令和6(わ)108 土地改良法違反被告事件

裁判年月日・裁判所
令和6年7月17日 高松地方裁判所
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判決文本文2,495 文字)

- 1 - 主文 被告人Aを懲役2年に、被告人Bを懲役10月に処する。 この裁判が確定した日から、被告人Aに対し4年間、被告人Bに対し3年間、それぞれその刑の執行を猶予する。 被告人Aから203万円を追徴する。 理由 (罪となるべき事実)被告人Aは、C土地改良区の理事長として、法令、定款及び規約等を遵守し、同土地改良区のため忠実にその職務を遂行する法令上の義務を負い、同土地改良区が発注する工事につき適正な競争入札の方法によらずに受注業者を選定するなど同土地改良区規約違反の行為があることを把握したのであれば、これを是正すべき職務に従事していたもの、被告人Bは、土木工事等を営む株式会社Dの代表取締役を務めていたものであるが第1 被告人Aは、C土地改良区が令和2年度及び令和3年度中に指名競争入札の方法で発注する見込みの工事につき、Dが入札書を同土地改良区に提出する前に同土地改良区事務局長Eが被告人Bに対して落札可能な価格を教示するなどの不正な取り計らいをすることを是正せずに黙認してもらいたいとの趣旨の下に供与されるものであることを知りながら、令和2年9月19日、高松市(住所省略)F店南側農道において、被告人Bとの間で、同月24日までに現金150万円を被告人Bから収受すること及び令和3年度中に同土地改良区がDに発注する全工事の請負代金の3パーセントに相当する現金を被告人Bから収受することを約束し、同月23日、高松市(住所省略)所在の被告人A方において、被告人Bから、同約束に基づき、前記趣旨の下に供与されるものであることを知りながら、現金150万円の供与を受け、よって、別紙(添付省略)記載の6工事につき、それぞれ、Dが入札書を同土地改良区に提出する前にEが被告人Bに対して落札可能な価格を教示 されるものであることを知りながら、現金150万円の供与を受け、よって、別紙(添付省略)記載の6工事につき、それぞれ、Dが入札書を同土地改良区に提出する前にEが被告人Bに対して落札可能な価格を教示するなどの不正な取り計らいをするこ- 2 -とを是正せずに黙認し、令和4年4月6日、前記F店南側農道において、被告人Bから、前記約束等に基づき(ただし、令和3年12月28日、供与する現金を全工事請負代金の2パーセントに変更)、前記趣旨の下に供与されるものであることを知りながら、現金53万円の供与を受け、もって自己の職務に関して賄ろの収受を約束、収受して職務上相当な行為をせず、自己の職務に関して賄ろを収受した第2 被告人Bは、令和2年9月19日、前記F店南側農道において、被告人Aとの間で、C土地改良区が令和3年度中に指名競争入札の方法で発注する見込みの工事につき、Dが入札書を同土地改良区に提出する前に同土地改良区事務局長Eが被告人Bに対して落札可能な価格を教示するなどの不正な取り計らいをすることを是正せずに黙認してもらいたいとの趣旨の下に、令和3年度中に同土地改良区がDに発注する全工事の請負代金の3パーセントに相当する現金を被告人Aに供与することを約束し、令和4年4月6日、前記F店南側農道において、被告人Aに対し、同約束等に基づき(ただし、令和3年12月28日、供与する現金を全工事請負代金の2パーセントに変更)、前記趣旨の下に現金53万円を供与し、もって被告人Aの前記職務に関してわいろの供与を約束するとともにこれを供与した。 (証拠の標目)(略)(法令の適用)(略)(量刑の理由)被告人Aは、判示のとおり、土地改良区の理事長の職にあったが、その土地改良区が発注する工事に関し、落札可能な価格を教示するなどの不正な取り計 (略)(法令の適用)(略)(量刑の理由)被告人Aは、判示のとおり、土地改良区の理事長の職にあったが、その土地改良区が発注する工事に関し、落札可能な価格を教示するなどの不正な取り計らいをすることを是正せずに黙認することへの謝礼の趣旨で、土木工事等を営む会社の代表者であった被告人Bから、合計203万円の現金を賄ろとして収受することを約束- 3 -して現に収受し、職務上相当な行為をしなかった。公共性の高い土地改良区に係る工事の公正を著しく損なう悪質な犯行である。被告人Aは、当時、市議会議員の立場にもあり、土地改良区理事長として、公益のために尽くさなければならない立場にあったにもかかわらず、私益のために、高額の賄ろを現に収受して、相当な行為をしなかった。厳しく非難されるべきであり、その刑事責任は重い。他方、被告人Aは、罪を認めて、公職を全て辞するなど、反省の態度を示したこと、古い過失犯に係る罰金前科3犯のほか前科がないこと、妻が監督を誓ったこと、その他被告人Aの体調等、被告人Aのために酌むことができる事情が認められる。そこで、被告人Aを主文の刑に処するが、その刑の執行を猶予するのが相当と判断した。 被告人Bは、経営する会社の利益を上げるために、上記の趣旨で、起訴された分だけでも現金53万円のわいろの供与を約束し現に供与したものであり、利欲的で悪質な犯行である。その刑事責任は、相応に重いというべきであるが、被告人Bが、罪を認めて、経営から退くなど、反省の態度を示したこと、古い交通罰金前科1犯のほか前科がないこと、代表者を引き継いだ弟が不正防止体制を構築するとともに、今後被告人Bを見守ることを誓ったこと、その他被告人Bの体調等、被告人Bのために酌むことができる事情を考慮し、被告人Bを主文の刑に処するが、その刑の執行を猶予す 弟が不正防止体制を構築するとともに、今後被告人Bを見守ることを誓ったこと、その他被告人Bの体調等、被告人Bのために酌むことができる事情を考慮し、被告人Bを主文の刑に処するが、その刑の執行を猶予するのが相当と判断した。 (求刑被告人Aにつき懲役2年及び主文同旨の追徴、被告人Bにつき懲役10月)令和6年7月17日高松地方裁判所刑事部 裁判長裁判官深野英一 裁判官池内継史- 4 - 裁判官安部祐希

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