平成12(行ウ)203 損害賠償(住民訴訟)

裁判年月日・裁判所
平成18年4月28日 東京地方裁判所
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判決文本文47,096 文字)

- 1 -平成18年4月28日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成12年(行ウ)第203号損害賠償(住民訴訟)請求事件口頭弁論終結日平成18年1月17日判決主文 被告a株式会社はb組合に対し,12億8647万円及びこれに対する平成10年5月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 被告b組合管理者がa株式会社に対し,平成6年6月9日に実施した多摩清掃工場の全連続燃焼式ストーカ炉の建設工事の入札に係る談合に基づく損害賠償として12億8647万円の支払を求める請求を怠る事実が違法であることを確認する。 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は,これを3分し,その1を被告らの負担とし,その余を原告の負担とする。 事実 及び理由第1請求 被告a株式会社はb組合に対し,38億5941万円及びこれに対する平成10年5月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 被告b組合管理者がa株式会社に対し,平成6年6月9日に実施した多摩清掃工場の全連続燃焼式ストーカ炉の建設工事の入札に係る談合に基づく損害賠償として38億5941万円の支払を求める請求を怠る事実が違法であることを確認する。 第2事案の概要,(「」。)本件は地方公共団体の一部事務組合たるb組合以下本件組合というが発注したごみ焼却施設の建設工事の入札に際して,指名競争入札に参加した,(「」「」。)各社が談合した結果被告a株式会社以下被告会社又はaという- 2 -が受注予定者となることが合意され,同社が入札参加者間で公正な競争が確保された場合に形成されたであろう正常な落札価格と比較して不当に低い価格で落札し本件組合に損害を与えたにもかかわらず被告b組合管理者以下被,,(「 合意され,同社が入札参加者間で公正な競争が確保された場合に形成されたであろう正常な落札価格と比較して不当に低い価格で落札し本件組合に損害を与えたにもかかわらず被告b組合管理者以下被,,(「告管理者」という)が被告会社に対して当該損害の賠償請求をしていないこ。 ,,とは違法であるとして本件組合を構成する地方公共団体の住民である原告が平成14年法律第4号による改正前の地方自治法(昭和22年法律第67号,以下,単に「地方自治法」という)242条の2第1項4号に基づき,本件。 組合に代位して,被告会社に対し,本件組合への損害賠償の支払を求めるとともに,同項3号に基づき,被告管理者が当該損害賠償請求権の行使を怠る事実が違法であることの確認を求めた住民訴訟の事案である。 法令の定め等(1)地方自治法242条の2第1項3号,4号地方自治法242条の2第1項本文は,普通地方公共団体の住民は,住民監査請求をした場合において,監査委員の監査の結果に不服があるときは,裁判所に対し,当該監査請求に係る怠る事実につき,訴えをもって同項各号の請求をすることができる旨規定し,同項3号は,普通地方公共団体の執行機関に対する当該怠る事実の違法確認の請求等を,同項4号は,普通地方公共団体に代位して行う当該怠る事実に係る相手方に対する損害賠償の請求等を,それぞれ掲げている。 (2)地方自治法292条地方自治法292条は,地方公共団体の組合については,市及び特別区の加入するもので都道府県の加入しないものにあっては市に関する規定を準用する旨規定している。 前提事実(争いのない事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)(1)当事者等- 3 -ア原告は,本件組合を構成する地方公共団体である町田市の住民である。 イ本件組合 前提事実(争いのない事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)(1)当事者等- 3 -ア原告は,本件組合を構成する地方公共団体である町田市の住民である。 イ本件組合は,八王子市,町田市及び多摩市から構成される一部事務組合であり,被告管理者は,その執行機関である。 ウ被告会社は,各種船舶,艦艇の新造,修繕及び解体並びにごみ焼却施設等の製作,据付及び修繕等を業とする株式会社である。 (2)プラントメーカーア被告会社,c株式会社(d株式会社が平成15年4月1日付けで商号変。 「」。),(「」。),更したものである以下dという株式会社e以下eというf株式会社(以下「f」という)及びg株式会社(以下「g」という)。 。 の5社(以下「本件5社」という)は,ストーカ式燃焼装置(ごみをス。 トーカ上で乾燥して焔燃焼させ,次に,おき燃焼させて灰にする装置をいう)を採用するごみ焼却施設(以下「ストーカ炉」という)で,24時。 。 間連続稼働する全連続燃焼式(以下「全連」という)のもの(以下「全。 連ストーカ炉」という)及び1日当たり16時間稼働する准連続燃焼式。 (以下「准連」という)のもの(以下「准連ストーカ炉」という)を構。 。 成する機械及び装置(当該ごみ焼却施設と一体として発注されるその他のごみ処理施設を含む)の製造業並びに建設業法の規定に基づき主務大臣。 の許可を受けて,清掃施設工事業を営む者である(甲ア24,甲サ11,22。 )イごみ焼却施設は,焼却処理設備,電気・計装設備,建築物及び建築設備並びに外構施設から構成されるが,本件5社は,全連ストーカ炉及び准連ストーカ炉を構成する機械及び装置を製造し,これらを有機的に機能させるための据付工事を行うとともに,設備機器を収容する工場棟その他 並びに外構施設から構成されるが,本件5社は,全連ストーカ炉及び准連ストーカ炉を構成する機械及び装置を製造し,これらを有機的に機能させるための据付工事を行うとともに,設備機器を収容する工場棟その他の土木建築工事も行って,当該ごみ焼却施設の建設を行う者であり,プラントメーカーといわれている(甲ア24,甲サ11,22。 )ウプラントメーカーは,平成6年度から平成10年度までの間に,本件5- 4 -社の他に,株式会社h(平成6年10月にi株式会社を吸収合併した。以下「h」という,株式会社j(以下「j」という,k株式会社(以。)。)下「k」という,l株式会社(以下「l」という,m株式会社(以。)。)下「m」という,株式会社n(以下「n」という,o株式会社(以。)。)下「o」という,p株式会社,q株式会社,r株式会社,s株式会社,。)t株式会社,株式会社u,v株式会社,w株式会社,x株式会社等が存在していた(甲ア24,甲サ20,29,31,33,45。 )(3)ごみ焼却施設の概要アごみは,家庭生活の営みに伴って排出される一般廃棄物と,事業者の事業活動に伴って排出される産業廃棄物とに区別され,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)により,一般廃棄物は市町村(東京都の特別区にあっては,当時,東京都であった。以下同じ)が。 