- 1 -令和5年(行ク)第87号執行停止申立事件(本案・令和5年(行ウ)第210号再発防止処分取消請求事件)主文 1 本件申立てを却下する。 2 申立費用は申立人の負担とする。 理由 第1 申立ての趣旨公安審査委員会が申立人に対して令和5年3月13日付けでした再発防止処分に基づく執行は本案事件の判決が確定するまでこれを停止する。 第2 事案の概要 公安審査委員会(以下「公安審」という。)は、令和5年3月13日付けで、無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律(以下「団体規制法」という。)5条1項に基づく観察に付する処分及び同条4項に基づくその期間の更新をする決定を受けた、「A1ことA2を教祖・創始者とするオウム真理教の教義を広め、これを実現することを目的とし、同人が主宰し、同人及び同教 義に従う者によって構成される団体」(以下「本団体」という。)と同一性を有する、「Aleph」の名称を用いる団体(申立人)について、団体規制法8条1項柱書き後段並びに同条2項2号及び5号に基づき、別紙2-1処分目録記載の再発防止処分(以下「本件処分」という。)をした。 本件は、申立人が、本件処分の取消しを求める訴え(本案事件)を提起した 上で、本案事件の判決確定までの間、本件処分に基づく執行の停止を申し立てる事案である。 1 関係法令の定め等本件に関係する法令の定めは、別紙3のとおりであり、団体規制法所定の観察処分及び再発防止処分の概要等は、次のとおりである。 ⑴ 観察処分及び再発防止処分の概要 - 2 -団体規制法は、過去に役職員又は構成員が当該団体の活動として無差別大量殺人行為を行った団体が、現在も無差別大量殺人行為の実行に関連性を有する危険な要素を保持していると認 分の概要 - 2 -団体規制法は、過去に役職員又は構成員が当該団体の活動として無差別大量殺人行為を行った団体が、現在も無差別大量殺人行為の実行に関連性を有する危険な要素を保持していると認められる場合に、当該団体に対し、その活動状況を継続的に明らかにするための処分として観察処分(団体規制法5条)を、無差別大量殺人行為の再発を防止するための処分として再発防止処 分(団体規制法8条)をそれぞれ規定している。 これらの規制措置は、公安調査庁長官が公安審に対して処分の請求を行い、公安審において請求の対象となった団体側からの意見聴取を行った上で決定される(団体規制法12条ないし25条)。 ⑵ 報告義務の意義及び内容 観察処分を受ける団体(及びその期間更新決定を受ける団体)は、過去に無差別大量殺人行為を行い、現在もなお、その属性として無差別大量殺人行為の実行に関連性を有する危険な要素を保持している団体であって、その活動状況を継続して明らかにする必要があると認められる。そこで、団体の活動を支える主要な要素である人的・物的・資金的要素や団体の活動に関する 事項及び団体の属性としての危険な要素と関係のある事項として公安審が特に必要と認める事項を報告させる必要があるため、当該団体には、これらについて報告義務を課すこととしている。 そして、当該団体の活動状況の変化を早期かつ継続的に把握する必要性と当該団体の負担を考慮し、団体規制法は、四半期である3か月ごとに報告義 務を課している。(団体規制法5条3項、5項)⑶ 再発防止処分の意義及び内容団体規制法8条1項柱書き前段は、過去に無差別大量殺人行為を行い、現在も無差別大量殺人行為の実行に関連性を有する危険な要素を保持している団体について、無差別大量殺人行為の発生を防止 の意義及び内容団体規制法8条1項柱書き前段は、過去に無差別大量殺人行為を行い、現在も無差別大量殺人行為の実行に関連性を有する危険な要素を保持している団体について、無差別大量殺人行為の発生を防止する観点から、かかる危険 な要素の質的・量的増大が疑われるためこれを防止する必要があると認めら - 3 -れる場合に、一定期間、当該団体の一定の活動を禁止又は制限することができることとしたものである。これに対し、同項柱書き後段は、観察処分を受けた団体が、不報告又は立入検査妨害等を行い、当該団体の属性として無差別大量殺人行為の実行に関連性を有する危険な要素の質的・量的程度について正確な把握が困難であると認められる場合にも、団体側の行為によってそ のような事態に陥っていることに鑑み、無差別大量殺人行為の発生を防止する観点から、同項柱書き前段と同様の禁止又は制限をすることができることとしたものである。 団体の属性やその活動が、役職員、構成員等の人的要素、土地、建物等の物的要素、資産等の資金的要素に支えられていることを踏まえ、団体規制法 8条1項の要件を満たす団体については、当該団体が保持している危険な要素の質的・量的な増大の防止を図り、あるいは、かかる危険な要素の程度の把握を確実ならしめる必要があるため、同条2項は、当該団体が所有又は管理する土地又は建物(専ら居住の用に供しているものを除く。)の全部又は一部の使用禁止(同項2号)、金品等の贈与を受けることの禁止又は制限(同項 5号)等を再発防止処分の内容としたものである。 2 前提事実一件記録によれば、次の事実が一応認められる。 ⑴ 申立人(疎甲2、疎乙8の1)申立人は、「オウム真理教」の名称を用いて活動していた本団体が、3度 の名称変更を経る等して現在 前提事実一件記録によれば、次の事実が一応認められる。 ⑴ 申立人(疎甲2、疎乙8の1)申立人は、「オウム真理教」の名称を用いて活動していた本団体が、3度 の名称変更を経る等して現在に至った団体である。 ⑵ 本団体に対する観察処分及びその期間更新決定等(疎甲2、疎乙8の1)ア公安審は、平成12年1月28日、団体規制法5条1項に基づき、本団体を、3年間、公安調査庁長官の観察に付する旨の決定(以下「本件観察処分」という。)をし、以後、平成15年1月23日から平成30年1月 22日までの間、6回にわたり、同条4項に基づき、その期間を3年とし - 4 -て、本件観察処分に係る期間更新決定をした。 イ公安審は、令和3年1月6日付けで、本団体について、団体規制法5条4項に基づき、その期間を3年として、本件観察処分に係る7回目の期間更新決定(以下「第7回期間更新決定」という。)をした。申立人は、本団体と同一性を有することから、第7回期間更新決定の対象となっている。 ウ第7回期間更新決定を受けている申立人は、団体規制法5条5項、3項に基づき、公安調査庁長官に対し、3か月ごとに、同項各号に規定された事項(以下「要報告事項」という。)を報告しなければならない(以下、この報告として提出される報告書を「「報告書」」という。)。 具体的には、①当該各期間の末日における当該団体の役職員の氏名、住 所及び役職名並びに構成員の氏名及び住所(同項1号)、②当該各期間の末日における当該団体の活動の用に供されている土地の所在、地積及び用途(同項2号)、③当該各期間の末日における当該団体の活動の用に供されている建物の所在、規模及び用途(同項3号)、④当該各期間の末日における当該団体の資産及び負債のうち政令で定めるもの(同項4 び用途(同項2号)、③当該各期間の末日における当該団体の活動の用に供されている建物の所在、規模及び用途(同項3号)、④当該各期間の末日における当該団体の資産及び負債のうち政令で定めるもの(同項4号。これ について無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律施行令(以下「施行令」という。)2条では、「現金の現在額」(同条1号ハ)、「預貯金の種類、金融機関名、残高及び口座名義人の氏名又は名称」(同号ホ)等と規定されている。)、⑤当該各期間中における当該団体の活動に関する事項のうち政令で定めるもの(団体規制法5条3項5号。これについて 施行令3条では、「当該団体(その支部、分会その他の下部組織を含む。 以下この号において同じ。)がした当該団体の活動に関する意思決定の内容」(同条1号)、「当該団体の機関誌紙の名称及び発行部数並びに編集人及び発行人の氏名」(同条2号)と規定されている。)、⑥公安審が特に必要と認める事項(団体規制法5条3項6号。公安審が第7回期間更新 決定に際し「特に必要」と認めた事項は、㋐「被請求団体(本団体)の構 - 5 -成員に関する出家信徒及び在家信徒の別並びに出家信徒の位階」、㋑「被請求団体(本団体)作成のインターネット上のホームページに係る接続業者名、契約名義人の氏名及び掲載の管理・運営責任者の氏名」、㋒「被請求団体(本団体)(その支部、分会その他の下部組織を含む。)の営む収益事業(いかなる名義をもってするかを問わず、実質的に被請求団体(本 団体)が経営しているものをいう。)の種類及び概要、事業所の名称及びその所在地、当該事業の責任者及び従事する構成員の氏名並びに各事業に関する会計帳簿を備え置いている場所(その会計帳簿が電磁的記録で作成されている場合には、当該電磁的記録の保存媒体の 事業所の名称及びその所在地、当該事業の責任者及び従事する構成員の氏名並びに各事業に関する会計帳簿を備え置いている場所(その会計帳簿が電磁的記録で作成されている場合には、当該電磁的記録の保存媒体の保管場所)」(以下「団体の営む収益事業の種類及び概要等」という。)である。)のほか、当該 団体の役職員及び構成員の氏名につき、特別の呼称がある場合には、これを併記することとされている(無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律施行規則6条、別紙様式第3号)。 エ申立人は、各期間更新決定後の更新期間中、3か月ごとに、前年11月1日から当年1月末日までの期間の分を2月15日までに、同月1日から 4月末日までの期間の分を5月15日までに、同月1日から7月末日までの期間の分を8月15日までに、同月1日から10月末日までの期間の分を11月15日までに、それぞれ要報告事項を報告しなければならない。 ⑶ 本件処分に至る経緯等ア令和3年10月25日付け再発防止処分請求等 申立人は、かねてから未成年構成員(20歳未満の構成員をいう。以下同じ。)等の事項を報告していなかったところ、令和2年以降、「A3」(申立人が称する収益部門)以外の、10の収益事業(「A4」、「A5」、「A6」、「A7」、「A8」、「A9」、「A10」、「A11」、「A12」及び「A13」の行う各事業。以下「本件収益事業」 という。なお、本件収益事業のうち、「A13」の行う事業は令和3年 - 6 -末をもって廃業したとされるが、この前後を問わず「本件収益事業」という。)の種類及び概要等に関する事項も報告しなくなった(疎乙10)。 