離の位置に置かれることにより,ビット値00,01,10或いは11を表すか,又は,8個のバーチャルエリアに区分し,ドット16が,状態エリア18の中心から等距離であって,横軸を0°とし反時計方向が角度の正方向としたときに,右下方337.5°右下方292.5°, 左下方247.5°,左下方202.5°,左上方157.5°,左上方112.5°,右上方67.5°,右上方22.5°の方向であって,状態エリア18の中心から一定の距離の位置に置かれることにより,ビット値000,001,010,011,100,101,110或いは111を表すことができ,ヘッダー部14は,コンテンツデータ部12を囲 うようにL型分布に形成され,状態エリア18に区分され,ヘッダー部14の各状態エリア18は, 100,101,110或いは111を表すことができ,ヘッダー部14は,コンテンツデータ部12を囲 うようにL型分布に形成され,状態エリア18に区分され,ヘッダー部14の各状態エリア18は,L型分布に形成されたヘッダー部14の腕にそれぞれ3個,L型分布に形成されたヘッダー部14の角の位置に1個の計7個あるように配置することができ,ヘッダー部14の各状態エリア18は,1つのドットを含み,ヘッダー部14中の1つのドット16' の位置は特定方向に偏移させ,その他のドット16の位置と変えることによって,画像インジケーター10のヘッダー部14を識別するだけで,その画像インジケーター10に対する方向付けができ,ヘッダー部14中の1つのドット16'が偏移される特定方向として,そのヘッダー部14中の1つのドット16'が含まれるL型分布に形成されたヘッダー部 14の腕と直交する方向を選ぶことができ,L型分布に形成されたヘッ ダー部14の各状態エリア18に含まれるドットを通るように,横方向と縦方向に仮想的なラインを置くことができ,ヘッダー部14の各状態エリア18に含まれるドットは,互いに,水平方向又は垂直方向の少なくとも一方について一定の間隔に配置されており,水平方向及び/又は垂直方向に複数繰返して配置できる,物体表面上に形成され,画像識別を利 用して読み取ることができる画像インジケーター10を読み取る電子システム110の発明(以下「丙10発明B」という。)。 平成18年7月6日に公開された国際公開第2006/070458号公報(丙11。以下「丙11公報」という。)には,印刷物等の媒体面の正方形または長方形の矩形領域をブロックとし,核ブロックの枠を構 成する縦方向および横方向の直線を基準格子線1a~1dとして, 公報(丙11。以下「丙11公報」という。)には,印刷物等の媒体面の正方形または長方形の矩形領域をブロックとし,核ブロックの枠を構 成する縦方向および横方向の直線を基準格子線1a~1dとして,該基準格子線1a~1d上の所定間隔毎に仮想格子点4を設け,横方向の該基準格子線1a,1b上に設けられた仮想格子点上に基準格子点ドット2を配置し,該基準格子点ドット2同士および縦方向の仮想格子点同士を結んだ直線を格子線3とし,格子線同士の交点を仮想格子点4とした ドットパターンであって,仮想格子点4を通過する格子線3を基準に時計方向に45度ずつ8方向に情報ドットを配置することによって,合計8通り(二進法で000~111,3ビット)の情報を定義でき,前記ブロックを構成する基準格子点ドットの少なくとも1つが,仮想格子点からずれた位置に配置され,そのずれた向きによって当該ブロックの向き およびブロックの構成を定義されているキードットであり,前記キードットは,前記基準格子線1aと直交する方向にずらすことができ,前記ブロックが任意の領域内に縦・横方向に連続して配置され,基準格子線1c,1dの間に置かれる基準格子線1a,1b上の基準格子点ドット2は,基準格子線1c,1dと基準格子線1a,1bの交点の上の基準格子点ドッ ト2も含めると5個ずつとすることができ,基準格子線1a,1bの間に 置かれる基準格子線1c,1d上の仮想格子点4に関連する情報ドット5は,基準格子線1c,1dと基準格子線1a,1bの仮想格子点4上のものは基準格子点ドット2であるから除くと3個ずつないし4個ずつとすることができることを特徴とするドットパターンの発明(以下「丙11発明A」という。)が記載されている。 また丙11公報には,ドットパターンを画 ト2であるから除くと3個ずつないし4個ずつとすることができることを特徴とするドットパターンの発明(以下「丙11発明A」という。)が記載されている。 また丙11公報には,ドットパターンを画像情報として光学読み取り手段で読み込んで,該ドットパターンを数値化して,該数値化情報に対応する音声情報を記憶手段から読み出して出力する装置であって,前記ドットパターンは,印刷物等の媒体面の正方形または長方形の矩形領域をブロックとし,核ブロックの枠を構成する縦方向および横方向の直線を 基準格子線1a~1dとして,該基準格子線1a~1d上の所定間隔毎に仮想格子点4を設け,横方向の該基準格子線1a,1b上に設けられた仮想格子点上に基準格子点ドット2を配置し,該基準格子点ドット2同士および縦方向の仮想格子点同士を結んだ直線を格子線3とし,格子線同士の交点を仮想格子点4としたドットパターンであって,仮想格子点 4を通過する格子線3を基準に時計方向に45度ずつ8方向に情報ドットを配置することによって,合計8通り(二進法で000~111,3ビット)の情報を定義でき,前記ブロックを構成する基準格子点ドットの少なくとも1つが,仮想格子点からずれた位置に配置され,そのずれた向きによって当該ブロックの向きおよびブロックの構成を定義されているキ ードットであり,前記キードットは,前記基準格子線1aと直交する方向にずらすことができ,前記ブロックが任意の領域内に縦・横方向に連続して配置される,基準格子線1c,1dの間に置かれる基準格子線1a,1b上の基準格子点ドット2は,基準格子線1c,1dと基準格子線1a,1bの交点の上の基準格子点ドット2も含めると5個ずつとすることが でき,基準格子線1a,1bの間に置かれる基準格子線1c,1d上の仮 子点ドット2は,基準格子線1c,1dと基準格子線1a,1bの交点の上の基準格子点ドット2も含めると5個ずつとすることが でき,基準格子線1a,1bの間に置かれる基準格子線1c,1d上の仮 想格子点4に関連する情報ドット5は,基準格子線1c,1dと基準格子線1a,1bの仮想格子点4上のものは基準格子点ドット2であるから除くと3個ずつないし4個ずつとすることができることを特徴とするドットパターンである装置の発明(以下「丙11発明B」という。)が記載されている。 平成16年4月8日に公開された国際公開第2004/029871号公報(丙12)には,格子状に配置されたドットで構成されているドットパターン部601であって,実際の印刷物上には存在しない縦横方向の格子線と,格子ブロックの四隅(格子線の交点(格子点)上)に配置された格子ドットLDを有し,格子ドットLDと格子線は,縦方向と横方向 に等間隔で並んでおり,ヘッダには当該ドットパターン部がコード情報なのかXY座標なのかを定義するフラグを登録しておくことができ,格子ドットLDのずれ方によって当該ドットパターン部がコード情報なのかXY座標なのかを示すことを特徴とするドットパターン部601の発明(以下「丙12発明」という。)が記載されている。 エ分割出願の出願日が遡及し,優先権主張も認められる場合について本件発明1本件発明1と丙5発明Aの相違点は,①丙5発明Aは構成要件B1に相当する構成を有さないこと(相違点1),②本件発明1の「第一方向」は「水平方向」であり「第二方向」は「垂直方向」であり,また,「縦横 方向」でもあるのに対し,丙5発明Aの「第1の方向」「第2の方向」は「水平方向」「垂直方向」ないし「縦横方向」と限定されていない点(相 向」であり「第二方向」は「垂直方向」であり,また,「縦横 方向」でもあるのに対し,丙5発明Aの「第1の方向」「第2の方向」は「水平方向」「垂直方向」ないし「縦横方向」と限定されていない点(相違点2)の2点であるところ,上記相違点は,丙5発明Aと丙6発明を組み合わせることによって,当業者が容易に想到できた。 本件発明2 本件発明2と丙5発明Bの相違点は,①本件発明2は「予め所定の音声 情報をドットパターンと関連づけた参照テーブル」「前記音声情報が記憶された音声記憶手段」「前記光学読取手段によって前記ドットパターンが読み取られたときに,前記参照テーブルを参照して前記音声記憶手段から当該ドットパターンに関連付けられた音声情報を読み出して出力する音声出力手段」を有するのに対し,丙5発明Bは「データをそれぞれの属 性に応じたデータ圧縮処理に対応する伸長処理を行う再生処理部16」「スピーカやモニタ等のマルチメディア情報が出力される出力装置18」を有するに留まる点(相違点3),②丙5発明Bは構成要件G2に相当する構成を有しないこと(相違点4),③本件発明2の「第一方向」は「水平方向」であり「第二方向」は「垂直方向」であり,また,「縦横方向」 でもあるのに対し,丙5発明Bの「第1の方向」「第2の方向」は「水平方向」「垂直方向」ないし「縦横方向」と限定されていない点(相違点5)の3点であるところ,上記相違点は,丙5発明B,丙8発明及び丙6発明を組み合わせることによって,当業者が容易に想到できた。 本件発明3 本件発明3と丙5発明Aの相違点は,①本件発明3では「水平方向」「垂直方向」と方向が限定されているのに対し,丙5発明Aの「第1の方向」「第2の方向」とされているに留まる点(相違点6), 本件発明3と丙5発明Aの相違点は,①本件発明3では「水平方向」「垂直方向」と方向が限定されているのに対し,丙5発明Aの「第1の方向」「第2の方向」とされているに留まる点(相違点6),②本件発明3は「該格子点からのずれ方でデータ内容が定義され」するものであるのに対し,丙5発明Aの「データドット7」は「変調処理の施された情報データの各 ビット値がその値に対応するドットで配列され」るものであって「格子状の第1の方向・第2の方向の複数の仮想直線の交点上のみ」に配置されるものである点(相違点7)の2点であるところ,上記相違点は,丙5発明Aと丙6発明を組み合わせることによって,当業者が容易に想到できた。 本件発明4 本件発明4と丙5発明Aの相違点は,①本件発明4では「水平方向」「垂 直方向」と方向が限定されているのに対し,丙5発明Aの「第1の方向」「第2の方向」とされているに留まる点(相違点8),②本件発明4は「該格子点からのずれ方でデータ内容が定義され」するものであるのに対し,丙5発明Aの「データドット7」は「変調処理の施された情報データの各ビット値がその値に対応するドットで配列され」るものであって「格子状 の第1の方向・第2の方向の複数の仮想直線の交点上のみ」に配置されるものである点(相違点9)の2点であるところ,上記相違点は,丙5発明Aと丙6発明を組み合わせることによって,当事者が容易に想到できた。 