主文 1 処分行政庁が令和4年9月27日付けで原告Aに対してした生活保護停止決定処分を取り消す。 2 被告は、原告らに対し、それぞれ10万円及びこれに対する令和4年9月27日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 3 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は被告の負担とする。 5 この判決は、第2項に限り仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求の趣旨 1 主文1項同旨。 2 被告は、原告らに対し、それぞれ55万円及びこれに対する令和4年9月27日から支払済みまで年3%の割合のよる金員を支払え。 第2 事案の概要 1 三重県鈴鹿市に居住し、生活保護法(以下「法」という。)による保護を受けて いる原告Aは、同一世帯の構成員の二男である原告Bが所有する自動車(以下「本件車両」という。)につき、処分行政庁から運転記録票を提出するよう複数回にわたり求められていたにもかかわらず、これを提出しなかったことを理由に、処分行政庁は、法62条3項に基づき、原告Aに対し、生活保護を停止する旨の処分(甲A23。以下「本件停止処分」という。)をした。本件は、原告Aが、本件停 止処分は違法であると主張して、被告に対し、その取消しを求めるとともに、原告らが、被告に対し、国家賠償法1条1項に基づき、それぞれ損害賠償金55万円及びこれに対する本件停止処分の日である令和4年9月27日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 2 関係法令等の定めは、別紙(関係法令等の定め)のとおりである。同別紙第3 の1「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」(昭和38年4月1 日社保第34号厚生省社会局保護課長通知) 法令等の定めは、別紙(関係法令等の定め)のとおりである。同別紙第3 の1「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」(昭和38年4月1 日社保第34号厚生省社会局保護課長通知)(平成21年3月31日社援保発第331001号厚生労働省社会・援護局保護課長通知による改正後のもの)を、以下「本件通知」という。 3 前提事実(争いのない事実、後掲証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実) (1) 原告A(昭和17年▲月▲日生の女性)は、令和元年7月、三重県亀山市から肩書住所地に転居し、二男である原告B(昭和42年▲月▲日生の男性)と共に生活している。(争いのない事実、甲A21の1・2、弁論の全趣旨)(2) 原告Bは、汎下垂体機能低下症、視床下部障害及び糖尿病の治療を要する状態にある。(甲A2、22、25) (3) 処分行政庁は、令和元年8月9日、原告らに対し、生活保護の支給を開始した。(争いのない事実、甲A23)(4) 処分行政庁は、令和3年7月9日、原告Bが上記(3)の生活保護が開始される以前より所有する本件車両(初度登録平成19年11月)について、原告Bの通院に限って保有及び利用を容認する旨の「保護申請(自動車の使用)決 定通知書」(令和3年度鈴保護第403号)を原告らに対して交付した。処分行政庁は、その上で、原告らに対し、自動車の利用に係る誓約書の提出を求め、また、運転記録票の書式を交付し、必要な事項を記入して、毎月提出することを求めた。(甲A1、3、4、22)(5) 原告らは、上記(4)の運転記録票を処分行政庁に一度も提出しなかったた め、処分行政庁は、令和3年11月25日、原告らに対し、運転記録票を提出するよう記載した指導指示書(令和3年度鈴保護第88 原告らは、上記(4)の運転記録票を処分行政庁に一度も提出しなかったた め、処分行政庁は、令和3年11月25日、原告らに対し、運転記録票を提出するよう記載した指導指示書(令和3年度鈴保護第888号)を交付した。同年12月13日、原告らから処分行政庁に対して運転記録票の提出があったものの、一部の提出にとどまり、その内容も不正確であったことから、処分行政庁は、令和4年1月5日、原告らに対し、再度、運転記録票を提出するよう記 載した指導指示書(令和3年度鈴保護第1017号)を交付した。(甲A6の 1・2、甲A8、22)(6) 原告らは、上記(5)の後も運転記録票を提出しなかったことから、処分行政庁は、令和4年5月17日、原告らに対し、以下の内容が記載された指導指示書(令和4年度鈴保護第222号)を交付した(以下「本件指示等」という。)。 (甲A13、22) ア自動車を利用する度に、運転記録票に必要事項を正確に記録すること。 イ原告Bの通院で利用する以外の目的だけで自動車の利用をしないこと。 ウ当月分の運転記録票を翌月10日までに毎月福祉事務所に提出すること。 (令和4年5月分提出期限同年6月10日)(7) 処分行政庁は、上記(5)で提出された運転記録票について一部の提出にと どまり、また、提出された運転記録票によると、原告らが通院以外にも本件車両を利用していたことがうかがわれ、原告らが更に運転記録票を提出しないことから、令和4年6月20日、原告ら宛に、生活保護の廃止の処分を行うことを予定とし、その弁明の機会の付与として、同年7月8日に聴聞会を行うとの通知書(令和4年度鈴保護第347号)を交付した。(甲A14の1、甲A2 2)(8) 原告ら代理人は、令和4年7月 を予定とし、その弁明の機会の付与として、同年7月8日に聴聞会を行うとの通知書(令和4年度鈴保護第347号)を交付した。