公安調査庁長官は、申立人による令和3年5月15日及び同年8月15日を提出期限とする「報告書」の不提出により、無差 益事業」という。)の種類及び概要等に関する事項も報告しなくなった(疎乙10)。 公安調査庁長官は、申立人による令和3年5月15日及び同年8月15日を提出期限とする「報告書」の不提出により、無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度の把握が困難になったとして、同年10月25日付 けで、公安審に対し、申立人について、再発防止処分の請求(以下「令和3年請求」という。)をしたが、申立人による「報告書」の提出を受け、令和3年請求を撤回した(疎乙10、23)。 イ本件処分の請求公安調査庁長官は、申立人が、令和4年2月14日付け「報告書」以 降、4回にわたり「報告書」を提出したものの、いずれの報告書においても、①構成員、②活動の用に供されている土地及び建物、③団体の営む収益事業の種類及び概要等、④資産、⑤出家した構成員の位階について不報告に及んでおり、申立人の無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度を把握することが困難であると認められるとして、令和5年1月30 日付けで、公安審に対し、申立人について別紙2-1処分目録記載の再発防止処分(本件処分)をするよう求める旨の請求(以下「本件請求」という。)をした(疎乙2)。 公安審は、本件請求を受けて、団体規制法16条の意見聴取(以下、この意見聴取に係る期日を「意見聴取期日」という。)を令和5年2月 27日に行うこととし、その意見聴取に係る団体規制法17条1項の通知につき、同条2項に基づき、同月10日付けの官報で公示する方法で行うとともに、同条3項に基づき、同年1月31日、申立人の代表者とされた者に対し、通知書を送付し、同通知書は同年2月1日に配達された。公安審は、申立人について、その役職員等が正当な理由なく上記意 見聴取期日に出頭せず、かつ、団体規制法20条3項に規定 者とされた者に対し、通知書を送付し、同通知書は同年2月1日に配達された。公安審は、申立人について、その役職員等が正当な理由なく上記意 見聴取期日に出頭せず、かつ、団体規制法20条3項に規定する陳述書 - 7 -及び証拠書類等を提出しなかったとして、団体規制法21条1項に基づき意見聴取を終結した。(疎甲1の1・2、43、48、51、疎乙1)ウ本件処分公安審は、令和5年3月13日付けで、申立人について別紙2-1処分目録記載の再発防止処分(本件処分)をし、団体規制法24条3項に基づ き、同月20日付けの官報で公示した(疎甲1の1・2、疎乙1)。 ⑷ 本件申立て等申立人は、令和5年5月22日、本件処分の取消しを求める本案事件に係る訴えを提起するとともに、本件申立てをした。 3 争点及び争点に関する当事者の主張 本件の争点は、次のとおりであり、争点に関する申立人の主張は、別紙4-1ないし4-3のとおりであり(別紙4-1については、「別紙当事者目録」及び「別紙処分の表示」を除く。)、相手方の主張は、別紙5のとおりである。 ⑴ 重大な損害を避けるため緊急の必要があるか否か(行政事件訴訟法25条2項) ⑵ 本案について理由がないとみえるときに当たるか否か(同条4項)ア 「報告がされ」ない場合に当たるか否か(団体規制法8条1項柱書き後段)イ 「当該団体の無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度を把握することが困難であると認められるとき」に当たるか否か(同上) ウ裁量権の範囲の逸脱又はその濫用の有無エ本件処分の手続の違法の有無⑶ 公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるか否か(行政事件訴訟法25条4項)第3 当裁判所の判断 1 認定事実 - 8 -前記前提事実 エ本件処分の手続の違法の有無⑶ 公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるか否か(行政事件訴訟法25条4項)第3 当裁判所の判断 1 認定事実 - 8 -前記前提事実及び一件記録によれば、次の事実が一応認められる。 ⑴ 令和3年請求以前の申立人の不報告ア申立人は、従前から、構成員並びに申立人の活動の用に供されている土地及び建物について、要報告事項の一部を報告していない。 「構成員」 申立人は、かねてから未成年構成員を有していたところ、平成27年5月14日付け第62回「報告書」(以下、同じ「報告書」をいうときは、日付を記載せず「第〇回「報告書」」などという。)以降、漸次、未成年構成員についての記載を減少させ始め、同年11月14日付け第64回「報告書」以降は、未成年構成員のほとんどを「報告書」に記載しなく なった(疎乙11)。 「団体の活動の用に供されている土地」及び「建物」a 申立人は、平成12年3月2日付け第1回「報告書」ないし平成20年8月15日付け第35回「報告書」においては、「会員の住居等の建物」として、滋賀県(住所省略)所在の申立人管理下の施設(以下 「A14施設」という。)を記載していたところ、その後、現在に至るまで、A14施設を、複数の出家した構成員を居住させるなどして、その活動の用に供しているにもかかわらず、同年11月15日付け第36回「報告書」以降は、A14施設を「報告書」に記載していない(疎乙15、50)。 b 申立人は、滋賀県(住所省略)所在の申立人管理下の施設(以下「A15施設」という。)を、複数の出家した構成員を居住させるなどして、その活動の用に供しているにもかかわらず、これまでA15施設を「報告書」に記載したことがない(疎乙15、50 管理下の施設(以下「A15施設」という。)を、複数の出家した構成員を居住させるなどして、その活動の用に供しているにもかかわらず、これまでA15施設を「報告書」に記載したことがない(疎乙15、50)。 c 申立人は、埼玉県(住所省略)所在のマンション(以下「A16施 設」という。)について、平成14年4月25日、出家した構成員名義 - 9 -で全10戸(○号室、○号室、○号室、○号室、○号室、○号室、○号室、○号室、○号室及び○号室)のうち4戸(○号室、○号室、○号室及び○号室)の区分所有権を取得(平成20年1月15日、本件収益事業を行う各事業者のうちの「A8」名義に区分所有権を移転)し、平成31年3月17日に○号室、同年4月23日に残りの5戸に ついて同社名義で新たに区分所有権を取得したところ、○号室、○号室、○号室及び○号室については、これまで「報告書」に記載したことがなく、○号室及び○号室についても、令和3年2月14日付け第85回「報告書」以降は、「報告書」に記載していない(疎乙16、17、54、55)。 イ申立人は、令和2年2月15日付け第81回「報告書」以降、本件収益事業の種類及び概要等、団体の資産及び構成員の位階に関する事項について報告をしていない。 「団体の営む収益事業の種類及び概要等」申立人は、令和元年11月14日付け第80回「報告書」まで「出家 会員が会員を対象として営む事業体」として「A5」等の行う合計10の収益事業(本件収益事業)を記載していたが、第81回「報告書」以降、これを「報告書」に記載していない(疎乙18)。 「団体の資産」申立人は、第80回「報告書」まで「出家会員が会員を対象として営 む事業体の所有する」ものとして、現金額及び預貯金額等(第80回「 「報告書」に記載していない(疎乙18)。 「団体の資産」申立人は、第80回「報告書」まで「出家会員が会員を対象として営 む事業体の所有する」ものとして、現金額及び預貯金額等(第80回「報告書」では合計約3億9000万円)を記載していたが、第81回「報告書」以降、これを「報告書」に記載していない(疎乙18)。 「出家信徒の位階」申立人は、第80回「報告書」まで、出家した構成員の一覧に「位階」 欄を設け、「出家信徒の位階」を記載していたが、第81回「報告書」以 - 10 -降、これを「報告書」に記載していない(疎乙18)。 ウ前記ア及びイの不報告を受けて、公安調査庁は、令和2年2月20日から令和3年4月8日までの間に、申立人に対し、書面で、合計9回にわたり、要報告事項を報告するよう繰り返し指導したが、申立人は、これらの要報告事項について報告しなかった(疎乙19、20)。 エ申立人は、令和3年2月1日から同年4月30日までの期間における要報告事項を記載した「報告書」(以下「第86回「報告書」」という。)を提出期限である同年5月15日までに提出せず、さらに、同月1日から同年7月31日までの期間における要報告事項を記載した「報告書」(以下「第87回「報告書」」という。)を提出期限である同年8月15日までに提出 しなかった(疎乙21、22)。 オ公安調査庁は、令和3年5月25日から同年10月12日までの間に、申立人に対し、書面で、合計7回にわたり、団体規制法により義務付けられている報告をするよう是正指導を行ったが、申立人は、この指導に応じず、「報告書」を提出しなかった(疎乙21、22)。 ⑵ 令和3年請求ア公安調査庁長官は、前記⑴エ及びオの申立人の不報告により、無差別大量殺人行為 を行ったが、申立人は、この指導に応じず、「報告書」を提出しなかった(疎乙21、22)。 ⑵ 令和3年請求ア公安調査庁長官は、前記⑴エ及びオの申立人の不報告により、無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度の把握が困難になったとして、令和3年10月25日、公安審に対し、申立人について、再発防止処分の請求(令和3年請求)をした(疎乙23)。 イ申立人は、令和3年11月11日に、同日付け第86回「報告書」及び第87回「報告書」を、同月15日に、同年8月1日から同年10月31日までの期間における要報告事項を記載した同年11月14日付け第88回「報告書」をそれぞれ提出した(疎乙10)。 ウ公安調査庁長官は、令和3年11月19日、前記イの各「報告書」の提 出を受け、令和3年請求を撤回した(疎乙10、23)。ただし、申立人 - 11 -は、これらの「報告書」のいずれにおいても、「団体の営む収益事業の種類及び概要等」を含む要報告事項の一部を報告していない(疎乙18)。 ⑶ 本件請求に至るまでの申立人の不報告ア申立人は、令和4年2月14日付け第89回「報告書」、同年5月15日付け第90回「報告書」(申立人は「第5回報告書」と表記)、同年8 月14日付け第91回「報告書」(申立人は「第6回報告書」と表記)及び同年11月14日付け第92回「報告書」(申立人は「第7回報告書」と表記)を提出した(以下、第89回「報告書」ないし第92回「報告書」において報告の対象となる期間(令和3年11月1日から令和4年10月31日まで)を「本件報告対象期間」という。)