令和1(ネ)10080 損害賠償請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
令和2年6月30日 知的財産高等裁判所 3部 判決 控訴棄却 東京地方裁判所 令和1(ワ)17128
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令和2年6月30日判決言渡令和元年(ネ)第10080号損害賠償請求控訴事件(原審東京地方裁判所令和元年(ワ)第17128号)口頭弁論終結の日令和2年3月3日判決 控訴人特定非営利活動法人楽市楽画 被控訴人第一生命保険株式会社(以下「被控訴人会社」という。) 被控訴人 Y2上記両名訴訟代理人弁護士矢作健太郎和田一雄片山利弘星野俊之 主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実 及び理由第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人らは,控訴人に対し,連帯して60万円を支払え。 第2 事案の概要等(略称は原判決のそれに従う。) 1 本件は,控訴人が,被控訴人らにおいて,共同して,①控訴人の開発した保険商品の形態を模倣した保険商品を販売して,不競法2条1項3号の不正競争を行った,②控訴人の開発した保険商品に係る控訴人の営業秘密を不正に取得し,これを使用して保険商品を開発,販売して,不競法2条1項4号の不正競争を行った,③これらの行為などにより,控訴人の業務を妨害したと主張して,被控訴人らに対し,上記①及び②につき不競法4条に基づき,上記③につき民法709条に基づき,連帯して,損害金60万円の支払を求める事案である。上記①ないし③に係る各請求は選択的なものである。 2 原判決は,控訴人の請求をいずれも棄却したため,これを不服とする控訴人が控訴した。 3 前提事実前提事実は,原判決「事実及び理由 案である。上記①ないし③に係る各請求は選択的なものである。 2 原判決は,控訴人の請求をいずれも棄却したため,これを不服とする控訴人が控訴した。 3 前提事実前提事実は,原判決「事実及び理由」第2の2(原判決1頁22行目から2頁2行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 4 当事者の主張本件における当事者の主張は,後記5のとおり当審における補充主張を付加するほかは,原判決「事実及び理由」第3(原判決2頁3行目から4頁9行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 5 当審における補充主張(控訴人の主張)(1) 請求①(商品形態模倣)について商品の形態については,知覚による認識のみを重視するのではなく,知覚によってその効用を認識することを重視して解釈すべきである。 控訴人の「健康増進保険」は,健康アップの「効用を体感」し,その後,掛け金が安くなった,行動変容につながった,過去の健康関連データも閲覧できる,と「知覚」を一歩進んで「体感」する仕掛けである。「内容」には「効用」が含まれ,「知覚によって認識できる」も含まれるべきである。さ らに,形状には「機能」も含まれるべきである。 (2) 請求②(営業秘密不正取得,使用)について保険は極めて広範な技術的要素を含み,どの部分が営業秘密であるとの特定は難しい。 認可商品である保険においては,普通保険約款,算出方法書がエッセンスであり営業秘密の根幹であり,控訴人は,商品概要書,普通保険約款,算出方法書,数理概要書,指標_ポイント付与(割引システム)の指標,指標_割引のマトリクス表に使用する指標項目案の作成,システム仕様書及びMYPAGE登録機能マニュアル(甲10)については経産省(NTTデータ)以外に開示していない。 ( 引システム)の指標,指標_割引のマトリクス表に使用する指標項目案の作成,システム仕様書及びMYPAGE登録機能マニュアル(甲10)については経産省(NTTデータ)以外に開示していない。 (3) 請求③(業務妨害)について被控訴人らが,非公開の情報を窃取し,模倣したことは明白である。 また,被控訴人らは,健康少額社と被控訴人会社は関わりのない別法人であると主張したが,被控訴人会社グループのプレスリリース(甲11)には,健康少額社が被控訴人会社のグループ会社であることが記載されている。 (被控訴人らの主張)(1) 請求①(商品形態模倣)について商品のコンセプト及び内容は「商品の形態」に当たらない。 (2) 請求②(営業秘密不正取得,使用)について控訴人は,被控訴人らの窃取等の具体的な行為態様の主張すらしない。 (3) 請求③(業務妨害)についてプレスリリース(甲11)に,健康少額社が被控訴人会社のグループ会社であることは記載されていない。 第3 当裁判所の判断当裁判所も,控訴人の請求はいずれも棄却されるべきものであると判断する。その理由は,次のとおり補正するほかは,原判決「事実及び理由」第4 (原判決4頁10行目から6頁8行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 ア原判決4頁22行目「きない。」の次に,「控訴人は,商品の形態については,知覚による認識のみを重視するのではなく,知覚によってその効用を認識することを重視して解釈すべきであることを主張するが,独自の見解であって採用できない。」と付加する。 イ原判決5頁16行目末尾に改行の上,次のとおり付加する。 「 控訴人は,営業秘密に関し,商品概要書,普通保険約款,算出方法書,数理概要書,指標_ポイント付 あって採用できない。」と付加する。 イ原判決5頁16行目末尾に改行の上,次のとおり付加する。 「 控訴人は,営業秘密に関し,商品概要書,普通保険約款,算出方法書,数理概要書,指標_ポイント付与(割引システム)の指標,指標_割引のマトリクス表に使用する指標項目案の作成,システム仕様書,MYPAGE登録機能マニュアル(甲10)については一切経産省(NTTデータ)以外に開示していないとも主張するが,このうちどの部分が不競法にいう「営業秘密」に該当するのかが明らかではない上,不正取得行為の内容も明らかではない。なお,控訴人の主張する事実経過(原判決の第3の1(1))を考慮しても,被控訴人らにおいて不競法2条1項4号の不正競争行為に及んだことが推認されるものではない。」第4 結論以上によれば,控訴人の請求はいずれも理由がないから,控訴人の請求をいずれも棄却した原判決は,相当である。 よって,本件控訴を棄却することとして,主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第3部 裁判長裁判官鶴岡稔彦 裁判官山門 優 裁判官高橋 彩

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