平成18(ネ)353 損害賠償請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
平成20年5月29日 高松高等裁判所 徳島地方裁判所 平成14(ワ)495
ファイル
hanrei-pdf-36484.txt

判決文本文41,060 文字)

-- 主文 原判決中,1審被告の敗訴部分を取り消す。 同部分に係る1審原告の請求を棄却する。 1審原告の差戻前控訴審における追加請求を棄却する。 訴訟の総費用は1審原告の負担とする。 事実及び理由 第1控訴の趣旨 1審原告(差戻前控訴審における追加請求)(1)1審被告は,1審原告に対し,4289万1660円及びこれに対する平成17年2月18日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (差戻前控訴審判決,上告審判決により,1審原告の控訴の趣旨は上記のとおりとなる)。 (2)訴訟の総費用は1審被告の負担とする。 (3)仮執行の宣言 1審被告主文同旨第2事案の概要 事案の骨子(1)原審における請求徳島県に属する旧木屋平村(以下「木屋平村」という)の発注する公共。 工事の指名競争入札に平成10年度まで継続的に参加していた1審原告は,平成11年度(以下「年度」とは当年4月1日から翌年3月31日までの,期間をいう)から平成15年度までの間,木屋平村のA村長(以下「A村。 長」という)から違法に指名を回避されたと主張して,合併により木屋平。 村の地位を承継した1審被告に対し,国家賠償法1条1項に基づき,1億3-- 958万0595円及びうち2791万6119円(平成11年度分の損害額)に対する平成12年4月1日から,うち2791万6119円(平成12年度分の損害額)に対する平成13年4月1日から,うち2791万6119円(平成13年度分の損害額)に対する平成14年4月1日から,うち2791万6119円(平成14年度分の損害額)に対する平成15年4月1日から,うち2791万6119円(平成15年度分の損害額)に対する平成16年4月1日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損 119円(平成14年度分の損害額)に対する平成15年4月1日から,うち2791万6119円(平成15年度分の損害額)に対する平成16年4月1日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた。 (2)原判決原審は,平成11年度の指名回避は違法とは認められないが,平成12年度ないし平成15年度の各指名回避は違法と認め,1審原告の上記(1)の請求を,9093万2393円及びうち1994万7570円(平成12年度分の損害額)に対する平成13年4月1日から,うち2421万2701円(平成13年度分の損害額)に対する平成14年4月1日から,うち2338万6061円(平成14年度分の損害額)に対する平成15年4月1日から,うち2338万6061円(平成15年度分の損害額)に対する平成16年4月1日から各支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で認容し(原判決主文第1項,その余を棄却した(同第2項。 ))(3)差戻前控訴審判決原判決に対し,1審原告及び1審被告の双方が自己の敗訴部分を不服として控訴し,1審原告は,差戻前控訴審において,平成16年度の指名回避も違法であると主張して,4289万1660円(同年度分の損害額)及びこれに対する平成17年2月18日から支払済みまで年5分の割合による金員。 ,,,の支払を求める訴えを追加したまた1審原告は差戻前控訴審において平成11年度分ないし平成15年度分の損害額に関する主張を減額した(なお,減額後の請求額は,いずれの年度についても,原判決の認容額よりも若-- 干上回る金額である。 。)差戻前控訴審は,平成11年度ないし平成16年度の各指名回避が違法であるとは認められないとして,1審被告の控訴に基づき,原判決中,1審被告の敗訴部分を取り消し( - 干上回る金額である。 。)差戻前控訴審は,平成11年度ないし平成16年度の各指名回避が違法であるとは認められないとして,1審被告の控訴に基づき,原判決中,1審被告の敗訴部分を取り消し(差戻前控訴審判決主文第1項,同部分及び差戻)前控訴審で追加した部分の1審原告の請求を棄却し(同第2項,1審原告)の控訴を棄却した(同第3項。 )(4)上告審判決1審原告は,差戻前控訴審判決に対し上告及び上告受理申立てをしたとこ,,,,ろ上告審は1審原告の上告を棄却する一方上告受理申立て理由のうち平成12年度ないし平成16年度の各指名回避の違法を理由とする部分(た,。)だし1審原告が村長選挙で応援しなかったことを理由とする部分を除くにつき上告審として受理し,その余については受理しない決定をした上,差戻前控訴審判決主文第1項及び第2項(平成12年度以降の指名回避を理由とする損害賠償請求に関する部分)を破棄し(上告審判決主文第1項,同)部分を当審に差し戻し同第2項1審原告のその余の上告を棄却した同(),(第3項。 )(5)当審における審判の対象以上によれば,1審原告の原審における請求が一部棄却された部分(平成11年度の指名回避を理由とする請求が棄却された部分と,平成12年度ないし平成15年度の各指名回避を理由とする請求が一部棄却された部分。原判決主文第2項)は,差戻前控訴審で維持され(差戻前控訴審判決主文第3項,上告審でも維持されている(上告審判決主文第3項)から,当審での)審判の対象外となる。 したがって,当審での審判の対象は,1審原告の原審における請求が一部認容された部分(平成12年度ないし平成15年度の各指名回避の違法を理由とする請求が一部認容された部分。原判決主文第1項)と1審原告の差戻- ,当審での審判の対象は,1審原告の原審における請求が一部認容された部分(平成12年度ないし平成15年度の各指名回避の違法を理由とする請求が一部認容された部分。原判決主文第1項)と1審原告の差戻-- 前控訴審における追加請求(平成16年度の指名回避の違法を理由とする請求)の当否ということになる。 前提となる事実次の事実は,当事者間に争いがないか,後掲の括弧内に摘示した証拠等により容易に認められる事実である。 (1)当事者1審原告は,昭和63年4月14日に設立された土木建築工事の請負及び施工等を目的とする有限会社である(乙56。 )A村長は,平成3年4月の選挙で木屋平村の村長に初当選し,以後継続して現職にあったが平成17年3月1日美馬郡美馬町同郡脇町以下脇,,,(「町」という,同郡穴吹町及び木屋平村が合併して1審被告となり,新市。)長が選出された(証人B,弁論の全趣旨。 )(2)木屋平村における指名競争入札の参加資格等の審査等ア指名競争入札の参加者の資格については,契約を締結する能力を有しない者等についての制限があるほか,地方公共団体の長において,あらかじ,,,,め指名競争入札に参加する者につき契約の種類及び金額に応じ工事製造又は販売等の実績,従業員の数,資本の額その他の経営の規模及び状況を要件とする資格を定めて,公示しなければならず(地方自治法234条6項,同法施行令167条の11第2項,3項,167条の5,平成)13年4月1日からは,指名競争入札の参加者の資格について公表することが義務付けられている(公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律8条1号,同法施行令7条1項2号。 )さらに,地方公共団体の長は,資格を有する者のうちから入札に参加させようとする者を指名する 義務付けられている(公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律8条1号,同法施行令7条1項2号。 )さらに,地方公共団体の長は,資格を有する者のうちから入札に参加させようとする者を指名するが(地方自治法234条6項,同法施行令167条の12第1項,同日以降は,地方公共団体が指名競争入札に参加す)る者を指名する場合の基準を定めたときは,これを公表することが義務付-- けられている(公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律8条1号,同法施行令7条1項3号。 )イ木屋平村は「建設業者等指名停止等措置要綱(以下「本件指名停止,」等要綱」という。乙19)を定め,平成4年4月1日から実施してきた。 本件指名停止等要綱(乙19)には,指名停止又は指名回避の事由となる項目とそれぞれの項目に対応する措置期間の基準が定められており,所定の項目に該当する者には指名停止の措置を行い,該当する疑いのある者には指名回避の措置を行うこととされている。その項目中に「その他重大な不法・不当行為を行い,指名業者として不適当と認められる者」という項目があり,その項目に対応する措置期間は2~12か月とされている。 木屋平村は「木屋平村公共事業審議会規則(以下「本件審議会規則」,」という。乙1)を定め,平成9年4月1日から施行してきた。木屋平村では,本件審議会規則に基づき,村の職員をもって組織する木屋平村公共事業審議会(以下「本件審議会」という)が設置され,毎年度の一般競争。 入札及び指名競争入札の参加資格審査等に関する審議のため,各年度ごとに1回本件審議会が開催され,その審議結果が村長に答申されていた。 ウ木屋平村は,同村が発注する建設工事の請負契約に係る一般競争入札及び指名競争入札に参加する者に必要な資格等に関する「木屋平村建設工事の請 件審議会が開催され,その審議結果が村長に答申されていた。 ウ木屋平村は,同村が発注する建設工事の請負契約に係る一般競争入札及び指名競争入札に参加する者に必要な資格等に関する「木屋平村建設工事の請負契約に係る一般競争入札及び指名競争入札参加資格審査要綱(以」下「本件資格審査要綱」という。乙3)を定めるとともに「木屋平村指,名競争入札審査委員会設置要綱(以下「本件審査委員会設置要綱」とい」う。乙2)を定め,いずれも平成14年4月1日から施行してきた。 本件審査委員会設置要綱には,村の助役,参事,総務課長,建設課長及び担当課の課長(局長,課長補佐,係長をもって組織する木屋平村指名)競争入札審査委員会(以下「本件審査委員会」という)を設置し,入札。 参加資格を有する者のうちから具体的にどの業者を選定するかについて本-- 件審査委員会で審議する旨が定められている。本件審査委員会設置要綱の附属文書として「指名競争に参加する者を指名する場合の基準(以下,」「本件指名基準」という)及び「木屋平村発注の工事請負契約に係る指。 名基準の運用基準(以下「本件運用基準」という)があり,入札参加」。 資格を有する者のうちから業者を指名する場合の基準を定めている。 本件資格審査要綱(乙3)は,木屋平村の区域内に主たる営業所を有する建設業者を「村内業者,その他の建設業者を「村外業者」と定義して」おり(4条,村外業者には入札に参加する資格はないとはしていないも)のの,村内業者と村外業者を明確に区別している。 本件指名基準は,工事請負契約について,入札参加資格を有する者のうちから「不誠実な行為の有無その他の信用状態」等の事項を総合勘案して指名することとしており,本件運用基準は「不誠実な行為の有無その他,の信用状態」を勘案する際の留意事項として 加資格を有する者のうちから「不誠実な行為の有無その他の信用状態」等の事項を総合勘案して指名することとしており,本件運用基準は「不誠実な行為の有無その他,の信用状態」を勘案する際の留意事項として「村当局と,信頼,信用度,が総合的に勘案し不充分な建設業者」に該当する場合には指名しないこととしている。 (3)1審原告の指名回避1審原告は,有限会社となる前の昭和60年ころから平成10年度まで,木屋平村が発注する公共工事の指名競争入札に継続的に参加し,工事を受注していたが,平成11年度から平成16年度まで,A村長から木屋平村が発注する公共工事への入札参加者として指名されなかった(以下,各年度の指名回避を「平成11年度の指名回避」などといい,平成12年度ないし平成16年度の各指名回避を合わせて指すときは「本件各指名回避」という)。 