ものの、いずれの「報告 書」においても、少なくとも、下記ないしについて記載しておらず、これらの事項を報告していない(以下、この不報告を「本件一部不報告」とい 本件報告対象期間」という。)ものの、いずれの「報告 書」においても、少なくとも、下記ないしについて記載しておらず、これらの事項を報告していない(以下、この不報告を「本件一部不報告」という。)。 「構成員」申立人は、第89回「報告書」以降も、前記⑴アの未成年構成員に ついて記載していない(疎乙11、35)ほか、在家構成員の一部について、氏名及び住所を黒塗りとした(疎乙24)。 「団体の活動の用に供されている土地」及び「建物」申立人は、第89回「報告書」以降も、前記⑴アのA14施設及びA15施設並びにA16施設の一部について記載していない(疎乙15、 17、50、55)。 「団体の営む収益事業の種類及び概要等」申立人は、第89回「報告書」以降も、前記⑴イの本件収益事業の種類及び概要等について記載していない。なお、本件収益事業のうち、「A13」の行う事業については、令和3年12月31日付けで廃業し た旨の報告がされた。(疎乙10、18、61) - 12 -「団体の資産」a 申立人は、第89回「報告書」以降も、前記⑴イの現金額及び預貯金額等について記載していない(疎乙18)。 b 申立人は、第89回「報告書」以降、少なくとも5つの預貯金口座(A17銀行に開設された「A18」名義の通常貯金口座、A19銀 行A20支店に開設された「A18」名義の普通預金口座、A21銀行A22支店に開設された「A23」名義の普通預金口座、同銀行A24支店に開設された「A3 A18」名義の普通預金口座及びA25銀行A26支店に開設された「A3 A18」名義の普通預金口座。 以下「本件5口座」という。)は申立人の資産であるにもかかわらず、 これらについて記載していない(疎乙141)。 及びA25銀行A26支店に開設された「A3 A18」名義の普通預金口座。 以下「本件5口座」という。)は申立人の資産であるにもかかわらず、 これらについて記載していない(疎乙141)。 「出家信徒の位階」申立人は、第89回「報告書」以降も、前記⑴イの「出家信徒の位階」について記載していない(疎乙18)。 イ公安調査庁は、令和3年11月19日から令和5年1月13日までの間 に、申立人に対し、書面で、合計16回にわたり、第86回「報告書」ないし第92回「報告書」について、本件一部不報告に係る要報告事項等を報告するよう是正指導を行ったものの、申立人は、現在に至るまで本件一部不報告を継続している(疎乙10)。 2 争点⑵(本案について理由がないとみえるときに当たるか否か)について 本件処分について、団体規制法8条1項の規定する要件を満たすこと、本件処分をすることが裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たらないこと及び本件処分に手続の違法がないことが一応認められるから、本案について理由がないとみえるときに当たるというべきである。 以下、順に検討する。 ⑴ 「報告がされ」ない場合に当たるか否か(団体規制法8条1項柱書き後段) - 13 -について前記1⑶アのとおり、申立人は、本件報告対象期間において、要報告事項について報告していないから、本件一部不報告は、団体規制法8条1項柱書き後段の「報告がされ」ない場合に当たると一応認められる。これに対し、申立人は、本件一部不報告に係る事項は要報告事項ではないなどと主張する が、次のとおり、この点の申立人の主張によっても上記認定は左右されない。 ア 「構成員」構成員の意義申立人は、要報告事項である「構成員」は、申立人を運営する社員や従業員、会員を指 る が、次のとおり、この点の申立人の主張によっても上記認定は左右されない。 ア 「構成員」構成員の意義申立人は、要報告事項である「構成員」は、申立人を運営する社員や従業員、会員を指すのであり、在家会員はこれに当たらない旨主張する。 しかし、団体規制法により報告が義務付けられている団体の「構成員」とは、特定の共同目的を達成するための多数人の継続的結合体への加入者を指すものであり、当該団体への明示的な加入行為があればこれによるが、そのようなものがない場合でも、当該団体から加入者として認知されていればそれで足りるものと解されるから、申立人により加入者と して認知されている在家会員は「構成員」に当たるというべきである。 そして、これは、未成年構成員についても同様と解される。これに反する申立人の主張には理由がない。 不報告の範囲の特定性申立人は、相手方は不報告とする「構成員」を個別に特定して立証し ておらず、当該不報告を本件処分の理由とすることは、証拠に基づくことなく不利益処分を課すものであって、許されない旨主張する。 しかし、前記のとおり、申立人において、加入者として認知している者であれば全て「構成員」として報告する義務があるのであるから、申立人において加入者として認知されていると認められる者が一人でも 「構成員」として報告されていないのであれば、団体規制法8条1項柱 - 14 -書き後段のいう「報告がされ」ない場合に当たるというべきであり、それ以上に、どの者が「構成員」として報告されていないかを、証拠をもって全て特定することまでは要しないと解するのが相当である。 そして、本件報告対象期間内である令和4年中に申立人の合計8つの施設において57名の未成年者(20歳未満の者をいう。以下同じ。 、証拠をもって全て特定することまでは要しないと解するのが相当である。 そして、本件報告対象期間内である令和4年中に申立人の合計8つの施設において57名の未成年者(20歳未満の者をいう。以下同じ。)が 出入りする状況が確認されたこと(疎乙36)、同年5月19日に実施された札幌市(住所省略)所在の申立人の施設に対する立入検査において、在家構成員とみられる者の氏名等が入力された名簿データが確認され、同名簿データに入力されていた441名のうち60名が未成年者であり、その60名の未成年者のうち38名が同年4月から5月までの間に同施 設に出入りしていたこと(疎乙37)、申立人自身も第7回期間更新決定の取消しを求める訴訟(当庁令和3年(行ウ)第259号事件)において申立人には未成年構成員が存在することを認めていること(疎乙38)からすれば、申立人が未成年者の加入者の存在を一切認知していないとは考え難く、申立人は未成年者の加入者の存在を認知していると認めら れる(なお、申立人は、未成年者については、親族等が本人の同意を得ずに入信等の手続をとる場合や乳幼児が親族等に抱かれるなどして施設に立ち入る場合がある、上記訴訟においては第7回期間更新決定時における申立人の「会員」に未成年者がいることを認めたものにすぎないなどと主張するが、これらの主張は、申立人が未成年者の加入者の存在を 一切認知していないことの根拠となり得るようなものではなく、上記認定を左右するものではない。)。また、申立人は、一部の在家構成員について「在家会員関係」のリストに一度掲載しながらあえて氏名及び住所を黒塗りにしていること(疎乙24)からすれば、申立人がこれらの在家構成員を加入者であると認知していることは明らかであるといえる。 そうすると、申立人が第 一度掲載しながらあえて氏名及び住所を黒塗りにしていること(疎乙24)からすれば、申立人がこれらの在家構成員を加入者であると認知していることは明らかであるといえる。 そうすると、申立人が第89回「報告書」以降、未成年構成員を一切 - 15 -報告せず、上記一部の在家構成員を報告しなかったことは、団体規制法8条1項柱書き後段のいう「報告がされ」ない場合に当たると認められる。 イ 「団体の活動の用に供されている土地」及び「建物」A14施設及びA15施設について 申立人は、A14施設及びA15施設について、単なる一軒家の住宅であり、申立人の活動の用に供されている土地及び建物ではない旨主張する。 しかし、「団体の活動の用に供されている」土地及び建物とは、団体の意思決定に基づいてその活動の全部又は一部を行う場所として用いられ ている土地及び建物をいい、たとえ集団で寝泊まりしているだけの建物であっても、それが団体の意思決定に基づいて行われている場合にはこれに当たると解される。 そして、A14施設について、申立人は、第1回「報告書」ないし第35回「報告書」において、「会員の住居等の建物」としてA14施設を 記載しており、第36回「報告書」ないし第92回「報告書」において、3~8名の出家した構成員の住所地にA14施設の住所を記載したこと(疎乙15、50)、令和3年4月22日及び令和4年4月21日に実施された立入検査において、A14施設に、仏画や法具が祭壇のように並べられたところに、A1ことA2(以下「A2」という。)及びA2の子 の写真が掲げられていたほか、生活用具も保管されていたことが確認されたこと(疎乙49)が認められる。また、A15施設についても、申立人は、平成28年5月14日付け第66回「報告 及びA2の子 の写真が掲げられていたほか、生活用具も保管されていたことが確認されたこと(疎乙49)が認められる。また、A15施設についても、申立人は、平成28年5月14日付け第66回「報告書」ないし第92回「報告書」において、3~5名の出家した構成員の住所地にA15施設の住所を記載したこと(疎乙15、50)、令和4年4月21日に実施さ れた立入検査において、A15施設に、法具や香のほか、生活用具も保 - 16 -管されていたことが確認されたこと(疎乙49)が認められる。以上によれば、両施設は、本件報告対象期間においても、出家した構成員の集団生活に利用され、又は申立人の教義に則った修行を行なうために利用されているといえ、オウム真理教においては、出家した構成員は世俗との関係を断ち、施設等で集団生活を送りながら修行するよう指導されて おり(疎甲18、疎乙4、5)、申立人においても出家した構成員は同様の指導を受けていること(疎乙6)も踏まえると、両施設は、申立人の意思決定に基づいてその活動の全部又は一部を行う場所として用いられているといえるから、「団体の活動の用に供されている」ものと認めるのが相当である。申立人の提出する証拠(疎甲15~17)は、かかる認 定を左右するに足りるものではない。 