処理し,産業廃棄物は排出した事業者が自らの責任において処理することとされている。このため,市町村は,その区域内で排出される一般廃棄物を処理するために単独で又は他の市町村とともに一部事務組合又は広「」「域連合(いずれも地方自治法に定める地方公共団体の組合である)を結」。 成してごみ処理施設を整備しており,国は,市町村,一部事務組合及び広域連合(以下,併せて「地方 一部事務組合又は広「」「域連合(いずれも地方自治法に定める地方公共団体の組合である)を結」。 成してごみ処理施設を整備しており,国は,市町村,一部事務組合及び広域連合(以下,併せて「地方公共団体」という)が一般廃棄物を円滑か。 つ適正に処理するために行うごみ処理施設の整備事業について,補助金を交付している(甲ア24,甲サ11,22。 )イ(ア)地方公共団体が整備するごみ処理施設は,ごみの処理方法により,①ごみ焼却施設,②ごみ燃料化施設,③粗大ごみ処理施設,④廃棄物再生利用施設及び⑤高速堆肥化施設に区分される。 このうち,ごみ焼却施設は,燃焼装置である焼却炉を中心に,ごみ供給装置,灰出し装置,排ガス処理装置等の焼却処理設備を配置し,ごみの焼却処理を行う施設であり,その施設には灰溶融設備や余熱利用設備- 5 -が付帯している場合がある。また,地方公共団体は,ごみ焼却施設を建設するに当たって,粗大ごみ処理施設及び廃棄物再生利用施設を併設することもあり,その場合にはこれらの施設をごみ焼却施設と一体として一括発注することがある。 (以上につき,甲ア24,甲サ11,22)(イ)ごみ焼却施設は,1日当たりの稼働時間により,①24時間連続稼働する全連,②16時間稼働する准連及び③8時間稼働するバッチ燃焼式に区分される。 また,ごみ焼却施設は,採用される燃焼装置の燃焼方式により,①ストーカ式燃焼装置を採用する焼却施設であるストーカ炉,②流動床式燃焼装置(けい砂等の不活性粒子層の下部から,加圧した空気を分散供給して,不活性粒子を流動させ,その中でごみを燃焼させ,灰にする装置をいう)を採用する焼却施設である流動床炉及び③ガス化溶融式焼却。 施設であるガス化溶融炉があり,ストーカ炉及び流動床炉が主要機種であるが,ガス化溶融炉も導入されるよ でごみを燃焼させ,灰にする装置をいう)を採用する焼却施設である流動床炉及び③ガス化溶融式焼却。 施設であるガス化溶融炉があり,ストーカ炉及び流動床炉が主要機種であるが,ガス化溶融炉も導入されるようになってきている。 (以上につき,甲ア24,甲サ11,22)(ウ)地方公共団体が発注するストーカ炉の建設工事には,新設,更新,増設,改良及び補修工事がある。 「新設工事」とは,ごみ焼却施設を新たに建設することであり「更,新工事」とは,老朽化したごみ焼却施設の建替えや老朽化した焼却炉等の入替えを行うことであり「増設工事」とは,既設のごみ焼却施設の,処理能力を増加させるため,当該施設の一部として焼却炉等を新たに増設することであって,新設,更新及び増設工事のいずれにおいても,ごみの焼却処理に必要な施設又は設備を新たに建設又は整備することになる。また「改造工事」とは,ダイオキシン対策推進等のため,既設の,ごみ焼却施設の一部を補修することである。 - 6 -(以上につき,甲ア24,甲サ11,22)(4)ごみ焼却施設の発注方法等ア発注までの概略地方公共団体は,ごみ処理施設を建設する実行年度の前々年度以前にご。 ,,み処理基本計画を策定するごみ処理基本計画において地方公共団体は将来の人口の増減予測に基づいてごみの種別毎の排出量を推計し,リサイクルできるごみの量や地域内で処理が必要なごみの量等を把握した上,その処理のために設置すべき施設の整備計画の概要を取りまとめる。 地方公共団体は,その後,ごみ処理施設の建設用地の選定,環境アセスメント,都市計画の決定等の手続を経た上で,実行年度の前年度にごみ処理施設整備計画書を作成し,都道府県を経由して国に同整備計画書を提出する。その際,工事費用を把握するため,将来の入札に参加させられる施工業者を 計画の決定等の手続を経た上で,実行年度の前年度にごみ処理施設整備計画書を作成し,都道府県を経由して国に同整備計画書を提出する。その際,工事費用を把握するため,将来の入札に参加させられる施工業者を選定し,工事の仕様を提示して「参考見積金額」を徴する。そして,国が国庫補助事業として予算計上した地方公共団体のごみ処理施設整備事業については,予算計上後に内示が行われ,当該地方公共団体は,この内示を受けた後に,一般競争入札,指名競争入札,指名見積り合わせ又は特命随意契約のいずれかの方法により,発注する。 ,,,地方公共団体は整備すべきごみ処理施設が焼却施設である場合通常ごみ処理施設整備計画書の作成時点までに,あらかじめ当該施設の燃焼方式をいずれとするかを定めるが,燃焼方式を1つに定めずに発注手続を実施する場合もある。 (以上につき,甲ア24,甲サ11,22)イ発注方法(ア)地方公共団体は,全連ストーカ炉及び准連ストーカ炉の新設,更新及び増設工事(以下「ストーカ炉の建設工事」という)を指名競争入。 札,一般競争入札,指名見積り合わせ又は特命随意契約の方法により発- 7 -注しているが,ほぼすべてが指名競争入札,一般競争入札又は指名見積り合わせ(以下「指名競争入札等」という)の方法によっている。 。 また,地方公共団体は,ストーカ炉の建設工事の発注に当たり,ほとんどの場合,ごみ焼却施設を構成する機械,装置の製造及び据付工事並びに土木建築工事を一括して,本件5社らプラントメーカー又はプラン(),トメーカーと土木建築業者による共同企業体JVに発注しているがごみ焼却施設を構成する機械,装置の製造及び据付工事と土木建築工事とを分離して,前者を本件5社らプラントメーカーに,後者を土木建築業者に,それぞれ発注する場合もある。 (以上につき に発注しているがごみ焼却施設を構成する機械,装置の製造及び据付工事と土木建築工事とを分離して,前者を本件5社らプラントメーカーに,後者を土木建築業者に,それぞれ発注する場合もある。 (以上につき,甲ア24,甲サ11,22,30)(イ)地方公共団体は,指名競争入札又は指名見積り合わせの方法で発注するに当たっては,入札参加資格を申請した者のうち,地方公共団体が競争入札参加の資格要件を満たす者として登録している有資格者の中から指名競争入札又は指名見積り合わせの参加者を指名している。 また,一般競争入札に当たっても,資格要件を定め,一般競争入札に参加しようとする者の申請を受けて,その者が当該資格要件を満たすか否かを審査し,資格を有する者だけを一般競争入札の参加者としているため,プラントメーカーといえども容易に同入札に参加できるものではない。 (以上につき,甲ア24,甲サ12,14,17,30)(5)地方公共団体の発注件数及び金額等平成6年度から平成10年度までの間に,地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注したストーカ炉の建設工事の契約件数は別表記載のとおり87件,発注トン数(1日当たりのごみ処理能力トン数)は2万3529トンであり,発注金額(受注業者の落札金額による)は約1兆1031億円。 である。このうち本件5社が受注した件数は66件であり,その割合は受注- 8 -トン数で約87.3パーセント(2万0534トン,受注金額(落札金額)による。以下同じ)で約87.0パーセント(約9601億円)である。 