令和5(ワ)70022 商標権侵害行為等差止請求事件

裁判年月日・裁判所
令和7年1月14日 東京地方裁判所
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令和7年1月14日判決言渡同日原本領収裁判所書記官令和5年(ワ)第70022号商標権侵害行為等差止請求事件口頭弁論終結日令和6年8月23日判決 原告株式会社LegalOnTechnologies 同訴訟代理人弁護士松 尾 剛 行弓 場 浩 子 同訴訟復代理人弁護士朝倉亮太 被告リーガルフォースアールエーピーシーワールドワイド,プロフェッ ショナルコーポレーション 同訴訟代理人弁護士多田宏文 主文 1 本件訴えのうち、以下の部分をいずれも却下する。 ⑴ 契約書レビューサービスの提供に関する広告及び価格表について別紙被告標章目録記載の標章を付して電磁的方法により提供することの差止めを求める部分⑵ 別紙被告標章目録記載の標章を付したウェブサイトの削除を求める部分 ⑶ 契約書レビューサービスの提供に別紙被告商品等表示目録記載の 表示を使用することの差止めを求める部分⑷ ウェブサイトその他の広告物からの別紙被告商品等表示目録記載の表示の抹消を求める部分⑸ 被告が契約書レビューサービスの提供に関する広告及び価格表について別紙被告標章目録記載の標章を付して電磁的方法により提供 したとして損害賠償を求める部分⑹ 被告が契約書レビューサービスの提供に別紙被告商品等表示目録記載の表示を使用したとして損害賠償を求める部分⑺ 被告が令和4年6月24日にアメリカ合衆国において原告に対する訴えを提起し、その訴訟追行をしたことが不法行為に当たるとし て損害賠償を求める部分 2 原 したとして損害賠償を求める部分⑺ 被告が令和4年6月24日にアメリカ合衆国において原告に対する訴えを提起し、その訴訟追行をしたことが不法行為に当たるとし て損害賠償を求める部分 2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 被告は、契約書レビューサービスの提供に関する広告及び価格表について別紙被告標章目録記載の標章を付して電磁的方法により提供してはならない。 2 被告は、別紙被告標章目録記載の標章を付したウェブサイトを削除せよ。 3 被告は、契約書レビューサービスの提供に、別紙被告商品等表示目録記載の表示を使用してはならない。 4 被告は、ウェブサイトその他の広告物から、別紙被告商品等表示目録記載の表示を抹消せよ。 5 被告は、「legalforce.jp」のドメイン名を保有し、又は使用してはならない。 6 被告は、原告に対し、1000万円及びこれに対する令和4年9月1日から 支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。 7 被告は、原告に対し、1000万円及びこれに対する令和4年6月24日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。 第2 事案の概要等 1 事案の概要本件は、原告が、被告に対し、次に掲げる各請求(以下これらを総称して「本 件各請求」という。)をする事案である。 ⑴ 被告が、被告のウェブサイト(https://以下省略。 以下「本件被告ウェブサイト」という。)上で別紙被告標章目録記載の標章(以下「被告標章」という。)を用いることにより、原告の保有する、別紙商標権目録(1)及び(2)記載の各登録商標(以下「原告各商標」と いう。)に係る商標権 。)上で別紙被告標章目録記載の標章(以下「被告標章」という。)を用いることにより、原告の保有する、別紙商標権目録(1)及び(2)記載の各登録商標(以下「原告各商標」と いう。)に係る商標権(以下「原告各商標権」という。)が侵害されているとして、商標法36条1項に基づき、契約書レビューサービスの提供に関する広告及び価格表について被告標章を付して電磁的方法により提供することの差止めを求める(第1の1。以下「本件請求1」という。)とともに、同条2項に基づき、被告標章を付したウェブサイトの削除を求める請求(第1の2。 以下「本件請求2」という。)⑵ 別紙原告商品等表示目録記載の表示(以下「原告表示」という。)が周知、著名であることを前提に、被告が本件被告ウェブサイトにおいて契約書レビューサービスの提供に別紙被告商品等表示目録記載の表示(以下「被告表示」という。)を使用することが、不正競争防止法(以下「不競法」という。)2 条1項1号及び2号の不正競争に該当するとして、同法3条1項に基づき、契約書レビューサービスの提供に被告表示を使用することの差止めを求める(第1の3。以下「本件請求3」という。)とともに、同条2項に基づき、ウェブサイトその他の広告物からの被告表示の抹消を求める請求(第1の4。 以下「本件請求4」という。) ⑶ 被告が「legalforce.jp」のドメイン名(以下「本件ドメイ ン」という。)を使用する権利を保有し、本件ドメインを使用することが、不競法2条1項19号の不正競争に該当するとして、同法3条1項に基づき、本件ドメインを使用する権利の保有及び本件ドメインの使用の差止めを求める請求(第1の5。以下「本件請求5」という。)⑷ 前記⑴の商標権の侵害の不法行為、前記⑵の不正競争又は前記⑶ 条1項に基づき、本件ドメインを使用する権利の保有及び本件ドメインの使用の差止めを求める請求(第1の5。以下「本件請求5」という。)⑷ 前記⑴の商標権の侵害の不法行為、前記⑵の不正競争又は前記⑶の不正競 争により被告が損害を被ったとして、民法709条又は不競法4条に基づき、5247万円の損害の一部である1000万円及び遅延損害金の支払を求める請求(第1の6。以下、商標権侵害に基づく損害賠償を求める部分を「本件請求6の1」と、原告表示に係る不正競争に基づく損害賠償を求める部分を「本件請求6の2」と、本件ドメインに係る不正競争に基づく損害賠償を 求める部分を「本件請求6の3」といい、これらを総称して「本件請求6」という。)⑸ 被告が、令和4年6月24日、アメリカ合衆国(以下「米国」という。)において、原告に対し、商標の使用の差止め及び損害賠償金1億米国ドルの支払等を求める訴え(以下「本件米国訴訟」という。)を提起し、その訴訟追行 をしたことが不法行為に当たるとして、民法709条に基づき、3477万円の損害の一部である1000万円及び遅延損害金の支払を求める請求(第1の7。以下「本件請求7」という。) 2 前提事実(当事者間に争いがないか、後掲各証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実並びに当裁判所に顕著な事実。以下において、枝番号のあ る証拠について枝番号を記載しない場合は、全ての枝番号を含む。)⑴ 原告についてア原告は、平成29年4月21日、日本において、商号を株式会社LegalForceとする株式会社として設立され、法律業務に関するソフトウェアの企画、開発、販売等の事業を営んでいる。 イ原告は、平成30年8月24日、別紙商標権目録(1)のとおり、令和 4年1月21日、別紙 社として設立され、法律業務に関するソフトウェアの企画、開発、販売等の事業を営んでいる。 イ原告は、平成30年8月24日、別紙商標権目録(1)のとおり、令和 4年1月21日、別紙商標権目録(2)のとおり、それぞれ原告各商標の商標登録を受けた(甲7)。 ウ原告は、令和4年12月1日、その商号を、株式会社LegalOnTechnologiesに変更した。 エ原告は、令和5年1月5日時点で、原告のウェブサイト(https: //以下省略。 以下「本件原告ウェブサイト」という。)の、原告が提供するAI契約審査プラットフォームに係るサービス(以下「原告サービス」という。)についてのページにおいて、「LegalForce」の文字から成る標章及び原告表示を表示していた(甲1)。 ⑵ 被告についてア被告は、平成20年(2008年)1月1日、米国において設立された法人であり、米国カリフォルニア州に主たる事務所を有している。 