ため,入札に参加することができなかった(弁論の全趣旨。 )(4)指名回避前の1審原告の受注額1審原告が平成8年度から平成10年度までの間に受注した木屋平村の発注に係る公共工事の額は,次のとおりである。 -- 平成8年度5574万9770円平成9年度4440万3600円平成10年度6471万2089円第3争点及び当事者の主張 本件各指名回避の違法性(1)1審原告の主張ア指名排除のための手続の公正性,透明性(ア)地方公共団体の発注する公共工事は,住民の税金によって賄われるものであり,地方の建設業者の中には,1審原告のように公共工事の受注が仕事の大半を占める業者も少なくないから,公共工事の指名競争入札においては,受注機会が公平に与えられる必要があり,そのことを担保するため,入札参加資格を有する業者の指名手続は,公平,公正,透明に行わなければならない。これらのことを通じて,請負代金額 名競争入札においては,受注機会が公平に与えられる必要があり,そのことを担保するため,入札参加資格を有する業者の指名手続は,公平,公正,透明に行わなければならない。これらのことを通じて,請負代金額の妥当性(価格の有利性)が確保される。そして,このことは,特定の業者を指名から排除する場合にも妥当する。なぜなら,指名は入札参加機会を与えるものであり,指名からの排除は入札参加機会を奪うものであるから,入札参加資格を有する特定の業者にとっては,入札に参加する機会を確保するという点で同じことを意味するからである。 ,,,したがって特定の業者を指名から排除するためには手続の公正性透明性が確保されなければならず,これを手続的に担保するためには,地方公共団体において,①指名排除の基準を明確にし,②一体誰がどのような手続によって指名排除を行うのか,③その際,被排除業者に対してその理由を告知することなどについての手続や基準を定め,これらの手続や基準に則って指名排除を行わなければならない。これらの手続的な担保がなければ,地方公共団体の長が恣意的な指名排除を行うことを防止することができない。 -- (イ)国及び地方公共団体は,入札参加資格を有する業者を指名競争入札から排除する手続として,指名停止の手続を定めている。 木屋平村においても,本件指名停止等要綱(乙19)及び「建設業者」(「」。 )等指名停止等措置規則以下本件指名停止等規則という乙20を定め「契約の履行に当たり故意又は過失により工事を粗雑にし,若,しくは設計書に定められた品質・規格又は数量に関して不正の行為をした者「競争入札において,その公正な執行を妨げた者又は公正な価」,格の成立を害し,若しくは不正の利益を得るために連合した者「落」,札者が契約を締結 た品質・規格又は数量に関して不正の行為をした者「競争入札において,その公正な執行を妨げた者又は公正な価」,格の成立を害し,若しくは不正の利益を得るために連合した者「落」,札者が契約を締結すること,又は契約者が契約を履行することを妨げた者」などについて,2か月から12か月の限度で指名停止という手続を採ることにより,指名から排除することにしている。 (ウ)したがって,本件各指名回避の手続的な適法性は,上記のような観点から判断されなければならない。 イ本件各指名回避の手続上の違法性,()(ア)木屋平村では平成4年4月1日から本件指名停止等要綱乙19が,平成9年4月1日から本件審議会規則(乙1)及び本件指名停止等規則乙20が平成14年4月1日から本件審査委員会設置要綱乙(),(2)及び本件資格審査要綱(乙3)がそれぞれ施行されている。 このうち本件指名停止等要綱乙19及び本件指名停止等規則乙,()(20)は,入札参加資格を有する業者を,一定の期間,木屋平村の発注する公共工事の指名から排除するための手続及び理由を定めるものであるのに対し,本件審議会規則(乙1)は,入札参加資格の有無を判断するための本件審議会の構成及びその役割を本件審査委員会設置要綱乙,(2)及び本件資格審査要綱(乙3)は,入札参加資格を有する業者の中から誰を指名するか,本件審査委員会の構成及び指名のための基準をそれぞれ定めるものである。 -- このように,木屋平村では,入札参加資格を有する業者を指名から排,()除するための基準を定めるものとしては本件指名停止等要綱乙19及び本件指名停止等規則(乙20)が存在するだけであり,それ以外のものは,上記の基準を定めるものではなかった。 したがって,本件指名停止等要綱(乙 めの基準を定めるものとしては本件指名停止等要綱乙19及び本件指名停止等規則(乙20)が存在するだけであり,それ以外のものは,上記の基準を定めるものではなかった。 したがって,本件指名停止等要綱(乙19)及び本件指名停止等規則(乙20)所定の理由に該当する場合を除き,入札参加資格を有する業者を指名から排除することは許されない。 (イ)ところで,本件審査委員会設置要綱(乙2)の附属文書の1つである本件指名基準には「工事の請負契約については,指名競争に参加す,る資格を有する者のうちから,次に掲げる事項を総合勘案して指名する」との定めがあり「不誠実な行為の有無その他の信用状態」を勘。 ,案すべき事由の1つに揚げているそして本件審査委員会設置要綱乙。 ,(2)の附属文書の1つである本件運用基準には,入札参加資格を有する業者について,<ア>指名停止期間中,<イ>村発注工事に係る請負契約の履行が不誠実である場合,及び下請契約関係が不適切であることが,,明確である場合<ウ>警察当局から暴力団員が実質的に経営を支配し,,若しくはこれに準ずるものとして排除要請がある場合<エ>村当局と信頼,信用度が総合的に勘案して不充分な建設業者と判断される場合には,いずれも「不誠実な行為」があるものとして指名しないことと定めている。 しかしながら,上記<ア>ないし<エ>の事由は,いずれも特定の入札について,入札参加資格のある業者の中から誰を指名するかの考慮事由に,,。 ,すぎず一定の期間指名から排除するための理由ではないなぜなら仮に,上記の事由により入札参加資格のある業者を,一定期間,指名から排除することができるとすれば,指名停止との区別ができなくなり,指名停止について厳格な理由と期間を定めた意味が失われ,村発注の公-- の事由により入札参加資格のある業者を,一定期間,指名から排除することができるとすれば,指名停止との区別ができなくなり,指名停止について厳格な理由と期間を定めた意味が失われ,村発注の公-- 共工事について村長の恣意を防止することができなくなるからである。 (ウ)木屋平村における以上のような指名排除の手続及び基準に照らすと,1審被告が主張する本件各指名回避の理由は,本件指名停止等要綱(乙19)及び本件指名停止等規則(乙20)所定の指名排除の基準には当たらない。しかも,平成15年度の指名回避については,同年度の本件審議会の議事録(乙39)に1審原告を指名から排除する理由の記載がない。 したがって本件各指名回避は木屋平村の定める指名排除の基準指,,(名停止事由)に基づかずにされたものであり,手続的に違法である。 (エ)また,本件各指名回避に当たっては,本件審議会において審議が行われているところ,本件審議会規則(乙1)によれば,本件審議会は,入札参加資格の審査に関する権限を有するものの,入札参加資格を有する業者を指定から排除する権限までは有していない。本件指名停止等要綱(乙19)によれば,指名停止等の措置を行う場合及び措置内容の変更を行う場合には,建設工事指名審査委員会に諮らなければならないとされており,木屋平村において,入札参加資格を有する業者を指名から排除する権限を有していたのは,建設工事指名審査委員会である。 そうだとすると,本件各指名回避は,その権限を有しない本件審議会の審議に基づいて行われたものであり,手続的に違法である。 ウ本件各指名回避の理由の不存在(ア)村内業者の該当性,,()1審被告は後記(2)のとおり1審原告が本件資格審査要綱乙3にいう村内業者に当たらないことを本件各指名回避の理由の1つと 本件各指名回避の理由の不存在(ア)村内業者の該当性,,()1審被告は後記(2)のとおり1審原告が本件資格審査要綱乙3にいう村内業者に当たらないことを本件各指名回避の理由の1つとしている。 しかしながら,1審原告の本店所在地は木屋平村にあり,そこには1審原告代表者の母である監査役のCが住み「有限会社D」の看板を掲,-- ,「」,げそこにある電話の番号をDの名義で電話帳に掲載しているから1審原告が木屋平村に主たる営業所を有していることは明らかである。 したがって,1審原告は村内業者に当たるし,1審被告が後記(2)で主張する建設業法11条1項に違反するものでもない。 上告審判決は,1審原告を村内業者ではないとして村発注の公共工事の指名から排除することは,裁量権の逸脱又は濫用に当たると判断して,,()。 おりこの判断は差戻審である当審を拘束する民訴法325条3項したがって,本件各指名回避は違法である。 (イ)平成12年度の指名回避1審被告が主張するA村長から申出のあった話合いを1審原告が拒否した事実はない。 したがって,平成12年度の指名回避は違法である。 (ウ)平成14年度の指名回避そもそも,1審被告が主張するX1川橋の橋脚土台工事の現場は,谷底を流れるX1川に向かって落ち込んでいる切り立った崖にあり,その一部を切り崩して橋脚の土台を建設する工事をするのであるから,どうしても河川の多少の濁りの発生はやむを得ないものである。そして,そうであるからこそ,上記工事を発注した徳島県(脇町土木事務所)は,上記工事につき河川の濁りが発生したとの苦情があった際,河川の濁りを発生させないようにとの現場指導はしたものの,1審原告に対する処分等は行わなかったのである。そればかりでなく,上記工事に関する同事 上記工事につき河川の濁りが発生したとの苦情があった際,河川の濁りを発生させないようにとの現場指導はしたものの,1審原告に対する処分等は行わなかったのである。そればかりでなく,上記工事に関する同事務所の成績評定は70点であり(甲56の1,1審原告が河川の濁)りを発生させたことは減点理由とされていない。 このように,上記工事の発注者である徳島県は,1審原告の施工を全く問題にしていないのに,上記工事について何らの関わりを持たない木屋平村が,1審原告が河川の濁りを発生させたことを理由に平成14年-- 度の指名回避をすることは許されず,同指名回避は違法である。 (エ)平成16年度の指名回避そもそも,1審被告が主張するY砂防工事及びZ砂防工事は,いずれも徳島県(脇町土木事務所)が1審原告に発注した工事であるところ,徳島県は,1審被告が主張するE家の桧の伐採やF家の果樹(梅)の伐採を全く問題にしていない。また,1審原告は,E家の桧を伐採したことについて,Eから苦情があったので,弁償金を支払ったり植林をするなどしているし,F家の果樹(梅)を伐採したことについても,あらかじめ地権者の了解を得て行ったものである。したがって,上記各工事について何らの関わりを持たない木屋平村が,1審原告がE家の桧やF家の果樹(梅)を伐採したことを理由に平成16年度の指名回避をすることは許されず,同回避は違法である。 また,1審被告が主張する共聴用テレビアンテナケーブルの取外しについては,本来,徳島県から請け負ったGが取外しと取付けをすべきものであり,受注者ではない1審原告は,取外し及び取付けの義務を負うものではないから,平成16年度の指名回避理由とはならず,同指名回避は違法である。 エ本件各指名回避の真の理由A村長が本件各指名回避をしたのは,平成11年4月 原告は,取外し及び取付けの義務を負うものではないから,平成16年度の指名回避理由とはならず,同指名回避は違法である。 エ本件各指名回避の真の理由A村長が本件各指名回避をしたのは,平成11年4月に行われた木屋平村村長選挙において,1審原告がA村長の対立候補者を応援したことに対する意趣返しであり,恣意的なものである。 