。 (以上につき,甲ア24,甲サ29)(6)本件5社の事業能力等ア本件5社の位置付け,,,本件5社はストーカ炉の建設工事の施工実績の多さ施工経歴の長さ施工技術の高さ等から,ストーカ炉の建設工事について,プラントメーカ 9)(6)本件5社の事業能力等ア本件5社の位置付け,,,本件5社はストーカ炉の建設工事の施工実績の多さ施工経歴の長さ施工技術の高さ等から,ストーカ炉の建設工事について,プラントメーカ「」(,ーの中にあって大手5社と称される中核的な存在であった甲ア24甲サ14,18,20,28,31,33。 )イ本件5社の事業能力本件5社は,平成10年9月17日までの間,ストーカ炉の建設工事について,以下のとおり,同工事に係る製造能力,指名実績等において本件5社以外のプラントメーカーと比べて優位にあった。 (ア)本件5社の製造能力本件5社は,ストーカ炉を製造する技術能力が高く,特に1炉につき1日当たりのごみ処理能力トン数が200トン以上の焼却炉を製造する(,,能力については他社に比べて優位性を有していた甲ア24甲サ2934,45。 )(イ)本件5社の情報収集力本件5社は,地方公共団体のごみ焼却施設の建設計画や保有するごみ焼却施設の稼働状況等の情報が掲載された業界紙等を基に,各地方公共団体毎のごみ焼却施設の建設計画の有無及びその既存施設の耐用年数によるおおむねの更新時期を把握していた。 また,本件5社は,これらの情報を基に本社及び支社等の営業担当者が,地方公共団体のごみ処理施設建設に関係する部署の担当者,地方公共団体がごみ処理基本計画等の作成を委託しているコンサルタント会- 9 -社,建設計画に影響力のある政治家や地元の有力者等から,あるいは関連会社及び代理店を介して,地方公共団体のごみ焼却施設の建設計画について情報収集をしていた。さらに,地方公共団体がごみ処理施設整備計画書を作成するに当たり,当該計画に係る参考見積書又は見積設計図書の作成依頼を受けることにより,ごみ焼却施設の建設計画についてより詳細な情報を 集をしていた。さらに,地方公共団体がごみ処理施設整備計画書を作成するに当たり,当該計画に係る参考見積書又は見積設計図書の作成依頼を受けることにより,ごみ焼却施設の建設計画についてより詳細な情報を把握していた。 このようにして,本件5社は,地方公共団体のごみ焼却施設の建設計画について,建設計画が判明した初期の段階から具体化される過程において,ごみ焼却施設の機種(ストーカ炉か流動床炉か等,処理能力,)建設予定時期等の様々な情報を順次収集することによって把握していた。 (以上につき,甲ア24,甲サ13,18,24,42,47,50ないし53,120,123,156ないし159)(ウ)本件5社の指名実績a発注手続実施前の実績地方公共団体は,ごみ焼却施設に係る整備計画書を当時の厚生省に提出するに当たり,その資料の1つとして見積設計図書を作成する必要があったところ,プラントメーカーとしては,その作成依頼を受け,(),(,,ることは施設の規模トン数選定機種ストーカ炉流動床炉ガス化溶融炉等,稼働時間(全連,准連等)等が把握でき,発注仕)様書に自社が製造するストーカ炉の仕様を反映できる可能性があるとともに,当該ごみ焼却施設に係る指名競争入札等が実施される場合に入札参加業者として指名を受ける確率が高まることから,非常に重要なものと認識し,見積設計図書の作成依頼を受けられるようにすることをまず第1の目標として営業活動を行っていた。実際に,本件5社はごみ焼却施設の建設を計画する地方公共団体から見積設計図書の作- 10 -成依頼を受けることが多かった。 (以上につき,甲ア24,甲サ18,20,23,24,34)b発注手続実施時の実績本件5社は,地方公共団体が実施するストーカ炉の建設工事の指名競争入札等において指名を受 を受けることが多かった。 (以上につき,甲ア24,甲サ18,20,23,24,34)b発注手続実施時の実績本件5社は,地方公共団体が実施するストーカ炉の建設工事の指名競争入札等において指名を受ける機会が多く,指名競争入札等に数多く参加していた。他方で,本件5社以外のプラントメーカーが指名を受ける機会は少なく,本件5社と本件5社以外のプラントメーカーには被指名実績において大幅な格差があった。 すなわち,平成3年度から平成7年度(平成7年9月11日現在)までの5年間の,100トン以上のストーカ炉の建設工事について,発注者である地方公共団体から指名を受けた実績は,本件5社では,fが95.4パーセント,eが87.4パーセント,dが86.0パーセント,gが85.9パーセント,被告会社が85.0パーセントであり,他方,本件5社以外のプラントメーカーでは,hが24.1パーセント,jが17.2パーセント,lが4.7パーセント,mが4.0パーセント,kが2.3パーセント,oが0.8パーセント等にとどまっていた。 そして,平成6年4月1日から平成10年9月17日までの期間で指名を受けた実績(一般競争入札に参加した実績を含む)について。 みると,本件5社では,eが95.4パーセント,fが93.1パーセント,dが94.3パーセント,gが89.7パーセント,被告会社が89.7パーセントであり,他方,本件5社以外のプラントメーカーでは,jが54.0パーセント,hが50.6パーセント,kが17.2パーセント,mが16.1パーセント,nが10.3パーセント,oが10.3パーセント,lが6.9パーセント等にとどまっていた。 - 11 -(以上につき,甲ア24,甲サ29,149)(エ)本件5社の受注実績a本件5社は,地方公共団体が指名競争入札等の方法によ .3パーセント,lが6.9パーセント等にとどまっていた。 - 11 -(以上につき,甲ア24,甲サ29,149)(エ)本件5社の受注実績a本件5社は,地方公共団体が指名競争入札等の方法により発注するストーカ炉の建設工事を数多く受注していた。 すなわち,平成4年度から平成9年度までの間のストーカ炉の建設工事の受注実績をみると本件5社では被告会社が6739トンシ,,(ェア15.0パーセント,eが6520トン(同14.5パーセン)ト,fが5315トン(同11.9パーセント,dが5297トン))(. ),(. )同118パーセントgが3977トン同89パーセントであり,他方,本件5社以外のプラントメーカーでは,hが1729トン(同3.9パーセント,jが1620トン(同3.6パーセン)ト,kが1324トン(同3.0パーセント,mが457トン(同))1.0パーセント,oが438トン(同1.0パーセント)等にと)どまっていた。 そして,平成6年度ないし平成10年度(平成10年9月17日まで)の地方公共団体の上記ストーカ炉の建設工事請負契約における本件5社による受注トン数及び受注金額に占める割合は前記(5)のとおりであり,更に具体的には,本件5社では,eが4733トン,被告会社が4680トン,fが4198トン,dが3811トン,gが3042トンであり,他方,本件5社以外のプラントメーカーでは,jが900トン,kが795トン,hが697トン,oが319トン,nが134トン,mが60トン等にとどまっており,本件5社以外のプラントメーカーが同工事を受注することは少なく,本件5社と本件5社以外のプラントメーカーには大幅な格差があった。 (以上につき,甲ア24,甲サ29,160)bごみ焼却施設の規模(1日当たり 外のプラントメーカーが同工事を受注することは少なく,本件5社と本件5社以外のプラントメーカーには大幅な格差があった。 (以上につき,甲ア24,甲サ29,160)bごみ焼却施設の規模(1日当たりのごみ処理能力トン数)は,当該- 12 -施設を設置する地方公共団体の区域内の1人当たりのごみ排出量等に基づいて算出されることから,当該地方公共団体の人口に比例して大型化するところ,東京都や政令指定都市等が発注する規模の大きなストーカ炉の建設工事は,平成6年度から平成10年度(平成10年9月17日まで)の間,これを受注したのは本件5社だけであった。そして,いわゆる地方都市に当たる地方公共団体は,ストーカ炉の建設工事を発注するに当たって東京都や政令指定都市の同工事の発注に係る動向をみて発注内容を検討する傾向にあったことから,本件5社だけが東京都や政令指定都市が発注するストーカ炉の建設工事を受注していたことは,ごみ焼却施設の建設を計画するその他の地方公共団体に対する営業を行う上で本件5社にとって有利であった。 (以上につき,甲ア24,甲サ11,29,34,118)(7)本件5社以外のプラントメーカーの地位本件5社以外のプラントメーカーも,本件5社と同様に,地方公共団体発注のストーカ炉の建設工事の入札に参加すべく営業活動を行っており,前記(6)イ(ウ)bのとおり,次第に指名率は上昇したものの,本件5社の営業活動が強力なために,受注実績には結び付いておらず,平成8年ないし平成10年ころ,本件5社と協調した行動をとることによりストーカ炉の受注実績を得ることを検討していたプラントメーカーもあったほどであった(甲ア24,甲サ39,48,110,111,114,117,118。 )(8)公正取引委員会からの警告経緯本件5社のほか,h及びjは,かつ ことを検討していたプラントメーカーもあったほどであった(甲ア24,甲サ39,48,110,111,114,117,118。 )(8)公正取引委員会からの警告経緯本件5社のほか,h及びjは,かつて昭和54年12月に,談合体制がと,(,られているとして公正取引委員会から警告を受けたことがあったただし真実,談合体制がとられていたか否かについては,争いがある。 。)(9)本件におけるストーカ炉の建設工事の入札経緯等ア多摩清掃工場の旧施設は昭和48年に建設されたものであり,施設全般- 13 -の経年的老朽化,焼却対象ごみ量の増加及びごみ質の多様化による施設の対応能力の限界,補修費の増大への対応,公害対策の必要性等から,新たな施設の建設が求められていたところ,最新の技術を導入するとともに,多摩ニュータウンの地域環境に配慮した施設を建設すべく,ごみ焼却施設及び関連施設等の機種選定に関し,発注方法,発注仕様,見積設計参加機種の選定,見積設計の審査等の必要な事項を調査審議し,公平かつ適正に発注を行うため,平成4年5月7日,本件組合を構成する3市(東京都八王子市,町田市,多摩市)による内部機関として多摩清掃工場2期施設機種検討委員会が設置された。 ,,イ多摩清掃工場2期施設機種検討委員会の審議結果に基づき本件組合は平成6年5月23日,平成6年度の多摩清掃工場ごみ焼却施設の建設工事の発注方法については,設計・施工を一括して契約の対象とする性能発注方式とし契約の方法については本件5社による指名競争入札以下本,,(「件入札」という)として,次の内容の多摩清掃工場のストーカ炉の建設。 工事(以下「本件工事」という)を発注することとし,同月25日,本。 件5社にその旨通知した(甲4,乙1,丙2。 )(ア)件名多摩清掃工場2 して,次の内容の多摩清掃工場のストーカ炉の建設。 工事(以下「本件工事」という)を発注することとし,同月25日,本。 件5社にその旨通知した(甲4,乙1,丙2。 )(ア)件名多摩清掃工場2期施設建設(その1)工事(イ)場所東京都多摩市甲a丁目b番地c(ウ)焼却方式全連ストーカ炉(エ)焼却能力1日当たり400トン(1日当たり200トンを2炉)(オ)入札期日平成6年6月9日ウ本件工事は,工事予算額が273億5680万円,入札予定価格が259億8999万円(3パーセントの消費税相当額を含む)であったとこ。 ろ,被告会社が249億8000万円(消費税相当額を含まない入札価格である,gが254億円(消費税相当額を含まない入札価格である,。)。)fが256億円(消費税相当額を含まない入札価格である,eが259。)- 14 -億円(消費税相当額を含まない入札価格である,dが261億円(消費。)税相当額を含まない入札価格である)で入札したため,予定価格以下の。 入札価格を提示した会社のうち最低価格で入札した被告会社が落札した(甲3,4。 )エ予定価格が1億5000万円以上の工事又は製造の契約の締結についてはb組合議会(以下「本件議会」という)の議決が必要であったため,。 本件組合と被告会社とは,まず,平成6年6月10日,本件工事につき,請負金額を249億8000万円(消費税相当額を含まない落札価格であ。),,る工期を本契約締結の日から平成10年3月31日までとする内容の本件議会の議決を本契約締結の条件とする工事請負仮契約を締結した乙,(2,丙3。 )オ本件議会は,平成6年7月11日,本件工事の請負契約について,上記エの仮契約の内容通りに可決したので,本件組合は,同日,被告会社との間 件とする工事請負仮契約を締結した乙,(2,丙3。 )オ本件議会は,平成6年7月11日,本件工事の請負契約について,上記エの仮契約の内容通りに可決したので,本件組合は,同日,被告会社との間で,契約金額を257億2940万円(消費税相当額を含む,工期を。)同月12日から平成10年3月31日までとする内容の工事請負契約(以下「本件契約」という)を締結した(乙3。 。 )カ本件契約の契約代金は,平成6年8月11日の前金払いから平成10年,()。 5月6日までの合計8回に分割して既に全額が支払われている乙4(10)本訴に至る経緯等ア公正取引委員会は,市町村等の地方公共団体が発注するゴミ焼却施設の入札に先立ち,メーカーが談合を繰り返していた疑いがあるとして,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号,「」。)(),以下独占禁止法という3条不当な取引制限の禁止違反容疑で平成10年9月17日,本件5社を含む10数社の本社や支社等30数か所の立入検査を実施した(甲4。 )イその後,公正取引委員会は,平成11年8月13日,本件5社が地方公- 15 -共団体発注に係る全連ストーカ炉を採用するごみ焼却施設の建設工事に関し,受注機会の均等化を図るため,共同して受注予定者を決定するなどの,。 談合行為を行った疑いがあるとして独占禁止法違反で排除勧告を行ったしかし,本件5社は,同月27日,上記排除勧告をした公正取引委員会の決定を不服として,当該勧告の応諾を拒否した。 これを受けて,公正取引委員会は,同年9月8日に独占禁止法に基づき審判開始を決定し,同年10月27日以降審判期日が重ねられることとなった(以下「本件審判」という。 。)(以上につき,甲4,甲ア24)ウ平成6年4月 委員会は,同年9月8日に独占禁止法に基づき審判開始を決定し,同年10月27日以降審判期日が重ねられることとなった(以下「本件審判」という。 。)