-- 主文 原告らの請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実及び理由 第1請求 被告は,A及び被告補助参加人に対し,連帯して200万円及びこれに対する平成17年4月26日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 被告は,Bに対し,200万円及びこれに対する平成17年4月26日から支払済みまで年5分の割合による金員の賠償の命令をせよ。 訴訟費用は被告の負担とする。 仮執行宣言第2事案の概要 争いのない事実等(証拠等の摘示のない事実は当事者間に争いがない)。 (1)当事者等ア原告らは,いずれも函館市の住民である。 イ被告は,函館市の市長であり,同市の執行機関である。 ウAは,平成11年4月25日から同19年4月22日まで,函館市長であった(当裁判所に顕著な事実。 )エBは,平成14年4月1日から同18年3月31日まで,函館市の収入役であった。 オ被告補助参加人は,保育所の設置経営等を含む第二種社会福祉事業等の社会福祉事業を行うことを目的とする法人であり,現在,函館桔梗保育園(以下「本件保育園」という)を経営している。なお,本件保育園は,。 平成17年3月31日まで「函館市桔梗保育園」という名称の函館市立,保育所であった(甲1。 )-- (2)函館市による本件保育園の民営化函館市は,平成15年9月,財政上の経費削減等を目的とする「アウトソーシング推進計画案」をまとめ,同案において,12の公立保育園の民営化が計画され,同16年4月に本件保育園を民営化することとして移管先法人の募集を行ったが,民営化に反対する住民の陳情等を受けて,一旦,本件保育園の民営化の時期が延期された(甲14ないし19〔枝番のあるものは枝番も含む,弁論の全趣旨。 。〕)その後 して移管先法人の募集を行ったが,民営化に反対する住民の陳情等を受けて,一旦,本件保育園の民営化の時期が延期された(甲14ないし19〔枝番のあるものは枝番も含む,弁論の全趣旨。 。〕)その後,函館市は,同年9月29日,平成17年4月に本件保育園を民営化すると決定し,同16年11月16日に開催された函館市桔梗保育園移管先法人選考委員会において,被告補助参加人を本件保育園の民営化に係る移管先法人とする旨決定された(乙21,22。 )(3)函館市と被告補助参加人との間の協定の締結ア函館市は,平成17年1月11日,被告補助参加人との間で,次の内容を含む「函館市桔梗保育園の移管に伴う引継ぎに係る協定書」を締結した(甲1。以下「本件協定」といい,本件協定に基づく函館市から被告補助参加人への本件保育園の移管を「本件移管」という。 。)(ア)函館市は,函館市立保育所の移管に伴い,その保育内容等の継続を確保するため,別紙1「保育内容等の引継事項」に基づき,被告補助参加人から派遣された職員に対し引継ぎを行うものとする同,(協定1条1項。 )(イ)被告補助参加人は,引継ぎのために必要な職員を,函館市の指示により移管保育所に派遣するものとする(同協定1条2項。 )(ウ)上記(ア)及び(イ)の期間は,平成17年1月11日から同年3月31日までとする(同協定1条3項。 )ab(エ)引継ぎを実施する移管保育所は,本件保育園(函館市甲丁目番号)とする(同協定2条。 c)-- (オ)函館市は,引継ぎに要する費用に対する負担金として,405万3648円を支払うものとする(同協定3条。 )(カ)函館市は,本件協定締結後前払金として200万円を支払い,また,前記(ウ)の期間満了後,被告補助参加人の請求により,函館市の負担 て,405万3648円を支払うものとする(同協定3条。 )(カ)函館市は,本件協定締結後前払金として200万円を支払い,また,前記(ウ)の期間満了後,被告補助参加人の請求により,函館市の負担額の残額を被告補助参加人に支払うものとする(同協定4条。 )(),キ本件協定に定めのない事項又は内容について疑義を生じたときは必要に応じて,函館市と被告補助参加人が協議して定めるものとする(同協定9条。 )イ本件協定の締結は「函館市事務専決および代決規程(平成5年3月,」31日訓令第2号)4条1項別表第2(1)サに基づき,専決により函館市財務部財政課長がこれを行った(乙1。 )(4)函館市の被告補助参加人に対する負担金の支出ア函館市は,平成16年9月29日,同年第3回函館市議会定例会において,本件移管に係る歳出として「公立保育園民営化準備負担金」411万2000円を計上した同年度函館市一般会計補正予算(以下「本件補正予算」という)を議決した(乙8,11。 。 )イ函館市は,平成17年1月31日,被告補助参加人に対して,本件協定(「」4条に基づく負担金の前払金として200万円以下本件負担金前払金という)を支払った(乙4。 。 )ウ函館市は,平成17年4月26日,被告補助参加人に対して,本件協定4条に基づく負担金の残金として205万3648円(以下「本件負担金残金」といい,本件負担金前払金と併せて「本件負担金」という)を支。 払った。 エ本件負担金の支出は「函館市事務専決および代決規程」4条1項別表,第2(1)サ及び「函館市収入役事務の専決および代決規程(昭和48」-- 年12月1日訓令第7号)2条1項に基づき,専決により函館市会計課長がこれを行った(乙1,3。 )(5)住民監査請求,(, び「函館市収入役事務の専決および代決規程(昭和48」-- 年12月1日訓令第7号)2条1項に基づき,専決により函館市会計課長がこれを行った(乙1,3。 )(5)住民監査請求,(,「」。)原告らC及びD以下これらの者を併せて本件請求人らというは,平成18年3月28日,函館市監査委員に対し,函館市による本件負担金の支出のうち202万6968円の支出は違法,不当であるから,被告補助参加人に対して返還させるなどの必要な措置を講ずるよう函館市長に勧告することを求めて,地方自治法242条1項に基づく住民監査請求を行ったが(以下「本件監査請求」という,函館市監査委員は,同年5月26日,。)本件請求人らの主張には理由がないとして本件監査請求を棄却し,その監査の結果に係る通知書は,同日,原告Eに,同月27日,原告F,原告G,原告H及び原告Iにそれぞれ送達された(甲8。 )(6)本訴提起及び被告の変更ア原告らは,平成18年6月20日,当庁に対し,A,B及び被告補助参加人を被告として,請求の趣旨を「被告らは函館市に対し,連帯して金200万円とこれに対する平成17年4月26日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え」とする本訴を提起したが,これは,平成14。 年法律第4号による地方自治法の改正に気付かず,同改正前の同法242条の2第1項4号の規定に則り,A,B及び被告補助参加人を被告として訴訟を提起したものであったので,平成18年7月19日,上記改正後の地方自治法242条の2第1項4号の規定に沿うようにするために,当庁に対し,被告を函館市長とし,請求の趣旨を「被告はA,B並びに社会福祉法人函館市民生事業協会(被告補助参加人)に対し,連帯して金200万円とこれに対する平成17年4月26日から支払済みまで年5 当庁に対し,被告を函館市長とし,請求の趣旨を「被告はA,B並びに社会福祉法人函館市民生事業協会(被告補助参加人)に対し,連帯して金200万円とこれに対する平成17年4月26日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ」と訂正する旨記載した「訴状補正申立書」と題。 する書面を提出した(当裁判所に顕著な事実。なお,原告らは,平成20-- 年9月4日の第12回口頭弁論期日において,上記訂正後の請求の趣旨を前記第1の1及び2のとおり訂正している。 。)イ原告らは,平成18年8月28日,行政事件訴訟法15条の準用による(()),,被告の変更の許可を申し立て当庁平成18年行ク第1号当庁は同申立てを受け,同年11月2日,本件の被告をA,B及び被告補助参加人から函館市長に変更することを許可した(当裁判所に顕著な事実。