- 1 -平成26年(受)第2344号不当利得返還請求事件平成27年6月1日第二小法廷判決 主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告人の上告受理申立て理由第2の2について 1 民法468条1項前段は,債務者が異議をとどめないで指名債権譲渡の承諾をしたときは,譲渡人に対抗することができた事由があっても,これをもって譲受人に対抗することができないとするところ,その趣旨は,譲受人の利益を保護し,一般債権取引の安全を保障することにある(最高裁昭和42年(オ)第186号同年10月27日第二小法廷判決・民集21巻8号2161頁参照)。そうすると,譲受人において上記事由の存在を知らなかったとしても,このことに過失がある場合には,譲受人の利益を保護しなければならない必要性は低いというべきである。 実質的にみても,同項前段は,債務者の単なる承諾のみによって,譲渡人に対抗することができた事由をもって譲受人に対抗することができなくなるという重大な効果を生じさせるものであり,譲受人が通常の注意を払えば上記事由の存在を知り得たという場合にまで上記効果を生じさせるというのは,両当事者間の均衡を欠くものといわざるを得ない。 したがって,債務者が異議をとどめないで指名債権譲渡の承諾をした場合において,譲渡人に対抗することができた事由の存在を譲受人が知らなかったとしても,- 2 -このことについて譲受人に過失があるときには,債務者は,当該事由をもって譲受人に対抗することができると解するのが相当である。 2 原審の判断は,これと同旨をいうものとして是認することができる。論旨は採用することができない。 よって,裁判官 者は,当該事由をもって譲受人に対抗することができると解するのが相当である。 2 原審の判断は,これと同旨をいうものとして是認することができる。論旨は採用することができない。 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。 (裁判長裁判官千葉勝美裁判官小貫芳信裁判官鬼丸かおる裁判官山本庸幸)
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