- 1 -平成26年3月27日判決言渡平成24年(行ウ)第171号公文書部分公開処分取消請求事件主文 1 大阪市長が,原告Aに対し,平成24年6月14日付けでした同原告の同年5月17日付けの公開請求に対する部分公開決定(大建第21577-2号)のうち,別紙1記載の各部分を非公開とした部分を取り消す。 2 近畿地方整備局長が,原告Bに対し,平成24年3月29日付けでした同原告の同年1月31日付けの行政文書の開示請求に対する行政文書開示決定(国近整総情第5344号)のうち,別紙2記載の各部分を不開示とした部分を取り消す。 3 原告Aの被告大阪市に対するその余の請求及び被告国に対する請求並びに原告Bの被告国に対するその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は,原告Aに生じた費用の4分の3,被告大阪市に生じた費用の10分の7及び被告国に生じた費用の5分の1を同原告の負担とし,原告Bに生じた費用の4分の3及び被告国に生じた費用の5分の3を同原告の負担とし,原告A及び被告大阪市に生じたその余の費用を同被告の負担とし,原告B及び被告国に生じたその余の費用を同被告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 大阪市長が,原告Aに対し,平成24年6月14日付けでした同原告の同年5月17日付けの公開請求に対する部分公開決定(大建第21577-2号)のうち,非公開とした部分を取り消す。 2 近畿地方整備局長が,原告Bに対し,平成24年3月29日付けでした同原告の同年1月31日付けの行政文書の開示請求に対する行政文書開示決定(国近整総情第5344号)のうち,不開示とした部分を取り消す。 3 近畿地方整備局長が,原告Aに対し,平成24年6月18日付けでした同原 - 2 -告の同年5月17日付けの行政文書の開示請求に対する行政 第5344号)のうち,不開示とした部分を取り消す。 3 近畿地方整備局長が,原告Aに対し,平成24年6月18日付けでした同原 - 2 -告の同年5月17日付けの行政文書の開示請求に対する行政文書開示決定(国近整総情第1058号)のうち,不開示とした部分を取り消す。 第2 事案の概要 1 本件は,①原告Aが平成24年5月17日付けで大阪市長に対し大阪市情報公開条例(平成13年大阪市条例第3号。以下「情報公開条例」という。)に基づき公文書の公開を請求したところ,大阪市長から平成24年6月14日付けで部分公開決定(大建第21577-2号。以下「本件部分公開決定」という。)を受けたため,その非公開部分の取消しを求め,②原告Bが同年1月31日付けで近畿地方整備局長に対し行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「情報公開法」という。)に基づき行政文書の開示を請求したところ,近畿地方整備局長から同年3月29日付けで行政文書の一部を開示する決定(国近整総情第5344号。以下「本件一部不開示決定1」という。)を受けたため,その不開示部分の取消しを求め,③原告Aが同年5月17日付けで近畿地方整備局長に対し情報公開法に基づき行政文書の開示を請求したところ,近畿地方整備局長から同年6月18日付けで行政文書の一部を開示する決定(国近整総情第1058号。以下「本件一部不開示決定2」といい,本件一部不開示決定1と併せて「本件各一部不開示決定」という。)を受けたため,その不開示部分の取消しを求めている事案である。 2 情報公開条例の定め(乙1)何人も,公開請求書を実施機関(2条1項)に提出する方法により,実施機関に対し,当該実施機関の保有する公文書の公開を請求することができる(5条,6条1項)。実施機関は,公開請求に係る公文書に7条各号に掲げる情 開請求書を実施機関(2条1項)に提出する方法により,実施機関に対し,当該実施機関の保有する公文書の公開を請求することができる(5条,6条1項)。実施機関は,公開請求に係る公文書に7条各号に掲げる情報(以下「非公開情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き,公開請求者に対し,当該公文書を公開しなければならない(7条)。 7条1号本文は,個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって,当該情報に含まれる氏名,生年月日その他の記述等に - 3 -より特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより,特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが,公にすることにより,なお個人の権利利益を害するおそれがあるものを非公開情報として定めている。そして,同号ただし書は,①法令若しくは条例(以下「法令等」という。)の規定により又は慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報(ア),②人の生命,身体,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報(イ),③当該個人が公務員等(情報公開法5条1号ハに規定する公務員等並びに住宅供給公社等の役員及び職員をいう。)である場合において,当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは,当該情報のうち,当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分(ウ)は,非公開情報から除外する旨を定めている。 また,7条4号は,大阪市の機関及び国等(国,独立行政法人等,他の地方公共団体,地方独立行政法人及び住宅供給公社等をいう。以下同じ。)の内部又は相互間における審議,検討又は協議に関する情報であって,公にすることにより,率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれる 地方独立行政法人及び住宅供給公社等をいう。以下同じ。)の内部又は相互間における審議,検討又は協議に関する情報であって,公にすることにより,率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ,不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるものを非公開情報として定めている。 3 前提事実(当事者間に争いのない事実及び各項掲記の証拠(以下,枝番の存するものは特に断らない限り全枝番号を含む。)等により認めることのできる事実等)(1) 当事者等原告Bは,大阪市α×番所在のCの住民らを構成員とする権利能力なき社団である。なお,Cはかつて大阪市住宅供給公社が分譲したマンションである。(弁論の全趣旨)大阪市長は,情報公開条例2条1項に定める実施機関である。 - 4 -(2) 本件事業及び同事業に関する技術検討委員会の概要等ア淀川左岸線は,阪神高速道路湾岸線(北港JCT)から新御堂筋(国道423号)までの延長約10キロメートルの自動車専用道路であり,このうち○事業(以下「本件事業」という。)は,大阪市βからγまで区間の延長約4.3キロメートル,幅員約25メートルの自動車専用道路の建設事業であり,完成予定を平成32年度とする事業である。本件事業は,広域幹線道路ネットワークの形成や大阪市北部中心地域の交通混雑緩和などを目的として平成8年3月に都市計画決定され,平成12年1月頃から阪神高速道路公団が事業者として実施してきたが,平成15年度の同公団民営化に伴う事業見直しの結果,平成18年度から,被告大阪市が用地取得及び本体工事の一部を行い(街路事業),D株式会社が舗装及び付属施設などの工事と有料道路の維持管理を行う(有料道路事業)という合併施行方式により,継続実施 果,平成18年度から,被告大阪市が用地取得及び本体工事の一部を行い(街路事業),D株式会社が舗装及び付属施設などの工事と有料道路の維持管理を行う(有料道路事業)という合併施行方式により,継続実施しているものである。(丙5,7の1)イ本件事業については,昭和60年度から昭和62年度にわたり「淀川左岸線と淀川の河川構造物に関する検討委員会」にて検討され,その後,堤防の取扱いの変更,道路構造物の変更,地震の影響,コスト縮減その他の要因等の課題に対し,平成11年度から平成15年度にかけて「○の建設に関する検討委員会」が設置され,堤防の安全性などの技術的諸問題について検討されてきた。そして,本件事業に関して,道路線形を精査したことに伴い,河川堤防の治水機能を維持するための技術的な指標(堤防と道路構造物の一体構造物が堤防として要求される機能を満足すること,かつ現況堤防と同等以上の機能を有すること。また,施工に際して仮設構造物が堤防として要求される機能を確保すること等)を明確にし,安全性を検証することが必要であり,また,従前の検討委員会で課題とされた施工方法,堤防耐震性能照査及びモニタリング手法等に対し,改めて技術的な検討を加えるため,平成23年5月13日,○事業に関する技術検討委員会 - 5 -(以下「委員会」という。)が設置された。(丙6,7の1)委員会は,本件事業に当たり,道路構造物と堤防を一体とした場合の安全性,施工方法及び維持管理手法等について技術的な審議を行うことを目的とし,その目的を達成するため,①道路構造物と堤防を一体構造とした場合の河川堤防としての安全性の照査方法等に関すること,②道路構造物と堤防を一体構造とした場合の施工方法に関すること,③道路構造物の建設及び完成後の維持管理手法及びモニタリングに関すること,④ した場合の河川堤防としての安全性の照査方法等に関すること,②道路構造物と堤防を一体構造とした場合の施工方法に関すること,③道路構造物の建設及び完成後の維持管理手法及びモニタリングに関すること,④その他委員会の目的を遂行するため必要な事項に関することを審議するものとされた(丙6,7の1)。 委員は学識経験のある者等から近畿地方整備局長及び大阪市長が委嘱するものとされ,現在8名の委員が委嘱を受けている。また,委員会の事務局は,淀川左岸堤防を管理する河川管理者である近畿地方整備局河川部及び近畿地方整備局淀川河川事務所並びに本件事業の事業主体である被告大阪市の建設局及びD株式会社に置かれており,委員会の会議の運営に関する事務その他の事務を処理するものとされている。(丙6,7の1)委員会は原則として非公開で開催するが,会議配付資料は近畿地方整備局及び被告大阪市のホームページに公開することを原則としている。また,会議における議事要旨は,会議後速やかに作成し,あらかじめ委員長の確認を受けた上で,近畿地方整備局及び被告大阪市のホームページに公開される。(丙6,7の1)委員会は,平成23年5月13日(第1回委員会),同年7月8日(第2回委員会)及び同年11月29日(第3回委員会)に開催された。各委員会における議事骨子,委員からの主な意見,今後の委員会スケジュールや委員会に提出された資料が上記ホームページで公開されている。(丙7)ウ被告大阪市は,株式会社Eに対し,本件事業に関する各種技術的検討, - 6 -委員会資料作成,委員会速記等の業務を委託した(甲17ないし19)。 また,被告国も,株式会社Fに対し,本件事業に関する技術的検討等の業務を委託した(弁論の全趣旨。以下,株式会社E及び株式会社Fを「本件各受注業者」という。)。 務を委託した(甲17ないし19)。 また,被告国も,株式会社Fに対し,本件事業に関する技術的検討等の業務を委託した(弁論の全趣旨。以下,株式会社E及び株式会社Fを「本件各受注業者」という。)。 (3) 近畿地方整備局長の原告Bに対する一部開示決定(本件一部不開示決定1)ア原告Bは,平成24年1月31日,近畿地方整備局長に対し,情報公開法4条1項の規定に基づき,①「近畿地方整備局または淀川河川事務所(以下,「河川管理者」)が作成した,○事業と高規格堤防整備事業について,大阪市,D㈱(以下,「道路事業者」)と河川管理者が協議(河川協議を含む)を行った時の議事録(メモを含む),及びその議事録に付属する資料・図面の一切(期間平成23年4月26日以降~請求日まで)」,②「道路事業者のいずれかが作成して,河川管理者に提出した,○事業と高規格堤防整備事業について道路事業者と河川管理者が協議(河川協議を含む)を行った時の議事録(メモを含む),及びその議事録に付属する資料・図面の一切(期間平成23年4月26日以降~請求日まで)」,③「第1回○事業に関する技術検討員会(平成23年5月13日開催),第2回○事業に関する技術検討員会(平成23年7月8日開催)の議案内容の全文とその議事録(打ち合わせメモを含む),議案に付属する資料・図面の一切」の開示を請求した。 イ近畿地方整備局長は,前記アの請求対象の行政文書を,①「平成23年7月1日○事業委員会に関する打合せメモ」,②「平成23年7月4日○事業委員会に関する打合せメモ」,③「平成23年8月4日○事業委員会に関する打合せメモ」,④「平成23年8月17日○事業委員会に関する打合せメモ」,⑤「平成23年9月20日○事業委員会に関する打合せメモ」,⑥「平成23年10月25日○事業委員会に関する打合せメ 会に関する打合せメモ」,④「平成23年8月17日○事業委員会に関する打合せメモ」,⑤「平成23年9月20日○事業委員会に関する打合せメモ」,⑥「平成23年10月25日○事業委員会に関する打合せメモ」, - 7 -⑦「平成23年10月28日○事業委員会に関する打合せメモ」,⑧「第1回○事業に関する技術検討委員会資料」,⑨「第2回○事業に関する技術検討委員会資料」及び⑩「○事業に関する技術検討委員会の参考資料」と特定した上で,平成24年3月29日付けで,原告Bに対し,「出席者名」及び「委員の意見等に関する部分」を不開示とし,その余を開示する旨の一部開示決定(本件一部不開示決定1)をした(具体的な不開示部分は別紙3のとおり)。