(以上につき,甲4,甲ア24)ウ平成6年4月1日から平成10年9月17日(上記公正取引委員会の立入検査の日)までにおいて,地方公共団体によって発注されたストーカ炉の建設工事は別表記載のとおり合計87件存するが,そのうち公正取引委員会審査官が違反行為の対象として主張しているものは,合計60件(別)。 ,,表中の網掛けがなされて記載されているものであるなお本件工事は別表記載の番号3の工事である(以上につき,甲ア24,甲サ29)。 ,,エ本件審判はいったん終結し公正取引委員会から委任を受けた審判官は平成16年3月29日付けで,本件入札については談合の直接の証拠はないとしつつ,本件5社の談合体質は認めて,平成6年4月から平成10年9月17日までの間に地方公共団体が発注したストーカ炉の建設工事の指名競争入札等の「過半」について談合が行われていたとする内容の審決案(公正取引委員会の審査及び審判に関する規則82条)を出したが,その後,本件審判は再開された。 本件審判は,平成17年7月27日に審理が終結したが,審決は本件口頭弁論終結時である平成18年1月17日時点では出されていない。 オ原告は,本件5社が,平成6年4月以降,地方公共団体発注のストーカ炉の建設工事について,受注機会の均等化を目的として,本件工事を含む- 16 -前記ウの60件の工事について談合を繰り返し(以下,このうちの受注予定者の選定方法等を定める基本ルールを明示的又は黙示的に合意した談合を「本件基本談合」と,本件基本談合を実行するに当たり具体的な入札案件毎に指名業者間で個別に落札予定者を決定し他の指名業者の入札価格を 者の選定方法等を定める基本ルールを明示的又は黙示的に合意した談合を「本件基本談合」と,本件基本談合を実行するに当たり具体的な入札案件毎に指名業者間で個別に落札予定者を決定し他の指名業者の入札価格を調整した談合を「本件個別談合」といい,本件基本談合及び本件工事に係る本件個別談合を併せて「本件談合」という,あらかじめ取り決められ。)た業者に入札させるという不法行為を継続して行ってきたとして,本件工事につき,実際の落札額とあるべき落札額との差額である本件契約の請負代金額の少なくとも10パーセントに相当する額について,本件組合は被告会社に対して損害賠償請求権を有することになるところ,被告管理者がその行使を不当に怠っているとして,平成12年5月1日付け措置請求書によって,同月8日,住民監査請求を行った(甲1,4。 )カ監査委員は,平成12年7月7日,上記オの住民監査請求に対し,本件談合については,現在審判中であり,判断材料が限定されていることから不法行為であると断定し難いこと,審決等による最終的な結果を待って判断するのが妥当であること,不法行為と断定できない以上,本件組合も財産管理を不当に怠っているということはできないこと,仮に不法行為に当たるとしても,民法709条に基づく損害賠償請求訴訟を提起するのは,公正取引委員会の審決の確定により,より立証の容易な独占禁止法25条による損害賠償請求の途が閉ざされた後にする方が妥当であること等を理由として,住民監査請求を棄却する旨の監査結果を出した(甲4。 )キそこで,原告は,平成12年8月4日に本訴を提起した。 争点 本件の主要な争点は,次のとおりであり,これに関して摘示すべき当事者の主張は,後記第3「争点に対する判断」において掲げたとおりである。 (1)本件談合の有無(本件入札は,本件談 提起した。 争点 本件の主要な争点は,次のとおりであり,これに関して摘示すべき当事者の主張は,後記第3「争点に対する判断」において掲げたとおりである。 (1)本件談合の有無(本件入札は,本件談合の結果行われたものであったか- 17 -否か)。 (2)本件談合による本件組合の損害額(本件談合により本件組合がいくらの損害を被ったか)。 (3)違法な怠る事実の有無(本件組合は被告会社に対する本件談合による損害賠償請求権の行使を違法に怠っているか否か。なお,これは,地方自治法242条の2第1項3号の怠る事実の違法確認の請求の要件として争点となるとともに,同項4号の損害賠償請求のための訴訟要件又は本案要件として必要とされるか否かといった観点からも争点となっている)。 第3争点に対する判断 争点(1)(本件談合の有無)について(1)原告は本件談合が存在し,本件組合がこれにより損害を被った旨主張するのに対して,被告会社は本件談合の存在を否定し,被告管理者は本件談合の存在を確認できないとするので,以下,本件談合の有無について,検討する。 (2)本件5社の会合の開催について(,,,,,,,, 証拠 甲ア24甲サ16 乙31(ただし,後記認定に反する部分を除く)及び弁論の全趣旨によれ。)ば,次の事実が認められる。 ア本件5社は,ごみ焼却施設に関する営業部署の部長,課長等が出席する会合(以下「本件会合」という)を,遅くとも平成6年4月以降,各社。 持ち回りで月1回程度開催していた。 イこの会合には,fから機械事業本部環境装置第1部環境装置1課長(平成8年4月以前は同課主務)のAa(以下「Aa」という)が,被告会。 社から環境・プラント事業本部環境東京営業部長のAb(以 た。 イこの会合には,fから機械事業本部環境装置第1部環境装置1課長(平成8年4月以前は同課主務)のAa(以下「Aa」という)が,被告会。 社から環境・プラント事業本部環境東京営業部長のAb(以下「Ab」という)が,dから環境第1営業部第1営業室長(平成10年1月以前は。 )(「」。)環境プラント営業部第1営業室チーム主査のAc以下Acという- 18 -が,eから環境プラント統轄本部東京環境プラント部第2課長のAd(以下「Ad」という)が,gから平成8年4月以前は機械・環境・エネル。 (「」ギー事業本部環境装置営業本部環境装置第1営業部長のAe以下Aeという)が,同月以後は機械・環境・エネルギー事業本部環境装置営業。 本部営業開発第2部長(平成9年6月以前は機械・環境・エネルギー事業本部環境装置営業本部環境装置第1営業部主査(課長待遇,同月以後平)成10年1月以前は機械・環境・エネルギー事業本部環境装置営業本部環境装置第1営業部長)のAf(以下「Af」という)が,それぞれ出席。 していた。 ウこの時期における本件会合への出席者は,上記AeからAfへの交替以外には,メンバーの変更はなく,これらの者は,本件5社の本社のごみ焼却施設の営業担当部署の部長若しくは課長又はこれらとほぼ同等待遇の者であり,地方公共団体発注に係るストーカ炉の建設工事の選定や入札価格の決定に実質的に関与し得る立場にあった者である。 (3)公正取引委員会による事情聴取における関係者の供述についてアfのAaの供述について(ア)証拠(甲ア24,甲サ16,28,46,乙38(ただし,後記認定に反する部分を除く)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認。)められる。 afのAaは,昭和61年10月から機械事業本部環境装置第1部環境装置1課 6,28,46,乙38(ただし,後記認定に反する部分を除く)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認。)められる。 afのAaは,昭和61年10月から機械事業本部環境装置第1部環境装置1課に所属しており,平成6年4月に同課の主務に,平成8年4月に同課の課長に就任し,ごみ処理プラントの官公需部門の営業の実質的な責任者として,受注物件,販売価格を決めていた。