本件発明5本件発明5と丙5発明Bの相違点は,①本件発明5では「水平方向」「垂 直方向」と方向が限定されているのに対し,丙5発明Bの「第1の方向」「第2の方向」とされているに留まる点(相違点10),②本件発明4は「該格子点からのずれ方でデータ内容が定義され」するものであるのに 直方向」と方向が限定されているのに対し,丙5発明Bの「第1の方向」「第2の方向」とされているに留まる点(相違点10),②本件発明4は「該格子点からのずれ方でデータ内容が定義され」するものであるのに対し,丙5発明Bの「データドット7」は「変調処理の施された情報データの各ビット値がその値に対応するドットで配列され」るものであって 「格子状の第1の方向・第2の方向の複数の仮想直線の交点上のみ」に配置されるものである点(相違点11)の2点であるところ,上記相違点は,丙5発明Bと丙6発明を組み合わせることによって,当事者が容易に想到できた。 オ分割出願の出願日が遡及し,優先権主張は認められない場合について 本件発明1本件発明1と丙9発明Aの相違点は,①丙9発明Aは構成要件B1に相当する構成を有さない点(相違点12),②丙9発明Aの「直交する2つの腕を有するL字状の形状を」した「ヘッダ情報111」は「図形標識11」毎に1つのみ存在するのに対し,本件発明1の「ドットパターン」 の「第一方向ライン」「第二方向ライン」は,「前記縦方向の所定の格子点 間隔ごとに」ないし「前記横方向の所定の格子点間隔ごとに」複数存在し,その結果として「前記情報ドットが配置されて情報を表現する部分を囲むように」存在する点(相違点13)の2点であるところ,上記相違点は,丙9発明A,丙6発明及び丙7発明を組み合わせることによって,当業者が容易に想到できた。 本件発明2本件発明2と丙9発明Bの相違点は,①丙9発明Bは構成要件B2,C2及びD2に相当する構成を有しておらず,「データをそれぞれの属性に応じたデータ圧縮処理に対応する伸長処理を行う再生処理部16」「スピーカやモニタ等のマルチメディア情報が出力される出力装置1 2,C2及びD2に相当する構成を有しておらず,「データをそれぞれの属性に応じたデータ圧縮処理に対応する伸長処理を行う再生処理部16」「スピーカやモニタ等のマルチメディア情報が出力される出力装置18」を有 するに留まる点(相違点14),②丙9発明Bは構成要件G2に相当する構成を有していない点(相違点15),③丙9発明Bの「直交する2つの腕を有するL字状の形状を」した「ヘッダ情報111」は「図形標識11」毎に1つのみ存在するのに対し,本件発明2の「ドットパターン」の「第一方向ライン」「第二方向ライン」は,「前記縦方向の所定の格子点間隔ご とに」ないし「前記横方向の所定の格子点間隔ごとに」複数存在し,その結果として「前記情報ドットが配置されて情報を表現する部分を囲むように」存在する点(相違点16)の3点であるところ,上記相違点は,丙9発明B,丙8発明,丙6発明及び丙7発明を組み合わせることによって,当業者が容易に想到できた。 本件発明3本件発明3と丙9発明Aの相違点は,①本件発明3は「該格子点からのずれ方でデータ内容が定義され」するものであるのに対し,丙9発明Aの「各状態領域113は,第1又は第2状態を表すために,選択的に1つのドットを含んだり,そのドットを含まなかったりするもの」である点(相 違点17),②本件発明3は「当該ドット本来の位置からのずらし方によ って」ドットパターンの向きを意味しているのに対し,丙9発明Aでは,そのドットの有無によってドットパターンの配向を意味している点(相違点18)の2点であるところ,上記相違点は,丙9発明Aと丙6発明を組み合わせることによって,当業者が容易に想到できた。 本件発明4 本件発明4と丙9発明Aの相違点は,①本件発明4は「該格子点 )の2点であるところ,上記相違点は,丙9発明Aと丙6発明を組み合わせることによって,当業者が容易に想到できた。 本件発明4 本件発明4と丙9発明Aの相違点は,①本件発明4は「該格子点からのずれ方でデータ内容が定義され」するものであるのに対し,丙9発明Aの「各状態領域113は,第1又は第2状態を表すために,選択的に1つのドットを含んだり,そのドットを含まなかったりするもの」である点(相違点19),②本件発明4は「当該ドット本来の位置からのずらし方によ って」ドットパターンの向きを意味しているのに対し,丙9発明Aでは,そのドットの有無によってドットパターンの配向を意味している点(相違点20)の2点であるところ,上記相違点は,丙9発明Aと丙6発明を組み合わせることによって,当業者が容易に想到できた。 本件発明5 本件発明5と丙9発明Bの相違点は,①本件発明5は「該格子点からのずれ方でデータ内容が定義され」するものであるのに対し,丙9発明Bの「各状態領域113は,第1又は第2状態を表すために,選択的に1つのドットを含んだり,そのドットを含まなかったりするもの」である点(相違点21),②本件発明5は「当該ドット本来の位置からのずらし方によ って」ドットパターンの向きを意味しているのに対し,丙9発明Bでは,そのドットの有無によってドットパターンの配向を意味している点(相違点22)の2点であるところ,上記相違点は,丙9発明Aと丙6発明を組み合わせることによって,当業者が容易に想到できた。 カ分割出願の出願日が遡及しない場合 本件発明1 本件発明1と丙10発明Aの相違点は,①丙10発明Aの「L型分布に形成されたヘッダー部14」は「画像インジケーター10」毎に1つのみ存在する 遡及しない場合 本件発明1 本件発明1と丙10発明Aの相違点は,①丙10発明Aの「L型分布に形成されたヘッダー部14」は「画像インジケーター10」毎に1つのみ存在するのに対し,本件発明1の「ドットパターン」の「第一方向ライン」「第二方向ライン」は,「前記縦方向の所定の格子点間隔ごとに」ないし「前記横方向の所定の格子点間隔ごとに」複数存在し,その結果として 「前記情報ドットが配置されて情報を表現する部分を囲むように」存在する点(相違点23)であるところ,上記相違点は,丙10発明Aと丙7発明を組み合わせることによって,当業者が容易に想到できた。 また本件発明1と丙11発明Aの相違点は,①丙11発明Aの「縦方向の基準格子線1c,1d」には「基準格子点ドット2」は配置されておら ず,その結果として,丙11発明Aの「基準格子線1a~1d」は発明とは異なり「前記情報ドットが配置されて情報を表現する部分を囲むように」配置されていないのに対し,本件発明1は「「第二方向ライン上」に配置された「格子ドット」』を有し,本件特許1の請求項1に係る発明の「第一方向ライン」「第二方向ライン」は「前記情報ドットが配置されて 情報を表現する部分を囲むように」配置されている点(相違点24)であるところ,上記相違点は,丙11発明Aと丙12発明を組み合わせることによって,当業者が容易に想到できた。 本件発明2本件発明2と丙10発明Bの相違点は,①丙10発明Bは「光学デバイ ス112」「プロセッサー114」「出力デバイス116」を有するのに留まるのに対し,本件発明2は「音声情報再生装置」であって,「予め所定の音声情報をドットパターンと関連づけた参照テーブル」「前記音声情報が記憶された音声記憶手段」「前記光 バイス116」を有するのに留まるのに対し,本件発明2は「音声情報再生装置」であって,「予め所定の音声情報をドットパターンと関連づけた参照テーブル」「前記音声情報が記憶された音声記憶手段」「前記光学読取手段によって前記ドットパターンが読み取られたときに,前記参照テーブルを参照して前記音声記憶 手段から当該ドットパターンに関連付けられた音声情報を読み出して出 力する音声出力手段」を有する点(相違点25),②丙10発明Bの「L型分布に形成されたヘッダー部14」は「画像インジケーター10」毎に1つのみ存在するのに対し,本件発明2の「ドットパターン」の「第一方向ライン」「第二方向ライン」は,「前記縦方向の所定の格子点間隔ごとに」ないし「前記横方向の所定の格子点間隔ごとに」複数存在し,その結果と して「前記情報ドットが配置されて情報を表現する部分を囲むように」存在する点(相違点26)の2点であるところ,上記相違点は,丙10発明B,丙8発明及び丙7発明を組み合わせることによって,当業者が容易に想到できた。 また,本件発明2と丙11発明Bの相違点は,①丙11発明Bは構成要 件B2,C2及びD2に相当する構成を有しておらず,「該ドットパターンを数値化して,該数値化情報に対応する音声情報を記憶手段から読み出して出力する」に留まる点(相違点27),②丙11発明Bの「縦方向の基準格子線1c,1d」には「基準格子点ドット2」は配置されておらず,その結果として,丙11発明Aの「基準格子線1a~1d」は本件発 明2とは異なり「前記情報ドットが配置されて情報を表現する部分を囲むように」配置されていないのに対し,本件発明2は「第二方向ライン上」に配置された「格子ドット」を有し,本件発明2の「第一方向ライン」「第二方向ライ 前記情報ドットが配置されて情報を表現する部分を囲むように」配置されていないのに対し,本件発明2は「第二方向ライン上」に配置された「格子ドット」を有し,本件発明2の「第一方向ライン」「第二方向ライン」は「前記情報ドットが配置されて情報を表現する部分を囲むように」配置されている点(相違点28)の2点であるところ,上記相 違点は,丙11発明B,丙12発明及び丙8発明を組み合わせることによって,当業者が容易に想到できた。 本件発明3本件発明3と丙10発明Aの相違点は,①本件発明3では,その「ドットの1つ」は「垂直方向に配置された」ものでなければならないのに対し, 丙10発明Aでは,そのような限定が無い点(相違点29)であるところ, 上記相違点は,丙10発明Aに基づき,当業者が容易に想到できた。 また,本件発明3と丙11発明Aの相違点は,①本件発明3は「前記水平方向に配置されたドットの端点に位置する当該ドットから等間隔に所定個数垂直方向に配置されたドット」を有するのに対し,丙11発明Aの「縦方向の基準格子線1c,1d」には「基準格子点ドット2」は配置さ れていない点(相違点30),②本件発明3では,その「当該ドット本来の位置からのずらし方によって前記ドットパターンの向きを意味している」ドットは「前記垂直方向に配置されたドット」であるのに対し,丙11発明Aでは「横方向の該基準格子線1a,1b上に設けられた仮想格子点上」の「基準格子点ドット」である点(相違点31)の2点であるとこ ろ,上記相違点は,丙11発明Aと丙12発明を組み合わせることによって,当業者が容易に想到できた。 本件発明4本件発明4と丙10発明Aの相違点は,①本件発明4では,その「ドットの1つ」は「垂直方向に配置された」も 明Aと丙12発明を組み合わせることによって,当業者が容易に想到できた。 本件発明4本件発明4と丙10発明Aの相違点は,①本件発明4では,その「ドットの1つ」は「垂直方向に配置された」ものでなければならないのに対し, 丙10発明Aでは,そのような限定が無い点(相違点32)であるところ,上記相違点は,丙10発明Aに基づき,当業者が容易に想到できた。 