平成17(ワ)25884 特許権移転登録等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成20年1月23日 東京地方裁判所
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判決文本文40,352 文字)

平成20年1月23日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成17年( )第25884号特許権移転登録等請求事件ワ口頭弁論終結日平成19年11月7日判決神戸市東灘区<以下略>原告株式会社ヘイセイ同訴訟代理人弁護士丹羽一彦同訴訟復代理人弁護士森嶋裕子東京都板橋区<以下略>被告株式会社福治同訴訟代理人弁護士林正紀主文 被告は,原告に対し,別紙特許権目録記載の特許権,別紙意匠権目録記載の意匠権及び別紙商標権目録記載の商標権の各移転登録手続をせよ。 被告は,原告に対し,原告が別紙特許出願権目録記載の各特許を受ける権利を有することを確認する。 訴訟費用は被告の負担とする。 事実 及び理由第1請求主文同旨第2事案の概要本件は,被告及び日本ウェブ加工株式会社(以下「日本ウェブ加工」という。)との間で,営業譲渡の契約を締結した原告が,同契約に基づき,同契約の対象財産である別紙特許権目録記載の各特許権(以下「本件各特許権」といい,各別の特許権を同目録記載の番号に従って「本件特許権1」のようにいう。 なお,本件特許権5は,同契約当時,出願中であり登録されていなかった。),別紙意匠権目録記載の各意匠権(以下「本件各意匠権」といい,各別の意匠権を同目録記載の番号に従って「本件意匠権1」のようにいう。)及び別紙商標権目録記載の各商標権(以下「本件各商標権」といい,各別の商標権を同目録記載の番号に従って「本件商標権1」のようにいう。)の移転登録手続を求めるほか,原告が,別紙特許出願権目録記載の各特許を受ける権利(以下「本件各特許を受ける権利」といい,各別の権利を同目録記載の番号に従って「本件特許を受ける権利1」のようにいう。)を有することの確認を求めたのに 告が,別紙特許出願権目録記載の各特許を受ける権利(以下「本件各特許を受ける権利」といい,各別の権利を同目録記載の番号に従って「本件特許を受ける権利1」のようにいう。)を有することの確認を求めたのに対し,被告が,本件各特許権,本件各意匠権,本件各商標権及び本件各特許を受ける権利(以下「本件各権利」と総称する。)の移転には,それと対価関係にある原告の債務が履行されておらず,同時履行の抗弁権を有するとして,争っている事案である。 前提となる事実等(争いがない事実以外は証拠等を末尾に記載する。)⑴当事者等原告は,商号を「郡上ウール株式会社」として,昭和54年8月1日に設立された会社であり,平成14年1月20日に,その目的を,ペット用品の販売,ペット用品(引紐,首輪等)の製造等に変更し,同年4月1日,商号を現商号に変更した(甲2,弁論の全趣旨,以下「新ヘイセイ」ということもある。)。 被告は,商号を「株式会社ヘイセイ」として,平成元年1月11日に設立された,愛玩動物用品の製造,販売,輸出入等を行う会社であり,平成14年4月1日,商号を現商号に変更し,現在は,一切の商業活動を停止している(乙31,弁論の全趣旨,以下「旧ヘイセイ」ということもある。)。 日本ウェブ加工は,昭和41年に,同社の代表取締役であるAにより,「株式会社アニマルヘルスフード」として設立された会社であり,その後,「株式会社アニマルヘルス」と商号変更され,平成9年には現商号に変更さ れた。 Aと,被告の代表取締役であるBとは夫婦である(以下,同夫婦を「A夫妻」という。)。Aは,昭和39年にペットフードに関する卸売販売の個人営業を開始し,昭和41年に日本ウェブ加工を設立して,ペット関係のサプリメント及びペット用品の製造販売を行い,平成元年に旧ヘイセイを設立してからは,主 昭和39年にペットフードに関する卸売販売の個人営業を開始し,昭和41年に日本ウェブ加工を設立して,ペット関係のサプリメント及びペット用品の製造販売を行い,平成元年に旧ヘイセイを設立してからは,主に,旧ヘイセイを営業主体として,ペット用品等の製造,販売等を行ってきたのであり,旧ヘイセイ及び日本ウェブ加工の実質的なオーナーである(乙31)。なお,Aは,平成14年3月1日の後記の営業譲渡契約締結後,同年4月1日から平成17年3月31日まで,原告の顧問として勤務した。 原告は,平成18年9月30日,株主総会の決議により解散した(弁論の全趣旨)。 ⑵営業譲渡契約ア契約内容原告は,平成14年3月1日,被告及び日本ウェブ加工との間で,愛玩動物用品の製造及び販売並びに輸出入,玩具の製造及び販売並びに輸出入に係る営業を譲り受ける営業譲渡契約(以下「本件営業譲渡契約」といい,同契約に基づく営業譲渡を「本件営業譲渡」という。)を締結した。 本件営業譲渡契約では,被告(旧商号「株式会社ヘイセイ」)を甲,日本ウェブ加工を乙,原告(旧商号「郡上ウール株式会社」)を丙として,以下のとおりの条項が定められている(甲1)(以下,本件営業譲渡契約の契約書を「本件営業譲渡契約書」という。)。 第1条(営業譲渡)甲及び乙は平成14年4月1日(以下「譲渡日」という。)付にて,甲及び乙の,愛玩動物用品の製造及び販売並びに輸出入,玩具の製造及び販売並びに輸出入,にかかる営業(以下「本営業」という。)を 丙に譲渡する。 第2条(譲渡の内容)前条により譲渡すべき財産は本営業に必要な譲渡日現在の資産負債(別紙1)並びに営業権,甲及び乙が保有する特許権,実用新案権,商標権(別紙2)等の一切の権利及びリース契約(別紙3)の範囲内とする。 第3条(資産の評価等)1.前条による な譲渡日現在の資産負債(別紙1)並びに営業権,甲及び乙が保有する特許権,実用新案権,商標権(別紙2)等の一切の権利及びリース契約(別紙3)の範囲内とする。 第3条(資産の評価等)1.前条による譲渡価格は,固定資産については譲渡日現在における適正価格,その他の財産については同日現在における甲の帳簿価格とする。 2.営業権は,甲を60,000,000円,乙を80,000,000円とする。 3.資産,負債の細目及び精算方法等については,甲及び乙並びに丙協議の上定めるものとする。 4.消費税は外税とする。 第4条(引渡時期)第2条にもとづく譲渡財産の引渡時期は平成14年4月1日とする。 但し手続上の事由により必要があるときは甲及び乙並びに丙協議の上これを変更することができる。 第7条(役員の引継ぎ)1.甲及び乙の現役員については,丙はこれを引き継がない。 2.Aは顧問として採用する。その処遇については別途協議する。 (3.以下省略)第9条(引継義務等)1.甲乙並びに丙の新旧役員は協力して,丙の本営業の引き継ぎをおこなうものとする。その場合,甲乙は丙に対して,会社の過去の 決算書類その他の帳簿,資産の権利の証書,その他会社の経営,管理に必要な書類等を整理して交付し,また丙からの問い合わせに対して,誠実に対応するものとする。 2.本合意の成立後,譲渡日までに,甲及び乙は,その経営及び資産の管理について,善良なる管理者としての注意義務をもって行うものとする。 第10条(公租公課等の負担)本営業譲渡日前の期間に対応するものは甲乙の,譲渡日以降の期間に対応するものは丙の負担とする。 第11条(簿外負債等)本営業譲渡後,知られざる債務その他の瑕疵が発見され,その結果丙が損害を被ったときは,その損失については甲及び乙並びにA,Bが連帯してその債務 対応するものは丙の負担とする。 第11条(簿外負債等)本営業譲渡後,知られざる債務その他の瑕疵が発見され,その結果丙が損害を被ったときは,その損失については甲及び乙並びにA,Bが連帯してその債務の履行もしくは瑕疵の補修を行い,丙に対して求償その他何らの請求を行わないものとする。 第18条(効力発生日)この契約は,甲及び乙並びに丙が平成14年3月31日迄にそれぞれの株主総会の承認を得,又は法令により必要とする手続きが完了したとき,その効力(原文では「抗力」となっている。)を生じるものとする。 (別紙1)譲渡財産明細(平成13年7月31日現在)株式会社ヘイセイ分(中略)なお特許権,実用新案権,商標権等の対価は,第3条3項の営業権の対価に含むものとする。 日本ウェブ加工分(中略) なお特許権,実用新案権,商標権等の対価は,第3条3項の営業権の対価に含むものとする。 イ本件特許権等(ア)本件営業譲渡契約書別紙2-1には,本件各特許権(ただし,本件特許権4及び5は除く。),本件各意匠権及び本件各商標権を含む,特許権,実用新案権,意匠権及び商標権が列挙されている。 本件特許権4は,平成8年7月15日に被告により出願され,平成14年12月13日,被告を権利者として(商号は「株式会社ヘイセイ」,住所は,平成17年2月15日移転前の住所とされている。)登録され(甲19,弁論の全趣旨),本件特許権5は,平成13年6月19日に被告により出願され,平成17年9月30日,被告を権利者として登録された(甲97)ものである。本件特許権4及び5は,本件営業譲渡契約書別紙2-1に掲げられていないが,本営業に必要な譲渡日現在の資産負債及び営業権,特許権,実用新案権,商標権等の一切の権利が,本件営業譲渡契約における譲渡対象の財産とされている(甲1,2条) 渡契約書別紙2-1に掲げられていないが,本営業に必要な譲渡日現在の資産負債及び営業権,特許権,実用新案権,商標権等の一切の権利が,本件営業譲渡契約における譲渡対象の財産とされている(甲1,2条)ことからすれば,本件特許権4及び5の特許を受ける権利は,上記譲渡の対象とされており,それらに係る発明について被告が特許を受けた場合には,当該各特許権の原告への移転登録をすることが合意されていたと解するのが相当である(このように,本件営業譲渡契約によって,本件特許権4及び5の移転登録手続を請求することができると解されるから,本件特許権4及び5について,本件営業譲渡契約における譲渡対象の財産に含まれないことを前提とする原告の主張,すなわち,本件特許権4及び5自体は譲渡対象財産に含まれていないとしても,それらの特許を受ける権利は譲渡対象となっていたのであり,譲渡後に各権利に係る発明の内容が変更されることなく譲渡人である被告名義で特許を受けた以上,各特許権は実質的に原告に帰属し,譲渡人たる被告は無権利者であ るので,各特許権の移転登録手続請求を認めるのが相当である旨の主張を検討するまでもない。)。 本件各権利のうち,本件特許権1,本件意匠権6及び7並びに本件商標権1及び2については,平成15年6月24日に,被告の現在の住所に移転する前の住所に変更する登録がされ,平成17年5月11日から同年5月25日までの間に,名義人の名称を被告の旧商号から現商号に変更する登録がされている(甲16,28,29,31,32)。本件特許権3については,平成17年5月11日に,名義人の名称を被告の旧商号から現商号に変更し,住所を変更する各登録がされている(甲18)。また,本件特許権2,本件意匠権2及び5並びに本件商標権3,5,8及び9については,平成14年5月31日 ,名義人の名称を被告の旧商号から現商号に変更し,住所を変更する各登録がされている(甲18)。また,本件特許権2,本件意匠権2及び5並びに本件商標権3,5,8及び9については,平成14年5月31日から平成15年6月24日までの間に,住所変更の登録がされている(甲17,24,27,33,36,39,40)。本件各特許を受ける権利については,本件訴訟提起までの間に,いずれも,出願人名義の表記を被告の旧商号から現商号に変更する手続がとられている(甲43~47)。 その余の各権利については,被告の旧商号名義のまま,住所の変更も登録されない状況となっている。 (イ)日本ウェブ加工の保有に係る権利は,以下のとおりであった。 ①実用新案権第2109102号(甲95)②実用新案権第2528472号③商標権第1247355号(甲96)④商標権第2469105号⑤商標権第2432297号⑥商標権第2432303号これらは,いずれも,日本ウェブ加工の旧商号である株式会社アニマルヘルスフード名義で出願され,登録されていた。 上記①の実用新案権は,平成15年7月17日に原告名義への移転登録手続がされ,平成17年3月30日に登録が抹消された(甲95)。 上記②の実用新案権は,平成13年12月2日登録料不納を原因として,平成14年8月28日に登録が抹消された。 上記③の商標権は,平成15年7月16日に原告名義への移転登録手続がされた(甲96)。 上記④の商標権は,平成14年10月30日に,上記⑤及び⑥の商標権は平成14年7月31日に,いずれも存続期間満了により消滅した(登録は,④について平成15年7月23日,⑤及び⑥について同年4月2日)。 (弁論の全趣旨)⑶被告の預金口座等日本ウェブ加工は,以下の預金口座を保有している(甲7, 存続期間満了により消滅した(登録は,④について平成15年7月23日,⑤及び⑥について同年4月2日)。 (弁論の全趣旨)⑶被告の預金口座等日本ウェブ加工は,以下の預金口座を保有している(甲7,82)。 金融機関種類口座番号備考①朝日信用金庫普通名義:株式会社日本ウェブ加工435024(板橋支店)以下「日本ウェブ加工預金①」という。 甲7,82被告は,以下の預金口座を保有している(甲8~10,83,85~89)。 金融機関種類口座番号備考①あさひ銀行(池普通名義:㈱福治(㈱ヘイセイから変更)4490529袋支店)以下「被告預金①」という。甲8②朝日信用金庫普通名義:株式会社ヘイセイ0429017(板橋支店)以下「被告預金②」という。甲9,10,83③東京信用金庫普通名義:株式会社ヘイセイ2060761(要町支店)以下「被告預金③」という。甲85 ④巣鴨信用金庫普通名義:株式会社ヘイセイ3058176(幸町支店)以下「被告預金④」という。甲86⑤東日本銀行(池普通名義」㈱ヘイセイ254081袋支店)以下「被告預金⑤」という。甲87⑥みずほ銀行(池普通名義:株式会社ヘイセイ1822497袋西口支店)以下「被告預金⑥」という。甲88⑦王子信用金庫当座名義:㈱ヘイセイ2320583(常盤台支店)以下「被告預金⑦」という。甲89⑧朝日信用金庫当座名義:㈱ヘイセイ030630(板橋支店)以下「被告預金⑧」という。甲83(以下,日本ウェブ加工預金①及び被告預金①ないし被告預金⑧をまとめて,「被告等各預金」という。) 争点 本件各権利に関する対価支払の有無 争点についての当事者の主張(原告の主張)⑴本件各権利の対価本件各権利を含む本件営業 金①ないし被告預金⑧をまとめて,「被告等各預金」という。) 争点 本件各権利に関する対価支払の有無 争点についての当事者の主張(原告の主張)⑴本件各権利の対価本件各権利を含む本件営業譲渡契約の対象となった特許権,意匠権等の権利(以下「本件契約対象特許権等」という。)の対価は,本件営業譲渡契約書(甲1)別紙1において,「第3条3項の営業権の対価に含むものとする」旨定められているところ,この記載は,同契約書において,「営業権」の対価についての唯一記載のある「3条2項」の明らかな誤記である。本件各権利を含む被告保有の特許権,実用新案権,商標権等の対価は,本件営業譲渡契約3条2項で定められている6300万円(消費税相当分を含む。)の営業権の対価に含めることで合意された。 また,日本ウェブ加工の保有する特許権,実用新案権,商標権等の対価は,本件営業譲渡契約3条2項で定められている8400万円(消費税相当分を含む。)の営業権の対価に含めることに合意された。 なお,本件営業譲渡契約において原告に譲渡される財産のうち,営業権及び本件契約対象特許権等の対価については,上記のとおり,本件営業譲渡契約3条2項により定められ,それ以外の,譲渡日現在の資産負債の対価は,同条1項により定められることとされたところ,本件営業譲渡契約締結後,被告の簿外債務が明らかになったため,適正な事前調査が不可能であることを考慮して,原告と被告との間で,「買掛金,短期及び長期借入金及び未払い金」並びに「現金預金,受取手形,売掛金及び仮払金」を譲渡対象から除外することを合意し,その対価を1億2550万8739円(消費税相当分を含む。)とすることに合意した。 ⑵対価の支払の履行ア原告は,本件契約対象特許権等を含む営業権の対価の合計額1億4700万円を,次のと 合意し,その対価を1億2550万8739円(消費税相当分を含む。)とすることに合意した。 ⑵対価の支払の履行ア原告は,本件契約対象特許権等を含む営業権の対価の合計額1億4700万円を,次のとおり,被告に対し,すべて支払った。 ①平成14年3月15日7000万円(日本ウェブ加工預金①への振込み)(以下「本件7000万円振込」という。)(甲7の2)②平成14年3月29日1500万円(被告預金①への振込み)(以下「本件1500万円振込」という。)(甲8の2)③平成14年4月1日4500万円(被告預金②への振込み)(以下「本件4500万円振込」という。)(甲9の2)④平成14年4月30日1700万円(被告預金②への振込み)(以下「本件1700万円振込」という。)(甲10の2)このうち,本件各権利を含む被告の営業権の対価である6300万円は,上記②及び③による6000万円,上記④のうちの300万円によって支払われたものである(その余が日本ウェブ加工の営業権の対価分の支払である。)。 上記のいずれの支払についても,A及び被告が委任していた公認会計 士のC(以下「C会計士」という。)からの依頼及び振込先の指定を受けて行われたものであり,上記①は,同年3月上旬ころ,被告の資金繰りのために,日本ウェブ加工の取得分のうち7000万円を至急弁済してほしいとの要請を受けて実施され,上記②及び③は,同月中旬ころ,被告の個人等やあさひ銀行からの借入金弁済のために,被告の取得分のうち6000万円を1500万円と4500万円に分けて弁済することの要請を受けて実施され,上記④は,同年4月に,残額を一括して弁済してほしいとの要請を受けて実施されたものである。 イなお,上記⑴のとおり,営業権及び本件契約対象特許権等以外の,本件営業譲渡契約 の要請を受けて実施され,上記④は,同年4月に,残額を一括して弁済してほしいとの要請を受けて実施されたものである。 イなお,上記⑴のとおり,営業権及び本件契約対象特許権等以外の,本件営業譲渡契約の対象である資産については,その対価が1億2550万8739円(消費税相当分を含む。)と合意されたところ,同対価について,原告は,被告に対し,A又はC会計士による振込先の指定に基づき,以下のとおり支払った。 ①平成14年6月18日1億0191万3863円(被告預金②への振込み)(以下「本件1億円余振込」という。)(甲10の3)②平成14年9月27日2359万4876円(被告預金②への振込み)(以下「本件2359万円余振込」という。)(甲10の4)⑶被告又は日本ウェブ加工名義の預金等の管理状況本件営業譲渡契約では,譲渡財産の引渡時期は平成14年4月1日と合意されており(第4条),同年3月31日までは,被告の従業員が事務所に勤務し,被告の経理担当者Dも同日に退職するまで被告事務所に勤務し,被告の預金通帳等の管理を行っていた。そして,同年4月1日に同事務所が原告に対して引き渡され,このとき,原告の経理担当者が同事務所に赴任した。 まず,原告は,日本ウェブ加工の預金通帳等の引渡しを受けたことは一切ない。現在,原告が保管している日本ウェブ加工預金①の預金通帳は,平成 14年4月1日から平成17年3月31日まで原告に顧問として勤務していた,Aが管理していたのであるが,同人が退職する際に,原告社内に残置したものである。 次に,原告は,同年4月中旬に,被告預金①ないし⑦を含む預金の預金通帳を預かったが,これは,D退職後に,被告代表者のBから,預かってほしいと依頼されたので,原告の経理担当者であるEが預かったものである。被告の銀行印については ,被告預金①ないし⑦を含む預金の預金通帳を預かったが,これは,D退職後に,被告代表者のBから,預かってほしいと依頼されたので,原告の経理担当者であるEが預かったものである。被告の銀行印については,印鑑のボックスが事務所内にあり,その中に入ったままであった。 Aは,同年4月1日以降,ほぼ毎日,原告の顧問として原告事務所に出勤して,被告の銀行印や預金通帳には容易にアクセスし得る立場にあり,また,Eらその他の原告従業員に対し,銀行取引の代行を命じていた。 ⑷原告から被告に対する支払金の使途上記⑵において示された金員については,以下のとおり,実際に被告のために費消されており,同金員が被告に対する支払であったことが裏付けられる。 ア本件7000万円振込について(ア)被告預金①及び②への振込み上記⑵ア①のとおり,日本ウェブ加工の要請(C会計士の指示)に従い,平成14年3月15日,原告から日本ウェブ加工預金①に7000万円の振込送金がされた。 そして,同7000万円のうち,5000万円は,同月18日,900万円5回,500万円1回に分けて,被告預金②(朝日信用金庫板橋支店普通預金0429017)に振り込まれた。また,残りの2000万円については,同月29日,被告預金①(あさひ銀行池袋支店普通預金4490529)に振り込まれた。 (イ)被告預金①に振り込まれた2000万円の使途 平成14年3月29日に,日本ウェブ加工預金①から被告預金①に振り込まれた上記(ア)の2000万円は,同日の本件1500万円振込による1500万円と併せて,同日,被告のあさひ銀行からの短期借入金83万7000円,長期借入金302万8000円及び長期借入金3084万1000円の合計3470万6000円の返済に充当された(甲7の3,8の2)。 (ウ)被告預金②に あさひ銀行からの短期借入金83万7000円,長期借入金302万8000円及び長期借入金3084万1000円の合計3470万6000円の返済に充当された(甲7の3,8の2)。 (ウ)被告預金②に振り込まれた5000万円の使途平成14年3月18日に,日本ウェブ加工預金①から被告預金②に振り込まれた上記(ア)の5000万円は,以下のとおり,被告の債務弁済等に充当され,同月29日時点での残高は54万8453円となっており,被告がすべて費消している。 支払日支払金額摘要書証H14.3.18417,98874,83朝日信金証書貸付返済甲1,611,52074,83同甲3,578,076 ATM74,83,89-1振込(被告預金⑦へ,Fから甲の借入金返済)25,000,000 ATM74,83振込(被告預金⑧へ,Gから甲の借入金返済)朝日信金証書貸付返済H14.3.2071,497同107,395同107,5554,049,653 ATM75,89-1振込(被告預金⑦へ,共立商甲会支払手形円の決済)3,936,432300,000 ATM75,85-2振込(被告預金③へ,証書貸甲付振替円に充当)275,07990,000 ATM75,87-2振込(被告預金⑤へ)甲125,247 ATM 振込(被告預金③へ,ヤマト甲運輸,三栄石油あて257,250 ATM 振込(ジャペル展示会)甲171,675 ATM 振込(日本ウエイン展示会)甲H14.3.252,049,600 ATM 振込(広伸社)甲8,168,150 ATM75,89-1振込(被告預金⑦へ,清和広甲 告社,その他支払手形決済)276,150 ATM9-2,75振込(東 9,600 ATM 振込(広伸社)甲8,168,150 ATM75,89-1振込(被告預金⑦へ,清和広甲 告社,その他支払手形決済)276,150 ATM9-2,75振込(東京信金当座預金へ,甲しんきんリース)320,000 ATM 75,85-2振込(被告預金③へ,翌日甲証書貸付振替円(月311,63714/03分)に充当)110,000 ATM9-2支払甲H14.3.28100,000 ATM9-2振込甲600,0009-2定期積金振替甲H14.3.29302,740 ATM9-2振込甲345,039 ATM 9-2,75,85-2, 85-4振込(被告預金③へ,月1甲日付ドコモケイタイあて支払計円及び同日証書貸付振替62,126円(月分)に充当)284,24214/04200,000ATM9-2支払甲6,000,0009-2給与支払等甲イ本件1500万円振込について上記⑵ア②のとおり,A又はC会計士の指示に従い,平成14年3月29日,原告から被告預金①に1500万円の振込送金がされた。 