A16施設について申立人は、A16施設について、従前、全10戸について、「A8」との間で、賃貸借契約を締結していたが、令和2年9月1日、同社との間で、○号室及び○号室について新たに賃貸借契約を締結した(疎甲19、 20)ほか、残りの8戸については賃貸借契約を解約し、○号室の賃貸借契約についても、同年12月31日に解約したため、本件報告対象期間において、○号室しか賃貸借契約は残っていないとした上で、○号室について ほか、残りの8戸については賃貸借契約を解約し、○号室の賃貸借契約についても、同年12月31日に解約したため、本件報告対象期間において、○号室しか賃貸借契約は残っていないとした上で、○号室については報告しているなどと主張する。 しかし、前記1⑴アcのとおり、A16施設は、平成31年4月2 3日以降、全10戸が、同社名義の所有とされてきたのであり、仮に、申立人が主張するとおり、本件報告対象期間において○号室しか賃貸借契約が存在しなかったとしても、後記ウのとおり、同社は、申立人が実質的に経営しているものと認められるから、A16施設についても実質的には申立人が利用しているものといえる。実際、従前の同社と申立人 との間の賃貸借契約書においては、申立人が全10戸を一括して「事務 - 17 -所、住居、倉庫」として賃貸する旨が記載されており(疎乙16、54)、令和4年12月14日にA16施設に対して実施された立入検査において撮影された写真(疎乙16、54)によれば、全10戸が事務所、居室、倉庫、道場等として使用又は管理されていることが認められる。そうすると、本件報告対象期間においても、A16施設全体が、申立人の 意思決定に基づいてその活動の全部又は一部を行う場所として用いられているといえるから、○号室以外の部屋も「団体の活動の用に供されている」ものと認めるのが相当である。申立人の上記主張はかかる認定を左右するに足りるものではない。 ウ 「団体の営む収益事業の種類及び概要等」 申立人は、本件収益事業については、申立人ではなく、当該事業ごとに個人や法人が営んでいる事業であるし、実質的にも申立人が経営する事業ではないから、「団体の営む収益事業」には当たらない旨主張する。 しかし、要報告事項である団体の営む収益事業の種 く、当該事業ごとに個人や法人が営んでいる事業であるし、実質的にも申立人が経営する事業ではないから、「団体の営む収益事業」には当たらない旨主張する。 しかし、要報告事項である団体の営む収益事業の種類及び概要等については、「いかなる名義をもってするかを問わず、実質的に被請求団体(本団 体)が経営しているもの」とされていることから(前記前提事実⑵ウ)、事業を営んでいるのが申立人以外の個人や法人であるというだけでは、これが要報告事項に当たらないということはできない(なお、申立人は、本件収益事業の各事業者は、団体規制法4条2項の規定する「団体」を基準としても異なる「団体」である、権利能力なき社団である申立人の主要な点 を確定している規約等によって規律される範囲しか要報告事項にならないなどとも主張するが、上記と同様の理由により、これらの事情によって、要報告事項に当たらないということはできない。)。 そして、本件収益事業については、その事業の代表者又は責任者及び出資者はいずれも申立人の出家した構成員であり、その大多数が申立人内に おいて指導的立場にある者であることが認められる(疎乙62~71、7 - 18 -5~83)ほか、その従業員がいずれも申立人の出家した構成員であり(疎乙95~103)、申立人の経理担当である出家した構成員が本件収益事業のうち複数の収益事業の従業員を兼ねるなど、その経理を一体的に管理していること(疎乙95~99、101、102、104)、従業員の他の収益事業への転属及びこれに伴う転居が申立人の指示に基づくこと(疎乙 104~108)が認められ、さらに、本件収益事業の本店所在地がいずれも申立人の施設であること(疎乙63~71、109)が認められる。 また、本件収益事業は、在家構成員に対する指導や物 (疎乙 104~108)が認められ、さらに、本件収益事業の本店所在地がいずれも申立人の施設であること(疎乙63~71、109)が認められる。 また、本件収益事業は、在家構成員に対する指導や物品販売等の名目で収益を上げる道場関係事業と、道場関係事業以外の収益事業に分けられるところ、道場関係事業は、申立人の道場施設を維持管理した上で、主に在 家構成員に向けてセミナーや説法会等を随時開催し、修行の場を提供して教義を指導したり、修行用具や宗教的な儀式を施した食品等を販売したりするというもので、これらの活動は、申立人による指導教化そのものということができる。道場関係事業以外の収益事業についても、宗教的な儀式を施した食品等の販売、機関誌の印刷等、申立人の活動と一体をなすもの である。(疎乙59、110~119、122、123)以上によれば、本件収益事業は、申立人が実質的に経営するものと認められる(なお、申立人は、本件収益事業に係る各事業者に対して資本的その他の支配的な影響力を有しておらず、当該各事業者は申立人から独立して経理・会計処理をしており、申立人と当該各事業者との間には委託契約 等の契約関係も存在するなどと主張するが、これらの事情によって、申立人が本件収益事業を実質的に経営していることが否定されるものではなく、上記認定が左右されるものではない。)。 エ 「団体の資産」本件収益事業に係る現金額及び預貯金額等について 申立人は、本件収益事業に係る現金及び預貯金等は申立人の資産では - 19 -ない、公安審が、従前、本件収益事業が所有する資産について申立人の要報告事項として扱っていなかったなどと主張するが、前記ウのとおり、本件収益事業は申立人が実質的に経営しているものであり、本件収益事業に係る現金 が、従前、本件収益事業が所有する資産について申立人の要報告事項として扱っていなかったなどと主張するが、前記ウのとおり、本件収益事業は申立人が実質的に経営しているものであり、本件収益事業に係る現金及び預貯金等も「団体の資産」として要報告事項となると認められ、申立人の上記主張はかかる認定を左右するものではない。 本件5口座についてa 施行令2条1号ホの「預貯金」の意義申立人は、施行令2条1号ホの「預貯金の種類、金融機関名、残高及び口座名義人の氏名又は名称」は、預貯金債権を基準とすべきであり、報告基準日において存在しないもの、すなわち、残高が零である 預貯金口座は報告しなくてよい旨主張する。 しかし、施行令2条1号ホは、「預貯金」と規定し、「預貯金債権」とは規定していないし、実質的にみても、団体規制法5条3項の規定する各期間の末日(以下「報告基準日」という。)において残高が零であれば預貯金口座を報告しなくてもよいと解すれば、報告基準日にお いて預貯金口座の残高を零にすれば、公安調査庁長官に対して当該預貯金口座の報告をすることを要しなくなることとなるが、このような解釈が、無差別大量殺人行為の実行に関連性を有する危険な要素を保持する団体の活動状況を継続的に明らかにするという団体規制法の趣旨に反することは明らかである。したがって、同号ホの「預貯金」と は預貯金口座のことをいい、報告基準日において残高が零であっても「種類、金融機関名、残高及び口座名義人の氏名又は名称」を報告する必要があると解するのが相当である。これに反する申立人の上記主張は理由がない。 b 申立人は、仮に施行令2条1号ホの「預貯金」が預貯金口座を意味 するとしても、本件5口座は、申立人が資産として有する預貯金口座 - 20 -では する申立人の上記主張は理由がない。 b 申立人は、仮に施行令2条1号ホの「預貯金」が預貯金口座を意味 するとしても、本件5口座は、申立人が資産として有する預貯金口座 - 20 -ではない旨主張する。 しかし、令和4年12月14日に実施されたA16施設に対する立入検査において、同施設○号室所在のキャビネット内に、本件5口座に係るキャッシュカード及び通帳がまとめて保管されているのが確認され、これらの通帳の記載によれば、本件5口座のいずれについても、 本件報告対象期間においても継続して入出金があることが確認されたこと(疎乙141)、同年6月15日に実施された同施設に対する立入検査においても、本件5口座に係る出納記録が確認され、同記録にも本件報告対象期間中の入出金履歴があったこと(疎乙141)からすれば、本件5口座に係る預貯金は、本件報告対象期間中も申立人の資産 であったと認められ、預貯金口座の名義人が申立人ではなく個人であるなどの事情により、上記認定が左右されるものではない。申立人の上記主張は理由がない。 オ 「出家信徒の位階」「位階」の意義 申立人は、申立人においては「位階」を採用していないが、仮に申立人において用いられている「ステージ」を「位階」として報告するものとすれば、申立人の用いている「ステージ」には種々のものがあり、いずれのステージを真正なものと認めるかを宗教上決定することは不可能であるから、これを報告することも不可能であるし、申立人の宗教的側 面に関する調査であるといえ、これを行うことは、憲法20条に違反し許されない旨主張する。 しかし、申立人に「位階」の報告を求める理由は、オウム真理教が無差別大量殺人行為に及んだ背景の一つとして、位階制度による上命下服の組織体制があるとこ は、憲法20条に違反し許されない旨主張する。 しかし、申立人に「位階」の報告を求める理由は、オウム真理教が無差別大量殺人行為に及んだ背景の一つとして、位階制度による上命下服の組織体制があるところ(疎甲18、疎乙4、5)、申立人の人的要素に 係る危険な要素の質的・量的変化を把握するためには、出家した構成員 - 21 -全員の「位階」を特定した上で、組織としての方向性を決定し得る「位階」の上位者の中に、無差別大量殺人行為の実行に関連する属性を有する者がどの程度存在するかを把握する必要があるからである。そして、この趣旨に照らせば、申立人が報告しなければならない「位階」は、オウム真理教において用いられていたものと同一又はこれに類する呼称で、 構成員間の上下関係を表すもののことを指すと解するのが相当であり、これに反する申立人の主張は理由がない。また、このような「位階」の報告を求めること自体は、申立人において何らかの宗教上の決定を求めるものではないし、「位階」に宗教的な意味合いが含まれているとしても、上記のとおり、申立人の人的要素に係る危険な要素の質的・量的変化を 把握するために必要な事項について、専ら世俗的な目的で報告を求めるにすぎず、申立人の宗教活動の直接的な制約にわたるものではないことに照らせば、憲法20条に違反する旨の申立人の主張も理由がない。