イ被告は、平成29年(2017年)4月21日より前に、「LegalForce」の文字を含む標章に係る商標権(以下「被告米国商標権」とい う。)を取得し、「LegalForce」との名称を用いて、米国での法律業務を行っていた。 ウ被告は、令和5年1月5日時点で、本件被告ウェブサイト(https://以下省略) の、①「AIに基づく契約書及び電子メールアカウントのレビュー」、「LegalForceはAIによる契 約書レビューによってビジネスリスクを低減する手助けをする」、「無料で始める」、「特徴/企業内のメールや契約書、元社員全員からのメッセージなど、何年にも渡るデータをまとめ、企業の先取りを支援するSaaSである。」との ビジネスリスクを低減する手助けをする」、「無料で始める」、「特徴/企業内のメールや契約書、元社員全員からのメッセージなど、何年にも渡るデータをまとめ、企業の先取りを支援するSaaSである。」との記載が英文で表示されているページ(甲2)及び②「価格」「基本/無料/最大1ギガバイトのデータ使用可能・・・」、「おすすめ/10. 99米ドル/1ユーザーあたり/最大10ギガバイトのデータ使用可 能・・・」との記載が英文で表示されているページ(甲8)に、被告標章(なお、被告表示と同一である。)を表示していた(甲2、8)。 エ被告は、平成21年、本件ドメインを使用する権利を取得し、インターネットブラウザ上に本件ドメインを入力すると、被告のウェブサイトであるhttps://以下省略に自動的に接続 (リダイレクト)されるように設定している。 ⑶ 被告は、令和4年(2022年)6月24日、米国連邦地方裁判所(以下「米国裁判所」という。)において、原告に対し、原告が「LegalForce」の文字を含む商標を使用し、被告米国商標権を侵害しているなどと主張して、「LegalForce」の文字を含む商標の使用の差止め及び損害 賠償金1億米国ドルの支払等を求める本件米国訴訟を提起した(甲42、45、57)。 ⑷ 原告は、令和5年1月20日、被告に対し、本件訴訟を提起した。 3 争点及び争点に関する当事者の主張⑴ 国際裁判管轄について (原告の主張)ア民訴法3条の3第4号に基づく国際裁判管轄「.jp」を含む本件ドメインを取得することができるのは、日本に住所を有する場合に限られるところ、被告が本件ドメインを取得しているということは、日本に営業所があることを自認していることになり、これに反 jp」を含む本件ドメインを取得することができるのは、日本に住所を有する場合に限られるところ、被告が本件ドメインを取得しているということは、日本に営業所があることを自認していることになり、これに反 する主張をすることは、訴訟上の信義則に反し、許されない。 イ民訴法3条の3第5号に基づく国際裁判管轄被告の契約書レビューサービスは、日本から申込みをすることができ、その成果物が日本の顧客に対して納品されるものであるから、日本の顧客に対して提供されるサービスである。また、被告は、被告のウェブサイト において、被告が日本において97件の商標登録出願をした旨や、被告が 日本の顧客44名について商標登録出願をした旨を記載し、日本の顧客を標的として強く誘引している。 したがって、被告は「日本において事業を行う者」に該当するから、本件各請求に係る訴えについて、民訴法3条の3第5号に基づく国際裁判管轄が認められる。 ウ民訴法3条の3第8号に基づく国際裁判管轄(ア) 本件請求1から5までに係る訴えについて本件請求1から4までについては、原告は原告各商標権を保有し、原告表示は、原告の商品又は営業を表示するものとして周知かつ著名であるところ、①本件被告ウェブサイトが日本において閲覧可能であること、 ②被告のウェブサイトにおいて、被告が日本において97件の商標登録出願をした旨や、被告が日本の顧客44名について商標登録出願をした旨が記載されているところ、商標登録出願と契約書レビューサービスとの間では顧客層が重複すること、③原告の契約書レビューサービスと、被告の契約書レビューサービスとは、特に知的財産権に関する契約や英 文契約について競合すること、④本件被告ウェブサイトの外観は本件原告ウェブサイトの外観と 、③原告の契約書レビューサービスと、被告の契約書レビューサービスとは、特に知的財産権に関する契約や英 文契約について競合すること、④本件被告ウェブサイトの外観は本件原告ウェブサイトの外観と酷似しており、被告が悪意をもってこのような外観への変更をしたことにより、日本の顧客が、原告が提供する契約書レビューサービスと被告が提供する契約書レビューサービスを混同するおそれが高まっていること及び⑤原告は外資系企業の顧客を有するとこ ろ、これら顧客は英語で記載されたウェブサイトを参照することといった事情から、原告各商標権及び原告表示に係る原告の権利利益が日本国内で侵害され、又は侵害されるおそれがあるとの客観的事実関係が証明されている。 本件請求5については、原告は、原告各商標権を保有しており、原告 各商標は原告の特定商品等表示に該当するところ、上述したところに加 え、被告が日本において本件ドメインを登録し、本件ドメインを使用する権利を保有していること、被告が本件ドメインを入力すると被告のウェブサイトであるhttps://以下省略に自動的に接続されるよう設定して、本件ドメインを使用していることからすれば、被告が原告の特定商品等表示に係る権利利益を侵害する 行為を日本国内で行い、又は行うおそれがあるとともに、当該権利利益が日本国内で侵害され、又は侵害されるおそれがあるとの客観的事実関係が証明されている。 (イ) 本件請求6に係る訴えについて前記(ア)の事情は、被告が現に日本において原告各商標権、原告表示及 び本件ドメインに係る原告の権利利益を侵害したことを示す事情であり、被告がした行為により当該権利利益について日本国内で損害が生じたとの客観的事実関係が証明されている。 告各商標権、原告表示及 び本件ドメインに係る原告の権利利益を侵害したことを示す事情であり、被告がした行為により当該権利利益について日本国内で損害が生じたとの客観的事実関係が証明されている。 (ウ) 本件請求7に係る訴えについて原告は、本件米国訴訟が提起された当時、米国内に拠点を有しておら ず、日本において本件米国訴訟の送達を受けたから、被告が原告の権利利益を侵害する行為を日本国内で行ったとの客観的事実関係が証明されている。 被告は、原告が海外進出に向けた資金調達に関するプレスリリースをした翌日に、事実的及び法律的な根拠を欠くことを知りつつ本件米国訴 訟を提起したこと、被告は米国において原告以外にも複数の相手方に威嚇的効果を目的として訴訟を提起していたこと、被告は二度にわたり訴状訂正の機会が与えられたにも関わらず、米国裁判所は本件米国訴訟の訴状を却下する決定をしていることといった事情に照らせば、本件米国訴訟の提起及び訴訟追行が著しく相当性を欠くといえる。そして、原告 は、日本において本件米国訴訟に応訴するための弁護士費用を支払った ものであるから、被告の行為により、原告の法律上保護される利益が侵害され、日本国内で損害が生じたとの客観的事実関係は証明されている。 なお、原告は、本件米国訴訟が提起された当時、米国内に拠点を有していなかったのであるから、原告の権利利益が日本国内で侵害されることは、通常予見することができたものといえる。 エ民訴法3条の6に基づく国際裁判管轄本件各請求は、本件被告ウェブサイトにおける被告商標又は被告表示の使用による商標権侵害又は不正競争を理由とするものや、本件被告ウェブサイトを本件原告ウェブサイトに酷似させたことを含む一連の行為が不法行為に当たること 被告ウェブサイトにおける被告商標又は被告表示の使用による商標権侵害又は不正競争を理由とするものや、本件被告ウェブサイトを本件原告ウェブサイトに酷似させたことを含む一連の行為が不法行為に当たることを理由とするものであり、いずれも被告による本件被告 ウェブサイト上の行為を含んでいる。