- 1 -主文原裁判中,鑑定留置期間について「平成28年2月3日午後2時00分まで」とあるのを「平成27年10月30日午後2時00分まで」と変更する。 理由 第1 本件準抗告の趣旨及び理由本件準抗告の趣旨及び理由は,要するに,被疑者にはそもそも鑑定の必要性がなく,鑑定を行うとしても留置する必要性はないのに,これらがあるとして本件鑑定留置を認めた原裁判は判断を誤ったものであるから,原裁判を取り消し,検察官の鑑定留置請求を却下するとの裁判を求めるというものである。 第2 当裁判所の判断 1 本件被疑事実の要旨は,被疑者が,ホテル駐車場において,女性が手に持っていた現金等をいきなりひったくり,自動車に乗って逃走しようとしたが,同女が同車前方に立ちふさがったため,逮捕を免れる目的で,同女に同車を接触させ,加療約1週間を要する傷害を負わせたというものである。 2 本件の被疑罪名に加え,被疑者が統合失調症での入通院歴を有すること,被疑者の通院先の医師が一般論としてではあるが,本件について統合失調症の影響があった可能性を否定していないことなどに照らすと,被疑者に対する適切な処分を決するにあたり,精神科医の専門的知見を徴する必要があるとの検察官の主張を容れて,鑑定留置を認めた原裁判の判断は,その限りにおいて,不当なものであったとはいえない。 もっとも,本件は,その具体的な犯行状況等のみをみると,必ずしも精神障害の影響があったと直ちにはうかがわれない事案であり,これに加えて,本件事案の内容及び被害者との示談状況等から予想される被疑者に対する処分内容をも併せ考慮すると,被疑者に対しては,まずは,短期間で実施可能な簡易な鑑定を行うなどして本格的な精神鑑定の必要性を吟味すべきであって,これ - 2 -を経ることなく,直ちに本格的 る処分内容をも併せ考慮すると,被疑者に対しては,まずは,短期間で実施可能な簡易な鑑定を行うなどして本格的な精神鑑定の必要性を吟味すべきであって,これ - 2 -を経ることなく,直ちに本格的な精神鑑定を行うことを前提とした3か月以上の期間にわたる身柄拘束を認めることは,被疑者に対して過度の負担を強いるものであって,相当性を欠くといわざるを得ない。 3 よって,本件鑑定留置請求に対し,期間を「平成27年10月16日から平成28年2月3日午後2時00分まで」として鑑定留置を認めた原裁判は,上記の限度で変更を免れず,その限度において本件準抗告は理由があるから,刑事訴訟法432条,426条2項により,主文のとおり決定する。 平成27年10月21日岐阜地方裁判所裁判長裁判官大西直樹 裁判官溝田泰之 裁判官小島武士
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