上記不開示とした理由は,「出席者名」は特定の個人を識別するもので,公にすることにより,なお個人の権利利益を害するおそれがあるもので,情報公開法5条1号に規定する個人に関する情報であり,同号ただし書のいずれにも該当しないというものであり,「委員の意見等に関する部分」は,委員会において検討段階のものであり,同条5号に規定する審議,検討等に関する情報であって,公にすることにより,委員会における委員間の率直な意見の交換若しくは中立性が損なわれるおそれがあること及び未成熟な情報を公にすることにより,誤解や憶測を招き混乱を生じさせるおそれがあるというものであった。もっとも,被告国は,その答弁書において,上記「公にすることにより,なお個人の権利利益を害するおそれがあるもので,」の部分は誤記であると説明している。 (甲7,丙2,当裁判所に顕著な事実)(4) 近畿地方整備局長の原告Aに対する一部開示決定(本件一部不開示決定2)ア原告Aは,平成24年5月17日,近畿地方整備局長に対し,情報公開法4条1項の規定に基づき, 判所に顕著な事実)(4) 近畿地方整備局長の原告Aに対する一部開示決定(本件一部不開示決定2)ア原告Aは,平成24年5月17日,近畿地方整備局長に対し,情報公開法4条1項の規定に基づき,「第3回○事業に関する技術検討員会(平成23年11月29日開催)の議事内容の全文とその議事録(打ち合わせメモを含む),議事に付属する資料・図面の一切」の開示を請求した。 イ近畿地方整備局長は,前記アの請求対象の行政文書を,①「第3回○事業に関する技術検討委員会の資料」,②「第3回○事業に関する技術検討 - 8 -委員会の参考資料」,③「平成23年11月21日○事業委員会に関する打合せメモ」及び④「平成23年12月26日○事業委員会に関する打合せメモ」と特定した上で(なお,これらの行政文書及び前記(3)イ掲記の行政文書を「本件各行政文書」という。),平成24年6月18日付けで,原告Aに対し,上記③,④の各文書のうち「委員の意見等に関する部分」及び「受注業者の担当者「氏名」」を不開示とし,その余を開示する旨の一部開示決定(本件一部不開示決定2)をした(具体的な不開示部分は別紙4のとおり。なお,以下,本件各一部不開示決定により不開示とされた部分を「本件不開示部分」という。)。上記不開示とした理由は,「委員の意見等に関する部分」は,委員会において検討段階のものであり,情報公開法5条5号に規定する審議,検討に関する情報であって,公にすることにより委員会における委員間の率直な意見の交換若しくは中立性が損なわれるおそれがあるもので,「受注業者の担当者「氏名」」は,特定の個人を識別するもので,同条1号に規定する個人に関する情報であり,同号ただし書のいずれにも該当しないというものであった。(甲16,丙4)(5) 大阪市長の原告Aに対する部分公開決 名」」は,特定の個人を識別するもので,同条1号に規定する個人に関する情報であり,同号ただし書のいずれにも該当しないというものであった。(甲16,丙4)(5) 大阪市長の原告Aに対する部分公開決定(本件部分公開決定)ア原告Aは,平成24年5月17日,大阪市長に対し,情報公開条例5条の規定により,「第3回○事業に関する技術検討員会(平成23年11月29日開催)の議事内容の全文とその議事録(打ち合わせメモを含む),議事に付属する資料・図面の一切」の公開を請求した。 イ大阪市長は,前記アの請求対象の公文書を,①「第3回○事業に関する技術検討委員会平成23年11月29日(火)議事録」(以下「本件議事録」という。),②「平成23年11月21日○事業左岸線打ち合わせメモ」及び③「平成23年12月26日○事業打ち合わせメモ」と特定した上で(以下,これらの公文書を「本件各公文書」という。),平成24年6月14日付けで,原告Aに対し,「業務受注者の個人の氏名」及び「具 - 9 -体的な検討内容に係る部分」を非公開とし,その余を公開する旨の部分公開決定(本件部分公開決定)をした(具体的な非公開部分は別紙5のとおり。以下,本件各公文書のうち非公開とされた部分を「本件非公開部分」という。)。上記非公開とした理由は「業務受注者の個人の氏名」は,個人に関する情報であって,当該情報そのものにより特定の個人が識別されるおそれがあり,かつ,同号ただし書のいずれにも該当しないというものであり,「具体的な検討内容に係る部分」については,被告大阪市の機関又は被告国等の内部又は相互間における審議,検討又は協議に関する情報であって,公にすることにより,率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ,又は,不当に市民の間に混乱を生じさせるがあ 等の内部又は相互間における審議,検討又は協議に関する情報であって,公にすることにより,率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ,又は,不当に市民の間に混乱を生じさせるがあるというものであった。(甲2)なお,ここにいう②平成23年11月21日○事業左岸線打ち合わせメモ及び③平成23年12月26日○事業打ち合わせメモは,前記(4)イの③平成23年11月21日○事業委員会に関する打合せメモ及び④平成23年12月26日○事業委員会に関する打合せメモとそれぞれ同一の文書である(弁論の全趣旨)。 (6) 本訴提起原告らは,平成24年8月22日,本訴を提起した(当裁判所に顕著な事実)。 4 争点(1) 個人識別情報該当性(情報公開法5条1号,情報公開条例7条1号)(2) 審議情報該当性(情報公開法5条5号,情報公開条例7条4号) 5 当事者の主張(1) 争点(1)(個人識別情報該当性(情報公開法5条1号,情報公開条例7条1号))について(被告国の主張) - 10 -ア本件各受注業者の担当者名が情報公開法5条1号の個人識別情報に該当すること本件各行政文書に記載された本件各受注業者の担当者名は,特定の個人を識別することができる個人識別情報そのものであり,情報公開法5条1号の個人識別情報に当たる。 イ原告らの主張に対する反論(ア) 受注業者の担当者名は平成15年最判にいう「法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報」に当たらないこと原告らは,最高裁平成10年(行ヒ)第54号同15年11月11日第三小法廷判決・民集57巻10号1387頁(以下「平成15年最判」という。)を引用し,本件各行政文書に記載された本件各受注業者の担当者名は情報公開法5条1号に該当しない旨主張する。しかし 月11日第三小法廷判決・民集57巻10号1387頁(以下「平成15年最判」という。)を引用し,本件各行政文書に記載された本件各受注業者の担当者名は情報公開法5条1号に該当しない旨主張する。しかし,上記担当者は本件各受注業者に雇用されている一般社員に過ぎず,法人等の代表者又はこれに準ずる地位にある者ではないし,同担当者が事前打合せに出席したとの情報が,権限に基づいて当該法人のために行う契約の締結等に関する情報とはいえないから,本件不開示部分に記載された本件各受注業者の担当者名は平成15年最判にいう「法人等を代表する者が職務として行う行為等当該法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報」ではなく,同号所定の「個人に関する情報」として不開示情報に当たる。 (イ) 情報公開法5条1号の趣旨との関係原告らは,情報公開法5条1号の趣旨は個人のプライバシー保護にあり,プライバシー侵害がない場合には適用されないというべきである旨主張する。しかし,本件各受注業者の担当者は,同法人に雇用されている一般社員に過ぎないから,同法人の職務を遂行したという情報もプライバシーとして保護されるべきである。 - 11 -また,原告らは,本件各受注業者の担当者が公共事業の計画の担い手であるから担当者名を公開してもプライバシーを侵害しないと主張するが,公務遂行の直接の担い手である公務員等の氏名ですら,情報公開法5条1号ただし書イに該当する場合に限り,例外的に開示することとしているのであって,私人である受注業者の担当者の氏名が個人情報として保護されることはいうまでもない。 (ウ) 情報公開法5条1号ただし書該当性を原告らが具体的に主張立証していないこと原告らは,本件不開示部分に記載されている出席者の氏名は,情報公開法5条1号ただし書イの「慣行 いうまでもない。 (ウ) 情報公開法5条1号ただし書該当性を原告らが具体的に主張立証していないこと原告らは,本件不開示部分に記載されている出席者の氏名は,情報公開法5条1号ただし書イの「慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報」に当たる旨主張する。しかし,同号ただし書に該当することについては原告らに主張立証責任があるところ,原告らはその理由を何ら具体的に主張立証していない。 (エ) その余の原告らの主張に対する反論原告らは,会議に出席している株式会社Eの担当者が有資格者であることを確認する必要がある旨主張する。しかし,有資格者が会議に出席すべき義務はなく原告らの主張はその前提を欠く。この点を措くとしても,同社の担当者が有資格者であるかどうかについても情報公開法5条1号の個人に関する情報として不開示情報に当たるのであって,同法によって保護されるべき当該担当者個人の資格の有無につき,これを確認するために同法によって開示すべきなどという原告らの主張は,本末転倒であって理由がない。 また,原告らは,株式会社Eは資料作成及び委員会速記録の作成も担当しているから,委員会等に出席した同社の担当者は,作成した記録内容の信用性担保のため公開されるべき旨主張するが,かかる事情は情報公開法5条1号ただし書に何ら当たらない。 - 12 -(被告大阪市の主張)ア本件各受注業者の担当者名が情報公開条例7条1号の個人識別情報に該当すること本件各受注業者の担当者名は特定の個人を識別することができる氏名そのものであって,情報公開条例7条1号の個人識別情報に当たる。 イ原告Aの主張に対する反論(ア) 本件各受注業者の担当者名は平成15年最判にいう「法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報」に当たらないこと 条例7条1号の個人識別情報に当たる。 イ原告Aの主張に対する反論(ア) 本件各受注業者の担当者名は平成15年最判にいう「法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報」に当たらないこと原告Aは,平成15年最判を引用し,本件各受注業者の担当者名は情報公開条例7条1号に該当しない旨主張する。しかし,上記担当者は本件各受注業者に雇用されている一般社員に過ぎず,法人等の代表者又はこれに準ずる地位にある者ではないし,同担当者が事前打合せに出席したとの情報が,権限に基づいて当該法人のために行う契約の締結等に関する情報とはいえないから,本件非公開部分に記載された本件各受注業者の担当者名は平成15年最判にいう「法人等を代表する者が職務として行う行為等当該法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報」ではなく,同号所定の「個人に関する情報」として非公開情報に当たる。 (イ) 情報公開条例7条1号の趣旨との関係原告Aは,情報公開条例7条1号の趣旨は個人のプライバシー保護にあり,プライバシー侵害がない場合には適用されないというべきである旨主張する。しかし,プライバシーの具体的な内容が法的にも社会通念上も必ずしも明確ではないことから,個人に関する情報を原則として非公開とし,個人の権利利益の保護の観点から非公開とする必要がないものなどを例外的に非公開情報から除くこととされたことに照らすと,同原告の主張は失当である。 - 13 -(ウ) 情報公開条例7条1号ただし書該当性を原告Aが具体的に主張立証していないこと原告Aは,本件非公開部分に記載されている出席者の氏名は,情報公開条例7条1号ただし書アの「慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報」に当たる旨主張する。しかし,同号ただし書に該当することについては同原告 に記載されている出席者の氏名は,情報公開条例7条1号ただし書アの「慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報」に当たる旨主張する。しかし,同号ただし書に該当することについては同原告に主張立証責任があるところ,同原告はその理由を何ら具体的に主張立証していない。 (エ) その余の原告Aの主張に対する反論原告Aは,会議に出席している株式会社Eの担当者が有資格者であることを確認する必要がある旨主張する。しかし,有資格者が会議に出席すべき義務はなく同原告の主張はその前提を欠く。この点を措くとしても,同社の担当者が有資格者であるかどうかについても情報公開条例7条1号の個人に関する情報として非公開情報に当たるのであって,情報公開条例によって保護されるべき当該担当者個人の資格の有無につき,これを確認するために情報公開条例によって開示すべきなどという同原告の主張は,本末転倒であって理由がない。 また,同原告は,株式会社Eは資料作成及び委員会速記録の作成も担当しているから,委員会等に出席した同社の担当者は,作成した記録内容の信用性担保のため公開されるべき旨主張するが,かかる事情は情報公開条例7条1号ただし書に何ら当たらない。 (原告らの主張)ア本件各受注業者の担当者名は法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報に当たるから,情報公開法5条1号及び情報公開条例7条1号に該当しないこと法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報は,情報公開法5条1号の不開示情報及び情報公開条例7条1号の非公開情報に当たらない。 - 14 -そして,このような情報には,法人等の代表者又はこれに準ずる地位にある者が当該法人等の職務として行う行為等に関する情報のほか,その他の者の行為に関する情報であっても,権限に基づいて当該法人等 -そして,このような情報には,法人等の代表者又はこれに準ずる地位にある者が当該法人等の職務として行う行為等に関する情報のほか,その他の者の行為に関する情報であっても,権限に基づいて当該法人等のために行う契約の締結等に関する情報が含まれる。