そして,同金員は,上記ア()のとおり,同日に日本ウェブ加工預金①イから振り込まれた2000万円と併せて,同日,被告のあさひ銀行からの短期借入金83万7000円,長期借入金302万8000円及び長期借入金3084万1000円の合計3470万6000円の返済に充当された(甲7の3,8の2)。 ウ本件4500万円振込について上記⑵ア③のとおり,A又はC会計士の指示に従い,平成14年4月1日,原告から被告預金②に4500万円の振込送金がされた。 そして,同金員は,以下のとおり,被告の債務弁済等に充当された。以下の支出金額の合計は4991万 A又はC会計士の指示に従い,平成14年4月1日,原告から被告預金②に4500万円の振込送金がされた。 そして,同金員は,以下のとおり,被告の債務弁済等に充当された。以下の支出金額の合計は4991万4433円であり,上記4500万円は被告がすべて費消している。 支払日支払金額摘要書証H14.4.1429,4089-2,75朝日信金証書貸付返済甲1,606,6249-2,75同甲100,000 ATM9-2支払甲H14.4.2300,000 ATM9-2支払(原告借受)甲20,560,7359-2振込へ甲H14.4.339,6339-2割引料甲6,7209-2割引取立料甲64,301 ATM90-1支払甲10,000,73590-1振込へ甲H14.4.1015,750 ATM90-1振込甲1,183,586 ATM90-1振込甲65,782 ATM90-1振込甲230,000 ATM85-4,90-1振込(被告預金③へ)甲583,860 ATM90-1振込甲543,329 ATM90-1振込甲129,916 ATM90-1振込甲271,24790-1税金甲148,80090-1税金甲H14.4.1910,185,35910-1-2,89-2,90-1振込へ(被告預金⑦へ)甲40,635 ATM10-1-2振込甲H14.4.2271,85710-1-2朝日信金証書貸付返済甲110,00410-1-2同甲172,03310-1-2同甲722,000 ATM10-1-2,85-4,85-6振込(被告預金③へ,同日証甲書貸付振替円(月274,05014/04 10-1-2同甲172,03310-1-2同甲722,000 ATM10-1-2,85-4,85-6振込(被告預金③へ,同日証甲書貸付振替円(月274,05014/04分) 及び証書貸付振替4/26円に充当)312,264H14.4.30427,68110-2-1朝日信金証書貸付返済甲1,604,43810-2-1同甲300,00010-2-1朝日信金定期積金振替甲エ本件1700万円振込について上記⑵ア④のとおり,A又はC会計士の指示に従い,平成14年4月30日,原告から被告預金②に1700万円の振込送金がされた。 そして,同金員は,以下のとおり,被告の債務弁済等に充当された。以下の支出金額の合計は1702万5931円であり,上記1700万円は 被告がすべて費消している。 支払日支払金額摘要書証H14.4.305,478,06110-2-1税金甲H14.5.10159,90010-2-2同甲414,83010-2-2同甲H14.5.2071,58210-2-2朝日信金証書貸付返済甲108,72110-2-2同甲171,02910-2-2同甲5,300,000 ATM10-2-285-6振込(被告預金③へ,同日証甲,書貸付円,手形貸付273,492円の返済に充当)5,000,000H14.5.212,001,80810-2-3朝日信金証書貸付返済甲H14.5.273,320,000 ATM10-2-385-6,85-7振込(被告預金③へ,同日証甲,書貸付円,手形貸付310,3565/28円の返済に充当)3,000,000オ本件1億円余振込について上記⑵イ①のとおり,A又はC会 5-6,85-7振込(被告預金③へ,同日証甲,書貸付円,手形貸付310,3565/28円の返済に充当)3,000,000オ本件1億円余振込について上記⑵イ①のとおり,A又はC会計士の指示に従い,平成14年6月18日,原告から被告預金②に1億0191万3863円の振込送金がされた。 同日,被告預金①から550万0840円の振込送金があり,また,朝日信用金庫の定期積金から,3件の入金計1170万0163円があり,同日の被告預金②への入金は,合計1億1911万4866円となった。 さらに,同年8月6日には,被告預金②に,合計1130万円の振込送金がされ(日本ウェブ加工預金①から230万円,被告預金③から150万円,被告預金①から430万円,被告預金⑥から120万円,原告から仮払200万円),その時点での被告預金②の残高と併せて,同月8日のH弁護士あて3500万円の振込送金に充当された。 上記入金額は,以下のとおり,被告の債務弁済等に充当された。 支払日支払金額摘要書証H14.6.183,000,000 ATM10-3-1,87-2,87-3振込(被告預金⑤へ,借入金甲 円の返済に充当)3,174,0006,400,000 ATM10-3-1,90-4振込(被告預金④へ,借入金甲円の返済に充当)7,184,9582,526,00010-3-2証書貸付振替甲6,923,00010-3-2同甲7,200,00010-3-2同甲3,340,00010-3-2同甲6,58810-3-2朝日信金証書貸付返済甲29,17410-3-2同甲4,31410-3-2同甲18,70110-3-2同甲H14.6.2010,940,32510-3-2,89-4資金 朝日信金証書貸付返済甲29,17410-3-2同甲4,31410-3-2同甲18,70110-3-2同甲H14.6.2010,940,32510-3-2,89-4資金移動振込(被告預金⑦へ,支甲払手形決済充当)200,000 ATM10-3-2支払(手許資金)甲H14.6.2513,590,09410-3-2,89-4資金移動振込(被告預金⑦へ,支甲払手形決済充当)H14.6.28894,732 ATM10-3-2振込(Bへ)甲192,000 ATMFKJ10-3-2振込(,家賃)甲3,000,00010-3-2,89-4資金移動振込(被告預金⑦へ,J甲小切手決済充当)H14.7.1146,780 ATM10-3-3振込(Aへ)甲H14.7.27,040,00010-3-3,89-5資金移動振込(被告預金⑦へ,K甲小切手決済充当)H14.7.33,310,00010-3-3,89-5資金移動振込(被告預金⑦へ,A甲あて支払)H14.7.10145,83010-3-3税金甲H14.7.1110,000,73510-3-3振込へ(Bへ)甲H14.7.1928,197,43710-3-3,89-5資金移動振込(被告預金⑦へ,同甲14,894,081日付で王子信金小切手円がLあて振り出されており,同小切手は決済された。さらに,に円の支払手7/2511,486,379形決済がされた。)H14.8.835,000,73510-3-4,90-5振込へ(H弁護士あて振込送金に甲充当)カ本件2359万円余振込について上記⑵イ②のとおり,A又はC会計士の指示に従い,平成14年9月2 7日,原告から被告預金②に23 -3-4,90-5振込へ(H弁護士あて振込送金に甲充当)カ本件2359万円余振込について上記⑵イ②のとおり,A又はC会計士の指示に従い,平成14年9月2 7日,原告から被告預金②に2359万4876円の振込送金がされた。 そして,同金員は,同日,その大半が,以下の支払に充当された。 ①双洋貿易株式会社借入返済として2016万8406円これは,平成13年10月30日付けの双洋貿易株式会社(以下「双洋貿易」という。)からの融資に対する返済であり,平成14年6月18日付けの返済要請に応じたものである。同返済要請の請求書によれば,元金2000万円及びこれに対する,平成13年10月30日から平成14年3月31日まで(153日)の年利2パーセントの金利分16万7671円の合計2016万7671円が送金され,これに振込手数料735円を加えた金額が引き出されたものである。 ②原告あての244万5735円これは,平成14年6月に被告から引き継いだ従業員に支払った賞与のうち,平成13年11月16日ないし平成14年3月31日までの期間の被告負担部分を清算処理してもらうための出金244万5000円に,振込手数料735円を加算したものである。 ⑸被告の借入金,定期預金・定期積金及び売掛金の処理並びに原告被告間の金員仮受け・仮払の処理被告の借入金等は本件営業譲渡契約の対象から除外され,その管理は,平成14年4月1日以降も,以下のとおり,被告の受入・支出の目的に従って,被告によって行われていた。 ア被告の借入金(ア)金融機関からの借入金被告の平成14年3月13日時点の金融機関からの借入金残高及びそれらの返済年月日は,以下のとおりである。 金融機関種類金額返済年月日あさひ銀行短期借入平成14年3月29日837,000 長期借 4年3月13日時点の金融機関からの借入金残高及びそれらの返済年月日は,以下のとおりである。 金融機関種類金額返済年月日あさひ銀行短期借入平成14年3月29日837,000 長期借入同3,194,000同同30,841,000朝日信用金庫短期借入平成14年5月22日6,800,000同平成14年6月18日5,000,000長期借入同2,727,000同同7,382,000同同7,440,000東京信用金庫短期借入(手貸)平成14年5月28日3,000,000同平成14年5月20日5,000,000長期借入(毎月円返平成14年6月18日284,24218,581,872済)長期借入同2,985,000同同4,100,000巣鴨信用金庫長期借入平成14年6月18日7,595,000東日本銀行長期借入平成14年6月18日3,423,000王子信用金庫短期借入(手貸)平成14年3月27日6,000,000同同4,000,000長期借入同1,500,000倒産防止共済(毎月円返済)平成14年6月18日37,000335,000(イ)金融機関以外からの借入金被告の平成14年2月末日時点の金融機関以外からの借入金残高は,1億2232万5925円であり,その内訳は以下のとおりである。 ①L23,776,163円②東京ベイ20,560,000円③M5,000,000円④A3,052,120円⑤K7,040,000円⑥G24,850,000円⑦N5,000,000円⑧丸王園3,100,000円⑨B4,047,642円⑩J3,000,000円 ⑪F2,900,000円⑫双 ⑥G24,850,000円⑦N5,000,000円⑧丸王園3,100,000円⑨B4,047,642円⑩J3,000,000円 ⑪F2,900,000円⑫双洋貿易20,000,000円イ被告の定期預金・定期積金の処理平成14年2月末日時点の被告の定期預金及び定期積金の内訳は,以下のとおりである(甲76)。 