令和6(ネ)200 損害賠償請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
令和7年4月17日 大阪高等裁判所 破棄自判 大阪地方裁判所 令和2(ワ)4248
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判決文本文9,328 文字)

令和6年(ネ)第200号損害賠償請求控訴事件令和7年4月17日大阪高等裁判所第2民事部判決 主文 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人は、控訴人Aに対し、546万8660円及びうち275万円に対する令和2年11月13日から、うち27万5000円に対する平成12年5月30日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 被控訴人は、控訴人Bに対し、273万4330円及びうち137万5000円に対する令和2年11月13日から、うち13万7500円に対する平成 12年5月30日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 被控訴人は、控訴人Cに対し、273万4330円及びうち137万5000円に対する令和2年11月13日から、うち13万7500円に対する平成12年5月30日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 5 訴訟費用は、第1、2審とも、被控訴人の負担とする。 6 この判決は、第2項ないし第4項に限り、被控訴人に送達された日から14日経過した時から、仮に執行することができる。ただし、被控訴人が、第2項につき控訴人Aのために430万円、第3項につき控訴人Bのために210万円、第4項につき控訴人Cのために210万円の担保を供するときは、それぞれの仮執行を免れることができる。 事実 及び理由第1 控訴の趣旨主文同旨(なお、控訴人らは、当審において、原審における控訴人Aにつき583万7739円、同Bにつき291万8869円、同Cにつき291万8869円の損害賠償請求を、それぞれ上記のとおりに減縮した。)。 第2 事案の概要 (以下、控訴人(原審原告) 3万7739円、同Bにつき291万8869円、同Cにつき291万8869円の損害賠償請求を、それぞれ上記のとおりに減縮した。)。 第2 事案の概要 (以下、控訴人(原審原告)Aを「原告A」、同Bを「原告B」、同Cを「原告C」、被控訴人(原審被告)を「被告」という。その余の略称は、特に断らない限り、いずれも原判決の例による。) 1 事案の骨子平成12年5月30日にじん肺法(法)の定めるじん肺管理区分を管理二と する決定(以下「本件決定」ともいう。)を受けた亡Dは、令和2年5月8日、被告に対して国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求める本件訴えを提起したが、原審係属後に死亡した。亡Dの法定相続人である原告らは、訴訟手続を受け継ぎ、亡Dの基準慰謝料額1100万円について、亡Dの勤務先企業から受領した解決金の同受領日までの確定遅延損害金への充当処理を経た後の弁護 士費用を含む損害賠償額は、原判決別表のとおり、原告Aにつき583万7739円、同Bにつき291万8869円、同Cにつき291万8869円であるとして、それぞれ同額及び遅延損害金(慰謝料については令和2年11月13日〔上記解決金受領日の翌日〕から、弁護士費用については平成12年5月30日〔本件決定の日〕から、各支払済みまで平成29年法律第44号による 改正前の民法〔改正前民法〕所定の年5分の割合による遅延損害金)の支払を求めた。これに対し、被告は、除斥期間の経過等を主張して争った。 原審は、本件における除斥期間の起算点は、亡Dが本件決定を受けた時(平成12年5月30日)ではなく、じん肺を発症したと証拠上認定できる時(亡Dが本件決定を受ける根拠となったじん肺健康診断を受診してエックス線写真 撮影を受けた平成11年10月19日)であ 時(平成12年5月30日)ではなく、じん肺を発症したと証拠上認定できる時(亡Dが本件決定を受ける根拠となったじん肺健康診断を受診してエックス線写真 撮影を受けた平成11年10月19日)であり、本件訴え提起時(令和2年5月8日)において既に除斥期間を経過しているなどと判断して、原告らの請求をいずれも棄却した。 