以下「本件被告変更許可決定」という。 。) 本件は,原告らが,被告に対し,本件移管に当たって,実際には被告補助参加人から本件保育園に対して4名の保育士しか派遣されないのに,8名の保育士が派遣されることを前提に保育士8名分の人件費を積算して本件負担金額を定めた本件協定は違法であるから,同協定に基づく本件負担金の支出も違法であり,また,仮に本件協定が違法ではないとしても,本件負担金残金を支出する時点では,実際には被告補助参加人から本件保育園に対して4名の保育士しか派遣されていなかったのであるから,本件負担金残金の支出は違法であり,被告は,本件負担金の支出により同負担金相当額の損害を被ったため,A及びBには損害賠償責任が,被告補助参加人には損害賠償責任及び不当利得返還義務がそれぞれあると主張し,被告に対し,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,A及び被告補助参加人に対し,連帯して上記損害金の一部で 害賠償責任が,被告補助参加人には損害賠償責任及び不当利得返還義務がそれぞれあると主張し,被告に対し,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,A及び被告補助参加人に対し,連帯して上記損害金の一部である200万円及びこれに対する被告が本件負担金残金を支出した日である平成17年4月26日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払の請求並びに地方自治法243条の2に基づき,Bに対し,上記200万円及びこれに対する同日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払の賠償の命令をするようそれぞれ求める事案である。 争点 (1)本案前の争点ア本訴は地方自治法242条の2第2項1号の規定する出訴期間を徒過し-- ているか否かイ本件監査請求のうち本件協定の締結及び本件負担金前払金の支出に係る部分について地方自治法242条2項ただし書の規定する「正当な理由」があるか否か(2)本案の争点ア本件負担金の支出が違法か否か並びに損害の発生及びその額イAが損害賠償責任を負うか否かウ被告補助参加人が損害賠償責任及び不当利得返還義務を負うか否かエBが損害賠償責任を負うか否か(3)被告の変更は許されないとの被告の主張についてなお,被告は,本件においては行政事件訴訟法15条の準用による被告の,,変更は許されないと主張するが本件において被告の変更が許されることは本件被告変更許可決定のとおりであるところ,同条5項は「第1項の決定,に対しては,不服を申し立てることができない」と規定しており,同条の。 準用による被告変更許可決定は独立して上訴審の判断を受けないから(民事訴訟法283条ただし書,本件被告変更許可決定の告知によって直ちに被)告の変更の効果が確定すると解される。 したがって,この点に関する被 る被告変更許可決定は独立して上訴審の判断を受けないから(民事訴訟法283条ただし書,本件被告変更許可決定の告知によって直ちに被)告の変更の効果が確定すると解される。 したがって,この点に関する被告の主張は,当裁判所の判断の対象にならない。 第3争点に関する当事者の主張 本案前の争点について(1)争点(1)ア(本訴は地方自治法242条の2第2項1号の規定する出訴期間を徒過しているか否か)について〔被告の主張〕ア民事訴訟法147条は,訴えの変更があった場合の出訴期間の遵守の有無について,訴えの変更の書面が裁判所に提出されたときを基準-- とすると規定している。そして,変更前の訴えと変更後の訴えとが実質的に同一のものであると評価できる場合に限り,例外的に,出訴期間の遵守の有無について,当初の訴え提起の時を基準とすることができる。 しかし,本件においては,被告の変更前の訴えは私人を被告とする訴えであるのに対し,被告の変更後の訴えは普通地方公共団体の執行機関を被告とする訴えであるから,これらが実質的に同一のものであると評価することはできない。 したがって,本件は,上記の例外には当たらないから,出訴期間の遵守の有無について,被告変更許可の申立ての時を基準としなくてはならない。 イ原告らは,平成18年5月27日までに,本件監査請求に係る結果の通知を受けている。 そして,被告の変更後の訴えは,同年8月28日,原告らが被告変更許可の申立てに係る書面を裁判所に提出した時に提起されたものと解され,仮に,そのように解することができないとしても,同年7月19日,原告らが訴状補正申立書を裁判所に提出したときに提起されたものと解される。 そうすると,本訴は,地方自治法242条の2第2項1号の定める監査の結果の通知があった日から30日以内と ,同年7月19日,原告らが訴状補正申立書を裁判所に提出したときに提起されたものと解される。 そうすると,本訴は,地方自治法242条の2第2項1号の定める監査の結果の通知があった日から30日以内という出訴期間を徒過していることになる。 ウ以上のとおりであるから,本訴は不適法であり,却下されるべきである。 〔原告らの主張〕ア(ア)本件では,行政事件訴訟法15条の準用による被告の変更が許可されている。 -- そして,同条3項は,出訴期間の遵守の有無について,新たな被告に対する訴えは,最初に訴えを提起した時に提起されたものとみなす旨規定している。 したがって,本訴の出訴期間の遵守の有無について,被告の変更後の訴えは,最初の訴えを提起した時に提起されたものとみなされる。 (イ)原告らは,平成18年5月27日までに,本件監査請求に係る結果の通知を受けている。 そして,原告らは,同年6月20日,本訴を提起している。 そうすると,本訴は,地方自治法242条の2第2項1号の定める監査の結果の通知があった日から30日以内という出訴期間を遵守していることになる。 イ(ア)当初の訴えと変更後の訴えとが,当事者や請求内容等から検討して,実質的に同一の訴えとみることができるような特段の事情がある場合は,当初の訴えの提起時を基準として変更後の訴えについての出訴期間遵守が認められる。 (イ)本件では,当初の訴えと変更後の訴えは,いずれも函館市の公立保育園の民営化手続過程の中で発生した違法な公金の支出によって,函館市が被った200万円の損害を回復させようとするものであり,その目的は同一である。 また,当初の訴えと変更後の訴えの主たる争点は,いずれも本件協定の締結に違法があったか否か及び本件負担金の支出が違法か否かであり,全く共通している。 さらに, するものであり,その目的は同一である。 また,当初の訴えと変更後の訴えの主たる争点は,いずれも本件協定の締結に違法があったか否か及び本件負担金の支出が違法か否かであり,全く共通している。 さらに,当初の訴えの被告はA個人であり,変更後の訴えの被告は函館市長たるAであり,被告の防御に何ら支障はない。 したがって,当初の訴えと変更後の訴えは実質的に同一の訴-- えとみることができるような特段の事情があるから,変更後の訴えは,当初の訴えを提起した平成18年6月20日に提起されたものとみるべきである。 ウ以上のとおりであるから,本訴は適法である。 (2)争点(1)イ(本件監査請求のうち本件協定の締結及び本件負担金前払金の支出に係る部分について地方自治法242条2項ただし書の規定する「正当な理由」があるか否か)について〔被告の主張〕ア本件監査請求のうち本件協定の締結及び本件負担金前払金の支出に係る部分は,当該各行為の日から1年を経過した後にされたものであるから,地方自治法242条2項本文の規定する監査請求期間を徒過している。 イ地方自治法242条2項ただし書の「正当な理由」に関する原告らの主張に対する反論(ア)本件協定の締結及び本件負担金前払金の支出前後の状況a平成16年9月3日,函館市議会民生常任委員会が開催され,本件補正予算案の概要について審議された。