(平成15年最判)本件不開示部分や本件非公開部分に記載されている本件各受注業者の担当者は,個人としての資格で打合せや委員会に参加しているのではなく,所属する法人等を代表してその職務として打合せや委員会に参加していることからすれば,上記担当者が打合せや委員会等に出席したことに関する情報は,法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報というべきであって,情報公開法5条1号の不開示情報及び情報公開条例7条1号の非公開情報に当たらない。 イ情報公開法5条1号及び情報公開条例7条1号の趣旨との関係情報公開法5条1号及び情報公開条例7条1号の趣旨は個人のプライバシー保護にある。 本件不開示部分や本件非公開部分に記載されている出席者は,公共事業の計画のために行政機関から依頼された資料を作成し,その行政機関が主催する委員会で作成を依頼された資料の説明のため出席しているのであり,かかる出席者の氏名を開示ないし公開したとしても個人のプライバシーを侵害するとはいえない。 一方で,本件不開示部分や本件非公開部分に記載されている出席者名を不開示ないし非公開とした場合,大規模な公共工事が有資格者によって行われているのか確認さえできず,不利益は極めて大きい。 このような場合にも安易にプライバシーを持ち出して不開示ないし非公開とすることは,行政文書や公文書を原則公開とする情報公開制度の理念に反するものである。したがって,情報公開法5条1号及び情報公開条例7条1号の趣旨に照らし,本件不開示部分や本件非公開部分 いし非公開とすることは,行政文書や公文書を原則公開とする情報公開制度の理念に反するものである。したがって,情報公開法5条1号及び情報公開条例7条1号の趣旨に照らし,本件不開示部分や本件非公開部分に記載されて - 15 -いる出席者の氏名を不開示ないし非公開とする理由はない。 ウ情報公開法5条1号ただし書イ及び情報公開条例7条1号ただし書ア該当性本件不開示部分や本件非公開部分に記載されている出席者の氏名は,情報公開法5条1号ただし書イ及び情報公開条例7条1号ただし書アの「慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報」に当たるから,不開示情報ないし非公開情報には当たらない。 エその余の主張被告大阪市は,本件事業に関して「○と淀川堤防の一体構造に関する検討業務委託」を委託業務内容として,株式会社Eとの間で業務委託契約を締結しているところ,同社は,同契約上,委託業務について,一定の資格を有する管理技術者,照査技術者及び担当技術者を配置すべきこととされている。そして,本件各行政文書ないし本件各公文書の開示部分ないし公開部分によれば,同社の担当者が会議の出席者である学者や技術者に対して,委託を受けて作成した技術的な検討結果をまとめた資料に,専門的見地から説明を加えているものであるから,会議には有資格者たる技術者が出席しなければならない。しかるに,かかる出席者名が不開示ないし非公開とされると,出席者の資格の有無の判断ができないのであるから,出席者名は開示ないし公開されるべきである。 また,同社は資料作成及び委員会速記録の作成も担当しているから,委員会等に出席した同社の担当者の氏名は,作成した記録内容の信用性担保のため開示ないし公開されるべきである。 (2) 争点(2)(審議情報該当性(情報公開法5条5号,情報公 作成も担当しているから,委員会等に出席した同社の担当者の氏名は,作成した記録内容の信用性担保のため開示ないし公開されるべきである。 (2) 争点(2)(審議情報該当性(情報公開法5条5号,情報公開条例7条4号))について(被告国の主張)ア情報公開法5条5号の趣旨 - 16 -情報公開法5条5号が「審議,検討又は協議に関する情報」を不開示とした趣旨は,同法2条2項が行政文書の要件を組織共用文書としたため,決裁等の事案処理手続が終了していないかなりの文書が同法の適用を受けることになるが,これらの情報を時期尚早な段階で開示することによって,外部からの干渉,圧力等により率直な意見の交換や意思決定の中立性が損なわれたり,未成熟な情報が確定的情報と誤解され国民に混乱を生じさせたり,投機等により特定の者に利益を与えたり,不利益を及ぼすことがあるためである。 イ情報公開法5条5号該当性(ア) 不開示部分の内容等本件各行政文書の不開示部分には,平成23年7月1日○事業委員会に関する打合せメモ(甲8。以下「平成23年7月1日打合せメモ」といい,他の打合せメモもこの例により呼称する。),同月4日打合せメモ(甲9),同年8月17日打合せメモ(甲11),同年9月20日打合せメモ(甲12),同年10月25日打合せメモ(甲13),同月28日打合せメモ(甲14),同年11月21日打合せメモ(甲4)及び同年12月26日打合せメモ(甲5。以下,これらの打合せメモを「委員との打合せメモ」という。)に記載された委員の意見(以下「委員意見」という。),同年8月4日打合せメモ(甲10)に記載された河川側担当者及び道路側担当者の発言内容(以下「担当者発言」といい,「委員意見」と併せて「委員等の意見等」という。)が記載されている。 また,本件各行政 ,同年8月4日打合せメモ(甲10)に記載された河川側担当者及び道路側担当者の発言内容(以下「担当者発言」といい,「委員意見」と併せて「委員等の意見等」という。)が記載されている。 また,本件各行政文書のうち同月17日打合せメモ(甲11)の提出資料名の一部並びに同年10月25日打合せメモ(甲13)及び同月28日打合せメモ(甲14)の各提出資料名も不開示とされた。 (イ) 委員等の意見等が情報公開法5条5号に該当すること委員との打合せは,委員らから委員会に向けての意見や調査手法につ - 17 -いて助言を受けることを目的とし,また,担当者間の打合せは,河川側担当者及び道路側担当者の内部調整を目的としており,いずれも委員会での議論の下準備としての資料説明や技術的な検討課題についての意見交換であり,未成熟な議論である。これら委員等の意見等が,正式な委員会の議論内容に反映されるとは限らない。 また,打合せメモは,飽くまで行政内部の情報共有を図る目的で作成されたものであり,しかも,打合せメモ(欠席予定委員との間の打合せメモ(甲4,8,9)を除く。)に記載された委員意見について,各委員に対しメモの作成後に記載内容を確認していない。 そうすると,打合せメモにおける委員等の意見等を公開すれば,国民において正式な委員会の議論内容として誤解され,混乱を生じさせるおそれがあるだけでなく,各委員において自由な発言を躊躇させ,また,外部からの干渉,圧力等により率直な意見の交換を阻害し,意思決定の中立性が損なわれるおそれがあるのは明らかである。 したがって,本件各行政文書のうち委員等の意見等に関する部分は,情報公開法5条5号の不開示情報に該当する。 (ウ) 提出資料名が情報公開法5条5号に該当すること打合せメモに記載された提出資料名は,委員会での 本件各行政文書のうち委員等の意見等に関する部分は,情報公開法5条5号の不開示情報に該当する。 (ウ) 提出資料名が情報公開法5条5号に該当すること打合せメモに記載された提出資料名は,委員会での検討の要否も含めて委員会の事前打合せの際に提出された資料の名称である。そして,事前打合せの結果,当該資料は委員会での検討を見送られる場合もあるところ,このような資料名が開示されることになれば,委員会で議論・検討されてもいない資料が委員会で議論・検討された資料として誤解を受けるおそれがある上,委員及び担当者としても,事前打合せにおいて,委員会で議論されることが確実な資料についてしか打合せをすることができなくなり,委員会で検討すべき資料の取捨選択という委員会の下準備としての打合せができなくなる。 - 18 -また,公開されている委員会の議事骨子等では,意見の発言者(委員)の特定はできないようになっているところ,打合せメモに記載された提出資料名が開示されると,委員会において同資料に関する意見を述べた委員が特定され,あるいは,委員会では意見を述べていないにもかかわらず,打合せメモ記載の委員の意見であるかのように誤解されるおそれがあり,その結果,委員の自由な発言を阻害することになる。 したがって,打合せメモに記載された提出資料名は情報公開法5条5号の不開示情報に該当する。 ウ原告らの主張に対する反論(ア) 原告らは,開示を求めているのは,技術的,専門的な議論の過程であって,個人の思想良心に基づく発言ではないし,また政策的判断が含まれているものでもないから委員の率直な意見の交換又は意思決定の中立性が損なわれるおそれはないなどと主張する。しかし,委員会は,本件事業の技術的な審議のために設置されているものであり,委員の専門的意見が本件事 のでもないから委員の率直な意見の交換又は意思決定の中立性が損なわれるおそれはないなどと主張する。しかし,委員会は,本件事業の技術的な審議のために設置されているものであり,委員の専門的意見が本件事業に直結するものであるから,議論の過程が開示されると,たとえ科学的技術的事項であっても,率直な意見交換や意思決定の中立性が害されるおそれがあり,原告らの主張は失当である。 (イ) 原告らは,発言者の秘匿性が保たれていれば,本件各行政文書を開示しても,率直な意見の交換や意思決定の中立性が不当に害されることはないと主張する。しかし,発言者が誰であれ,議論の過程が開示されれば,活発な議論は阻害されるから,原告らの主張は失当である。なお,発言内容等から発言者は容易に特定され,特定の委員に対する打合せを個別に行ったものに関しては匿名性を保つことはできず,この点でも原告らの主張は失当である。 (ウ) 原告らは,平成23年7月1日打合せメモ(甲8),同月4日打合せメモ(甲9)及び同年11月21日打合せメモ(甲4)は,単なる打 - 19 -合せのメモではなく,欠席予定の各委員が第2回,第3回の委員会に出席したら同委員会において発言したであろう内容をまとめたものであるから,委員会の議事録が公開されるべきであるのと同様に開示されるべきであると主張する。しかし,委員会を公開すれば,委員に心理的圧力をかけ,委員が自由な発言ができず,その結果,委員会において活発な討議ができないおそれがあると考えられることなどから,委員会自体は非公開とされ,その議事骨子等が公表されるにとどまっている。委員会における各委員の具体的発言が開示されるとなれば,委員会を非公開とした意味がなくなるのであって,原告らの主張はその前提を誤っている。 (エ) なお,原告は,被告国の主張に従 にとどまっている。委員会における各委員の具体的発言が開示されるとなれば,委員会を非公開とした意味がなくなるのであって,原告らの主張はその前提を誤っている。 (エ) なお,原告は,被告国の主張に従えば,全ての審議事項が,審議が終了し確定するまで「議論内容が未成熟」ということになりかねず,一切の情報が公開されないことになり,情報公開法の趣旨に反する旨主張するが,委員会の配付資料,委員からの主な意見及び議事骨子については,委員会開催後,速やかに,近畿地方整備局及び被告大阪市のホームページに公開しているところであり,原告らの主張は失当である。 (被告大阪市の主張)ア情報公開条例7条4号が「審議,検討又は協議に関する情報」を非公開とした趣旨は,行政等の内部又は相互間における審議,検討又は協議に関する情報が公開されると,外部からの圧力や干渉等の影響を受けることなどにより,率直な意見の交換又は意思決定の中立性が損なわれるおそれがあり,また,未成熟な情報が公開され,あるいは,特定の情報が尚早な時期に公開されると,誤解や憶測に基づき市民等の間に混乱を生じさせ,又は投機を助長するなどして特定の者に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるためである。 イ本件議事録(甲3)のうち「具体的な検討内容に係る部分」は,次の①ないし⑦のいずれかに該当するものであり(その具体的内訳は別紙6参 - 20 -照),これらはいずれも情報公開条例7条4号の審議,検討又は協議に関する情報に該当する。 ① 委員への干渉等で率直な意見交換・意思決定の中立性が損なわれるおそれがある。 ② 事務局の説明や資料から錯誤される可能性があり,誤解や混乱のおそれがある。 ③ 部分的な事実情報による誤解や混乱のおそれがある。 ④ 検討途上の未成熟な内容による誤解や混 るおそれがある。 ② 事務局の説明や資料から錯誤される可能性があり,誤解や混乱のおそれがある。 ③ 部分的な事実情報による誤解や混乱のおそれがある。 ④ 検討途上の未成熟な内容による誤解や混乱のおそれがある。 ⑤ 基準等で定めのない前提条件での内容であり,誤解や混乱のおそれがある。 ⑥ 可能性としての問題提起であり,誤解や混乱のおそれがある。 ⑦ 委員個人の経験的・感覚的な意見であり,誤解や混乱のおそれがある。 ウ平成23年11月21日打合せメモ(甲4)は委員会に欠席する予定の委員に対し,同委員が委員会に出席したら同委員会において発言したであろう内容を事前に確認した打合せのメモである。また,同年12月26日打合せメモ(甲5)は,委員との間の打合せメモであり,同打合せメモ作成後に委員に対する内容の確認はされていない。 これらの打合せメモに記載された委員の意見は,委員会での議論・検討を経ていない一委員の個人的な意見であるから,かかる委員の意見を公開すると,住民において正式な委員会での議論内容として混同・誤解され,混乱を生じさせるおそれがある。また,これらのメモに記載された委員の意見が公開されることになれば,各委員において自由な発言を躊躇させ,また,外部からの干渉,圧力等により率直な意見交換を阻害し,意思決定の中立性が損なわれるおそれがあることは明らかである。 