これに対し、原告らが控訴し、当審において、請求する損害賠償額を、原告Aにつき546万8660円に、同Bにつき273万4330円に、同Cにつ き273万4330円に、それぞれ減縮した。 2 前提事実次のとおり補正するほかは、原判決の「事実及び理由」第2の1(原判決2頁4行目~5頁26行目)に記載のとおりであるから、これを引用する。 (原判決の補正)⑴ 4頁8~9行目を次のとおり改める。 「 亡Dは、粉じん作業を離れた後、何度かじん肺健康診断を受診したが、じん肺管理区分の管理二に該当するほどの異常所見はないとされていた(なお、平成9年2月21日のエックス線写真の像における小陰影の分類区分は『0/1』〔じん肺の陰影は認められるが、第一型と判定するに至らないもの。甲A37・36頁〕であった。)ところ、平成11年10月19 日にもじん肺健康診断を受診し、エックス線写真による検査及び肺機能検査を受けた。」⑵ 5頁23行目を次のとおり改める。 「 亡Dは、令和2年5月8日、被告においてじん肺の発生又はその増悪を防止するために労働基準法(昭和47年法律第57号による改正前のもの) 及び労働安全衛生法に基づく規制権限を行使しなかったことが違法であると主張して、被告に対し、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求める本件訴えを提起した。亡Dは、令和2年6月14日に死亡し、法定 及び労働安全衛生法に基づく規制権限を行使しなかったことが違法であると主張して、被告に対し、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求める本件訴えを提起した。亡Dは、令和2年6月14日に死亡し、法定相続人である原告らが訴訟手続を受継した。」 3 争点及び争点に対する当事者の主張 原判決の「事実及び理由」第2の2及び3(原判決6頁1行目~7頁25行目)に記載のとおりであるから、これを引用する。 ただし、原判決7頁22~23行目の「原告らの被告に対する各請求額は、別表『請求額・合計』欄のとおりである。」を「原告らの被告に対する各請求額は、亡Dの勤務先企業から受領した解決金(前記前提事実⑺)の受領日までの 確定遅延損害金への充当処理や弁護士費用を踏まえると、原告Aにつき合計5 46万8660円、同Bにつき合計273万4330円、同Cにつき合計273万4330円となる。」と改める。 第3 当裁判所の判断 1 判断の骨子当裁判所は、原告らの損害賠償請求権について、除斥期間の起算点は、亡D がじん肺管理区分を管理二とする本件決定を受けた時(平成12年5月30日)であると解するのが相当であり、本件訴え提起時(令和2年5月8日)において除斥期間は経過していないから、原告らの請求を認容すべきであると判断する。その理由は、以下のとおりである。 2 争点⑴(原告らの損害賠償請求権の除斥期間の起算点)について ⑴ 亡Dの損害賠償請求権の発生について前記前提事実のとおり、亡Dは、昭和38年5月から昭和46年4月までの間、勤務先の工場において石綿セメント管の製造作業に従事し、何度かじん肺健康診断を受けた後、平成11年10月19日にもじん肺健康診断を受診してエックス線写真撮影等の検査を受け、平成1 6年4月までの間、勤務先の工場において石綿セメント管の製造作業に従事し、何度かじん肺健康診断を受けた後、平成11年10月19日にもじん肺健康診断を受診してエックス線写真撮影等の検査を受け、平成12年5月30日に兵庫労 働局長から本件決定(じん肺管理区分を管理二とする決定)を受けている。 亡Dが、じん肺被害について、被告に対して国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求権を取得したことについては、当事者間に争いがない。 ⑵ 除斥期間の起算点についてア法2条1項1号が定めるじん肺(粉じんを吸入することによって肺に生 じた線維増殖性変化を主体とする疾病)は、粉じんが肺内に沈着すると、肺組織が、長い年月をかけて、これを細胞内部に取り込む線維化と呼ばれる生体反応を続け、やがて肺胞腔内の線維が固い結節となり、最後には融合して手拳大の塊になり、肺胞壁を閉塞させるというものである。じん肺による病変は不可逆的であり、現在の医学では治療は不可能である。また、 じん肺は、肺内に粉じんが存在する限り上記反応が継続し、その粉じんの 量に対応して進行するという特異な進行性の疾患であるが、粉じんを発散する職場を離れた後、長い年月を経て初めてじん肺の所見が発現することも少なくないなど、その進行の有無、程度、速度は患者により多様であり、ある時点での病状が今後どの程度まで進行するのかはもとより、進行しているのか、固定しているのかすらも、現在の医学では確定できないという 特徴を有している。