同委員会では,函館市福祉部が本件負担金について説明した。同委員会は公開されており,原告Eがこれを傍聴していた。 b平成17年5月18日,函館市議会民生常任委員会が開催され,本件移管に係る引継業務について審議された。同委員会では,函館市福祉部が同年1月11日から同年3月30日までの間,被告補助参加人の保育士8名が1日当たり4名ずつ1週間交替で派遣されていたことを報告した 移管に係る引継業務について審議された。同委員会では,函館市福祉部が同年1月11日から同年3月30日までの間,被告補助参加人の保育士8名が1日当たり4名ずつ1週間交替で派遣されていたことを報告した。同委員会は公開されており,原告Eがこれを傍聴していた。 c原告Fは,同年8月10日,函館市長に対し,公文書公開-- 請求を行い,同月29日,平成16年度第2号補正予算要求書,同内訳書及び本件協定に係る協定書が開示された。上記各文書によれば,本件移管に係る引継期間が平成17年1月11日から同年3月31日までであること,上記期間に被告補助参加人から本件保育園に保育士が派遣されていたこと,本件負担金の額が405万3648円であり,すべて支払われていること,本件負担金の額が上記期間における1日当たり8名分の保育士の人件費を基本として積算されたものであること等の事実を知ることができる。 d同年8月26日,函館市民生常任委員会が開催され,本件負担金について審議された。同委員会では,同委員会のJ委員と函館市福祉部部長との間で,本件負担金の額や被告補助参加人から本件保育園に派遣された保育士の人数等について質疑応答が行われた。同委員会は公開されており,傍聴人がいた。 e同年9月22日,函館市民生常任委員会が開催され,本件負担金について審議された。同委員会では,同委員会のK委員と函館市福祉部部長との間で,本件負担金の額や被告補助参加人から本件保育園に派遣された保育士の人数等について質疑応答が行われた。同委員会は公開されており,Dがこれを傍聴していた。 (イ)地方自治法242条2項ただし書の「正当な理由」の有無については,普通地方公共団体の住民が相当の注意力をもって調査を尽くしても客観的にみて住民監査請求をするに足りる程度に財務会計上の た。 (イ)地方自治法242条2項ただし書の「正当な理由」の有無については,普通地方公共団体の住民が相当の注意力をもって調査を尽くしても客観的にみて住民監査請求をするに足りる程度に財務会計上の行為の存在及び内容を知ることができなかった場合には「正当な理由」の有無は,特段の事情のない限り,,-- 当該普通地方公共団体の住民が相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて住民監査請求をするに足りる程度に当該行為の存在及び内容を知ることができたと解されるときから相当な期間内に監査請求をしたかどうかによって判断すべきであるとされている。また,一般住民はともかく,監査請求人が上記の程度に当該行為の存在及び内容を知ることができたと解される場合には「正当な理由」の有無は,そのように解されるときか,ら相当な期間内に監査請求をしたかどうかによって判断すべきものとされている。 (ウ)ところで,本件監査請求の内容は,少なくとも,本件協定が締結されたこと,本件負担金の額が405万3648円であること,本件負担金の額が本件協定に基づく引継期間における1日当たり8名の保育士の人件費を基本として積算されていること,函館市が被告補助参加人に対して本件負担金を支払ったこと及び本件協定に基づく引継期間に被告補助参加人から本件保育園に派遣された保育士が1日当たり4名であること,以上の事実を知ることができれば構成することが可能であり,原告ら又は相当の注意力を有する函館市民は,遅くとも平成17年9月22日には,前記(ア)の各事実を知ることができた。 そうすると,本件では,本件協定が締結された同年1月11日又は本件負担金前払金が支出された同月31日から1年以内に本件監査請求を行うに足りる程度に財務会計上の行為の存在及び内容を知ることができなかった事情は存在 件では,本件協定が締結された同年1月11日又は本件負担金前払金が支出された同月31日から1年以内に本件監査請求を行うに足りる程度に財務会計上の行為の存在及び内容を知ることができなかった事情は存在しないというべきである。 また,仮にそうではなかったとしても,同年9月22日から6か月を超える期間が経過した平成18年3月28日に至って-- 初めて原告らが本件監査請求を行ったことについては,上記(イ)の「相当な期間内」のものとはいえない。 したがって,本件監査請求には,地方自治法242条2項ただし書の「正当な理由」は認められない。 〔原告らの主張〕ア本件監査請求のうち本件協定の締結及び本件負担金前払金の支出に係る部分について,地方自治法242条2項本文の規定する監査請求期間を徒過していることは認める。 イ地方自治法242条2項ただし書の「正当な理由」(ア)原告らは,函館市による本件協定の締結及び本件負担金前払金の支出の各行為について,当該各行為の時点で直ちにこれを知り得る立場にはなかったし,当該各行為の違法性を基礎付ける事実についても全く知り得なかった。 (イ)本件協定に基づく被告補助参加人の引継行為の終期は,平成17年3月31日であるから,原告らは,この時点までは本件協定の違法性を判断することができなかった。 (ウ)a原告Fは,同年8月10日,函館市長に対して,情報公開請求を行い,同月29日,本件協定に係る協定書及び予算資料を入手した。さらに,原告Fは,平成18年1月中に,本訴に係る資料を入手した。原告F以外の原告らは,本件監査請求の直前に上記資料の存在を知った。 b本件協定が締結される以前の函館市民生常任委員会での審議によっては,原告らは,本件協定に係る協定書の具体的内容を知ることはできなかったから,本件協定の締 査請求の直前に上記資料の存在を知った。 b本件協定が締結される以前の函館市民生常任委員会での審議によっては,原告らは,本件協定に係る協定書の具体的内容を知ることはできなかったから,本件協定の締結が違法か否かの判断はできなかった。原告らは,上記aの原告Fによる情報公開請求により,初めて本件協定に係る協定書の具体-- 的内容を知った。 cもっとも,原告らは,前記aの情報公開請求によっても,本件協定に係る引継業務の具体的な内容を知ることはできなかった。 (エ)函館市監査委員は,本件監査請求を適法なものとして受理し,その監査の結果を本件監査請求人らに通知している。 (オ)被告の主張するとおり,仮に,原告らが平成17年9月22日の時点で本件協定の締結及び本件負担金前払金の支出が違法であることを知ることができたとしても,原告らは一般市民であり,函館市の弁明内容の検討,資料収集等のために相当の期間を要することは明らかであるから,同日から6か月を超えた期間を経過してされた本件監査請求も相当な期間内にされたものというべきである。 (カ)以上によれば,本件監査請求のうち本件協定の締結及び本件負担金前払金の支出に係る部分については,地方自治法242条2項ただし書の「正当な理由」があるから,本訴は適法である。 本案の争点について(1)争点(2)ア(本件負担金の支出が違法か否か並びに損害の発生及びその額)について〔原告らの主張〕ア本件協定が違法であることによる本件負担金の支出の違法性(ア)函館市の担当部局は,本件補正予算の要求に当たって,平成17年1月7日から同年3月31日までの間に被告補助参加人から本件保育園に派遣される保育士8名に支払われる賃金等を積算根拠として,本件移管に係る負担金の額を411万1296円と積- たって,平成17年1月7日から同年3月31日までの間に被告補助参加人から本件保育園に派遣される保育士8名に支払われる賃金等を積算根拠として,本件移管に係る負担金の額を411万1296円と積-- 算した。 