令和7年3月28日判決言渡同日原本受領裁判所書記官令和4年(ワ)第11405号職務発明の譲渡対価請求事件口頭弁論終結の日令和7年1月28日判決 原告 A 同訴訟代理人弁護士伊原友己 同並山恭子 同橋本祐太 同今井良輔 被告日本新薬株式会社 同代表者代表取締役 同訴訟代理人弁護士重冨貴光 同岡田さなゑ 同古庄俊哉 同松井鴻 同北原潤一 同佐志原将吾 同石津真二 同補佐人弁理士小林浩 主文 1 被告は、原告に対し、9399万8140円及びこれに対する令和5年1月1日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は、これを5分し、その1を被告の負担とし、その余を原告の負担とする。 4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。 事実 余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は、これを5分し、その1を被告の負担とし、その余を原 告の負担とする。 4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。 事実 及び理由 第1 請求被告は、原告に対し、5億円及びこれに対する令和5年1月1日から支払済みま で年3パーセントの割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 本件は、被告の従業員であった原告が、被告の従業員として職務上行った別紙特許目録記載の特許(以下「本件特許」という。)に係る発明について、特許を受ける権利を被告に承継させたとして、被告に対し、平成16年法律第79号によ る改正前の特許法(以下「平成16年改正前特許法」という。)35条に基づき、上記承継に係る令和4年末までの相当の対価の一部として5億円及びこれに対する令和5年1月1日(請求の日の後)から民法所定の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 2 前提事実(争いのない事実、掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認定 できる事実)(1) 当事者ア原告は、昭和63年4月に被告に入社し、創薬研究の業務に従事し、令和4年3月に被告を定年退職した。(甲3)イ被告は、大正8年に設立された、医薬品、医薬部外品等の製造、売買ならび に輸出入等を目的とする株式会社である。 (2) 職務発明及び特許を受ける権利の承継ア原告は、被告の従業員であった期間に、同従業員であった B (以下「B 」という。)及び C (以下「C 」といい、原告、B 及びCを併せて「原告ら発明者」という。)と共に、職務発明として●●●●●●●● ●●●●●●●●●に一般名「セレキシパグ」(被告における開発記号「NS-3 「C 」といい、原告、B 及びCを併せて「原告ら発明者」という。)と共に、職務発明として●●●●●●●● ●●●●●●●●●に一般名「セレキシパグ」(被告における開発記号「NS-3 04」)という化合物(以下「本件化合物」という。)の発明(以下「本件発明」という。)を完成させ、完成と同時に、被告に対し、本件発明に係る特許を受ける権利を承継させ、被告宛の譲渡証書を作成した。(乙128、148、149)なお、共同発明者間の貢献割合は、各3分の1である。(争いなし)イ本件特許は、医薬品の有効成分となる本件化合物の物質特許を含むものであ る(本件特許の特許請求の範囲には用途発明や本件化合物以外の化合物の物質発明も含まれるが、本件の請求に関し、本件特許に係る発明が実質的には本件化合物の物質特許の発明をいうものであることにつき当事者の認識が共通していることから、以下、本件特許に係る発明という意味でも「本件発明」の語を用いることとする。)。 (3) 本件特許及び対応外国特許ア被告は、本件発明につき、平成13(2001)年4月26日に基礎出願(特願2001-129765)を、平成14(2002)年4月25日に、PCT出願(PCT/JP02/04118)をした。(乙146、147)イ被告は、本件発明につき、別紙特許目録記載のとおり、特許出願をし、本件 特許に係る特許権の設定登録を受けた。 ウ PCT国際出願及びパリ条約による国際出願に基づく本件特許の対応外国特許は、別紙「対応外国特許一覧」記載の27件である。 (4) 肺動脈性肺高血圧症肺動脈性肺高血圧症(PulmonaryArterialHypertension:PAH。以下、単に 「PAH」ということもある。)は、肺動脈内腔の狭窄な (4) 肺動脈性肺高血圧症肺動脈性肺高血圧症(PulmonaryArterialHypertension:PAH。以下、単に 「PAH」ということもある。)は、肺動脈内腔の狭窄などにより、肺血管抵抗(PVR)が増大し、肺動脈圧(PAP)が上昇する疾患であり、疾患の進行に伴い、右室から肺への血液拍出能が制限されることによる息切れや身体能力の低下等の症状が現れ、最終的には右心不全を生じて死に至る。その病態生理は、完全には解明されていないが、肺動脈の血管内皮細胞と血管平滑筋細胞の間の異常な相互作 用による血管収縮及びこれらの細胞の異常増殖、並びに血栓の付着などが肺動脈内 腔の狭窄を生じる要因と考えられている。(甲3)(5) 被告による医薬品の販売等ア被告は、本件化合物を有効成分とする医薬品「ウプトラビ錠0.2mg」及び「ウプトラビ錠0.4mg」(選択的プロスタサイクリン受容体アゴニストセレキシパグ。以下「本件医薬品」と総称する。)につき、製造販売の承認申請を し、平成28年9月28日、「効能・効果」及び「用途」を「肺動脈性肺高血圧症(PAH)」とする承認を取得した。 イ本件医薬品は、同年11月21日、国内において上市した。 (6) ライセンス契約の締結等ア被告は、●●●●●●●●●●付けで、スイスの製薬会社であるActelion PharmaceuticalsLtd. (以下「アクテリオン」という。)との間で、ライセンス契約(以下「本件ライセンス契約」という。)を締結し、以後、アクテリオンから本件ライセンス契約に基づき、ライセンス料を受領した。本件ライセンス契約●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●は、大要、別紙「本件ライセンス契約条項 クテリオンから本件ライセンス契約に基づき、ライセンス料を受領した。本件ライセンス契約●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●は、大要、別紙「本件ライセンス契約条項(抜粋)」●●●●●●●●●●●●●●●● であった(乙82ないし84〔枝番を含む。〕。なお、アクテリオンは、平成29年ころに、ジョンソン・エンド・ジョンソン社に買収されたが、依然として本件ライセンス契約の当事者はアクテリオンである。)。 イアクテリオンは、その後、米国及び欧州等の各国の薬事規制の下で、本件医薬品についてPAHを適応症とする承認を受け、本件医薬品はこれら各国で上市し た(なお、米国における上市は平成28年1月である。)。 (7) 被告の職務発明規程●●●●●●●●●●、被告において、初めて職務発明規程、職務発明管理規程、職務発明報奨規程が発効された(以下「本件職務発明規程」と総称する。)(乙68。●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●)。以後、同 規程は、改訂が重ねられた(●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●)。 (8) 被告による「報奨金」の支払被告は、原告に対し、本件発明につき、本件職務発明規程(改訂後の報奨規程を含む。)に基づき、次の「報奨金」名目で合計651万9000円を支払った。なお、被告は、上市後5年目以降の「実績報奨金」の支払について、令和4年7月1 5日付け書面により原告に通知したが、原告から異議申立てを受けたため、支払っていない(なお、「上市後3年目」とは、米国における上市(平成28年1月)に照らし、平成29年10月1日から平成30年9月30日までを指す。)(甲3)。 ア平成14年 申立てを受けたため、支払っていない(なお、「上市後3年目」とは、米国における上市(平成28年1月)に照らし、平成29年10月1日から平成30年9月30日までを指す。)(甲3)。 ア平成14年 「出願報奨金」として3000円 イ平成22年 「登録報奨金」として1万円ウ平成29年本件医薬品の「上市後報奨金」として15万9000円エ令和2年上市後3年目の「実績報奨金」として246万4000円オ令和3年上市後4年目の「実績報奨金」として388万3000円(9) 創薬の一般的なプロセス 創薬の一般的なプロセスは、別紙「創薬プロセスのチャート」のとおりである。 