じん肺の以上のような特質も踏まえて制定された法は、管理一から管理四までの健康管理の区分やその決定手続等を定め、じん肺の所見があると認められる者は管理二以上に区分され、管理四と決定された者は療養を要するものとされている。 一般に、企業の安 理一から管理四までの健康管理の区分やその決定手続等を定め、じん肺の所見があると認められる者は管理二以上に区分され、管理四と決定された者は療養を要するものとされている。 一般に、企業の安全配慮義務違反あるいは国の規制権限不行使による損 害賠償請求権は、その損害が発生した時に成立し、同時にその権利を行使することが法律上可能となるというべきであるところ、じん肺には上記のような特質があることからすれば、じん肺に罹患した事実は、その旨の行政上の決定がなければ通常認め難いから、じん肺の場合の損害は、じん肺の所見がある旨の行政上の決定(管理二以上の最初の決定)を受けた時に 発生したものというべきである。さらに、上記のようなじん肺の進行性の疾患としての特徴に鑑みると、例えば、管理二、管理三、管理四と順次行政上の決定を受けた場合に、管理二の行政上の決定を受けた時点で、管理三又は管理四に相当する病状に基づく各損害の賠償を求めることは不可能であり、管理二、管理三、管理四の各行政上の決定に相当する病状に基 づく各損害には、質的に異なるものがあるといわざるを得ず、重い決定に相当する病状に基づく損害は、その決定を受けた時に発生するというべきである。要するに、じん肺に罹患したことを理由とする損害賠償請求権の消滅時効は、最終の行政上の決定を受けた時から進行するものと解するのが相当である。(最高裁平成6年2月22日第三小法廷判決・民集48巻2 号441頁〔以下「平成6年最判」という。〕参照) また、当該不法行為により発生する損害の性質上、加害行為が終了してから相当の期間が経過した後に損害が発生する場合には、当該損害の全部又は一部が発生した時が、改正前民法724条後段所定の除斥期間の起算点となると解すべきである。上 る損害の性質上、加害行為が終了してから相当の期間が経過した後に損害が発生する場合には、当該損害の全部又は一部が発生した時が、改正前民法724条後段所定の除斥期間の起算点となると解すべきである。上記のとおり、じん肺は、粉じんへの暴露が終わった後、相当長期間経過後に発症することも少なくないことなどから すれば、じん肺被害を理由とする損害賠償請求権については、その損害発生の時が除斥期間の起算点となるというべきである。(最高裁平成16年4月27日第三小法廷判決・民集58巻4号1032頁〔以下「平成16年最判」という。〕参照)以上によれば、じん肺被害を理由とする損害賠償請求権については、そ の損害発生の時、すなわち最終の行政上の決定を受けた時が除斥期間の起算点となる。 イこれを本件についてみると、亡Dが管理二の行政上の決定(本件決定)を受けたのは平成12年5月30日であるから、同日に管理二に相当する病状に基づく損害が発生したと認められ、その損害賠償請求権の除斥期間 の起算点も同日となる。亡Dが本件訴訟を提起したのは、令和2年5月8日であるから、この時点では未だ除斥期間を経過していなかったものと認められる。したがって、争点⑵について判断する必要はない。 ⑶ 被告の主張についてア被告は、じん肺に罹患したことを理由とする損害賠償請求権の除斥期間 の起算点は、各じん肺管理区分に相当する病態を発症した時点であり、亡Dは、じん肺健康診断を受けた平成11年10月19日には、管理二に相当する病態を発症していたから、原告らの損害賠償請求権の除斥期間の起算点は同日であり、本件訴え提起時には既に除斥期間を経過していたと主張する。被告は、その理由として、①じん肺は医学的な観点から症状の発 現を確認するこ ら、原告らの損害賠償請求権の除斥期間の起算点は同日であり、本件訴え提起時には既に除斥期間を経過していたと主張する。被告は、その理由として、①じん肺は医学的な観点から症状の発 現を確認することができる疾病であり、行政上の決定は、じん肺に罹患し た事実、すなわち損害の発生を事後的に確認する手段の一つにすぎない旨、②じん肺の各管理区分に相当する病態を発症した時をじん肺健康診断の結果等の医学的な観点から客観的に認定することができる場合には、当該時点で損害が発生しているというほかない旨、③平成6年最判は、行政上の決定に相当する症状が発現したと証拠上客観的に認定することができる時 点が消滅時効の起算点(損害の発生時)であることを前提とし、平成16年最判は、行政上の決定に相当する病状を発症した時が除斥期間の起算点(損害の発生時)であることを前提としていると解すべきである旨を主張する。 