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主文 原判決を破棄する。本件を東京高等裁判所に差し戻す。理由 原判示によれば、本件家屋はもと訴外Dの所有で、被上告人は右家屋の内判示部分をDから期間の定めなく賃借して居住していたことは当事者間に争がなく、そしてその挙示の証拠によれば、上告人は昭和二三年五、六月頃右家屋をDから買受けその所有権を取得した事実を明認できる。しかし、上告人が右家屋を取得したことを被上告人において否認する本件において、上告人から右家屋の取得について登記を経由していることを主張しないのであるから上告人は借家法一条により前示賃貸借の承継を被上告人に対抗し得ない筋合であるというのである。しかし記録によつて明らかのように、上告人は本件訴状に所論家屋台帳謄本を添付しており、この台帳謄本によれば、上告人は右所有権の取得についてすでに登記を経由しているものと一応推認し得られるのであるから(土地台帳法四三条の二家屋台帳法二二条参照)、上告人は右登記の事実を夙に主張していたものと認めるのを相当とする。しからば原判決がこれを看過して前示の如く上告人は右登記の事実を主張しないものとなし、延いて上告人は借家法一条により前示賃貸借の承継を被上告人に対抗し得ないものとしたのは審理の不尽であつて、理由にそごあるものと云わざるを得ない。論旨は結局理由あるに帰する。よつて、民訴四〇七条一項により、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官入江俊郎裁判官斎藤悠輔裁判官下飯坂潤夫- 1 - 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 下飯坂潤夫
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