3 争点(1) 本件職務発明規程の適用の有無(争点1)(2) 独占の利益の有無(争点2)(3) 相当の対価額(争点3) ア自己実施分についてイ他者実施分について 4 当事者の主張(1) 争点1(本件職務発明規程の適用の有無)について【原告の主張】 本件発明が完成したのは●●●●●●●●●●であり、被告の主張のとおり同日 に特許を受ける権利を被告に移転したのであれば、その後の同年5月22日に発効された本件職務発明規程が適用されることはない。本件発明に対する相当の対価については、平成16年改正前特許法が適用される。 【被告の主張】●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●そうすると、原告と被告の間には、原告が職務発明を行った場合、それに基づく特許を受ける権利を被告に譲渡する旨の合意が形成されていたといえる。 ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●本件発明の特許を受ける権利 は、本件発明の完成時点●●●●●●●●●●●●で被告に承継された。 このように、原告から被告に対し、本件発明の特許を受ける権利が譲渡されたことに加えて、被告が原告に対 ける権利 は、本件発明の完成時点●●●●●●●●●●●●で被告に承継された。 このように、原告から被告に対し、本件発明の特許を受ける権利が譲渡されたことに加えて、被告が原告に対して、本件職務発明規程に基づく報奨金を支払い、原告も上市後4年目の実績報奨の支払までは異議申立てすることなく報奨金を受領してきたことから、少なくとも、原告と被告との間の個別の合意として、本件発明につき、本件職務発明規程を適用する合意がなされていたといえる。 (2) 争点2(独占の利益の有無)について【原告の主張】別紙「当事者の主張一覧表① 独占の利益の有無」の「原告の主張」欄記載のとおり、本件発明に係る被告の実施及び他者(アクテリオン)実施のいずれについても、本件特許による「独占の利益」はある。 【被告の主張】別紙「当事者の主張一覧表① 独占の利益の有無」の「被告の主張」欄記載のとおり、本件発明に係る被告の実施及び他者(アクテリオン)実施のいずれについても、本件特許による「独占の利益」はない。 (3) 争点3(相当の対価額)について 【原告の主張】本件発明の自己実施に係る相当の対価についての主張は、別紙「当事者の主張一覧表② 相当の対価額(自己実施分)」の「原告の主張」欄記載のとおりであり、特に、本件における使用者貢献度は90%を上回ることはない。 本件発明の他者実施に係る相当の対価についての主張は、別紙「当事者の主張一 覧表③ 相当の対価額(他者実施分)」の「原告の主張」欄記載のとおりである。 令和4年末までの本件発明に対する相当の対価額は、次の算式によれば少なくとも27億5000万円であり、原告は、被告に対し、既払額を控除した残額の一部として5億円の支払を求める。 <算式> 被 4年末までの本件発明に対する相当の対価額は、次の算式によれば少なくとも27億5000万円であり、原告は、被告に対し、既払額を控除した残額の一部として5億円の支払を求める。 <算式> 被告の自己実施による正味売上高 300億円 超過売上高(正味売上高の50%) 150億円超過利益額(超過売上高の50%) 75億円被告のライセンス収入 750億円(ただし、別紙「当事者の主張一覧表③ 相当の対価額(他者実施分)」の「ライセンス収入額」の「原告の主張」のとおり、原告は被告の開示するライセンス収 入額を認めている。)825億円(被告の超過利益額75億円+ライセンス収入750億円)×(1-使用者貢献度90%)×1/3【被告の主張】否認し争う。 上記(2)のとおり、「独占の利益」がないから相当の対価額はゼロである。 仮に、「独占の利益」があると仮定した場合の本件発明の自己実施に係る相当の対価については、別紙「当事者の主張一覧表② 相当の対価額(自己実施分)」の「被告の主張」欄記載のとおりの事情を考慮すべきであり、特に、本件における使用者貢献度は99.9%を下らない。同様に、本件発明の他者実施に係る相当の対 価については、別紙「当事者の主張一覧表③ 相当の対価額(他者実施分)」の「被告の主張」欄記載の事情を考慮すべきであり、特に、本件特許の貢献割合は10ないし15%を上回ることはない。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実 証拠(後掲)及び弁論の全趣旨によれば、次の各事実が認められる。 (1) 本件発明の内容本件発明につき、特許請求の範囲の各請求項の記載は別紙「特許公報(抜粋)」のとおりであり、本件特許の明細書には次のとおり記載されている。(甲2) 実が認められる。 (1) 本件発明の内容本件発明につき、特許請求の範囲の各請求項の記載は別紙「特許公報(抜粋)」のとおりであり、本件特許の明細書には次のとおり記載されている。(甲2)ア技術分野 「医薬として有用な新規複素環誘導体またはその塩、及びそれを有効成分として 含有するPGI2受容体作動剤に関する。」イ背景技術「プロスタグランジンI2(PGI2)は、生体内でアラキドン酸からプロスタグランジンH2(PGH2)を経由して産生される物質であり、強力な血小板凝集抑制作用、血管拡張作用、脂質沈着抑制作用、および白血球活性化抑制作用等の多 岐に渡る薬理効果を有している。従ってPGI2は、末梢循環障害(例、慢性動脈閉塞症、間欠性跛行、末梢動脈塞栓症、振動病、レイノー病)、全身性エリテマトーデス、経皮的冠動脈形成術(PTCA)後の再閉塞・再狭搾、動脈硬化症、血栓症、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、高血圧、虚血性疾患(例、脳梗塞、心筋梗塞等)、一過性脳虚血発作、糸球体腎炎等の治療、または末梢血管再建術若しくは 血管新生療法における血管形成促進に有効と考えられている。」「しかし、PGI2は、医薬品として用いるには、化学的に不安定であり、生物学的半減期も非常に短く、さらに目的とする作用とその他の作用との分離が困難であるため副作用が生じやすいなどの問題点がある。薬効の持続、副作用の軽減ならびにコンプライアンスの改善等を目的として、プロスタグランジン類の持続性製剤の研究・開発が行わ れてきたが、満足な成果は得られていない。このような状況下において、PGI2骨格を有さず、PGI2受容体に対する親和性に優れ、化学安定性においても優れたPGI2受容体作動薬は、既存のPGI2製剤よりも医薬品としての優れた治 得られていない。このような状況下において、PGI2骨格を有さず、PGI2受容体に対する親和性に優れ、化学安定性においても優れたPGI2受容体作動薬は、既存のPGI2製剤よりも医薬品としての優れた治療効果を示すと期待され、研究・開発が盛んに行われている。」ウ発明の目的 「新規なPGI2受容体作動剤、及び新規な複素環誘導体を提供することにある。」「本発明者らは、上記目的を達成するために、種々の化合物を合成し、検討する過程において、次の一般式(1)で表される複素環誘導体(以後、複素環誘導体(1)ともいう。)が優れたPGI2受容体作動作用を有することを見出し、本発明を完成するに到った。 (以下、略)」(2) 本件発明の完成に至るまでの経緯ア原告は、被告に入社した昭和63年4月から定年退職した令和4年3月までの間、一貫して創薬研究の業務に従事し、昭和63年から平成20年までの間は、主として●●●●●●●●●●●●●の治療薬の創出を目指す探索合成研究に従事 した。 イ ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●ウ PGI2(プロスタグランジンI2)は、昭和51年に発見され、本来は人 体内で合成される物質である。PGI2は、血管拡張作用及び血小板凝集抑制作用を示し、血液循環の制御及び血栓形成の抑制を行うほか、血管平滑筋細胞の増殖抑制、血管内皮細胞保護等の作用を有するため、多様な疾患に対する治療効果が期待 されていたが、血中持続性が少なく極めて不安定であるため(血中半減期は数分)、天然のPGI2そのものを医薬品とすることは困難とされていた。そこで、1980年代以降、PGI2のアナログ(PGI2と同様の効果を持つPGI2類似の化学構造の化合物)開発の機運が高まり、複数の企業が開発を試みたが、開発に成功したPGI2アナログは世界で3剤のみであった。一方、平成2(1990)年以降、 非プロスタノイド構造のPGI2受容体作動薬(アゴニスト)が報告されているものの、治療薬として十分な血中持続性を有する経口投与可能なPGI2受容体作動薬(アゴニスト)の開発には至らなかった。