エ(ア) 原告Aは,本件非公開部分に記載されている情報には,本件事業に関する政策的な判断や意見が含まれておらず,委員の率直な意見の交換 - 21 -又は意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれはなく,また,政策決定について住民の間に誤解や混乱が生じる可能性は一般的に低く,委員会の委員の意見は専門的な知識意見に基づく客観的な判断や推論であり,事実に準ずる情報として 不当に損なわれるおそれはなく,また,政策決定について住民の間に誤解や混乱が生じる可能性は一般的に低く,委員会の委員の意見は専門的な知識意見に基づく客観的な判断や推論であり,事実に準ずる情報として開示されるべきであると主張する。 しかし,前記アの情報公開条例7条4号の趣旨に鑑みれば,前記イ,ウのとおり,議論の過程が公開されると,委員の意見が正式な委員会での議論内容と誤解され,ひいては率直な意見交換や意思決定の中立性が害されるおそれがあるのであるから,同原告の主張は失当である。 (イ) 原告Aは,発言者の秘匿性が保たれていれば,文書を公開しても,率直な意見の交換や意思決定の中立性が不当に害されることはないと主張する。しかし,発言者が誰であれ,議論の過程が開示されれば,活発な議論は阻害されるから,同原告の主張は失当である。なお,発言内容等から発言者は容易に特定され,特定の委員に対する打合せについては匿名性が保てないから,この点でも同原告の主張は失当である。 (ウ) 原告Aは,被告大阪市の主張に従えば,全ての審議事項が審議が終了し確定するまで「議論内容が未成熟」ということになりかねず,一切の情報が公開されないことになり,情報公開条例の趣旨に反するなどと主張する。しかし,委員会の配付資料,委員からの主な意見及び議事骨子については,委員会開催後速やかに,同被告及び近畿地方整備局のホームページに公開しているのであって,同原告の主張は失当である。 (エ) 原告Aは,本件議事録2頁15行目から16頁5行目までの非公開部分(別紙6の番号1ないし13)は,既に公開されている資料の中身を説明しているにすぎず,少なくとも議論に当たらないと主張する。しかし,上記非公開部分は,単なる資料の説明ではなく,委員らの議論の前段階における事務局としての見解や委員会 に公開されている資料の中身を説明しているにすぎず,少なくとも議論に当たらないと主張する。しかし,上記非公開部分は,単なる資料の説明ではなく,委員らの議論の前段階における事務局としての見解や委員会の開催以前に各委員から個別に得た助言内容の説明等を記述したものであることから,当該部分を - 22 -公開することにより,委員の具体的な検討内容を推測するものになったり,事務局の説明や資料から錯誤される可能性があり,誤解や混乱のおそれがある点や,部分的な事実情報による誤解や混乱のおそれがある点等から非公開としたものである。 (オ) 本件議事録に係る非公開事由該当性に関する①ないし⑦の理由に係る再反論の骨子は以下のとおりである。 a 「①委員への干渉等で率直な意見交換・意思決定の中立性が損なわれるおそれがある。」について本件事業の性質や本件事業について長年にわたり住民運動が行われてきていること等の経緯からすれば,住民が委員に干渉し,かつ率直な意見交換や意思決定の中立性が害される具体的な危険がある。なお,原告Aは,具体的な干渉があった時点で取り締まれば足りる旨を主張するが,一度でも不法な干渉等があれば,委員の心理として,今後外部からの干渉や圧力をおそれ,発言を躊躇するようになることは容易に想像できる。 b 「②事務局の説明や資料から錯誤される可能性があり,誤解や混乱のおそれがある。」,「③部分的な事実情報による誤解や混乱のおそれがある。」,「④検討途上の未成熟な内容による誤解や混乱のおそれがある。」,「⑥可能性としての問題提起であり,誤解や混乱のおそれがある。」及び「⑦委員個人の経験的・感覚的な意見であり,誤解や混乱のおそれがある。」について本件事業は,住民の安全に係る事業であり,これまでに例のない事業であることから,委員会 や混乱のおそれがある。」及び「⑦委員個人の経験的・感覚的な意見であり,誤解や混乱のおそれがある。」について本件事業は,住民の安全に係る事業であり,これまでに例のない事業であることから,委員会では委員の忌憚のない意見に基づき議論がなされているところ,正式な委員会の議論内容でない委員の個人的な意見等を公開すれば,本件事業について公害調停が長年にわたり行われている状況からも,住民の誤解や混乱を招く蓋然性が高い。 - 23 -c 「⑤基準等で定めのない前提条件での内容であり,誤解や混乱のおそれがある。」について本件事業はこれまで例のない事業である。そのため,他の事業では検討されていない設計の前提条件等についても議論している。そして,これらの議論に係る正式な委員会の議論内容でない委員の個人的な意見等を公開すれば,上記bと同様,住民の誤解や混乱を招く蓋然性が高い。 (原告らの主張)ア情報公開法5条5号及び情報公開条例7条4号の解釈情報公開法5条各号ないし情報公開条例7条各号が例外的に不開示情報ないし非公開情報を定めた趣旨は,行政文書ないし公文書は原則開示ないし公開すべきであるが,開示ないし公開しないことが公益保護や私人の権利保護のために必要な場合があるため,情報を開示ないし公開することの利益と不開示ないし非公開にすることの利益を調整し,不開示情報ないし非公開情報を定めたものである。 かかる趣旨からすれば,情報公開法5条5号及び情報公開条例7条4号の「公にすることにより,率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ」とは,公にすることにより,外部から圧力や干渉等の影響を受けることなどにより,率直な意見の交換又は意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれをいい,「不当に国民(住民)の間に混乱を生じさ れるおそれ」とは,公にすることにより,外部から圧力や干渉等の影響を受けることなどにより,率直な意見の交換又は意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれをいい,「不当に国民(住民)の間に混乱を生じさせるおそれ」とは,未成熟な情報が開示ないし公開され又は情報が尚早な時期に開示ないし公開されることにより,国民ないし住民の誤解や憶測を招き,不当に国民ないし住民の間に混乱を生じさせるおそれをいい,「特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれ」とは,情報の開示ないし公開により,投機を助長するなどして,特定の者に利益を与え,又は,不利益を及ぼすおそれであると解される。 - 24 -そして,情報公開制度全体の趣旨(国民ないし住民の政治参加の推進)に照らせば,情報を得た国民ないし住民の事業に対する意思を適正に反映させることを重要な利益として考慮すべきであり,上記各号には「不当」という文言が付加されていることからすれば,開示ないし公開することの利益を斟酌しても,なお,開示ないし公開のもたらす支障が重大な場合であり,不開示ないし非公開とすることに合理性が認められる場合にのみ不開示ないし非公開とすることができると解すべきである。したがって,被告らは開示ないし公開により,具体的かつ客観的な支障が生じる可能性があることを主張立証しなければならないというべきである。 イ公共事業に関する情報について公共事業に関する国民ないし住民の関心が高まり,重要な政治課題となることが多いところ,公共事業に関する国民ないし住民の意思がより正確で充実した事実に基づいて形成されることが望ましいことからすれば,公共事業に関する情報を計画決定前に適切に開示し,当該公共事業に国民ないし住民の意思を反映させることが要請されているといえる。 また,公共事業に関する政 いて形成されることが望ましいことからすれば,公共事業に関する情報を計画決定前に適切に開示し,当該公共事業に国民ないし住民の意思を反映させることが要請されているといえる。 また,公共事業に関する政策的な判断や意見が含まれていない情報は,これらが開示ないし公開されたとしても,率直な意見の交換又は意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれはなく,また,当該公共事業につきいかなる政策決定がなされたかについて国民ないし住民の間に誤解や混乱が生じる可能性は一般的に低い。 そして,当該情報を開示ないし公開することの利益については,当該情報から何が説明され,住民のいかなる意思形成に役立つのか,公共事業の社会的な影響の大小,すなわち同事業が環境に与える影響,同事業の規模,同事業により制限される私権の種類・程度などを検討して判断すべきである。 したがって,公共事業に関する情報については,開示ないし公開するこ - 25 -との利益を斟酌してもなお,開示ないし公開のもたらす支障が重大な場合であり,不開示ないし非公開とすることに合理性が認められる場合にのみ情報公開法5条5号の不開示情報ないし情報公開条例7条4号の非公開情報に当たるというべきである。 ウ本件に関するあてはめ本件では,被告らは,開示ないし公開により生じるおそれについて,具体的かつ客観的な支障が生じる可能性があることを主張立証していない。 本件事業では,淀川に道路と堤防の一体的建造物を建設することが予定されているのであって,委員会では堤防の安全性について検討がなされているのであるから,委員会の委員の意見は,専門的な知識経験に基づく客観的な判断や推論であり,事実に準ずる情報ということができるから,委員等の意見等は開示ないし公開されるべきである。 また,堤防が決壊した場合は大阪市全体 会の委員の意見は,専門的な知識経験に基づく客観的な判断や推論であり,事実に準ずる情報ということができるから,委員等の意見等は開示ないし公開されるべきである。 また,堤防が決壊した場合は大阪市全体に被害が及ぶ可能性もあり,その被害は甚大であり,その社会的影響は極めて大きいのであって,委員会では国民ないし住民の生命に直結する重要な議題が議論されているのであり,開示すべき利益が大きいことは明らかである。そして,行政機関が専門家に意見を求めるのは,一定の判断を行うのに際し,専門的な知見を求め,より良い政策を実現するためであるところ,行政機関と国民ないし住民との情報格差を是正し,国民ないし住民に的確な理解に基づく批判を行わせるためには,行政機関が入手した意見が開示ないし公開されるべきであって,この意味で本件不開示部分ないし本件非公開部分の開示ないし公開によって得られる利益は大きい。 そもそも,本件で原告らが開示ないし公開を求めているのは専門的科学的な議論であるから,むしろ開示ないし公開することで国民ないし住民の理解が正しくなり,誤解や憶測がなくなることからすると,本件不開示部分や本件非公開部分を開示ないし公開したとしても国民ないし住民に混乱 - 26 -を生じさせるおそれはない。 したがって,本件不開示部分は情報公開法5条5号の不開示情報に当たらないし,本件非公開部分は情報公開条例7条4号の非公開情報に当たらない。 エ被告らの主張に対する反論等(ア) 総論被告らは,委員会での議論内容が未成熟であることから,委員等の意見等は情報公開法5条5号ないし情報公開条例7条4号に該当する旨を主張する。しかし,委員会では,各専門家がその研究成果である専門的知見に基づいて発言しているのであり,議論自体が未成熟ということはあり得ない。ま 開法5条5号ないし情報公開条例7条4号に該当する旨を主張する。しかし,委員会では,各専門家がその研究成果である専門的知見に基づいて発言しているのであり,議論自体が未成熟ということはあり得ない。また,委員会は,河川堤防の治水機能を維持するための技術的な指標を明確化し,安全性を検証するために改めて技術的な検討を加えているのであって,既に一定の計画が作られており,それに対して検討を加えるというのであるから,一から計画を策定する場合とは異なり「議論内容が未成熟」などということはあり得ない。被告らの主張に従えば,全ての審議事項が,審議が終了し確定するまで「議論内容が未成熟」ということになりかねず,一切の情報が公開されないことになり,上述の情報公開法及び情報公開条例の趣旨に反する。 (イ) 委員等の意見等についてa 平成23年7月1日打合せメモ(甲8),同月4日打合せメモ(甲9)及び同年11月21日打合せメモ(甲4)は,被告大阪市及び近畿地方整備局の担当者が委員会に出席できない委員に対し資料を説明し,同委員から事前に意見を聴取した結果が記載されている。したがって,委員会の議事録が公開されるべきものであるのと同様に,これらの打合せメモも公開されるべきである。なお,被告国は,これらの打合せメモは飽くまで行政内部の情報共有を図る目的で作成されたも - 27 -のと主張するが,委員会に出席できない委員が,出席していれば委員会で発言したであろう内容をあらかじめ行政当局と意見交換を行ったものであるから,単なる情報共有にとどまるものではない。 b 平成23年12月26日打合せメモ(甲5)は,「耐震検討における検討対象地震動と動的解析コードの適用について,内容を説明し,意見をいただ」いたものであるから,専門家の意見書の代わりになるものである。専 23年12月26日打合せメモ(甲5)は,「耐震検討における検討対象地震動と動的解析コードの適用について,内容を説明し,意見をいただ」いたものであるから,専門家の意見書の代わりになるものである。専門家の意見を広く公開することは,情報公開法1条の「国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進」に必要不可欠であり,かかる公開によって同法5条5号所定のおそれが生じるとは考えられない。 (ウ) 提出資料名について平成23年8月17日打合せメモ(甲11),同年10月25日打合せメモ(甲13)及び同月28日打合せメモ(甲14)で不開示とされた提出資料名は,それ自体秘密にすべき内容ではなく,情報公開法5条5号に該当しない。 (エ) 本件議事録についてa 被告大阪市の主張する①ないし⑦の理由について被告大阪市は,①委員への干渉等で率直な意見交換・意思決定の中立性が損なわれるおそれがあると主張する。しかし,住民が委員に干渉し,かつ率直な意見交換や意思決定の中立性が害される具体的な危険は想定し難い。