イしかし、前記⑵のとおり、じん肺は、ある時点での病状が、今後どの程 度まで進行するのかはもとより、進行しているのか、固定しているのかすら現在の医学では確定できないものである。例えば、ある時点で管理一(じん肺の所見なし)と決定された者が、その後管理二と決定されたり、管理三又は管理四と決定されたりすることもあるところ、管理二に相当する病状に基づく損害と、管理三又は管理四に相当する病状に基づく損害とは、 質的に異なるものといえる。そして、じん肺管理区分の決定手続上、粉じん作業に従事していた者が、管理区分の決定を受けるためには、じん肺健康診断を受けてエックス線写真撮影等を受け、その診断結果を証明する書面等を添えて申請しなければならないところ、このことは、管理二の決定であろうが、管理三又は管理四の決定であろうが同じである。すなわち、 受けてエックス線写真撮影等を受け、その診断結果を証明する書面等を添えて申請しなければならないところ、このことは、管理二の決定であろうが、管理三又は管理四の決定であろうが同じである。すなわち、 論理的には、当初のじん肺健康診断の段階で異常なし又はじん肺の陰影はあるが第一型に至らないと診断され、管理一の決定を受けていたが(あるいは、管理区分の決定の申請自体をしていなかったが)、その後に病変が進行して管理二の決定がされた場合、その申請に先立つじん肺健康診断の時点で管理二に相当する病状が事実上発症していた可能性があるところ、そ の後に病状が進行して管理三又は管理四の決定がされた場合も、その申請 に先立つじん肺健康診断の時点で管理三又は管理四に相当する病状が事実上発症していた可能性があることは同じである。論理的にはそのようにいえるにもかかわらず、平成6年最判は、損害賠償請求権が損害発生時に成立し、同時にその権利行使が法律上可能となることを前提として、じん肺の病変の特質から、じん肺に罹患した事実はその旨の行政上の決定がな ければ通常認め難いとし、その決定に先立つじん肺健康診断の時期やその診断結果等を問題とすることなく(損害発生時がいつであるかは、じん肺被災者が遅延損害金をいつから請求することができるのかという問題でもあるにもかかわらず、何らの留保を付すこともなく)、「要するに、じん肺に罹患したことを理由とする損害賠償請求権の消滅時効は、最終の行政 上の決定を受けた時から進行するものと解するのが相当である」と端的かつ明確に判示している。これは、じん肺の病変の特質や、法が創設して定めたじん肺管理区分(管理一から管理四までの区分)とその決定手続等に照らし、じん肺は進行性の疾患ではあるが、管理二に相当する病状に基づく損害、 している。これは、じん肺の病変の特質や、法が創設して定めたじん肺管理区分(管理一から管理四までの区分)とその決定手続等に照らし、じん肺は進行性の疾患ではあるが、管理二に相当する病状に基づく損害、管理三に相当する病状に基づく損害、管理四に相当する病状に基 づく損害は、それぞれ質的に異なるものであるとの法的な評価を示した上で、法的明確性・客観性の観点から、各損害の発生時を各行政上の決定時と解すべきことを示したものというべきである。そして、平成16年最判も、じん肺被害を理由とする損害賠償請求権については、その損害発生の時が除斥期間の起算点となると判示している。平成6年最判が消滅時効の 起算点(損害発生時)を最終の行政上の決定時と解すべきであると判示し、平成16年最判が除斥期間の起算点を損害発生時と判示していることに照らせば、じん肺被害を理由とする損害賠償請求権については、その損害発生時、すなわち最終の行政上の決定を受けた時が除斥期間の起算点となると解するのが相当である。 ウ以上のとおり、被告の上記主張は、じん肺の病変の特質や、平成6年最 判及び平成16年最判の判示を正しく理解していないものといわざるを得ず、採用することができない。 なお、被告は、粉じんのばく露により肺がんを発症した患者について、損害発生時を肺がんの確定診断日(生検により肺がんと確定診断された日)と認定した裁判例(福岡高裁令和元年9月27日判決・判例時報2438 号66頁)の存在を指摘する。