また,本件発明4と丙11発明Aの相違点は,①本件発明4は「前記水平方向に配置されたドットの端点に位置する当該ドットから等間隔に所定個数垂直方向に配置されたドット」を有するのに対し,丙11発明Aの 「縦方向の基準格子線1c,1d」には「基準格子点ドット2」は配置されていない点(相違点33),②本件発明4では,その「当該ドット本来の位置からのずらし方によって前記ドットパターンの向きを意味している」ドットは「前記垂直方向に配置されたドット」であるのに対し,丙11発明Aでは「横方向の該基準格子線1a,1b上に設けられた仮想格子 点上」の「基準格子点ドット」である点(相違点34)の2点であるが, 上記相違点は,丙11発明Aと丙12発明を組み合わせることによって,当業者が容易に想到できた。 本件発明5本件発明5と丙10発明Bの相違点は,①本件発明5では,その「ドットの1つ」は「垂直方向に配置された」ものでなければならないのに対し, 丙10発明Bでは,そのような限定が無い点(相違点35)であるところ,上記相違点は,丙10発明Bに基づき,当業者が容易に想到できた。 また本件発明5と丙11発明Bの相違点は,①本件発明5は「前記水平方向に配置されたドットの端点に位置する当該ドットから等間隔に所定個数垂直方向に配置されたドット」を有するのに対し,丙1 きた。 また本件発明5と丙11発明Bの相違点は,①本件発明5は「前記水平方向に配置されたドットの端点に位置する当該ドットから等間隔に所定個数垂直方向に配置されたドット」を有するのに対し,丙11発明Bの 「縦方向の基準格子線1c,1d」には「基準格子点ドット2」は配置されていない点(相違点36),②本件発明5では,その「当該ドット本来の位置からのずらし方によって前記ドットパターンの向きを意味している」ドットは「前記垂直方向に配置されたドット」であるのに対し,丙11発明Bでは「横方向の該基準格子線1a,1b上に設けられた仮想格子 点上」の「基準格子点ドット」である点(相違点37)の2点であるところ,上記相違点は,丙11発明Bと丙12発明を組み合わせることによって,当業者が容易に想到できた。 (原告の主張)ア優先権主張について 本件特許1に係る本件明細書1の【0184】~【0202】Ⅰ及び図103においては,格子領域の中心からずれることで情報が表現されるドットパターン803等について,「格子ドット」を用いることで,ドットパターン601の画像データを取り込むときに正確に認識することができる実施例が開示されている。一方,本件基礎出願3の明細書の【0014】【00 15】及び図2には,「格子ドット3b」(△マークのドット)を用いて,ド ットパターン1を正確に認識することができる実施例が記載されており,図2には,本件明細書1の図103と同様,ドットがそのもの(あるべき)位置である,格子領域の中心から8方向にずれることで情報が表現されている。 以上については,本件特許2~4についても,同様である。 したがって,本件特許1~4に係る本件明細書1~4の図103~図10 6の実施例は,本件基礎 方向にずれることで情報が表現されている。 以上については,本件特許2~4についても,同様である。 したがって,本件特許1~4に係る本件明細書1~4の図103~図10 6の実施例は,本件基礎出願3の願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載された事項(記載されたに等しい事項を含む)であるか,記載された事項から自明な事項である。 さらに,本件基礎出願3の明細書の【0014】【0015】及び図2と同様の記載が,本件基礎出願4及び5の明細書にあるから,本件特許1~4 に係る明細書の図103~図106の実施例は,本件基礎出願4及び5の願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面にそれぞれ記載された事項(記載されたに等しい事項を含む)であるか,記載された事項から自明な事項である。 したがって,本件特許1~4に係る発明について,少なくとも,本件基礎 出願4及び5を基準とする優先権主張が認められる。 イ出願日の遡及について本件特許1~4を含む第4世代出願以下の分割出願の明細書に記載された事項は,第2世代出願の明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入しない ものであるので,第2世代出願の出願当初の明細書,特許請求の範囲及び図面に記載された事項の範囲である。したがって,第4世代出願以下の分割出願の出願日は,本件原出願の出願日である平成15年9月26日まで遡及する。 ウ分割出願の出願日が遡及し,優先権主張も認められる場合について 丙5発明の技術的事項の特徴は,ドットが存在する黒部分には「1」,存 在しない白部分には「0」が記録されるデータドット7とブロックの認識に利用するマーカ5とマーカ間に配置さ 丙5発明の技術的事項の特徴は,ドットが存在する黒部分には「1」,存 在しない白部分には「0」が記録されるデータドット7とブロックの認識に利用するマーカ5とマーカ間に配置されたマッチングドットパターン部6とによって情報データを記述し,読み取ることにある。一方,丙6発明の技術的事項の特徴は,少なくとも一部のマークをラスタ線上に配置するという制限を設けることによって,丙5発明におけるマーカ5とマッチングドット パターン部6のような,「データドットパターン部3内の各ドットの読取基準点」を示すパターンを不要とし,すべてのマークによって位置コード化パターンの形成(コード化)と読み取りを可能にしたものである。 そうすると,上記のような制限のある丙6発明に記載されたマークを丙5発明Aの「データドットパターン部3」として採用したとしても,構成要件 B1となることはないから,当業者は相違点1,4,7,9,11は解消できない。 したがって,本件発明1~5は当業者が容易に発明できたものではない。 エ分割出願の出願日が遡及するものの,優先権主張が認められない場合について 丙9発明は,微細単位が,“1”の値を割当てられ,また,第2状態の状態領域113における微細単位が,“0”の値を割当てられる点で,丙5発明と同様である。したがって,前記ウで主張したのと同様の理由により,丙9発明に対し丙6発明を組み合わせたとしても本件発明1の構成に容易に想到できるものではない。 ⑿ 新規性を欠いているか(争点4-6)(被告らの主張)本件発明1~5に係る特許の出願日が,それぞれ現実の出願日等である平成20年9月1日,平成22年11月30日,平成23年2月28日,平成24年9月28日等とされた場合,本 (被告らの主張)本件発明1~5に係る特許の出願日が,それぞれ現実の出願日等である平成20年9月1日,平成22年11月30日,平成23年2月28日,平成24年9月28日等とされた場合,本件発明1~5は,丙12発明と同一であるか ら,新規性を欠く。 (原告の主張)前記⑾イの原告の主張で述べたとおり,本件特許1~4の出願日は本件原出願の出願日(平成15年9月26日)まで遡及するから,被告らの主張には理由がない。 ⒀ 産業上利用可能性を欠いているか(争点4-7) (被告らの主張)本件発明1,3及び4は,その発明の実施においてソフトウェアを利用する発明であるが,特許・実用新案審査ハンドブックにおいて,ソフトウェア関連発明が自然法則を利用した科学的思想の創作となる例として挙げられたものにはいずれも該当しないから,特許法29条1項柱書の要件を満たしていない。 (原告の主張)本件発明1,3及び4は,いずれもドットを用いるものであり,ドットは光学的に検知可能なものであるから自然法則を利用している上,複数のドットの構造上の特徴を有するものであるから,単なる情報の提示ではなく,技術的思想に該当する。そして,本件明細書1,3及び4記載のとおり,これらの発明 は,多数のアプリケーションに適用可能であり,産業利用できる発明である。 したがって,本件発明1,3及び4は特許法29条1項柱書の要件を満たしている。 ⒁ 特許法39条2項に違反しているか(争点4-8)(被告らの主張) 本件発明3と本件発明4を対比すると,本件発明3が「ドットパターン」であるのに対し,本件発明4が「ドットパターンが形成された媒体」で相違し,その他の点では相違しない。そして,本件発明3のような「ド 本件発明3と本件発明4を対比すると,本件発明3が「ドットパターン」であるのに対し,本件発明4が「ドットパターンが形成された媒体」で相違し,その他の点では相違しない。そして,本件発明3のような「ドットパターン」は通例何らかの「媒体」上に形成されて用いられるものであることから,「ドットパターン」と「ドットパターンが形成された媒体」の関係は,課題解決のた めの具体化手段における微差,すなわち,周知技術,慣用技術の付加,削除, 転換等であって,新たな効果を奏するものではない。 したがって,本件発明3と本件発明4は同一であるから,特許法39条2項により特許を受けることができない。 (原告の主張)「ドットパターンが形成された媒体」の発明は,「ドットパターン」の発明と は異なり,情報システムを構成する部品として機能し,本件明細書4に記載された様々なアプリケーションに含まれる部品としての効果を発揮する。このような効果がある以上,「ドットパターン」と「ドットパターンが形成された媒体」の関係は,課題解決のための具体化手段における微差ではない。 ⒂ 損害の数額(争点5) (原告の主張)ア被告各製品の販売により得た利益被告各製品の1個当たりの利益は2万5000円を下らず,年間販売数は8000個を下らないと推測されるから,年間推定利益は2億円(2万5000円×8000個)を下らない。 被告は,遅くとも平成22年11月1日から被告各製品を販売しているから,被告が同日から本件訴訟提起日である平成30年3月30日までの間に得た利益額は16億6666万6666円(2億円×8年4か月)を下らない。 イ弁護士・弁理士費用 被告による不法行為と相当因果関係ある弁護士・弁理士費用相当の損害 月30日までの間に得た利益額は16億6666万6666円(2億円×8年4か月)を下らない。 イ弁護士・弁理士費用 被告による不法行為と相当因果関係ある弁護士・弁理士費用相当の損害額は,1億6666万6666円を下らない。 (被告らの主張)争う。 第3 当裁判所の判断 1 本件各発明及びその意義 ⑴ 本件明細書1~4の発明の詳細な説明には,以下の記載がある(甲4,7,10,13)。 ア発明の属する技術分野「本発明は,印刷物に形成したドットパターン情報を光学的に読み取り該ドットパターンに対応した種々の情報を再生する技術に関する。」【000 1】Ⅰ~Ⅳイ背景技術「従来より,光センサを用いて絵本やゲームカードに印刷されたバーコードを読み取り,特定の音声を発音させる音声発生玩具が提案されている。 これらの音声発生玩具では,読み込んだバーコードに対応した音声情報を メモリから読み出すことで多種の音声情報を再生できるようにしていた。」