仮に,委員に具体的な干渉があった場合には,その時点で不法な干渉をした住民を排除し,取り締まれば足りる。 被告大阪市は,②事務局の説明や資料から錯誤される可能性があり,誤解や混乱のおそれがある,あるいは,③部分的な事実情報による誤解や混乱のおそれがあると主張する。しかし,このようなことがあった場合,責めを負うべきなのは誤解されるような説明をした事務局や, - 28 -正確な判断に必要十分な資料や情報(議事録,メモ等)を提供しなかった情報保有者であって,その責任を市民に転嫁することは許されず,これらはおよそ非公開の理由にならない。 被告大阪市は,④検討途上の未成熟な内容による誤解や混乱のおそれがある,あるいは⑥可能性としての問題 保有者であって,その責任を市民に転嫁することは許されず,これらはおよそ非公開の理由にならない。 被告大阪市は,④検討途上の未成熟な内容による誤解や混乱のおそれがある,あるいは⑥可能性としての問題提起であり,誤解や混乱のおそれがあると主張する。しかし,検討途上であって変更される可能性があることや,可能性としての問題提起であることは,開示された情報の内容から判断できることである。また,情報の内容から判断できない場合は,その旨を説明した上で開示すれば誤解等は回避できる。 したがって,これらは,非公開の理由とはならない。 被告大阪市は,⑤基準等で定めのない前提条件での内容であり,誤解や混乱のおそれがあると主張するが,その主張自体の意味が不明であり,非公開の理由にならない。 被告大阪市は,⑦委員個人の経験的・感覚的な意見であり,誤解や混乱のおそれがあると主張する。しかし,委員の経験や感覚は,専門家としてのこれまでの知見に基づくものであることからすれば,委員の経験的・感覚的な意見を否定すべきではない。また,このような意見をどうとらえるかは,情報に接した個々人の判断に委ねられるべきものであるから,⑦は非公開の理由にはならない。 b 非公開部分について(a) 既に公開されている資料の中身を説明しているにとどまる部分(本件議事録2頁15行目から16頁5行目までの非公開部分(別紙6の番号1ないし13))については,議論には当たらず当該資料は既に公開されていることに照らすと,同部分を公開したとしても住民に混乱が生じるとは考えられない。 (b) 被告大阪市は,本件議事録3頁15行目から6頁1行目まで - 29 -(別紙6の番号2)について,①委員への干渉等で率直な意見交換・意思決定の中立性が損なわれるおそれがあるとする。しかし,この部分は 市は,本件議事録3頁15行目から6頁1行目まで - 29 -(別紙6の番号2)について,①委員への干渉等で率直な意見交換・意思決定の中立性が損なわれるおそれがあるとする。しかし,この部分は資料の説明にとどまるから上記①には当たらない。 (c) 本件議事録16頁9行目から20行目まで(別紙6の番号14)は,委員会に欠席したG委員からの科学的知見に基づく意見であり,非公開にするだけの内容とは考えられない。 (d) 本件議事録16頁29行目から17頁22行目まで(別紙6の番号15ないし17)は,中間とりまとめの提案について,気づいた点や意見を述べるものであり,非公開にするだけの内容とは考えられない(なお,被告大阪市は,この部分は仮設鋼矢板の取扱いに関する質疑応答であると主張するが,仮にそうであるとしても,科学的知見に基づく意見ないし資料等の分析結果がなされている部分であって,非公開とする理由は全くない。)。 (e) 本件議事録17頁26行目から45頁2行目まで(別紙6の番号18ないし212)について,被告大阪市が別紙6で主張するような内容が記載されているとしても,科学的知見に基づく意見ないし資料等の分析結果がなされている部分であって,非公開とする理由は全くない。 なお,被告大阪市は,「供用性の用語の意味に関する質疑応答」(本件議事録28頁23行目から30頁5行目まで(別紙6の番号102ないし110))及び「地震動の用語の使い方に関する質疑応答」(本件議事録35頁1行目から36頁1行目まで(別紙6の番号144ないし155))について,①委員への干渉等で率直な意見交換・意思決定の中立性が損なわれるおそれがあるとする。しかし,用語の意味や使い方に関する質疑応答において,委員への干渉等で率直な意見交換や意思決定の中立性が損なわれる ①委員への干渉等で率直な意見交換・意思決定の中立性が損なわれるおそれがあるとする。しかし,用語の意味や使い方に関する質疑応答において,委員への干渉等で率直な意見交換や意思決定の中立性が損なわれることなど考 - 30 -えられない。 また,被告大阪市は,「委員会審議内容の確認」(本件議事録44頁8行目から45頁2行目まで(別紙6の番号210ないし212))について,①委員への干渉等で率直な意見交換・意思決定の中立性が損なわれるおそれがある,④検討途上の未成熟な内容による誤解や混乱のおそれがあると主張する。しかし,委員会の審議内容の確認にとどまる部分を公開しても,率直な意見交換や意思決定の中立性が損なわれることは考えられないし,そもそも「確認」と「検討途上」は矛盾している。 (f) 本件議事録45頁7行目から24行目まで(別紙6の番号213及び214)は今後のスケジュールを説明し,資料の説明をするものであり,この箇所を非公開とする理由はない。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(個人識別情報該当性(情報公開法5条1号,情報公開条例7条1号))について(1) 個人識別情報に該当するとして不開示ないし非公開とされた部分ア本件一部不開示決定1のうち個人識別情報に該当するとして不開示とされた部分は,「平成23年8月4日○事業委員会に関する打合せメモ」,「平成23年8月17日○事業委員会に関する打合せメモ」,「平成23年9月20日○事業委員会に関する打合せメモ」,「平成23年10月25日○事業委員会に関する打合せメモ」及び「平成23年10月28日○事業委員会に関する打合せメモ」の各出席者氏名のうち,本件各受注業者の担当者の氏名である(甲7,10ないし14。別紙3参照)。 イ本件一部不開示決定2のうち個人識別情報に該当 3年10月28日○事業委員会に関する打合せメモ」の各出席者氏名のうち,本件各受注業者の担当者の氏名である(甲7,10ないし14。別紙3参照)。 イ本件一部不開示決定2のうち個人識別情報に該当するとして不開示とされた部分は,「平成23年11月21日○事業委員会に関する打合 - 31 -せメモ」及び「平成23年12月26日○事業委員会に関する打合せメモ」の各出席者氏名のうち,本件各受注業者の担当者の氏名である(甲4,5,15。別紙4参照)。 ウ本件部分公開決定のうち個人識別情報に該当するとして非公開とされた部分は,「平成23年11月21日○事業委員会に関する打合せメモ」及び「平成23年12月26日○事業委員会に関する打合せメモ」の各出席者氏名のうち,本件各受注業者の担当者の氏名である(甲2,4,5。別紙5参照)。この非公開部分は前記イの不開示部分と同一である。 (2) 情報公開法5条1号該当性本件各受注業者の担当者の氏名は,情報公開法5条1号本文の個人に関する情報であって,当該情報に含まれる氏名,生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができる情報に当たることは明らかである(なお,本件各受注業者の担当者が事業を営む個人であることを原告らは特段主張立証していない。)。 この点,原告らは,平成15年最判を引用し,上記担当者の氏名は情報公開法5条1号に該当しない旨を主張するところ,同号及び同条2号の関係については,①法人等に関する情報は専ら同条2号によって規律されており,同条1号で規律される問題ではなく,②法人等に関する情報には,法人等の代表者又はこれに準ずる地位にある者が当該法人等の職務として行う行為に関する情報のほか,その他の者の行為に関する情報であっても,権限に基づいて当該法人等のために行う契約の締結 する情報には,法人等の代表者又はこれに準ずる地位にある者が当該法人等の職務として行う行為に関する情報のほか,その他の者の行為に関する情報であっても,権限に基づいて当該法人等のために行う契約の締結等に関する情報が含まれると解するのが相当である。しかしながら,上記各担当者が本件各受注業者に雇用されている一般社員にとどまること(当事者間に争いがない。),前記(1)の各打合せは委員会の事前準備としての委員からの意見聴取や委員会を欠席する委員からの意見聴取といった非公式の打合せという性質のものであると推認 - 32 -できること(甲4,5,10ないし14)に照らせば,法人等の代表者又はこれに準ずる地位にある者が当該法人等の職務としてそのような打合せに出席したとはいえないし,その他の者が権限に基づいて当該法人等のために契約の締結等をしたということもできないから,上記各担当者が各打合せに出席したとの情報が法人等に関する情報ということはできない。 原告らは,情報公開法5条1号の趣旨が個人のプライバシー保護にあり,プライバシー侵害がない場合には適用されない旨の主張をする。しかし,同号は,不開示情報の外延を明確にするため個人識別情報を原則不開示とした上で,個人の権利利益を侵害せず不開示にする必要のないもの及び個人の権利利益を侵害しても開示することによる公益が優越するため開示すべきものをただし書で例外的開示事項として列挙しているのであって,プライバシー侵害の有無で不開示情報該当性を区別すべき旨の原告らの主張は失当である。 そして,同号ただし書該当性は不開示情報に該当しないとする原告らに主張立証責任があると解されるところ,原告らは,上記各担当者の氏名が同号ただし書に当たる旨を何ら具体的に主張立証しない(原告らは,同号ただし書イ「法令の規定により又 示情報に該当しないとする原告らに主張立証責任があると解されるところ,原告らは,上記各担当者の氏名が同号ただし書に当たる旨を何ら具体的に主張立証しない(原告らは,同号ただし書イ「法令の規定により又は慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報」に該当する旨を主張するが,その具体的な根拠を何ら指摘しない。)。 なお,原告らは,被告大阪市から業務委託を受けた株式会社Eは,有資格者を会議に出席させるべき義務を負っており,その義務を遵守しているか確認する必要がある旨を主張する。しかし,かかる必要性がある場合に同号ただし書に当たる理由を原告らは何ら具体的に主張していない。また,この点を措いても,同社が同被告との間で締結した業務委託契約書を通覧しても,同社は一定の資格を有する管理技術者,照査技術者及び担当技術者を配置すべきとされているものの,委員会やその他の打合せ等に有資格者が出席しなければならない契約上の義務があるとは認められないから(甲17ないし1 - 33 -9),原告らの主張は前提を欠く。 さらに,原告らは,株式会社Eは資料作成及び委員会速記録の作成も担当しているから,委員会等に出席した同社の担当者の氏名は,作成した記録内容の信用性担保のため開示ないし公開されるべきである旨を主張する。しかし,原告らは,このような事情が情報公開法5条1号ただし書に該当するとは主張していないし,また同号ただし書に該当するとも認められない。 したがって,上記各担当者の氏名は,情報公開法5条1号の不開示情報に該当する。 (3) 情報公開条例7条1号該当性情報公開条例7条1号の文言に照らせば,同号該当性についても情報公開法5条1号と同様に解するのが相当である。そうすると,前記(2)と同様に,本件各受注業者の担当者の氏名は情報公開条例7条 号該当性情報公開条例7条1号の文言に照らせば,同号該当性についても情報公開法5条1号と同様に解するのが相当である。そうすると,前記(2)と同様に,本件各受注業者の担当者の氏名は情報公開条例7条1号の非公開情報に該当すると認められる。 2 争点(2)(審議情報該当性(情報公開法5条5号,情報公開条例7条4号))について(1) 情報公開法5条5号の趣旨及び解釈等被告国は,本件各行政文書には,国の機関,独立行政法人等,地方公共団体及び地方独立行政法人の内部又は相互間における審議,検討又は協議に関する情報であって,公にすることにより,率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれや不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれがあるものが含まれているとして,情報公開法5条5号の不開示情報がある旨を主張する。 そこで,同号の趣旨についてみるに,同法による開示の対象となる行政文書は,行政機関の職員が職務上作成し,又は取得した文書等で,当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして,当該行政機関が保有しているものをいう(組織共用文書。同法2条2項)ことから,国の機関や地方公共団体等 - 34 -の内部又は相互間における審議,検討又は協議に関する情報が記録された文書であって,決裁等がされ,事案の処理が終了する前の段階のものであっても同法の適用を受けることになるところ,これらの情報が時期尚早な段階で開示されることによって,外部からの干渉,圧力等により率直な意見の交換や意思決定の中立性が損なわれたり,未成熟な情報が確定的情報と誤解され国民の間に混乱を生じさせたり等することがあり得るものといえる。他方,国民主権の理念にのっとり,行政機関の保有する情報の一層の公開を図り,もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされ 国民の間に混乱を生じさせたり等することがあり得るものといえる。他方,国民主権の理念にのっとり,行政機関の保有する情報の一層の公開を図り,もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに,国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資するという同法の目的(同法1条)に照らせば,むしろ最終的な意思決定前の情報であっても,これを開示することが必要な場合も少なくないというべきである。