したがって、本件各請求の間に密接な関連があるといえるから、日本の裁判所が本件各請求のうちいずれかについて管轄権を有する場合には、本件各請求の全てについて、民訴法3条の6に基づく国際裁判管轄が認められる。 オ民訴法3条の9にいう特別の事情 本件請求7に係る訴えについて、事案の性質及び証拠の所在地の観点から、日本の裁判所において審理することは可能である一方、応訴による被告の負担の程度は大きなものではない。また、本件米国訴訟の提起及び訴訟追行によって被った損害について、原告が米国の訴訟手続において救済を受けることは困難であるため、本件請求7に係る訴えについて、日本の 裁判所の管轄権が認められなければ、原告が救済を受ける機会は失われる。 以上の事情を考慮すれば、民訴法3条の9にいう特別の事情があるとはいえない。 (被告の主張)ア民訴法3条の3第4号に基づく国際裁判管轄 被告は、日本国内に事務所又は営業所を有していない。本件ドメインの 取得に当たって登録されたのは、事務所又は営業所ではなく住所であるし、当該住所が米国の住所であることは一見して明らかである。 イ民訴法3条の3第5号に基づく国際裁判管轄被告は、専ら米国において商標登録出願等の法律業務を行っており、日本において事業を行っていない。 ウ民訴法3条の3第8号に基づく国際裁判管轄(ア) 本件請求1から6までに係る訴えについて被告のウェブ おいて商標登録出願等の法律業務を行っており、日本において事業を行っていない。 ウ民訴法3条の3第8号に基づく国際裁判管轄(ア) 本件請求1から6までに係る訴えについて被告のウェブサイトは、米国のサーバに設けられ、全て英語で表示され、日本の需要者を対象としていない。被告は、専ら米国において商標登録出願等の法律業務を行うにすぎず、今後日本において業務を行う予 定もない。したがって、被告は、日本国内で行為をしていないし、日本における結果発生もしておらず、また、そのおそれも存在しない。 本件請求5について、被告は、本件ドメインを使用する権利を米国内で保有しており、日本国内で保有していない。また、被告は、そもそも本件ドメインを使用していない上、仮に本件ドメインを使用していると しても、被告のウェブサイトへの自動接続の設定を米国で行っており、自動接続先のウェブサイトも米国のサーバで運営されているから、日本国内では本件ドメインを使用していない。さらに、本件ドメインに係る原告の権利利益の侵害又はそのおそれは認められない上、日本国内で当該侵害又はそのおそれが生ずることを示す事情もない。 (イ) 本件請求7に係る訴えについて被告による本件米国訴訟の提起及び訴訟追行は、米国内でした行為である。 訴えの提起が不法行為に当たるのは、訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くと認められるときに限られるところ、 第一審裁判所である米国裁判所が訴えを却下したからといって、被告に よる本件米国訴訟の提起及び訴訟追行が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くということにはならない。仮に本件米国訴訟に応訴するための弁護士費用の支払が原告の権利利益を侵害するとしても、当該侵害は米国内 訴訟の提起及び訴訟追行が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くということにはならない。仮に本件米国訴訟に応訴するための弁護士費用の支払が原告の権利利益を侵害するとしても、当該侵害は米国内で生じたものというべきである。 エ民訴法3条の6に基づく国際裁判管轄 本件各請求のいずれについても国際裁判管轄は認められない上、本件各請求の間に密接関連性がないことも明らかである。 オ民訴法3条の9にいう特別の事情仮に本件請求7に係る訴えについて日本の裁判所が管轄権を有するとしても、当該訴えは本件米国訴訟から直接派生した紛争であること、当該訴 えの重要な証拠の所在地は米国であること、当該訴えについては米国の訴訟手続内での解決が制度的に予定されていること等を考慮すれば、民訴法3条の9にいう特別な事情があると認められる。 ⑵ 本案について(原告の主張) ア本件請求1及び2について被告は、本件被告ウェブサイトにおいて、契約書レビューサービスの提供に関する広告及び価格表に、被告標章を付して電磁的方法により提供している。 被告標章は原告各商標と類似し、被告の役務である契約書レビューサー ビスは、コンピュータ上でSaaS形式でソフトウェアの提供を行い契約書のレビューサービスを提供するものであり、原告各商標の指定役務のうち、第41類「法律に関する知識の教授及びこれに関する情報の提供」、第42類「電子計算機用プログラムの提供」、第45類「法律業務に関する情報の提供、法律相談、法律業務に関するコンサルティング」に含まれる。 これにより、原告各商標権が侵害され、又は侵害されるおそれがあり、 契約書レビューサービスの提供に関する広告及び価格表に被告標章を付して電磁的方法により提供することの まれる。 これにより、原告各商標権が侵害され、又は侵害されるおそれがあり、 契約書レビューサービスの提供に関する広告及び価格表に被告標章を付して電磁的方法により提供することの差止め及び被告標章を付したウェブサイトの削除をする必要がある。 イ本件請求3及び4について被告は、本件被告ウェブサイトにおいて、契約書レビューサービスにつ いて、被告表示を表示している。 被告表示は、原告の商品又は営業を表示するものとして周知かつ著名である原告表示と類似する。また、需要者において、被告の商品又は営業と原告の商品又は営業との混同を生じさせている。 被告の不正競争によって原告の営業上の利益が侵害され、又は侵害され るおそれがあり、前記使用の差止め及びウェブサイトその他の広告物から被告表示を抹消する必要がある。 ウ本件請求5について(ア) 被告は、本件ドメインを使用する権利を保有するとともに、本件ドメインを入力すると被告のウェブサイト(https://以下省略) に自動的に接続されるように設定し、本件ドメインを使用している。 本件ドメイン(legalforce.jp)は、前記⑴(原告の主張)ウ(ア)のとおり原告の特定商品等表示に当たる原告各商標と類似する。 (イ) 被告は、本件ドメインを使用し、本件原告ウェブサイトと酷似する被告のウェブサイトに誘導することによって、日本において、原告サービスの高い顧客吸引力を利用し、需要者に誤認混同を生じさせ、被告の契約書レビューサービスを購買させる目的を有しており、「不正の利益を得る目的」がある。 また、被告が本件米国訴訟を不当に提起したこと、被告代表者が原告 代理人に対して不当なメール 書レビューサービスを購買させる目的を有しており、「不正の利益を得る目的」がある。 また、被告が本件米国訴訟を不当に提起したこと、被告代表者が原告 代理人に対して不当なメールを多数送信したこと、被告は令和4年8月頃に被告のウェブサイトの外観を本件原告ウェブサイトの外観に酷似したものと変更したことといった事情に照らせば、被告は原告に対する嫌がらせ及び加害の目的を有しており、「他人に損害を加える目的」がある。 さらに、被告は日本に存在しない架空の住所を記載して本件ドメイン を取得しており、原告各商標が原告の特定商品等表示に該当する以前から、「不正の利益を得る目的」及び「他人に損害を加える目的」を有していた。 (ウ) 被告は本件ドメインを使用する権利の保有及び本件ドメインの使用を継続しており、これらの不正競争によって原告の営業上の利益が侵害 され、又は侵害されるおそれがあり、被告による本件ドメインを使用する権利の保有及び本件ドメイン名の使用の差止めをする必要がある。 エ本件請求6について(ア) 本件請求6の1について被告は、被告標章の使用により、本件被告ウェブサイトを作成した令 和4年8月頃から本件訴え提起までに、4770万円の利益を得ており、同額が原告各商標権侵害による損害額と推定される。原告は、これに弁護士費用相当額477万円を加えた5247万円の損害を被った。 (イ) 本件請求6の2及び6の3について被告は、前記イの不競法2条1項1号及び2号の不正競争並びに前記 ウの同項19号の不正競争につき、故意又は少なくとも過失がある。 被告は、本件被告ウェブサイトを作成した令和4年8月頃から本件訴え提起までに、これらの不正競争により4770万円の利益を得ており、同額が損害額 号の不正競争につき、故意又は少なくとも過失がある。 被告は、本件被告ウェブサイトを作成した令和4年8月頃から本件訴え提起までに、これらの不正競争により4770万円の利益を得ており、同額が損害額と推定される。原告は、これに弁護士費用相当額477万円を加えた5247万円の損害を被った。 オ本件請求7について 前記⑴(原告の主張)ウ(ウ)のとおり、本件米国訴訟の提起及び訴訟追行は著しく相当性を欠くところ、被告には、故意又は少なくとも過失がある。 原告は、本件米国訴訟に応訴するために、3000万円を支出しており、これに本件請求1から6までに係る弁護士費用477万円を加えた3477万円の損害を被った。 (被告の主張)ア本件請求1から4まで、6の1及び6の2について争う。 イ本件請求5及び6の3について前記⑴(被告の主張)ウ(ア)のとおり、被告は、日本国内において、本件 ドメインを使用する権利の保有又は本件ドメインの使用のいずれもしていない。 本件原告ウェブサイトと本件被告ウェブサイトとは類似していない上、被告は、本件ドメインのみならず、「legalforce」の文字を含む各国のドメイン名についても、一律に被告のウェブサイトに自動的に接続 するよう設定しているものであるから、被告は原告の顧客誘引力を利用する目的を有していない。また、原告は、被告が原告に対する嫌がらせ及び加害の目的を有すると主張するが、原告の主張に係る事情がこれら目的を基礎づけるものではなく、根拠のない憶測にすぎず、どのような損害を加える目的であるのかも明らかではない。したがって、被告は、「不正の利益 を得る目的」又は「他人の損害を得る目的」のいずれも有していない。 ウ本件請求7について原告の どのような損害を加える目的であるのかも明らかではない。したがって、被告は、「不正の利益 を得る目的」又は「他人の損害を得る目的」のいずれも有していない。 ウ本件請求7について原告の主張は否認ないし争う。 第3 当裁判所の判断 1 民訴法3条の3第4号に基づく国際裁判管轄 ⑴ 前記前提事実⑵アのとおり、被告は、米国において設立された法人で、米 国カリフォルニア州に主たる事務所を有しており、本件各証拠によっても、被告の事務所又は営業所が日本国内にあると認めることはできない。 ⑵ 原告は、「.jp」を含む本件ドメインを取得することができるのは、日本に住所を有する場合に限られるところ、被告が本件ドメインを取得したということは、日本に営業所があることを自認しており、これに反する主張をす ることは、訴訟上の信義則に反し、許されない旨を主張する。 被告が、本件ドメインを使用する権利の取得に当たって登録した住所は、「長崎県100 HamiltonAvenue, Suite 160,Palо Alto」であると認められる(甲36)ところ、これにより、被告の事務所又は営業所が日本国内にあるということにはならない。そして、 被告が本件ドメインを使用する権利について上記のような住所を登録したからといって、被告が、日本の裁判所が民訴法3条の3第4号に基づく管轄権を有しない旨の抗弁を提出することが訴訟上の信義則に反するということはできない。 したがって、原告の主張は採用することができない。 ⑶ 以上によれば、本件各請求に係る訴えについて、民訴法3条の3第4号に基づき、日本の裁判所が管轄権を有すると認めることはできない。 2 民訴法3条の3第8号に基づく国際裁判管轄について⑴ 事案に鑑み、民訴法 ば、本件各請求に係る訴えについて、民訴法3条の3第4号に基づき、日本の裁判所が管轄権を有すると認めることはできない。 2 民訴法3条の3第8号に基づく国際裁判管轄について⑴ 事案に鑑み、民訴法3条の3第5号に基づく国際裁判管轄の有無に先立ち、同第8号に基づく国際裁判管轄の有無について検討する。 ア不法行為に基づく損害賠償請求訴訟につき、民訴法3条の3第8号の規定に依拠して我が国の国際裁判管轄を肯定するためには、原則として、被告が日本国内でした行為により原告の権利利益について損害が生じたか、被告がした行為により原告の権利利益について日本国内で損害が生じたとの客観的事実関係が証明されれば足りると解するのが相当である(最高裁 平成12年(オ)第929号、同年(受)第780号同13年6月8日第 二小法廷判決・民集55巻4号727頁及び最高裁平成23年(受)第1781号同26年4月24日第一小法廷判決・民集68巻4号329頁参照)。 イ民訴法3条の3第8号の「不法行為に関する訴え」は、違法行為により権利利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者が提起する差止請求 に関する訴えをも含むものと解される。そして、このような差止請求に関する訴えについては、違法行為により権利利益を侵害されるおそれがあるにすぎない者も提起することができる以上は、同号の「不法行為があった地」は、違法行為が行われるおそれのある地や、権利利益を侵害されるおそれのある地をも含むものと解するのが相当である。 違法行為により権利利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者が提起する差止請求に関する訴えの場合において、同号の「不法行為があった地」が日本国内にあるというためには、被告が原告の権利利益を侵害する行為を日本国内で行うおそれ れ、又は侵害されるおそれがある者が提起する差止請求に関する訴えの場合において、同号の「不法行為があった地」が日本国内にあるというためには、被告が原告の権利利益を侵害する行為を日本国内で行うおそれがあるか、原告の権利利益が日本国内で侵害されるおそれがあるとの客観的事実関係が証明されれば足りるというべ きである(前記最高裁平成26年4月24日判決参照)。 ウ以上を踏まえ、本件各請求に係る訴えについて、民訴法3条の3第8号に基づき、日本の裁判所が管轄権を有するか否かを検討する。 ⑵ 本件請求1から4まで、6の1及び6の2に係る訴えについてア原告は、被告が、本件被告ウェブサイトにおいて、契約書レビューサー ビスの提供に関する広告及び価格表に被告標章を付して電磁的方法により提供すること(本件請求1、2及び6の1)、契約書レビューサービスの提供に被告表示を使用すること(本件請求3、4及び6の2)により、原告の権利利益が日本国内で侵害され、又は侵害されるおそれがあるとの客観的事実関係が証明されている旨及び原告の権利利益について日本国内で損 害が生じたとの客観的事実関係が証明されている旨を主張する。 イ前記前提事実⑵ウによれば、被告は、本件被告ウェブサイト上の「AIに基づく契約書及び電子メールアカウントのレビュー」についての広告及び価格表に被告標章(被告表示)を表示していたことが認められるところ、本件被告ウェブサイトは日本においても閲覧することができたものである(弁論の全趣旨)。 しかしながら、被告が、本件被告ウェブサイトにおける「AIに基づく契約書及び電子メールアカウントのレビュー」について、日本国内の利用者にサービスを提供していることを示す証拠は見当たらないところ、証拠(甲2、8、乙1)によれ 被告ウェブサイトにおける「AIに基づく契約書及び電子メールアカウントのレビュー」について、日本国内の利用者にサービスを提供していることを示す証拠は見当たらないところ、証拠(甲2、8、乙1)によれば、①本件被告ウェブサイトは全て英語で記載されていること、②本件被告ウェブサイトに掲載された価格表には、米国 ドルでの価格が表示されており、円での価格は表示されていないこと、③本件被告ウェブサイトには、被告に対する問合せ先として、メールアドレス((メールアドレス省略))とともに米国の住所及び電話番号が記載されており、日本の住所又は電話番号は記載されていないこと、④本件被告ウェブサイトには、日本語で作 成された契約書又は日本法を準拠法とする契約書に関するレビューサービスについての記載はないこと、⑤本件被告ウェブサイトのサーバは米国に所在すること、⑥被告は、「LegalForce」の文字を含む標章を付した役務の提供を日本において申し出る計画を有していないことが認められる。