この本件負担金の額は,本件移管に伴う引継ぎのために,被告補助参加人の保育士8名が本件保育園への派遣保育士として全員が実際に稼働することを前提にして,当該8名の人件費として算定されたものである。 そして,本件負担金の額の算定根拠である派遣保育士が8名であることには拘束力があり,その支出を拘束するものである。 (イ)ところが,函館市の担当部局及び被告補助参加人は,遅くとも同年1月3日には,本件移管のために被告補助参加人から本件保育園に派遣する保育士は1日4名で十分可能であることを熟知していたにもかかわらず,本件協定における負担金の額を本件補正予算における負担金の額に近似させるために,不必要な保育士8名の派遣を前提に負担金の額を定めて,本件協定を締結した。 また,被告補助参加人によって実施された本件移管に伴う共同保育は,派遣保育士が被告補助参加人の保育所の担任クラスを持ったまま派遣されてくるなどして,本件保育園の保育士,園児及び保護者との意思疎通が不十分であるなど,保育内容の引継ぎについて所期の目的が達成されていない。 以上のとおり,本件協定は,実際に必要とされた「引継ぎに要する費用(本件協定3条)のほぼ倍額に相当する過大な費用負」担を取り決めた恣意的なものであるから,函館市の裁量の範囲を著しく超え,明らかに違法である。 (ウ)この点,被告は,派遣保育士の代替のために新たに雇用した保育士の人件費等が「引継ぎに要する費用」に当たり,その額が本件負担金の額を超えていると主張するが,被告補助参加人は,従前から被告補助参加人に在 の点,被告は,派遣保育士の代替のために新たに雇用した保育士の人件費等が「引継ぎに要する費用」に当たり,その額が本件負担金の額を超えていると主張するが,被告補助参加人は,従前から被告補助参加人に在籍していた保育士を再雇用するなどし-- ており,そのような者の人件費は「引継ぎに要する費用」には,当たらないというべきである。 (エ)以上のとおり,本件協定は違法であり,違法な本件協定に基づく本件負担金の支出は全額が違法であるから,函館市は,本件負担金相当額の損害を被った。 原告らは,そのうち200万円について,被告に対し,損害賠償請求等をするよう求める。 イ本件負担金残金の支出の違法性(ア)本件負担金残金を支出する時点では本件移管の際の実際の保育士の派遣が1日4名で足りたことが明らかであったことからすれば,本件負担金の額は余りに高額であるから,Bは,本件負担金の額について疑義を呈して,その支出の前に被告補助参加人と適正な負担金の額について協議して是正措置を採るべきであったにもかかわらず,これを怠り,何らの是正措置も講ずることなく漫然と本件負担金残金を支出している。 したがって,これが違法な公金の支出に当たることは明らかである。 (イ)本件負担金残金の支出によって,函館市は,適正な負担金の額と実際の本件負担金の支出額との差額相当額である少なくとも200万円の損害を被っているから,原告らは,200万円について,被告に対し,損害賠償請求等をするよう求める。 〔被告の主張〕ア本件協定3条の「引継ぎに要する費用」とは「引継ぎに伴って,,直接的,間接的に掛かる経費」と解釈すべきであり,函館市及び被告補助参加人のいずれもそのように認識して本件協定を締結している。 イ本件負担金の額は,被告補助参加人が本件保育園に8名の保育士を- ,直接的,間接的に掛かる経費」と解釈すべきであり,函館市及び被告補助参加人のいずれもそのように認識して本件協定を締結している。 イ本件負担金の額は,被告補助参加人が本件保育園に8名の保育士を-- 派遣すると,それに伴って8名の臨時保育士を雇用する必要が生じるために,その人件費を積算して決定したものであり,原告らの主張するような限定された積算によるものではない。また,そもそも,予算作成の前提としての積算内容によって,本件協定の「引継ぎに要する費用」の解釈が限定されるということはない。 ウ本件移管に伴って被告補助参加人に発生した経費は,本件移管に当たり,本件保育園に派遣される保育士の代替として雇用した保育士の人件費等であり,その経費は,すべて「引継ぎに伴って,直接的,間接的に掛かる経費」に当たるから,本件負担金をもってこれに充てる適格を有するものであることが明らかである。 ,。 エしたがって本件協定の締結及び本件負担金の支出に違法性はない(2)争点(2)イ(Aが損害賠償責任を負うか否か)について〔原告らの主張〕ア函館市長であったAは,平成16年9月の市議会において,本件移管に係る歳出として「公立保育園民営化準備負担金」を補正歳出予算案として提出したが,Aは同負担金の額を確定し,予算を要求するに当たって,詳細な積算内容に基づき計算された補正予算額を議会において説明し,同負担金の額を411万1296円として提案し,同提案は議会で承認された。 上記積算の概要は,本件移管に当たり,本件保育園に派遣される8名の保育士に支払われるべき70日分の賃金等として計算された金額であった。 イ上記アの予算案の提案は,当然に市長であるAに基礎資料が示され説明され,承認した上でのA自身の提案であるから,Aは同予算案のその後の適正な執行を 70日分の賃金等として計算された金額であった。 イ上記アの予算案の提案は,当然に市長であるAに基礎資料が示され説明され,承認した上でのA自身の提案であるから,Aは同予算案のその後の適正な執行を指揮監督すべきは当然である。 ウ本件協定締結前には,実際には1日4名の保育士しか派遣されない-- ことはAにも報告されていた。 エ以上の事実経過からすれば,Aは,専決者がした財務会計上の違法行為を知り,又は知り得る状況にあり,当該違法行為を阻止すべき指揮監督上の義務があったというべきであり,それにもかかわらず,故意又は過失により専決者が財務会計上の違法行為をすることを阻止しなかったのであるから,その責任は明らかである。 〔被告の主張〕Aの損害賠償責任については,否認ないし争う。次の理由により,Aは損害賠償責任を負わない。 アAは,負担金の額の確定,予算要求及び議会での説明を行っていない。 負担金の積算は函館市福祉部が行い,予算要求は同部が財務部に対して行ったものであり議会での説明は財務部長及び福祉部長が行っ,,ている。 イAに対して基礎資料が示され説明されたことはないし,Aが承認したこと及び提案したこともない。 ウAは,実際に1日4名の保育士しか派遣されないことについて報告を受けていない。 エ本件負担金の額は適正なものであるから,Aが専決権者による本件協定の締結を阻止すべき義務が生じることはない。また,本件協定締結時に,Aにおいて同協定の締結が違法となる可能性に思い至る事情は全くなかったから,Aに故意又は過失がないことは明らかである。 (3)争点(2)ウ(被告補助参加人が損害賠償責任及び不当利得返還義務を負うか否か)について〔原告らの主張〕被告補助参加人の本件協定の締結及び本件負担金の受領は,実際に要-- ある。 (3)争点(2)ウ(被告補助参加人が損害賠償責任及び不当利得返還義務を負うか否か)について〔原告らの主張〕被告補助参加人の本件協定の締結及び本件負担金の受領は,実際に要-- する「引継ぎに要する費用」をはるかに超える倍額の負担金額を受領するものであるが,被告補助参加人は本件協定の締結時にはそのことを熟知しながら,過大な負担金の受領を目的として,虚偽の積算及び報告を前提として,本件協定を締結し,本件負担金を受領したものである。したがって,被告補助参加人の本件協定の締結及び本件負担金の受領は,地方公共団体を契約の相手方とする適正な合意の範囲を著しく超える違法なものというべきであり,被告補助参加人は,函館市に対して,適正な負担金の額と受領した負担金の額との差額相当額である少なくとも200万円の損害を与えたものであるから,その損害を賠償し,又は,同額の不当利得を返還すべき義務がある。 〔被告の主張〕否認ないし争う。 〔被告及び被告補助参加人の主張〕本件協定にたとえ何らかの違法があったとしても,本件協定には私法上の無効事由がないから,被告補助参加人に不当利得が生じることはない。 (4)争点(2)エ(Bが損害賠償責任を負うか否か)について〔原告らの主張〕ア函館市は,本件負担金の支出について,Bに対して,基礎資料とともに報告した。 イBは,本件負担金残金の支出時には,その基礎資料によって,実際に派遣された保育士が4名であったことから,本件負担金の額が余りに高額であったことを容易に知ることができた。 ウしたがって,Bは,本件負担金残金の支出時に,実際の「引継ぎに要する費用」の倍額に当たる本件負担金の額に疑義を呈して,適正な負担金の額について協議し,是正措置を採るべきであったにもかかわ-- らず,これを怠り, 負担金残金の支出時に,実際の「引継ぎに要する費用」の倍額に当たる本件負担金の額に疑義を呈して,適正な負担金の額について協議し,是正措置を採るべきであったにもかかわ-- らず,これを怠り,何らの是正措置も講ずることなく漫然とこれを放置しているから,Bに重過失があることは明らかである。 〔被告の主張〕ア函館市会計規則によれば,収入役は,支出命令書及び調書類の審査によって公金支出に関与するが,その範囲及び権限は,法令及び予算との整合性や必要な書類に不備がないかなど形式的な事項を審査することに尽き,実質的な支払の当否についてまで市長の決定には容喙しないこととなっている。 イBは,原告らの主張する報告を受けておらず,基礎資料も見ていない。 ウ本件負担金の支出に違法はないから,Bが専決権者による本件負担金の支出を阻止すべき義務が生じることはない。また,Bは,本件負担金の支出に関与しておらず,本件負担金の支出が違法となる可能性について思い至る事情は全くなかったから,Bに重過失のないことは明らかである。 第4争点に対する判断 争点(1)ア(本訴は地方自治法242条の2第2項1号の規定する出訴期間を徒過しているか否か)について(1)被告の変更による出訴期間の徒過についてア前記第2の1(5)及び(6)のとおり,原告らは,平成18年5月27日までに本件監査請求に係る結果の通知を受け,同年6月20日に本訴を提起し,その後,当庁により行政事件訴訟法15条1項の準用による被告の変更を許可する決定がされている。 イ被告の変更に係る出訴期間の遵守について,行政事件訴訟法15条,「,,3項は第1項の決定があったときは出訴期間の遵守については新たな被告に対する訴えは,最初に訴えを提起した時に提起されたも-- のとみなす」 守について,行政事件訴訟法15条,「,,3項は第1項の決定があったときは出訴期間の遵守については新たな被告に対する訴えは,最初に訴えを提起した時に提起されたも-- のとみなす」と規定している。 。 ウしたがって,本件では,被告の変更に係る出訴期間の遵守については,新たな被告に対する訴えは,平成18年6月20日に提起されたものとみなされるから,地方自治法242条の2第2項1号の定める監査の結果の通知があった日から30日以内という出訴期間を徒過しているとはいえない。 (2)訴えの変更による出訴期間の徒過についてア前記第2の1(6)のとおり,原告らは,損害賠償を求める訴えとして本件訴訟を提起したが,被告の変更に伴って,本件訴訟は,被告に対し,A及び補助参加人に対する損害賠償を請求することを求めるとともに,Bに対する賠償の命令をすることを求める訴えに変更されている。 ,,イ訴えの変更に係る出訴期間の遵守について民事訴訟法147条は訴えの変更を申し立てる書面を裁判所に提出した時を基準にする旨規定しているが,訴え変更前後の請求の間に訴訟物の同一性が認められるとき,又は両者の間に存する関係から,変更後の新請求に係る訴えを当初の訴えの提起の時に提起されたものと同視し,出訴期間の遵守において欠けるところがないと解すべき特段の事情があるときは,出訴期間の遵守を肯定することができると解される(最高裁判所昭和59年(行ツ)第70号同61年2月24日第二小法廷判決・民集40巻1号69頁参照。 )そこで,本件について,上記「特段の事情」が認められるか検討すると,当初の訴えと変更後の訴えは,いずれも被告補助参加人に対する函館市の本件負担金の支出が違法であるとして,本件監査請求を行ったことを前提として提起されたものであって,当初 」が認められるか検討すると,当初の訴えと変更後の訴えは,いずれも被告補助参加人に対する函館市の本件負担金の支出が違法であるとして,本件監査請求を行ったことを前提として提起されたものであって,当初の訴えは,平成14年法律第4号による改正前の地方自治法242条の2第1項4-- 号の規定に則って被告を私人であるA,B及び被告補助参加人として訴えを提起してしたものであるのに対し,変更後の訴えは改正後の同法242条の2第1項4号の規定に沿って請求の趣旨を構成し直して提起されたものであるから,上記両訴訟は,単に法令の適用を誤り,被告とすべき者を誤ったために訴訟物が異なるものであるかのような体裁を呈することとなったにすぎず,その前提となる社会的事実は同じであり,訴訟の対象も実質的には同一であるということができるので,変更後の新請求に係る訴えを当初の訴えの提起の時に提起されたものと同視し,出訴期間の遵守において欠けるところがないと解すべき特段の事情があるというべきである。 ウしたがって,本件では,訴えの変更に係る出訴期間の遵守については,変更後の訴えは,平成18年6月20日に提起されたものと同視できるから,地方自治法242条の2第2項1号の定める監査の結果の通知があった日から30日以内という出訴期間を徒過しているとはいえない。 争点(1)イ(本件監査請求のうち本件協定の締結及び本件負担金前払金の支出に係る部分について地方自治法242条2項ただし書の規定する「正当な理由」があるか否か)について(1)証拠(乙12ないし15〔枝番のあるものは枝番を含む)及び弁。〕論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 ア原告Fは,平成17年8月10日,函館市情報公開条例6条1項に基づき,函館市長に対し,本件移管に係る被告補助参加人の保育士の 枝番を含む)及び弁。〕論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 ア原告Fは,平成17年8月10日,函館市情報公開条例6条1項に基づき,函館市長に対し,本件移管に係る被告補助参加人の保育士の勤務,支出等に関する資料について,公文書公開請求を行った。 同請求を受けて,同市長は,同月29日,原告Fに対し,平成16年度第2号補正歳出予算要求書,同内訳書及び本件協定に係る協定書を公開した。 -- 同予算要求書及び同内訳書には,本件移管において,函館市が被告補助参加人に対して支出する負担金の額について,被告補助参加人から本件保育園に8名の保育士を派遣することに伴う経費として,保育士8名の人件費を基本として積算されたことが記載されている。 イ函館市のL福祉部長は,平成17年5月18日に開催された第44回函館市民生常任委員会において,本件移管について,同年1月11日から同年3月30日までの間,1日当たり4名の被告補助参加人の保育士が交替で保育内容等の引継業務を行った旨報告した。 上記委員会は公開されており,原告Eがこれを傍聴していた。 ウJ委員は,平成17年8月26日に開催された第7回函館市民生常任委員会において,本件移管に当たって,被告補助参加人から本件保育園に派遣されていた保育士が実際には4名であるのに,なぜ8名分の人件費を支出しているのかなどの質問を行った。これに対して,L福祉部長は,実態としては8名の保育士が雇用されていたなどと答弁した。 上記委員会は公開されていた。 エK委員は,平成17年9月22日に開催された第9回函館市民生常任委員会において,本件移管に当たって,被告補助参加人から本件保育園に派遣されていた保育士が実際には4名であったのだから,4名分の人件費を支出すれば足りたのではないかなどの質問を行った。