したがって,審議,検討又は協議に関する情報の公開に際しては,上記のような政府の諸活動を国民に説明する責務の観点からこれを開示することによる利益と,最終的な意思決定前の情報を開示することにより生じる支障等とを比較衡量する必要があるところであって,同法5条5号が掲げる不開示情報について「不当に」という文言が付加されているのも,上記のような比較衡量を念頭において,開示することによる利益を斟酌しても,開示することにより生じる支障等が重大であり,不開示とすることに合理性が認められる場合に不開示とすることができるとの趣旨によるものと解される。 そして,同号にいう「率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ」とは,対象情報を公にすることによって,外部からの圧力や干渉等の影響を受ける結果,率直な意見交換や意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれを想定したもので,適正な意思決定手続の確保を保護利益とするものと解される。具体的には,発言者やその家族に対して危害が及ぶおそれがある場合,行政機関内部の政策の検討が十分でない情報が公に - 35 -なり,外部からの圧力により当該政策が不当な影響を受ける場合などが考えられる。また,同号にいう「不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれ」とは,未成熟な情報や事実関係の確 報が公に - 35 -なり,外部からの圧力により当該政策が不当な影響を受ける場合などが考えられる。また,同号にいう「不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれ」とは,未成熟な情報や事実関係の確認が不十分な情報などを公にすることにより,国民の誤解や憶測を招き,不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれがある場合をいい,これらの情報が公にされることによる国民への不当な影響が生じないようにする趣旨と解される。 そうであるところ,同法1条の目的(とりわけ行政文書の開示請求権や政府の諸活動を国民に説明する責務等)や,同法5条が行政文書は原則として開示しなければならないとし,同条各号所定の不開示情報が記録されている場合に例外的に不開示決定がなされる旨定めていること等に照らすと,同条5号にいうおそれは抽象的な危険性・可能性では足りず,客観的かつ具体的な危険性・可能性があることを要すると解すべきである。 (2) 情報公開条例7条4号の趣旨及び解釈等被告大阪市は,本件各公文書には,被告大阪市の機関及び国等の内部又は相互間における審議,検討又は協議に関する情報であって,公にすることにより,率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれや不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれがあるものが含まれているとして,情報公開条例7条4号の不開示情報がある旨を主張する。そして,同号の文言が情報公開法5条5号とほぼ同一であることなどに照らすと,情報公開条例7条4号の趣旨及び解釈は,前記(1)で説示した情報公開法5条5号の趣旨及び解釈と同様に解するのが相当である。 (3) 本件議事録の情報公開条例7条4号該当性についてア本件議事録の非公開部分の記載内容被告大阪市は,本件議事録の非公開部分には別紙6の各「発言内容の概要」に記載されている情報 である。 (3) 本件議事録の情報公開条例7条4号該当性についてア本件議事録の非公開部分の記載内容被告大阪市は,本件議事録の非公開部分には別紙6の各「発言内容の概要」に記載されている情報が記載されている旨主張するところ,本件部分公開決定により一部公開された本件議事録(甲3)の公開部分の記載内容 - 36 -や非公開部分の状況に加え,既に被告らが公開している第3回委員会資料(乙3の4ないし3の6),第3回委員会の議事骨子(乙3の8)及び第3回委員会における委員からの主な意見(乙3の7)によれば,上記非公開部分は,被告大阪市の主張のような別紙6の各「発言内容の概要」に記載されている情報が記載されているものと推認することができ,これを左右するに足りる証拠はない。 イ委員への干渉等で率直な意見交換・意思決定の中立性が損なわれるおそれがあること(被告大阪市の非公開理由①)を理由に情報公開条例7条4号該当性が認められるか。 (ア) 認定事実前記前提事実のほか証拠(乙3の8,丙7)及び弁論の全趣旨によれば,本件事業等につき以下の事実が認められる。 a 淀川左岸における道路計画は,昭和21年の戦災復興計画による「淀川南岸線」の都市計画決定に始まる。昭和42年には「淀川南岸線」の上部空間に「大阪高槻線」(高架構造)が都市高速道路網構想の一路線として公表された。これに対して,環境悪化を理由とした地元住民の反対運動が起こり,地元住民は昭和46年,被告大阪市を相手方とする公害調停を申し立てるに至り,同調停は現在も係属している。このような反対運動もあって,昭和57年に「大阪高槻線」に変わる新たな都市計画道路として「淀川左岸線」が公表され,構造形式も環境に配慮したトンネル構造が検討された。一方,昭和60年に淀川スーパー堤防の構想が出 対運動もあって,昭和57年に「大阪高槻線」に変わる新たな都市計画道路として「淀川左岸線」が公表され,構造形式も環境に配慮したトンネル構造が検討された。一方,昭和60年に淀川スーパー堤防の構想が出され,左岸線の道路構造についてもスーパー堤防と一体となった「半地下構造案」が提案されている。昭和62年にはスーパー堤防整備推進の答申が出され,スーパー堤防事業としても積極的に推進する方向性が打ち出され,河川管理者との協議を重ね,平成6年の都市計画の事前協議を経て, - 37 -平成8年3月に河川区域内にルートをとる○の都市計画決定がされている。 b 道路構造物と河川堤防の一体整備に伴う河川堤防の安全性については,平成11年度から平成15年度にかけて全7回にわたり開催された「○の建設に関する検討委員会」において,各種検討と審議が行われた。これらの検討を踏まえ,平成8年3月の都市計画決定時から平成23年5月までの間に数度にわたって○の断面形状の見直しがされている。 c 本件事業に関して,道路線形を精査したことに伴い,河川堤防の治水機能を維持するための技術的な指標(堤防と道路構造物の一体構造物が堤防として要求される機能を満足すること,かつ現況堤防と同等以上の機能を有すること。また,施工に際して仮設構造物が堤防として要求される機能を確保すること等)を明確にし,安全性を検証することが必要であり,また,従前の検討委員会で課題とされた施工方法,堤防耐震性能照査及びモニタリング手法等に対し,改めて技術的な検討を加えるため,平成23年5月13日,委員会が設置された。 d 平成23年5月13日に開催された第1回委員会では,委員会の規約が了承され,委員長が選任された上で,本件事業の概要及び道路線形について事務局(被告大阪市)から,従前の検討委員会で 設置された。 d 平成23年5月13日に開催された第1回委員会では,委員会の規約が了承され,委員長が選任された上で,本件事業の概要及び道路線形について事務局(被告大阪市)から,従前の検討委員会での検討結果と課題及び委員会の審議内容について事務局(近畿地方整備局)からそれぞれ説明がされ,道路と堤防の一体構造物の検討項目,圧密沈下の影響,耐浸透及び耐震の照査について審議が行われ,堤防と道路の一体施設の安全性を確認するために,照査する方法等について再度整理し,次回委員会で審議することとされた。 e 平成23年7月8日に開催された第2回委員会では,事務局からの説明がされた上で,被害シナリオから抽出した一体構造物としての観 - 38 -点,性能機能について審議がされ,委員会での審議内容及び委員会後の意見等を踏まえ,一体構造物として要求される性能を設定することとされ,また,要求される性能のうち解析等を先行できる項目については,事務局が各委員から指導を受けて実施するものとされた。そして,第3回委員会において,先行した解析等の結果が報告されるほか,評価項目(設計外力と照査基準)の設定,挙動の予測,安全性の照査及び構造の決定を議題とすることとされた。 f 平成23年11月29日に開催された第3回委員会では,まず,事務局から資料3-1に基づき,一体構造物の安全性の照査として,要求性能(確保機能)を定量的評価が可能な項目と困難な項目に分類し,定量的評価が可能な項目について先行的に2断面の検討を行い,照査方法の妥当性,道路ボックス形状の比較,土留矢板残置の堤体への影響を検討していく流れが説明された。また,事務局から資料3-2に基づき,各要求性能(確保機能)に対して,先行検討2断面での定量的評価結果と,その結果を踏まえた道路ボックス形状の比較, 置の堤体への影響を検討していく流れが説明された。また,事務局から資料3-2に基づき,各要求性能(確保機能)に対して,先行検討2断面での定量的評価結果と,その結果を踏まえた道路ボックス形状の比較,仮設土留鋼矢板の取扱いについて中間とりまとめが説明された。委員会の審議の結果,一体構造物の安全性の照査方法については,先行検討2断面の評価をした上で全線の安全性照査を行うという検討の流れが了承され,平面2連を道路ボックス形状の基本形として考える方針が確認され,仮設土留鋼矢板の取扱いについては引き続き検討を進め,全線の安全性の照査を行うこととされた。そして,第4回委員会は平成24年3月頃を目途に開催し,全線の定量的な評価,一体構造物の施工法を議題とすることとされた。 (イ) 委員への干渉のおそれについて被告大阪市は,本件事業の性質や本件事業について長年にわたり住民運動が行われてきていること等の経緯からすれば,本件議事録が公開さ - 39 -れると,住民が委員に干渉することによって率直な意見交換や意思決定の中立性が害される具体的な危険がある旨を主張する。しかしながら,本件事業について長年にわたり住民運動が行われており,被告大阪市を相手方とする公害調停が昭和46年以降係属しているとしても(前記(ア)a),本件事業に反対する住民等が手紙や電話その他の手段により委員会の委員等に対する不当な干渉に及んだことを窺わせる証拠もないことに照らすと,本件議事録が公開されることによって本件事業に反対する住民等が委員会の委員等に手紙や電話その他の手段により不当な干渉に及ぶ客観的かつ具体的な危険性・可能性があると認めることはできない。 (ウ) 率直な意見交換や意思決定の中立性が害されるおそれについて被告大阪市は,本件議事録が公開されると,率直な意見 な干渉に及ぶ客観的かつ具体的な危険性・可能性があると認めることはできない。 (ウ) 率直な意見交換や意思決定の中立性が害されるおそれについて被告大阪市は,本件議事録が公開されると,率直な意見交換や意思決定の中立性が害されるおそれがあると主張する。 そこで検討するに,本件事業は,堤防と道路構造物を一体構造物として施工し,一体整備を図るという前例のないものであることから,堤防と道路構造物を一体とした場合の安全性,施工方法及び維持管理手法等について技術的な検討等を行うことが必要であって,そのために平成23年5月に委員会が設置されたものである(前記(ア)c,弁論の全趣旨)。このように本件事業が堤防と道路構造物を一体とした構造物の建築等という前例のない事業であることに鑑みると,その安全性が十分に確保されるかを検証・検討し,また,具体的な施工方法及び維持管理手法等を検討するに当たっては,委員が自己の専門的知見を活かしつつ,これを応用して,上記のような一体構造物の安全性や施工方法,維持管理手法等について,様々な観点から検討を加える必要が認められるのであって,そのような過程において,既に確立されている専門的知見を述べるにとどまらず,かかる知見を基にしたときに上記のような一体構造 - 40 -物についてそれがどのようにあてはまるのか,あるいは,どのような問題点が生じ得るのか等について,各委員がお互いに自由闊達な意見を述べ,議論することによって,より適切な検討結果を導き出すことが期待されているものといえる。そして,委員会は非公開で開催され,その議事骨子や主な委員の意見は近畿地方整備局及び被告大阪市のホームページで公開されるものの,当該意見を述べた委員の名前は明らかにされていない(丙7)から,委員は,委員会での議論は公開しないことを前提 事骨子や主な委員の意見は近畿地方整備局及び被告大阪市のホームページで公開されるものの,当該意見を述べた委員の名前は明らかにされていない(丙7)から,委員は,委員会での議論は公開しないことを前提に,上記のとおり既に確立されている専門的知見の開示にとどまらない,より発展的な内容について,他の委員等から異なる意見が出されたり,あるいはこれら異なる意見を踏まえて自らの見解の修正をしたりしながら,忌憚のない発言をしているものと推測される。そうすると,このような検討途中段階の意見が各委員の意見として逐語的に記載された本件議事録が公開されることは,委員が委員会において上記のように自由で率直な意見交換を行うことの大きな妨げになるものというべきである。 このように,科学技術に関する専門家が非公開の場で専門的知見に基づく議論をするような場合であっても,前例のない事業に関する問題点を議論する場合においては,各人が有する専門的知見を前提としつつも,十分に煮詰められていない着想にとどまるものをあえて提示したり,あるいは極端な例を挙げて説明をしたりすることも十分に予想し得る。