金融機関種類金額処理内容朝日信用金庫定期積金平成14年6月18日にすべて解約し,10,800,000借入金返済に充当東京信用金庫定期預金平成14年6月18日にすべて解約し,22,473,000定期積金借入金返済に充当3,250,000800,000900,004巣鴨信用金庫定期積金平成14年6月18日に定期積金円を解約し,証書貸付返済に充当100,000200,000東日本銀行定期積金平成14年6月18日に定期積金円を解約し,借入金返済に充当王子信用金庫定期預金平成14年3月19日にすべて解約し,12,977,033定期積金借入金返済に充当(甲)8,640,000 ウ被告の売掛金の処理C会計士の作成した被告の平成14年3月31日時点の貸借対照表(甲73)によれば,売掛金と受取手形の各合計額は,以下のとおりである。 ①売掛金66,091,994円②受取手形27,064,446円合計93,156,440円これらについての回収状況は,別紙「旧ヘイセイ平成14年3月31日時点売掛金一覧」及び別紙「旧ヘイセイ平成14年4月1日割引手形一覧」のとおり,8208万3570円分であり,手数料,値引き等を控除した実際の入金額は,8100万2629円である。 エ原告被告間の金員仮受け・仮払の処理原告が,平成14年4月1日から同年9月 一覧」のとおり,8208万3570円分であり,手数料,値引き等を控除した実際の入金額は,8100万2629円である。 エ原告被告間の金員仮受け・仮払の処理原告が,平成14年4月1日から同年9月30日までの間に,被告から仮受け(借受)した金員(以下,仮受けの処理を「借受け」と,仮受けし た金員を「借受金」という。)及び被告のために仮払した金員は,別紙「仮払金旧ヘイセイ仮払い」記載のとおりである。 同年9月30日時点での原告の被告からの借受金の残高は84万3437円であり,原告は,これを同日付けで被告に対する未払金として扱うこととした。 そして,同年10月31日,上記の未払金84万3437円は,被告あてに,被告預金②に振り込む方法で精算された。 ⑹被告の主張に対する反論ア被告預金等の処理に関する反論被告が,後記(被告の反論)⑶「原告に引き渡された被告等各預金の処理の問題点」で,被告預金等を被告が管理していたとすることと整合しない処理がある旨主張している点についての原告の反論は,別紙「被告預金等の処理に関する被告の主張及び原告の反論」の「原告反論」欄記載のとおりである。 イ被告の主張の矛盾等本件営業譲渡契約では,平成14年4月1日以前の公租公課は被告又は日本ウェブ加工が負担することとされている(甲1,10条)のであるから,被告及び日本ウェブ加工名義の預金口座から,A及びC会計士の指示により,多数回にわたって,平成14年4月1日以前に被告又は日本ウェブ加工が負担した公租公課が支払われている事実は,同預金が原告に譲渡されていなかったことを示すものである。 また,被告は,平成17年7月4日付けの「ご通知」(甲12)を発するまで,本件営業譲渡契約の対価が未払であるとの主張をしていない。 (被告の反論)⑴本件各権利の対価ア原 ことを示すものである。 また,被告は,平成17年7月4日付けの「ご通知」(甲12)を発するまで,本件営業譲渡契約の対価が未払であるとの主張をしていない。 (被告の反論)⑴本件各権利の対価ア原告は,本件各権利の対価について,本件営業譲渡契約書(甲1)別紙 1において,「第3条3項の営業権の対価に含むものとする」旨定められているところ,この記載は,同契約書において,「営業権」の対価についての唯一記載のある「3条2項」の明らかな誤記であり,同契約3条2項において定められているとおり,営業権全体として,合計1億4700万円(消費税相当分を含む。)である旨主張するが,否認する。 本件各権利の対価は,本件営業譲渡契約書3条3項で定められているとおり,精算する際にその価格を評価して,原告,被告及び日本ウェブ加工の三者間で協議して決定するものとされていたが,その協議はなく,清算金の支払もない。 イまた,本件営業譲渡契約後,譲渡対象から,「買掛金,短期及び長期借入金及び未払い金」並びに「現金預金,受取手形,売掛金及び仮払金」を除外することが合意された事実もない。それを示す証拠もない。 本件営業譲渡契約締結の準備期間において,原告のグループ企業の公認会計士であるP(以下「P会計士」という。)とC会計士とで,被告の資産,負債等の調査を行い,平成13年7月31日時点で貸借対照表(甲3,以下「平成13年7月貸借対照表」という。)が作成されたが,その時点で,すべての債務は原告によって精査されており,簿外債務が存在しないことが確認されている。 本件営業譲渡契約では,被告から原告に引き継がれるべき負債から控除するものとして「A一族分」とされており(別紙1),これは,Lに対するAの3500万円の債務を意味するものであった。被告及び日本ウェブ加工は,原告が被 は,被告から原告に引き継がれるべき負債から控除するものとして「A一族分」とされており(別紙1),これは,Lに対するAの3500万円の債務を意味するものであった。被告及び日本ウェブ加工は,原告が被告及び日本ウェブ加工に支払う総額1億4700万円からこの3500万円をLに支払い,法人税を含む諸税を支払ってもなお7000万円程度がA夫妻に残るという基本的考えのもとに,本件営業譲渡契約の条件を受け入れたものである。 ⑵対価の支払の未履行 ア原告の主張⑵及び⑶は否認する。 イ被告及び日本ウェブ加工は,平成14年3月1日の本件営業譲渡契約締結時点で,原告の求めるところに従い,その保有する預金口座に関する預金通帳,定期預金証書,手形帳,小切手帳を,そのキャッシュカード,銀行印,代表者印及び印鑑カードとともに原告に引き渡した。したがって,原告が主張する支払は,原告が管理する口座に送金しただけのものであり,被告や日本ウェブ加工が送金先を指定した事実もない。 そうすると,弁済方法の指定がなされていない状況で,債権者である被告の住所での弁済の提供がされていないので,弁済として効果がない。 ウ平成14年3月1日以降,原告従業員のQ(原告の親会社であり,日本毛織株式会社(以下「日本毛織」という。)のグループ企業である双洋貿易の経理課長でもあった。)は,被告事務所に常駐するようになり,A夫妻に金庫の鍵の引渡しを要求し,被告の保有する預金等を管理することとなった。当時の被告の経理担当者であったDは,Qの指揮に従っていた。 同年4月1日以降は,Qに加えて,原告従業員のEが常駐した。 エまた,平成14年3月1日の前後を通じて,被告及び日本ウェブ加工がC会計士と何らかの契約関係にあったことはなく,金銭的な関係もない。 本件営業譲渡契約を締結するに当たって,原告 員のEが常駐した。 エまた,平成14年3月1日の前後を通じて,被告及び日本ウェブ加工がC会計士と何らかの契約関係にあったことはなく,金銭的な関係もない。 本件営業譲渡契約を締結するに当たって,原告の求めに応じて資産の精査を行う必要があり,被告が平成13年初頭にC会計士に資産の調査を依頼したことはあったが,被告とC会計士との関係はそれ以上のものではなく,C会計士は,平成13年後半以降,原告側の会計士として行動していた。 したがって,C会計士と原告代表者やQが協議して,原告が引き継ぐ資産と営業権の額内で先方勘定で負債を返済するという基本スキームを了解した(甲81)という事実があったとしても,C会計士は被告を代理する権限もなく,このような効果が被告に帰属することはない。 ⑶原告に引き渡された被告等各預金の処理の問題点 原告が主張するように,被告等各預金が本件営業譲渡契約の対象から除外され,平成14年3月1日以降,さらに,同年4月1日以降も被告等各預金について被告が管理していたとすると,被告等各預金の処理に関し,別紙「被告預金等の処理に関する被告の主張及び原告の反論」の被告の主張のとおり,不自然な点がある。 ⑷対価性の検討平成13年7月貸借対照表は,原告による被告におけるデューディリジェンス作業の結果,P会計士が作成したものである。これによると,資産の合計は2億5514万2309円であり,負債の合計は2億1870万2604円である。 そして,本件営業譲渡契約において,営業権は1億4700万円とされている。 原告の主張によれば,原告は,営業権の対価としての1億4700万円及びその他の対価としての1億2550万8739円の合計2億7250万8739円を支出したことになる。 そうすると,他の事情を一切捨象して考えると,原告は,2億7250万 対価としての1億4700万円及びその他の対価としての1億2550万8739円の合計2億7250万8739円を支出したことになる。 そうすると,他の事情を一切捨象して考えると,原告は,2億7250万8739円を支出して,2億5514万2309円の資産及び1億4700万円の営業権を取得したことになり,実質的な対価性が欠落している。 ⑸本件紛争の実体巨視的にみれば,本件紛争は,原告が,2億7250万8739円の負担をして,自らが2億5514万2309円として評価した資産と,1億4700万として評価した営業権との合計約4億円の資産を取得した事件と評価でき,1億2000万円前後が,説明のつかない状態で紛失している。原告の設定した虚構に従えば,平成13年7月31日時点で存在した2億1870万2604円の負債は,平成14年3月31日時点で多少の変動はあったとしても,原告が被告及び日本ウェブ加工に支払ったと主張する合計2億7 250万8739円をこの債務の支払に充当することによって消滅しているはずである。原告設定の虚構の上で,約1億2000万円が説明のつかない状態で紛失した原因は,架空債務の計上,現預金・売掛金・約束手形の横領,原告の費用を被告の費用として計上する等である。 ⑹まとめ以上から,被告は,本件各権利と対価関係にある原告の債務が履行されるまで,本件各権利の移転を拒絶する。 第3争点に対する当裁判所の判断 事実認定上記前提となる事実等,証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 ⑴本件営業譲渡契約書作成に至る経緯ア買収に関する交渉の開始平成12年11月ころ,旧ヘイセイ側から,双洋貿易に対し,旧ヘイセイの売却の打診の話が持ち込まれ,当時,双洋貿易の代表者であったRにおいて,A夫妻や,旧ヘイセイの営業部長を務め 収に関する交渉の開始平成12年11月ころ,旧ヘイセイ側から,双洋貿易に対し,旧ヘイセイの売却の打診の話が持ち込まれ,当時,双洋貿易の代表者であったRにおいて,A夫妻や,旧ヘイセイの営業部長を務めていたSと面談するなどして,旧ヘイセイ買収の実施可能性等について検討を開始した(甲103,証人R2~4頁,証人A13,14頁)。 イ買収に関するA夫妻の意向Aは,旧ヘイセイの売却について,Bとともに,H弁護士や同人以外の弁護士にも相談したり,日本毛織の本社に赴いて話を聞くなどした上で,売却を決意し,その交渉(以下「本件売却交渉」という。)及びそれに伴う経理処理を含めた手続を,H弁護士及びH弁護士から紹介されたC会計士に依頼した(証人R4頁,証人C2,3,14~16頁,証人A14~16,20頁)。 A夫妻は,従前より,旧ヘイセイや日本ウェブ加工の経理について,経 理担当者に任せきりにしており,大まかな方向性を除いて,資金繰りなどの財務状況は把握していなかった(証人A21,22頁)こともあり,本件売却交渉に関する金銭面の条件等についても,H弁護士やC会計士,Sに任せていた。ただし,A個人のLからの借入金3500万円や税金などを支払った後に,A夫妻に5000万円ないし7000万円が手元に残るとの内容になるとの認識を有していた(証人A18,19頁)。 