これに対し 任委員会において,本件移管に当たって,被告補助参加人から本件保育園に派遣されていた保育士が実際には4名であったのだから,4名分の人件費を支出すれば足りたのではないかなどの質問を行った。これに対して,L福祉部長は,結果的には8名分の欠員補充に相当する金額を負担した形であるなどと答弁した。また,J委員は,上記委員,。 会において本件負担金の支出の在り方がおかしい等の質問を行ったこれに対して,L福祉部長は,上記ウと同様の答弁を行った。 上記委員会は公開されており,Dがこれを傍聴していた。 (2)ア前記第2の1(3)ア(4)イ及び(5)のとおり,函館市は,,-- 平成17年1月11日に本件協定を締結し,同月31日に本件負担金前払金を支出しており,原告らは,平成18年3月28日に本件監査請求を行っている。そうすると,本件監査請求のうち本件協定の締結及び本件負担金前払金の支出に係る部分は,当該各行為の日からそれぞれ1年を経過した後にされたものであるから,地方自治法242条2項本文の規定する監査請求期間を徒過している。 イそこで,本件監査請求のうち本件協定の締結及び本件負担金前払金の支出に係る部分について,地方自治法242条2項ただし書の「正当な理由」が認められるか否か検討する。 ところで,普通地方公共団体の住民が相当の注意力をもって調査を尽くしても客観的にみて監査請求をするに足りる程度に当該行為の存在又は内容を知ることができなかった場合には,地方自治法242条2項ただし書にいう正当な理由の有無は,特段の事情のない限り,当該普通地方公共団体の住民が相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて上記の程度に当該行為の存在及び内容を知ることができたと解される時から相当な期間内に監査請求をしたかどうかによって判断すべきであり(最高裁判所昭和 の住民が相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて上記の程度に当該行為の存在及び内容を知ることができたと解される時から相当な期間内に監査請求をしたかどうかによって判断すべきであり(最高裁判所昭和62年(行ツ)第76号同63年4月22日第二小法廷判決・裁判集民事154号57頁,同平成10年(行ツ)第69号,第70号同14年9月12日第一小法廷判決・民集56巻7号1481頁参照,また,当該普通地方公共団体の一般住民)が相当の注意力をもって調査したときに客観的にみて上記の程度に当該行為の存在又は内容を知ることができなくても,監査請求をした者が上記の程度に当該行為の存在及び内容を知ることができたと解される場合には,上記正当な理由の有無は,そのように解される時から相当な期間内に監査請求をしたかどうかによって判断すべきものである(最高裁判所平成10年(行ツ)第86号同14年10月15日第三-- 小法廷判決・裁判所時報1325号339頁参照。 )これを本件について検討すると,本件監査請求は,本件負担金の額が保育士8名の人件費を基準に算出されたものであったのに対して,実際に派遣された保育士が4名であったことから,本件協定の締結及び本件負担金の支出が違法であることを主張するものであるから,函館市の住民は,本件移管に当たり本件保育園に実際に派遣されていた保育士が4名であったことを知らなければ,本件協定の締結及び本件負担金前払金の支出について監査請求を行うことができなかったとい,,えるから本件協定の締結及び本件負担金前払金の支出の各時点では函館市の住民が相当の注意力をもって調査を尽くしても客観的にみて監査請求をするに足りる程度に当該行為の存在又は内容を知ることができなかったといえる。 しかし,上記(1)によれば,原告Fは,平成17年8 館市の住民が相当の注意力をもって調査を尽くしても客観的にみて監査請求をするに足りる程度に当該行為の存在又は内容を知ることができなかったといえる。 しかし,上記(1)によれば,原告Fは,平成17年8月29日には公文書公開請求の方法によって本件協定に係る協定書を閲覧することができたこと,同年9月22日までに複数回公開された市議会の委員会において本件負担金の算定根拠と本件保育園に派遣されていた保育士が4名であったこととの関係について質疑応答が行われ,原告EやDもこれを傍聴していたことが認められる。 そうすると,原告らを含む本件請求人らはもとより,函館市の住民も,相当の注意力をもって調査すれば,遅くとも同日の時点では,本件協定の内容,本件負担金の算出根拠及び本件移管に当たり1日4名の保育士が派遣されていたことを知ることができたといえるから,遅くとも同日の時点で,相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて監査請求をするに足りる程度に本件協定の締結及び本件負担金前払金の支出の存在及び内容を知ることができたものと認められる。 しかるに,前記第2の1(5)のとおり,原告らを含む本件請求人-- らは,相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて監査請求をするに足りる程度に本件協定の締結及び本件負担金前払金の支出の存在及び内容を知ることができた平成17年9月22日から6か月余り(187日)後の平成18年3月28日に本件監査請求を行っているが,住民監査請求において提出が要求される「証する書面(地方自治法」242条1項)については,特段の要件は定められておらず,監査請求の対象となる行為を具体的に記載すれば足り,厳密な違法性の立証まで要求されているわけではないことに照らすと,本件監査請求が平成17年9月22日から相当な期間内にされたものと解すること らず,監査請求の対象となる行為を具体的に記載すれば足り,厳密な違法性の立証まで要求されているわけではないことに照らすと,本件監査請求が平成17年9月22日から相当な期間内にされたものと解することはできないというべきである。 ウしたがって,本件協定の締結及び本件負担金前払金の支出に係る部分について「正当な理由」があると認めることはできない。 (3)この点,原告らは,本件監査請求は適法な監査として受理されているから,本訴は適法である旨主張するが,監査委員が監査請求期間を徒過した監査請求について誤ってこれを受理し,監査を行ったとしても,そのことによって監査請求及びこれに続く住民訴訟が適法となるものではないと解すべきであるから(最高裁判所昭和62年(行ツ)第76号同63年4月22日第二小法廷判決・裁判集民事154号57頁参照,)原告らの上記主張は採用できない。 (4)したがって,本訴のうち本件協定の締結及び本件負担金前払金の支出の各行為の違法性を理由とする各部分については,適法な住民監査請求の前置を経ておらず,不適法である。 (5)以上のとおりであるから,以下,本件負担金残金の支出の違法性に必要な限度で判断する。 ()() 争点 2ア本件負担金の支出が違法か否か並びに損害の発生及びその額について-- (1)証拠(甲2,乙6,10,13,丙2,3,7ないし15〔枝番のあるものは枝番も含む,証人M,証人N及び弁論の全趣旨によれば,。〕次の事実が認められる。 ア平成16年9月21日開催の同年第3回函館市議会定例会において,当時の福祉部長は,本件負担金の趣旨につき,本件保育園の民営化により保育士が全員入れ替わることによる児童に対する影響への不安を軽減するため,移管先の法人から一定期間保育士を派遣し,円滑な引継ぎを ,当時の福祉部長は,本件負担金の趣旨につき,本件保育園の民営化により保育士が全員入れ替わることによる児童に対する影響への不安を軽減するため,移管先の法人から一定期間保育士を派遣し,円滑な引継ぎを行うための経費であると説明していた。 イ平成17年1月当時,本件保育園には8名の正職員の保育士がいたが,本件移管により,同年4月1日以降,被告補助参加人の保育士8名が本件保育園の担任保育士を務めることになった。 