【0002】Ⅰ~Ⅳ「しかし,このようなバーコードを用いた技術は,紙面上にバーコード印刷用の専用領域を確保しなければならず,かつバーコードは情報処理システムが読み取るためのものであり,絵本や書籍の読者にとっては目視でそ のコード内容を把握しかねるものであったため,限られた紙面上にバーコードが印刷されていることは読者にとっては煩わしく絵本等書籍の製品価値を下げかねないものとなっていた。」【0003】Ⅰ~Ⅳ「さらに,上記のようにバーコード技術は,紙面上に印刷された文字,図形,記号に重ねて印刷することができないために,これらの文字,図形,記 号等に対して音声再生を行いたい場合に文字等の近傍にバーコードを印刷するしかな ーコード技術は,紙面上に印刷された文字,図形,記号に重ねて印刷することができないために,これらの文字,図形,記 号等に対して音声再生を行いたい場合に文字等の近傍にバーコードを印刷するしかなく,読者にとって直感的に文字等に別の音声情報等が付加されていることを伝えにくい特性を有していた。」【0004】Ⅰ~Ⅳ「この点について,特開平10-261059号公報に開示されている『ドットコード』技術では,ドットパターンで印刷されたコード情報を読 み取って情報を再生させる方法が提案されている。」【0005】Ⅰ~Ⅳ 「係る先行技術では,ブロック領域内のドットパターンの配置の仕方によってデータを定義するとともに,データドットパターンではあり得ないドットパターンでマーカを定義することにより,これを同期信号として機能させている。したがって,この技術では,ドットを所定の法則で紙面の二次元方向に印刷したドットパターンをペン型のスキャナで読み取り,このス キャナの走査速度と走査方向を情報処理装置で解析して予め対応付けられた音声等の情報を再生させる方法となっている。」【0006】Ⅰ~Ⅳ「しかし,係るドットコード技術では,動的にスキャナを走査させることを前提としているために,紙面に印刷された文字に沿って音声情報を再生することは可能であるものの, 紙面上にキャラクタ等が自由に印刷配置さ れた絵本等で静的に読取装置を当接させるだけで情報を再生させたいような用途には不向きであった。すなわち,このドットコード技術では意味のあるコード情報を取得するためにはXY座標上で一定の距離以上のスキャニングを実行する必要があるため,紙面上に印刷された極小領域にドットコードを対応付けて印刷することはできなかった。」【0007】Ⅰ~Ⅳ ド情報を取得するためにはXY座標上で一定の距離以上のスキャニングを実行する必要があるため,紙面上に印刷された極小領域にドットコードを対応付けて印刷することはできなかった。」【0007】Ⅰ~Ⅳ ウ発明が解決しようとする課題「本発明は,極小領域であってもコード情報やXY座標情報が定義可能なドットパターンを提案し,係るドットパターンに基づいた情報再生方法および情報再生装置を提案するものである。」【0008】Ⅰ~Ⅳ「特に,ドットパターンに関連付けられた音声情報を再生する音声情報再 生装置を提案するものである。」【0009】Ⅱエ発明の効果「本発明によれば,極小領域であってもコード情報やXY座標情報が定義可能なドットパターンを提供することができる。」【0009】Ⅰ~Ⅳ「本発明によれば,ドットパターンを読み取る光学読取手段と,ドットパ ターンに対応する音声情報を出力する音声情報出力手段とが一体となって いるため,ドットパターンによる音声再生を,より簡易かつ便利に実現することが可能となる。」【0056】Ⅱ⑵ 本件各発明の意義前記⑴によれば,本件各発明の意義は以下のとおりであると認められる。 従来から,光センサを用いて絵本やゲームカードに印刷されたバーコードを 読み取り,特定の音声を発音させる音声発生玩具が提案されており,先行技術においては,バーコードに代わってドットパターンで印刷されたコード情報を読み取って情報を再生させる方法が提案されていた。同技術においては,ドットを所定の法則で紙面の二次元方向に印刷したドットパターンをペン型のスキャナで読み取り,このスキャナの走査速度と走査方向を情報処理装置で解析 してあらかじめ対応付けられた音声等の情報を再生させるが,動的にスキャ 面の二次元方向に印刷したドットパターンをペン型のスキャナで読み取り,このスキャナの走査速度と走査方向を情報処理装置で解析 してあらかじめ対応付けられた音声等の情報を再生させるが,動的にスキャナを走査させることを前提としているために,紙面上にキャラクタ等が自由に印刷配置された絵本等で静的に読取装置を当接させるだけで情報を再生させる用途には不向きであった。 本件各発明は,印刷物に形成したドットパターン情報を光学的に読み取り該 ドットパターンに対応した種々の情報を再生する技術に関するものであり,極小領域であってもコード情報やXY座標情報が定義可能なドットパターンを提案し,このドットパターンに基づいた情報再生方法及び情報再生装置を提案するものである。 本件発明1はドットパターン,本件発明2は本件発明1に係るドットパター ンを読み取って音声を再生する音声情報再生装置,本件発明3はドットパターン,本件発明4は本件発明3に係るドットパターンが形成された媒体,本件発明5は本件発明3に係るドットパターンを撮影してその定義するデータ内容に対応した情報を出力する情報処理装置の発明である。 2 本件明細書1~4におけるドットパターンの記載 本件明細書1~4には,発明に係るドットパターンについて説明した以下の記 載がある(本件明細書1~4に同じ記載がある。)また,本件明細書1~4には,それぞれ,同じ図1~図113が掲載されており,このうち,ドットパターンを示すものとして,図2,図5~8,図22,図103~図106がある(本判決別紙図面目録の各図面)。 「図1は本発明のドットパターンを用いた情報再生方法の構成を示すブロック 図であり、(a)はドットコードの生成について、(b)はドットパターンの認識についての 決別紙図面目録の各図面)。 「図1は本発明のドットパターンを用いた情報再生方法の構成を示すブロック 図であり、(a)はドットコードの生成について、(b)はドットパターンの認識についての説明図である。図2はドットパターンの一例を示す正面図である。図3は絵本と情報再生方法の状態を説明する機能ブロック図である。」【0014】Ⅰ,【0058】Ⅱ,【0060】Ⅲ,【0054】Ⅳ「本発明のドットパターン601の生成は、ドットコード生成アルゴリズムに より、音声情報を認識させるために微細なドット605を第一方向ライン603に所定の規則に則って配列し、かつこの第一方向ライン603に交差するように配置した第二方向ライン604に所定の規則に則ってドット605を配列する。 さらに、パソコン608内のメモリまたはカメラ602内に設けられたメモリにマッピングテーブルも生成する。この第一方向ライン603と第二方向ライン6 04とは90度の角度で交差させたものに限定されず、たとえば、60度の角度で交差させたものでもよい。」【0017】Ⅰ,【0061】Ⅱ,【0063】Ⅲ,【0057】Ⅳ「図4は他のドットパターンを用いた情報再生方法の構成を示すブロック図であり、(a)はドットコードの生成について、(b)はドットパターンの認識につ いての説明図である。図5から図8は他のドットパターンの一例を示す正面図である。」【0023】Ⅰ,【0067】Ⅱ,【0069】Ⅲ,【0063】Ⅳ「上述したようにカメラ602で取り込んだ画像データは,画像処理アルゴリズムで処理してドット605を抽出し,歪率補正のアルゴリズムにより,カメラ602が原因する歪とカメラ602の傾きによる歪を補正するので,ドットパタ ーン601の画像データを取り込むと アルゴリズムで処理してドット605を抽出し,歪率補正のアルゴリズムにより,カメラ602が原因する歪とカメラ602の傾きによる歪を補正するので,ドットパタ ーン601の画像データを取り込むときに正確に認識することができる。」【00 24】Ⅰ,【0068】Ⅱ,【0070】Ⅲ,【0064】Ⅳ「このドットパターンの認識では,先ず連続する等間隔のドット605により構成されたラインを抽出し,その抽出したラインが正しいラインかどうかを判定する。このラインが正しいラインでないときは別のラインを抽出する。」【0025】Ⅰ,【0069】Ⅱ,【0071】Ⅲ,【0065】Ⅳ 「次に,抽出したラインの1つを水平ラインとする。この水平ラインを基準としてそこから垂直に延びるラインを抽出する。垂直ラインは,水平ラインを構成するドットからスタートし,次の点もしくは3つ目の点がライン上にないことから上下方向を認識する。」【0026】Ⅰ,【0070】Ⅱ,【0072】Ⅲ,【0066】Ⅳ 「最後に,情報領域を抽出してその情報を数値化し,この数値情報を再生する。」【0027】Ⅰ,【0071】Ⅱ,【0073】Ⅲ,【0067】Ⅳ「図21は本発明のカメラ入力による情報入出力方法の構成を示すブロック図であり、(a)はドットコードの生成について、(b)はドットパターンの認識についての説明図である。図22はドットパターンの一例を示す正面図である。」 【0061】Ⅰ,【0105】Ⅱ,【0107】Ⅲ,【0101】Ⅳ「次に,本発明におけるドットパターンの仕様について図103~図106を用いて説明する。」【0184】Ⅰ,【0228】Ⅱ,【0230】Ⅲ,【0224】Ⅳ「ドットパターン部601は,図105に示すように,格子状に配 ドットパターンの仕様について図103~図106を用いて説明する。」【0184】Ⅰ,【0228】Ⅱ,【0230】Ⅲ,【0224】Ⅳ「ドットパターン部601は,図105に示すように,格子状に配置されたド ットで構成されている。なお縦横方向の格子線はドットの配置位置を説明するためのものであり実際の印刷物上には存在しない。」【0185】Ⅰ,【0229】Ⅱ,【0231】Ⅲ,【0225】Ⅳ「ここで,4×4個の格子領域を1つのデータブロックまたは格子ブロックと呼び,この格子ブロックの四隅(格子線の交点(格子点)上)には格子ドットL Dが配置されている。格子ドットLD同士の間隔は0.35mm~1.0mm, 好ましくは0.5mm程度であることが最適である。また,ドットの直径は前記格子ドット間隔の8~10%程度であることが望ましい。」【0186】Ⅰ,【0230】Ⅱ,【0232】Ⅲ,【0226】Ⅳ「どの格子ブロックからどの格子ブロックまでが1つのデータであるかを示すためにキードットKDを配置している。」【0187】Ⅰ,【0231】Ⅱ,【02 33】Ⅲ,【0227】Ⅳ「キードットKDとは,格子ドットLDの位置をずらしたものである。すなわち,格子ドットLDは本来格子点上に配置されているが,この位置をずらしてキードットKDを配置している。なお,キードットKDの格子点からのずれは約20%前後程度が好ましい。」【0188】Ⅰ,【0232】Ⅱ,【0234】Ⅲ,【0 228】Ⅳ「前記キードットKDに囲まれた領域,またはキードットKDを中心にした領域が1つのデータを構成している。」【0189】Ⅰ,【0233】Ⅱ,【0235】Ⅲ,【0229】Ⅳ「このデータの並びは,図104に示すように,左上から下方 ,またはキードットKDを中心にした領域が1つのデータを構成している。」