- 1 -平成26年8月27日判決言渡平成25年(行ケ)第10277号審決取消請求事件口頭弁論終結日平成26年8月20日判決 原告コンステリウムフランス 原告コンステリウムロールドプロダクツ-レイヴンズウッド,エルエルシー 両名訴訟代理人弁理士慶田晴彦松田真太田恵一 被告特許庁長官指定代理人山田靖大橋賢一小川進板谷一弘堀内仁子 主文 特許庁が不服2012-5039号事件について平成25年5月27日にした審決を取り消す。 - 2 -訴訟費用は被告の負担とする。 事実及び理由 第1 原告らの求めた判決主文同旨。 第2 事案の概要本件は,特許出願に対する拒絶査定不服審判請求を不成立とした審決の取消訴訟である。争点は,進歩性判断の当否である。以下,審決や文献の引用において「ロウ付け」という記載がある部分はすべて「ろう付け」と表記する。また,本願発明は,ブレージングシート,すなわち,芯材とろう材を熱間圧延工程でクラッド圧延した板に関するものであるところ,芯材は心材,ろう材は皮材とも呼ばれるが,「芯材」,「ろう材」と表記し,ブレージングシートがろう付けされる対象物は,母材, ,芯材とろう材を熱間圧延工程でクラッド圧延した板に関するものであるところ,芯材は心材,ろう材は皮材とも呼ばれるが,「芯材」,「ろう材」と表記し,ブレージングシートがろう付けされる対象物は,母材,接合相手材と呼ばれるが,「母材」と表記することとする。 1 特許庁における手続の経緯原告らは,平成16年11月24日,発明の名称を「ロウ付け用のアルミニウム合金製の帯材」とする国際特許出願をした(特願2006-540530号。パリ条約による優先権主張,2003年11月28日フランス共和国)が(甲2。出願時の名称は,原告コンステリウムフランスが「アルカンレナリュ」,原告コンステリウムロールドプロダクツ-レイヴンズウッド,エルエルシーが「アルカンロールドプロダクツ-レイヴンズウッド,エルエルシー」。),平成24年2月14日,拒絶査定を受け,同年3月16日,審判請求をするとともに(不服2012-5039号事件)手続補正をした。また,原告らは,平成25年4月2日,再度手続補正をした(甲3。本件補正)。 特許庁は,平成25年5月27日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決をし,同年6月17日に原告らに送達された(附加期間90日)。 - 3 - 2 本願発明の要旨本件補正後の請求項1記載の発明(本願発明)の要旨は,以下のとおりである。 【請求項1】「管理された窒素の雰囲気下で無フラックスのろう付けによってろう付けされた部材を製造するための,重量パーセントで,少なくとも80%のアルミニウム,ならびに,Si<1.0% Fe<1.0% Cu<1.0% Mn<2.0% Mg<3.0% Zn<6.0% Ti<0.3% Zr<0.3% Cr<0.3% Hf<0.6% V<0.3% Ni<2.0% Co<2.0% In<0 e<1.0% Cu<1.0% Mn<2.0% Mg<3.0% Zn<6.0% Ti<0.3% Zr<0.3% Cr<0.3% Hf<0.6% V<0.3% Ni<2.0% Co<2.0% In<0.3% Sn<0. 3%,合計0.15%であるその他の元素それぞれ<0.05%,を含む芯材用のアルミニウム合金製の帯材または板材における,0.01~0.5%のイットリウムの使用。」 3 審決の理由の要点(争点と関係が薄い部分はフォントを小さく表記する。)本願発明は,特許法29条2項に基づき特許を受けることができないものである。 (1) 刊行物2(特開2000-303132号公報。甲1)記載の発明(引用発明)の認定「真空雰囲気下でのろう付けによってろう付け部材を製造するための,重量%で,Siを0. 6%,Feを0.7%,Mnを1.2%,Znを0.1%,Yを0.12%含有し,残部がアルミニウムおよび不可避的不純物よりなる芯材用アルミニウム合金製の帯材または板材。」(2) 本願発明と引用発明との対比(一致点)ろう付けによってろう付けされた部材を製造するための,重量パーセントで,少なくとも80%のアルミニウム,及び,Si<1.0% Fe<1.0% Cu<1.0% Mn<2.0%Mg<3.0% Zn<6.0% Ti<0.3% Zr<0.3% Cr<0.3% Hf<0. 6% V<0.3% Ni<2.0% Co<2.0% In<0.3% Sn<0.3%を含む芯材用のアルミニウム合金製の帯材又は板材における,0.01~0.5%のイットリウムの使用。 - 4 -(相違点1)本願発明は,具体的に列記されていないその他の元素の含有量が,それぞれ0.05%未満であり,合計で0.15%未満であるのに対し,引用発明は,その他の元素に相当する不可 - 4 -(相違点1)本願発明は,具体的に列記されていないその他の元素の含有量が,それぞれ0.05%未満であり,合計で0.15%未満であるのに対し,引用発明は,その他の元素に相当する不可避的不純物の含有量が規定されていない点。 (相違点2)本願発明は,管理された窒素の雰囲気下でフラックスレスのろう付けによってろう付けされた部材を製造するための芯材用のアルミニウム合金製の帯材又は板材であるのに対し,引用発明は,真空雰囲気下でのろう付けによってろう付け部材を製造するための芯材用アルミニウム合金製の帯材又は板材である点。 (3) 相違点についての検討(相違点1)「JISZ 3263(1992) アルミニウム合金ロウ材及びブレージングシート」の「表6 心材及び7072の化学成分」(JISハンドブック 3 非鉄,2002年1月31日,財団法人日本規格協会,691~692頁)では,引用発明がベースとするアルミニウム合金3003や3N03等の心材用アルミニウム合金において,主要な化学成分を除く,その他の化学成分は,個々0.05%以下,及び,合計0.15以下と規定されているから,かかる規定により特定される引用発明の不可避的不純物の含有量と,本願発明のその他の元素の含有量とは,実質的に相違するものとはいえない。 また,仮に相違点1が実質的なものであるとしても,引用発明において,不可避的不純物の含有量を「JISZ 3263(1992)」に基づいて個々0.05%未満,及び,合計0. 15未満と規定することは,当業者が容易になし得ることである。 (相違点2)真空ろう付け法が窒素ガス雰囲気ろう付け法とともにフラックスレスろう付け法の一手法であることは,技術常識として古くから広く知られているところである(特開昭62-13259号公 。 (相違点2)真空ろう付け法が窒素ガス雰囲気ろう付け法とともにフラックスレスろう付け法の一手法であることは,技術常識として古くから広く知られているところである(特開昭62-13259号公報(乙1)の2頁左上欄17行~右上欄3行,3頁左上欄15行~17行,竹本正「軽金属,Vol.41,No.9(1991)」(乙2) - 5 -p.639の図1のアルミニウムのろう付け法の分類等,特開平9-85433号公報(乙3)の段落【0006】,【0008】等参照。)から,刊行物2の従来技術に関する「自動車用熱交換器・・・は,・・・真空ろう付け等によりろう付けされ」との記載に基づいて,真空雰囲気下でのフラックスレスろう付け用の引用発明に係る芯材用アルミニウム合金製の帯材又は板材を,管理された窒素雰囲気下でのフラックスレスろう付け用の芯材用アルミニウム合金製の帯材又は板材として用いることは,当業者が容易になし得ることである。 よって,相違点2に係る用途変更は,当業者が容易に想到するものである。 第3 原告主張の審決取消事由 1 取消事由1(相違点2の認定の誤り)本願発明におけるイットリウムの用途は,管理された雰囲気下でフラックスを用いたろう付けのために用いられるのと同じ装備を用いて,管理された窒素の雰囲気下でフラックスレスのろう付けによってろう付けされた部材を製造するために,芯材にイットリウムを使用することである。他方,刊行物2におけるイットリウムの用途は,シリコン又はゲルマニウムの芯材への侵入に起因するエロージョンを抑制することである。 したがって,相違点2については,「本願発明は,管理された窒素の雰囲気下で無フラックスのろう付けによってろう付けされた部材を製造するための芯材用のアルミニウム合金製の帯材または板材におけるイッ 。 したがって,相違点2については,「本願発明は,管理された窒素の雰囲気下で無フラックスのろう付けによってろう付けされた部材を製造するための芯材用のアルミニウム合金製の帯材または板材におけるイットリウムの使用であるのに対し,引用発明は,エロージョンを抑制して真空雰囲気下でのろう付けによってろう付け部材を製造するための芯材用アルミニウム合金製の帯材または板材におけるイットリウムの使用である点。」(判決注:下線部は,審決の認定した相違点2と異なる部分であり,違いを明らかにするために,原告が付した。)と認定されるべきである。 2 取消事由2(相違点2の判断の誤り)(1) 容易想到性 - 6 -本願発明の課題は,フラックスを用いたろう付けのために用いられるものと同じ装備を用いたフラックスレスでのろう付けを可能とすることであるのに対し,引用発明の課題は,芯材へのエロージョンを抑制して,耐エロージョン特性に優れたアルミニウム合金ブレージングシートを提供することであるため,両者の課題は全く異なり,さらにはイットリウムの用途も,本願発明では窒素雰囲気下でのろう付けのときにフラックスの使用を避けるためであるのに対し,引用発明ではエロージョン抑制のためであり,全く異なるものである。 また,刊行物2には,真空中でのろう付けについて記載され,イットリウムの用途としては,シリコン,ゲルマニウムからのエロージョン抑制しか記載されていないから,イットリウムが,管理された窒素雰囲気下でのフラックスレスのろう付けを可能にしたことの示唆はない。