それを踏まえて,函館市福祉部では,被告補助参加人が雇用する8名の臨時保育士の人件費として本件負担金の額を積算した。当初,本件補正予算に係る予算要求の時点では,負担金の額は,同年1月7日から同年3月31日までのうち勤務日である70日間の保育士8名の賃金,交通費及び冬期加給金の合計364万7040円,同保育士8名の社会保険料及び雇用保険料合計46万4256円の合計411万1296円と算定されていたが,その後,本件移管の開始日が同年1月11日に変更されたことから,本件負担金の額は405万3648円に減額された。 ウ函館市及び被告補助参加人は,当初,被告補助参加人の設置経営する保育所函館高砂保育園(以下「高砂保育園」という)から本件保。 育園に,本件移管後に担任保育士となる8名の保育士を一度に派遣することを想定していたが,本件保育園側から,一度に8名の保育士が派遣された場合には,本件保育園の園児が動揺し,悪影響が生じると伝えられたため,函館市は,平成16年12月10日,一度に8名で-- ,,はなく4名ずつ交替で保育士を派遣してもらうことに決定しその旨被告補助参加人に伝えた。 エ函館市では,一度に派遣する保育士の数が4名となったことを受けて,本件負担金の額を減額することも検討したが,高砂保育園において本件保育園に交替で派遣す とに決定しその旨被告補助参加人に伝えた。 エ函館市では,一度に派遣する保育士の数が4名となったことを受けて,本件負担金の額を減額することも検討したが,高砂保育園において本件保育園に交替で派遣する4名の保育士に対応する人数分のみ保育士を雇用するとすれば,高砂保育園の担任保育士が日ごとに変わることになってしまい,同保育園の保育に支障を来すことから,本件保育園に一度に派遣される保育士の数にかかわらず,高砂保育園では8名の保育士を雇用する必要があり,また,派遣される保育士は,実際に本件保育園に派遣されていない日においても本件保育園の引継業務に従事するため,高砂保育園の保育に専念するわけでもないという理由により,本件負担金の額を変更しなかった。 オ一般的に,保育所においては,担任保育士が日ごとに変わると安定した保育を行うことができず,園児に心理的な不安定を招くことになりかねないため,安定した保育業務のためには,担任保育士をクラスに固定する必要がある。 カ被告補助参加人の保育士であるO1,O2,O3,O4,O5,O6,O7及びO8の8名(以下「本件派遣保育士」という)は,平。 成17年1月11日から同年3月31日の間,別紙2「桔梗保育園共同保育勤務実績表」記載のとおり,本件保育園に派遣され,引継業務を行った。 キ本件派遣保育士は,平成17年1月11日から同年3月31日の間のうち本件保育園に派遣されず,従前から勤務していた高砂保育園で勤務していた日には,同保育園において,別紙3「派遣保育士の高砂保育園での関連業務(1/11~3/31」記載の業務を行ってい)た。 -- ク(ア)被告補助参加人は,P1との間で,平成17年1月11日,同人を高砂保育園の保育士臨時職員として,同日から同年3月30日までの期間,雇用するとの契約を締結 を行ってい)た。 -- ク(ア)被告補助参加人は,P1との間で,平成17年1月11日,同人を高砂保育園の保育士臨時職員として,同日から同年3月30日までの期間,雇用するとの契約を締結した。 (イ)被告補助参加人は,P2との間で,同年1月11日,同人を高砂保育園の保育士臨時職員として,同日から同年3月30日までの期間,雇用するとの契約を締結した。 (ウ)被告補助参加人は,P3との間で,同年1月11日,同人を高砂保育園の保育士臨時職員として,同月6日から同年3月31日までの期間,雇用するとの契約を締結した。 (エ)被告補助参加人は,P4との間で,同年1月11日,同人を高砂保育園の保育士臨時職員として,同日から同年3月30日までの期間,雇用するとの契約を締結した。 (オ)被告補助参加人は,P5との間で,同年1月8日,同人を本件保育園との共同保育に伴う代替保育士として,高砂保育園の臨時保育士の業務に従事させるため,同月11日から同年3月31日までの期間,雇用するとの契約を締結した。 なお,同人は,同契約の直前まで高砂保育園の臨時保育士であった。 (カ)被告補助参加人は,P6との間で,同年1月8日,同人を本件保育園との共同保育に伴う代替保育士として,高砂保育園の保育士パートの業務に従事させるため,同月11日から同年3月31日までの期間,雇用するとの契約を締結した。 なお,同人は,同契約の直前まで高砂保育園の保育士パートであった。 (キ)被告補助参加人は,P7との間で,同年1月8日,同人を本件保育園との共同保育に伴う代替保育士として,高砂保育園の-- 保育士パートの業務に従事させるため,同月11日から同年3月31日までの期間,雇用するとの契約を締結した。 なお,同人は,同契約の直前まで高砂保育園の保育士パートであ て,高砂保育園の-- 保育士パートの業務に従事させるため,同月11日から同年3月31日までの期間,雇用するとの契約を締結した。 なお,同人は,同契約の直前まで高砂保育園の保育士パートであった。 (ク)被告補助参加人は,P8との間で,平成17年2月10日,同人を高砂保育園の保育士臨時職員として,同日から同年3月19日までの期間,雇用するとの契約を締結した。 (ケ)被告補助参加人は,P9との間で,同年2月28日,同人を被告補助参加人が受託経営を行う函館市松陰保育園(以下「松陰保育園」という)の保育士臨時職員として,同年3月1日。 から同月31日までの期間,雇用するとの契約を締結し,同人は,共同保育の期間中,松陰保育園ではなく高砂保育園で勤務していた。 なお,同人は,同契約の直前まで松陰保育園の保育士臨時職員であった。 ()()()(「」コ上記アないしウの各保育士以下本件代替保育士という)は,被告補助参加人において,本件派遣保育士の代。 替保育士として業務を行った。 ケ被告補助参加人は,別紙4「函館桔梗保育園の共同保育にかかる経費実績」記載のとおり経費を支出した。 (2)本件協定3条の「引継ぎに要する費用」について本件協定3条の「引継ぎに要する費用」とは,本件移管に伴って,直接的,間接的に生じる経費と解するのが相当である。 この点について,原告らは,本件負担金の額は,被告補助参加人の保育士8名が本件保育園への派遣保育士として常時稼働することを前提として算定されたものであるから,上記「引継ぎに要する費用」とは,専任の派-- 遣保育士8名の人件費であると解するべきであり,その支出もその解釈に拘束されると主張する。 しかし,本件負担金の額の予算要求の段階での算定根拠がその後の支出を拘束する 」とは,専任の派-- 遣保育士8名の人件費であると解するべきであり,その支出もその解釈に拘束されると主張する。 しかし,本件負担金の額の予算要求の段階での算定根拠がその後の支出を拘束すると解することはできない。すなわち,前記(1)イ及びエのとおり,本件負担金の額が保育士8名の人件費を積算して算定されたのは,本件移管後の本件保育園において担任保育士として勤務する保育士が8名であり,その8名について本件移管に係る引継業務を行う必要が生じていたところ,函館市と被告補助参加人は,高砂保育園の保育士8名を上記引継業務に充てることにしていたことから,被告補助参加人において,当該8名の保育士の業務を代替して行う保育士を雇用することが必要になり,それに伴って人件費も発生すると考えられたためにすぎず,本件保育園に派遣される保育士8名分の人件費として本件負担金の額を定めたものとは認められないから,原告らの上記主張は,その前提を欠くものといわざるを得ない。もとより,本件負担金は,上記引継業務を行う保育士が8名であることを前提に算定されているが,本件協定3条は単に「引継ぎに要する費用」と定めるのみで,専任の派遣保育士8名分の人件費の実費弁償として支給するなどとは規定されていないから,本件負担金は定額として支給されたものと解され,予算作成に当たり用いられた積算により同条の解釈が拘束されると解すべき合理的な理由はない。