なお,同人が営業を担当しているごみ処理施設はストーカ炉が中心であった。 同人は,平成6年4月以降,継続的に,本件5社の部長,課長等が出席する本件会合に出席していた。なお,fにおいては課長級の者は1- 19 -億円を超える案件の最終的な決裁権限を有しているわけではないが,工事の選定過程や入札価格の決定過程において関与し得る立場にあったことは上記(2)のとおりである。 bAaは,平成10年9月17日に公正取引委員会で行われた同委員会審査官からの事情聴取に対して,要旨,次のとおり供述(以下「Aa供述」という)した。 。 (a)地方公共団体が発注するゴミ処理施設の入札については,本件5社の営業責任者クラスの者が集まる会合があり,本件会合がこれに当たる。Aaは,課長職となった平成6年4月以降,前任の課長に代わって,その会合に出席するようになった。 (b)本件会合の出席者は,地方公共団体からストーカ炉の建設工事の発注が予定される物件については,大分前から情報を把握しており,どのような物件があるかについては出席者全員が共通の認識を有し,本件会合では,各出席者が,各発注予定物件についてそれぞれ受注を希望するか否かを表明し,受注希望者が1社の場合には,当該会社が「チャンピオン,すなわち受注予定者となり,受注希」望者が2社以上の場合には,希望者同士が話し合って受注予定者を決定していた。 受注を希望するか否かを表明し,受注希望者が1社の場合には,当該会社が「チャンピオン,すなわち受注予定者となり,受注希」望者が2社以上の場合には,希望者同士が話し合って受注予定者を決定していた。Aaが本件会合に出席するようになってからは,受注希望が競合しても,希望者同士の話合いですべて受注予定者が決まっていた。 (c)本件会合で受注予定者を決めるに当たっては,各社が受注するごみ処理施設の処理能力の合計が平等になるように受注予定者を決めていた。 (d)各発注予定物件は,ごみ処理施設の処理能力によって,1日の処理能力が400トン以上を「大,200トン以上400トン未」満を「中,200トン未満を「小」と,規模別に3つに区分し,」- 20 -それぞれに分けて受注予定者を決めていた。 (e)本件5社以外のプラントメーカーが発注者から指名された場合には,受注予定者が相指名業者に対して個別に受注予定者が受注できるように協力を求めていた。 (f)相指名業者が相当回数協力してくれており,時には相指名業者にも受注させる必要が生じたような場合には,受注予定者が本件会合で了承を受けて,相指名業者に受注させていた。 (g)受注予定者は,指名を受けた発注物件について積算し,本件5社を含む各相指名業者に入札の際に書き入れる相手方の金額を電話等で連絡して協力を求めていた。 (イ)Aa供述は,本件会合における受注予定者の決定方法,受注希望者が複数出た場合における調整方法,本件5社以外のプラントメーカーと,,の調整方法等について現実味を感じさせる相当程度具体的内容でありまた,後記のとおり,他の関係者の供述や客観的なメモ等の記載ともよく符合しており,信用できるものというべきである。 なお,Aa供述には本件会合への出席時期につき,課長職となった平成6 体的内容でありまた,後記のとおり,他の関係者の供述や客観的なメモ等の記載ともよく符合しており,信用できるものというべきである。 なお,Aa供述には本件会合への出席時期につき,課長職となった平成6年4月とあるところ,同人の課長就任時期は平成8年4月であって食い違いをみせている。しかし,同人は本件会合に平成6年4月から出席している旨その後も一貫して供述していること,同人は同月に主務となっていること,dのAcは,自身が平成4年7月に環境プラント営業部に再配属されてから1年程経った平成5年前後ころから本件会合に出,,席するようになったがfから本件会合に出席していた者はAaでありその後,メンバーの変更はなかった旨供述していること(甲ア24,甲サ33)からして,Aaの当該供述は,前記(2)のとおり,課長とほぼ同等の主務となった時期から本件会合に出席するようになったことを指すというべきものであるところ,調書の記載がやや曖昧になってしまっ- 21 -たにすぎないと考えられる。したがって,上記食い違いによって,Aa供述の信用性が減殺されるものではない。 (ウ)aところで,Aa供述の信用性に関して,被告会社は,Aa供述は公正取引委員会審査官の予断によって誘導により作成されたものであり,Aaも内容を理解できないまま押印したものにすぎない上,同人はその後は談合の事実を否認する供述を繰り返しているのであるから,信用性がない旨主張する。 bしかし,Aa供述は,公正取引委員会が本件基本談合に関してはじめて本件5社等への立入検査を実施した当日に作成されたものであり,Aaの記憶も鮮明で,他者からの指示等を受けることのない状況で供述されたものであると考えられる。他方で,事情聴取に当たった公正取引委員会審査官としても,上記立入検査により収集した証拠等を十分 り,Aaの記憶も鮮明で,他者からの指示等を受けることのない状況で供述されたものであると考えられる。他方で,事情聴取に当たった公正取引委員会審査官としても,上記立入検査により収集した証拠等を十分に分析する余裕のない時点で調書を作成しているにもかかわらず,後記のとおり,Aa供述は他の関係者の供述や客観的なメモ等の記載ともよく符合していることからすると,同審査官の予断や偏見によって誘導されたとみることは困難である。また,当日の事情聴取の,,(,経緯状況内容等に関するAaの供述甲サ165から173まで182から189まで)にも,同審査官が,不当にAaの意思を抑圧したり誘導したりしたことを窺わせる事情は認められない。 cまた,Aa供述に係る調書は,公正取引委員会審査官がAaに対して内容を読み聞かせた上で,Aaが誤りのない旨を申し立てて自ら署名指印をしており,Aa自身が閲読をしていなかったとしても,直ちにその信用性が損なわれるわけではないばかりか,証拠(甲ア24,甲サ36,80,140)及び弁論の全趣旨によれば,この内容は,dのAcが所持していた,Aaと審査官とのやり取りについて記載したものと推認されるメモの内容ともおおむね符合していることからし- 22 -ても,Aa自身,供述した内容について然るべく記憶していたものと考えられる。 dさらに,Aaは,Aa供述の後に,一転,談合を否認する供述に転じているところ,上記のように,Aa供述は他の関係者の供述や客観的なメモ等の記載ともよく符合するのに対して,Aaの後日の供述は不自然に供述内容を変遷させているものにすぎず,信用できないものといわざるを得ない。 eよって,被告会社の主張を採用することはできず,Aa供述の信用性を左右するものではないというべきである。 イdのAg(以下「Ag 遷させているものにすぎず,信用できないものといわざるを得ない。 eよって,被告会社の主張を採用することはできず,Aa供述の信用性を左右するものではないというべきである。 イdのAg(以下「Ag」という)の供述について。 (ア)証拠(甲ア24,甲サ35,44,140)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 aAgは,平成8年7月から,d大阪支社の機械プラント部環境プラント営業室長を務めていた。 