引用発明におけるイットリウムは,その使用が必須ではなく,エロージョン抑制元素として好適でもなく,必ずしも芯材に含有されている必要もない。このような刊行物2の記載に鑑みると,好適なカルシウムやリチウムがあるにも るイットリウムは,その使用が必須ではなく,エロージョン抑制元素として好適でもなく,必ずしも芯材に含有されている必要もない。このような刊行物2の記載に鑑みると,好適なカルシウムやリチウムがあるにもかかわらず,本願発明のようにイットリウムを当業者が積極的に選択して芯材に含有させる動機付けはない。たとえ当業者が刊行物2に列挙されたエロージョン抑制元素の中からイットリウムを選択できたとしても,その用途はエロージョンを抑制することにあり,フラックスレスのろう付けのために芯材におけるイットリウムの使用が必須である本願発明の特徴点に到達できる試みをしたであろうという推測は成り立たない。 したがって,イットリウムの用途を考慮した相違点2に係る用途変更は,当業者が容易に想到するものではない。 (2) 顕著な効果本願発明は,芯材用のアルミニウム合金製の帯材又は板材に含まれる金属成分の割合が不等式で特定されているが,請求項記載の全範囲において,イットリウムの使用によるろう付け性の改善という顕著な効果があるから,進歩性が肯定される。 被告は,本願発明の顕著な効果を否定するが,この点は,平成24年7月26日 - 7 -付審尋(甲4)と平成24年10月31日提出の回答書(甲5)で議論された内容であり,その後の平成24年12月27日付拒絶理由通知書(甲6)及び審決では一切この点に関する言及がないことからすると,審判合議体は,本願明細書の記載は,本願発明の全体についての顕著な効果として参酌できると判断したはずである。 本願明細書の実施例の特定の合金組成における実験結果と発明の詳細な説明の記載,特に段落【0017】の「この方法は,少なくとも80重量%のアルミニウムを含むすべてのアルミニウム合金タイプに適用されることができ,とりわけ該アルミニウム合金タ る実験結果と発明の詳細な説明の記載,特に段落【0017】の「この方法は,少なくとも80重量%のアルミニウムを含むすべてのアルミニウム合金タイプに適用されることができ,とりわけ該アルミニウム合金タイプの元素は,無フラックスでのろう付けを可能にすることを目的とした特異な元素を添加する前に,以下の条件に対応している。すなわち,重量%で,Si<1.0%,Fe<1.0%,Cu<1.0%,Mn<2.0%,Mg<3.0%,Zn<6.0%,Ti<0.3%,Zr<0.3%,Cr<0.3%,Hf<0.6%,V<0.3%,Ni<2.0%,Co<2.0%,In<0.3%,Sn<0.3%,その他の元素それぞれ<0.05%で合計0.15%,残りはアルミニウム」という記載から,本願発明全体について顕著な効果があることを当業者は認識できる。 第4 被告の反論 1 取消事由1に対し刊行物2には,審決が認定したように,「真空雰囲気下でのろう付けによってろう付け部材を製造するための,重量%で,Siを0.6%,Feを0.7%,Mnを1.2%,Znを0.1%,Yを0.12%含有し,残部がアルミニウム及び不可避的不純物よりなる芯材用アルミニウム合金製の帯材又は板材」が記載されている。 一方,本願発明は,実質的には,「管理された窒素の雰囲気下で無フラックスのろう付けによってろう付けされた部材を製造するための,重量パーセントで,少なくとも80%のアルミニウム,ならびに,Si<1.0% Fe<1.0% Cu<1. 0% Mn<2.0% Mg<3.0% Zn<6.0% Ti<0.3% Zr - 8 -<0.3% Cr<0.3% Hf<0.6% V<0.3% Ni<2.0% Co<2.0% In<0.3% Sn<0.3%,合計0.15%であるその他の元素それぞれ<0.05% Zr - 8 -<0.3% Cr<0.3% Hf<0.6% V<0.3% Ni<2.0% Co<2.0% In<0.3% Sn<0.3%,合計0.15%であるその他の元素それぞれ<0.05%,を含む芯材用のアルミニウム合金製の帯材または板材」に,0.01~0.5%のイットリウムを含有する発明といえる。 したがって,本願発明と引用発明を対比すると,両者は,「ろう付けによってろう付けされた部材を製造するための,重量パーセントで,少なくとも80%のアルミニウム,ならびに,Si<1.0% Fe<1.0% Cu<1.0% Mn<2.0%Mg<3.0% Zn<6.0% Ti<0.3% Zr<0.3% Cr<0.3% Hf<0.6% V<0.3% Ni<2.0% Co<2.0% In<0.3% Sn<0.3%を含む芯材用のアルミニウム合金製の帯材または板材に,0.01~0. 5%のイットリウムを含有する」点で一致する。 審決では,イットリウムを「含有する」点について,本願発明において用いられている「使用」という用語を用いて一致点を認定した。