(乙150、151)エ原告は、平成9年12月に参加した学会の演題「抗血小板療法最前線」に関心を持ち、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●● 1)エ原告は、平成9年12月に参加した学会の演題「抗血小板療法最前線」に関心を持ち、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●オ原告は、●●●●●●●●●、上記探索研究の途上で化合物「●●●●● ●」を発見し、これを本件化合物の創製におけるリード化合物(化合物を有効成分 とする医薬品を開発する最初のプロセスにおいて、通常、有効成分の原型となるプロトタイプ化合物又はリード化合物を選定する。)と位置づけ、同日合成登録した(合成登録者は原告)。原告らは、上記リード化合物を前提として構 開発する最初のプロセスにおいて、通常、有効成分の原型となるプロトタイプ化合物又はリード化合物を選定する。)と位置づけ、同日合成登録した(合成登録者は原告)。原告らは、上記リード化合物を前提として構造の最適化(リード化合物の構造に系統的な化学修飾を加え、その生物活性を評価することにより、より活性の優れた化合物を探索すること)や最適化合物のプロドラッグ化 (プロドラッグとは、化学構造を変換した薬のことをいう。プロドラッグ化は通常、安定性や持続性を改善することを目的として実施することが多い。)を目指し、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● 「MRE-269」(本件化合物の活性本体)は、PGI2受容体選択性が高く、強力なアゴニスト活性を奏したが、持続性改善のためにプロドラッグ化の ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● 「MRE-269」(本件化合物の活性本体)は、PGI2受容体選択性が高く、強力なアゴニスト活性を奏したが、持続性改善のためにプロドラッグ化の研究が進められた。原告は、更に検討を重ね、血中濃度推移をよりなだらかにし、より長時間薬効持続を可能とするように「MRE-269」のカルボキシル基部分をスルホンアミド化し、●●●●●●●●●●、セレキシパグ(本件化合物〔本件医薬 品の有効成分〕。後に、被告内で開発品目となる「NS-304」。なお、「N S」は被告の会社名を表す。)を合成登録し、本件発明が完成した。(乙128)上記セレキシパグ(本件化合物)及び「MRE-269」は、非プロスタノイド骨格を有する当時世界初の選択的PGI2受容体作動薬(アゴニスト)であった。 (3) 特許出願ア被告は、原告ら発明者の起案を参考にした上で、特許部において明細書を作 成し、平成13年4月26日に本件発明に係る基礎出願を、平成14年4月25日にPCT出願をした。(甲6、乙146、147)イ被告は、基礎出願からPCT出願までの間に、①本件化合物の薬効薬理効果測定試験(サル exvivo 血小板凝集阻害実験)を実施して試験例1例を追加し、②本件化合物が特許の権利範囲に直接かつ明示的に含まれるよう、本件化合物の名 称を特定し(「化合物32」)、請求項に追記した。(乙146、147)(4) 本件医薬品の製剤化及び承認取得に至る経緯ア原薬・製剤(CMC)の開発本件医薬品の原薬製造と製剤研究について、被告では、●●●●●●●と●●●●●の各部署が担当した。 被告●●●●●●●●●は、●●●●●●●●●●●●●●●●●●までの間、本件化合物(原薬)につい 品の原薬製造と製剤研究について、被告では、●●●●●●●と●●●●●の各部署が担当した。 被告●●●●●●●●●は、●●●●●●●●●●●●●●●●●●までの間、本件化合物(原薬)について、安定的な合成法を確立して原薬合成・供給を行い、品質規格の試験として設定された、①性状、②確認試験(紫外可視吸収スペクトル、赤外吸収スペクトル)、③純度試験(重金属、類縁物質、残留溶媒)、④乾燥減量、⑤強熱残分、⑥結晶形、⑦粒子径、⑧定量法、の各試験を実施し、安定性試 験ガイドライン等に沿って、本件化合物について所要の各種試験を行った。 また、被告●●●●●●●は、●●●●●●●頃から、本件化合物の製剤(原薬(有効成分)に添加物を加えることにより製造される薬剤。医薬品。)化の検討、製剤供給、分析等を行い、本件医薬品(製剤)の品質規格の試験として設定された、①性状、②確認試験、③純度試験(類縁物質)、④製剤均一性、⑤溶出性、⑥ 定量法、の各試験を実施し、安定性試験ガイドライン等に沿って、本件医薬品につ いて所要の各種試験を行った。(以上につき、乙87ないし89、92、99、104ないし109)イ非臨床試験被告は、化合物の最適化の後に行われる非臨床試験(臨床試験(ヒトを対象に行う試験)に先立ち、新薬候補化合物の有効性・安全性・毒性等を調査するために、 細胞や動物を用いて行う試験)として、次のとおり、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●本件化合物のみならず本件化合物の前身となった化合物を含めて、適宜の時期に(主として臨床開発に至るまでの間)、各種の試験を行った(なお、かっこ内は、順に、「試験実施期間」、「被告内の試験担当部署」。また、試験数及びその試験内容は、本件医薬品の承認申請の添付資料となった非臨 主として臨床開発に至るまでの間)、各種の試験を行った(なお、かっこ内は、順に、「試験実施期間」、「被告内の試験担当部署」。また、試験数及びその試験内容は、本件医薬品の承認申請の添付資料となった非臨床試験を 示す。)。(乙37、87)(ア) 薬効・薬理試験(●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●)効力を裏付ける試験につき23試験、副次的薬理試験につき5試験(イ) 安全性薬理試験(●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●)15試験(ウ) 薬物動態試験(●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●)分析法及びバリデーション報告書につき15試験、吸収につき12試験、分布に つき10試験、代謝につき20試験、薬物動態学的薬物相互作用につき4試験(エ) 毒性試験(●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●)単回投与毒性試験につき4試験、反復投与毒性試験につき8試験、遺伝毒性試験につき4試験、がん原性試験につき2試験、生殖発生毒性試験につき7試験、新生 児を用いた試験につき2試験、局所刺激性試験につき1試験、その他の毒性試験に つき14試験ウ第1適応症の決定被告では、本件化合物の非臨床試験やP0試験等によって得られたデータを前提に、当時候補となっていた各適応症の特性、臨床上の実態、市場、開発状況等についての調査・分析結果が報告された。 当時、多数の企業がPGI2受容体作動薬(アゴニスト)の開発を試みて失敗する中、グラクソ・スミスクライン社によって天然のPGI2を基に製造された医薬品「フローラン(一般名:エポプロステノール)」が開発され、平成11年に日本 2受容体作動薬(アゴニスト)の開発を試みて失敗する中、グラクソ・スミスクライン社によって天然のPGI2を基に製造された医薬品「フローラン(一般名:エポプロステノール)」が開発され、平成11年に日本に導入された。フローランの適応症は、「肺動脈性肺高血圧症(PAH)」(上市当時は、その一種である「原発性肺高血圧症(PPH)」)であり、治療薬として十 分な有効性を示し、売上も高かったが、血中持続性がなく、投与方法が持続静注であるとの問題があった。また、天然のPGI2より相対的に安定な経口投与剤として「ベラプロスト」が開発され、適応症を「慢性動脈閉塞症(Arterio-SclerosisObliterans:ASO)」(後にPPHも適応症に含まれた。)として上市されたが、治療薬として血中持続性が不十分(経口投与後の半減期は約1時間)であり、 治療薬としての売上げが低いとの問題があった。●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●そして、被告は、開発の見込みが厳しく、開発リスクが高い事情もあるなか、本 件化合物につき、肺動脈性肺高血圧症(PAH)を第1適応症とした開発方針が有望であると判断し、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●本件化合物を、肺動脈性肺高血圧症(PAH)等を第1適応症候補とする開発品目として決定し、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●肺動脈性肺高血圧症(PAH)を第1適応症として臨床開発 する旨を最終決定し、本件化合物には「NS-304」との開発番号が付与された。