bAgは,平成10年9月18日に公正取引委員会で行われた同委員会審査官からの事情聴取に対して,要旨,次のとおり供述(以下「Ag供述」という)した。 。 (a)dの大阪支社では,近畿一円の官公庁が発注するごみ処理施設の見積価格や入札価格については,すべて本社の環境プラント第2営業部第1営業室から指示された価格で対応している。 (b)Agは,平成8年秋から冬にかけて,本社の環境プラント営業部第2営業部長(現環境エンジニアリング本部環境第2営業部長)のAh(以下「Ah」という,Ai第1営業室長及びAj第1営。)業室係長から,飲み屋で酒を飲みながら,ごみ処理施設の受注調整の内容を聞いたところ,Ahらから,本件5社のみで指名競争入札が行われる場合には,本件5社の間で取り交わされた「大手5社の- 23 -ルール」によってあらかじめ受注物件毎に「チャンピオン」たる受注予定者が決まることを聞き,本件5社のほかにhやjが指名競争入札に参加することとなった場合には,受注予定者がこれら2社と話合いを行うこととなるが,その場合には,必ずしも受注予定者が入札できるとは限らないので,地方公共団体がこれら2社を指名しないように,大阪支社の方で地方公共団体に働き掛けて欲しいと依頼された。 また「大手5社のルール」の具体的な内容について,Agは, 定者が入札できるとは限らないので,地方公共団体がこれら2社を指名しないように,大阪支社の方で地方公共団体に働き掛けて欲しいと依頼された。 また「大手5社のルール」の具体的な内容について,Agは,,その際,Ahらから,これが,本件5社の担当者が集まる「張り付け会議」と呼ばれる会議を年1回開催して,そこで,本件5社が有しているストーカ炉の受注予定物件について,5社に平等に割り当てられるように,物件毎にあらかじめ「チャンピオン」を決めるというものであり,そこでの割当の方法は,まず各社が受注希望を述べ,希望者が1社だけの場合には当該会社が「チャンピオン」になり,希望者が複数の場合にはその場で調整をする,1日のごみ処理能力によって受注予定物件を規模別に3つに区分し,それぞれに分けて「チャンピオン」を決める,3つの区分とは,1日のごみ処理能力が400トン以上の大規模物件,100トン以上400トン未,(,満の中規模物件100トン未満の小規模物件の3つであるなお,,「」Agはこの100トン未満の小規模物件のことを指して准連とも呼んでいる「チャンピオン」は当該受注予定物件について。),受注する権利を持つとともに,本件5社以外のプラントメーカーが入札に参加しないように発注する地方公共団体に働き掛ける義務を持つ,指名競争入札が数年後に行われた場合でも,この合意内容は履行される,本件5社以外のプラントメーカーが入札に参加することとなった場合には「たたき合い」が生じることもあり得「チャ,,- 24 -ンピオン」が必ずしも受注できないという事態も想定されるが,その場合でも,本件5社は補填といった面倒はみない,というものであることを聞いた。 さらに,Agは,その際,Ahらから,シェアを維持する方法として地方公共団体から指名を受 という事態も想定されるが,その場合でも,本件5社は補填といった面倒はみない,というものであることを聞いた。 さらに,Agは,その際,Ahらから,シェアを維持する方法として地方公共団体から指名を受ける件数をできるだけ増やすことがよいとも聞いた。 cAgは,Ahらから受注調整の話を聞いた1週間程度後に,ごみ処理施設に関して部下に指導をするために聞いた内容をメモ以下A,(「gメモ」という)にまとめた。当該メモには,ストーカ炉において。 は,本件5社が「大手5社」であること,hやjとも話合いによる調整が付きやすいという意味でこれらが準メンバーであること大「」,「手5社のルール」はストーカ炉を1日のごみ処理能力が400トン以上の「大,399トン以下の「その他全連「准連」の3つに区分」」,して,1年に1回「張り付け会議」を行っていること「張り付け会,議」において各社が1件ずつ受注希望物件を指定し,当該会社が当該物件を「守る権利と義務」が発生すること,5社の比率は20パーセントずつとすること,本件5社以外が入札に参加することとなった場合には「タタキ合い」となり,その場合でも補填等は一切行われないこと20パーセントのシェアを維持する方法は受注トン数を指,「」「名件数」で除して算出するので,指名を数多く受けた方がよいこと,よって,自社が指定する物件は本件5社が守り切れる営業力の強い地域を優先することになること等が記載されている。 (イ)Ag供述とAgメモとは,受注調整の方法として,ストーカ炉を規模別に3つに区分して,それぞれについて本件5社が平等になるように受注予定者を決定していたこと等,受注予定者の決定方法等の中核においてよく符合しており,その内容もやり取りを彷彿とさせる相当程度具- 25 -体的内容であっ ぞれについて本件5社が平等になるように受注予定者を決定していたこと等,受注予定者の決定方法等の中核においてよく符合しており,その内容もやり取りを彷彿とさせる相当程度具- 25 -体的内容であって,信用できるものというべきである。 (ウ)aこの点に関して,被告会社は,Ag供述は再伝聞にすぎない上,Aa供述とは,発注予定物件の区分が異なっていたり,受注予定者の決定方法等に相違があるから,信用できない旨主張する。 bしかし,Agが受注調整の話を聞いたAhは,dの環境プラント営業部第2営業部長として,主として西日本におけるごみ焼却施設の営業を管理していた者であり(甲サ44,賀茂広域行政組合が発注し)たストーカ炉の建設工事に係る本件5社の入札金額に係るメモを所持していたこと(甲サ124,140)からしても,本件5社間で受注調整が行われていたのであればこれに関する様々な情報を入手し得る立場にあったものである。また,Ag自身も,d大阪支社の機械プラント部環境プラント営業室長として,近畿一円の官公庁が発注するごみ処理施設の受注業務等に関する責任者として,ごみ焼却施設の入札状況や業界に関する知識と関心を有していたことからすれば,Ag供述は,相当程度信用できるものというべきである。 確かに,Aa供述とAg供述とは,発注予定物件の区分におけるごみ焼却施設の処理能力のトン数が若干異なっていたり,受注予定者の決定方法における各社平等の基準が相違(処理能力の合計を比較しての平等か,受注トン数を指名件数で除したシェアの平等か)していたり,本件5社以外のプラントメーカーが入札に参加した場合に協力を求めることになるのか競争(たたき合い)となるのかの点で若干食い違いがあるようにもみえる。とはいえ,両供述とも,本件5社が入手した将来の地方公共団体発注に係るスト ーカーが入札に参加した場合に協力を求めることになるのか競争(たたき合い)となるのかの点で若干食い違いがあるようにもみえる。とはいえ,両供述とも,本件5社が入手した将来の地方公共団体発注に係るストーカ炉の建設工事について,,,発注予定物件毎に話合いで受注予定者を決めていたことその区分はストーカ炉の建設工事を処理能力のトン数により3つの類型に区分して,各区分毎に受注予定者を決定していたこと,話合いで各社の受注- 26 -希望物件が競合しなかった場合には当該会社が受注予定者となり,競合した場合にはその競合会社間で調整して受注予定者を決定していたことといった受注調整を行う談合の中核的部分において符合する上に,本件5社以外のプラントメーカーが入札に参加した場合には最終的には競争(たたき合い)になるものの,そのような事態にならないようにまずは協力を求めることになるという意味では両供述は整合しており,被告会社の主張するような若干の差異は,両供述の信用性を覆すほどのものではないというべきであるから,被告会社の上記主張を採用することはできない。 