(甲A14の1、甲A2 2)(8) 原告ら代理人は、令和4年7月1日付けで、処分行政庁に対して上記聴聞会の日程の再調整を求める通知書を送付した。(甲A14の2・3)(9) 処分行政庁は、令和4年8月23日、原告らに対し、同年9月14日に聴聞会を開くとの通知書(令和4年度鈴保護第621号)を交付した。(甲A1 9、48)(10) 原告ら代理人は、上記(9)の聴聞会について日程を再調整するよう求めたが、処分行政庁は、これに応じず、原告らは、上記聴聞会に出席しなかった。 (甲A20の1・2、甲A48)(11) 処分行政庁は、要旨「原告らが法27条に基づく指導指示を受けているに もかかわらず、保護申請(自動車の使用)決定通知書(令和3年度鈴保護第4 03号)の保有条件を遵守しておらず、指導指示内容の履行がされていないため、法62条4項に基づき弁明の機会を設けたが、原告らは欠席し、弁明書の提出もなかったこと」を理由として、令和4年9月27日、法62条3項に基づき、原告の生活保護(生活扶助、住宅扶助、介護扶助、医療扶助)を停止する処分(本件停止処分)をした。(甲A23) 3 争点及び当事者の主張(1) 本件通知の違法性(争点1)(原告らの主張)ア本件通知が定める自動車保有の要件は、目的を通院等に限定すること等によって、障害者の社会参加や移動の自由を必要最小限度を超えて制約してい る一方で、極めて限定された要件に該当しない場合には、既に保有している経済的に無価値な自動車についてまで手放すことを強いるものであるから、極めて不合理である。 イ を超えて制約してい る一方で、極めて限定された要件に該当しない場合には、既に保有している経済的に無価値な自動車についてまで手放すことを強いるものであるから、極めて不合理である。 イ上記アに照らせば、被保護者が自動車保有の目的を限定して認められた場合には、その認められた用途に限って利用することができるのみであるとい う解釈をとることはできない(主位的主張)。 また、そうでなくとも、障害ゆえに自動車の保有を認められた障害者は、その自動車の用途以外の利用を否定されれば、人間として地域の中で生きていくこと自体を否定されることとなる上、通院を端緒とした移動のために自動車の保有が認められるにすぎないことからすれば、他の被保護者との公平 性を害するものでもないから、障害者が日常生活の用途に利用することは何ら問題ではない(予備的主張)。 (被告の主張)法は、最低限度の生活の保障をすることを旨とし、かつ、補足性の原理を基本とすると定めている。そして、自動車の利便性もさることながら、その購入 費用や処分価値が一般に大きいこと、維持費や駐車場の経費が最低生活を圧迫 しかねないこと、事故の場合の被保護者の負担能力に問題があること及び地域の低所得層の生活実態との均衡及び生活感情に対する考慮等がその本件通知の根拠である。そして、この根拠は自動車の資産価値が極めて低かったとしても、その妥当性は失わない。また、他に本件通知に特段不合理な点は見出せない。 (2) 本件指示等の違法性(争点2)(原告らの主張)本件指示等は、以下のとおり、原告らの移動の自由を侵害し、必要最小限度の制限を超えるものであるから、原告らはこれに従う理由はなく違法である。 そして、本件停止処分は違法な本件指示等を前提 張)本件指示等は、以下のとおり、原告らの移動の自由を侵害し、必要最小限度の制限を超えるものであるから、原告らはこれに従う理由はなく違法である。 そして、本件停止処分は違法な本件指示等を前提としているから、法62条3 項に反し、違法である。 ア法27条違反等(ア) 原告Aは、膀胱腫瘍による膀胱機能障害で、身体障害者手帳4級を所持し、原告Bは、指定難病である汎下垂体機能低下症(下垂体前葉機能低下症)を患い、「疾患による体幹機能障害」で身体障害者手帳2級を所持す る身体障害者である。原告らは、いずれも定期的な通院の必要性がある上、原告Aは長距離の歩行が困難であり、原告Bは公共交通機関の利用ですら事実上不可能である。 したがって、原告らが日常生活を営み生きていくためには、自動車を使うことが必要不可欠であるのに、処分行政庁は原告Bの通院に限定してし か本件車両の利用を認めない。 (イ) 憲法13条及び22条は、移動の自由を保障しており、日本が批准している障害者権利条約20条は、障害者自身が自ら選択する方法で、自ら選択する時に、かつ、負担しやすい費用で移動することを容易にすることと定める。原告らの身体及び障害の状況からすれば、自動車がなければ日 常生活上の移動全般ができないのであるから、原告Bの通院にしか本件車 両の利用を許さない本件指示等は、上記移動の自由や、上記条約の要請に反している。 (ウ) 原告らの歩行の困難さを考慮すれば、通院のために保有を容認された本件車両を、生活を維持するための用途等に利用することは、法の目的(日常生活自立、社会生活自立)や補足性の原理(保有する資産の有効活用) に沿うものである。そして、原告らは、障害者加算によって、自動車の維 生活を維持するための用途等に利用することは、法の目的(日常生活自立、社会生活自立)や補足性の原理(保有する資産の有効活用) に沿うものである。そして、原告らは、障害者加算によって、自動車の維持費用を賄うことが可能であり、生活保護制度上もそれで賄うことを許容されているから、本件指示等は保護の目的達成に必要な指導又は指示ではなく、被保護者の自由を尊重しておらず、必要最小限度のものでもない。 イ本件指示等の相当性 本件指示等は、運転記録票に、自動車を利用した際に、「使用時間」、「キロ数」、「運転経路」、「用件(具体的に)」、「運転者」及び「同乗者」を記載することを求めている。