昭和26(あ)1762 事業者団体法違反

裁判年月日・裁判所
昭和36年12月5日 最高裁判所第三小法廷 決定 棄却 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁養人海野普吉、同坂上寿夫の上告趣意第一点について。  論旨は単なる法令違反若しくは事実誤認の主張であつて刑訴四〇五条の

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判決文本文4,048 文字)

主文 本件上告を棄却する。 理由 弁養人海野普吉、同坂上寿夫の上告趣意第一点について。 論旨は単なる法令違反若しくは事実誤認の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(原審における弁護人からの「原判示所為当時被告人等にはかような所為以外の適法行為をすることを期待することが不可能であつたから被告人等には責任がない」との主張に対し、原判決は、判示事実のほかに「Aが解散しB成立までの一時的空白時に、もしこれらに代るべき全国的機関がなかつたとすれば、全国農民の生産した主要食糧、薪炭の円滑迅速な売渡、代金受領、国民の配給受領、農村工業生産品及び農産品の委託販売、農村工業用機械機具その他の委託購入の事務、更に米麦等の供出事務に伴う単位組合、県連合会等の取得すべき取扱手数料、保管料等の受領、薪炭の買入及びこれに伴う手数料等の支払事務についても、これを県段階で処理することは農民と国民に非常な不利を伴わないで期待できたであろうか、しかも公正取引委員会の黙認があつたのである、Cは右空白時に対処するため自然発生的に生れたものである、」との旨の主張事実は証拠により大体において認められると判示しつつも、しかし原判決は以上のような情況下において他に適法行為をすることを期待することは相当困難ではあるが、不可能とまで断ずることはできないとし、総代制を徹底化し、本件行為をCの業務としないでいわゆるD機関のようなもの(原判決はD機関と同じものともいわず、また、D機関とは如何なるものかをも示さない)を設けこれをして遂行させることも可能であつたと思われる旨判示した。右にいう全国的機関がなかつたならば、全国生産農民はその生産した主要食糧、薪炭を如何にして円滑迅速に売渡し、その代金を受けえたであろうか、消費者たる国民は如何にし 可能であつたと思われる旨判示した。右にいう全国的機関がなかつたならば、全国生産農民はその生産した主要食糧、薪炭を如何にして円滑迅速に売渡し、その代金を受けえたであろうか、消費者たる国民は如何にしてこれらの円滑迅速な配給を受けえたであろうか、という問題- 1 -については、主要食糧、薪炭代金の支払は直接生産農民に対しなされるよう措置せられていたのであるし、また原判示手数料、保管料等の受領は、農業協同組合自体の収入の問題であつて直接には生産農民や国民に関係がなく、他面、現実に供出事務、保管事務等に当る者は市町村、府県等の農業協同組合自身であつてCではないのであるから、これらの点をも含めて原判決が所論の主張事実は大体において認められると判示したのは相当でない。また原判決は公正取引委員会の黙認があつたとの事実は認めていない。これらの点を除いたその余の原判決の認めた事実からは、当時被告人らには他に適法行為を期待することは不可能であつたともいえず、本件犯罪の成立が阻却されるものともいえない。事業者団体法五条一項で禁止された行為の主体も、同条二項で禁止された脱法行為の主体も、共に事業者団体に限られているのであるところ、農業協同組合法に基いて設立された団体は同法六条により同法適用除外団体として指定されているから、かりに多数の都道府県農業協同組合(同適用除外団体)が同法二条所定の結合体または連合体を結成しないで個別に他の都道府県農業協同組合(適用除外団体)に対し農民の生産した農産物に関する原判示のような契約及び集金を委任したとしても、それだけでは、委任した都道府県農業協同組合が同法五条にいう事業者団体を構成するものとはいえない。原判決のいう徹底化した総代制とは、かような受任者を委任者の総代とするものを指すと解される。原審相被告人Cは、農業協同組合法 道府県農業協同組合が同法五条にいう事業者団体を構成するものとはいえない。原判決のいう徹底化した総代制とは、かような受任者を委任者の総代とするものを指すと解される。原審相被告人Cは、農業協同組合法によらない任意団体に過ぎない(第二点説示参照)のみならず、証拠に現われた「規約」によると「協同組合の全国機関結成前の事業運営の空白時に対処するための販売事業に関する調査研究並びに情報の蒐集連絡を行い会員の事業の発達をはかり農民の福利増進に寄与することを目的とする。」とのみ定めており、C自体が経済活動をすることを何ら規定していないので、これでみると、Cが原判示のような経済活動をしないでいることが可能であることを前提として、これを目的事業としないで所定の活動のみをすることを自ら規- 2 -約で定めているのに、被告人らは原審相被告人Cの業務として、あえて事業者団体法五条の禁を犯し原判示行為をしたものといわねばならない。)同第二点について。 