それは,上述のとおり,本願発明におけるイットリウムの「使用」が,アルミニウム合金にイットリウムを「含有すること」にほかならないからである。 この点,原告は,本願発明はイットリウムの用途に関する発明であると主張するが,請求項1の特定は,用途発明の特定には該当しない。請求項が,例えば「イットリウムからなる○○○剤」というように,用途発明の形式で特定されていない。 また,仮に請求項1における「使用」の特定が,形式的に何らかの用途の限定に該当するとしても,「管理された窒素の雰囲気下で無フラックスのろう付けによってろう付けされた部材を製造する」という本願発明の目的を達成のための具体的な構成は,イットリウムを単 何らかの用途の限定に該当するとしても,「管理された窒素の雰囲気下で無フラックスのろう付けによってろう付けされた部材を製造する」という本願発明の目的を達成のための具体的な構成は,イットリウムを単独で使用することではなく,アルミニウム合金に0.01~0.5%のイットリウムを含有させることである。そうすると,本願発明の「使用」は,イットリウムをアルミニウム合金に「含有する」ことと,具体的な発明の実施の際において区別できないものである。 また,原告は,相違点2について,引用発明の「エロージョンを抑制する」とい - 9 -う点を認定すべきであると主張する。しかし,エロージョンの抑制は,引用発明の効果であるから,発明の構成の対比において認定する必要はない。 2 取消事由2に対し(1) 容易想到性本願発明にいうイットリウムの「使用」とは,芯材用アルミニウム合金に,0. 01~0.5%のイットリウムを「含有すること」にほかならないから,本願発明はイットリウムの用途発明には該当しない。そして,真空ろう付け法が窒素ガス雰囲気ろう付け法とともにフラックスレスろう付け法の一手法であることは,技術常識として古くから広く知られているところである(乙1~7)。つまり,真空ろう付け法,窒素ガス雰囲気ろう付け法のいずれも,当業者においてフラックスレスのろう付け法としてよく知られた技術であり,また,ろう材がろう付け法を決定する上で重要な要素であることが技術常識であるとしても,引用発明はろう材を特定するものではないから,乙1,4~7に真空ろう付け法,雰囲気ろう付け法が並列して記載されている以上,真空ろう付け法と窒素ガス雰囲気ろう付け法とは,当業者にとって適宜置換可能な方法であるということができる。したがって,刊行物2に接した当業者であれば,ここに記載 付け法が並列して記載されている以上,真空ろう付け法と窒素ガス雰囲気ろう付け法とは,当業者にとって適宜置換可能な方法であるということができる。したがって,刊行物2に接した当業者であれば,ここに記載された材料からなる芯材用アルミニウム合金製の帯材又は板材を,真空ろう付け法だけでなく,窒素ガス雰囲気ろう付け法にも使用できることを容易に理解するといえる。 また,フラックスレス真空ろう付け法は,設備費(真空炉)が高く,メンテナンスが面倒である,炉内に付着するマグネシウムを定期的に除去することが必要である,ろう付けができない材料がある,などの実用上の問題点を有する。かかる問題を解決する手段として,マグネシウムの添加や高真空雰囲気調整を行わなくとも,溶融ろう合金のぬれ性や流動性を著しく改善でき,真空ろう付け法に比較し設備費も少ないフラックスレス窒素ガス雰囲気ろう付け法が広く知られているから(乙3,10),刊行物2に接した当業者であれば,刊行物2に記載された材料からなる芯材用アルミニウム合金製の帯材又は板材を,真空ろう付け法だけでなく,窒素ガス雰 - 10 -囲気ろう付け法にも使用する動機付けがある。 したがって,引用発明において,芯材用アルミニウム合金製の帯材又は板材を「管理された窒素の雰囲気下でフラックスレスのろう付けによってろう付けされた部材を製造する」ことに適用してみることは,当業者が容易になし得ることであり,その結果,「管理された窒素の雰囲気下でフラックスレスのろう付けによってろう付けされた部材を製造できる」ことも,当業者が当然予測することである。 この点,原告は,本願発明と引用発明とは課題が異なる旨主張する。しかし,本願発明と引用発明とは,芯材用のアルミニウム合金製の帯材又は板材の材料において一致しており,当業者の技術常識 ことである。 この点,原告は,本願発明と引用発明とは課題が異なる旨主張する。しかし,本願発明と引用発明とは,芯材用のアルミニウム合金製の帯材又は板材の材料において一致しており,当業者の技術常識を踏まえれば,引用発明の材料を窒素の雰囲気下でフラックスレスのろう付けに適用してみることは,当業者が容易になし得るといえる。 また,原告は,刊行物2においてイットリウムは任意成分である旨主張する。しかし,引用発明は,審決が実施例から認定したものであって,イットリウムを含有するから,原告の主張は失当である。 (2) 顕著な効果引用発明の芯材用のアルミニウム合金製の帯材又は板材について,「管理された窒素の雰囲気下でフラックスレスのろう付けによってろう付け」という方法を適用すれば,本願発明と同様の効果が得られるといえる。 なお,合金分野においては,合金を構成する成分の一つでも含有量が異なれば,合金の特性が異なることは通常であり,その場合にどのような特性を有するかを予測することが困難であることは,技術常識といえる事項である。そして,本願発明に係るアルミニウム合金分野においても,ろう付け性に関係する溶融特性などについて合金全体の性質が大きく異なる場合が多いことが知られている(乙8,9)。本願明細書には,イットリウム又はビスマスを含有するアルミニウム合金(M,N,P)が,これらを含有しないものよりもろう付け性において優れていたという実験結果が表3,5,7に示されているが,合金M,N,Pは,いずれもシリコン,鉄, - 11 -銅,マンガンを特定割合含有し,M,Nは更にチタンを含有し,M,Pは更にマグネシウムを含有するという特定の合金組成を有するアルミニウム合金であって,このような特定の合金組成における実験結果であり,これらの特定されない 割合含有し,M,Nは更にチタンを含有し,M,Pは更にマグネシウムを含有するという特定の合金組成を有するアルミニウム合金であって,このような特定の合金組成における実験結果であり,これらの特定されない広範な本願発明の全体についての顕著な効果として参酌することはできない。 第5 当裁判所の判断 1 取消事由1について(1) 引用発明の認定刊行物2(甲1)には,請求項1において,マンガンのほかに0.05~1.0重量%のイットリウム等を含有するアルミニウム合金で形成された芯材の両面又は片面にシリコン又はゲルマニウムを含有するアルミニウム合金で形成されたろう材が積層された,耐エロージョン特性に優れたアルミニウム合金ブレージングシートが記載されている。そして,発明の詳細な説明の欄には,①自動車用熱交換器は,アルミニウム合金ブレージングシートを成形加工したチューブ材とフィン材より構成され,両者が真空ろう付け等によってろう付けされ,組み立てられるが,このようなアルミニウム合金ブレージングシートとして,従来,JISA3003等のアルミニウム合金を芯材とし,これにアルミニウム-シリコン系合金等のろう材をクラッドしたものが使用されていること(段落【0002】),②ろう付けの際に,アルミニウム合金ブレージングシートのろう材が芯材を侵食し,芯材厚さを減少させる現象(エロージョン)が生じるが,熱交換器の軽量化のためにアルミニウム合金ブレージングシートを薄肉化した場合,芯材用アルミニウム合金には,耐エロージョン性の向上が望まれること(段落【0003】),③本発明におけるアルミニウム合金ブレージングシートの基本構成は,マンガンを含有するアルミニウム合金によって形成された芯材の両面又は片面に,シリコンを含有するアルミニウム合金によって形成されたろう材が積 明におけるアルミニウム合金ブレージングシートの基本構成は,マンガンを含有するアルミニウム合金によって形成された芯材の両面又は片面に,シリコンを含有するアルミニウム合金によって形成されたろう材が積層形成されたものであるが(段落【0009】),芯材を形成するアルミニウム合金に,0.05~1.0%のイットリウム等のエロージョ - 12 -ン抑制元素を含有させることにより,エロージョンを抑制することができること(段落【0008】,【0011】)が記載されている。 したがって,刊行物2は物の発明に関する公開特許公報であるが,技術思想としては,真空雰囲気下でのろう付けによってろう付け部材を製造するために,その製造に使用される,所定の成分組成を有する芯材用アルミニウム合金製の帯材又は板材において,0.12%のイットリウムを含有させる使用方法についての発明が記載されていると認められる。 よって,審決が,引用発明を「真空雰囲気下でのろう付けによってろう付け部材を製造するための,重量%で,Siを0.6%,Feを0.7%,Mnを1.2%,Znを0.1%,Yを0.12%含有し,残部がアルミニウムおよび不可避的不純物よりなる芯材用Al合金製の帯材または板材。」と認定したことは,実質的に上記趣旨をいうものと解されるから(審決の本願発明と引用発明の対比(上記第2の3(2))において,方法の発明か物の発明かは相違点として挙げられず,「イットリウムの使用」が一致点とされていることからも裏付けられる。),誤りはない。 (2) 原告の主張に対する判断この点,原告は,相違点2に対する認定の誤りを主張するが,これは,要するに,引用発明の認定において,エロージョンの抑制という発明の目的の認定がないこと,相違点2の認定において,本願発明と引用発明それぞれがイット は,相違点2に対する認定の誤りを主張するが,これは,要するに,引用発明の認定において,エロージョンの抑制という発明の目的の認定がないこと,相違点2の認定において,本願発明と引用発明それぞれがイットリウムの使用であることについての言及がないことの2点を論難するものである。 