さらに、オウム真理教においては、「正悟師」、「師長補」、「師」、「師補」、「サマナ長」、「サマナ」等の「位階」が存在したところ(疎乙40、7 3)、令和2年11月1日から令和4年10月31日までの間に実施された申立人の複数の施設に対する立入検査において、資料、張り紙、生活用品等に、「○○師長補」、「○○師」、「○○師補」、「○○サマナ長」、「正悟師用」、「サマナ用 和4年10月31日までの間に実施された申立人の複数の施設に対する立入検査において、資料、張り紙、生活用品等に、「○○師長補」、「○○師」、「○○師補」、「○○サマナ長」、「正悟師用」、「サマナ用」、「サマナの方に(略)報告する」などと記載され、オウム真理教で用いられていたものと同一の「位階」が構成員間の上下 関係を表す呼称として使用されていることが確認されており(疎乙43)、申立人は、本件報告対象期間も「位階」を採用していたことが認められる。申立人の上記主張はかかる認定を左右するものではない。 「出家信徒の位階」を報告する必要性申立人は、仮に「位階」をA2が認定したものを意味するとした場合、 A2が刑死した平成30年7月以降、上記意味での「位階」が変更され - 22 -ることはなく、それまでに提出していた「報告書」には、上記意味での「位階」は記載していたから、それ以降は「位階」を報告する必要はない旨主張する。 しかし、前記のとおり、申立人に「出家信徒の位階」の報告を求める趣旨は、申立人の人的要素に係る危険な要素の質的・量的変化を把握 するためであるところ、A2の刑死後においても、申立人におけるかかる人的要素に変化が生じていないか否かを確認する必要性が認められるから、申立人の上記主張は理由がない。 ⑵ 「当該団体の無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度を把握することが困難であると認められるとき」に当たるか否か(団体規制法8条1項柱書き後 段)についてア要報告事項の不報告がある場合において、「当該団体の無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度を把握することが困難であると認められるとき」に当たるか否かは、不報告等の具体的内容やその動機、かかる内容に関連する当該団体の活動状況等を考慮して判断すべきと解さ 差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度を把握することが困難であると認められるとき」に当たるか否かは、不報告等の具体的内容やその動機、かかる内容に関連する当該団体の活動状況等を考慮して判断すべきと解される(なお、申立 人は、困難性について、不報告等によって具体的にどのような困難が生じたのかを、具体的な事例をもって疎明する必要があると主張する。しかし、そもそも不報告等に係る事項について、どのような報告等がされるかは不明である以上、上記のような仮定的な事例を想定した疎明を求めることは、事実上の不可能を強いることとなって、再発防止処分の趣旨を没却するこ ととなる。申立人の上記主張は理由がない。)。 本件についてみると、本件一部不報告は、過去に無差別大量殺人行為を行い、現在もなおその属性として危険な要素を保持している申立人の活動を支える主要な要素である人的・物的・資金的要素や、団体の主要な活動に関する事項に係るものである。そして、前記1⑴ないし⑶でみたとおり、 申立人は、公安調査庁から多数回にわたり指導を受けたにもかかわらず要 - 23 -報告事項を報告しておらず、不報告事項を増加させていること等からすると、本件一部不報告は、申立人による意図的な行為というべきであり、これにより、公安調査庁において、本来は「報告書」の内容により容易かつ迅速に把握できるはずの要報告事項を直ちに把握することができないことに加えて、その報告により示される団体の活動状況を基に、その裏付け をとったり、それを端緒として更に団体の活動状況を明らかにするための各種調査等を実施したりすることができないこととなる。その結果、申立人による資産の隠匿を許す等して、申立人の無差別大量殺人行為の実行に関連性を有する危険な要素の有無やその程度、変化について、早期 の各種調査等を実施したりすることができないこととなる。その結果、申立人による資産の隠匿を許す等して、申立人の無差別大量殺人行為の実行に関連性を有する危険な要素の有無やその程度、変化について、早期に正確な把握ができないこととなる。 イこれに対し、申立人は、本件収益事業の各事業者が、令和5年2月27日、公安調査庁に対して、本件収益事業に係る報告書を提出し、同報告書は同月28日に送達されたのであるから、公安調査庁において、申立人が無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度を把握することは可能であった旨主張し、それを裏付ける資料(疎甲26~35)を提出する。 しかし、団体規制法が予定している観察処分の枠組みは、報告内容に虚偽があれば再発防止処分となり得るという制度的担保の下、3か月ごとに、迅速かつ正確に要報告事項を把握できることを前提として、任意調査等でそれを確認するというものであるところ、各事業者による報告は、申立人の主張を前提とすると、申立人の責任においてされたものでないというこ とになるから、正確性について、上記のような制度的担保なくされたものにすぎないといえる。したがって、各事業者から報告があったことをもってしても、申立人の無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度の把握に係る困難性は認められる。申立人の上記主張は、かかる認定を左右するものではない。 ウまた、申立人は、申立人の資産や本件収益事業その他の要報告事項につ - 24 -いて、公安調査庁の立入検査及び任意調査により、要報告事項以上の実態が把握されており、危険性の程度の把握が困難となっているとはいえない旨主張し、本件収益事業の各事業者に対する立入検査の状況等に関する資料(疎甲39、40、61、67。枝番号を含む。)を提出する。 しかし、申立人 り、危険性の程度の把握が困難となっているとはいえない旨主張し、本件収益事業の各事業者に対する立入検査の状況等に関する資料(疎甲39、40、61、67。枝番号を含む。)を提出する。 しかし、申立人においては、構成員に対して、公安調査官の任意調査(団 体規制法7条1項)への協力を拒み、実態を明らかにしないことを徹底するよう組織的に指導がされており、立入検査(同条2項)についても、構成員に関する物件を隠匿し、質問に答えない等の対抗措置を記載した文書を作成する等して実態を明らかにしないことを徹底するよう組織的に指導がされていることが認められ(疎乙26~29)、実際に、立入検査にお いて、ファイル消去ソフトをパソコンにインストールするなどして、検査の妨害や遅延を図り、公安調査官の質問に対して回答を拒否する等の対抗措置も講じられていることも認められる(疎乙30~33。なお、申立人は、会員間で法律の知識を共有しているだけであるとか、ファイル消去ソフトは市販のソフトでありこのようなソフトの使用は禁止されていない などと主張するが、これらの主張によって上記認定が左右されるものではない。)。 そして、かかる申立人による対抗措置等の状況に照らすと、申立人や本件収益事業の各事業者等について立入検査や任意調査が行われているとしても、その調査の迅速性や有効性は多分に減殺されるものというべきで あり、申立人について、無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度を把握することが困難であることに変わりはないというべきである。 エ以上によれば、「当該団体の無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度を把握することが困難であると認められるとき」との要件を満たすと一応認められる。 ⑶ 裁量権の範囲の逸脱又はその濫用の有無について - 25 - 無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度を把握することが困難であると認められるとき」との要件を満たすと一応認められる。 ⑶ 裁量権の範囲の逸脱又はその濫用の有無について - 25 -ア本件処分の必要性・相当性について土地・建物の使用禁止について本件処分のうち、別紙2-2物件目録記載1ないし13の土地、建物(以下「本件13施設」という。)の使用を6月間禁止する部分(別紙2-1処分目録2⑴。以下「本件13施設使用禁止部分」という。)につい て、本件13施設のうちA16施設を除く12の施設は、いずれも本件収益事業に係る施設(道場及びその附帯施設、事業所たる作業場所等)である(疎乙63~71、109、173~184、186)ところ、本件収益事業の種類及び概要等やこれらに係る資産が不報告とされ把握が困難となっており、例えば、かかる未把握の資産を用いて武器等の危 険物を購入するなども考えられ、資金的要素に係る危険な要素の質的・量的増大のおそれがあることに加え、未成年構成員及び一部在家構成員の氏名等の不報告により、無差別大量殺人行為の実行に関連する属性を有する者が道場に参集するなどといった人的要素に係る危険な要素の質的・量的増大も懸念されることも考慮すると、上記12の施設の使用を 一時的に禁止して、資金的・人的要素に係る危険な要素の質的・量的増大を防止することが必要かつ相当といえる。 また、A16施設は、前記⑴イのとおり、申立人により全10戸が一体的に使用又は管理されているにもかかわらず、その一部の用途等が不報告となっているが、例えば、このような用途未把握の施設が武器等 の保管や製造に用いられるなど、物的要素に係る危険な要素を質的・量的に増大させるおそれがあり、それを防止するためには、不報告に係る 告となっているが、例えば、このような用途未把握の施設が武器等 の保管や製造に用いられるなど、物的要素に係る危険な要素を質的・量的に増大させるおそれがあり、それを防止するためには、不報告に係る施設の使用を一時的に禁止して、その間の立入検査等によりその用途等を解明することが必要であるから、A16施設の不報告に係る部分の使用を禁止することも必要かつ相当といえる。 さらに、本件13施設は、居住の用に供されている部分は除かれてい - 26 -ること(疎乙173~186)からすれば、本件13施設使用禁止部分は、必要最小限度の処分であるといえる。 受贈与の禁止について本件処分のうち、金品その他の財産上の利益の贈与を受けることを6月間禁止する部分(別紙2-1処分目録2⑵。以下「本件受贈与禁止部 分」という。)