【0189】Ⅰ,【0233】Ⅱ,【0235】Ⅲ,【0229】Ⅳ「このデータの並びは,図104に示すように,左上から下方向に向かって順 番に配置されている。」【0190】Ⅰ,【0234】Ⅱ,【0236】Ⅲ,【0230】Ⅳ「データは,図103に示すように,ドット605を格子ブロック内の中心点からどの程度ずらすかによってデータ内容が定義できるようになっている。同図では,中心から等距離で45度ずつそれぞれずらした点を8個定義することによ って単一の格子ブロックで8通り,すなわち3ビットのデータを表現できるようになっている。なお,さらに中心点から距離を変更した点をさらに8個定義すれば16通り,すなわち4ビットのデータを表現できる。」【0191】Ⅰ,【0235】Ⅱ,【0237】Ⅲ,【0231】Ⅳ「本発明のドットパターンは,1個のデータブロックを構成する格子を自由に 定義することができる点に特徴がある。つまり,前述のようにキードットKDが データ領域の範囲を定義しているため,このキードットKDの配置を変更すれば任意の可変長の格子ブロック群をデータ格納領域として扱うことができるわけである。」【0192】Ⅰ,【0236】Ⅱ,【0238】Ⅲ,【0232】Ⅳ「また,本発明のドットパターンでは,キードットのずらし方を変更することにより,同一のドットパターン部であっても別の意味を持たせることができる。 つまり,キードットKDは格子点からずらすことでキードットKDとして機能するものであるが,このずらし方を格子点から等距離で45度ずつずらすことにより8パターンのキードットを定義できる。」【0193】Ⅰ,【0237】Ⅱ,【0239】Ⅲ, すことでキードットKDとして機能するものであるが,このずらし方を格子点から等距離で45度ずつずらすことにより8パターンのキードットを定義できる。」【0193】Ⅰ,【0237】Ⅱ,【0239】Ⅲ,【0233】Ⅳ「ここで,ドットパターン部をC-MOS等の撮像手段で撮像した場合,当該 撮像データは当該撮像手段のフレームバッファに記録されるが,このときもし撮像手段の位置が紙面の鉛直軸(撮影軸)を中心に回動された位置,すなわち撮影軸を中心にして回動した位置(ずれた位置)にある場合には,撮像された格子ドットとキードットKDとの位置関係から撮像手段の撮像軸を中心にしたずれ(カメラの角度)がわかることになる。この原理を応用すれば,カメラで同じ領域を 撮影しても角度という別次元のパラメータを持たせることができる。そのため,同じ位置の同じ領域を読み取っても角度毎に別の情報を出力させることができる。」【0194】Ⅰ,【0238】Ⅱ,【0240】Ⅲ,【0234】Ⅳ「いわば,同一領域に角度パラメータによって階層的な情報を配置できることになる。」【0195】Ⅰ,【0239】Ⅱ,【0241】Ⅲ,【0235】Ⅳ 「この原理を応用したものが図74,図76,図78に示すような例である。 図74では,ミニフィギュア1101の底面に設けられたスキャナ部1105でこのミニフィギュア1101を台座上で45度ずつ回転させることでドットパターン部の読取り情報とともに異なる角度情報を得ることできるため,8通りの音声内容を出力させることができる。」【0196】Ⅰ,【0240】Ⅱ,【024 2】Ⅲ,【0236】Ⅳ 「本発明において,ダミードットDDを定義することができる。このダミードットDDは,4個の格子ドットLDの正中心に配置 】Ⅰ,【0240】Ⅱ,【024 2】Ⅲ,【0236】Ⅳ 「本発明において,ダミードットDDを定義することができる。このダミードットDDは,4個の格子ドットLDの正中心に配置したドットである(図106(a)参照)。このようなダミードットは,マスク領域毎に境界を定義した絵本等に適している。図106(c)に示すようにmask1とmask2の領域の境界にダミードットDDを配置している。このようなマスク境界にダミードットD D領域を配置することにより,それぞれのマスク領域に定義されたコード情報を同時に読み取ってしまうことを防止している。図106(d)はダミードットDDの配置状態を示した図である。」【0197】Ⅰ,【0241】Ⅱ,【0243】Ⅲ,【0237】Ⅳ「また,絵本等の背景部分については,格子ドットの中心にドットを配置しな い空ドットを配置することが好ましい。空ドットは,情報が記録された通常のデータドットに比べてドット数が少ないため,ドットパターンの目立たない印刷が可能となる。また,空ドットの連続であるために,模様が生じにくく,単一色の背景に適している。」【0198】Ⅰ,【0242】Ⅱ,【0244】Ⅲ,【0238】Ⅳ 「また,本発明では,本来撮影中心を含む1ブロック分のデータを解析する必要があるが,撮影中心の近傍の格子データ(情報データ)をブロックをまたがって読取りデータとしてもよい。このような場合,本来の1ブロックから欠けている情報データに該当するデータを隣り合う他のブロックから読み込んで1ブロック分のデータに補完して入力を完了することができる。」【0199】Ⅰ,【02 43】Ⅱ,【0245】Ⅲ,【0239】Ⅳ「XY座標を定義するドットパターンについては,撮影中心とは異な ロック分のデータに補完して入力を完了することができる。」【0199】Ⅰ,【02 43】Ⅱ,【0245】Ⅲ,【0239】Ⅳ「XY座標を定義するドットパターンについては,撮影中心とは異なるブロックからそれに相当するXY座標を構成する情報ドットを読み,補正をかけて撮影中心のXY座標値とすることができる。」【0200】Ⅰ,【0244】Ⅱ,【0246】Ⅲ,【0240】Ⅳ 「本発明は,以上に説明したような,格子ドットを用いたドットパターンであ るため,撮影条件にあまり左右されないという特性を有している。すなわち,撮影条件(カメラのレンズのひずみ,カメラの写す角度,紙の変形) によってドットパターン全体がひずみを起こした場合,4個の格子ドットで形成される形状と,情報ドットの位置のずれが同様に起きるため,格子ドットからの相対的な位置関係にかわりはなく,これら格子ドットを基準に補正計算を行えば,各情報ドット, キードットについての真の位置がわかる。」【0201】Ⅰ,【0245】Ⅱ,【0247】Ⅲ,【0241】Ⅳ「つまり,本発明の格子ドットを用いたドットパターンは歪みに強いといえる。」【0202】Ⅰ,【0246】Ⅱ,【0248】Ⅲ,【0242】Ⅳ 3 争点4-2(補正要件に違反しているか)について 事案に鑑み,本件特許1及び本件特許2の補正要件違反の有無についての争点4-2を判断する。 ⑴ 補正の内容ア本件特許1に係る本件補正1は,以下の内容を含む。(甲19,20,丙21,58,59) 平成21年1月9日付手続補正書による補正後の特許請求の範囲第1項の「前記ドットパターンは,縦横方向に等間隔に設けられた格子線の交点である格子点を中心に,前記情報ドットをいずれかの方向に,どの程 平成21年1月9日付手続補正書による補正後の特許請求の範囲第1項の「前記ドットパターンは,縦横方向に等間隔に設けられた格子線の交点である格子点を中心に,前記情報ドットをいずれかの方向に,どの程度ずらすかによってデータ内容を定義し,」の「前記情報ドットを」と「いずれかの方向に」との間に,「前記格子点の中心から等距離で45°ずつ ずらした方向のうち」との事項が追加されたこと(本件発明1の構成要件B1)平成21年1月9日付手続補正書による補正後の特許請求の範囲第1項が以下のとおり変更されたことa 変更前 「前記縦方向の所定の格子点間隔ごとに水平方向に引いた第一方向 ライン上と,該第一方向ラインと交差するように前記横方向の所定の格子点間隔ごとに垂直方向に引いた第二方向ライン上とにおいて,前記情報ドットが配置されて情報を表現する部分を囲むように,該縦横方向の複数の格子点上に格子ドットが配置された」b 変更後 「前記情報ドットが配置されて情報を表現する部分を囲むように,前記縦方向の所定の格子点間隔ごとに水平方向に引いた第一方向ライン上と,該第一方向ラインと交差するように前記横方向の所定の格子点間隔ごとに垂直方向に引いた第二方向ライン上とにおいて,該縦横方向の複数の格子点上に格子ドットが配置された」(本件発明1の構成要 件C1) 【0009】Ⅰの記載について,と同じ変更がされたことイ本件特許2に係る本件補正2は,以下の内容を含む。(丙1,22,55,60)願書に最初に添付した特許請求の範囲における第1項が以下のとおり 変更されたことa 変更前「前記所定のドットパターンは,水平方向に所定間隔ごとに所定個数配置された水平基準格子点ドットと,前記水平基準 付した特許請求の範囲における第1項が以下のとおり 変更されたことa 変更前「前記所定のドットパターンは,水平方向に所定間隔ごとに所定個数配置された水平基準格子点ドットと,前記水平基準格子点ドットの端点に位置する当該水平基準格子点ドットから垂直方向に所定 個数配置された垂直基準格子点ドットと,前記水平基準格子点ドットから仮想的に設定された垂直方向基準格子線と,前記垂直方向基準格子点ドットから水平方向に仮想的に設定された水平方向基準格子線との交点を格子点とし,該格子点に囲まれた領域内に配置され,データ内容が定義された情報ドットと,からなるドットパターンで ある」 b 変更後「前記所定のドットパターンは,媒体面上に形成され,且つデータ内容が定義できる情報ドットが配置されたドットパターンであって,縦横方向に等間隔に設けられた格子線の交点である格子点を中心に,前記情報ドットを前記格子点の中心から等距離で45°づつ ずらした方向のうちいずれかの方向に,どの程度ずらすかによってデータ内容を定義し,前記情報ドットが配置されて情報を表現する部分を囲むように,前記縦方向の所定の格子点間隔ごとに水平方向に引いた第一方向ライン上と,該第一方向ラインと交差するように前記横方向の所定の格子点間隔ごとに垂直方向に引いた第二方向ラ イン上とにおいて,該縦横方向の複数の格子点上に格子ドットが配置されたドットパターンである」)と変更されたこと(本件発明2の構成要件F2~H2)【0010】Ⅱの記載について,と同じ変更がされたこと。 当初明細書の記載 ア本件特許1に係る出願の願書に最初に添付した明細書(丙58。以下,図面も含めて「当初明細書1」という。)には,本件明細書1の図2,図5~図8,図 更がされたこと。 当初明細書の記載 ア本件特許1に係る出願の願書に最初に添付した明細書(丙58。以下,図面も含めて「当初明細書1」という。)には,本件明細書1の図2,図5~図8,図22,図103~図106と同じ図面に加え,前記2の【0023】~【0027】Ⅰ,【0184】~【0202】Ⅰと同一の段落に同一の記載がある。 本件特許2に係る出願の願書に最初に添付した明細書(丙55。以下,図面も含めて「当初明細書2」という。)には,本件明細書2の図2,図5~図8,図22,図103~図106と同じ図面に加え(本件明細書1の各図面と同じ),前記2の【0067】~【0071】Ⅱ,【0228】~【0246】Ⅱと同一の段落に同一の記載がある。以下,本争点においては,当初 明細書1,2の記載を示すものとして,段落番号とその後にⅠ,Ⅱを示し, また,図面を示す。 