しかしながら,まず,前者の点については,刊行物2に記載された発明は上記(1)のとおりと認められ,審決の引用発明の認定に誤りはない。進歩性等の有無を検討する上で,引用発明を認定する場合,本願発明との対比をするために必要な限度で,引用発明の認定の基礎となった文献に記載された技術思想を,発明として抽出すれば足りるものである。本願発明の請求項1において,「管理された窒素の雰囲気下で無フラックスのろう付けによってろう付けされた部材を製造するため」の文言は,「帯材または板材」にかかり,帯材等の用途を限定しているだけであって,イット - 13 -リウムの使用の目的,作用効果は,本願発明の発明特定事項とされていない。したがって,本願発明が方法の発明であるとしても,発明の目的,作用効果に関する具体的記載が請求項にない以上,本願発明との対比において引用発明を認定するに当たって,引用発明におけるイットリウムの使用の目的,作用効果を認定する必要はないものといえる。原告が指摘するような,引用発明におけるエロージョンを抑制するという所定の目的,作用効果は,本願発明との相違点の容易想到性の判断において検討すれば足りるというべきである。 また,後者の点は,本願発明と引用発明とがいずれも「イットリウムの使用」であることは,審決が両発明の一致点として認定しているのであって,一致点に該当する事項を再度相違点として挙げる必要はないのは自明である。 以上のとおり,原告の主張は理由がない。 2 取 ムの使用」であることは,審決が両発明の一致点として認定しているのであって,一致点に該当する事項を再度相違点として挙げる必要はないのは自明である。 以上のとおり,原告の主張は理由がない。 2 取消事由2について(1) 本願発明と引用発明の対比ア本願発明は,前記第2の2のとおりである。 本願明細書(甲2,3)の記載によれば,本願発明の芯材用のアルミニウム合金製の帯材又は板材は,その両面又は片面に,シリコンを含むろう付け用アルミニウム合金がクラッドされた状態で,又は,母材にろう付け用合金がクラッドされている場合には,上記のようなろう付け用アルミニウム合金がクラッドされることなく,使用されるものである(段落【0002】,【0018】,【0020】)。そして,上記の芯材用アルミニウム合金に0.01~0.5%のイットリウムを含有させることにより,管理された窒素雰囲気下でのフラックスレスのろう付け法(この方法は,フラックス(溶接で用いられる融材のこと。最も広く用いられているのは非腐食性のNocolok○R。アルミニウム上の表面の酸化膜を溶解させ,ろう材の広がりをスムーズにする機能を有する。)を使用しないで,ろう材を溶かして金属を接合する溶接の1種であって,フラックスのコストがかからない上に,保管場所の確保や廃水処理というフラックス法に伴う問題がない。段落【0004】参照)において, - 14 -改良されたろう付け性が得られるものである(段落【0001】,【0011】,【0016】,実施例1~3,表1~7)。 イ引用発明は,上記1(1)のとおりである。 ウ以上を前提に,本願発明と引用発明を対比すると,両者の一致点及び相違点は審決で認定したとおりとなる(前記第2の3(2))。 (2) 本願出願時の技術常識 明は,上記1(1)のとおりである。 ウ以上を前提に,本願発明と引用発明を対比すると,両者の一致点及び相違点は審決で認定したとおりとなる(前記第2の3(2))。 (2) 本願出願時の技術常識弁論の全趣旨,甲2及び乙1~10によれば,以下の事実が,本願出願時における技術常識として認められる。 遅くとも平成7年ころには,アルミニウムのろう付けの分類として,フラックス法とフラックスレス法があること,フラックスレス法には真空法と雰囲気法があること,雰囲気法には窒素ガス中で行うものがあること,ろう付けを良くするためにはろう材や芯材に工夫をすることが一般的であり,ろう付けに用いられるろう材の基本組成として,真空法ではAl-Si-Mg系であり,雰囲気法ではAl-Si-微量添加元素(Bi,Be,Sr等)であること,芯材の基本構成として,窒素雰囲気下ではMgを微量添加することが知られていた(弁論の全趣旨,乙2の639頁左欄最下行~640頁左欄下から11行,図1,表2,乙3の段落【0008】,【0022】,【0027】,【0037】表1の実施例12,14,15,【0042】,乙7の「従来の技術」,乙10の表7)。このように,アルミニウム合金ブレージングシートを使用してろう付けする際に,どのような成分組成のものが使用されるかは,通常,ろう付け法により決せられ,真空雰囲気下でのろう付け法と,管理された窒素雰囲気下でのろう付け法が,いずれも同じフラックスレスろう付け法であるとしても,これらのろう付け法において使用されるろう材,芯材は,通常,区別されるものであるとされていた。 (3) 相違点2の容易想到性について審決は,フラックスレスろう付けの手法として,真空ろう付け法と窒素ガス雰囲気ろう付け法がともに技術常識であることから,相違点2に係 ものであるとされていた。 (3) 相違点2の容易想到性について審決は,フラックスレスろう付けの手法として,真空ろう付け法と窒素ガス雰囲気ろう付け法がともに技術常識であることから,相違点2に係る構成は,当業者が - 15 -容易に想到できるものと判断した。 確かに,本願発明と引用発明とは,いずれも,ろう付けされた部材の製造に使用される,芯材用のアルミニウム合金製の帯材又は板材において,所定量のイットリウムを含有させる点で共通するものである。また,エロージョンは,ろう材が芯材を侵食する現象であり,芯材の中にシリコンが浸透して腐食が起きやすくなるために,ろう付けの際に回避すべきものであるが,エロージョンが起きれば,侵食された芯材部分にろう材が流れ込む結果,ろう付けのための充分なろう材が行き渡らずに所定の付着効果が得られず,ろう付け性が低下するから,エロージョンの抑制には,結果的にはろう付け性を改善するといえる側面もあり,本願発明と引用発明の技術課題に重なり合う部分が存在すること自体は否定し難い。しかしながら,本願発明は,管理された窒素雰囲気でのろう付けによるものであるのに対して,引用発明は,真空雰囲気下でのろう付けによるものであるという相違点があるのであり,相違点2に係る構成が当業者にとって容易に想到し得るものか否かは,結局,刊行物2に記載されたイットリウムの使用が,管理された窒素雰囲気下でのろう付けにも使用できるという示唆があるかどうか,また,本願出願時の技術常識から,それぞれのろう付け法におけるろう材や芯材の相互の互換性があるといえるか否かにより判断されるべきである。 しかるに,刊行物2そのものには,管理された窒素雰囲気下でのろう付けについて,何らの記載も示唆もない。また,芯材用アルミニウム合金にイットリウムを含有さ えるか否かにより判断されるべきである。 しかるに,刊行物2そのものには,管理された窒素雰囲気下でのろう付けについて,何らの記載も示唆もない。また,芯材用アルミニウム合金にイットリウムを含有させることにより,管理された窒素雰囲気下でのろう付けにおいて,改善されたろう付け性が得られることについて,何らの記載も示唆もない。そして,上記のとおり,本願出願時には,ろう付け法ごとに,それぞれ特定の組成を持ったろう材や芯材が使用されることが既に技術常識となっており,ろう付け法の違いを超えて相互にろう材や芯材を容易に利用できるという技術的知見は認められない。したがって,真空雰囲気下でのろう付け法である引用発明において,芯材用アルミニウム合金にイットリウムを含有させることにより,ろう付けの際に生じるエロージョンを - 16 -抑制することができるものであるとしても,管理された窒素雰囲気下でのろう付け法において,改善されたろう付け性が得られるかどうかは,試行錯誤なしに当然に導き出せる結論ではない。 したがって,相違点2に係る構成を当業者が容易に想到し得たとはいえず,この点に関する審決の判断は誤りである。 (4) 被告の主張に対する判断ア被告は,真空ろう付け法と窒素ガス雰囲気ろう付け法は,いずれもフラックスレスのろう付け法として,当業者において良く知られた技術であり(乙1~7),また,特開昭62-13259号公報(乙1),特開昭58-163573号公報(乙4),特開昭53-131253号公報(乙5),特開昭63-157000号公報(乙6),特開昭61-7088号公報(乙7)には,これらのろう付け法が並列して記載されていることからすると,これらのろう付け法は,当業者にとって適宜置換可能な方法といえるから,刊行物2に接した当業者であれば 特開昭61-7088号公報(乙7)には,これらのろう付け法が並列して記載されていることからすると,これらのろう付け法は,当業者にとって適宜置換可能な方法といえるから,刊行物2に接した当業者であれば,刊行物2に記載された材料からなる芯材用アルミニウム合金製の帯材又は板材を,真空ろう付け法だけでなく,窒素ガス雰囲気ろう付け法にも使用できることを容易に理解すると主張する。 確かに,上記乙1,5~7の記載によると,昭和50年代から昭和60年代初めにかけて,ろう付け法の種類に着目することなく,芯材,ろう材や母材にBe,Biを添加する方法がろう付け性向上のための技術思想として把握されていたことがうかがわれる(もっとも,乙6の第1表,第2表には,真空雰囲気下ではろう材にMgを必ず含めているのに対し,窒素雰囲気下ではろう材にMgを含ませておらず,特定の芯材やろう材が特定のろう付け法において意識的に使い分けられていたとみる余地もある。)。