(乙145、150ないし152)エ本件ライセンス契約の締結(ア) 海外導出決定肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、希少疾患(平成19年当時の国内における患 者数は1023人。乙156)であり、臨床試験において国内のみでは十分な症例数を確保できず、海外の症例を確保して臨床試験を行うことが不可欠であった。被告は、海外において先行開発を行い、NS-304は、欧州ではオーファン指定を受け、英国ではP1試験がほぼ終了していた。そして、被告は、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●海外 導出のメリット・デメリットを協議し、海外に販売拠 国ではP1試験がほぼ終了していた。そして、被告は、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●海外 導出のメリット・デメリットを協議し、海外に販売拠点を持たないためにいずれ他社に販売を委ねる必要が生じることや海外での大規模な臨床試験を実施する必要があることを前提に、肺動脈性肺高血圧症(PAH)治療薬開発の領域を熟知した製薬企業を導出先として連携し、当該企業の肺動脈性肺高血圧症(PAH)治療薬開発に関する知見やコネクション等を活用することで、開発スピードを高め、精妙な 試験デザインを構築し、高いエビデンスのあるデータを取得し、極めて有用な医薬 品であるとの評価を得ることにより,上市後に多大な利益を得ることを期待できるなどとして、本件医薬品を海外に導出する旨決定した。(乙157ないし160)(イ) 導出先の決定上記決定後、被告は、最良の導出先製薬企業を選出するため、被告のライセンス部主導の下、肺動脈性肺高血圧症(PAH)の治療薬の研究開発又は上市を行って いる企業や当該疾患と関連する疾患の治療薬の研究開発を行っている企業を調査し、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●その上で、被告は、これらの製薬企業に対してNS-304の導出の案内を行い、興味を示した●●社に対して本件医薬品のプレゼン資料を送り、うち●社(アクテリオンを含む。)との間で秘密保持契約を締結した上で具体 的なライセンス導出交渉を行い、検討を進め、最終的な導出先候補として2社(アクテリオン、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●を選出した。(乙161、162、164)アクテリオンは、ベンチャー製薬企業であり、PGI2作用とは別の 導出先候補として2社(アクテリオン、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●を選出した。(乙161、162、164)アクテリオンは、ベンチャー製薬企業であり、PGI2作用とは別の作用機序(エンドセリン受容体拮抗薬(アンタゴニスト)の作用機序)であるが、血中濃度 が相当に持続し、かつ、投与方法が経口剤である初の肺動脈性肺高血圧症(PAH)治療薬「ボセンタン」を開発・製品化し、平成19年当時、同治療薬市場全体の約半分の売上げをあげ、後継品の臨床開発に取り組んでいた。(乙159、167)●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●被告は、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●両社の開発力・販売力、契約条件等の相違等を詳細に比較検討し、アクテリ オンを本件医薬品の導出先として決定した。(乙170、171)。 (ウ) 本件ライセンス契約の内容被告は、アクテリオンとの間のライセンスの条件交渉を重ね、●●●●●●●●被告の保有する本件特許権(対応外国特許を含む。)及び●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●を内容とする本件ライセンス契約を締結した。(乙82〔枝番を含む。〕。かっこ内は、契約書の条項) ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● オ臨床試験被告は、新薬の承認申請に必要なデータを収集するため、次のとおり、臨床試験(ヒトを対象として行う試験)を行った。 (ア) P ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● オ臨床試験被告は、新薬の承認申請に必要なデータを収集するため、次のとおり、臨床試験(ヒトを対象として行う試験)を行った。 (ア) P0試験(マイクロドーズ臨床試験)マイクロドーズ臨床試験とは、ヒトにおいて薬理作用を発現すると推定される投 与量の100分の1を超えない用量又は100μgのいずれか少ない用量の被験物質を健康な被験者に単回投与して行われる臨床試験である。(乙41)被告は、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●MRE-304(「NS-304」)のP0試験(マイクロドーズ試験)を実施した。(乙175) (イ) 海外P1試験(フェーズ1)P1試験(フェーズ1)とは、同意を得た少人数の健康志願者を対象に、主に安全性や薬物動態を調査する試験である。(乙26)被告は、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●次の臨床 試験を行った。(乙87、176)a 単回・反復投与、ワルファリンとの併用試験【QGUY/2006/NS-304/-01】b 単回投与時の吸収、代謝及び排泄の検討【186933】c 用量漸増反復投与試験【AC-065-101】 d 光安全性試験【AC-065-102】 e 肝障害患者における単回投与試験【AC-065-104】f 腎障害患者における単回投与試験【AC-065-105】g QT/QTc 評価試験【AC-065-106】h ロピナビル・リトナビル配合錠との併用試験【AC-065-109】i 絶対的バイオアベイラビリティ試験【AC-065-110】 05】g QT/QTc 評価試験【AC-065-106】h ロピナビル・リトナビル配合錠との併用試験【AC-065-109】i 絶対的バイオアベイラビリティ試験【AC-065-110】 (ウ) 海外P2試験(フェーズ2)P2試験(フェーズ2)とは、同意を得た少人数の患者を対象に、有効で安全な投薬量や投薬方法を確認する試験である。(乙26)被告は、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●アクテリオンと連携して、次の臨床試験を行い、本件医薬品の有用性を確認した。(乙87) a 肺動脈性肺高血圧症(PAH)患者対象の二重盲検比較試験【NS-304/-02】bNS-304/-02試験の継続投与試験【NS-304/-03】(エ) 海外P3試験P3試験(フェーズ3)とは、同意を得た多人数の患者を対象に、二重盲検試験 などを実施して、既存薬などと比較して新薬の有効性及び安全性を確認する試験である。(乙26)被告は、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●アクテリオンと連携して、臨床試験デザインを構築し、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●Pivotal試験(医薬品の有効性・安全性を証明するための特に重要な試験であ り、検証的試験と称される。)として、次の各臨床試験を行った(なお、被告において、これらの検査は「GRIPHON試験」と称された。)。また、試験対象となる患者の罹患する肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、①特発性肺動脈性肺高血圧症(idiopathicPAH);IPAH)、②遺伝性肺動脈性肺高血圧症(heritablePAH); HPAH)、③薬剤・毒物誘発性肺動脈性肺高血圧症、④結合組織病 (connectivetissuedisease; CTD)、先 遺伝性肺動脈性肺高血圧症(heritablePAH); HPAH)、③薬剤・毒物誘発性肺動脈性肺高血圧症、④結合組織病 (connectivetissuedisease; CTD)、先天性心疾患(coronaryheartdisease; CHD)やHIV 感染症等の各種疾患に伴う肺動脈性肺高血圧症(associatedPAH)に分類されるところ、上記GRIPHON試験は、これらの各分類に応じた患者を例として実施された。(乙87、89、183)a 肺動脈性肺高血圧症(PAH)患者対象の二重盲検比較試験【AC-065A302】 ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●1156名の肺動脈性肺高血圧症(PAH)患者を対象に行われた。