そして,A村長が長期間にわたり本件各指名回避を続けてきたのは,1審原告が入札に参加すると他の地元業者が談合を行うことができなくなるからであり,A村長は,他の地元業者の意向を受けて,1審原告の指名回避を続けてきたものである。 したがって,本件各指名回避は違法である。 -- オ国家賠償法上の違法(ア)上記のとおり,本件各指名回避は違法である。そして,A村長は,村発注の公共工事について,地方自治法や同法施行令の各規定,公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(特に同法3条)や同法施行令の各規定に基づき,指名競争入札における手続を公平,公正,透明に行うべき職務上の義務を負担していたものであり,この義務は,指名と裏腹の関係にある指名排除にも妥当すべきであるから,この義務に基づいて,入札資格を有する特定の業者を指名から排除するためには,村の定める指名排除の基準手続具体的には本件指名停止等要綱乙,(,〔19〕及び本件指名停止等規則〔乙20)に則って適切に行わなけれ〕ばならなかった。 (イ)ところが,本件各指名回避は,その理由がいずれも木屋平村の定める指名排除の理由には該当せず,しかも,本件審議会という指名排除につき何らの権限を有しない機関において1審原告の指名排除が決定され,A村長は,この決定に従って本件各指名回避をしたのであるから,A村長に職務義務違反があることは明らかである。 (ウ)した 名排除につき何らの権限を有しない機関において1審原告の指名排除が決定され,A村長は,この決定に従って本件各指名回避をしたのであるから,A村長に職務義務違反があることは明らかである。 (ウ)したがって,本件各指名回避は,国家賠償法上も違法である。 (2)1審被告の主張ア本件各指名回避の理由(ア)平成11年度の指名回避A村長が平成11年度の指名回避をした理由は,次のaないしcのとおりであり,合理的な理由があるから,上記指名回避に違法はない。 なお,上告審判決は,上記指名回避の違法を主張した1審原告の上告受理申立て理由が上告受理の決定で排除されたとして,この点に関する1審原告の上告を棄却している。 a1審原告は村内業者ではない。 -- b1審原告は,平成8年11月ころ,木屋平村が実施しようとしていた村道拡張工事に関し,1審原告の登記上の本店所在地前の50mほどの区間の工事について指名競争入札に参加させるよう木屋平村に求めた。当該工事は,1工区の工事区間が数百m程度,工事費にして3000ないし4000万円程度の工事であったため,本来であれば1500万円を超える工事について参加資格がなかった1審原告を参加させることはできなかったが,木屋平村は,協議の結果,上記区間について分割発注することとして,1審原告を入札に参加させた。 c1審原告は,平成10年8月ころ,1審原告代表者名義の山林を取水えん堤及び高区配水タンクの設置場所として木屋平村の実施しようとしていた簡易水道拡張改良工事に関し,その用地の売却に絡めて同工事の指名競争入札に1審原告を参加させるよう木屋平村に求めた。 木屋平村は,他の業者に既に指名通知を発出していた上,金額及び施工の面で1審原告を指名することができないため,1審原告の要求に応じることができず,上記両施設 審原告を参加させるよう木屋平村に求めた。 木屋平村は,他の業者に既に指名通知を発出していた上,金額及び施工の面で1審原告を指名することができないため,1審原告の要求に応じることができず,上記両施設の設置場所を他の者の所有地に変更した上で,入札を経て,工事を実施した。 (イ)平成12年度の指名回避A村長が平成12年度の指名回避をした理由は,次のaないしcのとおりであり,合理的な理由があるから,上記指名回避に違法はない。 a1審原告は村内業者ではない。 1審原告の実質上の経営者であるHは,平成6年3月以降,1審原告代表者である妻ら家族と共に脇町内の住居に住み,その敷地内に1審原告の事務所を設けており,住居の電話番号についても「D」の名義で電話帳に掲載している。1審原告のその他の取締役や従業員で,。 ,木屋平村に居住している者はいない1審原告代表者の母であるCも平成15年3月まで木屋平村の正規職員として勤務していたのである-- から,1審原告の登記上の本店所在地は,そこに常勤している者がおらず,営業拠点としての実態を有していない。 したがって,1審原告の登記上の本店所在地は,建設業法3条1項の「営業所」と同義である本件資格審査要綱(乙3)の主たる「営業所,すなわち,本店又は支店若しくは常時建設工事の請負契約を締」結する事務所には当たらず,1審原告は,本件資格審査要綱にいう村内業者には当たらない。 b1審原告には上記(ア)のaないしcの問題があり,A村長は,1審原告に対し,これらの問題の収拾策についての話合いの申出をしたにもかかわらず,1審原告はこれを拒否した。 c(当審新主張)建設業法所定の許可を受けて建設業を営んでいる1審原告は,主たる営業所たる本店を木屋平村から脇町に移転した(したがって,1審原告は村内業者ではなくな ず,1審原告はこれを拒否した。 c(当審新主張)建設業法所定の許可を受けて建設業を営んでいる1審原告は,主たる営業所たる本店を木屋平村から脇町に移転した(したがって,1審原告は村内業者ではなくなった。にもかかわらず,同法11条1。)項所定の変更届出書を徳島県知事に提出しなかったものであり,1審原告の行為は,同法50条第1項2号により刑事罰に処せられるべき違法行為である。 また,1審原告は,木屋平村に対し入札辞退届(乙96,97)を提出しなければならないのに,これをしなかった。 1審原告のかかる行為は,木屋平村にある1審原告の本店が単なる登記上の本店か,せいぜい事務の連絡のために置かれた事務所にすぎないことを知りながらこれを秘し,平成10年度まで違法に木屋平村の発注する公共工事の指名競争入札に継続的に参加し,工事を受注して不法に利益を得ていたものであり,本件指名停止等要綱(乙19)の「建設工事等の入札参加資格審査申請書及びその添付書類に虚偽の事実を記載した者「その他重大な不法・不当行為を行い,指名業」,-- 者として不適当と認められる者,本件運用基準(乙2の附属文書の」1つ)の「村当局と,信頼,信用度が総合的に勘案し不充分な業者」にそれぞれ該当する。 (ウ)平成13年度の指名回避A村長が平成13年度の指名回避をした理由は,次のa及びbのとおりであり,合理的な理由があるから,上記指名回避に違法はない。 a上記(イ)aのとおり,1審原告は村内業者ではない。 b上記(イ)cのとおり,1審原告には違法,不法行為がある。 (エ)平成14年度の指名回避A村長が平成14年度の指名回避をした理由は,次のaないしcのとおりであり,合理的な理由があるから,上記指名回避に違法はない。 a上記(イ)aのとおり,1審原告は村内業者では 平成14年度の指名回避A村長が平成14年度の指名回避をした理由は,次のaないしcのとおりであり,合理的な理由があるから,上記指名回避に違法はない。 a上記(イ)aのとおり,1審原告は村内業者ではない。 b上記(イ)cのとおり,1審原告には違法,不法行為がある。 c徳島県発注の平成13年度一般国道438号線道路改築竹尾第6分割X1橋橋脚土台工事(工期・平成13年12月~平成14年9月。 以下「X1川橋脚工事」という。甲48)を請け負った1審原告は,工事仕様書どおりに施工することなくX1川及びX2川を汚濁させたため,村民から苦情や通報が相次ぎ,O漁協本部による現地調査,指導がなされたにもかかわらず,これを改善することなく工事を続行した。 (オ)平成15年度の指名回避A村長が平成15年度の指名回避をした理由は,次のa及びbのとおりであり,合理的な理由があるから,上記指名回避に違法はない。 a上記(イ)aのとおり,1審原告は村内業者ではない。 b上記(イ)cのとおり,1審原告には違法,不法行為がある。 (カ)平成16年度の指名回避-- A村長が平成16年度の指名回避をした理由は,次のaないしeのとおりであり,合理的な理由があるから,上記指名回避に違法はない。 a上記(イ)aのとおり,1審原告は村内業者ではない。 b上記(イ)cのとおり,1審原告には違法,不法行為がある。 c平成15年11月ころ,徳島県発注のY砂防工事(甲49)を請け負った1審原告は,施工の際,E所有の桧を無断で伐採した。 d平成16年2月ころ,徳島県発注のZ砂防工事(甲51)を請け負った1審原告は,施工の際,F所有の果樹(梅)を無断で伐採した。 e同年6月3日,1審原告は,共聴用テレビアンテナのケーブルを取り外したまま放置した。 イ村内業者と村外業者を区 (甲51)を請け負った1審原告は,施工の際,F所有の果樹(梅)を無断で伐採した。 e同年6月3日,1審原告は,共聴用テレビアンテナのケーブルを取り外したまま放置した。 イ村内業者と村外業者を区別する合理性等(ア)木屋平村は,同村が山間へき地の超過疎の村であることなどの実情から,地域振興と地元建設業者の育成のため,昭和50年以前から,一定額以下の小規模建設工事の発注の際の指名競争入札の指名において,建設業者を村内業者と村外業者に分け,すべての村内業者を指名していた。 1審原告が昭和63年4月14日の設立当初から指名を受けてきたのは,上記の事情から当然のことである。 上告審判決も「地方公共団体が,指名競争入札に参加させようとす,る者を指名するに当たり,①工事現場等への距離が近く現場に関する知識等を有していることから契約の確実な履行が期待できることや,②地元の経済の活性化にも寄与することなどを考慮し,地元企業を優先する指名を行うことについては,その合理性を肯定することができる」旨判示して,木屋平村が建設業者を村内業者と村外業者に分け,村内業者を村が発注する公共工事の指名競争入札の入札参加者として指名することの合理性を認めている。 -- (イ)木屋平村が昭和50年以前から行っていた小規模建設工事の発注の際の指名競争入札における全村内業者の指名という運用は,徳島県内旧50市町村のうちのほとんどの市町村においても同様であり(乙138,木屋平村では,他のほとんどの市町村と同様,上記運用を明文化)していなかったにすぎない。 ウまとめ以上のとおり,本件各指名回避は,いずれも合理的な理由があるから,本件各指名回避がA村長の裁量権を逸脱又は濫用した違法なものということはできない。 A村長の故意又は過失(1)1審原告の主張 以上のとおり,本件各指名回避は,いずれも合理的な理由があるから,本件各指名回避がA村長の裁量権を逸脱又は濫用した違法なものということはできない。 A村長の故意又は過失(1)1審原告の主張ア前記1(1)のオで述べたとおり,本件各指名回避につき,A村長に職務義務違反があるところ,国家賠償法1条1項にいう「過失」とは,客観的な注意義務違反として捉えられるようになっているから,A村長に職務義務違反がある以上,A村長の過失の有無を問題にすることなく,1審被告は,同項に基づき,1審原告の被った損害を賠償すべき責任がある。 イ仮に,上記のようにいえないとしても,A村長は,入札参加資格を有する業者を木屋平村発注の公共工事の指名から排除する場合には,その手続の公平,公正,透明化のため,同村の定める指名排除基準,手続に則ってこれを行う職務上の義務を負担していたのに,これらの手続によることなく本件各指名回避をしたのであり,かつ,本件各指名回避が同村の定める指名排除基準,手続によらないものであることを知り又は容易に知り得たものであるから,その職務義務違反について故意又は過失がある。 したがって,1審被告は,国家賠償法1条1項に基づき,1審原告の被った損害を賠償すべき責任がある。 (2)1審被告の主張-- ア仮に,本件各指名回避が違法であるとしても,次の理由からすれば,A村長に故意又は過失があったとは認められないから,1審被告は,国家賠償法1条1項に基づく責任を負わない。 イ前記1(2)のイのとおり,木屋平村は,小規模建設工事の発注の際の指名競争入札の指名において,A村長が就任する前の昭和50年以前から,建設業者を村内業者と村外業者に分け,すべての村内業者を指名する運用をしていた。