しかし、「運転経路」や「用件(具体的に)」の記載を求めることは、自動車の利用が保有目的に限られることを前提としても必要がない。したがって、運転記録票の記載は、自動車の利用が保有目的に限られ ているかを確認するという目的を超えて、原告らの情報を不必要に収集するものであるから、被保護者の自由を尊重し、必要最小限度のものとはいえない。 ウ以上のとおり、本件指示等は、法27条1項及び2項等に反し、違法である。 (被告の主張)本件通知に合理性がある以上、厚生労働省から生活保護行政の実施を法定受託事務として委託されている被告は、その委託の趣旨に沿うべく、被保護者に対し、指導・指示する権限を有する。処分行政庁は、厚生労働省が定める基準に基づき、具体的な通院における必要性を判断した上で、原告Bが通院すると いう用途に限ってその必要性を認めたが、鈴鹿社会福祉事務所の所内判断基準 に基づき、運転記録票の作成及び提出をすることも自動車保有の条件とした。 また、この条件は、ドライブレコーダーを付けさせて録画の提出を求 その必要性を認めたが、鈴鹿社会福祉事務所の所内判断基準 に基づき、運転記録票の作成及び提出をすることも自動車保有の条件とした。 また、この条件は、ドライブレコーダーを付けさせて録画の提出を求める方法と比較して、負担も格段に軽いから、合理的な方法である。 (3) 本件停止処分の違法性(争点3)(原告らの主張) ア比例原則違反原告らは、形式的には処分行政庁がした本件指示等に反する行為をしたが、その行為は、通院のために保有を認められた自動車を日常生活のために用いる必要があるために本件指示等に従わなかったにすぎないものであり、移動に要する費用やサービスを新たに要求したわけではなく、何ら虚偽の申告を したり、不正の手段を用いたりしたわけでもないから、本件指示等の違反があるとしても極めて軽微であり、悪質性もない。また、原告Aは、膀胱がんの手術をしたことから、ストーマ(人工膀胱)を購入しなければならないし、原告Bは、下垂体前葉機能低下症という難病を患っているから、保護の停止がされれば、病院への受診や治療が事実上不可能となる危険性が高く、生命 又は身体への影響は重大なものとなるおそれが大きい。これらの事情があるのに、処分行政庁は、その実情を十分考慮せずに本件停止処分を行い、その結果、原告らは実際に著しい生活の困窮状態に陥った。被告としては、まずは保護の変更により、なお従わない場合に保護の停止をすることも十分に可能であったから、保護の変更を経ることなく直ちに保護を停止する必要性又 は緊急性もなかった。 以上に加え、争点2の原告らの主張のとおり、本件指示等の内容は相当性がないことも踏まえれば、処分行政庁の裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるから、本件停止処分は違法である。 イ手 以上に加え、争点2の原告らの主張のとおり、本件指示等の内容は相当性がないことも踏まえれば、処分行政庁の裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるから、本件停止処分は違法である。 イ手続違反 (ア) 法62条4項は、形式的な弁明の機会の付与ではなく、実質的な弁明 の機会を与えなければならないものと解すべきである。また、鈴鹿市行政手続条例29条、16条2項は、代理人に選任された者は、弁明の機会に関する一切の行為をすることができると規定する。しかし、本件では、原告らの代理人であるC弁護士の聴聞期日出頭の確保をしておらず、法及び上記条例の定めを遵守しておらず、違法である。 (イ) また、本件停止処分の通知書は、その理由の記載の文字が小さい上に、運転記録票の提出の根拠や選択した処分の理由も記載されていない。したがって、本件停止処分の理由付記は、その形式又は内容からして、行政庁の判断の慎重又は合理性を担保しておらず、また、処分の相手方の訴訟提起の便宜を図るという視点もおろそかにしているといわざるを得ないか ら、違法である。 (被告の主張)ア処分行政庁は、原告Bに対し、例外的に医療機関通院のためと用途を限定し、かつ、運転記録票の作成及び提出を条件として自動車保有を認めたのであるから、その作成及び提出を求めて指示又は指導をしたことは、むしろ被 告の責務である。原告らは、複数回にわたって、被告からの口頭による指示又は指導を遵守せず、書面による本件指示等も遵守しなかったため、処分行政庁は告知又は聴聞の機会を与えた上で、本件停止処分に至ったものである。 イ法62条3項所定の停止処分においては、当該指示又は指導違反の事実が除去されたことが保護の実施機関において確認されれば保護 は告知又は聴聞の機会を与えた上で、本件停止処分に至ったものである。 イ法62条3項所定の停止処分においては、当該指示又は指導違反の事実が除去されたことが保護の実施機関において確認されれば保護が再開される。 ウしたがって、本件停止処分は、手順としても制裁の軽重という観点からも相当であり、違法ではない。 (4) 国家賠償請求の成否(争点4)(原告らの主張)ア本件停止処分は、公務員(処分行政庁)が、その職務行為として公権力の 行使として行ったものである。そして、争点1ないし3の原告らの主張のと おり、本件停止処分は違法である。 イ処分行政庁が本件停止処分をする前には、原告Aが行政指導の中止の申出をし、本件停止処分直前には、処分行政庁は、自動車の利用を原告Bが通院で利用する場合に限定するとの保有条件を変更した上で、行政指導を中止すべきとの三重弁護士会による勧告も受けていた。また、処分行政庁は、本件 停止処分によって原告らに重大な結果が生じかねないことを十分に承知していたはずである。