対象症例数は、当時の他の肺動脈性肺高血圧症(PAH)治療薬のPivotal試験の症例数(最も多いもので742例)を上回る数であった。(乙182)bAC-605A302試験の継続投与試験(オープンラベル)【AC-60 5A303】●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●上記aの症例のうち、218例について最長7年間継続投与試験が行われた。 (オ) 国内P1試験・国内P2試験被告は、アクテリオンと協働して、次の各試験を実施した。(乙87) a 国内P1試験●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●「健康成人男性及び健康高齢男性における単回・反復投与試験【NS-304/P1/01】」b 国内P2試験●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●「肺動脈性肺高血圧症(PAH) 患者対象のオープンラベル試験【AC-065A201】」(5) 各国における本件医薬品の承認取得等ア希少疾病用医薬品の指定(ア) 各国の指定制度a 性肺高血圧症(PAH) 患者対象のオープンラベル試験【AC-065A201】」(5) 各国における本件医薬品の承認取得等ア希少疾病用医薬品の指定(ア) 各国の指定制度a 日本では、医療上必要性が高いにもかかわらず、症例が少なく研究開発が十 分に進んでいなかった希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)について、研究開 発を促進するために、平成5年4月28日法律第27号による薬機法改正において、希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器の指定制度(薬機法77条の2第1項)が創設された。指定の条件として、疾病対象患者数が、日本国内で5万人未満であることや医療上特に指定の必要性が高いこと、開発に係る計画が妥当であることなどが挙げられている。(乙3、7、8) b 米国では、1980年代半ば以前の製薬業界のビジネスモデルにおいて、市場が小さく収益機会が少ない希少疾患の治療薬を開発するインセンティブに乏しいという懸念が存在しており、当該懸念に対処するために、1983(昭和58)年に希少疾病用医薬品法が制定され、希少疾病用医薬品の指定制度が創設された。同法上の希少疾病用医薬品とは、米国における年間患者数が20万人未満の疾病に対 する治療薬と定義されている。(乙32、33)(イ) 本件医薬品に対する希少疾病医薬品の指定本件医薬品は、日本、米国及び欧州において、肺動脈性肺高血圧症(PAH)を適応症とする希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受けた(指定日は、欧州では平成17年8月、米国では平成22年4月、日本では平成26年9月 17日)。(甲3)イ被告は、本件医薬品について、日本において、平成28年9月28日に「効能・効果」を「肺動脈性肺高血圧症」とする承認(以下「第一承認」 年4月、日本では平成26年9月 17日)。(甲3)イ被告は、本件医薬品について、日本において、平成28年9月28日に「効能・効果」を「肺動脈性肺高血圧症」とする承認(以下「第一承認」という。)を取得し、令和3年8月25日に「効能・効果」を「外科的治療不適応又は外科的治療後に残存・再発した慢性血栓塞栓性肺高血圧症(ChronicThromboembolic PulmonaryHypertension:CTEPH)とする承認(以下「第二承認」という。)を取得した。 また、アクテリオンは、被告と連携して、米国及び欧州等においても、本件医薬品について、適応症を「肺動脈性肺高血圧症(PAH)」とする承認を取得した。 (6) 薬価取得に至る経緯 被告では、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●本件化合物の 算定薬価の最大化を目指す検討が行われ、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●高い薬価取得を目指した具体的な薬価収載申請準備が進められた。そして、被告は、本件医薬品の製造承認取得後の●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●中央社会保険医療協議会は、同年11月9日、本件医薬品の薬価を「0.2mg 1錠1407.90円、0.4mg1錠2815.80円」とすることを承認した ●●●●●●●●●●●●●●●●●●中央社会保険医療協議会は、同年11月9日、本件医薬品の薬価を「0.2mg 1錠1407.90円、0.4mg1錠2815.80円」とすることを承認した。(以上につき、乙190ないし194)(7) 各国における薬事制度の概要等ア日本における再審査制度再審査制度とは、既に製造販売承認が与えられている医薬品と有効成分、分量、 用法、用量、効能、効果等が明らかに異なる医薬品として厚生労働大臣がその承認の際指示したもの(以下「新医薬品」という。)について、製造販売承認を得た者は、当該新医薬品の製造販売承認取得後に、さらに再審査を受けなければならないというものである(薬機法14条の4第1項)。すなわち、再審査制度は、新医薬品には、未知の副作用が発現し、臨床試験とは異なり実際の医療現場では使用患者 の多様性が大きく広がることから、承認後から一定期間(再審査期間(試験データ保護期間))が経過した後、製薬企業において実際に医療機関で使用されたデータを集め、承認された効能効果、安全性について再度確認するための制度である。 (乙1)新医薬品と同等の医薬品の承認申請については、医薬品の品質、有効性、安全性 を確保する観点から、新医薬品の承認後8年間(平成18年当時は6年間。ただ し、希少疾病用医薬品については10年間)は、新医薬品と同様の試験データを添付することが求められており、この期間は結果として新医薬品の試験データを保護する期間となっている。(乙2、5)また、新医薬品の製造販売承認申請をした者以外の第三者は、新医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能及び効果等が同一性を有すると認められる医薬品の承 認申請を行う場合、新医薬品の承認申請に係るデータを援用したうえで、 売承認申請をした者以外の第三者は、新医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能及び効果等が同一性を有すると認められる医薬品の承 認申請を行う場合、新医薬品の承認申請に係るデータを援用したうえで、安定性、生物学的同等性等のみを示すことで承認申請をすることができるが(いわゆる「簡略申請」)、新医薬品の再審査期間中は、簡略申請を行うことができない(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(以下「薬機法施行規則」という。)40条2項)。 本件医薬品の第一承認に基づく再審査期間は、平成28年9月28日から令和8年9月27日までであり、第二承認に基づく再審査期間は令和3年8月25日から令和13年8月24日までである。 イ米国における薬事制度米国においては、低分子医薬品(分子量496.62の本件医薬品(乙27)を 含む。)の承認申請について、合衆国法典第21編第9章(Title 21 Chapter 9 oftheUnitedStatesCode)の連邦食品・医薬品・化粧品法(FederalFood、 Drug、andCosmeticAct )(以下「FDCA」という。)により、薬事制度上のExclusivity(RegulatoryExclusivity。市場独占)が定められている。具体的には、新規の医薬品の承認申請(NewDrugApplication:NDA)について、新規化 合物に関するExclusivity(newchemicalentity(NCE) exclusivity)や希少疾病用医薬品に関するExclusivity(orphandrugexclusivity(ODE))などが定められている。 ODEは、希少疾病又は病態の治療に用いられる希少疾 ivity)や希少疾病用医薬品に関するExclusivity(orphandrugexclusivity(ODE))などが定められている。 ODEは、希少疾病又は病態の治療に用いられる希少疾病用医薬品に認められるExclusivity であり、承認又はライセンスから7年間のExclusivity 期間中は、米 国食品医薬品局(theU. FoodandDrugAdministration:FDA)長官は、当該 承認された又は当該ライセンスの保有者ではない者について、同一の疾患に対する同一の医薬品について、FDCAに「本編355条に基づく別の申請を承認し、又は、第42編第262条に基づく別のライセンスを発行しないことができる」と定められている(合衆国法典第21編第360条)。