そして,このような運用は,徳島県内旧50市町村のうち 名競争入札の指名において,A村長が就任する前の昭和50年以前から,建設業者を村内業者と村外業者に分け,すべての村内業者を指名する運用をしていた。そして,このような運用は,徳島県内旧50市町村のうちのほとんどの市町村において,同様の運用がされていた。 ウ差戻前控訴審判決はもとより,上告審判決でも,木屋平村の上記運用についての合理性が認められ,違法ではないことが確認されている。 エ木屋平村における上記イの運用のとおり,村内業者であることが小規模建設工事の発注の際の指名競争入札の指名要件であったから,村内業者でなくなれば指名を受けることができなくなるのは当然であるところ,前記1(2)のア(イ)のaのとおり,1審原告が平成6,7年ころに本店を木屋平村から脇町に移転したことにより,1審原告は村内業者ではなくなり,木屋平村から指名を受ける資格を失ったのである。しかも,前記1(2)のア(イ)のcのとおり,1審原告は,上記のとおり本店を移転しながら,徳島県知事に対し建設業法11条1項所定の変更届出書を提出せず,同法50条1項2号所定の刑罰行為に及んだ。 1審原告が同法11条1項所定の変更届出書を提出しなかったのは,こ,,れを提出すれば1審原告が村内業者でなくなることが木屋平村に発覚し同村から指名を受けることができなくなるからである。つまり,1審原告は,同村から違法に指名を受ける目的をもって変更届出書を提出せず,本店移転の事実を秘したのである。 他方,1審原告が村内業者でなくなったことを木屋平村が知ったのは,同村のBほか2名が平成10年8月4日に脇町にある1審原告の本店を訪-- れたときである(乙4の6枚目,乙85。 )したがって,1審原告が本店を移転した平成6,7年ころから平成10年8月4日までの間,1審原告は,自己が村外業者であるこ る1審原告の本店を訪-- れたときである(乙4の6枚目,乙85。 )したがって,1審原告が本店を移転した平成6,7年ころから平成10年8月4日までの間,1審原告は,自己が村外業者であることを秘して木屋平村から違法に指名を受けてきた。 ,,オ木屋平村の住民は平成10年8月ころの簡易水道拡張改良工事に関し木屋平村が1審原告代表者所有の山林の代替地としてI所有の土地の提供を受けたことを知って立腹したHが同年9月ころにIに対し嫌がらせの仕返しをした(乙9)ことを契機に,1審原告が村外業者であることを秘して木屋平村から違法に指名を受け利益を得ていることを知った。そして,木屋平村の住民は,1審原告が木屋平村を食い物にしていると言って騒ぎ出した(乙47,48。 )カA村長は,上記イ,エ及びオの背景事情に基づき,平成11年度以降,1審原告が村内業者ではなくなっていることを理由の1つとして指名回避をしたものであり,A村長の立場からすれば,1審原告を指名回避することは,当然のことであった。 キ上告審判決は「地方公共団体が,指名競争入札に参加させようとする,者を指名するに当たり,①工事現場等への距離が近く現場に関する知識等を有していることから契約の確実な履行が期待できることや,②地元の経済の活性化にも寄与することなどを考慮し,地元企業を優先する指名を行うことについては,その合理性を肯定することができる」と判示する一方「①及び②の観点からは村内業者と同様の条件を満たす村外業者も,あり得る」と判示し,また「村内業者と同様に扱って指名をすることが,合理的であった工事もあり得た」と判示して,A村長が上記カのとおり1審原告を指名回避する場合にあっても,1審原告について,上記判示のような2つの点から考えて1審原告を指名する余地があるか ことが,合理的であった工事もあり得た」と判示して,A村長が上記カのとおり1審原告を指名回避する場合にあっても,1審原告について,上記判示のような2つの点から考えて1審原告を指名する余地があるかどうかを考えるべきであったかのような説示をしている。しかし,上記カのとおり1審原-- 告を指名回避しようとしているA村長において,上記判示のようなことを考えてみるように期待することは,無理を強いるものであって,期待可能性がないといわざるを得ない。 仮に,上記判示のようなことを考えるとしても,村外業者は無数に存在しているのであるから,その中から上記イ,エ及びオのような事情のある村外業者たる1審原告を選ぶということ自体,更に無理を強いるものであって,期待可能性がないといわざるを得ない。まして,1審原告は,X1川橋脚工事の際に掘削土砂流出防護措置をせずに河川を汚濁させたり,Y工事の際にE家所有の桧を無断伐採したり,Z工事の際にF家所有の果樹(梅)を無断伐採したり,共聴用テレビアンテナケーブルを取り外したまま放置したのであるから,上記判示のような考え方に立って村外業者たる1審原告を選ぶこと自体,なお一層の無理を強いるものである。 ク上告審判決は木屋平村における指名についての前記運用と上告人 ,「(審原告)が村外業者に当たるという判断が合理的であるとし,そのことのみを理由として,平成12年度以降上告人(1審原告)を公共工事の指名競争入札において指名しなかった木屋平村の措置が違法であるとはいえないとした原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある」と判示したものである。しかしながら,木屋平村における小規模建設工事発注の際の指名競争入札で村内業者のみを指名するとの運用は,上告審判決の言渡しよりもはるかに前の昭和50年 らかな法令の違反がある」と判示したものである。しかしながら,木屋平村における小規模建設工事発注の際の指名競争入札で村内業者のみを指名するとの運用は,上告審判決の言渡しよりもはるかに前の昭和50年以前からの運用であり,しかも,この運用については,徳島県内旧50市町村のうちのほとんどで同じ運用がされている。そして,差戻前控訴審判決並びに上告審判決における横尾裁判官及び泉裁判官は,上告審判決における多数意見とは正,,反対にA村長のした本件各指名回避は違法ではないと明確に述べておりこれに従えば,A村長には過失がないことになるのに対し,多数意見によれば,A村長には過失があることになり,法解釈上,到底認められるもの-- ではない。 そもそも,法律の専門家でもないA村長において,上告審判決の言渡しがされる前から,本件各指名回避が適法であるか否かにつき,精密司法といわれる緻密さ以上の判断を求めることは,およそ無理がある。 ケ上記イないしクの諸事情を総合判断すれば,本件各指名回避につき,A村長に故意はもとより過失もないことは明らかである。 1審原告の損害の内容及び損害額(1)1審原告の主張ア本件各指名回避がされる直前の3年間(平成8年度から平成10年度まで)の木屋平村発注に係る公共工事の額は,合計4億5264万4089円であるところ,同期間に1審原告が受注した公共工事の額は,前記前提となる事実(4)のとおり合計1億6486万5459円であるから,1審原告の平均受注率は0.3642である。 そして,平成11年度から平成16年度までの木屋平村の発注額及び1審原告の受注可能金額(上記発注額に平均受注率0.3642を乗じたもの)は,本判決別紙1(省略)のとおりであり,受注可能金額は総額3億4281万8332円となる。 イ他方,平成8 村の発注額及び1審原告の受注可能金額(上記発注額に平均受注率0.3642を乗じたもの)は,本判決別紙1(省略)のとおりであり,受注可能金額は総額3億4281万8332円となる。 イ他方,平成8年度から平成10年度までの1審原告の利益率(各年度の売上総利益と製造原価中の賃金及び賞与との合計額を完成工事高で除したもの)は0.4236であるから,上記受注可能金額に上記利益率0.4236を乗じた額と,弁護士費用として同金額の1割に相当する額を加えると,1審原告の損害額は,本判決別紙2(省略)のとおりとなる。 (2)1審被告の主張1審原告は,木屋平村発注の公共工事を受注しなかった間,徳島県発注の公共工事を受注しており,仮に,1審原告が木屋平村発注の公共工事を受注していたとすれば,徳島県発注の公共工事の受注金額が減少していたはずで-- あるから,本件各指名回避により1審原告に損害が発生したとはいえない。 また,現在の不況や予算減少等のため,木屋平村発注の公共工事は減少しており,仮に,1審原告が木屋平村発注の公共工事を受注したとしても,それによる利益は,平成10年度以前の半分以下になったはずである。 なお,1審原告主張の賃金及び賞与は,逸失利益算定の基礎に加えるべきではない。 第4当裁判所の判断 判断の大要当裁判所は,本件各指名回避のうち,平成12年度,平成14年度及び平成16年度の各指名回避について,A村長に裁量権を逸脱又は濫用した違法があるとは認められず,平成13年度及び平成15年度の各指名回避について,A村長に故意又は過失があるとは認められないから,本件各指名回避の違法を理由とする1審原告の損害賠償請求(差戻前控訴審における追加請求を含む)。 は,いずれも理由がないと判断する。 その理由は,次のとおりである。 事実経過 認められないから,本件各指名回避の違法を理由とする1審原告の損害賠償請求(差戻前控訴審における追加請求を含む)。 は,いずれも理由がないと判断する。 その理由は,次のとおりである。 事実経過前記前提となる事実に加え,証拠(甲1,5,7,9,乙1ないし5,9,,,,,,,〔〕11の1 15の1~3 45ないし48証人H原審及び証人Bのほか,後掲の括弧内に摘示した各証拠。ただし,以下の認定に反する部分を除く)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 。 (1)木屋平村の実情等木屋平村は,村面積のうち山岳林野が95%を占める山岳地帯にある上,同村の平成16年度一般会計当初予算が19億5000万円余りしかなく,徳島市から車で2時間も要し,人口が昭和29年には6036人であったのが50年後には1214人(徳島新聞社発行の平成16年度徳島年鑑による)に減少しており,65歳以上の高齢者が村民の半数を超える山間へき。 -- 地の超過疎の村である。 木屋平村では,村民の生活を支えていたかつての農業,林業が廃れてしまい,村内での公共建築土木工事が村の主だった産業であり,村民にとっては同工事現場で働くことが主な生活の糧であって,同村にとってはそれが地域経済の主要な支えになっていた(乙47,48,証人B。 )木屋平村の中央を貫流するX2川の両岸は15度から30度の急傾斜が連なり,この斜面に民家が張り付くような形で集落が形成されており,地質は脆弱で徳島県下でも有数の地滑り地帯にあって,集中豪雨の度に被害に悩まされてきた。そのため,村民は,同村が集中豪雨で被害を受けた際には,地元建設業者と協力して災害復旧作業に取り組むのが常であった(乙45ないし48。 )(2)木屋平村発注の公共工事の指名競争入札 されてきた。そのため,村民は,同村が集中豪雨で被害を受けた際には,地元建設業者と協力して災害復旧作業に取り組むのが常であった(乙45ないし48。 )(2)木屋平村発注の公共工事の指名競争入札の指名に関する運用ア上記(1)の実情から,木屋平村では,地域振興と地元建設業者の育成のため,昭和50年以前から,一定額以下の小規模建設工事の発注の際の指名競争入札の指名において,建設業者を村内業者と村外業者に分け,すべての村内業者を指名する運用を行っていた。そして,木屋平村の上記運用は,徳島県内旧50市町村のうちのほとんどの市町村(その中には,徳島市,鳴門市,小松島市といった臨海都市部の人口密集地にある市も含まれる)でも同様の運用であり,木屋平村だけではなく,他のほとんどの市。 町村も,上記運用を明文化していなかった(乙137,138,証人B,証人H〔原審)〕。 1審原告は,有限会社となる前の昭和60年ころから,木屋平村が発注する公共工事(一定額以下の小規模建設工事)の指名競争入札に継続的に参加していたが,これは,木屋平村の上記運用に基づくものであった。