ウ旧ヘイセイの財務調査及びその後の状況本件売却交渉が進められる中,平成13年8月下旬から同年9月にかけて,旧ヘイセイの財務状況を詳細に調査する,いわゆるデューディリジェンスが行われた(以下「本件財務調査」という。)。本件財務調査は,双洋貿易側の担当者としてP会計士ほか1名の公認会計士及び旧ヘイセイ側の担当者としてC会計士により実施された。本件財務調査では,旧ヘイセイの財務情報等が双洋貿易に開 査」という。)。本件財務調査は,双洋貿易側の担当者としてP会計士ほか1名の公認会計士及び旧ヘイセイ側の担当者としてC会計士により実施された。本件財務調査では,旧ヘイセイの財務情報等が双洋貿易に開示されることになるため,これに先立って,双洋貿易は,旧ヘイセイからの求めに応じ,H弁護士及びC会計士あてに,上記情報等を秘密に保持すること等を誓約する内容の秘密保持誓約書(甲80)を作成し,旧ヘイセイに交付した(甲80,103,証人R12,13頁,証人C13頁)。 そして,本件財務調査の結果,同調査を担当した会計士及び旧ヘイセイの経理担当者であったDにより,同年7月31日付けの平成13年7月貸借対照表(甲3)が作成された。 C会計士は,上記イのとおり,Aから,本件売却交渉に関係する経理処理の依頼を受けたため,本件財務調査に関与するほか,その前提として,旧ヘイセイの財務内容を把握し,本件財務調査終了後も,会計処理のための作業を,Dに指示するなどしていた(証人C32,33,36頁)。 エ本件売却交渉の進展Rは,本件財務調査を踏まえ,旧ヘイセイの買収をどのような形式で行 うべきかを検討していた。そして,P会計士から,旧ヘイセイは多くの借入金があり,契約書のないものも多いこと,日本ウェブ加工は実際に営業活動をしていないが,同社名義の知的財産権もあり,旧ヘイセイとともに同一グループとして取り扱うべきであること等の報告を受け,旧ヘイセイ及び日本ウェブ加工の株式の譲渡を受ける形ではなく,両社の営業を譲り受けることとし,その譲り受ける主体として,日本毛織のグループ会社で休眠状態にあった原告(当時の商号は「郡上ウール株式会社」である。)を活用することとした(甲103)。 オ双洋貿易から旧ヘイセイに対する貸付Rは,平成13年10月ころ,C会計士から,旧 ープ会社で休眠状態にあった原告(当時の商号は「郡上ウール株式会社」である。)を活用することとした(甲103)。 オ双洋貿易から旧ヘイセイに対する貸付Rは,平成13年10月ころ,C会計士から,旧ヘイセイの手形決済資金として緊急に2000万円が必要である旨の貸付依頼を受け,双洋貿易から旧ヘイセイに対する2000万円の貸付けを実行した(甲103,証人R5頁)。 カ平成13年12月11日の打合せH弁護士,C会計士,R及びP会計士は,平成13年12月11日,P会計士の事務所において,本件売却交渉に関する打合せを行った。その際,C会計士は,RないしP会計士に対し,Aが,旧ヘイセイのBほかからの借入金1000万円について,旧ヘイセイに弁済のための資金が提供されることを希望していることを伝えたり,また,平成14年1月以降の旧ヘイセイの資金繰りが苦しくなる可能性があることを伝えたりした(甲109,証人R5,6頁)。 キ本件営業譲渡契約以上のように,本件売却交渉は進められ,平成14年3月1日に,本件営業譲渡契約が調印されることとなった。そして,同日,日本毛織本社において,旧ヘイセイ側からは,A夫妻並びにH弁護士が出席して,本件営業譲渡契約が締結された(甲1,103,証人R6頁)。 本件営業譲渡契約では,旧ヘイセイを甲,日本ウェブ加工を乙,原告を丙として,以下のとおりの条項が定められた(甲1)が,A夫妻は,本件営業譲渡についての交渉をH弁護士,C会計士及びSに任せており,本件営業譲渡により,手元に5000万円ないし7000万円が残ること以外の条件には関心がなかったため,本件営業譲渡契約の内容を十分把握していなかった(証人A13,14,18,19,23~25頁)。 第1条(営業譲渡)甲及び乙は平成14年4月1日(以下「譲渡日」という。)付に には関心がなかったため,本件営業譲渡契約の内容を十分把握していなかった(証人A13,14,18,19,23~25頁)。 第1条(営業譲渡)甲及び乙は平成14年4月1日(以下「譲渡日」という。)付にて,甲及び乙の,愛玩動物用品の製造及び販売並びに輸出入,玩具の製造及び販売並びに輸出入,にかかる営業(以下「本営業」という。)を丙に譲渡する。 第2条(譲渡の内容)前条により譲渡すべき財産は本営業に必要な譲渡日現在の資産負債(別紙1)並びに営業権,甲及び乙が保有する特許権,実用新案権,商標権(別紙2)等の一切の権利及びリース契約(別紙3)の範囲内とする。 第3条(資産の評価等)1.前条による譲渡価格は,固定資産については譲渡日現在における適正価格,その他の財産については同日現在における甲の帳簿価格とする。 2.営業権は,甲を60,000,000円,乙を80,000,000円とする。 3.資産,負債の細目及び精算方法等については,甲及び乙並びに丙協議の上定めるものとする。 4.消費税は外税とする。 第4条(引渡時期) 第2条にもとづく譲渡財産の引渡時期は平成14年4月1日とする。 但し手続上の事由により必要があるときは甲及び乙並びに丙協議の上これを変更することができる。 第7条(役員の引継ぎ)1.甲及び乙の現役員については,丙はこれを引き継がない。 2.Aは顧問として採用する。その処遇については別途協議する。 (3.以下省略)第9条(引継義務等)1.甲乙並びに丙の新旧役員は協力して,丙の本営業の引き継ぎをおこなうものとする。その場合,甲乙は丙に対して,会社の過去の決算書類その他の帳簿,資産の権利の証書,その他会社の経営,管理に必要な書類等を整理して交付し,また丙からの問い合わせに対して,誠実に対応するものとする。 2.本合意の成立後, 対して,会社の過去の決算書類その他の帳簿,資産の権利の証書,その他会社の経営,管理に必要な書類等を整理して交付し,また丙からの問い合わせに対して,誠実に対応するものとする。 2.本合意の成立後,譲渡日までに,甲及び乙は,その経営及び資産の管理について,善良なる管理者としての注意義務をもって行うものとする。 第10条(公租公課等の負担)本営業譲渡日前の期間に対応するものは甲乙の,譲渡日以降の期間に対応するものは丙の負担とする。 第11条(簿外負債等)本営業譲渡後,知られざる債務その他の瑕疵が発見され,その結果丙が損害を被ったときは,その損失については甲及び乙並びにA,Bが連帯してその債務の履行もしくは瑕疵の補修を行い,丙に対して求償その他何らの請求を行わないものとする。 第18条(効力発生日)この契約は,甲及び乙並びに丙が平成14年3月31日迄にそれぞれ の株主総会の承認を得,又は法令により必要とする手続きが完了したとき,その効力(原文では「抗力」となっている。)を生じるものとする。 (別紙1)譲渡財産明細(平成13年7月31日現在)株式会社ヘイセイ分(中略)なお特許権,実用新案権,商標権等の対価は,第3条3項の営業権の対価に含むものとする。 日本ウェブ加工分(中略)なお特許権,実用新案権,商標権等の対価は,第3条3項の営業権の対価に含むものとする。 ⑵本件営業譲渡契約書調印後平成14年3月31日までの状況ア本件営業譲渡契約後のR及びQの旧ヘイセイ事務所への常駐旧ヘイセイの経理を担当していたDは,平成14年3月31日に退任し,双洋貿易側から後任者が選任される予定であったが,本件営業譲渡契約締結時には,適任者を見つけることができなかったため,本件営業譲渡契約発効日である同年4月1日までの引継ぎの準備のため,R及びQが ,双洋貿易側から後任者が選任される予定であったが,本件営業譲渡契約締結時には,適任者を見つけることができなかったため,本件営業譲渡契約発効日である同年4月1日までの引継ぎの準備のため,R及びQが旧ヘイセイの事務所に駐在することとなった(甲103)。 Rは,C会計士,Dとともに適宜話合いの機会を持ち,改めてDの同年3月31日での退任の了解を得るとともに,それまでの業務引継等の協力の承認を得るなどした(甲107)。 旧ヘイセイの経理は,本件営業譲渡契約締結後もDが引き続き行っていたが,引継ぎの必要上,Qも実質的に関与していた(甲103,証人C19頁,証人A6頁)。同月の資金繰りは,従前より作成されていた資金繰りの表と同様のもの(甲74,75)が作成され,それに基づいて,行わ れていた(証人C19頁)。 イ借入の返済,資金繰り等Rは,旧ヘイセイの一部の取引金融機関を訪れて,本件営業譲渡契約の説明や,借入金の支払猶予の依頼を行ったが,支払猶予の了承は得られず,平成14年3月末までの貸付けの弁済を求められ,取引継続にも,1箇所を除いて消極的な対応を受けた(甲107)。 また,Rは,A個人の借入金について,その返済に立ち会うなどしたが,借用証のない例や,金額に相違がある例があり,不安を覚えることがあった(証人R15頁)。 さらに,本件営業譲渡の具体的な実行に向けて,旧ヘイセイの資産や負債の細目を確認する作業が行われたが,それにより,旧ヘイセイでは,平成13年12月分以降の従業員の源泉徴収分の納付や社会保険料の支払などが,滞納になっていることが判明するなどした(証人R8,14,15頁)。 平成14年3月以降の旧ヘイセイの資金繰りは,上記アのとおり,D及びQによって行われていたが,同月は,資金繰りが厳しいことから,R,Q及びC会計士の話合い するなどした(証人R8,14,15頁)。 平成14年3月以降の旧ヘイセイの資金繰りは,上記アのとおり,D及びQによって行われていたが,同月は,資金繰りが厳しいことから,R,Q及びC会計士の話合いにより,同月15日に,原告(当時の商号は郡上ウール株式会社)から7000万円を旧ヘイセイに振り込み,同社の資金繰りに充てることとなり,原告は,本件営業譲渡契約に基づく営業権の代金の一部として,日本ウェブ加工預金①に本件7000万円振込を行った(甲7の2,82,107)。 ウ本件営業譲渡契約の修正に関する記載平成14年3月20日,C会計士,S,R及びQにおいて打合せの機会が持たれたが,その打合せに関するRの報告書には,旧ヘイセイの借入金について,「(原告が)引き継ぐ資産と営業権の額内で先方勘定で負債を返済する」という修正案(以下「本件修正案」という。)が合意がされ (同合意を,以下「本件修正合意」という。),C会計士から,旧ヘイセイにおける一時的な資金繰りの必要が生じた場合の原告の協力依頼がされるなどしたことが記載されている(甲81)。 また,Rが作成した,同年4月16日付けの「ヘイセイ駐在報告」(甲84)にも,本件修正案について,現預金,売掛金,買掛金について,新ヘイセイにおいて引き継がないことも含めて合意された旨の記載がされている。 エ平成14年3月31日までの本件営業譲渡契約に基づく支払原告は,上記イのとおり,平成14年3月15日,本件営業譲渡契約に基づく日本ウェブ加工の営業権の代金8400万円の一部として,日本ウェブ加工預金①に本件7000万円振込を行った(甲7の2,82)。 また,原告は,同月29日,本件営業譲渡契約に基づく被告の営業権の代金6300万円の一部として,被告預金①に,本件1500万円振込を行った(甲8の2)。 000万円振込を行った(甲7の2,82)。 また,原告は,同月29日,本件営業譲渡契約に基づく被告の営業権の代金6300万円の一部として,被告預金①に,本件1500万円振込を行った(甲8の2)。 ⑶平成14年4月1日以降の状況アA夫妻の立場Aは,平成14年4月1日以降,原告の顧問という立場で,平成17年3月31日まで原告に勤務し,ほぼ毎日のように出社していたが,工場において過ごすことが多く,原告から年間約1200万円の手当を受領した(証人A25~27頁)。 