ODEでは、希少疾病用医薬品の承認を受けた者に対して一定の独占性が付与されているが、他方で、①患者救済 の公共の利益、及び②ODE保持者の書面での承認を得る場合にはExclusivity 期間中であっても、FDA長官は後発医薬品申請者に承認を与えることがある。(乙31ないし33)ウ欧州における薬事制度欧州議会および欧州理事会規則(EC)は、新規の医薬品について、承認から8 年間のデータ保護期間(DataExclusivity)及び10年間の市場保護期間(MarketProtection)を定めている(No726/2004第14条11項。なお、市場保護期間は、データ保護期間中に、承認保持者が画期的な効能について追加承認を取得することができた場合、更に1年間延長される。)。データ保護期間中は、製造販売承認保持者がその医薬品の前臨床試験や臨床試験のデータに対する独占的権利 を有し、他の承認申請者が、後発医薬品やバイ することができた場合、更に1年間延長される。)。データ保護期間中は、製造販売承認保持者がその医薬品の前臨床試験や臨床試験のデータに対する独占的権利 を有し、他の承認申請者が、後発医薬品やバイオ後続品などに対する自社の製造販売承認申請を裏付けるためにこれらのデータを援用することができない。また、市場保護期間中は、後発医薬品やバイオ後続品について製造販売承認が得られたとしても、上市することができない。ただし、データ保護期間及び市場保護期間に、新医薬品メーカー以外の者が独自に臨床試験を行って承認を取得することは禁止され ておらず、データ保護期間と市場保護期間の規定は、独自に作成された前臨床及び臨床試験データに依拠する後発医薬品又は類似品の販売承認申請を妨げるものではないとされている。(乙34ないし36)(8) 新薬の開発成功率等一般的な新薬の創製、開発の過程は、別紙「創薬プロセスのチャート」のとおり である。日本製薬工業協会のデータブックや経済団体連合会の調査結果などには、 次の内容が記載されている。 ア研究開発期間新薬の研究開発期間は、10年以上の期間を要するとされ、平成8年から平成21年(承認年)の新有効成分含有医薬品の全品目の開発期間は7年弱から10年弱であった。(乙25、48) 平成10年時点の「開発リードタイム」は「医薬品」平均は「13.2年」、「全産業」の平均年数は「3.0年」である。(乙49)なお、昭和55年から20年間における被告の自社開発品(NS品目)の研究開発期間の中央値は●●●●●であった。(乙50)イ開発コスト 平成13年度の日本における医薬品産業の研究開発費は8109億円であり、売上高に対する割合は8.52%であった(なお、平成13年当時の国内上場大 ●●●であった。(乙50)イ開発コスト 平成13年度の日本における医薬品産業の研究開発費は8109億円であり、売上高に対する割合は8.52%であった(なお、平成13年当時の国内上場大手20社の上記割合の平均は12.2%であった。)。また、他の業界(全産業平均)における上記割合は、3.29%であった。(乙44、45)研究開発費は年々増加しており、医薬品の1成分あたりの研究開発費は500億 円(日本の調査。米国の調査では約900億円)にのぼるとの指摘や、国内開発の一般医薬品(自社開発品)では、非臨床試験から製造承認申請・承認取得に至るまでの開発費用が88億円(希少疾病用医薬品のプロジェクト費用を除く)との指摘もある。(乙25、46)なお、平成13年度時点の被告における医療品事業における研究開発費率は●● ●●●●であった。(乙47)ウ成功確率新薬の製品化に至る成功確率(自社開発承認取得)は、合成化合物につき1万2004分の1(平成9年から平成13年の累計)、低分子化合物につき2万1963分の1(平成28年度から令和2年度の累計)であった。(乙26、45) なお、被告においては、昭和46年度から令和3年度までの間の自社合成化合物 が●●●●●●●であり、自社研究開発から製品化に成功したのは本件化合物を含む4化合物であった(●●●●●●●●●)。(乙51、弁論の全趣旨) 2 争点1(本件職務発明規程の適用の有無)について原告と被告との間では、被告の従業員としてした職務発明について、発明の完成と同時に、当該発明に係る特許を受ける権利が被告に移転する旨が合意されていた (争いなし)。そして、本件職務発明規程は、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● の完成と同時に、当該発明に係る特許を受ける権利が被告に移転する旨が合意されていた (争いなし)。そして、本件職務発明規程は、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●しかし、本件職務発明規程には、本件発明のように、上記定めに記載された発明に該当しない発明にも同規程が適用される旨の定めはなく、本件記録上、原告と被告との間で、上記のような発明に本件職務発明規程を適用する旨の合意が成立したと認めるに足りる証拠もない。 したがって、本件発明に関する対価の算定について、本件職務発明規程の適用を認めることはできず、平成16年改正前特許法に基づき算定するのが相当である。 この点、被告は、本件職務発明規程に基づく実績報奨金を原告が受領していたことをもって、原告は本件職務発明規程の適用について合意していたと主張するが、原告は同規程に基づく報奨金の額に従前より疑問を呈し、上市後5年目以降の報奨 金の受領を拒否していたのであるから(甲6、前提事実)、上記受領の事実をもって、被告主張の合意が成立していたと認めることはできない。 3 争点2(独占の利益の有無)について(1) 被告は、被告の自己実施による売上・利益に関し、日本の再審査制度並びに米国及び欧州の薬事制度において、新医薬品の製造販売承認を得た者には、特許の 有無にかかわらず市場の 無)について(1) 被告は、被告の自己実施による売上・利益に関し、日本の再審査制度並びに米国及び欧州の薬事制度において、新医薬品の製造販売承認を得た者には、特許の 有無にかかわらず市場の独占が認められるから独占の利益はない旨主張する。しか し、再審査制度並びに米国や欧州の各薬事制度の内容は上記1(7)のとおりであり、製造販売承認取得後一定期間、第三者による後発医薬品としての製造販売承認申請を困難ならしめる定めがあり、これにより事実上、所定の期間、第三者の市場への参入が制限されることは否定できないが、法律上、後発医薬品としての製造販売承認申請及び承認取得が一切禁じられているわけではなく、第三者による参入を阻止 するのはあくまで特許権の排他的効力にほかならない。また、欧米の薬事制度においては希少疾病用医薬品や新規の医薬品の承認を受けた者に対して一定の市場独占的効果が法律上付与されるとしても、それらは特許制度とは別個の法律上の制度であり、効果も異なる。かかる薬事制度による独占的効果が特許権の排他的効力と併存する場合に、特許による独占の利益が否定ないし減殺されると解することはでき ない。そうすると、再審査期間中やExclusivity 期間中であっても、この間に、本件特許の実施により得た被告の利益については、本件特許による独占の利益があると認めるのが相当である。 (2) また、被告は、被告の他者に対するライセンスによる収入に関し、①●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●であり、本件特許の 禁止権不行使の対価ではない、②仮に、本件特許のライセンスの対価部分が存在するとする場合、被告は、本件特許の特許を受ける権利の承継を受けなかったとしても、職務発明報酬請求の場面においては、法定通常実施 止権不行使の対価ではない、②仮に、本件特許のライセンスの対価部分が存在するとする場合、被告は、本件特許の特許を受ける権利の承継を受けなかったとしても、職務発明報酬請求の場面においては、法定通常実施権に基づき外国特許に関する部分についても本件発明を実施することができると解され(特許法35条1項の類推適用)、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●は法 定通常実施権に基づき適法になし得たものであり、当該行為により、本件発明に係る米国特許は消尽するから、アクテリオンが米国において本件医薬品の輸入・販売事業を遂行するために、本件発明に係る米国特許のライセンスが必要であったとはいえず、当該対価部分は、本件特許の特許を受ける権利を承継することによってはじめて受けることができる利益ではない旨主張する。しかし、上記①の点につき、 本件ライセンス契約には、●●●●●●●●●●●●●●●●●●本件特許及び対 応外国特許のライセンスも内容として記載されているから、本件ライセンス契約に基づくアクテリオンからの実施料収入には、本件特許の禁止権不行使の対価も含まれるというべきである。