これに加え、過去に別の裁判で三重県四日市市が保護の廃止処分について違法であるとの判決を受けているところ、処分行政庁において、本件停止処分は、この判決で示された規範とも合致しないことを認識していたはずである。 したがって、処分行政庁は、本件停止処分をするに当たり、その職務上の注意義務に違反したのであるから、国家賠償法上の違法性を有する行為であったことは明らかである。 ウ原告らは、本件停止処分によって、生命の維持にかかわるほど多大な不安と苦痛にさらされながら生活することになっているから、このような原告ら の受けた精神的苦痛を金銭に換算すると、少なくとも、それぞれ慰謝料50万 処分によって、生命の維持にかかわるほど多大な不安と苦痛にさらされながら生活することになっているから、このような原告ら の受けた精神的苦痛を金銭に換算すると、少なくとも、それぞれ慰謝料50万円を下らない。 そして、原告らは、本件訴訟追行を弁護士に委任することを余儀なくされたが、本件停止処分と相当因果関係を有する弁護士費用はそれぞれ5万円を下らない。 エしたがって、原告らは、被告に対し、それぞれ55万円の損害賠償請求権を有する。 (被告の主張)いずれも否認ないし争う。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実(前提事実、争いのない事実、各項掲記の証拠及び弁論の全趣旨等に より認められる事実)(1) 原告らの状況等ア原告Aは、令和元年9月頃、膀胱がんのため膀胱の全摘出手術を受けて通院を継続しているところ、ストーマ(人工膀胱)の必要があり、その購入費用は、被告からの一部給付を受ける以外の自己負担分につき、生活保護の医 療扶助として支給されていた。また、原告Aは、令和3年8月頃、膝を手術しており、その頃から高低差がある場所を歩くことが難しくなった。なお、原告Aは、自動車の運転免許を所持していない。(甲A21の1・3、甲A22、42の1、原告A本人、弁論の全趣旨)イ原告Bは、前提事実(2)の病気を患い、身体障害者手帳2級を所持してお り、歩く際には杖を使用するが、長距離を歩くことは難しい。三重県四日市市内にあるDの担当医師は、令和元年12月24日、原告Bの状況について、今後1か月に1回の通院を要し、現状の身体能力からみて公共交通機関を利用した通院は不可能であり、また、難病のため専門医が限られるから転院も不可能であるとの見解及び令和4年10月12日、投薬 ついて、今後1か月に1回の通院を要し、現状の身体能力からみて公共交通機関を利用した通院は不可能であり、また、難病のため専門医が限られるから転院も不可能であるとの見解及び令和4年10月12日、投薬等が中止されれば、 生命に危険が生じるとの見解を示した。原告Bは、令和元年8月頃、同年9月頃、同年11月頃、令和2年5月頃、同年8月頃、同年11月頃、令和3年2月頃、同年8月頃及び令和4年3月頃等、不定期にDに入院することがあった。原告Bは、本件訴えの提起時には、D及びEに通院していたが、現在はFに通院している。 (前提事実(2)、甲A2、21の2、甲A22、25、 42の2、原告B本人、弁論の全趣旨)ウ原告らは、本件車両を、原告らの通院のほか、日常生活の買物や、冬季に使用する灯油の購入等のために利用していた。本件車両のガソリン代、車検費用及び保険料(自賠責保険及び任意保険)は、生活保護による生活扶助及び障害者加算を原資としているが、政府による特別給付金が出た年度は、そ れも原資としている。なお、本件車両は本件停止処分時点で処分価値はなか った。(甲A42の1、甲A44の1~3、甲A45の1・2、原告A本人、原告B本人、証人G)(2) 本件処分に至る経緯ア処分行政庁は、令和元年8月9日、原告ら世帯に対し、法による保護を開始した。原告らは、通院のために本件車両を利用したいと考えていたが、処 分行政庁は、原告Aに対し、保護開始決定後は本件車両の保有ができない旨説明し、原告Bに本件車両を利用しない旨(令和元年11月22日、同年12月6日)、通院のために福祉有償運送の利用手続を進める旨(令和2年8月31日、同年9月17日)、本件車両の処分価値が分かるような状況にしておく旨(令和3年3月1 い旨(令和元年11月22日、同年12月6日)、通院のために福祉有償運送の利用手続を進める旨(令和2年8月31日、同年9月17日)、本件車両の処分価値が分かるような状況にしておく旨(令和3年3月17日、同年5月6日)、それぞれ法27条に基づく 口頭指導をした。また、処分行政庁は、令和2年11月5日、原告らに対し、福祉有償運送の利用手続を進めるよう記載した指導指示書(令和2年度鈴保護第1192号)を交付した。(甲A22、23、乙7)イ原告らは、令和3年6月15日付けで、処分行政庁に対し、本件車両の利用を認めてほしい旨の保護申請書を提出し、処分行政庁は、同年7月9日、 原告らに対し、前提事実(4)のとおりの条件で本件車両の保有及び利用を容認した。原告Bは、同日、同条件を遵守する旨の誓約書を作成した。運転記録票には、「使用時間」、「キロ数」、「運転経路」、「用件(具体的に)」、「運転者」及び「同乗者」を記載する欄があるが、特に「キロ数」、「運転経路」及び「用件(具体的に)」を正確に記載することが求められていた。(前提事実 (4)、甲A3、4、22、乙8、証人G)ウ原告らが処分行政庁に対し、運転記録票を提出しなかったことから、処分行政庁は、令和3年9月27日及び同年10月19日、運転記録票を提出するよう法27条に基づく口頭指導をしたが、原告らはなおも提出しなかった。 