他方,Bは,平成14年4月1日から1か月間,原告の従業員の指導を担当し,原告から100万円を受領した(証人A27,34頁)。 イ原告(新ヘイセイ)から被告に対する支払原告は,平成14年4月1日,本件営業譲渡契約に基づく被告の営業権の代金6300万円の一部として,被告預金②に,本件4500万円振込を行った(甲9の2)。 また,原告は,同月30日,本件営業譲渡契約に基づく被告及び日本ウェブ加工の各営業権の代金の残金として,被告預金②に,本件1700万円振込を行った(甲10の2の1)。 さらに,原告は,同年6月18日に,被告預金②に,本件1億円余振込(1億0191万3863円の振込み)を,同年9月27日に,被告預金②に,本件2359万円余振込(2359万4876円の振込み)を,それぞれ行った(甲10の3の1,10の4)。 ウC会計士の立場原告は,平成14年4月ころ,C会計士に対し,原告の税務関係の処理を依頼し,顧問契約を締結して,同年6月7日ころ,それぞれが,同契約の契約書に押印した(甲77,78,証人R10頁,証人C2頁)。 また,C会計士は,被告及び日本ウェブ加工の,平成14年7月決算に伴う会計処理の指示及び税務申告業務の代理を行った(証人C34頁)。 エ本件営業譲渡 した(甲77,78,証人R10頁,証人C2頁)。 また,C会計士は,被告及び日本ウェブ加工の,平成14年7月決算に伴う会計処理の指示及び税務申告業務の代理を行った(証人C34頁)。 エ本件営業譲渡契約の修正に係る契約書原告は,平成14年6月7日ころ,本件修正合意の内容を書面化した修正営業譲渡契約書(甲79,以下「本件修正契約書」という。)を作成し,原告名下の押印をした(甲77,103,証人R36頁)が,被告及び日本ウェブ加工名下の押印はされなかった(甲79,証人R27頁)。 本件修正契約書には,原告が譲渡を受ける対象を,資産及び負債から資産のみに,また,譲渡を受ける資産の内容を,在庫,有形固定資産,無形固定資産,投資等に限定し,売掛金や現預金などを対象外とすること,営業権以外の譲渡資産の代金を1億2550万8739円とし,同金額を,1億0191万3863円及び2359万4876円に分けて支払をすること等が記載されている(甲79)。 なお,Rは,本件修正契約書作成に先立つ,同年5月30日,C会計士と資産譲渡に関する打合せを行い,その結果をEやS,日本毛織のTに電 子メールで送った(甲108)。同メールには,RがC会計士に契約書のひな型を渡して検討を依頼したことなどが記載されているほか,以下のような記載もされている(甲108)。 「4.その他:(C)形式的に言えば『負債を引き継がない』変更により金利分で2~3百万の損失が出ている。ただ,新ヘイセイ側に立てば,これを支払えば『違約金』となり,ニッケ側の了承は得られないと思う。苦慮している。(R)おっしゃる意味はわかるが,こちらも貯蔵品を認めたり,在庫をほとんど簿価で引き取るなどそれなりの対応はしている。」オ被告の預金の管理等旧ヘイセイの経理を担当していたDは,平成14年3月31日に おっしゃる意味はわかるが,こちらも貯蔵品を認めたり,在庫をほとんど簿価で引き取るなどそれなりの対応はしている。」オ被告の預金の管理等旧ヘイセイの経理を担当していたDは,平成14年3月31日に退任し,Aも,旧ヘイセイのころと同様,被告の経理や資金繰りには関与せず,その他,被告の経理や資金繰りを行う者がいなかったので,同年4月1日以降,Qの後任のEが,被告の預金を管理し,入出金処理を行っていた(甲103)。 カ日本ウェブ加工預金①及び被告預金①ないし被告預金⑧の入出金状況上記⑵エ及び⑶イのとおり入金された金員に対応する,被告等各預金の入出金状況は,以下のとおりである。 (ア)本件7000万円振込についてa被告預金①及び②への振込み平成14年3月15日,上記⑵エのとおり,原告から日本ウェブ加工預金①に本件7000万円振込がされたが,同7000万円のうち,5000万円は,同月18日,900万円5回,500万円1回に分けて引き出され(甲7の3),被告預金②に振り込まれた(甲82,83)。また,残りの2000万円については,同月29日,被告預金①に振り込まれた(甲7の3,8の2)。 b被告預金①に振り込まれた2000万円の使途平成14年3月29日に日本ウェブ加工預金①から被告預金①に振り込まれた上記aの2000万円は,上記⑵エのとおり,同日の本件1500万円振込による1500万円と併せて,同日,被告のあさひ銀行からの借入金83万7000円,302万8000円及び3084万1000円の合計3470万6000円の返済に充当された(甲7の3,8の2)。 c被告預金②に振り込まれた5000万円の使途平成14年3月18日に,日本ウェブ加工預金①から被告預金②に振り込まれた上記aの5000万円は,以下のとおり,被告の債務弁済等に 7の3,8の2)。 c被告預金②に振り込まれた5000万円の使途平成14年3月18日に,日本ウェブ加工預金①から被告預金②に振り込まれた上記aの5000万円は,以下のとおり,被告の債務弁済等に充当され,同月29日時点での残高は54万8453円となっており,被告がすべて費消している。 支払日支払金額摘要書証H14.3.18417,98874,83朝日信金証書貸付返済甲1,611,52074,83同甲3,578,076 ATM74,83,89-1振込(被告預金⑦へ,Fから甲の借入金返済)25,000,000 ATM74,83振込(被告預金⑧へ,Gから甲の借入金返済)朝日信金証書貸付返済H14.3.2071,497同107,395同107,5554,049,653 ATM75,89-1振込(被告預金⑦へ,共立商甲会支払手形円の決済)3,936,432300,000 ATM75,85-2振込(被告預金③へ,証書貸甲付振替円に充当)275,07990,000 ATM75,87-2振込(被告預金⑤へ)甲125,247 ATM 振込(被告預金③へ,ヤマト甲運輸,三栄石油あて)257,250 ATM 振込(ジャペル展示会)甲171,675 ATM 振込(日本ウエイン展示会)甲H14.3.252,049,600 ATM 振込(広伸社)甲 8,168,150 ATM75,89-1振込(被告預金⑦へ,清和広甲告社,その他支払手形決済)276,150 ATM9-2,75振込(東京信金当座預金へ,甲しんきんリース)320,000 ATM 75,85-2振込(被告預金③へ,翌日甲証書貸付振替円(月311,63714/03 0 ATM9-2,75振込(東京信金当座預金へ,甲しんきんリース)320,000 ATM 75,85-2振込(被告預金③へ,翌日甲証書貸付振替円(月311,63714/03分)に充当)110,000 ATM9-2支払甲H14.3.28100,000 ATM9-2振込甲600,0009-2定期積金振替甲H14.3.29302,740 ATM9-2振込甲345,039 ATM 9-2,75,85-2, 85-4振込(被告預金③へ,月1甲日付ドコモケイタイあて支払計円及び同日証書貸付振替62,126円(月分)に充当)284,24214/04200,000ATM9-2支払甲6,000,0009-2給与支払等甲(イ)本件1500万円振込について平成14年3月29日,上記⑵エのとおり,原告から被告預金①に,本件1500万円振込がされた。 そして,同金員は,上記(ア)bのとおり,同日に日本ウェブ加工預金①から振り込まれた2000万円と併せて,同日,被告のあさひ銀行からの借入金83万7000円,302万8000円及び3084万1000円の合計3470万6000円の返済に充当された(甲7の3,8の2)。 (ウ)本件4500万円振込について平成14年4月1日,上記イのとおり,原告から被告預金②に,本件4500万円振込がされた。 そして,同金員は,以下のとおり,被告の債務弁済等に充当された。 以下の支出金額の合計は4991万4433円であり,上記4500万円が費消されている。 支払日支払金額摘要書証H14.4.1429,4089-2,75朝日信金証書貸付返済甲1,606,6249-2,75同甲100,000 ATM9-2支払甲 いる。 支払日支払金額摘要書証H14.4.1429,4089-2,75朝日信金証書貸付返済甲1,606,6249-2,75同甲100,000 ATM9-2支払甲H14.4.2300,000 ATM9-2支払(原告借受)甲20,560,7359-2振込へ甲H14.4.339,6339-2割引料甲6,7209-2割引取立料甲64,301 ATM90-1支払甲10,000,73590-1振込へ甲H14.4.1015,750 ATM90-1振込甲1,183,586 ATM90-1振込甲65,782 ATM90-1振込甲230,000 ATM85-4,90-1振込(被告預金③へ)甲583,860 ATM90-1振込甲543,329 ATM90-1振込甲129,916 ATM90-1振込甲271,24790-1税金甲148,80090-1税金甲H14.4.1910,185,35910-1-2,89-2,90-1振込へ(被告預金⑦へ)甲40,635 ATM10-1-2振込甲H14.4.2271,85710-1-2朝日信金証書貸付返済甲110,00410-1-2同甲172,03310-1-2同甲722,000 ATM10-1-2,85-4,85-6振込(被告預金③へ,同日証甲書貸付振替円(月274,05014/04分) 及び証書貸付振替4/26円に充当)312,264H14.4.30427,68110-2-1朝日信金証書貸付返済甲1,604,43810-2-1同甲300,00010-2-1朝日信金定期積金振替甲(エ)本件1700万 H14.4.30427,68110-2-1朝日信金証書貸付返済甲1,604,43810-2-1同甲300,00010-2-1朝日信金定期積金振替甲(エ)本件1700万円振込について平成14年4月30日,上記イのとおり,原告から被告預金②に,本件1700万円振込がされた。 そして,同金員は,以下のとおり,被告の債務弁済等に充当された。 以下の支出金額の合計は1702万5931円であり,上記1700万円がすべて費消されている。 支払日支払金額摘要書証H14.4.305,478,06110-2-1税金甲H14.5.10159,90010-2-2同甲414,83010-2-2同甲H14.5.2071,58210-2-2朝日信金証書貸付返済甲108,72110-2-2同甲171,02910-2-2同甲5,300,000 ATM10-2-285-6振込(被告預金③へ,同日証甲,書貸付円,手形貸付273,492円の返済に充当)5,000,000H14.5.212,001,80810-2-3朝日信金証書貸付返済甲H14.5.273,320,000 ATM10-2-385-6,85-7振込(被告預金③へ,同日証甲,書貸付円,手形貸付310,3565/28円の返済に充当)3,000,000(オ)本件1億円余振込について平成14年6月18日,上記イのとおり,原告から被告預金②に本件1億円余振込がされた。 同日,被告預金①から550万0840円の振込送金があり,また,朝日信用金庫の定期積金から,3件の入金計1170万0163円があり,同日の被告預金②への入金は,合計1億1911万4866円となった。 さらに,同年8月6日には 0840円の振込送金があり,また,朝日信用金庫の定期積金から,3件の入金計1170万0163円があり,同日の被告預金②への入金は,合計1億1911万4866円となった。 さらに,同年8月6日には,被告預金②に,合計1130万円の振込送金がされた(日本ウェブ加工預金①から230万円,被告預金③から150万円,被告預金①から430万円,被告預金⑥から120万円,原告から仮払200万円)ところ,その時点での被告預金②の残高と併せて,その一部から同月8日のH弁護士あて3500万円の振込送金をした。 