令和2(わ)567 特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律違反,有印私文書偽造・同行使

裁判年月日・裁判所
令和2年8月27日 大阪地方裁判所
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判決文本文2,332 文字)

主文 被告人を懲役1年6月及び罰金30万円に処する。 その罰金を完納することができないときは,金5000円を1日に換算した期間,被告人を労役場に留置する。 この裁判が確定した日から3年間その懲役刑の執行を猶予する。 大阪地方検察庁で保管中の偽造身分証明書1通(領置番号省略)の偽造部分を没収する。 理由 (犯罪事実)被告人は,第1 大阪市所在のAで開演される舞台公演Bの興行主である株式会社Cの事前の同意を得ないで,業として,令和元年6月22日,大阪市(住所省略)D内において,Eに対し,それを提示することにより同舞台公演に入場することができる証票であるQRコード等を同人のスマートフォンの画面上に表示させた上でこれを交付する方法により,特定興行入場券である同舞台公演の電子チケットを興行主等の当該特定興行入場券の販売価格を超える価格である代金4万円で譲渡し,もって特定興行入場券の不正転売をし,第2 同年6月30日,札幌市(住所省略)被告人方において,行使の目的で,パーソナルコンピュータ及びプリンター等を用いて,「身分証明書訪問介護職員(ヘルパー) F 株式会社G」などと記載された画像を印刷した上,これをプラスチックカードに貼り付け,さらに同カードに自身の顔写真を貼付するなどし,もって株式会社G作成名義の身分証明書1通(領置番号省略)を偽造した上,同日午前11時頃,東京都文京区(住所省略)所在のH開催の舞台公演Bの入場口において,入場者の身分確認を行っていたスタッフに対し,同偽造身分証明書を真正に成立したもののように装って提示して行使し,第3 前記Aで開演される舞台公演Iの興行主である株式会社Jの事前の同意を得 ないで,業として,同年9月1日,前記D内において,それを提示する 立したもののように装って提示して行使し,第3 前記Aで開演される舞台公演Iの興行主である株式会社Jの事前の同意を得 ないで,業として,同年9月1日,前記D内において,それを提示することにより同舞台公演に代表者及び同行者の2名が入場することができる証票であるQRコード等をKのスマートフォンの画面上に表示させた上でこれをKに交付し,K及びLを引き合わせ,Kが代表者,Lが同行者として両名が同舞台公演に入場するよう説明する方法により,特定興行入場券である同舞台公演の電子チケットをいずれも興行主等の当該特定興行入場券の販売価格を超える価格である代金13万3000円でKに,代金12万5000円でLにそれぞれ譲渡し,もって特定興行入場券の不正転売をしたものである。 (証拠)省略(法令の適用)罰条第1の行為について特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律9条,3条第2の行為のうち,有印私文書偽造の点について刑法159条1項第2の行為のうち,偽造有印私文書行使の点について刑法161条1項,159条1項第3の行為について包括して特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律9条,3条科刑上の一罪の処理第2について刑法54条1項後段,10条(1罪として犯情の重い偽造有印私文書行使罪の刑で処断) 刑種の選択第1及び第3の罪につき,いずれも懲役刑及び罰金刑を選択併合罪の処理刑法45条前段懲役刑につき,刑法47条本文,10条(最も重い第2の罪の懲役刑に同法47条ただし書の制限内で法定の加重)罰金刑につき,刑法48条1項,2項(懲役刑と併科し,判示第1及び第 刑法45条前段懲役刑につき,刑法47条本文,10条(最も重い第2の罪の懲役刑に同法47条ただし書の制限内で法定の加重)罰金刑につき,刑法48条1項,2項(懲役刑と併科し,判示第1及び第3の各罪所定の罰金の多額を合計)労役場留置刑法18条(金5000円を1日に換算する。)刑の執行猶予刑法25条1項(懲役刑)没収大阪地方検察庁で保管中の偽造身分証明書1通(領置番号省略)の偽造部分第2の偽造有印私文書行使に関し,刑法19条1項1号,2項本文(量刑の理由)被告人は,アイドルグループの公演を良い席で見たいなどと考え,転売されているチケットを複数入手するなどした上で,偽造身分証明書を利用して公演に入場するほか,残りのチケットを転売し,得た利益をチケットの購入代金に充てるということを繰り返す中で,本件各犯行を敢行した。その動機や経緯に酌むべき事情は特に認められない。被告人の犯行は,興行入場券の適正な流通を阻害し,不正転売の防止に対する興行主の努力を無にするものである。 以上によれば,被告人の刑事責任を軽く見ることはできないが,本件犯行に関する事情を考慮しても,これまで前科のない被告人について,その懲役刑の執行を猶予する余地はある。 その上で,被告人において,事実を認めた上で反省の弁を述べていること,父親が情状証人として出廷して被告人のために証言していることなどの事情を考慮し,懲役刑については主文のとおりの刑期を量定し,また,本件のような犯行が経済的に見合わないことを示すために,主文のとおりの額の罰金刑の併科をもって臨むの が相当であると認めたが,懲役刑については今回に限りその執行を猶予することとしたものである。 (求刑・懲役2年及び罰金30万円,偽造身分証明書の偽 りの額の罰金刑の併科をもって臨むの が相当であると認めたが,懲役刑については今回に限りその執行を猶予することとしたものである。 (求刑・懲役2年及び罰金30万円,偽造身分証明書の偽造部分の没収)令和2年9月4日大阪地方裁判所第15刑事部 裁判官栗原保

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