そして,上記図面のうち,図2及び図22は,いずれも,発明の詳細な説明において,ドットパターンを示す一例であるとだけ記載され,ドットパターンの内容に関する説明はなく(【0014】Ⅰ,【0058】Ⅱ,【0061】Ⅰ,【0105】Ⅱ),発明の詳細な説明にドットパターンの内容につい ての記載があるのは,図5~図8のドットパターンと,図103~106のドットパターンである。 イ図5~図8のドットパターンに関係して,前記2のとおり,【0023】~【0027】Ⅰ,【0067】~【0071】Ⅱの記載がある。これらには,情報を示すドットパターンについて,等間隔のドットにより構成され たラインが抽出されるとともに,そのうちの一つを水平ラインとして,そこから垂直に延びるラインを抽出し,その垂直ラインは,水平ラインを構成するドットの次の点,または3つ目の点が により構成され たラインが抽出されるとともに,そのうちの一つを水平ラインとして,そこから垂直に延びるラインを抽出し,その垂直ラインは,水平ラインを構成するドットの次の点,または3つ目の点がライン上にないことから上下方向を認識し,情報領域を抽出して,その数値情報を再生することが記載されている(以下,図5~図8や上記発明の詳細な説明に記載されている 技術思想のドットパターンを「図5ドットパターン」ということがある。)。 図5について,説明のため,垂直方向のラインについて,LV1,LV2などの符号を付し,水平方向のラインについて,LH1,LH2などの符号を付し,ドットにD1,D2などの番号を付したものが別紙図5その2である。 LH1,LH13上には,水平方向に等間隔にドットが配置されている。 LV1は,LH1,LH13上に配置されたドットから垂直方向に延びるところ,LV1上には,垂直方向に基本的に等間隔にドットが配置されている。ただし,LV1とLH4との交点にはドットはなく,その交点から左に矢印が伸び,その先にドットがあり,このドットに「x,y座標フラ グ」との説明がある。また,LV13上には,垂直方向に基本的に等間隔 にドットが配置されているが,LV13とLH4との交点にはドットがなく,その左側にドットがある。そして,図5には,概ね,LV1,LV13,LH1,LH13で囲まれる範囲に対応する,点線で囲まれた部分が「この部分で情報を表現」と説明されている。そうすると,図5では,LH1,LH13が第一方向ラインであり,LV1,LV13が第二方向ラ インであって,それらにより情報領域が示されているといえる。また,図5で「情報を表現」として記載されている部分をみると,例えば,第一方向ライン上に配置さ ンであり,LV1,LV13が第二方向ラ インであって,それらにより情報領域が示されているといえる。また,図5で「情報を表現」として記載されている部分をみると,例えば,第一方向ライン上に配置されたドット(D8,D20,D30)から垂直方向に延びるライン(LV4,LV7,LV10)と,第二方向ライン上に配置された各ドット(D2~D4)から水平方向に延びるライン(LH4,L H7,LH10)の各交点について,水平方向及び垂直方向に矢印が示され,その先に水平方向及び垂直方向に各1個のドットが記載されている。 D8から垂直方向に延びるLV4と,D2から水平方向延びるLH4上の交点について,同交点から上にずれた場合はy1を示し,下にずれた場合はy0を示し,右にずれた場合はx1を示し,左にずれた場合はx0を示 すと記載され,図5では,上にずれたドット(D9)と右にずれたドット(D14)が示され,それがX座標,Y座標ともに1を示す旨が記載されている。そして,図5のドットパターンがx座標,y座標を示しているとして,その具体的な座標が記載されている。 図6に示されたドットパターンは,概ね図5に示されたドットパター ンと同じであるが,第二方向ライン上にドットがない部分について右に矢印が示されその先にドットがあり,このドットに「一般コードフラグ」との説明がある。第一方向ラインと第二方向ラインで概ね囲まれる「この部分で情報を表現」とされている部分では,第一方向ライン上に配置されたドットから垂直方向に延びるラインと,第二方向ライン上に配置され た各ドットから水平方向に延びるラインの交点から,上にずれた場合に はc0,右にずれた場合にはc1,下にずれた場合にはc2,左にずれた場合にはc3などと示され,各交点について,水平 た各ドットから水平方向に延びるラインの交点から,上にずれた場合に はc0,右にずれた場合にはc1,下にずれた場合にはc2,左にずれた場合にはc3などと示され,各交点について,水平方向又は垂直方向にずれたドットが1個示されている。そして,図6のドットパターンがコードを示しているとして,その具体的なコードが記載されている。 図7に示されたドットパターンは,概ね図5に示されたドットパターン と同じであり,第一方向ラインと第二方向ラインで概ね囲まれ「この部分で情報を表現」とされている部分では,第一方向ライン上に配置されたドットから垂直方向に延びるラインと,第二方向ライン上に配置された各ドットから水平方向に延びるラインの交点から,上にずれた場合にはy1,下にずれた場合にはy2,右にずれた場合にはx2,左にずれた場合には x1などと示され,各交点について,水平方向又は垂直方向にずれたドットが1~3個示されている。そして,図7のドットパターンがx座標,y座標を示しているとして,その具体的な座標が記載されている。 図8に示されたドットパターンは,概ね図5に示されたドットパターンと同じであるが,第二方向ライン上にドットがない部分について右に 矢印が示されその先にドットがあり,このドットに「一般コードフラグ」との説明がある。第一方向ラインと第二方向ラインで概ね囲まれ「この部分で情報を表現」とされている部分では,第一方向ライン上に配置されたドットから垂直方向に延びるラインと,第二方向ライン上に配置された各ドットから水平方向に延びるラインの各交点について,水平方向又は 垂直方向にずれたドットが1~3個示されている。そして,図8のドットパターンがコードを示しているとして,その具体的なコードが記載されている。 向に延びるラインの各交点について,水平方向又は 垂直方向にずれたドットが1~3個示されている。そして,図8のドットパターンがコードを示しているとして,その具体的なコードが記載されている。 ウ図103~106のドットパターンに関係して,前記2のとおり,段落【0184】~【0195】Ⅰ,【0228】~【0246】Ⅱの記載があ る。これらによれば,そのドットパターンは,格子状に配置されたドット で構成される。そして,格子ドットLDと呼ばれるドットを四隅に配置し,その4つの格子ドットLDで囲まれた領域の中心からどの程度ずらすかによってテータ内容が定義され,例えば,同領域の中心から等距離の位置で45度ずつずらした点を8個定義することで,8通りのデータを表現でき,このずらす距離を変更した点を8個定義することで16通りのデータを表 現できる。また,格子ドットLDは,本来,縦横方向の格子線の交点上である格子点上に配置されるが,その位置をずらしたドットをキードットKDとして,このキードットKDに囲まれた領域,又は,キードットKDを中心にした領域が一つのデータを示している。また,キードットKDを格子点から等距離で45°ずつずらすことにより,その角度ごとに別の情報 を定義することができることなどが記載されている。(以下,図103~106や上記発明の詳細な説明に記載されている技術思想のドットパターンを「図105ドットパターン」ということがある。)図105について,垂直方向のラインについて,LV1,LV2などの符号を付し,水平方向のラインについて,LH1,LH2などの符号を付 し,ドットにD1,D2などの番号を付したものが別紙図105その2である。 図105においては,例えば,垂直方向の格子線であるLV1, 水平方向のラインについて,LH1,LH2などの符号を付 し,ドットにD1,D2などの番号を付したものが別紙図105その2である。 図105においては,例えば,垂直方向の格子線であるLV1,LV3,LV5と,水平方向の格子線であるLH1,LH3,LH5の交点に格子ドットが配置され,格子ドットが四隅に配置されている領域が示されてい る(例えば,D1,D2,D13,D12(ただし後述)を四隅とするもの,D2,D3,D14,D13を四隅とするもの)。そして,その4個の格子ドットで囲まれる領域の中心から等距離の位置でいずれかの位置に1個のドットが配置されていることが示され(例えば,D7,D8),図105全体では,上記領域の中心から等距離の位置で,45°ずつずれた 位置のいずれか1つの位置にドットが配置されることが記載されている。 また,図103には,交点から45°ずつずれた位置にドットを配置する構成が記載されている。そして,D12やD56は,垂直方向の格子線であるLV3又はLV11上にあるが,水平方向の格子線であるLH1上にはなく,これらは,格子線の交点からずれたキードットKDであることが示されている。 ア本件補正1及び2による補正後の構成要件B1・G2は「(前記ドットパターンは,)縦横方向に等間隔に設けられた格子線の交点である格子点を中心に,前記情報ドットを前記格子点の中心から等距離で45°ずつずらした方向のうちいずれかの方向に,どの程度ずらすかによってデータ内容を定義し」である。 当初明細書1及び2の記載や図における図105ドットパターンにおいて,4個の格子ドットで囲まれる領域の中心は,それらの格子ドットが配置されている格子線の中間にそれらと並行して存在するといえる格子線の交点ともい 及び2の記載や図における図105ドットパターンにおいて,4個の格子ドットで囲まれる領域の中心は,それらの格子ドットが配置されている格子線の中間にそれらと並行して存在するといえる格子線の交点ともいえるから(例えば,格子点D1,D2,D13,D12で囲まれる領域の中心は,垂直方向の格子線であるLV1,LV3の間のLV2と,水 平方向の格子線であるLH1,LH3の間のLH2の交点といえ,また,LV2,LV4,LV6,LH2,LH4,LH6は,縦横方向に等間隔に設けられた格子線ともいえる。),上記構成要件B1・G2に係る構成は,【0184】~【0195】Ⅰ,【0228】~【0246】Ⅱ及び図105に記載されているといえる。 他方,図5ドットパターンにおいて,図5~図8では,縦横方向に等間隔で設けられた格子線(例えばLV4,LV7,LV10,LH4,LH7,LH10)の交点から等距離に,水平方向及び(又は)垂直方向にずらした位置に各1~3個のドットが記載されて情報を示している。これらでは,縦横方向に等間隔に設けられた格子線の交点である格子点を中心に,情報内容 を定義するドットが格子点の中心からずれることで情報が示されていると いえるが,情報内容を定義するドットは,水平方向及び(又は)垂直方向にずらされるのであり,等距離で90°ずつずらしているとはいえるとしても,等距離で45°ずつずらしているものではない。