これに対し、処分行政庁は、同年11月25日、原告らに対し、前提事実(5) のとおり、運転記録票を提出するよう法27条に基づき書面による指導指示 をし、その後も令和4年1月5日、書面による指導指示を行ったが、原告らはなおも運転記録票を提出しなかったことから、処分行政庁は、同年5月17日、本件指示等をした。(前提事実(5)・(6)、甲A12、 をし、その後も令和4年1月5日、書面による指導指示を行ったが、原告らはなおも運転記録票を提出しなかったことから、処分行政庁は、同年5月17日、本件指示等をした。(前提事実(5)・(6)、甲A12、22)エ処分行政庁は、原告らによる運転記録票の提出が一部にとどまり、また、通院以外に本件車両を利用していることがうかがわれたことから、令和4年 6月20日、原告ら宛に、前提事実(7)のとおり、聴聞会を行うとの通知書を交付した。原告ら代理人は、同年7月1日付けで、処分行政庁に対し、原告らから聴聞に関して委任を受けたこと及び聴聞会の延期を求め、処分行政庁は、原告Bの体調不良を理由に聴聞会を延期した。処分行政庁は、同月20日、原告ら代理人との間で日程調整をしたところ、同代理人は同年8月2 9日以降を希望するとし、同年7月21日、原告ら代理人に対し、同年8月30日以降で都合の良い日時を教えてほしい旨伝えたところ、原告ら代理人は、予定を確認してFAXを送付すると伝えたが、その後1か月を経ても、連絡しなかった。 (争いのない事実、前提事実(7)・(8)、甲A14の2・3、甲A15、48) オ三重弁護士会は、原告Aの人権救済の申立てを受けて、人権擁護委員会の調査の結果、令和4年7月21日、処分行政庁に対し、本件指示等は、原告らの移動の自由及びプライバシー権を侵害するものであるとして、本件指示等の行政指導を中止するよう勧告した(令和4年度三弁発第86号)。なお、処分行政庁は、本件停止処分に当たって、上記自由又は権利の侵害はないと 考えて、同勧告を顧慮しなかった。(甲A16、48、証人G)カ処分行政庁は、令和4年8月23日、原告ら宛に、保護の停止を行うことを予定とし、その弁明の機会の付与として、同年9月14日に聴聞会を開く えて、同勧告を顧慮しなかった。(甲A16、48、証人G)カ処分行政庁は、令和4年8月23日、原告ら宛に、保護の停止を行うことを予定とし、その弁明の機会の付与として、同年9月14日に聴聞会を開くとの通知書(令和4年度鈴保護第621号)を交付した。同通知書には、同聴聞会に出席できない場合には、弁明書を提出することができる旨の記載が ある。原告らはこの聴聞会に出席しなかった。(前提事実(9)・(10)、甲A1 9、48)キ処分行政庁は、法62条3項に基づき、本件停止処分をした。処分行政庁は本件停止処分をするに当たり、運転記録票を提出するよう口頭指導を複数回にわたってしたこと、生活保護を停止しても、医療費は障害者医療が受けられ、原告らが一度医療費を支払っても後から全額が返ってくることから最 低生活費を割り込んでも生活していくことができること等を考慮した。(前提事実(11)、甲A27、乙18、証人G)ク津地方裁判所は、令和4年10月20日付けで、原告Aの申立てにより、本件停止処分の効力の停止決定をした(同裁判所令和4年(行ク)第7号)。 被告は、これを不服として名古屋高等裁判所に即時抗告をしたが、同裁判所 は、令和5年1月10日、同抗告を棄却する旨の決定をし(同裁判所令和4年(行ス)第11号)、その後確定した。これに伴い、処分行政庁は、原告Aに対し、本件停止処分以降の生活保護費を遡って支給した。(争いのない事実、証人G、顕著な事実)(3) 別件訴訟 ア被告は、過去に、保護の廃止処分が違法とされ、国家賠償請求を認容する判決を受け(津地方裁判所平成28年(ワ)第211号)、控訴も棄却された(名古屋高等裁判所平成29年(ネ)第978号)という先例がある。(当裁判所に顕著な事実、証人G) され、国家賠償請求を認容する判決を受け(津地方裁判所平成28年(ワ)第211号)、控訴も棄却された(名古屋高等裁判所平成29年(ネ)第978号)という先例がある。(当裁判所に顕著な事実、証人G)イ被告は、本件のほかにも、生活保護受給者に所有する自動車を手放すよう 求め、複数の見積書の追加提出という指導に応じなかったことを理由に保護の停止処分をした件につき、訴訟(津地方裁判所令和4年(行ウ)第26号)を提起され、係属中である。(当裁判所に顕著な事実) 2 争点3(本件停止処分の違法性)について原告らは、本件停止処分の違法性につき、早期判決を希望して争点3を中心に 判断することを求めているから、まず、争点3を判断する。 (1) 法27条は、保護の目的達成に必要な指導又は指示は、被保護者の自由を尊重し、必要最小限度に止めなければならないことを定めている。また、保護の実施機関が法62条3項を適用するに当たっても、指導又は指示の内容、違反の程度、保護の停止等の必要性等に応じ、必要最小限度の内容としなければならないものと解される。 (2)ア本件指示等の主な内容は、本件車両を利用する度に運転記録票へ正確に記録すること及び原告Bの通院以外に本件車両を利用しないことであるが、前記1の認定事実(1)アによれば、原告Bだけではなく、原告Aにおいても通院の必要性があったことは明らかであるから、本件車両の利用目的を原告Bの通院に限定していることに合理性があるとはいい難い。これに加え、運 転記録票について、「キロ数」、「運転経路」及び「用件(具体的に)」欄の正確な記載を求めている(前記1の認定事実(2)イ)が、処分行政庁が本件車両の利用目的を確認するのであれば、より単純に確認すれば足りるから、過 、「キロ数」、「運転経路」及び「用件(具体的に)」欄の正確な記載を求めている(前記1の認定事実(2)イ)が、処分行政庁が本件車両の利用目的を確認するのであれば、より単純に確認すれば足りるから、過剰であるとの疑いがある。