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昭和28(う)1975 酒税法違反被告事件

裁判所

昭和29年6月7日 東京高等裁判所 破棄自判

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1,346 文字

主文 原判決を破棄する。被告人を懲役八月及び罰金参万円に処する。但し本裁判確定の日より四年間右懲役刑の執行を猶予する。右罰金不完納のときは金二百円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。群馬県多野郡藤岡町所在藤岡税務署保管に係る番号一、一斗ガメ五本、二、合成清酒五斗九、二石ダル空一本十四、蛇管一個、十五、蒸溜器一個、十七、水管二個、十八、杓子三個、十九濾過器一個、二十二、酒精計二個、二十三、ゴム管(一〇米、二、九米)二本は之を没収する。原審に於ける訴訟費用は全部被告人の負担とする。理由 本件控訴の趣意は被告人及び弁護人井上英男提出に係る控訴趣意書記載の通りであるから之を引用する。之に対する当裁判所の判断は次のとおりである。第二点にりいて本件記録を調査すると原審第四回公判期日に於て検察官は合成清酒製造の起訴事実を清酒製造の事実に訂正を申請し原審裁判官が之を許可したことは明らかであるから、右は合成清酒製造の起訴事実を清酒製造の事実に訴因を変更し、裁判所はこれを許可したものと認められる。然してその後原審が訴因変更の手続を採らないで合成清酒を製造したものと認定したことは所論のとおりであつて、右のように一旦合成清酒製造の訴因を清酒製造の訴因に変更しながら更に訴因の変更又は先の訴因変更の取消をしないで合成清酒製造の事実を認定したことは原審の訴訟手続としていささか妥当を欠くものと云わなければならない。<要旨>然しながら清酒製造の訴因に対しこれを合成清酒を製造したものと認定しても酒類を製造したという基本事</要旨>実に変更なく且被告人の防禦に実質的不利益を住じないものであるから訴因変更の手続を経なくても違法ではないものと解せられ しこれを合成清酒を製造したものと認定しても酒類を製造したという基本事</要旨>実に変更なく且被告人の防禦に実質的不利益を住じないものであるから訴因変更の手続を経なくても違法ではないものと解せられる(昭和二十七年十月十六日最高裁第一小法廷決定判例集第六巻九号一、一一六頁参照)それ故原審が前示のように合成清酒製造の起訴事実を清酒製造の事実に訴因の変更を許可しながら訴因変更の手続を採らないで再び之を合成清酒を製造したものと認定しても刑事訴訟法第三百十二条に違反したものとは解せられずこれを以て訴訟手続が法令に違反したものと云うことはできない。 ら訴因変更の手続を経なくても違法ではないものと解せられる(昭和二十七年十月十六日最高裁第一小法廷決定判例集第六巻九号一、一一六頁参照)それ故原審が前示のように合成清酒製造の起訴事実を清酒製造の事実に訴因の変更を許可しながら訴因変更の手続を採らないで再び之を合成清酒を製造したものと認定しても刑事訴訟法第三百十二条に違反したものとは解せられずこれを以て訴訟手続が法令に違反したものと云うことはできない。又被告人が製造したものが合成清酒であることは原判決挙示の証拠によりこれを認めうることは前示第一点に対する判断中に於て説明したとおりであるからこの点においても原審は事実の誤認又は審理不尽の違法はないというべく論旨はすべて理由がない。(その他の判決理由は省略する。)(裁判長判事谷中董判事荒川省三判事福島昇)

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