以上の点を考慮すれば、本件被告ウェブサイトを日本において閲覧 することができたことを踏まえても、本件被告ウェブサイトにおける被告標章(被告表示)の表示が、日本の需要者を対象としたものであるということはできず、これによって、原告の権利利益が日本国内で侵害され、又は侵害されるおそれがあり、また、原告の権利利益について日本国内で損害が生じたということはできない。 ウ以上に対し、原告は、被告のウェブサイトに、被告が日本において97 件の商標登録出願をした旨や、被告が日本の顧客44名について商標登録出願をした旨が記載されているところ、商標登録出願と契約書レビューサービスとの間では顧客層が重複することを主 おいて97 件の商標登録出願をした旨や、被告が日本の顧客44名について商標登録出願をした旨が記載されているところ、商標登録出願と契約書レビューサービスとの間では顧客層が重複することを主張し、証拠(甲34、35、乙2)及び弁論の全趣旨によれば、被告のウェブサイト(https://以下省略。 以下「legalforcel awウェブサイト」という。)には、「LegalForceRAPCは、世界100カ国以上のクライアントを代理しています。」「米国以外では、LegalForceRAPCTrademarkiaの上位出願国は以下のとおりである。/(・・・中略・・・)日本 97/」「LegalForceRAPCは、2009年以降、世界88カ国での商標出願 を支援している/(・・・中略・・・)日本」との記載が英語でされていること、被告が日本の顧客44名について商標登録出願をしたことが認められる。 しかしながら、legalforcelawウェブサイトは本件被告ウェブサイト(https://以下省略) とドメイ ン名を異にするところ、原告の指摘するlegalforcelawウェブサイトの記載は、被告による商標登録出願やその代理についての記載であると理解され、これらの記載をもって、本件被告ウェブサイトにおける「AIに基づく契約書及び電子メールアカウントのレビュー」についての被告標章(被告表示)の表示が、日本の需要者を対象としたものであるこ との根拠とすることはできないし、本件被告ウェブサイトの表示により、原告の権利利益が日本国内で侵害され、又は侵害されるおそれがあること、これらの権利利益について日本国内で損害が生じたと認めることもできない。 さらに、原告は、 本件被告ウェブサイトの表示により、原告の権利利益が日本国内で侵害され、又は侵害されるおそれがあること、これらの権利利益について日本国内で損害が生じたと認めることもできない。 さらに、原告は、原告の契約書レビューサービスと、被告の契約書レビ ューサービスとは、特に知的財産権に関する契約や英文契約について競合 するのであり、本件被告ウェブサイトの外観は本件原告ウェブサイトの外観と酷似し、被告が悪意をもってこのような外観への変更をしたことにより、日本の顧客が、原告が提供する契約書レビューサービスと被告が提供する契約書レビューサービスを混同するおそれが高まっていること、原告は外資系企業の顧客を有するところ、これら顧客は英語で記載されたウェ ブサイトを参照することを主張する。 しかしながら、本件被告ウェブサイトにおける「AIに基づく契約書及び電子メールアカウントのレビュー」について、日本国内の利用者にサービスを提供していることを認めることができないのは前述のとおりである。 そして、本件原告ウェブサイトと本件被告ウェブサイトとを対比しても、 本件原告ウェブサイトは、日本語で記載され、その冒頭部分に「見落としを無くそう、AIと。」とのキャッチコピー及び女性タレントの画像を掲載するとともに、原告の商号及び日本における本店所在地を記載しているのに対し、本件被告ウェブサイトは、専ら英語で記載され、日本語での記載はなく、本件原告ウェブサイトと同様のキャッチコピー又は画像は掲載し ておらず、被告の商号及び米国における本店所在地を記載しており、原告の商号又は本店所在地を記載していないなど、これらウェブサイトの内容は相違し、これらのウェブサイトが酷似しているということはできず、原告の主張は当たらない。また、以上に述べたと を記載しており、原告の商号又は本店所在地を記載していないなど、これらウェブサイトの内容は相違し、これらのウェブサイトが酷似しているということはできず、原告の主張は当たらない。また、以上に述べたところに照らし、原告の主張するその余の点も、上記判断を左右するには足りない。 エ以上によれば、本件被告ウェブサイトにおける被告標章(被告表示)の表示により、原告各商標権又は原告表示に係る権利利益が日本国内で侵害され、又は侵害されるおそれがあり、また、原告の権利利益について日本国内で損害が生じたとの客観的事実関係が証明されているということはできない。そして、本件各証拠によっても、本件請求1から4まで、6の1 及び6の2に係る訴えについて、前記⑴ア及びイの客観的事実関係が証明 されているということはできない。 したがって、本件請求1から4まで、6の1及び6の2に係る訴えについて、民訴法3条の3第8号に基づき、日本の裁判所が管轄権を有すると認めることはできない。 ⑶ 本件請求5及び6の3に係る訴えについて ア前記前提事実⑴及び弁論の全趣旨によれば、原告は、平成30年8月24日及び令和4年1月21日、原告各商標の商標登録を受け、原告各商標を使用して、法律業務に関するソフトウェアの企画、開発、販売等の事業を営んでいたものと認められる。したがって、原告各商標は、原告の業務に係る商標として、原告の特定商品等表示(不競法2条1項19号)に当 たるということができる。 イ前記前提事実⑵エのとおり、被告は本件ドメインを使用する権利を保有しているところ、証拠(甲33、36)及び弁論の全趣旨によれば、本件ドメインに含まれる「.jp」は日本を表す国別ドメイン名であること、本件ドメインの登録及び管理はドメイン名登録機関で する権利を保有しているところ、証拠(甲33、36)及び弁論の全趣旨によれば、本件ドメインに含まれる「.jp」は日本を表す国別ドメイン名であること、本件ドメインの登録及び管理はドメイン名登録機関である株式会社日本レジ ストリサービスによって行われており、同社の本店所在地は日本国内にあることが認められる。不競法2条1項19号にいう「ドメイン名を使用する権利」とは、ドメイン名登録機関に対してドメイン名の使用を請求する権利をいうものと解されるところ、日本国内に所在するドメイン名登録機関が本件ドメインの登録及び管理をしていることに照らせば、被告は本件 ドメインを使用する権利の保有を日本国内で行っているというべきである。 ウ前記前提事実⑵エのとおり、被告はインターネットブラウザ上に本件ドメインを入力すると、legalforcelawウェブサイトに自動的に接続されるように設定していることや、前記イのとおり、本件ドメインは日本を表す国別ドメイン名である「.jp」を含むこと並びに日本国内に 所在するドメイン名登録機関が本件ドメインの登録及び管理をしているこ とに照らせば、被告が本件ドメインを使用することによって原告の特定商品等表示に係る権利利益が日本国内で侵害されるおそれがあるということができる。 エ以上によれば、原告各商標が原告の特定商品等表示に当たり、被告が本件ドメインを使用する権利の保有に係る不正競争を日本国内で行うととも に、被告による本件ドメインの使用に係る不正競争によって原告の権利利益が日本国内で侵害されるおそれがあるとの客観的事実関係が証明されているといえる。 したがって、本件請求5に係る訴えについて、民訴法3条の3第8号に基づき、日本の裁判所が管轄権を有すると認めることができる。なお、本 おそれがあるとの客観的事実関係が証明されているといえる。 