また,議事録が事後的に公表されることを予定していたとしても,非公開を前提としたものである以上,通常は発言者等に逐語的に反訳した文章をそのまま一般に公表してよいかの確認がされるものといえるのであって,口頭における議論では,当然の前提が省略された発言や,言い間違えや単なる誤解に基づく発言などがあり得ることも考えると,このような確認作業を採らないまま,逐語的な反訳文が議事録として一般に公表されるとすると,議論の参加者が確信を持てないまでも新たな発想を披 - 41 -露した場合に批判を受けることや,片言隻句をとらえた批判をされることをおそれるなど,自由な発言を躊躇することも十分に想定し すると,議論の参加者が確信を持てないまでも新たな発想を披 - 41 -露した場合に批判を受けることや,片言隻句をとらえた批判をされることをおそれるなど,自由な発言を躊躇することも十分に想定し得るものといえる。したがって,事後的であっても本件議事録が公開される場合には,委員の自由闊達な議論が阻害される客観的かつ具体的な危険性・可能性があるといわなければならない。 (エ) 公開によって得られる利益について本件議事録に記載された委員の意見部分が公開されると,公開請求者(本件では原告A)やその他地元住民等が,第3回委員会における委員の議論を詳らかに知ることができ,ひいてはより深く本件事業の安全性を検討することができる側面は存するものといえる。もっとも,第3回委員会で検討の対象になった委員会資料,委員会議事骨子,委員からの主な意見は被告大阪市及び近畿地方整備局のホームページで公開されているから,第3回委員会で用いられた資料と第3回委員会での議論の概要は明らかになっており,本件議事録に逐語的に記載された委員の意見部分が公開されなくとも,本件事業の安全性の検討は可能であるというべきである。 (オ) 小括このように第3回委員会での資料や議事骨子等が既に公開されていることに加え,本件議事録に記載された委員の意見が記載された部分を公開すると,委員が萎縮し自由に意見を述べることが阻害されかねないことに照らすと,本件議事録における委員の意見が記載された部分を公開すると委員らによる率直な意見交換が不当に損なわれるおそれがあると認めるのが相当である。 (カ) 原告Aが指摘する部分についての補足a 原告Aは,「供用性の用語の意味に関する質疑応答」(本件議事録28頁23行目から30頁5行目まで。別紙6の番号102ないし1 - 42 - (カ) 原告Aが指摘する部分についての補足a 原告Aは,「供用性の用語の意味に関する質疑応答」(本件議事録28頁23行目から30頁5行目まで。別紙6の番号102ないし1 - 42 -10)及び「地震動の用語の使い方に関する質疑応答」(本件議事録35頁1行目から36頁1行目まで。別紙6の番号144ないし155)については,用語の意味や使い方に関する質疑応答にとどまり,委員への干渉等で率直な意見交換や意思決定の中立性が損なわれることなど考えられない旨主張する。しかしながら,用語の定義等に関する見解が専門家の間でも分かれることは十分想定できるところであり,その質疑応答という形で委員らが自己の意見を述べているものと推測されるところであるから,用語の意味や使い方の質疑応答であっても上記と同様に公開した場合に委員の率直な議論が阻害されるおそれが認められるものといえる。 b 原告Aは,「委員会審議内容の確認」(本件議事録44頁8行目から45頁2行目まで。別紙6の番号210ないし212)について,委員会の審議内容の確認にとどまる部分を公開しても,率直な意見交換や意思決定の中立性が損なわれることは考えられないと主張する。 しかし,本件議事録(甲3)によれば,委員長が「よろしいでしょうか。ほぼ質問は出尽くしたでしょうか。」と述べた後,若干発言し(本件議事録44頁7行目から16行目まで),その後H委員が若干発言し(本件議事録44頁17行目から26行目まで),さらに委員長が「ありがとうございました。」と受け,若干発言した上で「その進め方ですが,今後のスケジュールについて,事務局のほうからどのようになりそうかというのを,説明をお願いしたいと思います。」と述べている(本件議事録44頁27行目から45頁4行目まで)ことが認められる。このような経 のスケジュールについて,事務局のほうからどのようになりそうかというのを,説明をお願いしたいと思います。」と述べている(本件議事録44頁27行目から45頁4行目まで)ことが認められる。このような経過をみると,単なる委員会の審議内容の確認にとどまるよりも,委員長とH委員との間で審議内容のとりまとめ等についての実質的な意見交換がなされたものと推測されるから,上記「委員会審議内容の確認」の部分が公開された場合にはやはり委 - 43 -員の自由闊達な議論を阻害するおそれが認められる。 c 原告Aは,本件議事録45頁7行目から24行目まで(別紙6の番号213及び214)は今後のスケジュールを説明し,資料の説明をするものであり,この箇所を非公開とする理由はない旨を主張する。 しかし,同部分においても,これまでになされた委員の意見を踏まえた説明等がなされているものと推測され,同部分が公開された場合にはやはり委員の自由闊達な議論を阻害するおそれが認められるというべきである。 ウ事務局の説明や資料から錯誤される可能性があり,誤解や混乱のおそれがあること(被告大阪市の非公開理由②)を理由に情報公開条例7条4号該当性が認められるか。 被告大阪市は,本件議事録中,別紙6の理由欄に②と記載した非公開部分については,本件議事録の事務局の説明等の部分が公開されることにより,事務局の説明や資料から錯誤される可能性があるから,誤解や混乱のおそれがあり,情報公開条例7条4号に該当する旨主張する。 しかしながら,本件議事録で既に公開されている部分(甲3)によれば,第3回委員会は,冒頭(本件議事録1頁から2頁11行目まで)で,司会者(被告大阪市の建設局道路特定街路担当課長)が挨拶及び配付資料の確認をした後で,委員長に議事進行を委ね,委員長が配付資料(「一体構造 3回委員会は,冒頭(本件議事録1頁から2頁11行目まで)で,司会者(被告大阪市の建設局道路特定街路担当課長)が挨拶及び配付資料の確認をした後で,委員長に議事進行を委ね,委員長が配付資料(「一体構造物の安全照査の流れについて」,「一体構造物の安全性に関する定量的評価について」)の説明を事務局に求め,事務局の各担当者が順次自己の担当部分につき配付資料を説明し(本件議事録2頁12行目から16頁6行目まで),事務局の担当者が第3回委員会を欠席したG委員の意見を報告し(本件議事録16頁7行目から21行目まで),その後第3回委員会に出席した委員が説明された資料について意見を述べるなどして議論がなされたものと推認することができる。このような本件議事録の体裁や記載内 - 44 -容からすれば,被告大阪市が特に委員の意見が明らかにされていると留保をしている部分(本件議事録3頁15行目から6頁1行目まで。別紙6の番号2)を除いては,事務局の説明等の部分は配付資料の補足説明にとどまるものが大半であると考えられるから,同部分が公開された場合に,同部分の記載内容が委員会の最終的な結論である,あるいは,委員会において委員が行った議論の内容であるなどと誤解される客観的かつ具体的な危険性・可能性があるとはいい難い。もちろん,事務局が配付資料の説明の際に,事務局の見解や問題意識を明らかにして,委員に対し議論を促すこともあり得ようが,これもその後委員による具体的な議論を予定していることは本件議事録の体裁等から明確であって,やはり当該事務局の説明等の部分が委員会において委員が行った議論の内容ないし結論であるなどと誤解される客観的かつ具体的な危険性・可能性があるとはいい難い。 他方,事務局の説明等の部分は,専門的知見を備えた各委員に向けられたものではあるが,配付 委員が行った議論の内容ないし結論であるなどと誤解される客観的かつ具体的な危険性・可能性があるとはいい難い。 他方,事務局の説明等の部分は,専門的知見を備えた各委員に向けられたものではあるが,配付資料の内容について口頭で加えられた説明であることなどに照らすと,既に公開されている委員会の資料を検討するに当たっても一定の有用性が認められるものといえる。 これらの点に鑑みると,本件議事録のうち事務局の説明等の部分を公開しても,これが委員会の議論ないし結論であると誤解され,率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ又は不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれがあるとは認められないから,事務局の説明等に関する部分について,その誤解・混乱を理由とする情報公開条例7条4号該当性は認められない。 エ本件議事録3頁15行目から6頁1行目まで(別紙6の番号2)の情報が情報公開条例7条4号に該当するかについて被告大阪市は,本件議事録3頁15行目から6頁1行目まで(別紙6の番号2)の情報は,①委員への干渉等で率直な意見交換・意思決定の中立 - 45 -性が損なわれるおそれがある,②事務局の説明や資料から錯誤される可能性があり,誤解や混乱のおそれがある,③部分的な事実情報による誤解や混乱のおそれがあるとして,情報公開条例7条4号に該当する旨主張する。 そこで検討するに,まず,上記②の理由をもっては同号に該当するとはいえないことは前記ウで説示したとおりである。 次に,上記③の理由が同号に該当するかどうか検討するに,そもそも「部分的な事実情報」がいかなる意味か判然としないし,この点を措くとしても,上記部分は基本的には事務局の説明部分にとどまり,委員会の結論でないのはもとより,委員会での議論を経た意見でないことは,本件議事録の体 実情報」がいかなる意味か判然としないし,この点を措くとしても,上記部分は基本的には事務局の説明部分にとどまり,委員会の結論でないのはもとより,委員会での議論を経た意見でないことは,本件議事録の体裁等から明らかであるから,上記③の理由をもってしては,率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ又は不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれがあるとは認められないというべきである。 他方,本件議事録に記載された委員の意見については,自由な意見交換を阻害するという客観的かつ具体的な危険性・可能性が認められることから情報公開条例7条4号に該当することは前記イで説示したとおりであるところ,上記部分に委員の意見が記載されているかについて検討するに,事務局の資料の説明部分においても,事務局の担当者が前回までの委員会や事前打合せ等により事務局が知った委員の意見に言及することは十分想定されるところであるから,上記部分には委員の意見が記載されていると推認することができる。もっとも,上記部分は本件議事録3頁15行目から6頁1行目まで2頁以上にわたる部分であるから,そのすべてに委員の意見が記載されているとも認め難い。したがって,上記部分(本件議事録3頁15行目から6頁1行目まで。別紙6の番号2)のうち委員の意見が記載された部分については情報公開条例7条4号該当性は認められるものの,その余の部分については同号該当性が認められないと解するのが相当 - 46 -である。 オ本件議事録6頁2行目から8頁14行目まで,9頁28行目から10頁22行目まで,10頁26行目から12頁20行目まで,13頁21行目から14頁14行目まで及び14頁17行目から16頁5行目まで(別紙6の番号3,4,7ないし9,12,13)について,検討途上の未成熟な 目まで,10頁26行目から12頁20行目まで,13頁21行目から14頁14行目まで及び14頁17行目から16頁5行目まで(別紙6の番号3,4,7ないし9,12,13)について,検討途上の未成熟な内容による誤解や混乱のおそれがあること(被告大阪市の非公開理由④)を理由に情報公開条例7条4号該当性が認められるか。 被告大阪市は,本件議事録6頁2行目から8頁14行目まで,9頁28行目から10頁22行目まで,10頁26行目から12頁20行目まで,13頁21行目から14頁14行目まで及び14頁17行目から16頁5行目まで(別紙6の番号3,4,7ないし9,12,13)の各情報は,検討途上の未成熟な内容による誤解や混乱のおそれがある(被告大阪市の非公開理由④)として,情報公開条例7条4号に該当する旨主張する。しかしながら,これらの情報は,基本的には事務局の説明部分にとどまり,委員会の結論でないのはもとより,委員会での議論を経た意見ではないことは,本件議事録の体裁等から明らかであるから,これらの情報が公開された場合に検討途上の未成熟な内容のために誤解や混乱が生じる客観的かつ具体的な危険性・可能性が存するものとはいえず,率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ又は不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれがあるとは認められない。 カ本件議事録13頁21行目から14頁14行目まで(別紙6の番号12)について,基準等で定めのない前提条件での内容であり,誤解や混乱のおそれがあること(被告大阪市の非公開理由⑤)を理由に情報公開条例7条4号該当性が認められるか。 被告大阪市は,本件議事録13頁21行目から14頁14行目まで(別紙6の番号12)の情報は,基準等で定めのない前提条件での内容であり, - 47 -誤解や混乱のおそれが 当性が認められるか。 被告大阪市は,本件議事録13頁21行目から14頁14行目まで(別紙6の番号12)の情報は,基準等で定めのない前提条件での内容であり, - 47 -誤解や混乱のおそれがある(被告大阪市の非公開理由⑤)として,情報公開条例7条4号に該当する旨を主張する。しかし,上記情報は,基本的には事務局の説明部分にとどまり,委員会の結論でないのはもとより,委員会での議論を経た意見ではないことは,本件議事録の体裁等から明らかであるし,そもそも委員会の目的が堤防と道路構造物が一体となった構造物の安全性等に関する検討であり,基準等で定めのない項目があることは当然の前提となっていることに照らすと,上記情報が公開された場合に率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ又は不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれがあるとは認められない。 