図5~図8では,格子線の間に設けられた垂直方向及び水平方向のライン(例えば,LV3,LV5,LH3,LH5)が示された上で,それらのラインや格子線の交点に情報を 示すドットが示されていて(例えば,D9,D14),これは情報を示すドットを格子点の中心から等距離で90°ずつずらすことを前提としているもので された上で,それらのラインや格子線の交点に情報を 示すドットが示されていて(例えば,D9,D14),これは情報を示すドットを格子点の中心から等距離で90°ずつずらすことを前提としているものであり,このように交点に情報を示すドットを配置するこの図では情報を示すドットを等距離で45°ずつずらすことは想定されていない。そうすると,上記構成要件B1・G2に係る構成は,【0023】~【0027】 Ⅰ,【0067】~【0071】Ⅱ及び図5~図8に記載されているものではない。 イ本件補正1及び2による補正後の構成要件C1・H2は「前記情報ドットが配置されて情報を表現する部分を囲むように,前記縦方向の所定の格子点間隔ごとに水平方向に引いた第一方向ライン上と,該第一方向ラインと交差 するように前記横方向の所定の格子点間隔ごとに垂直方向に引いた第二方向ライン上とにおいて,該縦横方向の複数の格子点上に格子ドットが配置された(ドットパターンである)」である。 前記アのとおり,当初明細書Ⅰ,Ⅱには,図105ドットパターンに関する記載において,本件補正1及び2による補正後の構成要件B1・G2に係 る構成が記載されていた。しかし,図105ドットパターンにおいては,縦横方向の格子線の交点上である格子点上に格子ドットLDが配置され,その位置をずらしたドットをキードットKDとして,このキードットKDに囲まれた領域,又は,キードットKDを中心にした領域が一つのデータを示すものとされている。このようなキードットKDに囲まれた領域又はキードット KDを中心にした領域が一つのデータを示すものであり,「前記情報ドット が配置されて情報を表現する部分」(C1・H2)であるといえるところ,図105ドットパターンでは,前記のようにキードット Dを中心にした領域が一つのデータを示すものであり,「前記情報ドット が配置されて情報を表現する部分」(C1・H2)であるといえるところ,図105ドットパターンでは,前記のようにキードットKDによって,それに囲まれた領域,又はそれを中心にした領域が情報を表現する部分とされているのであり,また,図105では,情報を表現する部分はキードットKDにより囲まれていることが示されているのであって,そうである以上,「第 一方向ライン」及び「第二方向ライン」(C1・H2)として特定される水平方向及び垂直方向のラインによって,情報を表現する部分を囲んでいると直ちにいえるものではない。したがって,「第一方向ライン」,「第二方向ライン」がない以上,情報を示すドットが配置されて情報を表現する部分を囲むような「第一方向ライン」及び「第二方向ライン」上にドットが配置され ているということもできない。以上によれば,上記構成要件C1・H2に係る構成は,【0184】~【0195】Ⅰ,【0228】~【0246】Ⅱ及び図105に記載されているとは認められない。 なお,図5ドットパターンについて,補正後の構成要件B1・G2に係る構成の記載はないのであるが,図5ドットパターンには,情報ドットが配置 されて情報を表現する部分を囲むように,縦方向の所定のドットの間隔ごとに水平方向に引いた水平ラインと,水平ラインと交差するように横方向の所定のドットの間隔ごとに垂直方向に引いた垂直ラインが存在し,また,それらのライン上において,複数の格子点上に格子ドットが配置されているといえる。したがって,上記構成要件C1・H2に係る構成は,【0023】~ 【0027】Ⅰ,【0067】~【0071】Ⅱ及び図5~図8に記載されているとはいえる。 ア前記⑶によれば ているといえる。したがって,上記構成要件C1・H2に係る構成は,【0023】~ 【0027】Ⅰ,【0067】~【0071】Ⅱ及び図5~図8に記載されているとはいえる。 ア前記⑶によれば,当初明細書1及び2において,構成要件B1・G2に係る構成は,【0184】~【0195】Ⅰ,【0228】~【0246】Ⅱ及び図105には記載されているとはいえるが,そこで記載されているドッ トパターンである図105ドットパターンは構成要件C1・H2の構成を 有するものではない。また,当初明細書1及び2において,構成要件C1・H2に係る構成は,【0023】~【0027】Ⅰ,【0067】~【0071】Ⅱ及び図5~図8には記載されているとはいえるが,そこで記載されているドットパターンである図5ドットパターンは構成要件B1・G2の構成を有するものではない。 そして,図5ドットパターンと図105ドットパターンは,情報ドットのずらし方,1つの交点に対する情報ドットの個数,情報ドット以外のドットの配置,格子線又はラインのうち特定のものを「第一方向ライン」等として特定するか否か,垂直ライン上のドットが本来の位置からのずれ方によってデータの種類を表すか否か,1つのデータを区画するキードットKDが存在 するか否か等,多くの点で相違しており,これらの相違は,各実施例が開示する技術的事項,すなわちドットパターンによる情報の定義方法が相当に異なることに起因する。当初明細書1及び2は,極小領域であってもコード情報やXY座標情報が定義可能なドットパターンを提供するとし(【0013】Ⅰ,【0008】Ⅱ),複数のドットパターンを記載しているのであるが,そ こに記載されたドットパターンである図5ドットパターンと図105ドットパターンの情報の ーンを提供するとし(【0013】Ⅰ,【0008】Ⅱ),複数のドットパターンを記載しているのであるが,そ こに記載されたドットパターンである図5ドットパターンと図105ドットパターンの情報の定義方法は上記のとおり相当に異なるのであり,また,当初明細書1及び2に,これらの異なる情報定義方法を採用した各ドットパターンが採用する情報定義方法を相互に入れ替えたり,重ねて採用したりすることについては何ら記載されていない。したがって,当初明細書1及び2 に,これらのドットパターンを組み合わせたものについての記載があるとはいえないし,それが当業者に自明であるともいえない。 以上によれば,当初明細書1及び2には,いずれも,本件補正1及び2によって変更された構成要件B1・G2及び構成要件C1・H2の構成をいずれも備えるドットパターンについての記載があるとはいえない。 そうすると,当初明細書1又は2において,全ての記載を総合したとして も,当初明細書1又は2には,本件補正1及び2で補正後のドットパターンが記載されているとはいえず,本件補正は,当初明細書1又は2に開示されていない新たな技術的事項を導入するものである。 したがって,本件補正1及び2は,当初明細書1又は2の記載等から導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入したものである から,特許法17条の2第3項の補正要件に違反する。 イこれに対し,原告は,図103~図106の実施例と図5~図8の実施例は,極小領域であってもコード情報やXY座標情報が定義可能なドットパターンを提案するという共通の課題を解決するための異なる実施例であり,これらを組み合わせることは当業者には自明の範囲のものであるから,構成要 件B1・G2及び構成要件C1・H 義可能なドットパターンを提案するという共通の課題を解決するための異なる実施例であり,これらを組み合わせることは当業者には自明の範囲のものであるから,構成要 件B1・G2及び構成要件C1・H2の構成は,いずれも当初明細書1及び2に記載されていると主張する。 しかしながら,図5~図8の実施例で示される図5ドットパターンと図103~図106の実施例で示される図105ドットパターンでは,上記のとおり,情報の定義方法が相当に異なり,それを組み合わせることが当業者に 自明とはいえないし,当初明細書1及び2にそのような組み合わせを前提とした記載も存在しない。原告の上記主張には理由がない。 4 争点4-3(サポート要件に違反しているか)について事案に鑑み,続いて,争点4-3のうち,本件発明3~5についてのサポート要件違反について判断する。 本件発明3の構成要件D3及び本件発明4の構成要件E4の特許請求の範囲の記載は「前記垂直方向に配置されたドットの1つは,当該ドット本来の位置からのずらし方によって前記ドットパターンの向きを意味している」との記載を含み,本件発明5の構成要件D5の特許請求の範囲の記載は,「前記垂直方向に配置されたドットの1つにおける当該ドット本来の位置からのずれ方 によって,前記ドットパターンの向きを認識する手段」との記載を含むもので ある。 これらには,垂直方向に配置されたドットの1つについて,本来の位置に配置せず別の位置に配置すること,そして,「ずらし方によって」「ずれ方によって」ドットパターンの向きを示すとしていることからも,本来の位置と実際に配置された位置との関係に基づいてドットパターンの向きが表現されること が記載されているといえる。 ⑵ア本件明細書3及び4には, トパターンの向きを示すとしていることからも,本来の位置と実際に配置された位置との関係に基づいてドットパターンの向きが表現されること が記載されているといえる。 ⑵ア本件明細書3及び4には,前記1の記載があり,また,ドットパターンに関係して前記2の記載がある。 ここで,本件明細書3及び4には,ドットを本来の位置とは違う位置に配置し,本来の位置と実際に配置された位置のずれ方によってドットパターン の向きを表現することに関係し得るものとして,本件明細書3の【0009】Ⅲに特許請求の範囲と同じ記載があり,後記イのキードットKDのずらし方に関係する記載があることを除いて,何ら記載がない。 イ 【0240】~【0242】Ⅲ,【0234】~【0236】Ⅳには,キードットKDにつき,撮像された格子ドットとキードットKDとの位置関係か らカメラの角度が分かり,カメラで同じ領域を撮影しても角度という別次元のパラメータを持たせることができる旨の記載がある。このようにキードットKDの配置のずらし方によってドットパターンを撮像するカメラの角度が分かることが記載されているところ,その角度が分かるためには配置のずらし方があらかじめ定められていることを前提としているはずであり,ドッ トパターンについていうと,キードットKDの配置のずらし方によって,ドットパターンの向きを示すことが記載されているともいえる。 しかしながら,上記記載は,図105ドットパターンに関するものである(ドットパターンに関する明細書の記載及び図面は,当初明細書1及び2,本件明細書1~4では,いずれも同じであり,本件明細書3,4にも,図1 05ドッパターンと図5ドットパターンが記載されているといえる。)。前記 のとおり,図105ドットパターンにおいて 件明細書1~4では,いずれも同じであり,本件明細書3,4にも,図1 05ドッパターンと図5ドットパターンが記載されているといえる。)。