したがって、本件請求5に係る訴えについて、民訴法3条の3第8号に基づき、日本の裁判所が管轄権を有すると認めることができる。なお、本 件請求6の3については、後記4⑵において判断する。 ⑷ 本件請求7に係る訴えについてア訴えの提起が相手方に対する違法な行為といえるのは、当該訴訟において提訴者の主張した権利又は法律関係が事実的、法律的根拠を欠くものである上、提訴者が、そのことを知りながら、又は通常人であれば容易にそ のことを知り得たといえるのにあえて訴えを提起したなど、訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くと認められるときに限られるものと解される(最高裁昭和60年(オ)第122号同63年1月26日第三小法廷判決・民集42巻1号1頁、最高裁平成7年(オ)第160号同11年4月22日第一小法廷判決・裁判集民事193号85頁及 び最高裁平成21年(受)第1539号同22年7月9日第二小法廷判決・裁判集民事234号207頁参照)。 以上を踏まえ、被告による本件米国訴訟の提起及び訴訟追行により、原告の法律上保護される利益について、日本国内で損害が生じたとの客観的事実関係が証明されているといえるかを検討する。 イ前記前提事実及び後掲各証拠並びに弁論の全趣旨によれば、以下の事実 が認められる。 (ア) 被告は、平成29年(2017年)4月21日より前に、「LegalForce」の文字を含む標章に係る被告米国商標権を取得した上、「LegalForce」との名称を用いて、米国での法律業務を行っていた(前記前提事実⑵イ)。 (イ) 原告は、平成29年4月21日、商号を株式会社LegalForceとする株式会社として設 egalForce」との名称を用いて、米国での法律業務を行っていた(前記前提事実⑵イ)。 (イ) 原告は、平成29年4月21日、商号を株式会社LegalForceとする株式会社として設立され、「LegalForce」の文字から成る標章(甲1)を使用し、法律業務に関するソフトウェアの企画、開発等の事業を営んでいた。原告は、令和4年6月23日、総額約137億円の資金調達をするとともに、米国を中心として海外進出をする旨の 発表をし、同月24日、インターネット上で、「契約審査プラットフォーム「LegalForce」と人工知能(AI)契約管理システム「LegalForceキャビネ」を提供するLegalForceは6月23日、シリーズDラウンドにおける総額約137億円の資金調達と海外進出を発表した。」などと報道された(前記前提事実⑴ア、甲31、4 6)。 (ウ) 被告は、令和4年(2022年)6月24日、米国裁判所において、原告に対し、原告が「LegalForce」の文字を含む商標を使用し、被告米国商標権を侵害しているなどと主張して、前記商標の使用の差止め及び損害賠償金1億米国ドルの支払等を求める本件米国訴訟を提 起した(前記前提事実⑶)。 (エ) 原告は、令和4年(2022年)9月19日、米国デラウェア州において、原告の子会社であるLEGALONTECHNOLOGIES,INC.を設立した(甲32、50、58)。 (オ) 被告は、令和4年(2022年)10月23日、原告が本件米国訴訟 の訴状却下の申立てをしたことを受け、本件米国訴訟の第一訂正訴状を 提出し、原告は、同年11月7日、当該訴状却下の申立てをした(甲45、57、66)。 (カ) 原告は、令和4年12月1日、商号を株式会社Le したことを受け、本件米国訴訟の第一訂正訴状を 提出し、原告は、同年11月7日、当該訴状却下の申立てをした(甲45、57、66)。 (カ) 原告は、令和4年12月1日、商号を株式会社LegalOnTechnologiesに変更した(前記前提事実⑴ウ) 。 (キ) 米国裁判所は、令和5年(2023年)4月11日、米国裁判所が管 轄権を有していない等の理由で、本件米国訴訟の第一訂正訴状を却下する決定をした。当該決定では、管轄権に関する証拠開示手続に基づき、米国裁判所が管轄権を有すると主張し得る可能性があるとして、被告において再度訴状を訂正することが許可された。(甲42、57)被告は、同月25日、本件米国訴訟の第二訂正訴状を提出し、原告は、 同年5月16日、当該訴状却下の申立てをした(甲57、67)。 米国裁判所の連邦下級判事は、同年8月22日、本件米国訴訟の管轄権に関する証拠開示手続として、原告による米国投資家からの資金調達状況に関する証拠を開示すべき旨の命令をした(乙6)。 米国裁判所は、同年10月17日、米国裁判所が管轄権を有していな い等の理由で、本件米国訴訟の第二訂正訴状を却下する決定をした(甲57)。これに対し、被告は、前記決定を不服として上訴を提起した。 ウ前記イ(ア)ないし(ウ)によれば、被告は、「LegalForce」の文字を含む標章に係る被告米国商標権を有していたところ、商号を株式会社LegalForceとし、日本において「LegalForce」の名称 を用いてサービスを提供していた原告が、大規模な資金調達をして、米国を中心として海外進出をする旨の発表をしたことを受け、原告に対し、被告米国商標権の侵害等を主張して、本件米国訴訟を提起したものであるということができる。これに た原告が、大規模な資金調達をして、米国を中心として海外進出をする旨の発表をしたことを受け、原告に対し、被告米国商標権の侵害等を主張して、本件米国訴訟を提起したものであるということができる。これに加えて、前記イ(オ)及び(キ)の本件米国訴訟の経緯に照らせば、被告による本件米国訴訟の訴状が二度にわたり訂正される とともに、米国裁判所における審理及び管轄権に関する証拠開示手続を経 た結果として、米国裁判所は本件米国訴訟の第二訂正訴状を却下する決定をしたものということができる。 これらの事情に照らせば、被告が本件米国訴訟を提起した時点において、本件米国訴訟において被告の主張した権利又は法律関係が事実的、法律的根拠を欠くものであることが明らかであったとはいえず、被告が、そのこ とを知りながら、又は通常人であれば容易にそのことを知り得たといえるのにあえて訴えを提起したということはできない。そうすると、被告による本件米国訴訟の提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くものということはできない。そして、これを前提として、前記イ(オ)及び(キ)の本件米国訴訟の経緯を考慮すれば、被告による本件米国訴訟の訴訟 追行が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くものということもできない。 以上によれば、被告による本件米国訴訟の提起又は訴訟追行により、原告の法律上保護される利益について、日本国内で損害が生じたとの客観的事実関係が証明されているとはいえない。 エこれに対し、原告は、被告は、原告が海外進出に向けた資金調達に関するプレスリリースをした翌日に、事実的及び法律的な根拠を欠くことを知りつつ本件米国訴訟を提起したこと、被告は米国において原告以外の複数の相手方に対しても威嚇的効果を目的として訴訟を提起 金調達に関するプレスリリースをした翌日に、事実的及び法律的な根拠を欠くことを知りつつ本件米国訴訟を提起したこと、被告は米国において原告以外の複数の相手方に対しても威嚇的効果を目的として訴訟を提起していたこと、被告は二度にわたり訴状訂正の機会が与えられたにも関わらず、米国裁判所 は本件米国訴訟の訴状を却下する決定をしていることといった事情から、本件米国訴訟の提起及び訴訟追行が著しく相当性を欠く旨を主張する。 しかしながら、被告が、事実的、法律的な根拠を欠くことを知りながら、又は通常人であれば容易にそのことを知り得たといえるのにあえて本件米国訴訟を提起したということができないのは前記ウに説示のとおりであり、 被告が原告以外の複数の相手方に対しても訴訟を提起していたとの事情は、 本件米国訴訟と直接関係するものではなく、本件米国訴訟の提起又は訴訟追行が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くものとはいえないとの前記ウの判断を左右するものではない。 