すなわち,木屋平村の当局者は,平成10年8月4日(J助役が1審原告の脇町の事務所へ行った日〔乙4の6枚目)に初めて,1審原告が村内業〕-- 者であることに疑問を持ったが,それまでは,1審原告を村内業者と認識していたため,他の村内業者と同様に,木屋平村が発注する公共工事(一定額以下の小規模建設工事)の指名競争入札に指名していたものである。 イ木屋平村は,平成14年4月1日施行の本件資格審査要綱(乙3)を定めた。 本件資格審査要綱(乙3)は,木屋平村の区域内に主たる営業所を有する建設業者を「村内業者,その他の建設業者を「村外業者」と定義して」おり(4条,村外業者には入札資格は 審査要綱(乙3)を定めた。 本件資格審査要綱(乙3)は,木屋平村の区域内に主たる営業所を有する建設業者を「村内業者,その他の建設業者を「村外業者」と定義して」おり(4条,村外業者には入札資格はないとはしていないものの,村内)業者と村外業者を明確に区別している。そして,木屋平村は,本件資格審査要綱を定めた後も上記アの運用を継続し,徳島県内旧50市町村も同様の運用をしていた。 (3)平成11年度の指名回避に至る経緯,,ア1審原告は1審原告代表者の父である亡Kが昭和58年ころに創業し昭和63年4月14日に法人成りした,従業員数11名程度の有限会社である。 1審原告は,昭和60年ころから平成10年度までの間,継続して木屋平村の発注する公共工事の指名競争入札に参加して工事を受注していた。 1審原告の工事高のほとんどは,木屋平村の発注に係る公共工事と木屋平村区域内における徳島県脇町土木事務所の発注に係る公共工事とで占められていた。 イ1審原告は,平成8年11月ころ,木屋平村が実施しようとしていた村道拡張工事に関し,1審原告の登記上の本店所在地前の50mほどの区間の工事について指名競争入札に参加させるよう木屋平村に求めた。当該工事は,1工区の工事区間が数百m程度,工事費にして3000ないし4000万円程度の工事であったため,本来であれば1500万円を超える工事について参加資格がなかった1審原告を参加させることはできなかっ-- た。木屋平村は,協議の結果,上記の区間について分割発注することとして,1審原告を指名競争入札に参加させた。 ウ1審原告は,平成10年8月ころ,木屋平村が1審原告代表者名義の山林を取水えん堤及び高区配水タンクの設置場所として実施しようとしていた簡易水道拡張改良工事に関し,その用地の売却に絡めて同工事の指 ウ1審原告は,平成10年8月ころ,木屋平村が1審原告代表者名義の山林を取水えん堤及び高区配水タンクの設置場所として実施しようとしていた簡易水道拡張改良工事に関し,その用地の売却に絡めて同工事の指名競争入札に1審原告を参加させるよう木屋平村に求めた。木屋平村は,他の業者に既に指名通知を発出していた上,金額及び施工の面で1審原告を指名することができないため,1審原告の要求に応じることができず,上記両施設の設置場所を他の者の所有地に変更した上で(乙32,33,入)札を経て,工事を実施した。 エ木屋平村(J助役)は,平成10年8月4日,1審原告の脇町の事務所へ行き,1審原告が村内業者であることに疑問を持った。そこで,木屋平村の当局者は,L参事に対し,木屋平村のC家の屋敷が1審原告の営業拠点として使われているか否かの調査を命じ,L参事は,同年9月11日,同年12月7日,平成11年1月14日及び同年4月7日の4回にわたり上記C家の屋敷の前まで出向いたところ,同屋敷は,何時も閉鎖されてお,(,り同屋敷が1審原告の営業拠点ではないことが判明した乙4の6枚目乙13,81,85,弁論の全趣旨。 )(,,,オ平成11年6月30日に開催された本件審議会助役参事企画課長厚生課長,産業経済課長,建設課長,同課係長が委員として出席)において,委員から,1審原告については上記イないしエ記載の各事実があり,かつ,登記上の本店所在地の事務所は従業員等が不在で数年間機能しておらず,代表者は脇町で生活しているのが現状である旨の意見が,有限会社M1(以下「M1」という)については農道工事に関する分割発注の要。 ,(「」。)求が再三にわたりあった旨の意見が株式会社M2以下M2というについては受注工事において捨て土を農地内に捨てていた 下「M1」という)については農道工事に関する分割発注の要。 ,(「」。)求が再三にわたりあった旨の意見が株式会社M2以下M2というについては受注工事において捨て土を農地内に捨てていた旨の意見がそれ-- ぞれ出され,これらの意見をA村長への答申の附帯意見として添付する旨の決議がされた。そして,本件審議会は,A村長に対し,1審原告の指名を回避すべき旨の答申をした(乙14。 )A村長は,本件審議会の答申に加え,1審原告が村内業者であるとは認められないとして,平成11年度に実施される指名競争入札においては1審原告に対し指名回避の措置を採ることを決定し(平成11年度の指名回避,M1及びM2に対しても同様の措置を採ることを決定した。 )(4)平成12年度の指名回避に至る経緯アその後,M2については平成11年12月ころ,M1については平成12年1月ころ,それぞれ木屋平村との間で話合いが行われ,A村長は,その結果を踏まえ,M1及びM2に対する指名回避の措置を解除した(乙10,12の2。 )イ平成12年1月,木屋平村は,仲裁人を通じて1審原告に対し,信頼回復,指名回復のための話合いをしたい旨申し入れたが,1審原告はこれを拒否した(乙8。 )ウ平成12年4月6日に開催された本件審議会(助役,参事,企画課長,厚生課長,産業経済課長,建設課長,同課係長,地積調査室係長が委員として出席)において,会長(助役)から,1審原告については上記イの話合いの申出が拒絶されており,A村長は1審原告には指名競争入札に参加する意思がないと判断している旨が報告されるとともに,委員から,1審原告の登記上の本店所在地の事務所は従業員が不在で機能しておらず,代表者は脇町で生活しているのが現状である旨の意見が出され,委員全員がA村長の判断に賛成し いる旨が報告されるとともに,委員から,1審原告の登記上の本店所在地の事務所は従業員が不在で機能しておらず,代表者は脇町で生活しているのが現状である旨の意見が出され,委員全員がA村長の判断に賛成した。そして,本件審議会は,A村長に対し,1審原告の指名を回避すべき旨の答申をした(乙35。 )エA村長は,本件審議会の答申に加え,1審原告が村内業者であるとは認められないとして,平成12年度に実施される指名競争入札においては1-- 審原告に対し指名回避の措置を採ることを決定した(平成12年度の指名回避。 )(5)平成13年度の指名回避に至る経緯(,,,ア平成13年5月14日に開催された本件審議会助役参事企画課長厚生課長,産業経済課長,建設課長,同課係長,同課主事が委員として出席)において,委員全員から,1審原告の登記上の本店所在地の事務所には常駐している者がほとんどおらず,1審原告は村内業者として認められないとの意見が出された。そして,本件審議会は,A村長に対し,1審原告の指名を回避すべき旨の答申をした(乙36。 )イA村長は,本件審議会の答申を受け,平成13年度に実施される指名競争入札においては1審原告に対し指名回避の措置を採ることを決定した(平成13年度の指名回避。 )(6)平成14年度の指名回避に至る経緯ア徳島県発注に係るX1川橋脚工事を請け負った1審原告は,平成14年1月ないし2月ころ,橋脚の土台工事施工の際,掘削土砂の河川流出防護対策を十分に行わなかったため,X1川及びそのすぐ下流で合流するX2川を汚濁させたそのため徳島県脇町土木事務所はX2川でアメゴア。 ,,(マゴ)漁をしているO漁協本部の者から抗議を受けたことがあった(甲4,,,,,, 乙37105ないし1 汚濁させたそのため徳島県脇町土木事務所はX2川でアメゴア。 ,,(マゴ)漁をしているO漁協本部の者から抗議を受けたことがあった(甲4,,,,,, 乙37105ないし111116ないし119 129,証人P。 )イ平成14年5月15日に開催された本件審議会(助役,教育長,参事,企画課長,厚生課長,産業経済課長,建設課長,同課係長2名,地積調査室課長補佐が委員として出席)において,委員から,徳島県発注に係るX1川橋脚工事を受注した1審原告がX1川及びX2川を汚濁させ,O漁協本部が現地調査や指導を行ったにもかかわらず現状が改善されていない旨の意見が出され,同意見をA村長への答申の附帯意見として添付する旨の-- 決議がなされた。そして,本件審議会は,A村長に対し,1審原告の指名を回避すべき旨の答申をした(乙38。 )ウA村長は,本件審議会の答申に加え,1審原告が村内業者であるとは認められないとして,平成14年度に実施される指名競争入札においては1審原告に対し指名回避の措置を採ることを決定した。 (7)平成15年度の指名回避に至る経緯ア本件審議会は,平成15年6月6日,助役,教育長,参事,厚生課長,総務課長,産業経済課長,企画課長,建設課長,同課係長2名,地積調査室課長補佐が委員として出席して開催され,A村長に対し,1審原告の指名を回避すべき旨の答申をした(乙39。 )イA村長は,本件審議会の答申に加え,1審原告が村内業者であるとは認められないとして,平成15年度に実施される指名競争入札においては1審原告に対し指名回避の措置を採ることを決定した。 (8)平成16年度の指名回避に至る経緯ア徳島県発注に係るY砂防工事を請け負った1審原告は,施工に際し,工事現場でウインチ(作業 札においては1審原告に対し指名回避の措置を採ることを決定した。 (8)平成16年度の指名回避に至る経緯ア徳島県発注に係るY砂防工事を請け負った1審原告は,施工に際し,工事現場でウインチ(作業機械)を据え付ける場所がなかったため,平成15年11月ころ,Eからウインチを据え付けるのに必要な範囲でE所有の山林上の桧を伐採してウインチを据え付けることの承諾を得て,上記山林上にウインチを据え付けた。しかしながら,Eは,1審原告がウインチ据付けの際にEにおいて承諾した範囲を超えて桧を伐採したとして,近隣に住むQに相談したほか,二男のRに連絡してH(1審原告代表者の夫で1審原告の実質上の代表者)に抗議してもらった。抗議を受けて同年12。 月13日にR方を訪れたHは,同月18日に補償金15万円を持参することを約束し,同日,15万円をRに交付した。しかし,HとRとの間で上記15万円の補償の趣旨,対象を巡って意見が対立した(Rは,伐採された桧自体の補償であると考えていたのに対し,Hは,伐採した桧のみなら-- ず,Y砂防工事の施工期間中の上記山林使用料をも含む趣旨と考えていた)ため,1審原告とEとの間で,紛争の解決を確認する旨の書面が取。 (,,,,り交わされるには至らなかった甲57の1・2乙41 113,121,122,131ないし135,証人H〔当審。ただし,上記認定に反する部分を除く,証人R。 。〕)イ徳島県発注の公共工事であるZ砂防工事を請け負った1審原告は,施工に際し,工事現場の水路の両側に植えられていたF所有の梅の木を,Fの(,,親類の承諾を得ただけでFの承諾を得ることなく伐採した乙4080,,〔。 ,。〕)。 証人H当審ただし上記認定に反する部分を除くウ平 所有の梅の木を,Fの(,,親類の承諾を得ただけでFの承諾を得ることなく伐採した乙4080,,〔。 ,。〕)。 証人H当審ただし上記認定に反する部分を除くウ平成16年7月1日に開催された本件審議会(助役,参事2名,厚生課長,総務課長,産業経済課長,企画課長,建設課長,同課係長2名が委員として出席)において,委員から,徳島県発注に係るY砂防工事及びZ砂防工事をそれぞれ受注した1審原告が他人所有の果樹等を必要以上に伐採したなどの意見が出され,同意見をA村長への答申の附帯意見として添付する旨の決議がなされた。そして,本件審議会は,A村長に対し,1審原告の指名を回避すべき旨の答申をした(乙42。 )エA村長は,本件審議会の答申に加え,1審原告が村内業者であるとは認められないとして,平成16年度に実施される指名競争入札においては1審原告に対し指名回避の措置を採ることを決定した。 