上記②の点については、仮に理論上被告の主張する消尽が成立し得るとしても、本件ライセンス契約の当事者間においてそれにかかわらず本件特許及び対応外国特許をも対象とするライセンス契約を締結し、当該契約に基づ くライセンス料の授受が行われているのであるから、当該実施料収入の全部が本件特許の特許を受ける権利を承継することによる利益ではないと解することは困難である。 以上によれば、本件ライセンス契約に基づいて被告が受領した実施料収入については、本件特許及び対応外国特許に係る独占の利益があると認めるのが相当である。 4 争点3(相当の対価額)に ある。 以上によれば、本件ライセンス契約に基づいて被告が受領した実施料収入については、本件特許及び対応外国特許に係る独占の利益があると認めるのが相当である。 4 争点3(相当の対価額)について平成16年改正前特許法35条4項は、同条3項所定の「相当の対価」の額について、「その発明により使用者等が受けるべき利益の額及びその発明がされるについて使用者等が貢献した程度を考慮して定めなければならない」と規定するから、相当の対価を算定するに当たっては「その発明により使用者が受けるべき利益の額」 及び「その発明がされるについて使用者等が貢献した程度」を考慮すべきである。 そして、上記使用者が受けるべき利益の額及びその発明がされるについて使用者が貢献した程度については、本来、使用者が特許を受ける権利を承継した時点での価値として把握されるべきものであるが、権利承継の時点までの資料によってそのような価値を把握することは困難であり、相当対価の算定に当たっては、使用者等 が特許を受ける権利を承継して特許を取得した結果、現実に利益を得たときはその得た利益の額及びその利益を得るについて使用者が貢献した程度等の権利承継後の事情を資料として判断するのが相当である。 使用者等は、職務発明について、特許法35条1項により無償の通常実施権を取得するから、「その発明により使用者等が得るべき利益」とは、使用者等が通常実 施権の実施により得るべき利益を控除した特許発明の実施を排他的に独占すること により得るべき利益というべきである。したがって、特許権者たる使用者等が他者に特許をライセンスして利益を得ている場合には、それは、使用者等が特許発明の実施を排他的に独占することによって得るべき利益を算定する基礎となる。他方、特許権者たる使用者等 特許権者たる使用者等が他者に特許をライセンスして利益を得ている場合には、それは、使用者等が特許発明の実施を排他的に独占することによって得るべき利益を算定する基礎となる。他方、特許権者たる使用者等が自ら発明を実施している場合における、特許発明の実施を排他的に独占することによって得るべき利益とは、使用者等に認められる無償の通 常実施権分に基づく売上高を除いた売上高(超過売上高)を発明の実施に関する諸般の事情を考慮して定めた上で、その超過売上高を基礎として、それが他社にライセンスされた場合の他社に対するライセンス料相当額として算定するのが相当であり、具体的には超過売上高に仮想実施料率を乗じた額となる。特許権者が、特許発明を実施しつつ、他社に実施許諾もしている場合については、当該特許発明の実施 について、実施許諾を得ていない他社に対する特許権による禁止権を行使したことによる超過売上げが生じているかどうかを個別に判断することとなる。 以上を前提に検討する。 (1) 自己実施分についてア超過売上高 (ア) 算出基礎となる売上高証拠によれば、被告が、①平成28年11月から令和4年12月までの間において、日本国内で販売した本件医薬品の売上高は合計●●●●●●●●●●●●●●であり(乙81)、②平成20年4月から令和4年12月までの間において、アクテリオンに対する●●●●●●●●●●●●●●●●は合計●●●●●●●●●● ●●●●である(乙245)と認められる。 これに対し、原告は、乙81資料に記載された売上高は、被告の公表した決算短信資料(甲8、9)記載の売上高と異なり信用できない旨主張するが、当該資料記載の「主力製品売上」は純売上であり、乙81資料記載の売上を「正味売上」であると解することに不自然、不合理な点は した決算短信資料(甲8、9)記載の売上高と異なり信用できない旨主張するが、当該資料記載の「主力製品売上」は純売上であり、乙81資料記載の売上を「正味売上」であると解することに不自然、不合理な点は見当たらないから、乙81資料記載の金額 を相当対価の算出基礎となる売上高として認めるのが相当である。 一方、被告は、上記②につき、本件特許に係る特許を受ける権利の承継がなかったとしても、通常実施権に基づいて適法になし得た行為であり、●●●●●●●●●●●は被告の自己実施に係る超過利益額算定の基礎額に算入すべきではない旨主張する。しかし、本件化合物は本件特許に係る発明であり、被告が法定の通常実施権を有するにとどまらず、被告が本件特許を取得したからこそ●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●一面は否定できないから、上記②の金額についても、相当対価の算出基礎となる売上高に含めるべきである。 (イ) 超過売上率本件発明は物質特許であり、本件医薬品は本件発明の実施品であるところ、原告は、超過売上率を50%とする旨主張する。一方、被告は、国内における再審査制 度によって再審査期間中である令和4年までの間は、事実上、一定程度同一の効能効果等を有する医薬品の参入が困難であることも考慮すると、後発医薬品の市場参入による本件医薬品の売上数量の減少率は50%程度にとどまると解されるところ、当該減少分に相当する50%が再審査制度による事実上の排他的効力及び本件特許の排他権による超過売上率であり、そのうち本件特許の排他権の貢献割合は25% を上回らないから、本件特許に起因する超過売上率は多くとも12.5%である旨主張する。 後発医薬品の市場参入による本件医薬品の売上数量の減少率が50%程度であることは当事者間において共 % を上回らないから、本件特許に起因する超過売上率は多くとも12.5%である旨主張する。 後発医薬品の市場参入による本件医薬品の売上数量の減少率が50%程度であることは当事者間において共通認識であると解されるところ、上記3のとおり、第三者による市場への参入を阻止するのはあくまで特許権の排他的効力によるものであ り、再審査制度による独占の利益が生じているとはいえない。以上を総合すると、超過売上率は50%と認めるのが相当である。 イ使用者貢献度(ア) 本件発明の完成までの間上記1(2)によれば、原告ら発明者が本件化合物のリード化合物を着想し、最適 化をして本件化合物を合成登録し、これをもって本件発明が完成したのであり、本 件発明の完成に至るまでの間における原告ら発明者の貢献は、相当程度評価すべきである。一方、被告も、原告ら発明者による探索の場所を提供し、原告ら発明者によるPGI2受容体作動薬(アゴニスト)の探索研究の費用を支出し、●●●●●●●●●及び「MRE-269」のフォローアップを進めていたのであり、被告の貢献も少なくなかったと認められる。 この点、被告は、従前から行っていたプロジェクト(●●●●●●●●●)の一環として本件化合物が発見され、その着想のベースは同プロジェクトで別の研究者により発見された化合物(●●●●●●●●)であるから、発明に至るまでの間の被告の貢献は大きいなどと主張する。しかしながら、いずれも上記プロジェクトで探索研究されたとはいえ、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●本件化合物及びそのリード化合物に関連するPGI2受容体作動薬(アゴニスト)の探索研究とは異なるものである。また、原告ら ●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●本件化合物及びそのリード化合物に関連するPGI2受容体作動薬(アゴニスト)の探索研究とは異なるものである。また、原告ら発明者が、上記プロジェクトに関する●●●●●のリード化合物との類似性に気付いて上記着想に至ったとの経緯に照らせば、被告が上記プロジェクトを推進していたことは着想の契機の一端になったとはいえるも のの(原告も●●●●●●●●の一部分の構造を参考にしたことは認めている。甲6)、上記着想や最適化が●●●●●●●●をベースにしたものとはいえず、この点についての被告の主張は採用できない。 (イ) 本件発明の完成後上記1(3)(4)のとおり、被告は、本件発明の完成後、主として特許部において特 許出願及びPCT出願を行い、その費用をすべて負担したうえ、本件医薬品の承認取得に向け、各種必要な臨床試験を実施している。