主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人兼上告補助参加人代理人加藤一芳、同原山剛三の上告理由について債務者又はその代理人の有効な作成嘱託及び執行受諾の意思表示に基づいて作成された公正証書を債務名義とする強制競売手続において、公正証書表示の権利義務関係に実体上これを無効とする事由があるとしても、請求異議の訴その他法定の方法によつて右無効を理由としてその手続が許されないものとされることなく、競落許可決定が確定し、競落代金の支払いがされて競売手続が完結したときは、もはや右無効を理由に競落人による競売物件の所有権取得の効果をくつがえすことができないものと解するのが相当である。ところで、本件において、上告人及び上告補助参加人は、債権者訴外D商工信用組合、債務者上告補助参加人、連帯保証人上告人の間で作成された金銭消費貸借公正証書に基づく第一審判決別紙目録記載の土地(以下「本件土地」という。)の強制競売手続において本件土地を競落した訴外組合及び訴外組合からさらにこれを譲り受けた被上告人の所有権取得を争うのであるが、その理由は、要するに、訴外組合の上告補助参加人に対する貸付がいわゆる拘束された即時両建預金を取引条件とするものであつて私法上無効であるというのである。右貸付が右のような取引条件を付したことによつて直ちに私法上無効となるものではない(上告補助参加人・訴外組合間の最高裁昭和四八年(オ)第一一一三号同五二年六月二〇日第二小法廷判決・民集三一巻四号四四九頁)ことはさておいても、原審が適法に確定した事実関係によれば、すでに訴外組合に対する本件土地の競落許可決定が確定し、競落代金の支払いがされて右強制競売手続が完結しているというのであるから、右のような実体上の ておいても、原審が適法に確定した事実関係によれば、すでに訴外組合に対する本件土地の競落許可決定が確定し、競落代金の支払いがされて右強制競売手続が完結しているというのであるから、右のような実体上の無効をいうだけでは、訴外組合及び被上告人- 1 -による本件土地の所有権取得の効果を左右することはできない。 定し、競落代金の支払いがされて右強制競売手続が完結しているというのであるから、右のような実体上の ておいても、原審が適法に確定した事実関係によれば、すでに訴外組合に対する本件土地の競落許可決定が確定し、競落代金の支払いがされて右強制競売手続が完結しているというのであるから、右のような実体上の無効をいうだけでは、訴外組合及び被上告人- 1 -による本件土地の所有権取得の効果を左右することはできない。これと同旨の原審の判断は正当である。所論引用の大審院判例は、事案を異にし本件に適切でない。論旨は、採用することができない。よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官団藤重光裁判官藤崎萬里裁判官本山亨裁判官戸田弘裁判官中村治朗- 2 -
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