平成28年1月13日判決言渡平成27年(行コ)第286号相続税更正及び加算税賦課決定取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成25年(行ウ)第373号) 主文 本件控訴をいずれも棄却する。 控訴費用は控訴人らの負担とする。 事実及び理由 (前注) 略称は,原判決の例による。 第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 相模原税務署長が平成23年7月8日付けで控訴人Aに対してした平成20年▲月▲日相続開始に係る相続税の更正処分のうち納付すべき税額3億1132万7800円を超える部分及び過少申告加算税賦課決定処分を取り消す。 3 相模原税務署長が平成23年7月8日付けで控訴人Bに対してした平成20年▲月▲日相続開始に係る相続税の更正処分のうち納付すべき税額5360万6900円を超える部分及び過少申告加算税賦課決定処分を取り消す。 4 相模原税務署長が平成23年7月8日付けで控訴人Cに対してした平成20年▲月▲日相続開始に係る相続税の更正処分のうち納付すべき税額1786万8700円を超える部分及び過少申告加算税賦課決定処分を取り消す。 5 相模原税務署長が平成23年7月8日付けで控訴人Dに対してした平成20年▲月▲日相続開始に係る相続税の更正処分のうち納付すべき税額1786万8700円を超える部分及び過少申告加算税賦課決定処分を取り消す。 6 相模原税務署長が平成23年7月8日付けで控訴人Eに対してした平成20年▲月▲日相続開始に係る相続税の更正処分のうち納付すべき税額1786万8700円を超える部分及び過少申告加算税賦課決定処分を取り消す。 第2 事案の概要等 1 本件は,本件被相続人 平成20年▲月▲日相続開始に係る相続税の更正処分のうち納付すべき税額1786万8700円を超える部分及び過少申告加算税賦課決定処分を取り消す。 第2 事案の概要等 1 本件は,本件被相続人の相続人である控訴人らが,控訴人Aが取得した本件各土地の一部につき,財産評価基本通達24に定める私道の用に供されている宅地(私道供用宅地)として価額の算定をし,相続税の申告をしたのに対し,相模原税務署長が,上記一部は私道供用宅地には該当せず,本件各土地を貸家建付地として評価すべきとして,更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分をしたことから,控訴人らが,これらの処分(更正処分については申告額を超える部分)の取消しを求めた事案である。 原審が控訴人らの請求をいずれも棄却したところ,控訴人らが控訴した。 2 関係法令等の定め,前提事実等,課税の根拠及び本件各処分の適法性について,争点並びに争点に対する当事者の主張の要旨は,原判決の事実及び理由の第2の1ないし5に記載のとおりであるから,これを引用する。ただし,原判決11頁12行目の「702条」を「702条の2第2項」に,14頁1行目及び4行目の「別件相模原鑑定評価書」をいずれも「別件相模原鑑定書」にそれぞれ改める。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も,控訴人らの請求は,いずれも理由がないものと判断する。その理由は,次のとおり原判決を補正するほかは,原判決の事実及び理由の第3に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 原判決17頁23行目の「甲17,」を「甲15~」に改める。 (2) 原判決18頁13行目の「乙16~18」を「乙16,17」に改める。 (3) 原判決19頁25行目の「平成22年度」を「平成21年度」に改める。 (4) 原判決21頁12行目末尾の次に次のとお 8頁13行目の「乙16~18」を「乙16,17」に改める。 (3) 原判決19頁25行目の「平成22年度」を「平成21年度」に改める。 (4) 原判決21頁12行目末尾の次に次のとおり加える。 「控訴人らは,イは法令等に基づく制約を予定しておらず,所有者の意思による現況の変更の可能性があっても,減価評価することを許容していると読むべきである旨主張する。しかしながら,乙28は,私道供用宅地,すなわち,その利用に上記のような制約がある宅地のうち,不特定多数の者の通行の用に供されているものと特定の者の通行の用に供されているものとをア及びイとして区別したものと解されるから,控訴人らの主張は採用できない。」(5) 原判決21頁26行目の「私道共用宅地」を「私道供用宅地」に改める。 (6) 原判決22頁21行目の「いえる」の次に次のとおり加える。 「(この点について控訴人らは,相続税法22条が財産の価額は当該財産の取得の時における「時価」によるとし,評価通達1(2)が時価とは「財産の現況に応じ」て認められる価額をいうとしているにもかかわらず,控訴人らが全く予定していない,将来の本件各歩道状空地の利用形態の変更をも考慮することは誤りである旨主張する。しかしながら,上記潜在的可能性は,利用形態の変更が制限されていない本件各歩道状空地の現況(現時点における客観的可能性)にほかならず,控訴人らの主観的事情によって左右されるものではないから,控訴人らの主張は採用できない。)」(7) 原判決22頁26行目の「ところである」の次に次のとおり加える。 「(控訴人らは,本件各歩道状空地を除いても建物を建てることができることを理由として,本件各歩道状空地が上記価値を有することを否定する主張をするが,現に上記のとおりの算定がされている以上, る。 「(控訴人らは,本件各歩道状空地を除いても建物を建てることができることを理由として,本件各歩道状空地が上記価値を有することを否定する主張をするが,現に上記のとおりの算定がされている以上,本件各歩道状空地が建物敷地としての役割を果たしており,それに相応する価値を現 に有していることは明らかであるから,控訴人らの主張は採用できない。)」(8) 原判決25頁3行目末尾の次に行を改めて次のとおり加える。 「 控訴人らは,東京地裁平成26年10月15日判決及び東京高裁平成18年4月20日判決(甲38ないし40)を引用し,道路状宅地のうち,専ら特定の者の通行の用に供されているものについては,法令上の制約の有無にかかわらず,私道供用宅地と認定し,30%相当額で評価するのが税務当局の実務であるとも主張する。しかしながら,これらの判決は,私道供用宅地であることに争いのない点で,本件とは事案が異なるし,これらの判決から,専ら特定の者の通行の用に供されている道路状宅地であれば,それを私道供用宅地と認定するのが税務当局の実務であると認定することもできない。」 2 よって,原判決は相当であり,本件控訴はいずれも理由がないから,これらを棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第20民事部 裁判長裁判官山田俊雄 裁判官棚橋哲夫 裁判官馬渡直史
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