しかし、そもそも上記裁判例は最高裁判決ではないし、診断方法や進行等についての医学的知見がある程度確立している肺がんと、病状の進行等が現在の医学では確定できないじん肺とは異なるから、上記裁判例は本件とは事案を異にするというべきである(上記 ないし、診断方法や進行等についての医学的知見がある程度確立している肺がんと、病状の進行等が現在の医学では確定できないじん肺とは異なるから、上記裁判例は本件とは事案を異にするというべきである(上記裁判例自体も、平成6年最判や平成16年最判は、石綿肺〔じん肺〕を念 頭に置いたものと解され、肺がんについての当該事案とは、事案が異なる旨を判示している。)。 3 争点⑶(原告らの損害額)について⑴ 前記前提事実⑶ウ及び⑸のとおり、亡Dは、平成12年5月30日にじん肺管理区分を管理二とする決定を受け、じん肺による合併症はなかったから、 勤務先企業に対し、慰謝料1100万円及びこれに対する平成12年5月30日から支払済みまで改正前民法所定の年5分の割合による遅延損害金の損害賠償請求権を取得し、被告に対し、その責任限度額(2分の1)である慰謝料550万円及びこれに対する遅延損害金の損害賠償請求権を取得した。 前記前提事実⑴のとおり、亡Dは、令和2年6月14日に死亡し、亡Dの 上記損害賠償請求権を、原告Aが2分の1、同B及び同Cが各4分の1の割合で相続により取得した(原告らの取得した被告に対する損害賠償金(慰謝料)元金は、①原告Aが275万円、同B及び同Cが各137万5000円である。)。 ⑵ 前記前提事実⑺のとおり、原告らは、令和2年11月12日に、亡Dの勤 務先企業から解決金として合計700万円を受領した。 原告らが相続した亡Dの慰謝料元金(合計1100万円)に対する上記解決金受領日までの確定遅延損害金は、原告Aにつき562万5478円、同B及び同Cにつき各281万2739円となる。 上記解決金700万円のうち11分の1に相当する金額は、弁護士費用相当分であると認めるのが相 定遅延損害金は、原告Aにつき562万5478円、同B及び同Cにつき各281万2739円となる。 上記解決金700万円のうち11分の1に相当する金額は、弁護士費用相当分であると認めるのが相当であるから、原告らに対する損害賠償債務に充 当されるのは、11分の10に相当する636万3636円であり、原告Aに対する損害賠償債務に318万1818円が、同B及び同Cに対する各損害賠償債務に各159万0909円が、それぞれ充当される。これを法定充当により、上記確定遅延損害金から先に充当すると、②原告Aの確定遅延損害金残額が244万3660円、同B及び同Cの確定遅延損害金残額が各1 22万1830円となる。 ⑶ 原告らは、本件訴訟の遂行を弁護士に依頼して行ったところ、本件訴訟の内容や認容額などに照らせば、本件と相当因果関係のある弁護士費用は、③原告Aにつき27万5000円、同B及び同Cにつき各13万7500円と認めるのが相当である。 ⑷ 以上を整理すると、本判決別表のとおりとなり、原告らの被告に対する損害賠償請求権の内容は、次のとおりとなる。 ア原告Aにつき、①慰謝料元金275万円、②確定遅延損害金残金244万3660円、③弁護士費用27万5000円の合計546万8660円イ原告B及び同Cにつき、それぞれ、①慰謝料元金137万5000円、 ②確定遅延損害金残金122万1830円、③弁護士費用13万7500円の合計273万4330円⑸ したがって、原告らは、それぞれ、被告に対し、上記合計額及びこのうち①の金員に対する令和2年11月13日(上記解決金受領日の翌日)から、③の金員に対する平成12年5月30日(本件決定の日)から各支払済みま で改正前民法所定の年5分の割合による 額及びこのうち①の金員に対する令和2年11月13日(上記解決金受領日の翌日)から、③の金員に対する平成12年5月30日(本件決定の日)から各支払済みまで改正前民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を請求することができる。 第4 結論 よって、原告らの請求はいずれも理由があるから認容すべきであるところ、これと異なり原告らの請求を棄却した原判決は不相当であり、本件控訴は理由があるから、原判決を取り消して、原告らの請求をいずれも認容することとし、 主文のとおり判決する。 大阪高等裁判所第2民事部 裁判長裁判官 三木素子 裁判官 田中俊行 裁判官 近江弘行

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