また、原告らは、通院だけではなく買物等に本件車両を利用していたという点で本件指示等の違反をしたものの、本件車両の 処分価値がないこと(前記1の認定事実(1)ウ)に照らすと、補足性の観点からしても、原告らの日常生活に不可欠な買物等の必要な範囲において利用することは、むしろ原告らが自立した生活を送ることに資するものであり、本件車両をその範囲で利用することは非難されるべきものではないから、上記違反は悪質なものであったとは認められない。また、本件車両の維持費等 は、原告らの生活保護の範囲内で賄っていたのである(前記1の認定事実(1)ウ)し、本件全証拠をもっても、原告らが本件車両の利用に際して、通院や移動に要する費用やサービスを新たに要求したり、虚偽の申告をしたり、不正の手段を用いたりしてその費用を支出していたことをうかがわせる事実は認められないから、原告らによる本件指示等の違反の程度は軽微であっ たと認められる。 イ前記1の認定事実(1)ア及びイによれば、本件停止処分時の原告らの病状等について、原告Aは、膀胱がんの手術によりストーマを購入しなければならない状況であり、原告Bは、定期的な投薬等がなければ生命に危険が生じる状況であることからすれば、処分行政庁においては、原告Aに対して生活保護の停止をすれば、原告Bの医療費等について、支出が困難になることは 容易に想定できるものである。そうすると、本件停止処分によって、原告らの日常生活だけではなく、生命の危険も生じ得るものであることからすれ すれば、原告Bの医療費等について、支出が困難になることは 容易に想定できるものである。そうすると、本件停止処分によって、原告らの日常生活だけではなく、生命の危険も生じ得るものであることからすれば、原告らが被る不利益は甚大なものと認められる。なお、証人Gは、原告Bは障害者医療が受けられることから、医療費を一旦支払ったとしても全額返金される旨証言する。しかし、証拠(甲A35、36)及び弁論の全趣旨によ れば、原告らは、本件停止処分時点において、その一旦の支出をすること自体が容易ではなかったことが認められることからすれば、上記証言は、むしろ処分行政庁における原告らの生活状況等の検討が不十分であったことをうかがわせるものである。 ウしたがって、本件停止処分は、原告らの本件指示等の違反が軽微であった にもかかわらず、原告らに多大な不利益を与えるものであったのであるから、相当性を欠くものであり、違法である。 エなお、原告らは、本件停止処分について手続違反であるとの主張をする。 しかし、弁明の機会の付与について、前記1の認定事実(2)エ及びカの経緯からすれば、処分行政庁が原告らに対してその機会を与えなかったものとま では評価できない。また、確かに本件停止処分の理由の記載の文字は小さすぎて読みにくいが、そのことから直ちに違法となるわけではなく、本件停止処分の理由には、原告らが本件指示等に違反したこと及び適用条文につき記載されていること(前提事実(11)、甲A23)からすれば、原告らは、いかなる事実に基づき、いかなる法令を適用して本件停止処分がされたかを了知 し得たといえる。 したがって、本件停止処分につき、手続違反があったとは認められない。 (3) 被告は、原告らが本件車両を利 を適用して本件停止処分がされたかを了知 し得たといえる。 したがって、本件停止処分につき、手続違反があったとは認められない。 (3) 被告は、原告らが本件車両を利用することにつき、用途を限定した上で、運転記録票の作成及び提出を条件としたのであって、被告からの口頭による指示又は指導を遵守しなかったから本件停止処分に至ったと正当性を主張する。 しかし、原告らの本件指示等の違反の程度については、上記(2)アのとおり比 較的軽微であり、このことを悪質であると評価したという(証人G)処分行政庁の判断には過誤があったといわざるを得ない。また、処分行政庁が原告らに対して繰り返し口頭の指導又は指示をしてきたことは認められる(前記1の認定事実(2)ア・ウ)が、そのことから本件停止処分の違法性が否定されるものではない。 したがって、被告の上記主張は採用しない。 3 争点4(国家賠償請求の成否)について(1) 本件停止処分が違法と判断される場合であっても、そのことから直ちに国家賠償法1条1項に定める違法があるとの評価を受けるものではなく、処分行政庁が本件停止処分をするに当たって、職務上通常尽くすべき注意義務を尽く すことなく漫然と本件停止処分をしたと認め得るような事情がある場合に限り、国家賠償法1条1項にいう違法があったというべきである(最高裁平成5年3月11日第一小法廷判決・民集47巻4号2863頁参照)。 (2) 前記2の(2)イのとおり、本件停止処分時の原告らの病状等について、原告Aは、膀胱がんの手術により、ストーマを購入しなければならない状況であ り、原告Bは、定期的な投薬がなければ生命に危険が生じる状況であった。このような原告らの病状等に加え、証拠(甲A22、35、3 、膀胱がんの手術により、ストーマを購入しなければならない状況であ り、原告Bは、定期的な投薬がなければ生命に危険が生じる状況であった。このような原告らの病状等に加え、証拠(甲A22、35、36、42の1、原告A本人、原告B本人、証人G)、前記1の認定事実(1)イ及び(2)キによれば、原告らは生活保護以外にも収入があるため、法に基づく支給額は月額約3万円から5万円程度であったものの、現に上記病状等に関する薬代等を第三者 から金銭を借りて捻出することになったこと及び家賃の支出も容易ではなか ったことからすれば、本件停止処分により原告らが健康で文化的な最低限度の生活を維持することが困難となることは容易に想定できたといえる。