しかしながら,ろう付け法が並列に記載されていることと,各方法において利用されていた技術が相互に容易に置換可能であることは別次元の問題であって,上記(2)のとおり,その後の本願出願時においては,技術常識として,真空ろう付け法と窒素ガス雰囲気ろう付け法とでは,使用されるアルミニウム合金ブ - 17 -レージングシートは,通常,区別されるものであるとされていたと認められるから,当業者にとって,真空ろう付け法において使用できた芯材を,窒素ガス雰囲気下のろう付け法において,当然に利用できると認識することは困難といえる。 したがって,乙1,4~7に,真空ろう付け法と窒素ガス雰囲気ろう付け法が並列して記載されているからといって,これらのろう付け法が,当業者にとって適宜置換可能な方法であることにはならない。 また,被告 がって,乙1,4~7に,真空ろう付け法と窒素ガス雰囲気ろう付け法が並列して記載されているからといって,これらのろう付け法が,当業者にとって適宜置換可能な方法であることにはならない。 また,被告の提出した乙1~10のいずれにも,ブレージングシートの芯材にイットリウムを含有させること,それにより窒素ガス雰囲気ろう付けにおいて改良されたろう付け性が得られることについての記載も示唆もないから,窒素ガス雰囲気ろう付け時のブレージングシートにおけるイットリウムの使用を技術常識ということもできないから,これらの書証をもって相違点2に係る構成に容易に想到することができるともいえない。 よって,被告の主張は採用できない。 イ被告は,ろう材が,ろう付け法を決定する上で重要な要素であることが技術常識であるとしても,引用発明はろう材を特定するものではないから,引用発明において,真空ろう付け法に代えて,窒素ガス雰囲気ろう付け法とすることに技術的支障はないと主張する。 しかしながら,刊行物2の記載によれば,引用発明の芯材用アルミニウム合金製の帯材又は板材は,その両面又は片面にろう材をクラッドして,アルミニウム合金ブレージングシートとして使用することを前提とするものである。このように,引用発明が,ろう材を特定しないものであるとしても,相違点2についての容易想到性の判断,すなわち,ろう付け法の置換可能性の判断において,ろう材及びろう付け法に関する前記の技術常識は当然の前提となるものであり,異なったろう付け法におけるろう材の利用に技術的支障がなくなるわけではない。 したがって,引用発明が,ろう材を特定しないものであるとしても,そのことをもって,引用発明において,真空ろう付け法に代えて,窒素ガス雰囲気ろう付け法 - 18 -とすることに技術的支障はな したがって,引用発明が,ろう材を特定しないものであるとしても,そのことをもって,引用発明において,真空ろう付け法に代えて,窒素ガス雰囲気ろう付け法 - 18 -とすることに技術的支障はないということはできない。 ウ被告は,フラックスレス真空ろう付け法は,設備費(真空炉)が高く,メンテナンスが面倒である,炉内に付着するマグネシウムを定期的に除去することが必要である,ろう付けができない材料があるなどの実用上の問題点を有するものでもあり,かかる問題を解決する手段として,マグネシウムの添加や高真空雰囲気調整を行わなくとも,溶融ろう合金のぬれ性や流動性を著しく改善でき,真空ろう付け法に比較し設備費も少ないフラックスレス窒素ガス雰囲気ろう付け法が広く知られているから(乙3,10),刊行物2に接した当業者であれば,引用例に記載された材料からなる芯材用アルミニウム合金製の帯材又は板材を,真空ろう付け法だけでなく,窒素ガス雰囲気ろう付け法にも使用する動機付けがあると主張する。 しかしながら,ろう付け部材を製造する際に,真空ろう付け法の問題点を認識し,これを解消する手段として,窒素ガス雰囲気ろう付け法を適用するようなことがあったとしても,上記(2)のとおり,真空ろう付け法と窒素ガス雰囲気ろう付け法とでは,使用されるアルミニウム合金ブレージングシートは,通常,区別されるものであるから,窒素ガス雰囲気ろう付け法において,真空ろう付け法で適用される芯材用アルミニウム合金製の帯材又は板材をそのまま当然に使用することは想定し難く,窒素ガス雰囲気ろう付け法に適すると認識されていた成分組成の芯材用アルミニウム合金製の帯材又は板材を,一般的に使用するものと解される。 したがって,真空ろう付け法における問題点の存在が,当然に,引用発明の芯材用アルミニウム すると認識されていた成分組成の芯材用アルミニウム合金製の帯材又は板材を,一般的に使用するものと解される。したがって,真空ろう付け法における問題点の存在が,当然に,引用発明の芯材用アルミニウム合金製の帯材又は板材を,窒素ガス雰囲気ろう付け法に使用する動機付けを導き出すものとはいえず,被告の主張は採用できない。 第6 結論以上のとおり,原告の請求は理由がある。よって,原告の請求を認容することとして,主文のとおり判決する。 裁判長裁判官清水 裁判官新谷貴昭 裁判官鈴木わかな
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