事実認定の補足説明(1)1審原告主張の本件各指名回避の真の理由についてア対立候補者を応援したことに対する意趣返し1審原告は,A村長が本件各指名回避をしたのは,平成11年4月に行われた木屋平村村長選挙において,1審原告がA村長の対立候補者を応援したことに対する意趣返しである旨主張する。 しかしながら,1審原告は,本件各指名回避に先立つ平成11年度の指-- 名回避につき,差戻前控訴審や上告受理申立て理由の1つとして上記アと同様の主張をしたものの,同主張は差戻前控訴審判決で排斥され,上告受理決定でも排除されたから,平成11年度の指名回避の後になされた本件各指名回避の真の理由が,1審原告の上記アの主張のとおりであると認めることはできない。 イ他の地元業者が談合を行うことができなくなることの回避,,1審原告はA村長 の指名回避の後になされた本件各指名回避の真の理由が,1審原告の上記アの主張のとおりであると認めることはできない。 イ他の地元業者が談合を行うことができなくなることの回避,,1審原告はA村長が長期間にわたり本件各指名回避を続けてきたのは1審原告が入札に参加すると他の地元業者が談合を行うことができなくなるからであり,A村長は,他の地元業者の意向を受けて,1審原告の指名回避を続けてきたものである旨主張する。 しかしながら,1審被告(A村長)が長期間にわたり本件各指名回避を続けたのは,前記2(3)ないし(8)記載の理由によるものであり,A村長が他の地元業者が談合を行うことができなくなることを回避するために,長期間にわたり本件各指名回避を続けたことをうかがわせる事情は認められないから,1審原告の上記主張も採用できない。 (2)X1川橋脚工事についてア1審原告は,X1川橋脚工事は,現場の性質上,どうしても河川の多少の濁りの発生はやむを得ないものであり,上記工事を発注した徳島県脇町土木事務所も,濁り発生の苦情があった際,濁りを発生させないようにとの現場指導はしたものの,1審原告に対する処分等は行わなかったのであるから,上記工事につき何らの関わりを持たない木屋平村が,1審原告が河川の濁りを発生させたことを理由に平成14年度の指名回避をすることは許されない旨主張する。 イしかしながら,X1川橋脚工事は,木屋平村内を流れるX1川に架かるX1橋に関する工事である上,同橋の下を流れるX1川は,そのすぐ下流でX2川と合流する(乙116)のであるから,X1川橋脚工事の発注主-- 体が木屋平村ではなく徳島県であるからといって,掘削土砂の河川流出防護措置を十分講ずることなくX1川やX2川を汚濁させた場合には,上記各川を利用する木屋平村の村民等 川橋脚工事の発注主-- 体が木屋平村ではなく徳島県であるからといって,掘削土砂の河川流出防護措置を十分講ずることなくX1川やX2川を汚濁させた場合には,上記各川を利用する木屋平村の村民等に支障を来し,同村民等から1審原告や徳島県,木屋平村に対し苦情や抗議がされるであろうことは容易に推測できるところである。そして,そのような事態が生ずることは,木屋平村発注の公共工事の指名競争入札に参加する1審原告の施工能力や信用性等に疑義を生じさせるものである。 そうだとすると,A村長が平成14年度の指名競争入札に1審原告を指名するか否かを判断するに当たり,1審原告が木屋平村内を流れるX1川やX2川を汚濁させたことを考慮することが許されないと解すべき根拠はないというべきである。 ウしたがって,1審原告の上記アの主張は採用できない。 (3)E家の桧の伐採についてア1審原告は,E所有の桧を1審原告が必要以上に伐採したことにつき,発注者である徳島県脇町土木事務所は何ら問題にしていないし,1審原告は,桧の伐採につき,Eから苦情があったので,弁償金を支払ったり植林をするなどした旨主張する。 イ確かに,前記2(8)のアで認定したとおり,1審原告は,Y砂防工事の施工に際し,E所有の山林上にウインチを据え付けるため,Eから必要な範囲で同山林上の桧を伐採することの承諾を得て桧を伐採し,ウインチを据え付けたものの,その後,Hは,Eの依頼を受けたEの二男であるRから必要以上に桧を伐採した旨の抗議を受けたので,補償金として15万円を支払う旨約し,現実に補償金15万円を支払ったものである。しかしな,,,がらHとRとの間で上記補償金の趣旨及び対象を巡って意見が対立し1審原告とEとの間で,紛争の解決を確認する旨の書面が取り交わされるには至らなかったのである を支払ったものである。しかしな,,,がらHとRとの間で上記補償金の趣旨及び対象を巡って意見が対立し1審原告とEとの間で,紛争の解決を確認する旨の書面が取り交わされるには至らなかったのであるから,1審原告がRを通じてEに補償金を支払-- ったからといって,1審原告とEとの間の紛争が解決したものとはいえない。 そもそも,1審原告は,Y砂防工事を施工するに当たり,Eとの間で現実に紛争を生じさせたものであり,しかも,その原因は,もっぱら1審原(,,,,告にあると認められる乙112 131ないし133 証人R。 )したがって,Y砂防工事につき,発注者である徳島県脇町土木事務所が1審原告の施工を問題視したような事情は認められないからといって,A村長が平成16年度の指名競争入札に1審原告を指名するか否かを判断するに当たり,1審原告が上記の事情を考慮することが許されないと解すべき根拠はないというべきである。 ウしたがって,1審原告の上記アの主張は採用できない。 (4)F家の梅の木の伐採についてア1審原告は,F家の梅の木を伐採したことにつき,あらかじめ地権者の了解を得て行った旨主張する。 イしかしながら,Hは,当審証人尋問において,1審原告は,F家の梅の木を伐採するに当たり,近隣に居住するFの親類の承諾を得た旨証言する,(,。)にとどまりF本人の承諾を得たものではない当時Fは入院していたから,1審原告の上記伐採は,梅の木の所有者であるFの承諾を得ないでなされたものといわざるを得ない。 ウしたがって,1審原告の上記アの主張は採用できない。 (5)共聴用テレビアンテナケーブルの放置等ア1審被告は,平成16年6月3日ころ,1審原告が共聴用テレビアンテナのケーブルを取り外したまま放置した旨主張する 審原告の上記アの主張は採用できない。 (5)共聴用テレビアンテナケーブルの放置等ア1審被告は,平成16年6月3日ころ,1審原告が共聴用テレビアンテナのケーブルを取り外したまま放置した旨主張する。 イしかしながら,証拠(甲53,証人S)によれば,上記共聴用テレビアンテナのケーブルの取外し及び取付けは,徳島県発注の工事を請け負った-- 地元のGがすべきものであり,1審原告が取外し,取付けの義務を負っていたものではない。 ウしたがって,1審被告の上記アの主張は採用できない。 (6)建設業法11条1項違反についてア1審被告は,当審において,本件各指名回避の理由として,建設業法所定の許可を受けて建設業を営んでいる1審原告は,主たる営業所である本店を木屋平村から脇町に移転したにもかかわらず,同法11条1項所定の変更届出書を徳島県知事に提出せず,同法50条1項2号所定の刑罰行為に及んだばかりでなく,本店移転の事実を秘し,平成10年度まで違法に木屋平村の発注する公共工事の指名競争入札に参加して工事を受注し,不法に利益を得ていたことなどを追加して主張している。 イしかしながら,1審被告は,原審及び差戻前控訴審で上記の主張を何らしていなかったし,本件各指名回避に先立ち開催された平成12年ないし平成16年の本件審議会の各議事録(乙35,36,38,39,42)には,1審被告の上記追加主張に係る事情があったことは記載されていない。 そうだとすると,A村長が,前記2(3)ないし(8)で認定した本件各指名回避の理由に加え,1審被告の上記追加主張に係る事情を理由にしたものと認めることはできないというべきである。 ウしたがって,1審被告の上記アの主張は採用できない。 1審原告の村内業者該当性(1)はじめに前記2で認定した事実によれば,A 事情を理由にしたものと認めることはできないというべきである。 ウしたがって,1審被告の上記アの主張は採用できない。 1審原告の村内業者該当性(1)はじめに前記2で認定した事実によれば,A村長は,1審原告が村内業者であるとは認められないことを本件各指名回避の理由の1つとしていることが認められるから,A村長の上記判断に合理性があると認められるか否かについて,以下検討する。 -- (2)事実の認定証拠(証人H〔原審〕のほか,後掲の括弧内に摘示した証拠)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 ア1審原告の肩書地住所(登記上の本店所在地)には,1審原告代表者所有の土地及び建物があり,1審原告代表者の母であり1審原告の監査役とされているCが居住し(乙26。なお,Cは,昭和62年4月1日から平成15年3月31日まで,木屋平村の正規職員として勤務していた,。)同建物には「有限会社D」の看板が掲げられ(甲34,乙15の1,フ)ァクシミリと電話が置かれ「D」の名義で電話番号が電話帳に掲載され,ている(乙6。 )イ1審原告の実質上の経営者であるHは,平成6年3月以降,1審原告代表者である妻ら家族と共に脇町内に住居を構え(乙25,その敷地内に)1審原告の事務所を設けており,脇町内の住居の電話番号も「D㈲」の名義で電話帳に掲載されている(乙6。1審原告のその他の取締役らも,)平成4年以降は誰も木屋平村に住居を持っていない(乙26。1審原告)の従業員にも木屋平村に居住している者はいない(乙5。 )1審原告の登記上の本店所在地(主たる営業所)には従業員がおらず,本店は営業拠点としての実態を有していない(乙13,14,15の1~3,18,49,50。 )ウ木屋平村が村内業者であると認めている株式会社M3,同M4 所在地(主たる営業所)には従業員がおらず,本店は営業拠点としての実態を有していない(乙13,14,15の1~3,18,49,50。 )ウ木屋平村が村内業者であると認めている株式会社M3,同M4,有限会社M5及び同M6については,木屋平村内に居住する取締役はいないものの村内に在住する従業員がおり村内に実質的な登記上の本店所在地主,,(たる営業所)を有し,そこに常勤する者がいる(甲26及び27の各1,29,30の1,乙59ないし62,65ないし68。 )同じく木屋平村が村内業者であると認めているM2,M1,株式会社M7,同M8,有限会社M9及び同M10については,木屋平村内に在住す-- る取締役及び従業員がおり,村内に実質的な登記上の本店所在地(主たる営業所)を有し,そこに常勤する者がいる(甲28の1,31及び32の各1,33,乙57,58,63,64,69ないし78。 )エ建設業法3条1項は,1の都道府県の区域内にのみ営業所(本店又は支店若しくは政令で定めるこれに準ずるもの)を設けて建設業を営もうとする者は,都道府県知事の許可を受けることを要する旨規定し,同法施行令1条は,同法3条1項の政令で定める支店に準ずる営業所は,常時建設工事の請負契約を締結する事務所とする旨規定している。そして,これらの法令の規定を解説した建設業法解説改訂10版(乙103)によれば,建設業法施行令1条の常時建設工事の請負契約を締結する事務所とは,請負契約の見積もり,入札,狭義の契約締結等請負契約の締結に係る実体的な行為を行う事務所をいい,単に登記上の本店にすぎないものや,建設業に関係する事務所であっても特定の目的のため臨時に置かれている工事事務所,作業所等又は単なる事務の連絡のために置かれる事務所は該当しないとされ,同法3条1項の営業所 上の本店にすぎないものや,建設業に関係する事務所であっても特定の目的のため臨時に置かれている工事事務所,作業所等又は単なる事務の連絡のために置かれる事務所は該当しないとされ,同法3条1項の営業所に該当するか否かの判断は,当該営業所の実態に応じて行われるべきであるが,最低限度の要件としては,契約締結に関する権限を委任されており,かつ,事務所など建設業の営業を行うべき場所を有し,電話,机等什器備品を備えていることが必要であると解されている。 (3)検討ア上記(2)で認定した事実によれば,1審原告以外の他の村内業者は,少なくとも木屋平村内の営業所に常勤する取締役ないしは従業員がおり,同村に主たる営業所を有していると認められるのに対し,1審原告の登記上の本店所在地とされる建物に居住し,1審原告の監査役とされるCは,平成15年3月まで同村の正規職員として勤務しており,Cのほかに1審原告の従業員がいたわけでもない。また,上記建物には「有限会社D」の看-- 板が掲げられ,ファクシミリと電話が置かれ「D」の名義で電話番号が,電話帳に掲載されているものの,Cが1審原告から建設工事の請負契約を締結する権限の委任を受けていたとか,上記建物に電話やファクシミリのほかの什器備品が備え付けられていたとの事実を認めるに足りる証拠はない。 そうだとすると,1審原告の登記上の本店は,単に登記上のものにすぎないか,せいぜい単なる事務の連絡のために置かれた事務所にすぎないというべきであり,建設業法3条1項の営業所に当たると認めることはできない。そして,本件資格審査要綱(乙3)にいう村内業者とは,木屋平村の区域内に主たる営業所を有する建設業者と定義づけており,ここにいう営業所とは建設業法3条1項の営業所と同義と解するのが相当であるな,(お,徳島県脇 審査要綱(乙3)にいう村内業者とは,木屋平村の区域内に主たる営業所を有する建設業者と定義づけており,ここにいう営業所とは建設業法3条1項の営業所と同義と解するのが相当であるな,(お,徳島県脇町土木事務所作成の「平成15年度建設工事指名の手引(県内業者〔乙21〕には,地区割りを設ける工事種別にあっては,発注)」地区内に建設業法上の主たる営業所が所在する者を指名する旨の定めがあるなど,特定の工事については,同法上の営業所の所在の有無を指名の基準としていることが認められる)から,1審原告の登記上の本店をもっ。 て,本件資格審査要綱(乙3)にいう主たる営業所としての実態があると認めることはできないというべきである。他に木屋平村内に1審原告の主たる営業所と同視できる場所があることの主張立証はない。 したがって,1審原告が木屋平村内に主たる営業所を有する村内業者と,。 は認められないとした木屋平村の判断は合理的なものというべきであるイこれに対し,1審原告が提出した平成17年3月31日現在の従業員名簿(甲42)には,木屋平村に居住している従業員が4名いる旨の記載があるが,1審被告の木屋平総合支所建設水道課長の陳述書(乙88)によれば,これら4名が1審原告の従業員であるとは認められない。 1審原告は,もっぱら木屋平村内において仕事をしてきたから,村内業-- 者である旨主張するが,建設業法3条1項の営業所とは,あくまで本店,支店若しくは常時建設工事の請負契約を締結する事務所をいうとされ,本件資格審査要綱(乙3)にいう営業所は,建設業法3条1項の営業所と同義と解するのが相当であるから,1審原告が木屋平村内で請負工事をしていただけでは,当然に主たる営業所を有する村内業者に当たると解することはできない。 したがって,1審原告の上記主張は 項の営業所と同義と解するのが相当であるから,1審原告が木屋平村内で請負工事をしていただけでは,当然に主たる営業所を有する村内業者に当たると解することはできない。 したがって,1審原告の上記主張は採用できない。 本件各指名回避の違法性(争点1)について(1)平成12年度の指名回避の違法性ア前記2(4)で認定したとおり,A村長は,平成12年4月6日開催の本件審議会の答申に加え,1審原告が村内業者であるとは認められないとして,1審原告に対し平成12年度の指名回避をしたものである。 そして,本件審議会が答申した平成11年度の指名回避後の木屋平村か,,らの話合いの申出を1審原告を拒絶したことについてはその前提として平成11年度の指名回避が違法であるとは認められないとの差戻前控訴審の判断が既に確定しているから,木屋平村からの事態打開のための話合いの申出を1審原告が拒絶したことは,木屋平村において,1審原告が本件指名停止等要綱(乙19)の「その他重大な不法・不当行為を行い,指名業者として不適当と認められる者」に当たるとの判断をさせるに十分な事情というべきである。 イまた,前記4(3)のアで認定したとおり,1審原告は,本件資格審査要綱乙3の村内業者に当たるとは認められないところ前記2(1)及び(2)(),で認定したとおり,木屋平村は,同村が山間へき地の超過疎の村であり,同村の主な産業は公共工事といっても過言ではなかったことなどの実情から,地域振興と地元建設業者の育成のため,昭和50年以前から,一定額以下の小規模建設工事の発注の際の指名競争入札の指名において,建設業-- 者を村内業者と村外業者に分け,すべての村内業者を指名する運用を行っていた。このような運用は,木屋平村のような山間へき地の超過疎の村について,その必要性が 争入札の指名において,建設業-- 者を村内業者と村外業者に分け,すべての村内業者を指名する運用を行っていた。このような運用は,木屋平村のような山間へき地の超過疎の村について,その必要性が特に高いといえるが,徳島県内旧50市町村のうちのほとんどの市町村でも同様の運用をしており,徳島市,鳴門市,小松島市といった臨海都市部の人口密集地にある市でも同様であって,上告審判決でも「地方公共団体が,指名競争入札に参加させようとする者を指名,するに当たり,①工事現場等への距離が近く現場に関する知識等を有していることから契約の確実な履行が期待できることや,②地元の経済の活性化にも寄与することなどを考慮し,地元企業を優先する指名を行うことについては,その合理性を肯定することができる」旨判示していることからすると,木屋平村の上記運用が明文化されていなかったとしても,直ちに不合理ということはできない。 ウ以上の諸事情を総合すると,平成12年4月6日開催の本件審議会の答申及び1審原告が村内業者であるとは認められないことを理由にA村長がした平成12年度の指名回避が,不合理であって裁量権を逸脱又は濫用したものと認めることはできないというべきである。 したがって,平成12年度の指名回避が違法であるとは認められない。 (2)平成14年度の指名回避の違法性ア前記2(6)で認定したとおり,A村長は,平成14年5月15日開催の本件審議会の答申に加え,1審原告が村内業者であるとは認められないとして,1審原告に対し平成14年度の指名回避をしたものである。 そして,本件審議会が答申した際に添付した「徳島県発注に係るX1川橋脚工事を受注した1審原告がX1川及びX2川を汚濁させ,O漁協本部が現地調査や指導を行ったにもかかわらず,現状が改善されていない」。 旨の附 件審議会が答申した際に添付した「徳島県発注に係るX1川橋脚工事を受注した1審原告がX1川及びX2川を汚濁させ,O漁協本部が現地調査や指導を行ったにもかかわらず,現状が改善されていない」。 旨の附帯意見については,その前提として,1審原告は,X1川橋脚工事施工の際,掘削土砂の河川流出防護措置を十分講じることなくX1川及び-- X2川を汚濁させたとの事実が認められる。したがって,同事実は,木屋平村において,1審原告が本件指名停止等要綱(乙19)の「その他重大な不法・不当行為を行い,指名業者として不適当と認められる者,本件」指名基準(乙2の本件審査委員会設置要綱の附属文書の1つ)及び本件運用基準(同じく附属文書の1つ)の「不誠実な行為」をした者にそれぞれ当たるとの判断をさせるに十分な事情というべきである。 イまた,前記4(3)のアで認定したとおり,1審原告は,本件資格審査要綱(乙3)の村内業者に当たるとは認められないところ,上記(1)イで説示したとおり,木屋平村は,昭和50年以前から,一定額以下の小規模建設工事の発注の際の指名競争入札の指名において,建設業者を村内業者と村外業者に分け,すべての村内業者を指名する運用を行っており,この運用が明文化されていなかったとしても,直ちに不合理ということはできない。 ウ以上の諸事情を総合すると,平成14年5月15日開催の本件審議会の答申及び1審原告が村内業者であるとは認められないことを理由にA村長がした平成14年度の指名回避が,不合理であって裁量権を逸脱又は濫用したものと認めることはできないというべきである。 したがって,平成14年度の指名回避が違法であるとは認められない。 (3)平成16年度の指名回避の違法性ア前記2(8)で認定したとおり,A村長は,平成16年7月1日開催の本件審議 うべきである。 したがって,平成14年度の指名回避が違法であるとは認められない。 (3)平成16年度の指名回避の違法性ア前記2(8)で認定したとおり,A村長は,平成16年7月1日開催の本件審議会の答申に加え,1審原告が村内業者であるとは認められないとして,1審原告に対し平成16年度の指名回避をしたものである。 そして,本件審議会が答申した際に添付した「徳島県発注に係るY砂防工事及びZ砂防工事をそれぞれ受注した1審原告が他人所有の果樹等を必。」,,要以上に伐採するなどした旨の附帯意見についてはその前提として1審原告が,Y砂防工事施工の際,E所有の桧を必要以上に伐採したとし-- て同人との間で紛争となり,1審原告が補償金15万円をRを通じてEに支払ったものの,紛争を解決する旨の書面の取り交わしには至らなかったこと,1審原告がZ砂防工事施工の際,Fの親類の承諾を得るのみで,F本人の承諾を得ることなくF所有の梅の木を伐採したとの事実が認められる。したがって,同事実は,木屋平村において,1審原告が本件指名停止等要綱(乙19)の「その他重大な不法・不当行為を行い,指名業者として不適当と認められる者,本件指名基準及び本件運用基準の「不誠実な」行為」をした者にそれぞれ当たるとの判断をさせるに十分な事情というべきである。 イまた,前記4(3)のアで認定したとおり,1審原告は,本件資格審査要綱(乙3)の村内業者に当たるとは認められないところ,上記(1)イで説示したとおり,木屋平村は,昭和50年以前から,一定額以下の小規模建設工事の発注の際の指名競争入札の指名において,建設業者を村内業者と村外業者に分け,すべての村内業者を指名する運用を行っており,この運用が明文化されていなかったとしても,直ちに不合理ということはできない。 ウ 際の指名競争入札の指名において,建設業者を村内業者と村外業者に分け,すべての村内業者を指名する運用を行っており,この運用が明文化されていなかったとしても,直ちに不合理ということはできない。 ウ以上の諸事情を総合すると,平成16年7月1日開催の本件審議会の答申及び1審原告が村内業者であるとは認められないことを理由にA村長がした平成16年度の指名回避が,不合理であって裁量権を逸脱又は濫用したものと認めることはできないというべきである。 したがって,平成16年度の指名回避が違法であるとは認められない。 (4)平成13年度及び平成15年度の各指名回避について上告審判決は,木屋平村における指名についての運用と1審原告が村外業者に当たるという判断が合理的であるとし,そのことのみを理由として,平成13年度及び平成15年度の各指名回避が違法であるとはいえないとした原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある旨判-- 示しているから,上告審判決を前提とすれば,平成13年度及び平成15年度の各指名回避は,裁量権を逸脱又は濫用したものとして違法という帰結になる(なお,当裁判所は,後記6のとおり,上記各指名回避につき,A村長に故意又は過失があるとは認められないと判断するから,当審における当事者双方の主張及び証拠調べの結果を踏まえた場合の上記各指名回避の違法性〔ただし,手続上の違法は除く〕についての判断はしない。 。 。)(5)1審原告主張の本件各指名回避の手続上の違法についてア1審原告は,前記第3の1(1)のイ(ア)ないし(エ)のとおり主張して,本件各指名回避は,手続的に違法である旨主張する。 イ前記前提となる事実のとおり,木屋平村においては,①指名停止又は指名回避の事由となる項目とそれぞれの項目に対応する措置期間の のとおり主張して,本件各指名回避は,手続的に違法である旨主張する。 