前記 のとおり,図105ドットパターンにおいて,情報を示すドットは4個の格子ドットLDに囲まれた領域の中心から等距離の位置で45°ずつずらしたいずれかの位置に配置されている。しかし,その中心点を交点とするような垂直ラインと水平ラインを仮想的に想定したとして,それらは水平方向あるいは垂直方向に配置されたドットから設定されたものではない。す なわち,図105ドットパターンにおいては,4個の格子ドットLDに囲まれた領域の中心について,そこを交点とする垂直ラインと水平ラインを仮想的に想定するとしても,それらの垂直ラインと水平ラインを設定するドットはない。そうすると,図105ドットパターンは,少なくとも,「前記水平方向に配置されたドットから仮想的に設定された垂直ラインと,前記垂直方 向に配置されたドットから水平方向に仮想的に設定された水平ラインとの交点」である「格子点…からのずれ方でデータ内容が定義された情報ドット」(構成要件C3・D4・C5)に係る構成を有するものではない。また,図105,図106においては,キードットKDは,垂直方向の格子線上にあるが水平方向の格子線上にはないという態様で格子点からずれていて,これ らのキードットKDは「等間隔に所定個数水平方向に配置されたドット」(A3・B4・A5)の1つであり,「前記水平方向に配置されたドットの端点に位置する当該ドットから等間隔に所定個数垂直方向に配置されたドット」(A3・C4・A5)ではないから,「前記垂直方向に配置されたドットの1つは,当該ドット本来の位置からのずらし方によって前記ドットパターン の向きを意味し 所定個数垂直方向に配置されたドット」(A3・C4・A5)ではないから,「前記垂直方向に配置されたドットの1つは,当該ドット本来の位置からのずらし方によって前記ドットパターン の向きを意味している」(構成要件D3・E4・D5)ものには当たらないといえる。 以上によれば,図105ドットパターンは,少なくとも,構成要件C3・D4・C5に対応する構成を有するものではない。また,図105,図106のキードットKDは,構成要件D3・E4・D5の情報ドットではないと もいえる。 そうすると,図105ドットパターンは,本件発明3~5に係るドットパターンと異なるドットパターンである。そのような図105ドットパターンに関してキードットKDについて上記記載があるとしても,その記載をもって,本件発明3~5について,「ずらし方によって前記ドットパターンの向きを意味している」(構成要件D3・E4),「ずれ方によって,前記ドット パターンの向きを認識する手段」(構成要件D5)についての記載があるといえるものではないし,また,当業者にとって,その記載があると理解することはできない。 ウ図5ドットパターンについては,水平ライン(図5その2のLH1,LH13等)上に等間隔に配置されたドット(図5その2のLH1上ではD1, D8,D20,D30等)は「等間隔に所定個数水平方向に配置されたドット」(構成要件A3・B4)「等間隔に所定個数,所定方向に配置されたドットを水平方向に配置されたドット」(構成要件C5)であるといえ,垂直ライン(図5その2のLV1,LV13等)上に等間隔で配置されたドット(例えば,図5その2のD2,D3等)は「前記水平方向に配置されたドットの 端点に位置する当該ドットから等間隔に所定個数垂直方向に配置さ その2のLV1,LV13等)上に等間隔で配置されたドット(例えば,図5その2のD2,D3等)は「前記水平方向に配置されたドットの 端点に位置する当該ドットから等間隔に所定個数垂直方向に配置されたドット」(構成要件B3・C4),「前記所定方向に対して垂直方向に等間隔に所定個数配置されたドットを垂直方向に配置されたドットとして抽出し」(構成要件C5)であるといえる。また,水平ライン及び垂直ライン上に設置された上記各ドットを通過する縦横の格子線の交点から,90°ずつずれたい ずれかの方向にずれた情報ドットは,「前記水平方向に配置されたドットから仮想的に設定された垂直ラインと,前記垂直方向に配置されたドットから水平方向に仮想的に設定された水平ラインとの交点を格子点とし,該格子点からのずれ方でデータ内容が定義された情報ドット」(構成要件C3・D4・C5)であるといえる。 しかしながら,「ずらし方によって前記ドットパターンの向きを意味して いる」(構成要件D3・E4),「ずれ方によって,前記ドットパターンの向きを認識する」(構成要件D5)については,本件明細書3及び4には,関係する記載はないといえる。図5ドットパターンの図5~8において垂直ライン上にドットがないところがあり,そこにはドットが本来の位置と比べて,図5では左(図5その2のD2),図6では左又は右,図7では左,図8では右 にずれた位置にドットが配置されているが,【0069】~【0073】Ⅲ,【0063】~【0067】Ⅳには,これらのドットについて,その本来の位置と実際に配置された位置との関係に基づいてドットパターンの向きを意味することを示す記載は全く存在しない。かえって,上記のドットについて,図5及び図7では,左にずれたドットについて「x その本来の位置と実際に配置された位置との関係に基づいてドットパターンの向きを意味することを示す記載は全く存在しない。かえって,上記のドットについて,図5及び図7では,左にずれたドットについて「x,y座標フラグ」と 記載され,そのドットパターンがx座標,y座標を示すことが記載され,図6及び図8では,右にずれたドットについて「一般コードフラグ」と記載され,そのドットパターンが「一般コード」を示すことが記載されている。そうすると,これらのドットは,ドットの本来の位置と実際に配置された位置との関係によってドットパターンのデータの種類を定義していることがう かがえる。 また,図5ドットパターンについて,【0072】Ⅲ,【0066】Ⅳには,水平ラインから垂直ラインを抽出した後,「垂直ラインは,水平ラインを構成するドットからスタートし,次の点もしくは3つ目の点がライン上にないことから上下方向を認識する。」という記載があり,垂直ライン上のドット の有無によってドットパターンの上下方向を認識することが記載されている。しかし,ここでは,ライン上にドットがあるかないかだけを認識して上下方向を判断することが記載されているのであって,構成要件D3・E4・D5に係る構成である,本来のドットの位置と実際に配置されたドットの位置との関係に基づいてドットパターンの向きが表現されることが記載され ているとはいえない。 これらによれば,図5ドットパターンについても,本件明細書3及び4は,「ずらし方によって前記ドットパターンの向きを意味している」(構成要件D3・E4),「ずれ方によって,前記ドットパターンの向きを認識する手段」(構成要件D5)の構成について,何ら記載はないといえることとなる。その他,本件明細書 ーンの向きを意味している」(構成要件D3・E4),「ずれ方によって,前記ドットパターンの向きを認識する手段」(構成要件D5)の構成について,何ら記載はないといえることとなる。その他,本件明細書3及び4に,本件発明3~5における上記構成について説 明していると解される記載は存在しない。 エ以上によれば,本件明細書3及び4には,「ずらし方によって前記ドットパターンの向きを意味している」(構成要件D3・E4),「ずれ方によって,前記ドットパターンの向きを認識する手段」(構成要件D5)の構成について,具体的に何ら記載がないといえるし,具体的な記載がないにもかかわら ず,当業者が,技術常識に照らして上記構成を理解したことを認めるに足りる証拠もない。 したがって,本件発明3の構成要件D3,本件発明4の構成要件E4,本件発明5の構成要件D5は,本件明細書3及び4の発明の詳細な説明に記載したものとは認められない。 ア原告は,図5~図8において,「ドットパターンの向きを意味している」ドットは,「x,y座標フラグ」又は「一般コードフラグ」と兼用されていると主張する。 しかしながら,図5~図8の記載は上記のようなものであって,そこではドットが「x,y座標フラグ」又は「一般コードフラグ」として記載されて いるが,それ以外に,ドットパターンの向きに関する記載はない。そして,明細書の発明の詳細な説明においても,【0071】~【0073】Ⅲ,【0065】~【0067】Ⅳにおいては,ドットの本来の位置と実際に配置された位置との関係によってドットパターンの向いている方向を認識することについては何ら説明されておらず,また本件明細書3及び4のどこにも, ずれ方によってドットパターンの向きを意味するドットと,データ内容を 関係によってドットパターンの向いている方向を認識することについては何ら説明されておらず,また本件明細書3及び4のどこにも, ずれ方によってドットパターンの向きを意味するドットと,データ内容を定 義するドットとを兼用するとの説明は記載されていない。原告の上記主張には理由がない。 イ原告は,【0239】~【0241】Ⅲ,【0233】~【0235】Ⅳには,キードット(KD)につき,データ領域の範囲を定義する第1の機能と,ずらし方を変更することによりドットパターンの向き(角度)を意味すると いう第2の機能を有することが示されており,図105及び図106(d)では全てのキードット(KD)を一定の方向にずらすことによってドットパターンの向きを表すことが開示されていると主張する。 しかしながら,これらは,図105ドットパターンに関する記載である。 前記⑵イのとおり,図105ドットパターンの情報の定義方法は本件発明3 ~5の構成要件C3・D4・C5に係る構成の情報の定義方法と異なる。当業者において,本件発明3~5の情報の定義方法と異なる情報の定義方法を採用する図105ドットパターンに開示された構成をもって,本件発明3~5の構成要件D3・E4・D5の各構成が開示されていると理解することはできない。原告の上記主張には理由がない。 5 小括以上によれば,本件発明1及び2に係る本件特許1及び2は特許法17条の2第3項に違反し,本件発明3~5に係る本件特許3及び4は同法36条6項1号に違反し,いずれも特許無効審判により無効にされるべきものである(同法123条1項1号,4号)。そうすると,その余を判断するまでもなく,原告は,同法 104条の3第1項により,被告各製品が本件発明1~5の技術的範囲に属すること 無効にされるべきものである(同法123条1項1号,4号)。そうすると,その余を判断するまでもなく,原告は,同法104条の3第1項により,被告各製品が本件発明1~5の技術的範囲に属することを主張して本件各特許権を行使することはできない。 第4 結論 よって,原告の請求は理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第46部 裁判長裁判官柴田義明 裁判官安岡美香子及び裁判官古川善敬は,転勤のため署名押印することができない。 裁判長裁判官柴田義明 (別紙)被告製品目録 1 製品名「ミッキーマジックペンセット」 2 製品名「ミッキーマジックペンアドベンチャーセット」
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