したがって、原告の主張は採用することができない。 オ以上によれば、被告による本件米国訴訟の提起又は訴訟追行により、原 告の法律上保護される利益について、日本国内で損害が生じたとの客観的事実関係が証明されているとはいえない。そして、本件各証拠によっても、本件請求7に係る訴えについて、前記⑴アの客観的事実関係が証明されていると認めることはできない。 したがって、本件請求7に係る訴えについて、民訴法3条の3第8号に 基づき、日本の裁判所が管轄権を有すると認めることはできない。 3 民訴法3条の3第5号に基づく国際裁判管轄⑴ 本件請求5については前記2⑶のとおり、本件請求6の3については後記4⑵のとおり、日本の裁判所が管轄権を有すると認められることから とはできない。 3 民訴法3条の3第5号に基づく国際裁判管轄⑴ 本件請求5については前記2⑶のとおり、本件請求6の3については後記4⑵のとおり、日本の裁判所が管轄権を有すると認められることから、以下では、本件各請求のうち本件請求5及び6の3を除く部分について、民訴法 3条の3第5号に基づく国際裁判管轄が認められるかを検討する。 ⑵ 本件請求1から4まで、6の1及び6の2に関し、原告は、本件被告ウェブサイトに係る契約書レビューサービスは、日本から申込みをすることができ、その成果物が日本の顧客に対して納品されるものであるから、日本の顧客に対して提供されるサービスであること、被告は、被告のウェブサイトに おいて、被告が日本において97件の商標登録出願をした旨や、被告が日本の顧客44名について商標登録出願をした旨を記載し、日本の顧客を標的として強く誘引していることから、本号に基づく国際裁判管轄が認められる旨を主張する。 本件請求1から4まで、6の1及び6の2に係る訴えは、被告の契約書レ ビューサービスの業務に関する訴えであるところ、本件被告ウェブサイトが 日本の需要者を対象としたものであると認めることができないのは前記2⑵イのとおりであり、本件各証拠によっても、被告が日本において契約書レビューサービスの事業を行っていると認めることはできないから、上記訴えが被告の日本における業務に関するものであるということはできない。 また、legalforcelawウェブサイトに、被告が商標登録出願 について日本に顧客を有することをうかがわせる記載があり、被告が日本の顧客44名について商標登録出願をしたことが認められるのは、前記2⑵ウのとおりであるが、本件請求1から4まで、6の1及び6の2に係る訴えは、契約書レビ することをうかがわせる記載があり、被告が日本の顧客44名について商標登録出願をしたことが認められるのは、前記2⑵ウのとおりであるが、本件請求1から4まで、6の1及び6の2に係る訴えは、契約書レビューサービスに関するものであって、被告の商標登録出願に関するものではないから、被告の商標登録出願についての事情は、上記判断を左 右するものではない。 本件請求7については、被告の日本における業務に関する訴えであるということはできない。 ⑶ したがって、本件各請求のうち本件請求5及び6の3を除く部分について、民訴法3条の3第5号に基づき、日本の裁判所が管轄権を有すると認めるこ とはできない。 4 民訴法3条の6に基づく国際裁判管轄⑴ 前記2⑶のとおり、本件請求5については、日本の裁判所が管轄権を有するものと認められるから、本件請求5と本件各請求のうち本件請求5を除く部分との間に密接な関連があるということができるかを検討する。 ⑵ 本件請求6の3は、本件請求5と訴訟物を異にするものの、本件請求5と同様に、本件ドメインを使用する権利の保有又は本件ドメインの使用が不競法2条1項19号の不正競争に該当することを理由とする請求であり、本件請求5と実質的に争点を同じくするものであることから、本件請求5との間に密接な関連があるということができる。 ⑶ これに対し、本件各請求のうち本件請求5及び6の3を除く部分は、前記 第2の1のとおり、いずれも本件請求5と訴訟物を異にする上、本件請求1、2及び6の1は、本件被告ウェブサイトにおいて、契約書レビューサービスの提供に関する広告及び価格表について被告標章を付して電磁的方法により提供することによって、原告各商標権が侵害されたこと、本件請求3、4及び6の2は、契約書レビ イトにおいて、契約書レビューサービスの提供に関する広告及び価格表について被告標章を付して電磁的方法により提供することによって、原告各商標権が侵害されたこと、本件請求3、4及び6の2は、契約書レビューサービスの提供に被告表示を使用することが、 不競法2条1項1号及び2号の不正競争に該当すること、本件請求7は、本件米国訴訟の提起及び訴訟追行が不法行為に当たることを理由とする請求であって、本件ドメインを使用する権利の保有又は本件ドメインの使用が同項19号の不正競争に該当することを理由とする本件請求5と実質的に争点を同じくするということはできないから、本件請求5との間に密接な関連があ るということはできない。 なお、本件請求6の3について、前記2(民訴法3条の3第8号該当性)及び前記3(同第5号該当性)において判断していないが、仮に、本件請求6の3が、上記各号に該当するとしても、上述したのと同様の理由から、本件請求6の3と本件各請求のうち本件請求5及び6の3を除く部分との間に 密接な関連があるということはできない。 ⑷ 原告は、本件各請求はいずれも被告による本件被告ウェブサイト上の行為を含んでおり、本件各請求の間に密接な関連がある旨を主張する。 しかしながら、本件各請求が被告による本件被告ウェブサイト上の行為を含むとの主張の趣旨は必ずしも明らかでない上、本件各請求が本件被告ウェ ブサイトに関するものであることをもって、直ちに本件各請求の間に密接な関連があるということはできない。 したがって、原告の主張は採用することができない。 ⑸ 以上によれば、本件請求6の3に係る訴えについては、民訴法3条の6に基づき、日本の裁判所が管轄権を有すると認めることができる。 これに対し、本件各請求のうち本件請求5及び できない。 ⑸ 以上によれば、本件請求6の3に係る訴えについては、民訴法3条の6に基づき、日本の裁判所が管轄権を有すると認めることができる。 これに対し、本件各請求のうち本件請求5及び6の3を除く部分に係る訴 えについては、民訴法3条の6に基づき、日本の裁判所が管轄権を有すると認めることはできない。 5 国際裁判管轄に関する小括以上のとおり、本件請求5及び6の3に係る訴えについては、日本の裁判所が管轄権を有するのに対し、その余の請求に係る訴えについては、日本の裁判 所が管轄権を有しないというべきである。 なお、本件各証拠によっても、本件請求5及び6の3に係る訴えについて、民訴法3条の9に定める特別の事情があると認めることはできない。 6 本案について(本件請求5及び6の3)⑴ 不競法2条1項19号にいう「不正の利益を得る目的」とは、公序良俗に 反する態様で、自己の利益を不当に図る目的をいい、「他人に損害を加える目的」とは、他人に対して財産上の損害や信用の失墜等の有形無形の損害を加える目的をいうものと解される。 そこで、被告が、これらの目的で、本件ドメインを使用する権利を保有し、又は本件ドメインを使用したといえるかを検討する。 ⑵ 前記前提事実及び後掲各証拠によれば、以下の事実が認められる。 ア被告は、平成20年1月1日、米国において設立され、平成21年、本件ドメインを使用する権利を取得した(前記前提事実⑵ア、エ)。 イ被告は、平成29年4月21日より前に、「LegalForce」の文字から成る標章に係る被告米国商標権を取得しており、「LegalFor ce」との名称を用いて、米国での法律業務を行っていた(前記前提事実⑵イ)。 ウ原告は、平成29年4月21日、商号 字から成る標章に係る被告米国商標権を取得しており、「LegalFor ce」との名称を用いて、米国での法律業務を行っていた(前記前提事実⑵イ)。 