キ小括以上の検討結果によれば,その余の点を論ずるまでもなく,本件議事録のうち16頁9行目から45頁24行目までの非公開部分(別紙6の番号14ないし214)の各情報及び3頁15行目から6頁1行目まで(別紙6の番号2)の情報のうち委員の意見に関する部分は,情報公開条例7条4号に該当し,他方,本件議事録のうち2頁15行目から16頁5行目までの非公開部分(別紙6の番号1ないし13)の各情報(ただし,本件議事録3頁15行目から6頁1行目まで(別紙6の番号2)の情報のうち委員の意見に関する部分を除く。)は同号に該当しない。 (4) 委員との打合せメモに記載された委員の意見の情報公開法5条5号該当性ないし情報公開条例7条4号該当性についてア委員会に欠席する委員との打合せに係る委員との打合せメモ本件各行政文書及び本件各公文書のうち,平成23年7月1日打合せメモ(甲8)及び同月4日打 性ないし情報公開条例7条4号該当性についてア委員会に欠席する委員との打合せに係る委員との打合せメモ本件各行政文書及び本件各公文書のうち,平成23年7月1日打合せメモ(甲8)及び同月4日打合せメモ(甲9)はいずれも第2回委員会の欠席予定委員との打合せに係る打合せメモであり,同年11月21日打合せメモ(甲4)は第3回委員会の欠席予定委員との打合せに係る打合せメモである。これらの打合せメモに記載された情報のうち欠席予定委員の意見 - 48 -(別紙3の1,2,別紙4の1(2),別紙5の2(2))が公開されると,本件議事録に記載された委員の意見が公開されるのと同様に,前記(3)イで検討したような委員による自由な意見の表明が阻害される客観的かつ具体的な危険性・可能性が存するものといえるから,これらの打合せメモに記載された欠席予定委員の意見も情報公開法5条5号ないし情報公開条例7条4号にそれぞれ該当するものと認められる。 イその他の委員との打合せメモ本件各行政文書及び本件各公文書のうち,平成23年8月17日打合せメモ(甲11),同年9月20日打合せメモ(甲12),同年10月25日打合せメモ(甲13),同月28日打合せメモ(甲14)及び同年12月26日打合せメモ(甲5)は,いずれも一部開示ないし部分公開された部分の記載内容及び第2回委員会により事務局が委員から指導を受けて解析を実施することとされたこと(前記イ(ア)e)に照らせば,委員会の委員並びに事務局及び本件各受注業者の各担当者が委員会での議論の下準備や上記解析の実施等のために行った打合せの結果をとりまとめたメモであると認められる。そしてこれらの打合せメモに記載された委員の意見(別紙3の4(3),5(2),6(3),7(3)(4),別紙4の2(2),別紙5の3(2))が った打合せの結果をとりまとめたメモであると認められる。そしてこれらの打合せメモに記載された委員の意見(別紙3の4(3),5(2),6(3),7(3)(4),別紙4の2(2),別紙5の3(2))が公開されると,本件議事録に記載された委員の意見が公開された場合と同様に,前記(3)イで検討したような委員による自由な意見の表明が阻害される客観的かつ具体的な危険性・可能性が存するものといえるから,これらの打合せメモに記載された委員の意見も情報公開法5条5号ないし情報公開条例7条4号にそれぞれ該当するものといえる。 (5) 担当者との打合せメモに記載された担当者発言の情報公開法5条5号該当性について被告国は,担当者との打合せメモ(甲10)に記載された担当者発言(別紙3の3(2)ないし(4))を公開すれば,国民において委員会の正式な議論内 - 49 -容として誤解され,混乱が生じさせるおそれがあるなどと主張する。 しかしながら,担当者との打合せメモ(甲10)の出席者名には委員会の委員が含まれておらず(丙7の1参照),この点を措いても,同メモには「河川側の質問要旨」,「道路側からの回答」及び「今後の対応方針」との記載があることからすれば,淀川を管理する被告国(近畿地方整備局)と建設予定の道路を管理する被告大阪市(建設局道路部街路課)の担当者間での質疑応答や協議が行われたにとどまることは明らかであって,このメモに記載された担当者発言が公開されると,これが委員会の正式の議論内容として誤解され,混乱が生じる客観的かつ具体的な危険性・可能性があると認めることはできない。 したがって,担当者との打合せメモに記載された担当者発言は情報公開法5条5号に該当するものとは認められない。 (6) 委員との打合せメモに記載された提出資料名の情報公開法5条5 ことはできない。 したがって,担当者との打合せメモに記載された担当者発言は情報公開法5条5号に該当するものとは認められない。 (6) 委員との打合せメモに記載された提出資料名の情報公開法5条5号該当性について被告国は,委員との打合せメモに記載された提出資料名(平成23年8月17日打合せメモ(甲11)の提出資料の一部,同年10月25日打合せメモ(甲13)の提出資料,同月28日打合せメモ(甲14)の提出資料の各名称。別紙3の4(2),6(2),7(2))が開示されることになれば,委員会で議論・検討されてもいない資料が委員会で議論・検討された資料として誤解を受けるおそれがある旨主張する。しかしながら,これらの打合せメモの記載内容に照らせば,これらの打合せは委員会の実施等に先立ち委員と事務局及び本件各受注業者の各担当者との間でなされた打合せにとどまると容易に判読できるから,これらの打合せの場で提出された資料が委員会で現実に議論・検討されるとは限らないことも容易に看取し得るものである。したがって,これらの打合せメモに記載された提出資料名が開示された場合に,委員会で議論・検討されてもいない提出資料が委員会で議論・検討された資料 - 50 -として誤解を受ける客観的かつ具体的な危険性・可能性があるとは認められない。 また,被告国は,これらの打合せメモの提出資料名が開示されると,委員及び担当者としても,事前打合せにおいて,委員会で議論されることが確実な資料についてしか打合せをすることができなくなり,委員会で検討すべき資料の取捨選択という委員会の下準備としての打合せができなくなる旨を主張する。しかし,事前打合せにおいて委員会で検討すべき資料の取捨選択をしているとしても,打合せメモの提出資料名を開示することによってその取捨選択作業に支 会の下準備としての打合せができなくなる旨を主張する。しかし,事前打合せにおいて委員会で検討すべき資料の取捨選択をしているとしても,打合せメモの提出資料名を開示することによってその取捨選択作業に支障をきたすものというべき具体的な理由は見受けられない(なお,被告国の上記主張は,資料名が開示されれば,委員会で議論・検討されてもいない資料が委員会で議論・検討された資料として誤解を受けるおそれがあることを前提とするものとも解されるが,かかる誤解を受けるおそれが認められないことは先に説示したとおりである。)。 さらに,被告国は,打合せメモに記載された提出資料名が開示されると,同資料に関して意見を述べた委員が特定され,あるいは,委員会では意見を述べていないにもかかわらず,打合せメモ記載の委員の意見であるかのように誤解されるおそれがあり,その結果,委員の自由な発言を阻害することになる旨を主張する。しかし,打合せメモ記載の委員の意見部分は情報公開法5条5号の不開示情報に該当することは先に説示したとおりであるから,打合せメモに記載された提出資料名が開示されたとしても,当該打合せに出席した委員が同資料について意見を述べたことが推測されるにとどまり,その意見の内容が推測されるとはいえない。このことは,既に公開されている議事骨子や主な委員の意見と照らし合わせた場合であっても同様である。そうすると,これらの打合せメモの提出資料名が公開され,打合せメモを見た者が,当該委員が委員会において当該資料に関する意見を述べたと考えたとしても,その意見の内容が推測されない以上,当該委員が事前の打合せや委員 - 51 -会で自由に発言することが阻害される客観的かつ具体的な危険性・可能性があるとはいえない。 したがって,打合せメモに記載された提出資料名は,情報公開法5 該委員が事前の打合せや委員 - 51 -会で自由に発言することが阻害される客観的かつ具体的な危険性・可能性があるとはいえない。 したがって,打合せメモに記載された提出資料名は,情報公開法5条5号の不開示情報には当たらない。 3 結論よって,原告Aの被告大阪市に対する請求は,別紙1の非公開部分の取消しを求める限度で理由があるからこの限度で認容し,その余は理由がないから棄却し,原告Bの被告国に対する請求は別紙2の不開示部分の取消しを求める限度で理由があるからこの限度で認容し,その余は理由がないから棄却し,原告Aの被告国に対する請求は理由がないからこれを棄却することとし,訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条,民事訴訟法65条1項本文,64条本文,61条を適用して,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第7民事部 裁判長裁判官田中健治 裁判官尾河吉久 裁判官木村朱子 - 52 -別紙1大阪市長の原告Aに対する部分公開決定のうち取消しの対象となる非公開部分 第3回○事業に関する技術検討委員会平成23年11月29日(火)議事録のうち下記の各部分記 1 2頁15行目から3頁14行目まで(別紙6の番号1) 2 3頁15行目から6頁1行目まで(ただし,委員の意見が記載されている部分を除く。別紙6の番号2) 3 6頁2行目から10頁22行目まで(別紙6の番号3ないし7) 4 10頁26行目から12頁20行目まで(別紙6の番号8及び9) 5 12頁23行目から13頁18行目まで(別紙6の番号10及び11) 6 13頁21行目から14頁14行目まで(別紙6の番号12) 7 14頁17行目から16頁5行目まで(別紙6の番号13)以上 23行目から13頁18行目まで(別紙6の番号10及び11) 6 13頁21行目から14頁14行目まで(別紙6の番号12) 7 14頁17行目から16頁5行目まで(別紙6の番号13)以上 - 53 -別紙2近畿地方整備局長の原告Bに対する一部開示決定のうち取消しの対象となる不開示部分 1 平成23年8月4日○事業委員会に関する打合せメモのうち下記の各部分記(1) 河川側の質問要旨(2) 道路側からの回答(3) 今後の対応方針 2 平成23年8月17日○事業委員会に関する打合せメモのうち提出資料の部分(ただし,既に開示されている部分を除く。) 3 平成23年10月25日○事業委員会に関する打合せメモのうち提出資料(「大阪市資料」,「近畿地方整備局・淀川河川資料」)の部分 4 平成23年10月28日○事業委員会に関する打合せメモのうち提出資料の部分以上 - 54 -別紙3近畿地方整備局長の原告Bに対する本件一部不開示決定1中一部不開示とされた部分 1 平成23年7月1日○事業委員会に関する打合せメモのうち「6.指摘事項」の項 2 平成23年7月4日○事業委員会に関する打合せメモのうち「6.指摘事項」の項 3 平成23年8月4日○事業委員会に関する打合せメモのうち下記の部分記(1) 出席者氏名のうち㈱FI本社J室及び㈱Eに係る部分(2) 河川側の質問要旨(3) 道路側からの回答(4) 今後の対応方針 4 平成23年8月17日○事業委員会に関する打合せメモのうち下記の部分記(1) 出席者氏名のうちF及びEに係る部分(2) 提出資料(ただし,「・一体構造物の安定性の照査手法・条件について」,「・その他関連資料」を除く。)(3) 打合せの要点 ち下記の部分記(1) 出席者氏名のうちF及びEに係る部分(2) 提出資料(ただし,「・一体構造物の安定性の照査手法・条件について」,「・その他関連資料」を除く。)(3) 打合せの要点(ただし,委員名及び打合せの項目を除く。) 5 平成23年9月20日○事業委員会に関する打合せメモのうち下記の部分記(1) 出席者氏名のうちF及びEに係る部分(2) 確認事項の項(ただし,打合せの項目及び「→はH委員のコメント」とある部分を除く。) 6 平成23年10月25日○事業委員会に関する打合せメモのうち下記の部分 - 55 -記(1) 出席者氏名のうちE㈱及び㈱Fに係る部分(2) 提出資料(「大阪市資料」,「近畿地方整備局・淀川河川資料」)(3) 打ち合わせ結果(ただし,項目名を除く。) 7 平成23年10月28日○事業委員会に関する打合せメモのうち(1) 出席者氏名のうち㈱Eに係る部分(2) 提出資料(3) 打ち合わせ結果(ただし,「H先生より以下の指摘」との部分を除く。)(4) その他以上 - 56 -別紙4近畿地方整備局長の原告Aに対する本件一部不開示決定2中一部不開示とされた部分 1 平成23年11月21日○事業委員会に関する打合せメモのうち下記の部分記(1) 出席者氏名のうちEコンサルタントに係る部分(2) 「6.指摘事項」の項 2 平成23年12月26日○事業委員会に関する打合せメモのうち下記の部分記(1) 出席者氏名のうち㈱E及び㈱Fに係る部分(2) 打ち合わせ結果(ただし,項目名を除く。)以上 - 57 -別紙5大阪市長の原告Aに対する本件部分公開決定中一部非公開とされた部分 1 第3回○事業に関する技術検討委員会平 2) 打ち合わせ結果(ただし,項目名を除く。)以上 - 57 -別紙5大阪市長の原告Aに対する本件部分公開決定中一部非公開とされた部分 1 第3回○事業に関する技術検討委員会平成23年11月29日(火)議事録のうち別紙6の各該当部分(ただし,発言者名を除く。) 2 平成23年11月21日○事業委員会に関する打合せメモのうち下記の部分記(1) 出席者氏名のうちEコンサルタントに係る部分(2) 「6.指摘事項」の項(ただし,「(その他,資料等でご指摘頂いた内容)」という部分を除く。) 3 平成23年12月26日○事業委員会に関する打合せメモのうち下記の部分記(1) 出席者氏名のうち㈱E及び㈱Fに係る部分(2) 打ち合わせ結果(ただし,項目名を除く。)以上
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