イ前記前提となる事実のとおり,木屋平村においては,①指名停止又は指名回避の事由となる項目とそれぞれの項目に対応する措置期間の基準等を定めた本件指名停止等要綱(平成4年4月1日から施行。乙19,②)指名競争入札の参加資格審査等に関する審議を行う審議会の設置等を定めた本件審議会規則(平成9年4月1日から施行。乙1,③指名競争)入札に参加する者に必要な資格等について定めた本件資格審査要綱(平成14年4月1日から施行。乙3,④入札参加資格を有する者のうちか)ら具体的にどの業者を指名するかを審査する審査委員会の設置等を定めた本件審査委員会設置要綱(同日から施行。乙2)があり,⑤本件資格審査要綱の附属文書として,指名競争に参加する者を指名する場合の基準を定めた本件指名基準及びその運用基準を定めた本件運用基準があるところ,前記2で認定した事実及び弁論の全趣旨によれば,本件指名回避がされるに至る手続過程において,必ずしも上記のような明文の定めに従った処理が行われたものとはいえないものがあったことが認められる。 ウしかしながら,前記2の(4)ないし(8)で認定したとおり,A村長は,平成12年度ないし平成16年度において,いずれも,本件審議会規則に基づき設置された本件審議会(木屋平村役場の主要なポストの管理職職員を-- ほぼ網羅した委員によって構成されている)から,1審原告の指名を回。 ,。 避すべき旨の答申を受けて本件各指名回避の措置を採っているのである確かに,①A村長は,平成12年度及び平成13年度については,指名停止等の措置を行う場合には,建設工事指名審査委員会に諮らなければならないとされているのに(本件指名停止等要綱〔乙19〕第6の1,)同審査 A村長は,平成12年度及び平成13年度については,指名停止等の措置を行う場合には,建設工事指名審査委員会に諮らなければならないとされているのに(本件指名停止等要綱〔乙19〕第6の1,)同審査委員会の諮問を経ないで指名回避の措置を採っている。②また,A村長は,平成14年度から平成16年度までについても,平成14年4月1日から本件審査委員会設置要綱(乙2,本件資格審査要綱(乙3))が施行されているのに,本件審査委員会設置要綱に基づき設置されるべき審査委員会(本件審査委員会)の報告に基づき,指名回避の措置を採ったものではない(同要綱1条,2条,6条参照。 ),,,しかしながら上記①については平成12年度及び平成13年度当時木屋平村に建設工事指名審査委員会が設置されていたことをうかがわせる証拠がないところ,A村長は,上記各年度に,上記審査委員会と同様の組織である本件審議会からの答申を受けて,1審原告についての指名回避の措置を採っている。また,上記②についても,本件審査委員会は,木屋平村の助役,参事,総務課長,建設課長及び担当課の課長,課長補佐,係長をもって組織するものとされており(本件審査委員会設置要綱3条,平)成14年度から平成16年度にかけて開催された本件審議会でも,上記メンバーのほとんどが委員として出席しているのであって,A村長は,そこで協議して出された答申に基づき,平成14年度から平成16年度にかけて,1審原告についての指名回避の措置を採っている(前記2の(6)ないし(8) 。 )エしかも,A村長が,本件各指名回避の措置を採った理由のうち,1審原告が村内業者であるとは認められないとした点については,前記2(2)のとおり,木屋平村では,昭和50年以前から,小規模建設工事の発注の際-- の指名競争入札の指 置を採った理由のうち,1審原告が村内業者であるとは認められないとした点については,前記2(2)のとおり,木屋平村では,昭和50年以前から,小規模建設工事の発注の際-- の指名競争入札の指名において,建設業者を村内業者と村外業者に分け,すべての村内業者を指名する運用をしており,このような運用は,徳島県内旧50市町村のうちのほとんどの市町村でも同様の運用がされていたことからすると,本件各指名回避がされるに至る手続過程において,木屋平村の定める明文規定に従った処理が完全に履行されたとはいえないからといって,手続上の瑕疵は軽微なものにとどまるというべきである。 オ以上の諸事情に照らせば,本件各指名回避の措置を採るに至る手続について,国家賠償法1条1項所定の違法があるとまでいうことはできない。 A村長の故意又は過失(争点2)について(1)はじめに,,国家賠償法1条1項は国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員がその職務を行うについて,故意又は過失によって違法に他人に損害を加えた,,ときは国又は公共団体がこれを賠償する責に任ずる旨規定しているところ一般に,過失とは,権利侵害の結果の発生又はその可能性を認識しないで,あるいはその結果の発生が認容されないのに結果の発生又はその可能性を認,。 識しながら権利侵害の危険性のある行為をすることをいうと解されているそして,平成13年度及び平成15年度の各指名回避のように,公務員が公権力を積極的に行使する場合には,通常,私人の権利を侵害するから,権利の侵害を予見しただけでは過失があるということはできず,違法であることを予見できなければ過失があるということはできないというべきである。 そこで,A村長において,平成13年度及び平成15年度の各指名回避が,,,違法であることを予見し ことはできず,違法であることを予見できなければ過失があるということはできないというべきである。 そこで,A村長において,平成13年度及び平成15年度の各指名回避が,,,違法であることを予見し又は予見することができたか否かについて以下検討する。 (2)検討ア平成13年度及び平成15年度の各指名回避の違法性について,差戻前控訴審は,違法であるとまではいえないと判断したのに対し,上告審判決-- の多数意見(裁判官3名)は,前記5(4)のとおり判示して,差戻前控訴審の上記判断は違法であると判断し,反対意見(裁判官2名)は,村内業者ではないことを理由に指名しなかったことに裁量権の逸脱又は濫用した違法はないと判断している。 このように,平成13年度及び平成15年度の各指名回避の違法性については,上告審判決でも多数意見3名と反対意見2名とで判断が分かれ,多数意見をもって差戻前控訴審の判断が違法であると判断されたものであるから,A村長において,平成13年度及び平成15年度の各指名回避の措置を採ることを決定した時点で,上記各指名回避が不合理であって裁量権を逸脱又は濫用した実体的に違法なものであることを予見することは困難であったと考えられる。 イ前記2(1)及び(2)で認定したとおり,木屋平村は,同村が山間へき地の超過疎の村であり,同村の主な産業は公共工事といっても過言ではなかったことなどの実情から,地域振興と地元建設業者の育成のため,昭和50年以前から,一定額以下の小規模建設工事の発注の際の指名競争入札の指名において,建設業者を村内業者と村外業者に分け,すべての村内業者を指名する運用を行っていた。このような運用は,木屋平村のような山間へき地の超過疎の村について,その必要性が特に高いといえるが,徳島県内旧50市町村のうちのほとんど 村外業者に分け,すべての村内業者を指名する運用を行っていた。このような運用は,木屋平村のような山間へき地の超過疎の村について,その必要性が特に高いといえるが,徳島県内旧50市町村のうちのほとんどの市町村でも同様の運用をしており,徳島市,鳴門市,小松島市といった臨海都市部の人口密集地にある市でも同様であって,しかも,木屋平村だけではなく,他のほとんどの市町村も,上記のような運用を明文化していなかった。木屋平村の当局者は,平成10年8月4日に初めて,1審原告が村内業者であることに疑問を持ったが,それまでは,1審原告を村内業者と認識していたため,1審原告が有限会社となる前の昭和60年ころから,他の村内業者と同様に,木屋平村が発注する公共工事(一定額以下の小規模建設工事)の指名競争入札に1審原-- 告を指名していたものであり,これは,木屋平村の上記運用に基づくものであった。 また,徳島県脇町土木事務所作成の「平成15年度建設工事指名の手引き(県内業者(乙21)には,地区割りを設ける工事種別にあっては,)」発注地区内に建設業法上の主たる営業所が所在する者を指名するとされ(3頁,県外業者のうち県内に営業所,作業所等を有し従来から県内業)者と同様に指名している者については,当分の間,県内業者に準ずるものとして扱うとされている(4頁。 )さらに,徳島県以外の他の地方公共団体においても,地元優先の指名参加基準が設けられていた(平成19年8月27日の当審第1回弁論準備手続期日調書。 )このように,木屋平村を含む徳島県内旧50市町村のほとんどや,徳島県その他の地方公共団体では,地理的条件や地域振興,地元業者の育成の観点等から,建設工事の指名競争入札につき,入札参加を希望する建設業者を地元企業(市町村内業者,県内業者)とそれ以外(市町村 ,徳島県その他の地方公共団体では,地理的条件や地域振興,地元業者の育成の観点等から,建設工事の指名競争入札につき,入札参加を希望する建設業者を地元企業(市町村内業者,県内業者)とそれ以外(市町村外業者,県外業者)とに分け,一定の種類の建設工事につき地元企業を優先して指名するという運用をしてきたものであるところ,木屋平村や他の徳島県内旧50市町村のほとんどの運用は,平成16年度の指名回避が行われた時点,。 ,,においてさえ明文化されていなかったのであるそして上告審判決は「地方公共団体が,指名競争入札に参加させようとする者を指名するに当たり,①工事現場等への距離が近く現場に関する知識等を有していることから契約の確実な履行が期待できることや,②地元の経済の活性化にも寄与することなどを考慮し,地元企業を優先する指名を行うことについては,その合理性を肯定することができる」と判示している。 。 以上のような諸事情にかんがみると,A村長において,平成13年度及び平成15年度の各指名回避の措置を採ることを決定した時点で,上記各-- 指名回避が不合理であって裁量権を逸脱又は濫用した実体的に違法なものであることを予見することは,なお一層困難であったと考えられる。 ウ以上説示したところによれば,仮に,平成13年度及び平成15年度の各指名回避が実体的には違法であると判断されるとしても(なお,前記5(4)のとおり,当裁判所は,当審における当事者双方の主張及び証拠調べの結果を踏まえた場合の上記各指名回避の違法性〔ただし,手続上の違法を除く〕については判断をしない,A村長において,上記各指名回避。 。)が実体的に違法であることを予見していたとはいえないし,予見することもできなかったというべきである。 ,,,したがって上記各指名 ついては判断をしない,A村長において,上記各指名回避。 。)が実体的に違法であることを予見していたとはいえないし,予見することもできなかったというべきである。 ,,,したがって上記各指名回避につきA村長に故意がないのはもとより過失もなかったと認めるのが相当である。 まとめ以上によれば,本件各指名回避のうち,平成12年度,平成14年度及び平成16年度の各指名回避については,それらが違法であるとは認められず,平成13年度及び平成15年度の各指名回避については,仮にそれらが実体的に違法であるとしても,A村長に故意又は過失があるとは認められないから,本件各指名回避が違法であることを理由とする1審原告の損害賠償請求(差戻前控訴審における追加請求を含む)は,いずれも理由がないことになる。 。 第5 結論 よって,1審被告の控訴に基づき,1審原告の損害賠償請求を一部認容した原判決主文第1項を取り消し,同部分に係る1審原告の請求及び差戻前控訴審における追加請求を棄却することとして,主文のとおり判決する。 高松高等裁判所第2部裁判長裁判官紙浦健二-- ,。 裁判官小池晴彦及び同島岡大雄は転補につき署名押印することができない裁判長裁判官紙浦健二

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る