について、本件収益事業に係る資産等の不報告により、申立人の資産の全体像や申立人内部の資金の動きについての正確な把握が困難になっており、前記で述べたとおり、資金的要素に係る危険な要素の質的・量的増大を許すおそれがある。したがって、これを防止するためには、申立人による収益活動を一時的に停止させ、申立人全体の資 金的要素を固定化した上で、立入検査等により資産関係を解明する必要があることから、申立人が収益事業を営むことのみならず、申立人が布施等の贈与を受けることも禁止することが必要かつ相当である。 また、平成29年から令和3年にかけて、申立人のいわゆる布施収入に当たる「入月会費収入」及び「寄付金収入」の額が大きく減少してい る一方で、この間の本件収益事業に係る売上げや申立人の資産全体に占める収益事業に係る資産の割合が大きく増加していること(疎乙145~152)、申立人の非収益部門である「A27」と本件収益事 る一方で、この間の本件収益事業に係る売上げや申立人の資産全体に占める収益事業に係る資産の割合が大きく増加していること(疎乙145~152)、申立人の非収益部門である「A27」と本件収益事業の各事業者の一部(「A4」、「A5」、「A6」及び「A8」)との間で、形式上、資金の移動や債権の譲渡が行われていること(疎乙124~132)から すれば、布施収入等が本件収益事業の資金源となっていることが十分に考えられ、収益事業に係る資産を把握するという観点からも、申立人が布施等の贈与を受けることを禁止する必要があるといえる。 さらに、令和3年10月末時点で、本件収益事業に係るものだけでも6億円以上の資産を保有していたと認められること(疎乙147)から すれば、布施等の贈与を受けることの制限にとどまらず、禁止したとし - 27 -ても、申立人に過大な不利益を及ぼすものではない。 小括以上に加え、本件報告対象期間は1年間に及んでおり、前記⑵ウにおいて認定した申立人の非協力的態度に照らせば、この間の人的・物的・資金的要素の質的・量的変化の把握には、かなりの時間を要すると認め られ、法定の上限である6月程度の期間、申立人の活動を停止することも必要かつ相当といえることも踏まえれば、本件処分は、全体として、必要かつ相当であるといえる。 イ申立人の主張について土地・建物の使用禁止について a これに対し、申立人は、本件13施設使用禁止部分に係る処分について、道場関係事業に係る道場及び附帯施設においては、説法やイニシエーションなどの宗教的行為しか行っていないところ、かかる宗教的行為は収益を目的としておらず、これにより資金的要素に係る危険な要素は増大しない旨主張する。 しかし、申立人が主張するような シエーションなどの宗教的行為しか行っていないところ、かかる宗教的行為は収益を目的としておらず、これにより資金的要素に係る危険な要素は増大しない旨主張する。 しかし、申立人が主張するような宗教的行為によっても収益を上げることは可能であり、前記アのとおり、例えば、不報告に係る資産を用いて武器等の危険物を購入するとか、無差別大量殺人行為の実行に関連する属性を有する者が道場に参集するなどによって、資金的・人的要素に係る危険な要素が質的・量的に増大することも考えられるか ら、申立人の上記主張は理由がない。 b 申立人は、本件13施設使用禁止部分に係る処分について、信仰の自由の侵害であり、申立人が道場及び附帯施設を使用できないことにより重大な損害を被っているから、必要最小限度の処分ではない旨主張する。 しかし、前記アのとおり、申立人が本件一部不報告に及び、これ - 28 -により申立人が無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度を把握することが困難になった以上、本件13施設使用禁止部分に係る処分をする必要性は大きく、これによって申立人の被る不利益を考慮してもなお、かかる処分をする必要性は認められる。申立人の上記主張は理由がない。 受贈与の禁止についてa 申立人は、本件受贈与禁止部分に係る処分について、未把握とされている資産は本件収益事業に係る各事業者の資産であって、申立人が布施等を受けることを禁止しても上記各事業者が経済活動を行うことは禁止されないから、申立人が布施等を受けることを禁止したところ で、申立人の資産の把握にはつながらず、必要な処分ではない旨主張する。 しかし、前記⑴ウのとおり、本件収益事業は実質的には申立人が経営するものであり、公安調査庁による調査の対象となること、前記アのとおり 人の資産の把握にはつながらず、必要な処分ではない旨主張する。 しかし、前記⑴ウのとおり、本件収益事業は実質的には申立人が経営するものであり、公安調査庁による調査の対象となること、前記アのとおり、布施収入等が本件収益事業の資金源となっていると考え られることからすれば、本件受贈与禁止部分に係る処分は、申立人の収益事業に係る資産を把握するために必要であるといえる。申立人の上記主張は理由がない。 b 申立人は、本件受贈与禁止部分に係る処分について、そもそも布施によって成り立っている申立人について、受贈与を制限するのではな く、一切禁止するのは必要最小限度の処分ではない旨主張する。 しかし、前記⑴アのとおり、申立人が本件一部不報告に及び、これにより申立人が無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度を把握することが困難になった以上、受贈与の制限ではなく、禁止をする必要性は大きく、申立人の資産状況も考慮すれば、かかる処分によって申立 人が被る不利益を考慮してもなお、本件受贈与禁止部分に係る処分を - 29 -する必要性は認められる。申立人の上記主張は理由がない。 受贈与の禁止に加えて土地・建物の使用禁止をすることについて申立人は、仮に本件受贈与禁止部分に係る処分が是とされるとしても、これに加えて本件13施設使用禁止部分に係る処分をする必要はない旨主張する。 しかし、前記ア及びのとおり、本件受贈与禁止部分に係る処分は、申立人による収益活動を一時的に停止させ、申立人全体の資金的要素を固定化した上で、立入検査等により資産関係を解明することで、資金的要素に係る危険な要素の増大を防止することを目的とする一方、本件13施設使用禁止部分に係る処分は、例えば、不報告に係る資産を用いて 武器等の危険物を購入したり、 産関係を解明することで、資金的要素に係る危険な要素の増大を防止することを目的とする一方、本件13施設使用禁止部分に係る処分は、例えば、不報告に係る資産を用いて 武器等の危険物を購入したり、無差別大量殺人行為の実行に関連する属性を有する者が道場に参集したりといった資金的・人的要素に係る危険な要素の質的・量的増大を、道場及びその附帯施設等の使用を禁止することによって防止することなどを目的としており、それぞれ別の目的で行われたものであるから、両者を併せて行う必要性が認められる。申立 人の上記主張は理由がない。 ウ以上によれば、本件処分について裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものではないと一応認められる。 ⑷ 本件処分の手続の違法の有無についてア本件請求から本件処分がされるまでの手続の経過について 前記前提事実⑶イ及び証拠(疎甲1の1・2、疎乙1)によれば、次の事実が一応認められる。 公安審は、本件請求を受けて、団体規制法16条の意見聴取を令和5年2月27日に行うこととし、その意見聴取に係る団体規制法17条1項の通知につき、同条2項に基づき、同月10日付けの官報で公示する 方法で行うとともに、同条3項に基づき、同年1月31日、申立人の代 - 30 -表者とされた者に対し、通知書(「意見聴取期日等通知書」及び「陳述書及び質問書提出告知書」)を送付し、同通知書は同年2月1日に配達された(後記イ及びウのとおり、申立人が同月2日に公安審に対して申入れをしていることから、申立人は同月1日には上記通知書の内容を了知したものと認められる。)。なお、公安審は、同月15日、公安調査 庁長官から、同月14日付けで申立人が提出した第93回「報告書」において、申立人代表者が替わっていたことを理由とする申立人 を了知したものと認められる。)。なお、公安審は、同月15日、公安調査 庁長官から、同月14日付けで申立人が提出した第93回「報告書」において、申立人代表者が替わっていたことを理由とする申立人代表者の補正を受けたため、同月16日、補正後の申立人代表者に対し、上記通知書と同内容の通知書を再度送付し、同通知書は同月17日に配達された。 公安審は、申立人に十分な防御の機会を与えるため、団体規制法の予定するところではないとしつつも、公安審の裁量権の行使として、公安調査庁長官の提出に係る①処分請求書、②「令和5年1月30日付け「令和5年1月30日付け処分請求において使用禁止を求める土地又は建物の特定について(通知)」と題する書面について(回答)」、③証拠書 類等目録、④証拠書類等と証明すべき事実との関係を明らかにした書面(証拠説明書)及び⑤証拠の全部(合計258点)を申立人に開示することとし、これら全てについて、申立人に閲覧の機会を付与するとともに、申立人代理人の弁護士から求めがあれば、上記①ないし④並びに⑤のうち11点の各証拠書類(いずれも公安調査官による複数の報告書を まとめた総括的な報告書)の各写しを貸与することとして、それらの旨及びその証拠書類等の閲覧日(同年2月7日及び同月8日)等を申立人に連絡した。 公安審は、申立人に対し、前記のとおり送付した「陳述書及び質問書提出告知書」において、無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関 する法律の規定に基づく規制措置の手続等に関する規則7条に定める書 - 31 -面(意見を陳述した書面(以下「陳述書」という。)及び公安調査庁の職員に対し質問しようとする事項を記載した書面(以下「質問書」という。))を令和5年2月20日までに提出するよう求めた。 1 -面(意見を陳述した書面(以下「陳述書」という。)及び公安調査庁の職員に対し質問しようとする事項を記載した書面(以下「質問書」という。))を令和5年2月20日までに提出するよう求めた。 申立人は、前記の①ないし⑤の各書類を閲覧せず、代理人弁護士も選任せず、陳述書及び質問書をいずれも提出しなかった。 公安審は、申立人が、令和5年2月27日の意見聴取期日に出頭せず、かつ、団体規制法20条3項に規定する陳述書及び証拠書類等を提出しなかったため、団体規制法21条1項に基づき意見聴取を終結した。 公安審は、公安調査庁長官が提出した処分請求書及び証拠書類等につき審査をした上で、令和5年3月13日付けで、本件処分をした。 