ウ原告は、平成29年4月21日、商号を株式会社LegalForceとして設立され、平成30年8月24日及び令和4年1月21日、原告各商標の商標登録を受けた(前記前提事実⑴ア、イ)。 エ被告は、インターネットブラウザ上に本件ドメインを入力すると、le galforcelawウェブサイト(https://以下省略)に自動的に接続されるように設定しており、令和5年4月2日時点で、同ウェブサイトにおいて、被告が世界各国の依頼者を代理して、商標登録出願に係る業務を行っている旨が記載されていた(前記前提事実⑵エ、甲34、35)。 ⑶ 前記⑵アからウまでによれば、被告は、原告が「LegalForce」との商号や原告各商標の使用を開始する前から、本件ドメインを使用する権利を保有するとともに、米国において、「LegalForce」との名称を用いて、米国での法律業務を行っていたものといえる。そして、前記⑵エによれば、本件ドメインが入力された場合に自動的に接続されるlegalf orcelawウェブサイトは、被告の商標登録出願に係る業務について記載するものであり、被告が米国において行う法律業務と関連性を有するものであるということができる。 そうすると、被告が、「legalforce.jp」との本件ドメインが入力された場合に、legalforcelawウェブサイトに自動的に接 続するよう設定することは、被告が業務を行うために正当な目的を有するものということができる。したがって、被告が不正な利益を得る目的又は他人に損害を加える rcelawウェブサイトに自動的に接 続するよう設定することは、被告が業務を行うために正当な目的を有するものということができる。したがって、被告が不正な利益を得る目的又は他人に損害を加える目的を有すると認めることはできない。 ⑷アこれに対し、原告は、被告が、本件ドメインを使用し、本件原告ウェブサイトと酷似した被告のウェブサイトに誘導することによって、日本にお いて、原告サービスの高い顧客吸引力を利用し、需要者に誤認混同を生じさせ、被告の契約書レビューサービスを購買させる目的を有しており、不正の利益を得る目的がある旨を主張する。 しかしながら、本件原告ウェブサイト(甲1)と、本件ドメインを入力した場合に自動的に接続されるlegalforcelawウェブサイト (甲34、35)とを比較すると、本件原告ウェブサイトには、AI契約 審査プラットフォームに係る原告サービスについて記載されているのに対し、legalforcelawウェブサイトには、前記2⑵ウのとおり、被告による商標登録出願に係る業務について記載され、文字や図形の配置についてみても、これらウェブサイトの外観に類似点はない。また、legalforcelawウェブサイトは、被告の名称として「Legal ForceRAPC」との文字を表示しているものと認められ、legalforcelawウェブサイトに「LegalForce」との文字が用いられていることをもって、被告が、本件ドメインを使用する権利を保有し、又は本件ドメインを使用するに当たり、原告サービスの顧客吸引力を不正に利用して事業を行うなど、不正の利益を得る目的を有するとい うことはできない。 イ原告は、本件原告ウェブサイトの外観と本件被告ウェブサイトの外観(甲2)とが酷似するとの 顧客吸引力を不正に利用して事業を行うなど、不正の利益を得る目的を有するとい うことはできない。 イ原告は、本件原告ウェブサイトの外観と本件被告ウェブサイトの外観(甲2)とが酷似するとの事情を指摘する。 しかしながら、本件ドメインを入力した場合に、自動的に接続されるのはlegalforcelawウェブサイトであって、本件被告ウェブサ イトではないから、本件被告ウェブサイトに関する事情をもって、本件ドメインを使用する権利の保有又は本件ドメインの使用について、不正の利益を得る目的を認めることはできない。また、本件原告ウェブサイトと本件被告ウェブサイトの外観が酷似しているということはできないのは、前記2⑵ウにおいて説示したとおりである。 したがって、原告の指摘する事情は、前記⑶の判断を左右するものではない。 ウ原告は、被告が本件米国訴訟を不当に提起したこと、被告代表者が原告代理人に対して不当なメールを多数送信したこと、被告が本件被告ウェブサイトの外観を本件原告ウェブサイトの外観に酷似したものに変更したこ とといった事情に照らし、被告は原告に対する嫌がらせ及び加害の目的を 有しており、他人に損害を加える目的がある旨を主張する。 しかしながら、被告による本件米国訴訟の提起及び訴訟追行が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くものとはいえないことは、前記2⑷において説示したとおりである。また、前記ア及びイにおいて説示したところによれば、本件原告ウェブサイトと本件被告ウェブサイトの外観 から、本件ドメインを使用する権利の保有又は本件ドメインの使用について、他人に損害を加える目的を認めることはできず、その他原告の主張に係る事情に照らしても、被告が当該目的を有すると認めることはできない。 本件ドメインを使用する権利の保有又は本件ドメインの使用について、他人に損害を加える目的を認めることはできず、その他原告の主張に係る事情に照らしても、被告が当該目的を有すると認めることはできない。 エ原告は、被告が日本に存在しない架空の住所を記載して本件ドメインを取得していることを、被告が、不正の利益を得る目的及び他人に損害を加 える目的を有することの根拠として主張する。 しかしながら、以上に説示したところに照らせば、本件ドメインを使用する権利を取得するに当たり、「長崎県100 HamiltonAvenue, Suite 160, Palо Alto」との不正確な住所を登録したこと(甲36)をもって、不正の利益を得る目的及び他人に 損害を加える目的があると認めることはできない。 オしたがって、原告の主張はいずれも採用することができない。 ⑸ 以上のとおり、被告について、不正の利益を得る目的で、又は他人に損害を加える目的で、本件ドメインを使用する権利を保有し、又は本件ドメインを使用したということはできない。 したがって、その余の点について判断するまでもなく、本件請求5及び6の3はいずれも理由がない。 第4 結論よって、本件訴えのうち、契約書レビューサービスの提供に関する広告及び価格表について被告標章を付して電磁的方法により提供することの差止めを求 める部分(本件請求1)、被告標章を付したウェブサイトの削除を求める部分 (本件請求2)、契約書レビューサービスの提供に被告表示を使用することの差止めを求める部分(本件請求3)、ウェブサイトその他の広告物からの被告表示の抹消を求める部分(本件請求4)、被告が契約書レビューサービスの提供に関する広告及び価格表について被告標章を付して電磁 の差止めを求める部分(本件請求3)、ウェブサイトその他の広告物からの被告表示の抹消を求める部分(本件請求4)、被告が契約書レビューサービスの提供に関する広告及び価格表について被告標章を付して電磁的方法により提供したとして損害賠償を求める部分(本件請求6の1)、被告が契約書レビューサービスの提供に被告表示を使用したとして損害賠償を求める部分(本件請求6の2)並びに被告が本件米国訴訟を提起し、その訴訟追行をしたことが不法行為に当たるとして損害賠償を求める部分(本件請求7)はいずれも不適法であるから、これらを却下することとし、原告のその余の請求はいずれも理由がないから、これらを棄却することとし、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第46部 裁判長裁判官髙橋彩 裁判官吉川慶 裁判官杉田時基は、差支えのため署名押印することができない。 裁判長裁判官髙橋彩 別紙被告標章目録 記載省略 別紙被告商品等表示目録 記載省略 別紙商標権目録(1) 記載省略別紙商標権目録(2) 記載省略別紙原告商品等表示目録 記載省略

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