平成12年(行ケ)第477号特許取消決定取消請求事件(平成13年10月4日口頭弁論終結)判決原告三菱電機株式会社訴訟代理人弁理士高瀬彌平被告特許庁長官及川耕造指定代理人辻徹二同高橋美実同大野覚美同茂木静代 主文 特許庁が平成11年異議第74781号事件について平成12年10月19日にした決定を取り消す。 訴訟費用は各自の負担とする。 事実 第1 請求主文第1項と同旨第2 前提となる事実 1 特許庁における手続の経緯(1) 原告は、発明の名称を「投影露光装置及び半導体装置の製造方法」とする特許第2908100号の発明(平成4年2月13日特許出願、平成11年4月2日設定登録。以下「本件発明」という。)の特許権者である。 本件発明に対して、平成11年12月17日、特許異議の申立てがされ、同申立ては平成11年異議第74781号事件として特許庁に係属したところ、原告は、平成12年4月20日に本件発明に係る明細書(以下「本件明細書」という。)の特許請求の範囲を訂正する旨の訂正請求をした。 特許庁は、同事件を審理した上、平成12年10月19日、「特許第2908100号の請求項1、2に係る特許を取り消す。」との決定(以下「本件決定」という。別紙1決定書の写 正する旨の訂正請求をした。 特許庁は、同事件を審理した上、平成12年10月19日、「特許第2908100号の請求項1、2に係る特許を取り消す。」との決定(以下「本件決定」という。別紙1決定書の写し参照)をし、その謄本は、同年11月15日、原告に送達された。 (2) 原告は、本訴提起後の平成13年1月25日、本件明細書の特許請求の範囲及び発明の詳細な説明の記載を特許請求の範囲の減縮等を目的として訂正する訂正審判の請求をしたところ、特許庁は、同請求を訂正2001-39012号事件として審理した上、平成13年8月17日、上記訂正を認める旨の審決(以下「本件訂正審決」という。別紙2審決書の写し参照)をし、その謄本は、同月29日、原告に送達され、本件訂正審決は確定した。 2 本件明細書の特許請求の範囲の記載(1) 本件訂正審決による訂正前の特許請求の範囲の記載請求項1「光源と、前記光源から発した光を回路パターンが形成されたマスク上に照射させる集光レンズと、マスクを通過した光をウエハ表面に集光させる投影レンズと、前記光源と前記集光レンズとの間に配置されると共に前記光源から発した光を成形するための透過領域とこの透過領域内の中央部に形成された遮光領域とを有するアパーチャー部材とを備え、前記アパーチャー部材の透過領域の外径を前記投影レンズの瞳径に対する有効光源の外径の比σが0.6±0.3となるように設定すると共に有効光源の外径により決定される面積に対する有効光源内部の遮光領域の面積の比により定義される遮光率を60±35%とし、有効光源及び遮光領域が共に円形である場合には、上記遮光率を45~95%とすることを特徴とする投影露光装置。」請求項2「請求項1に記載の投影露光装置を用いてウエハへの回路パターンの焼き付けを行うことを特徴 遮光領域が共に円形である場合には、上記遮光率を45~95%とすることを特徴とする投影露光装置。」請求項2「請求項1に記載の投影露光装置を用いてウエハへの回路パターンの焼き付けを行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。」(2) 本件訂正審決による訂正後の特許請求の範囲の記載(下線部が訂正箇所である。)請求項1「光源と、前記光源から発した光を回路パターンが形成されたマスク上に照射させる集光レンズと、マスクを通過した光をウエハ表面に集光させる投影レンズと、前記光源と前記集光レンズとの間に配置されると共に前記光源から発した光を成形するための透過領域とこの透過領域内の中央部に形成された遮光領域とを有するアパーチャー部材とを備え、有効光源が円形であってかつ遮光領域が円形でない場合には、前記アパーチャー部材の透過領域の外径を前記投影レンズの瞳径に対する有効光源の外径の比σが0.6±0.3となるように設定すると共に有効光源の外径により決定される面積に対する有効光源内部の遮光領域の面積の比により定義される遮光率を60±35%とし、有効光源及び遮光領域が共に円形である場合には、上記σが0.6となるように設定すると共に上記遮光率を64%とすることを特徴とする投影露光装置。」請求項2「請求項1に記載の投影露光装置を用いてウエハへの回路パターンの焼き付けを行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。」 3 本件決定の理由の要旨別紙1決定書の写しのとおり、本件決定は、上記1(1)の原告の平成12年4月20日付けの訂正請求は認められないとして、本件発明の要旨を上記2(1)の本件訂正審決による訂正前の特許請求の範囲に記載のとおりと認定した上で、請求項1の本件発明は、本件発明の特許出願前に頒布された刊行物(1991年(平成3年)秋季 して、本件発明の要旨を上記2(1)の本件訂正審決による訂正前の特許請求の範囲に記載のとおりと認定した上で、請求項1の本件発明は、本件発明の特許出願前に頒布された刊行物(1991年(平成3年)秋季「第52回応用物理学会学術講演会」講演予稿集№2の601頁下から13行ないし末行)に記載された発明と同一であり、請求項2の本件発明は、上記刊行物に記載された発明と実質的に同一であるから、本件発明は、特許法29条1項3号の規定に該当し、取り消されるべきであるとした。 第3 当事者の主張の要点 1 原告上記1(2)のとおり、原告の平成13年1月25日付けの訂正審判請求に対してされた本件訂正審決による訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、本件発明の特許を取り消した本件決定の取消しを目的とする本件訴訟の係属中に、本件発明について特許請求の範囲の減縮を目的とする本件訂正審決が確定した。 そこで、本件決定が本件発明の要旨を上記2(1)の本件訂正審決による訂正前の特許請求の範囲に記載のとおりと認定したことは誤りに帰し、この瑕疵は違法であるから、本件決定は取り消されなければならない。 2 被告原告主張のとおり、本件発明について本件訂正審決が確定したことは認める。 理由 1 本件訂正審決の確定により本件発明について特許請求の範囲が前記のとおり訂正されたことは当事者間に争いがなく、この訂正によって本件発明について特許請求の範囲が減縮されたことは明らかである。 そうすると、本件決定が本件発明の要旨を本件訂正審決による訂正前の特許請求の範囲に記載のとおりと認定したことは、結果的に誤りがあることになり、この誤りは本件決定の結論に影響を及ぼすものとして違法であるから、本件決定は取消しを免れない。 2 よって、原告の本訴請 特許請求の範囲に記載のとおりと認定したことは、結果的に誤りがあることになり、この誤りは本件決定の結論に影響を及ぼすものとして違法であるから、本件決定は取消しを免れない。 2 よって、原告の本訴請求は理由があるからこれを認容し、訴訟費用の負担につき、行政事件訴訟法7条、民事訴訟法62条を適用して、主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第18民事部裁判長裁判官永井紀昭裁判官塩月秀平裁判官橋本英史別紙1 (本件決定書、甲第1号証)別紙2 (訂正審判の審決書、甲第4号証)
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