そして,上記入金額は,以下のとおり,H弁護士への振込送金分も含 めて被告の債務弁済等に充当された。 支払日支払金額摘要書証H14.6.183,000,000 ATM10-3-1,87-2,87-3振込(被告預金⑤へ,借入金甲円の返済に充当)3,174,0006,400,000 ATM10-3-1,90-4振込(被告預金④へ,借入金甲円の返済に充当)7,184,9582,526,00010-3-2証書貸付振替甲6,923,00010-3-2同甲7,200,00010-3-2同甲3,340,00010-3-2同甲6,58810-3-2朝日信金証書貸付返済甲29,17410-3-2同甲4,31410-3-2同甲18,70110-3-2同甲H14.6.2010,940,32510-3-2,89-4資金移動振込(被告預金⑦へ,支甲払手形決済充当)200,000 ATM10-3-2支払(手許資金)甲H14.6.2513,590,09410-3-2,89-4資金移動振込(被告預金⑦へ,支甲払手形決済充当)H14.6.28894,732 ATM10-3-2 -2支払(手許資金)甲H14.6.2513,590,09410-3-2,89-4資金移動振込(被告預金⑦へ,支甲払手形決済充当)H14.6.28894,732 ATM10-3-2振込(Bへ)甲192,000 ATMFKJ10-3-2振込(,家賃)甲3,000,00010-3-2,89-4資金移動振込(被告預金⑦へ,J甲小切手決済充当)H14.7.1146,780 ATM10-3-3振込(Aへ)甲H14.7.27,040,00010-3-3,89-5資金移動振込(被告預金⑦へ,K甲小切手決済充当)H14.7.33,310,00010-3-3,89-5資金移動振込(被告預金⑦へ,A甲あて支払)H14.7.10145,83010-3-3税金甲H14.7.1110,000,73510-3-3振込へ(Bへ)甲H14.7.1928,197,43710-3-3,89-5資金移動振込(被告預金⑦へ,同甲14,894,081日付で王子信金小切手円がLあて振り出されており,同小切手は決済された。さらに,に円の支払手7/2511,486,379形決済がされた。)H14.8.835,000,73510-3-4,90-5振込へ(H弁護士あての振込送金甲 に充当)(カ)本件2359万円余振込について平成14年9月27日,上記イのとおり,原告から被告預金②に,本件2359万円余振込がされた。 そして,同金員は,同日,その大半が,以下の支払に充当された。 ①双洋貿易借入返済として2016万8406円双洋貿易からの平成14年6月18日付けの返済要請(甲94の1)に応じ,同社からの平成13年10月30日付けの融資に対する返済として,元金2000万円及びこれに対 借入返済として2016万8406円双洋貿易からの平成14年6月18日付けの返済要請(甲94の1)に応じ,同社からの平成13年10月30日付けの融資に対する返済として,元金2000万円及びこれに対する,平成13年10月30日から平成14年3月31日まで(153日)の年利2パーセントの金利分16万7671円の合計2016万7671円が振込送金され,振込手数料735円を加えた金額が引き落とされた(甲10の4,90の6,94の2)。 ②原告あての244万5735円原告が,平成14年6月に被告から引き継いだ従業員に支払った賞与のうち,被告が負担すべき平成13年11月16日から平成14年3月31日までの期間の部分を清算処理するため,244万5000円が原告あて振込送金され,振込手数料735円が引き落とされた(甲10の4,90の6,94の3,104)。 キ原告と被告間の金員借受け・仮払の処理Eは,上記オのとおり,平成14年4月1日以降も,被告等各預金を含めて,被告の入出金処理をしていたが,同年9月30日までの間,日常の入出金について,原告から被告に仮払した金員及び原告が被告から借り受けている金員として,処理を行った(甲104)。その処理の詳細が,別紙「仮払金旧ヘイセイ仮払い」であり,これは,原告の補助元帳として作成されたものであり,原告から被告に仮払した金員が「借方」欄に,原 告が被告から借り受けた金員が「貸方」欄に記載されている(甲104)。 これらの処理の結果,同日時点で,原告の被告に対する84万3437円の借受金が確定し,また,その後,借受金として3万5730円が判明したので,原告は,同年10月31日,被告預金②に,これらの合計87万9167円を振込送金して支払った(甲99,104)。 ⑷本件各権利及び日本ウェブ加工の権利の移 借受金として3万5730円が判明したので,原告は,同年10月31日,被告預金②に,これらの合計87万9167円を振込送金して支払った(甲99,104)。 ⑷本件各権利及び日本ウェブ加工の権利の移転登録等の状況ア本件各権利について本件各権利のうち,本件特許権1,本件意匠権6及び7並びに本件商標権1及び2については,平成15年6月24日に,被告の現在の住所に移転する前の住所に変更する登録がされ,平成17年5月11日から同年5月25日までの間に,名義人の名称を被告の旧商号から現商号に変更する登録がされている(甲16,28,29,31,32)。本件特許権3については,平成17年5月11日に,名義人の名称を被告の旧商号から現商号に変更し,住所を変更する各登録がされている(甲18)。また,本件特許権2,本件意匠権2及び5並びに本件商標権3,5,8及び9については,平成14年5月31日から平成15年6月24日までの間に,住所変更の登録がされている(甲17,24,27,33,36,39,40)。本件各特許を受ける権利については,本件訴訟提起までの間に,いずれも,出願人の名義を被告に変更する手続がとられている(甲43~47)。 その余の各権利については,被告の旧商号名義のまま,住所の変更も登録されていない。 イ日本ウェブ加工の権利について日本ウェブ加工の保有に係る権利は,以下のとおりであった。 ①実用新案権第2109102号(甲95)②実用新案権第2528472号 ③商標権第1247355号(甲96)④商標権第2469105号⑤商標権第2432297号⑥商標権第2432303号これらは,いずれも,日本ウェブ加工の旧商号である株式会社アニマルヘルスフード名義で出願され,登録されていた。 上記①の実用新案権は,平 ⑤商標権第2432297号⑥商標権第2432303号これらは,いずれも,日本ウェブ加工の旧商号である株式会社アニマルヘルスフード名義で出願され,登録されていた。 上記①の実用新案権は,平成15年7月17日に原告名義への移転登録手続がされ,平成17年3月30日に登録が抹消された(甲95)。 上記②の実用新案権は,平成13年12月2日登録料不納を原因として,平成14年8月28日に登録が抹消された。 上記③の商標権は,平成15年7月16日に移転登録手続がされた(甲96)。 上記④の商標権は,平成14年10月30日に,上記⑤及び⑥の商標権は平成14年7月31日に,いずれも存続期間満了により消滅した(登録は,④について平成15年7月23日,⑤及び⑥について同年4月2日)。 (弁論の全趣旨) 検討以上の認定事実に基づき,本件各権利に関する対価支払の有無(争点)について検討する。 ⑴本件各権利の対価本件営業譲渡契約において,本件各権利は,上記1⑴キのとおり,同契約別紙1に,「特許権,実用新案権,商標権等の対価は,第3条3項の営業権の対価に含むものとする。」とされているところ,営業権の対価について定める条項は,「営業権は,甲を60,000,000円,乙を80,000,000円とする。」と明記されているように,本件営業譲渡契約3条2項であることが明らかであり,同条3項は,「資産,負債の細目及び清算方法等 について」協議して定めることを規定するものであって,営業権の対価について定めたものではないこと,他に,営業権の対価について定める条項はないことからすれば,上記の別紙1の「第3条3項」は,3条2項の誤記であると解するのが相当である。 そうすると,本件各権利の対価は,本件営業譲渡契約3条2項において定められている営業権の対価(消費税相当 ことからすれば,上記の別紙1の「第3条3項」は,3条2項の誤記であると解するのが相当である。 そうすると,本件各権利の対価は,本件営業譲渡契約3条2項において定められている営業権の対価(消費税相当分を含み,被告分6300万円)に含まれるものとして,原告,被告及び日本ウェブ加工間で合意されたものと認められる。 被告は,本件営業譲渡契約別紙1に記載されているとおり,同契約3条3項によるものである旨主張するが,このような解釈は,「営業権の対価に含む」との文言と整合せず,また,同契約3条3項の「資産」に含めて解するとすれば,代金額を決定する際の資料となるように,本件財務調査時点の評価額が具体的に示されている他の対象資産と同様に,具体的な評価額が記載されているべきであるところ,そのような記載はされていないのであるから,被告の上記主張を採用することはできない。 したがって,本件各権利の対価は,被告の営業権の対価6300万円に含まれるものと認められる。 ⑵本件営業譲渡契約の修正合意の成否原告は,本件営業譲渡契約締結後,平成14年3月20日ころに,原告被告間で,原告が被告の同月31日までに発生した売掛金,現預金,負債等,一定の資産及び負債を引き継がない,すなわち,譲渡対象財産を限定する内容の本件修正合意をしたと主張し,被告は本件修正合意の成立を争うので,この点について検討する。 まず,上記1⑵ウのとおり,同月20日のC会計士,S,R及びQの打合せの結果についてのRの報告(甲81)や,同年4月16日付けのRの日本毛織あての報告書(甲84)に,被告の現預金,売掛金,債務は譲渡対象と しない旨の合意が成立したことが記載されていること,上記1⑶エのとおり,同年5月30日のR及びC会計士の打合せに関するRの結果報告(甲108)において,C会計士が,被告 掛金,債務は譲渡対象と しない旨の合意が成立したことが記載されていること,上記1⑶エのとおり,同年5月30日のR及びC会計士の打合せに関するRの結果報告(甲108)において,C会計士が,被告の債務が譲渡対象とならなかったことを前提とする発言をしている旨が記載されていること,同報告において,RがC会計士に契約書のひな型を交付して検討を依頼したことが示されているが,同契約書のひな型は,本件修正合意に係るものであると推認できること,さらに,本件修正合意を内容とする修正契約書面が実際に作成され(甲79),原告側では原告名下に押印がされていること,上記1⑶キのとおり,同年4月1日以降,原告の経理担当者であったEにおいて,被告との日常の入出金について,仮払金として処理し,その帳簿(甲104の別紙)を作成し,同年9月30日で仮払勘定を確定させ,同年10月31日に,それによって確定された原告の被告に対する借受金の弁済をしており,実際に,本件修正合意において対象外とされたものについては,原告において,原告とは別に会計処理されていたこと,上記の一連の会計処理について,C会計士から特段の異議は述べられなかったことなどを併せて考慮すれば,少なくとも,原告とC会計士との間において,上記修正合意が成立していたと解することができる。 