令和7(わ)51 ストーカー行為等の規制等に関する法律違反、偽計業務妨害被告事件

裁判年月日・裁判所
令和7年10月23日 秋田地方裁判所
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判決文本文1,886 文字)

令和7年10月23日宣告秋田地方裁判所刑事部判決令和7年(わ)第51号ストーカー行為等の規制等に関する法律違反、偽計業務妨害被告事件 主文 被告人を懲役2年に処する。 この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、第1 Aに対する恋愛感情その他の好意の感情、又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、 1 同人から拒まれたにもかかわらず、別表1記載のとおり、令和6年5月21日午後6時07分頃から同月22日午前8時56分頃までの間、11回にわたり、秋田市内又はその周辺において、自己が使用する携帯電話機から前記Aの使用する携帯電話機に連続して電子メールを送信するとともに、いずれもその頃、東京都内又はその周辺において、同人に、同表番号1ないし4、7、10及び11の電子メールを閲読させ、各「送信内容」欄に記載のとおり、同人に面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求し 2 別表2記載のとおり、同年6月4日午後10時頃から同年9月16日午後1時頃までの間、9回にわたり、Aの居住先ほか4か所において、押し掛け、見張りをし、又はみだりにうろつきもって、同人に対し、その身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により、つきまとい等を反復して行い、ストーカー行為をした第2 別表3記載のとおり、同年8月11日午後9時58分頃から同日午後10時22分頃までの間、3回にわたり、秋田市ab番c号付近において、同所に設 置された公衆電話を使用して、同市de丁目f番g号秋田市消防本部に119番通報をし、これに対応した同消防本部職員に対し、前記Aが居住する 3回にわたり、秋田市ab番c号付近において、同所に設 置された公衆電話を使用して、同市de丁目f番g号秋田市消防本部に119番通報をし、これに対応した同消防本部職員に対し、前記Aが居住する建物において火災が発生している旨の内容虚偽の事実を告げ、これを受け、同日午後10時02分頃から同日午後11時01分頃までの間、秋田消防署等の消防職員合計43名を同建物に出動させて出火事実の確認をさせるなど徒労の業務に従事させ、その間、これらの業務に従事した同職員らの正常な業務の遂行を困難にさせ、もって偽計を用いて人の業務を妨害したものである。 (量刑の事情)本件は、被告人が、不倫関係にあった女性に対するストーカー行為をし、同人のマンションで火災があった旨の虚偽通報をして市の消防業務を妨害した事案である。 まず後者の点についてみるに、通報内容が事実であれば消火活動に加えて多くの住民を急いで避難させる必要があるため、消防本部としては急遽40名以上の消防隊員や救急隊員を出動させ、消防車両を派遣し、多数の居室で検索及び安否確認を行うなど、総力を挙げた大規模な対応を強いられたもので、その正常な業務が現に大きく阻害されたことが明らかといえる。犯行動機は、消防職員の立入検査により不倫相手と別の男性との接触を妨害したいというもので、固より酌量の余地がない。 ストーカー行為も、種々の行為を長期間・多数回反復したばかりか、自身の行為が処罰対象となる旨警告する文書を県警本部内で交付された後も相手の居住先付近をうろつくなど強い犯意に基づいており、被害女性の不安感には大きなものがあった。 加えて、被告人は、当時、幹部警察官として法令を遵守し、社会の秩序を守るべき立場にあったから、一般人に比べて責任がある程度加重されることもやむを得ない。 本件では、被告 感には大きなものがあった。 加えて、被告人は、当時、幹部警察官として法令を遵守し、社会の秩序を守るべき立場にあったから、一般人に比べて責任がある程度加重されることもやむを得ない。 本件では、被告人が上記の地位や職業上の知識を悪用したわけではなく、各公訴事実を全て認めて反省の態度を示していること、被害女性に対して相応の賠償金を支払う合意が成立したこと等の有利に斟酌すべき事情もあるため、懲役刑の執行は 猶予するが、先の犯情(過失犯や軽微な違反等でないこと)からすると、被告人が既に報道等による社会的制裁を受け、退職金が支給されない可能性があること等の弁護人が指摘する諸事情を考慮しても、罰金刑とすることは許されないと判断した。 (求刑 - 懲役2年)令和7年10月23日秋田地方裁判所刑事部 裁判官岡田龍太郎 (別表の掲載省略)

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