イ陳述書及び質問書の提出期限の延長及び意見聴取期日の調整について申立人は、令和5年2月2日、公安審に対し、陳述書及び質問書の提出期限の延長及び意見聴取期日の調整をして欲しい旨を申し入れたにもかかわらず、公安審がこの申入れを全く聞き入れず、申立人の防御権を侵害した旨主張する。 しかし、団体規制法上、団体に、陳述書及び質問書の提出期限の延長及び意見聴取期日の調整に係る申立権があるとは規定されていないから、公安審が、申立人の上記申入れに応じるか否かは、公安審の裁量に委ねられるというべきである。そして、団体規制法22条2項が、公安審は、団体規制法17条2項の規定による公示があった日から30日以内に、処分の 請求に係る事件につき決定をするように努めなければならない旨規定し、手続の迅速性が求められているところ、前記ア及びのとおり、公安審は、陳述書及び質問書の提出期限を同月20日とした上でその旨を同月1日に申立人側に通知しており、申立人に十分な猶予を与えているといえること、団体規制法17 いるところ、前記ア及びのとおり、公安審は、陳述書及び質問書の提出期限を同月20日とした上でその旨を同月1日に申立人側に通知しており、申立人に十分な猶予を与えているといえること、団体規制法17条1項が、公安審は、意見聴取を行うに当たっては、 あらかじめ、意見聴取期日及び場所を定め、その期日の7日前までに、団 - 32 -体に対し、同項各号に掲げる事項を通知する旨規定し、団体規制法上、意見聴取期日の指定は、同項に基づく通知から7日の猶予を与えれば十分であるといえるところ、同のとおり、公安審は同月27日の意見聴取期日を同月1日に申立人側に通知しており、十分な猶予を与えているといえること、申立人の上記申入れの理由は、代理人を選任して代理人と日程等の 調整をする必要があるためなどというものにとどまり(疎甲49。枝番号を含む。以下同じ。)、陳述書及び質問書の上記提出期限及び上記意見聴取期日までに代理人の選任等ができない理由を具体的に述べるものではなかったことからすれば、公安審が陳述書及び質問書の提出期限の延長及び意見聴取期日の調整を認めなかったことは、公安審の裁量権の範囲を逸脱 し又はこれを濫用したものではないと認められる。申立人の上記主張は理由がない。 ウ証拠書類等の写しの交付について申立人は、令和5年2月2日、公安審に対し、公安調査庁長官の提出に係る処分請求書及びこれに添付された全ての証拠書類等の写しを交付し て欲しい旨を申し入れたにもかかわらず、公安審が閲覧の機会の付与や一部の資料の貸与しかしなかったことは、申立人の手続保障を欠いたものである旨主張する。 しかし、団体規制法上、団体に公安調査庁長官の提出に係る処分請求書及び証拠書類等の写しの交付を受ける権利があるとは規定されていない から、 、申立人の手続保障を欠いたものである旨主張する。 しかし、団体規制法上、団体に公安調査庁長官の提出に係る処分請求書及び証拠書類等の写しの交付を受ける権利があるとは規定されていない から、公安審が、申立人の上記申入れに応じるか否かは、公安審の裁量に委ねられるというべきである。そして、団体規制法17条1項が、公安審は、意見聴取期日の7日前までに、団体に対し、公安調査庁長官の請求に係る処分の内容及び根拠となる法令の条項、請求の原因となる事実等を通知する旨規定し、団体規制法上、団体が公安調査庁長官の請求内容等を知 る手段としては上記通知で十分であるとしているといえるところ、前記ア - 33 -のとおり、公安審は、公安調査庁長官の提出に係る処分請求書及び証拠書類等について、申立人に閲覧の機会を付与するとともに、申立人代理人の弁護士から求めがあれば、処分請求書等に加え、総括的な報告書11点の各写しを貸与することとしたのであるから、申立人に十分な手続保障を与えているといえること、それにもかかわらず、申立人は、同のとおり、 上記各書類を閲覧せず、申立人代理人も選任しなかったのであり、これについて合理的な理由はうかがわれず(疎甲49)、申立人に対してさらなる閲覧等の機会を与える必要もなかったといえることからすれば、公安審が証拠書類等の写しの交付を認めなかったことは、公安審の裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものではないと認められる。申立人の上記主 張は理由がない。 エ書面による回答について申立人は、令和5年2月7日、公安審に対し、正確なやり取りが記録に残るようにしたいため、申立人の質問に対し回答するに当たっては、書面で回答されたい旨を申し入れたにもかかわらず、公安審がこの申入れを全 く聞き入れなかった 公安審に対し、正確なやり取りが記録に残るようにしたいため、申立人の質問に対し回答するに当たっては、書面で回答されたい旨を申し入れたにもかかわらず、公安審がこの申入れを全 く聞き入れなかったことは、申立人の手続保障を欠いたものである旨主張する。 しかし、団体規制法上、公安審が、法定の手続ではない団体の質問等について、書面で回答を行わなければならないとは規定されていないから、公安審が、申立人の上記申入れに応じるか否かは、公安審の裁量に委ねら れるというべきである。そして、前記イのとおり、公安審の手続には迅速性が求められており、書面ではなく口頭で回答する必要性が認められること、申立人の上記申入れは、公安審との正確なやり取りが記録に残るようにしたいなどというものにすぎず、公安審が口頭で回答することによっていかなる不利益が生じるかを具体的に述べるものではなかったこと(疎甲 49)からすれば、公安審が書面での回答をしなかったことは、公安審の - 34 -裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものではないと認められる。申立人の上記主張は理由がない。 オ申立人と本団体の異同等に関する質問への回答について申立人は、申立人と本件請求に係る団体との異同や申立人が公安審が実施する手続に適法に関与できるか否かなどの質問について、公安審が回答 しなかったことは、申立人が防御権を行使するために決定的に重要な点を欠いたものである旨主張する。 しかし、団体規制法上、公安審が、法定の手続ではない団体の質問等について、回答を行わなければならないとは規定されていないから、公安審が、申立人の上記質問に回答するか否かは、公安審の裁量に委ねられると いうべきである。そして、本件請求に係る団体(「平成12年1月28日、公安審査委員会によ いとは規定されていないから、公安審が、申立人の上記質問に回答するか否かは、公安審の裁量に委ねられると いうべきである。そして、本件請求に係る団体(「平成12年1月28日、公安審査委員会によって、3年間、公安調査庁長官の観察に付する処分を行う決定を受け、平成15年1月23日以降令和3年1月6日までの間に、3年ごとに、順次同処分の期間を更新する決定を受けた「A1ことA2を教祖・創始者とするオウム真理教の教義を広め、これを実現すること を目的とし、同人が主宰し、同人及び同教義に従う者によって構成される団体」と同一性を有する、「Aleph」の名称を用いる団体」)が申立人を意味することは明らかであり(なお、申立人においても、本件請求及び本件処分に係る団体が申立人であることを前提として、本件処分の取消しを求める訴え(本案事件)を提起し、本申立てをしている。)、申立人が本 件請求に係る団体と申立人が異なるものと考える理由について合理的な説明もなかったこと(疎甲49)からすれば、公安審が申立人と本件請求に係る団体との異同等を回答しなかったことは、公安審の裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものではないと認められる。申立人の上記主張は理由がない。 カ小括 - 35 -以上によれば、本件処分に手続の違法はないと一応認められる。 3 結論よって、その余の争点について判断するまでもなく、本件申立てには理由がないからこれを却下することとし、主文のとおり決定する。 令和5年8月2日 東京地方裁判所民事第38部 裁判長裁判官鎌野真敬 裁判官栗原志保 裁判官都 築 健太郎(別紙1、2-2省略) - 36 -(別紙2-1) 裁判長裁判官鎌野真敬 裁判官栗原志保 裁判官都 築 健太郎(別紙1、2-2省略) - 36 -(別紙2-1)処分目録 1 被処分団体平成12年1月28日、公安審査委員会によって、3年間、公安調査庁長官の 観察に付する処分を行う決定を受け、平成15年1月23日以降令和3年1月6日までの間に、3年ごとに、順次同処分の期間を更新する決定を受けた「A1ことA2を教祖・創始者とするオウム真理教の教義を広め、これを実現することを目的とし、同人が主宰し、同人及び同教義に従う者によって構成される団体」と同一性を有する、「Aleph」の名称を用いる団体 2 処分内容⑴ 被処分団体は、この決定に係る官報の公示の日の翌日から起算して6月間、別紙2-2物件目録記載1ないし13の土地、建物の使用をしてはならない。 ⑵ 被処分団体は、この決定に係る官報の公示の日の翌日から起算して6月間、金品その他の財産上の利益の贈与を受けてはならない。 以上 - 37 -(別紙3)関係法令の定め第1 団体規制法(観察処分)第五条公安審査委員会は、その団体の役職員又は構成員が当該団体の活動として 無差別大量殺人行為を行った団体が、次の各号に掲げる事項のいずれかに該当し、その活動状況を継続して明らかにする必要があると認められる場合には、当該団体に対し、三年を超えない期間を定めて、公安調査庁長官の観察に付する処分を行うことができる。 一当該無差別大量殺人行為の首謀者が当該団体の活動に影響力を有しているこ と。 二当該無差別大量殺人行為に関与した者の全部又は一部が当該団体の役職員又は構成員であること。 三当該無差別大量殺人 差別大量殺人行為の首謀者が当該団体の活動に影響力を有しているこ と。 二当該無差別大量殺人行為に関与した者の全部又は一部が当該団体の役職員又は構成員であること。 三当該無差別大量殺人行為が行われた時に当該団体の役員(団体の意思決定に関与し得る者であって、当該団体の事務に従事するものをいう。以下同じ。)で あった者の全部又は一部が当該団体の役員であること。 四当該団体が殺人を明示的に又は暗示的に勧める綱領を保持していること。 五前各号に掲げるもののほか、当該団体に無差別大量殺人行為に及ぶ危険性があると認めるに足りる事実があること。 2 (略) 3 第一項の処分を受けた団体は、政令で定めるところにより、当該処分が効力を生じた日からその効力を失う日の前日までの期間を三月ごとに区分した各期間(最後に三月未満の区分した期間が生じた場合には、その期間とする。