そして,C会計士は,被告(旧ヘイセイ)との間で,正式な顧問契約等を締結したことは認められないものの,上記1⑴イのとおり,日本ウェブ加工の代表者であって被告の実質的なオーナーでもあるAから,本件営業譲渡を成功させ,それに伴う被告の経理処理を含めた手続を行うことの依頼を受け,実際に,上記1⑴ウ,オ及びカのとおり,本件財務調査に立ち会ったり,被告の資金繰りのための融資を双洋貿易に依頼したり,原告側と打ち合わせるなどしていること,A 理を含めた手続を行うことの依頼を受け,実際に,上記1⑴ウ,オ及びカのとおり,本件財務調査に立ち会ったり,被告の資金繰りのための融資を双洋貿易に依頼したり,原告側と打ち合わせるなどしていること,A夫妻は,上記1⑴イのとおり,被告や日本ウェブ加工の経理や資金繰りに携わることはなく,経理担当者に任せきりにして,大まかな方向性以外は把握しておらず,本件営業譲渡の交渉についても,同様に C会計士らに任せていたこと,上記1⑴キのとおり,A夫妻は,本件営業譲渡契約の締結に当たって,その具体的な内容は把握しておらず,原告が被告の負債等を引き継ぐか否かということについては関心を有していなかったのであり,本件修正合意の内容も,本件営業譲についての事務についてC会計士に委任した範囲内のものであったと認められること,C会計士は,上記1⑶ウのとおり,平成14年7月の決算まで,被告及び日本ウェブ加工の会計処理の指示及び税務申告業務の代理を行っており,同会計処理は,本件修正合意の内容に従うものであったと解されるところ,それについて,被告や日本ウェブ加工から問題視されたというような事情は認められないことなどからすれば,C会計士は,本件営業譲渡に関して,被告及び日本ウェブ加工の意向を受けて,Rなどの原告側の担当者と折衝していたというべきであり,C会計士において決定した事項等は,被告及び日本ウェブ加工の意思に基づいて行われたものと理解するのが相当である。 そうすると,平成14年3月20日の打合せにおける本件修正合意の了承によって,原告と被告との間で,本件修正合意が成立したと認められる。 なお,本件修正合意を書面化した本件修正契約書(甲79)が,被告及び日本ウェブ加工の押印がされないままとなっていることについて,当時の原告側責任者の1人であったRは,その後の経緯の確 と認められる。 なお,本件修正合意を書面化した本件修正契約書(甲79)が,被告及び日本ウェブ加工の押印がされないままとなっていることについて,当時の原告側責任者の1人であったRは,その後の経緯の確認を怠って,本件紛争が生じるまで気づかなかった旨証言している(証人R36,37頁)ところ,同書面が作成されたのが,既に営業譲渡契約の発効後である平成14年6月7日ころであり,本件修正合意に従って諸手続が進められている状況にあって,書面の作成が確認的意味合いを有するにすぎないこと,平成17年3月31日にAが原告の顧問を退任するまでは,本件営業譲渡契約及び本件修正合意に基づく処理について,Aを含めた被告側関係者から異議等が述べられることは一切なかったことなどを踏まえれば,本件修正契約書の処理に関する原告の措置に正確性を欠く面があるとしても,本件修正契約書の調印がさ れていないという書面上の不備をもって,本件修正合意の成立が否定されるということはできない。 ⑶支払の有無原告は,被告及び日本ウェブ加工に対し,上記1⑵イ及びエ並びに同⑶イのとおり,日本ウェブ加工の営業権の代金の一部として日本ウェブ加工預金①に本件7000万円振込,被告の営業権の代金の一部として被告預金①に本件1500万円振込及び被告預金②に本件4500万円振込,日本ウェブ加工の営業権の残代金1400万円及び被告の営業権の残代金300万円として本件1700万円振込を,それぞれ行い,合計1億4700万円の支払をしたことが認められるところ,平成14年3月15日に行われた本件7000万円振込は,上記1⑵イのとおり,その金額や振込口座については,C会計士も交えた話合いで決定されていること,上記の各口座は,平成14年4月1日まではDが,同日以降は原告の従業員であるEが,それぞれ管理し, は,上記1⑵イのとおり,その金額や振込口座については,C会計士も交えた話合いで決定されていること,上記の各口座は,平成14年4月1日まではDが,同日以降は原告の従業員であるEが,それぞれ管理し,上記金員が口座から引き出されて費消されているが,上記1⑶カのとおり,上記金員は,すべて,被告の借入金返済等に充てられており,これらの処理について,DやC会計士の関与がうかがわれること,その後の被告及び日本ウェブ加工の会計処理等において,上記処理が問題とされていないことなどからすれば,上記各支払は,それぞれ,被告及び日本ウェブ加工の営業権の代金として支払われたものであると評価することが相当である。 そして,上記⑵のとおり,本件修正合意により,被告及び日本ウェブ加工が保有していた預金については,営業譲渡の対象にならず,被告及び日本ウェブ加工のもとに残されていたのであるから,上記各支払は,本件営業譲渡契約に基づく営業権の代金の支払として有効に行われたものと認められる。 被告の主張について⑴C会計士の立場と関与被告は,C会計士について,本件営業譲渡契約を締結するに当たり,原告 の求めに応じて資産の精査を行う必要があったため,被告が平成13年初頭にC会計士に資産の調査を依頼したことはあったが,平成14年3月1日の前後を通じて,被告及び日本ウェブ加工と何らかの契約関係にあったことはなく,金銭的な関係もないのであるから,C会計士とRやQが協議して,原告が引き継ぐ資産と営業権の額内で先方勘定で負債を返済するという基本スキームを了解した(甲81)という事実があったとしても,C会計士は被告を代理する権限もなく,このような効果が被告に帰属することはない旨主張し,C会計士も,被告や日本ウェブ加工の顧問会計士になったことはない旨証言する。 しかしながら,上 あったとしても,C会計士は被告を代理する権限もなく,このような効果が被告に帰属することはない旨主張し,C会計士も,被告や日本ウェブ加工の顧問会計士になったことはない旨証言する。 しかしながら,上記2⑵において検討したとおり,C会計士は,本件売却交渉の始まるころに,H弁護士とともに,Aから,本件営業譲渡を成功させ,それに伴う被告の経理処理を含めた手続を行うことの依頼を受け,実際に,本件財務調査に立ち会ったり,被告側の資金繰りについて融資を双洋貿易に依頼したり,原告側と打ち合わせるなどし,また,平成14年7月の決算まで,被告及び日本ウェブ加工の会計処理の指示及び税務申告業務の代理を行っているのであり,遅くとも平成13年9月ころから,平成14年7月決算の申告が行われた同年10月ころまでの間,被告及び日本ウェブ加工の意向を受けて種々の決定をしていたことが認められる。したがって,C会計士が,被告と正式な顧問契約を締結していないとしても,同人の行為の効果は被告に帰属することになると解されるのであり,被告の上記主張を採用することはできない。 なお,C会計士は,平成14年4月以降,原告との間で顧問契約を締結したのであり,同時点以降は,被告及び日本ウェブ加工の経理処理についても,原告の顧問会計士の立場で行ったものであり,原告の顧問会計士となることについては,Aの了承を得た旨証言する(証人C34~37頁)。 しかしながら,本件営業譲渡契約及び本件修正合意が成立したのは,平成 14年4月1日以前のことであり,同年4月以降にC会計士が原告の顧問会計士となったことにより法的な影響を受けるものではない。しかも,被告及び日本ウェブ加工の経理処理を原告側の立場で行った等上記の事情については,C会計士の陳述書等には全く記載されておらず,そのような事情を陳述書に とにより法的な影響を受けるものではない。しかも,被告及び日本ウェブ加工の経理処理を原告側の立場で行った等上記の事情については,C会計士の陳述書等には全く記載されておらず,そのような事情を陳述書において触れなかったことについての合理的な説明はない。そして,同年5月30日のR及びC会計士の打合せについて報告しているR作成の電子メールの記載からすれば,C会計士は,被告の損失についての対応に苦慮している旨の発言をするなど,被告側に立つ者として行動していることが認められる上,同日,Rから,本件修正合意を内容とする契約書のひな型を交付され検討を依頼されており,被告側の者として認識されていたことも認められるのであるから,C会計士の上記証言を採用することはできない。 ⑵預金の管理について被告は,本件営業譲渡契約を締結した平成14年3月1日以降,被告及び日本ウェブ加工の預金通帳,手形帳,小切手帳,キャッシュカード,銀行印,代表者印,印鑑カード等をすべて原告に引き渡しており,被告の事務所にも,R及びQ並びに同年4月1日以降はEが常駐するようになって,それらを管理していたのであり,原告が,被告等各預金を管理していたものであって,このような状況における,本件7000万円振込等の振込みをもって,本件営業譲渡契約に基づく営業権の代金としての支払とみることはできない旨主張する。 しかしながら,被告等各預金の管理の状況や,Q又はEの関与の状況,C会計士の立場については,上記1⑵アないしウ並びに同⑶ア,ウ及びオにおいて認定したとおりであり,QやEにおいて,具体的な入出金や振込み等の作業を行っていたとしても,それによって,上記の支払が,被告や日本ウェブ加工に対する支払であることを否定することはできない。 なお,被告は,同日以降の被告等各預金について,別紙「被告等各預 振込み等の作業を行っていたとしても,それによって,上記の支払が,被告や日本ウェブ加工に対する支払であることを否定することはできない。 なお,被告は,同日以降の被告等各預金について,別紙「被告等各預金の 処理に関する被告の主張及び原告の反論」の被告の主張のとおり,不自然な点がある旨主張するが,同別紙記載1の被告預金①のうち,原告が負担すべき金員の同預金からの支払については,原告の反論のとおり,仮払金として処理されるなどしているし,同別紙記載2の被告預金②及び同記載4の被告預金④についても,同様に,原告において負担すべき金員については,原告において被告からの仮払金として処理されているものと認められる(甲104)。その他の被告の指摘は,具体性に欠けるものであって,このことにより,被告等各預金の管理について不自然な点があるということはできない。 ⑶対価性がない旨の主張,あるいは,本件紛争の実体に関する主張について被告は,原告において,営業権の代金及び資産の代金として合計2億7250万8739円を支出して,2億5514万2309円の資産及び1億4700万円の営業権を取得したことになり,実質的な対価性が欠落している旨主張し,また,本件営業譲渡契約等の経緯により,1億2000万円前後が,説明のつかない状態で紛失している旨主張する。 被告のこれらの主張の趣旨は,必ずしも明らかではないが,原告が旧ヘイセイの負債の譲渡を受けない場合の,譲渡代金の不均衡を指摘する趣旨であるとすれば,原告は,本件修正合意により,被告側の負債の譲渡を受けないこととするとともに,被告側の有する現預金,売掛金についても譲渡対象から除外しているのであるから,被告の同主張は理由がない(負債も譲渡対象とする場合の営業譲渡による譲渡代金は,当該負債の評価を加味して決定されるのであ 被告側の有する現預金,売掛金についても譲渡対象から除外しているのであるから,被告の同主張は理由がない(負債も譲渡対象とする場合の営業譲渡による譲渡代金は,当該負債の評価を加味して決定されるのであるから,単純に資産額の差異を比較することには意味がない。)。 まとめ以上により,原告の被告に対する,本件各権利の対価の支払が認められる。 第4 結論 以上の次第で,原告の請求はいずれも理由があるからこれらを認容することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第29部裁判長裁判官清水節裁判官山田真紀裁判官佐野信

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