さらに、原告Bは、難病に罹患し、かつ、不定期に入院する状況にあった上、原告らが近い将来、自立した生活を営むことに足りる収入を得ることを期待できる状況になかったことも、処分行政庁において容易に認識し得たといえる。 そして、処分行政庁は、このような原告らの極めて困難な生活状況や病状の実情等を十分に把握していたはずであるから、保護の停止をすることは慎重にしなければならなかったにもかかわらず、証拠(甲A22、27、48、証人G)によれば、本件指示等に対する違反は、その性質を問わず悪質なものと評価するといった、硬直的な被告独自の運用を行って本件停止処分をしたことが 認められる。被告においては、処分行政庁が、過去に別の被保護者に対し、保護の廃止処分をしたことにつき、裁判所において違法であるとの判断を受けていること(前記1の認定事実(3)ア)を考慮すれば、保護の廃止ではなく停止処分であったとしても、被保護世帯の状況等に鑑みて慎重に検討した上で決めなければならないことは当然理解しているべきものといえる。 ること(前記1の認定事実(3)ア)を考慮すれば、保護の廃止ではなく停止処分であったとしても、被保護世帯の状況等に鑑みて慎重に検討した上で決めなければならないことは当然理解しているべきものといえる。さらに、本件で は、処分行政庁が本件停止処分をする前に、三重弁護士会からの人権救済申立てに係る勧告があったにもかかわらず、Gは、同勧告に係る被告の顧問弁護士からの指導内容について分からない旨証言していること(前記1の認定事実(2)オ、証人G)からすれば、上記検討が不十分であったことは明らかである。 したがって、処分行政庁は、漫然と本件停止処分をしたと評価せざるを得ず、 そのことについて過失があったというべきである。 (3) 本件停止処分によって、その名宛人である原告Aのみならず、同一世帯の原告Bも、その後の生活だけではなく、生命の危険も直ちに生じ得る状況であったこと及びその他本件に現れた一切の事情を考慮すると、本件停止処分からその効力の停止までの生活保護について遡って支給されたことを踏まえても、 原告らが被った精神的苦痛がその支給により全て慰謝される性質のものとは 認め難く、原告らの慰謝料は、それぞれ5万円を相当と認める。また、本件においては、本件停止処分の効力の停止及び取消しを求めることの必要性又は緊急性が高く、弁護士に委任する必要性も高かったことからすれば、弁護士費用は、原告らが主張するそれぞれ5万円を相当と認める。 (4) したがって、原告らの損害は、それぞれ10万円となる。 第4 結論以上によれば、その余の争点について判断するまでもなく、原告Aが被告に対し、本件停止処分の取消しを求める請求は理由があるから認容し、原告らの被告に対する国家賠償請求は、それぞれ10万円及びこれに 以上によれば、その余の争点について判断するまでもなく、原告Aが被告に対し、本件停止処分の取消しを求める請求は理由があるから認容し、原告らの被告に対する国家賠償請求は、それぞれ10万円及びこれに対する本件停止処分がされた令和4年9月27日から支払済みまで年3%の割合による遅延損害金の支 払を求める限度で理由があるから認容し、原告らのその余の請求は棄却すべきであるから、主文のとおり判決する。なお、審理経過及び事案の性質に鑑み、訴訟費用の負担については、行政事件訴訟法7条、民事訴訟法61条、64条ただし書を適用して全部被告の負担とする。 津地方裁判所民事部 裁判長裁判官竹内浩史 裁判官山口貴央 裁判官山 﨑 次矩 別紙(関係法令等の定め)第1 生活保護法 1 1条(この法律の目的)この法律は、日本国憲法第25条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度 の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。 2 4条1項(保護の補足性)保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。 3 27条(指導及び指示) 1項保護の実施機関は、被保護者に対して、生活の維持、向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができる。 2項前項の指導又は指示は、被保護者の自由を尊重し、必要の最少限度に止めなければならない。 3項第1項の規定は、被 上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができる。 2項前項の指導又は指示は、被保護者の自由を尊重し、必要の最少限度に止めなければならない。 3項第1項の規定は、被保護者の意に反して、指導又は指示を強制し得るも のと解釈してはならない。 4 62条(指示等に従う義務)1項被保護者は、保護の実施機関が、第30条第1項ただし書の規定により、被保護者を救護施設、更生施設、日常生活支援住居施設若しくはその他の適当な施設に入所させ、若しくはこれらの施設に入所を委託し、若しくは 私人の家庭に養護を委託して保護を行うことを決定したとき、又は第27条の規定により、被保護者に対し、必要な指導又は指示をしたときは、これに従わなければならない。 2項略3項保護の実施機関は、被保護者が前2項の規定による義務に違反したとき は、保護の変更、停止又は廃止をすることができる。 4項保護の実施機関は、前項の規定により保護の変更、停止又は廃止の処分をする場合には、当該被保護者に対して弁明の機会を与えなければならない。この場合においては、あらかじめ、当該処分をしようとする理由、弁明をすべき日時及び場所を通知しなければならない。 