したがって,同条の解釈として,専任の派遣保育士8名を派遣しなければならないとか,派遣保育士8名分の人件費として本件負担金を支出しなければならないといった法,,的な拘束力が生じるものと解することはできず本件移管に伴って直接的間接的に生じた経費と比較して,本件負担金の額が高額にすぎるとか本件負担金の額に見合った引継業務が実際に行われて いといった法,,的な拘束力が生じるものと解することはできず本件移管に伴って直接的間接的に生じた経費と比較して,本件負担金の額が高額にすぎるとか本件負担金の額に見合った引継業務が実際に行われていなかった場合などの本件協定書3条の趣旨に反する特段の事情がない限り,本件負担金の支出が違法になることはないというべきである。 -- (3)本件負担金残金の支出の違法性についてアそこで,上記(2)の基準に照らし本件負担金残金の支出の違法性について検討すると,本件負担金の総額は405万3648円であるところ,前記(1)ケのとおり,被告補助参加人は,本件移管に伴う引継業務の経費412万1095円を実際に支出しており,この経費はいずれも本件移管に伴って直接的,間接的に生じた経費と評価することができるから,本件負担金の額が高額にすぎるとはいえない。また,本件移管に当たって,本件負担金の額に見合った引継業務が実際に行われなかったことを認めるに足りる証拠はなく,かえって,前記(1)カ及びキのとおり,本件保育園及び高砂保育園において本件移管に必要な引継業務が行われていることは明らかである。 したがって,本件では,上記特段の事情は認められないから,本件負担金残金の支出に違法な点はない。 イアこの点原告らは本件派遣保育士が高砂保育園で業務を行っ(),,ていた場合には,本件負担金をその人件費に充てることは許されないと主張するが,そもそも,前記(2)のとおり,本件負,担金は本件派遣保育士の人件費に充てられたものではないから。 ,()原告らの上記主張も失当であるというほかないまた前記1キのとおり,本件派遣保育士は高砂保育園においても本件移管に係る引継業務を行っており,高砂保育園の保育業務に専念することができる状態にはなかったため らの上記主張も失当であるというほかないまた前記1キのとおり,本件派遣保育士は高砂保育園においても本件移管に係る引継業務を行っており,高砂保育園の保育業務に専念することができる状態にはなかったため,本件代替保育士を雇用する必要があったものと認められるから,本件派遣保育士が本件保育園に派遣されない日があるからといって,直ちに本件負担金の支出が違法になるとはいえない。 加えて,本件派遣保育士が高砂保育園で業務を行っていた際に本件移管に係る引継業務ではなく高砂保育園の業務を行っ,,-- ていたとしても,それは従前まで高砂保育園に勤務していた保育士が本件移管に係る引継業務に従事する以上やむを得ない部分もあり,それによって引継業務に支障が生じたということもうかがわれないから本件派遣保育士が高砂保育園の業務を行っ,,。 たからといって本件負担金の支出が違法になるとはいえない(イ)また,原告らは,本件負担金残金を支出する時点では,本件移管の際に本件保育園に派遣する保育士は1日4名で足りたことが判明していたのであるから,本件保育園に専任の保育士を8名派遣することを前提に算出された本件負担金はあまりに高額であるにもかかわらず,漫然と本件負担金残金を支出したのは違法である旨主張する。 しかし,前記(1)イ,ウ及びオのとおり,函館市と被告補助参加人は,本件移管後の本件保育園において,被告補助参加人の保育士8名がそれぞれ担任保育士を務めることが予定され,,ていたことから本件派遣保育士の数を8名としたものであり担任保育士を固定すること自体は,安定した保育業務を行うために必要であると解されるところ,その後,函館市と被告補助参加人は,本件保育園から,一度に8名の保育士を派遣されると園児に悪影響が生じると伝えられたことを受けて,週 自体は,安定した保育業務を行うために必要であると解されるところ,その後,函館市と被告補助参加人は,本件保育園から,一度に8名の保育士を派遣されると園児に悪影響が生じると伝えられたことを受けて,週ごとに4名ずつ交替で保育士を派遣することにしたものであって,それによって上記の担任保育士全体の数を減少させたわけではないのであるから,本件保育園に派遣する保育士が4名で足りたなどといえないことは明らかである。したがって,この点に関する原告らの主張も失当である。 (ウ)さらに,原告らは,本件移管に係る引継業務が不十分であった旨主張する。確かに,函館市福祉部子育て推進課が作成した-- 「民営化後の桔梗保育園の検証について」と題する書面(乙23)によれば,本件移管について,本件移管後の本件保育園の保護者等から,朝,保育園の玄関に保育士がいないことや保育士がリズム体操の理念を理解していないと思われること等が指摘されていることが認められるが,一方で,保育士はとても明るく対応してくれており,リズム運動のピアノも子どもが動きやすいようになってきているなどの意見も寄せられており,検証のまとめとして,移管当初は,コミュニケーション不足や保育の方法の細部で戸惑う場面もあったが,時の経過とともに,保育士が一生懸命取り組んでいる姿勢が保護者にも伝わり,保護者・保育士間に信頼関係が築かれてきていると総括されているところであり,上記書面(乙23)によっても引継業務が不十分であったとはいえず,その他,本件全証拠を精査しても,本件移管後の本件保育園の基本的な運営に支障があることをうかがわせる事情は認められないから,本件移管に係る引継業務が本件負担金の支出を違法とする程度にまで不十分であったとは認められない。 (エ)最後に,原告らは,被告補助参加人が代替 支障があることをうかがわせる事情は認められないから,本件移管に係る引継業務が本件負担金の支出を違法とする程度にまで不十分であったとは認められない。 (エ)最後に,原告らは,被告補助参加人が代替保育士として雇用契約を締結した保育士のうち従前から被告補助参加人と雇用契約を締結していた者の人件費については「引継ぎに要する費,用」には当たらず,本件負担金を上記人件費に充てるべきではないとも主張する。 確かに,上記のような再雇用者については,本件移管に伴う引継ぎがなかった場合でも雇用を継続していた可能性が高いと考えられるが(証人N,前記(1)クのとおり,被告補助参)加人においては,本件移管に係る引継業務を行う保育士として-- 本件派遣保育士を本件保育園に派遣することが必要になったため,本件保育園における引継業務とは別に,高砂保育園においても,本件派遣保育士の保育業務を代替する代替保育士が必要であり,実際に再雇用者を含む本件代替保育士は被告補助参加人と雇用契約を締結した上,上記保育業務に加えて本件派遣保育士との間で新たに引継業務を行ったものであるから,その業務のための経費も本件移管に伴って直接的,間接的に生じた経費ということができる。したがって,本件代替保育士の一部が新たに被告補助参加人に雇用されたものではなかったからといって,それだけで本件代替保育士の人件費が「引継ぎに要する費用」に当たらないとはいえないというべきである。 ウ以上によれば,本件負担金残金の支出について,違法性は認められない。 よって,その余の点について判断するまでもなく,原告らの請求はいずれも理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 函館地方裁判所民事部東海林保裁判長裁判官吉戒純一裁判官宮﨑純一郎裁判官 るまでもなく,原告らの請求はいずれも理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 函館地方裁判所民事部東海林保裁判長裁判官吉戒純一裁判官宮﨑純一郎裁判官
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