所論は、要するに、原審相被告人Cは実質上は事業者団体法六条の適用除外団体と目さるべきであり同協議会が形式的に同法五条に当る原判示各行為をしたとしても、零細な反法行為で実質的には法益を侵害していないから右は同法五条に当らないものであるといい、もしこれに当ると解するならば憲法二九条二項にいう公共の福祉に適合しないものであるとの旨の主張を前提として、事業者団体法五条の憲法二九条違反を主張するものであつて、所論のうち違憲の主張は単なる法令違反の主張を前提もしくは実質とするに帰し、その前提を欠き、その余の論旨は単なる法令違反の主張で、すべて上告適法の理由とならない。(E協同組合は予定の昭和二三年八月一四日までに設立されるに至らず、その間に設立された原審相被告人Cは昭和二三年八月二七日公正取引委員会に対し事業者団体法三 の主張で、すべて上告適法の理由とならない。(E協同組合は予定の昭和二三年八月一四日までに設立されるに至らず、その間に設立された原審相被告人Cは昭和二三年八月二七日公正取引委員会に対し事業者団体法三条に基く同団体としての届出をしたけれども、農業協同組合法は農業協同組合の目的、設立、役員、運営、その監督等について詳細の規定を設け、かような規定の適用される団体なればこそ事業者団体法六条一項二号が農業協同組合を同法適用除外団体として指定したのであるところ、原審相被告人Cは農業協同組合法によらないで設立された任意団体であるから、たとえその目的、会員のみが所論のとおりであるとしてもこれを農業協同組合法により設立されたものと同一視し事業者団体法上の適用除外団体と解することはできない。Cの構成員たる会員が各府県販連であつてもCの運営に当る委員役職員等の間に旧農業会時代の勢力を温存するならば、折角農業協同組合法による組織替えをした法の精神にそわず実質的に法益侵害を生ずる虞もないとはいえない。)同第三点について。 論旨は判例違反をいうが、引用の緊急避難に関する判例は事案を異にし本件に適- 3 -切でないのみならず、原審で主張なくその判断を経ていない事実誤認、単なる法令(刑法)違反の主張であるから上告適法の理由とならない。 弁護人草野豹一郎名義上告趣意第一点について。 論旨は、原審相被告人Cと被告人Fとを事業者団体法五条に該当する行為をしたものとし同法一四条三項により両罰するのは憲法三九条に違反するというけれども、原判決は被告人Fについては右一四条三項を適用していないこと判文上明白であるのみならず、被告人Fは原審相被告人Cの会員ではないからこれを処罰しても二重処罰にはならない。違憲の主張は前提を欠き、論旨はすべて採るをえない。 同第二点について。 していないこと判文上明白であるのみならず、被告人Fは原審相被告人Cの会員ではないからこれを処罰しても二重処罰にはならない。違憲の主張は前提を欠き、論旨はすべて採るをえない。 同第二点について。 論旨は判決理由のくいちがいをいう単なる法令違反の主張で刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(公正取引委員会筋の黙認は違法性阻却事由と解しえないこと原判示のとおりである。)同第三点について。 論旨は理由のくいちがい、不備の主張で刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(論旨の引用する「次にCは、実質上は事業者団体法の適用除外団体であり、少くとも被告人等において、その確信をもつていたのである。これは団体の性格如何の見方を誤まつたもので事実の錯誤である。」という部分は、論旨のいう如き原判決の説示ではなくして、原判決が被告人側の主張を引用掲記したもので、かような主張について検討する旨判示していること判文上明白である。原判決は公正取引委員会が正式に所論の認可をしたこと、被告人らが認可があつたと誤信したことを何ら認定していないのである。事業者団体法四条二項は同法五条一項各号違反の行為を公正取引委員会が認可することを禁止しているので、所論の黙認があつたとしても、これを認可の一種とはいえない。また原判決は被告人らは「単に同委員会の一、二の職員の言動から推して同委員会において本件行為を黙認し、告発手続に及ぶこと- 4 -は万なかるべしと確信していたに過ぎない」と判示するのみである。論旨引用の「被告人らにおいて公正取引委員会の黙認が違法性阻却事由であると信じてもこれは犯意を阻却しない」との旨の原判示は仮定的な無用の説示で判決に影響を及ぼさない。)記録を認べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。 よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一 意を阻却しない」との旨の原判示は仮定的な無用の説示で判決に影響を及ぼさない。)記録を認べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。 よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。 昭和三六年一二月五日最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官垂水克己裁判官河村又介裁判官高橋潔裁判官石坂修一裁判官五鬼上堅磐- 5 -

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