5項略 第2 鈴鹿市行政手続条例(甲B8) 1 15条1項(聴聞の通知の方式)行政庁は、聴聞を行うに当たっては、聴聞を行うべき期日までに相当な期間をおいて、不利益処分の名宛人となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。 1号予定される不利益処分の内容及び根拠となる条例等の条項2号不利益処分の原因となる事実3号聴聞の期日及び場所4号聴聞に関する しなければならない。 1号予定される不利益処分の内容及び根拠となる条例等の条項2号不利益処分の原因となる事実3号聴聞の期日及び場所4号聴聞に関する事務を所掌する組織の名称及び所在地 2 16条(代理人) 1項前条第1項の通知を受けた者(同条第3項後段の規定により当該通知が到達したものとみなされる者を含む。以下「当事者」という。)は、代理人を選任することができる。 2項代理人は、各自、当事者のために、聴聞に関する一切の行為をすることができる。 3項、4項略第3 関係通達等の定め 1 「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」(昭和38年4月1日社保第34号厚生省社会局保護課長通知)(平成21年3月31日社援保発第331001号厚生労働省社会・援護局保護課長通知による改正後のもの)(甲B 2、乙12) (1) 問答は、保護対象者に対して自動車の保有を認めるか否かについて、第3「資産の活用」の12において、次のとおり定めている。 問12 障害者については通勤用の場合の他にも自動車の保有を認めてよいか。 答障害(児)者が通院、通所及び通学(以下「通院等」という。)のために 自動車を必要とする場合で、次のいずれにも該当し、かつ、その保有が社会的に適当と認められるときは、次官通知第三の五にいう「社会通念上処分させることを適当としないもの」としてその保有を認めても差し支えない。 ア障害(児)者の通院等のために定期的に自動車が利用されることが明らかな場合であること。 イ当該者の障害の状況により利用し得る公共交通機関が全くないか又は公共交通機関を利用することが著しく困難であり、自動車による以外に通院等 自動車が利用されることが明らかな場合であること。 イ当該者の障害の状況により利用し得る公共交通機関が全くないか又は公共交通機関を利用することが著しく困難であり、自動車による以外に通院等を行うことがきわめて困難であることが明らかに認められること。 ウ自動車の処分価値が小さく、又は構造上身体障害者用に改造してあるものであって、通院等に必要最小限のもの(排気量がおおむね2000cc 以下) であること。 エ自動車の維持に要する費用(ガソリン代を除く。)が他からの援助(維持費に充てることを特定したものに限る。)、他施策の活用等により、確実にまかなわれる見通しがあること。 オ障害者自身が運転する場合又はもっぱら障害(児)者の通院等のために生 計同一者若しくは常時介護者が運転する場合であること。 なお、以上のいずれかの要件に該当しない場合であっても、その保有を認めることが真に必要であるとする特段の事情があるときは、その保有の容認につき厚生労働大臣に情報提供すること。 (2) 問答は、被保護者が書面による指導指示に従わない場合の取扱いについて、 第11において、次のとおり定めている。 問1 被保護者が書面による法27条の規定による指導指示に従わない場合の取扱いの基準を示されたい。 答被保護者が書面による指導指示に従わない場合には、必要と認められるときは、法62条の規定により、所定の手続を経たうえ、保護の変更、停止又は廃止を行うこととなるが、当該要保護者の状況によりなお効果が期待される ときは、これらの処分を行うに先立ち、再度、法27条により書面による指導指示を行うこと。なお、この場合において、保護の変更、停止又は廃止のうちいずれを適用するかについては、次の基準によ される ときは、これらの処分を行うに先立ち、再度、法27条により書面による指導指示を行うこと。なお、この場合において、保護の変更、停止又は廃止のうちいずれを適用するかについては、次の基準によること。 ア当該指導指示の内容が比較的軽微な場合は、その実情に応じて適当と認められる限度で保護の変更を行うこと。 イアによることが適当でない場合は保護を停止することとし、当該被保護者が指導指示に従ったとき、又は事情の変更により指導指示を必要とした事由がなくなったときは、停止を解除すること。 なお、保護を停止した後においても引き続き指導指示に従わないでいる場合には、さらに書面による指導指示を行うこととし、これによってもなお従 わない場合は、法62条の規定により所定の手続を経た上で、保護を廃止すること。 2 保護の実施決定に係る判断基準取扱指針及び実施要領(甲B36、乙4)被告が作成した指針において、被保護者の自動車の保有、占有の認定の際の留意事項には、以下のとおりの記載がある。 ・ケース検討会議に諮る前に、自動車の保有又は使用についての保護変更申請書を必ず徴収する。 ・保有又は使用する自動車について、自賠責保険及び任意保険に加入していることを確認する。 ・自動車の使用については、通院又は通勤のための使用に限ることとした誓約書 を徴収する。 ・自動車を運転する者の運転免許証(写し)を徴収する。 ・訪問格付に合わせた頻度で運転記録票を徴収する。 ・運転免許証及び車検証並びに自賠責保険及び任意保険の更新状況は適宜確認するほか、定期的(毎月5月)に確認する。 以上 運転免許証及び車検証並びに自賠責保険及び任意保険の更新状況は適宜確認するほか、定期的(毎月5月)に確認する。 以上
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