この点、上記1(8)のとおり、一般に新薬の創製は、極めて成功率が低く、何らかの化合物が合成されたとしても製品化に成功する例はごくわずかであり、長期間にわたって多額の費用を要するものであるところ、とりわけ希少疾病用医薬品については他の医薬品と異なり先行例 が少なく成功率も更に低いものと解される。被告は、市場規模の予想を踏まえた検 討を重ねて、第1適応症を肺動脈性肺高血圧症(PAH)とする本件医薬品の開発を決定し、10年以上の期間にわたって、国内外で各種試験を行っている。また、肺動脈性肺高血圧症(PAH)の患者数は格段に少なく臨床試験の症例数の確保が困難であり、一般の医薬品よりも承認取得までに多大な労力と努力を要することが容易に想像できるところ、被告は、海外導出を決定し、多数の導出先候補から、肺 動脈性肺高血圧症(P 試験の症例数の確保が困難であり、一般の医薬品よりも承認取得までに多大な労力と努力を要することが容易に想像できるところ、被告は、海外導出を決定し、多数の導出先候補から、肺 動脈性肺高血圧症(PAH)の医薬品の開発、販売の知見を有するアクテリオンを選定して本件ライセンス契約を締結し、国内外での臨床試験の実施を可能とした上で、最終的には国内外で本件医薬品の承認を取得するに至っている。また、上記1(6)のとおり、被告は、社内で綿密な検討を行って、会社の利益になるために高額の薬価取得を目指して努力し、結果的に、本件医薬品について高額な薬価を取得し、 売上げの拡大を導いている。本件医薬品の売上高は上記のとおりであり、国内のみならず国外においても多大なものとなっているところ、このような利益の拡大につながる本件医薬品の承認販売に向けた上記一連の被告の貢献は、非常に大きいものと評価するのが相当である。 原告は、使用者貢献度が90%を超えるものではない旨主張するが、上記のとお り、希少疾病用医薬品の開発に伴うリスクと費用は他の医薬品の開発と比較しても大きく、有効な化合物が合成されたとしても、製品化に成功し、医薬品が製造販売の承認を得て順調に収益される確率は極めて低いものであり、本件において、本件化合物が合成された後、製剤から上市までの過程におけるリスクと費用を基本的に被告が負担したとの事情は特に考慮すべきである。 (ウ) 以上の検討によれば、本件における使用者貢献度は、99%であると認めるのが相当である。 ウ仮想実施料率被告は、アクテリオンとの間で本件ライセンス契約を締結しているが、同契約でライセンスの対象とされているのは、本件特許及び対応外国特許だけでなく●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●も含まれてい アクテリオンとの間で本件ライセンス契約を締結しているが、同契約でライセンスの対象とされているのは、本件特許及び対応外国特許だけでなく●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●も含まれている。そうすると、仮想実施 料率については、本件ライセンス契約のライセンス料率を考慮してこれと同率とすることは相当ではなく、「製薬分野」の平均的な実施料率である5.9%(乙242)と認めるのが相当である。 エ共同発明者間の貢献割合原告の共同発明者間の貢献割合は、3分の1である。(争いなし) オ中間利息控除被告は、原告が実績報奨の支払を受けた令和2年9月10日から、特許法に基づく相当対価請求権を行使することができることを前提に、令和4年度の売上に対する対価について中間利息控除をすべきである旨主張する。 しかし、相当対価の額は、特許を受ける権利を承継した時点において受けるべき 相当対価の額として算定すべきものである上、令和4年度の売上高は本件口頭弁論終結時点において既に確定されていることからすれば、本件において中間利息控除をするのは相当でない。 カ小括以上によれば、自己実施分に係る相当対価の額は、次の計算式により算出される ●●●●●●●●●(小数点以下四捨五入)であると認められる。 (計算式)●●●●●●●●●●●●●●×0.5×(1-0.99)×0.059÷3(2) 他者実施分についてア実施料相当額 被告が、平成28年11月から令和4年12月までの間において、本件ライセンス契約に基づいてアクテリオンから受領したライセンス収入(●●●●●●●●●●●●●を除く。)は、合計●●●●●●●●●●●●●●●である。(乙81、争いなし)イ使用者貢献度 上記(1)で検討し いてアクテリオンから受領したライセンス収入(●●●●●●●●●●●●●を除く。)は、合計●●●●●●●●●●●●●●●である。(乙81、争いなし)イ使用者貢献度 上記(1)で検討したとおり、使用者貢献度は99%と認めるのが相当である。 ウ本件特許の貢献割合前記前提事実及び上記1(4)エのとおり、本件ライセンス契約においては、本件特許及び対応外国特許のライセンスのほか、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●もライセンスの対象となっており、当該ライセン スはアクテリオンに対する独占的なライセンスである。そして、アクテリオンは、本件ライセンス契約締結後、本件技術情報を前提に、被告と共に本件医薬品の承認取得に向けた臨床試験等を実施し、米国や欧州等において本件医薬品の承認を取得して本件ライセンス契約に基づいて本件医薬品の開発、製造及び販売を行っていることからすれば、本件ライセンス契約においては、●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●は非常に重要な意義を有するものと解される。また、本件ライセンス契約においては、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●も内容とされ、これにより、アクテリオンにとって、本件医薬品の開発及び販売後における安全性監視体制の構築を確保できるのであり、 この点もまた重要な意義を有するというべきである。加えて、本件ライセンス契約上、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●とされているところ(●●●●●●●●●●●は上記ライセンス収入額には含まれな 要な意義を有するというべきである。加えて、本件ライセンス契約上、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●とされているところ(●●●●●●●●●●●は上記ライセンス収入額には含まれない。)、アクテリオンは●●●●●●●●●●●●●●●本件医薬品を製造等するものと考えられるから、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●上記ライセンス収入額の うち本件特許又は対応外国特許の独占的実施権に対する部分は相対的に少ないものと解される。これらの事情に照らせば、本件特許が本件発明を内容とする物質特許であることを考慮しても、上記ライセンス収入に対する本件特許及び対応外国特許の貢献割合は、25%を超えるものではないというべきである。 エ共同発明者間の貢献割合 原告の共同発明者間の貢献割合は、3分の1である。(争いなし) オ小括以上によれば、他者実施分に係る相当対価の額は、次の計算式により算出される●●●●●●●●●●(小数点以下四捨五入)であると認められる。 (計算式)●●●●●●●●●●●●●●●×(1-0.99)×0.25÷3 (3) 既払金前記前提事実のとおり、原告は、被告から本件発明に対する対価として、合計651万9000円の支払を受けている。 (4) まとめ以上によれば、原告は、令和4年末までの本件発明に対する相当対価として93 99万8140円(=●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●―651万9000円)及びこれに対する遅延損害金の支払請求権を有するものと認められる。 第4 結論よって、原告の請求は主文の限度で理由があるからその限度で認容し、その余は理由がないから棄却することとして、主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第21民事部 第4 結論 よって、原告の請求は主文の限度で理由があるからその限度で認容し、その余は理由がないから棄却することとして、主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第21民事部 裁判長裁判官 武宮英子 裁判官 阿波野右起 裁判官 島田美喜子 (別紙) 特許目録 特許番号特許第4479152号 出願日平成14年4月25日 登録日平成22年3月26日 発明の名称複素環誘導体及び医薬 発明者原告、B及びC 特許請求の範囲の請求項の記載は、別紙「特許公報(抜粋)」のとおり (別紙特許公報(抜粋)は省略)
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