以下この項において同じ。)ごとに、当該各期間の経過後十五日以内に、次に掲げる事項を、公安調査庁長官に報告しなければならない。 一当該各期間の末日における当該団体の役職員の氏名、住所及び役職名並びに - 38 -構成員の氏名及び住所二当該各期間の末日における当該団体の活動の用に供されている土地の所在、地積及び用途三当該各期間の末日における当該団体の活動の用に供されている建物の所在、規模及び用途 四当該各期間の末日における当該団体の資産及び負債のうち政令で定めるもの五当該各期間中における当該団体の活動に関する事項のうち政令で定めるもの六その他第一項の処分に際し公安審査委員会が特に必要と認める事項 4 公安審査委員会は、第一項の処分を受けた団体が同項各号に掲げる事項のいずれかに該当する場合であって、引き続き当該団体の活動状 六その他第一項の処分に際し公安審査委員会が特に必要と認める事項 4 公安審査委員会は、第一項の処分を受けた団体が同項各号に掲げる事項のいずれかに該当する場合であって、引き続き当該団体の活動状況を継続して明らかに する必要があると認められるときは、その期間を更新することができる。 5 第三項の規定は、前項の規定により期間が更新された場合について準用する。 この場合において、第三項中「当該処分が効力を生じた日から」とあるのは、「期間が更新された日から」と読み替えるものとする。 6 (略) (観察処分の実施)第七条公安調査庁長官は、第五条第一項又は第四項の処分を受けている団体の活動状況を明らかにするため、公安調査官に必要な調査をさせることができる。 2 公安調査庁長官は、第五条第一項又は第四項の処分を受けている団体の活動状況を明らかにするために特に必要があると認められるときは、公安調査官に、同 条第一項又は第四項の処分を受けている団体が所有し又は管理する土地又は建物に立ち入らせ、設備、帳簿書類その他必要な物件を検査させることができる。 3、4 (略)(再発防止処分)第八条公安審査委員会は、その団体の役職員又は構成員が当該団体の活動として 無差別大量殺人行為を行った団体が、第五条第一項各号のいずれかに該当する場 - 39 -合であって、次の各号のいずれかに該当するときは、当該団体に対し、六月を超えない期間を定めて、次項各号に掲げる処分の全部又は一部を行うことができる。 同条第一項又は第四項の処分を受けている団体について、同条第二項若しくは第三項の規定による報告がされず、若しくは虚偽の報告がされた場合、又は前条第二項の規定による立入検査が拒まれ、妨げられ、若しくは忌避された場合であっ て、当 いる団体について、同条第二項若しくは第三項の規定による報告がされず、若しくは虚偽の報告がされた場合、又は前条第二項の規定による立入検査が拒まれ、妨げられ、若しくは忌避された場合であっ て、当該団体の無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度を把握することが困難であると認められるときも、同様とする。 一~八 (略) 2 前項の規定により行うことができる処分は、次に掲げるものとする。 一 (略) 二当該団体が所有し又は管理する特定の土地又は建物(専ら居住の用に供しているものを除く。)の全部又は一部の使用を禁止すること。 三、四 (略)五金品その他の財産上の利益の贈与を受けることを禁止し、又は制限すること。 (処分の請求) 第十二条第五条第一項及び第八条の処分は、公安調査庁長官の請求があった場合にのみ行う。第五条第四項の処分についても、同様とする。 2、3 (略)(意見聴取)第十六条公安審査委員会は、第十二条第一項前段の処分の請求があったときは、 公開による意見聴取を行わなければならない。ただし、個人の秘密の保護のためやむを得ないと認めるときは、これを公開しないことができる。 (意見聴取の通知の方式)第十七条公安審査委員会は、前条の意見聴取を行うに当たっては、あらかじめ、意見聴取を行う期日及び場所を定め、その期日の七日前までに、当該団体に対し、 次に掲げる事項を通知しなければならない。 - 40 -一公安調査庁長官の請求に係る処分の内容及び根拠となる法令の条項二請求の原因となる事実三意見聴取の期日及び場所 2 前項の通知は、官報で公示して行う。この場合においては、公示した日から七日を経過した時に、当該通知が当該団体に到達したものとみなす。 3 当該団体の代表 実三意見聴取の期日及び場所 2 前項の通知は、官報で公示して行う。この場合においては、公示した日から七日を経過した時に、当該通知が当該団体に到達したものとみなす。 3 当該団体の代表者又は主幹者の住所又は居所が知れているときは、前項の規定による公示のほか、これに通知書を送付しなければならない。 (代理人)第十八条前条第一項の通知を受けた団体(同条第二項後段の規定により当該通知が到達したものとみなされる団体を含む。)は、代理人を選任することができる。 2 代理人は、各自、当該団体のために、意見聴取に関する一切の行為をすることができる。 (意見聴取の指揮)第十九条意見聴取は、公安審査委員会が指名する公安審査委員会の委員長又は委員(以下「指名委員等」という。)が指揮する。 2 指名委員等は、意見聴取の期日の冒頭において、公安調査庁の職員に、請求に係る処分の内容及び根拠となる法令の条項並びに請求の原因となる事実を意見聴取の期日に出頭した者に対し説明させなければならない。 3 指名委員等は、意見聴取の手続を妨げる行為をした者に退去を命ずることができる。 (意見の陳述及び証拠書類等の提出等)第二十条当該団体の役職員、構成員及び代理人は、五人以内に限り意見聴取の期日に出頭して、当該処分を行うことについて意見を述べ、証拠書類等を提出することができる。 2 当該団体の役職員、構成員及び代理人は、指名委員等の許可を得て公安調査庁 の職員に対し質問を発することができる。 - 41 - 3 当該団体の役職員、構成員及び代理人は、意見聴取の期日への出頭に代えて、公安審査委員会に対し、意見聴取の期日までに陳述書及び証拠書類等を提出することができる。 (意見聴取の終結)第二十一条指名委員 体の役職員、構成員及び代理人は、意見聴取の期日への出頭に代えて、公安審査委員会に対し、意見聴取の期日までに陳述書及び証拠書類等を提出することができる。 (意見聴取の終結)第二十一条指名委員等は、当該団体の役職員、構成員及び代理人の全部又は一部 が正当な理由なく意見聴取の期日に出頭せず、かつ、前条第三項に規定する陳述書又は証拠書類等を提出しない場合には、これらの者に対し改めて意見を述べ、及び証拠書類等を提出する機会を与えることなく、意見聴取を終結することができる。 2 指名委員等は、前項に規定する場合のほか、当該団体の役職員、構成員及び代 理人の全部又は一部が意見聴取の期日に出頭せず、かつ、前条第三項に規定する陳述書又は証拠書類等を提出しない場合において、これらの者の意見聴取の期日への出頭が相当期間引き続き見込めないときは、これらの者に対し、期限を定めて陳述書及び証拠書類等の提出を求め、当該期限が到来したときに意見聴取を終結することができる。 (公安審査委員会の決定)第二十二条公安審査委員会は、公安調査庁長官が提出した処分請求書及び証拠書類等並びに当該団体の意見及び当該団体が提出した証拠書類等につき審査を遂げた上、次の区分に従い決定をしなければならない。 一処分の請求が不適法であるときは、これを却下する決定 二処分の請求が理由がないときは、これを棄却する決定三処分の請求が理由があるときは、その処分を行う決定 2 公安審査委員会は、第十七条第二項の規定による公示があった日から三十日以内に、処分の請求に係る事件につき決定をするように努めなければならない。 (決定の通知及び公示) 第二十四条第二十二条第一項の決定は、公安調査庁長官及び当該団体に通知しな - 42 -ければなら 請求に係る事件につき決定をするように努めなければならない。 (決定の通知及び公示) 第二十四条第二十二条第一項の決定は、公安調査庁長官及び当該団体に通知しな - 42 -ければならない。 2 前項の通知は、公安調査庁長官及び当該団体に決定書の謄本を送付して行う。 ただし、当該団体に代理人がある場合には、当該団体に代えて代理人に決定書の謄本を送付することができる。 3 第二十二条第一項の決定は、官報で公示しなければならない。 4 (略) 第2 無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律施行令(観察処分に付された団体の報告の方法)第一条無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律(以下「法」という。) 第五条第二項及び第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定による報告をしなければならない団体は、法務省令で定める様式に従い、文書で、当該報告をしなければならない。 (資産及び負債の範囲)第二条法第五条第二項第四号及び第三項第四号(同条第五項において準用する場 合を含む。)に規定する資産及び負債のうち政令で定めるものは、次に掲げる事項とする。 一資産イ、ロ (略)ハ現金の現在額 ニ (略)ホ預貯金の種類、金融機関名、残高及び口座名義人の氏名又は名称ヘ~ヌ (略)二負債 (略)(団体の活動に関する事項の範囲) 第三条法第五条第三項第五号に規定する当該団体の活動に関する事項のうち政令 - 43 -で定めるものは、次に掲げる事項とする。 一当該団体(その支部、分会その他の下部組織を含む。以下この号において同じ。)がした当該団体の活動に関する意思決定の内容二当該団体の機関誌紙の名称及び発行部数並びに編集人及び発行人の する。 一当該団体(その支部、分会その他の下部組織を含む。以下この号において同じ。)がした当該団体の活動に関する意思決定の内容二当該団体の機関誌紙の名称及び発行部数並びに編集人及び発行人の氏名 第3 無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律施行規則(報告の方法等)第六条無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律施行令(以下「令」という。)第一条の規定に基づく報告は、別紙様式第三号(略)による報告書を公安調査庁長官に提出してしなければならない。 以上
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