ウfのAk(以下「Ak」という)の供述について。 (ア)証拠(甲ア24,甲サ40ないし43,49)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 aAkは,平成8年3月から,f中国支社の機械1課主務を務めており,同年4月から,同課課長となり,官公庁相手のごみ焼却施設等の営業を担当していた。 bAkは,平成10年9月18日,平成11年7月26日及び同月27日に公正取引委員会で行われた同委員会審査官からの事情聴取に対して,要旨,次のとおり供述(以下「Ak供述」という)した。 。 ,(「」。)(a)Akは平成8年3月に前任者のAl以下Alというから引継ぎを受けた際,ごみ処理施 らの事情聴取に対して,要旨,次のとおり供述(以下「Ak供述」という)した。 。 ,(「」。)(a)Akは平成8年3月に前任者のAl以下Alというから引継ぎを受けた際,ごみ処理施設の受注については,本件5社が,機会均等に受注するために「チャンピオン,すなわち受注予」定者を決めて受注予定者が受注できるように仲良く話し合うという慣行がある,実際の入札で特定の受注予定物件についてどの業者が受注予定者となるかについては,各社の本社レベルで話合いが行われている,と聞かされた。 (b)現時点において,受注調整が行われなくなったとは聞いていな- 27 -い。 cAkは,Alから引き継いだ内容をその場でメモし,後日これを備忘録として清書したメモを作成している。当該メモには,本件5社のことを指して「仲5社機会均等「全連24H/DAY:東京,」,仲「准連18H/DAY:東京仲「機バ8H/DAY:」など」,」,と記載されている。また,Akが所持していたノートには「業界で,決まったことが最優先→支社は必ず聴取のこと」と記載されており,これは,本件5社の本社間で受注予定者を決めているので,支社は本社に必ず確認をとる必要があるとの趣旨であると解される。 (イ)Ak供述は上記(ア)cのメモやノートの記載内容ともよく符合するとともに,Aa供述及びAg供述とも整合するものであって,信用できるというべきである。 (ウ)この点に関して,被告会社は,上記メモには平成9年5月19日付けの「接待贈呈伺」という書面が添付されており,平成8年3月ないし4月に引継ぎを受けた際に作成されたメモである証拠はない旨主張するが,上記メモと上記添付書面との関係は定かではない上,Ak自身,当該メモの作成時期等について明確に供述している以上, 成8年3月ないし4月に引継ぎを受けた際に作成されたメモである証拠はない旨主張するが,上記メモと上記添付書面との関係は定かではない上,Ak自身,当該メモの作成時期等について明確に供述している以上,被告会社の主張には理由がないものというべきである。 また,被告会社は,Akは引継ぎを受けて間もなく業界についての知識を十分に有しない時点で上記メモを作成しており,またこれは再伝聞にすぎないものであって,その内容は信用できない旨も主張するが,上記(イ)におけるAk供述の信用根拠に照らせば,被告会社の主張を採用することはできない。 エfのAm(以下「Am」という)の供述について。 (ア)証拠(甲ア24,甲サ37,47,108)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 - 28 -,,(,aAmは昭和62年5月にf中国支社の化学環境装置課その後同課は,平成元年か2年ころに機械1課と名称を変更している)に。 配属となり,平成元年4月から,同課において,官公庁相手のごみ焼却施設等の営業を担当するようになった。 bAmは,平成11年2月4日及び同月5日に公正取引委員会で行われた同委員会審査官からの事情聴取に対して,要旨,次のとおり供述(以下「Am供述」という)している。 。 (a)Amは,化学環境装置課に配属され,平成元年4月に,前任者のAnの退職に伴い官公庁相手のごみ焼却施設等の営業を担当するようになった際,Anから説明を受けるとともに,同人から「業界(機種別)の概況について」と題する文書を引き継いだ。 (b)Amは,Anから,ストーカ炉の受注については本件5社の間に受注調整のための協定が存在し,地方公共団体等が発注するごみ焼却施設を受注する機会を均等化しているとの説明を受けた。 (c)Amがごみ処理施設の営業を担当する トーカ炉の受注については本件5社の間に受注調整のための協定が存在し,地方公共団体等が発注するごみ焼却施設を受注する機会を均等化しているとの説明を受けた。 (c)Amがごみ処理施設の営業を担当するようになってからも,このような受注調整行為は行われており,現時点においても,行われなくなったとは聞いていない。 (d)このような受注調整行為は,支社レベルではなく本社レベルで行われており,管理職以上の課長クラスの者が対応しているものと思う。 (e)fの本社からは自治体等に対する営業活動に当たっては大,,「手5社に絞り込め」と言われ,自治体等が発注するごみ焼却施設。 の入札の指名を受ける業者を本件5社のみとさせるような営業活動を行うように指示を受けていた。そのため,Amも,発注予定物件の情報を得た場合には,過去の実績表を持参し,過去の実績のある会社,すなわち本件5社に指名を絞らせるために,自治体等に対し- 29 -て「大手5社に頼むのがいいですよ」などと売り込んで,自治体,。 等の行う指名を本件5社に絞らせるような営業活動を行っていた。 (f)fの中国支社では各年度において営業目標として必注案件を設定し,これを本社に報告している。本件5社の間には,指名を得た件数又は処理トン数を分母とした一定の計算式があるのではないかと考えられる。 cAmがAnから引き継いだ上記b(a)の文書には,ストーカ炉について「※全連:大手5社協有.受注機会均等化(山積)…極力5社,のメンバーセットが必要(他社介入の時は条件交渉を伴う「他)」,()」。 社案件でも指名入りで分母積み上げを図る要ありとの記載がある(イ)Am供述は上記(ア)cの文書の記載内容ともよく符合するとともに,Aa供述,Ag供述及びAk供述とも整合しているので,信用でき 社案件でも指名入りで分母積み上げを図る要ありとの記載がある(イ)Am供述は上記(ア)cの文書の記載内容ともよく符合するとともに,Aa供述,Ag供述及びAk供述とも整合しているので,信用できるものというべきである。 (ウ)この点,被告会社は,上記の引継文書は作成者が不明である上に古いもので,本件基本談合との関連性も不明確であって,Am供述も根拠のない再伝聞にすぎない旨主張するが,上記(イ)に照らせば,これらは十分に信用できるといえるから,被告会社の主張を採用することはできない。 オeのAo(以下「Ao」という)の供述について。 (ア)証拠(甲ア24,甲サ45)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 aAoは,平成10年6月には,eの環境プラント本部本部長を務めており,ごみ焼却施設等の営業責任者であった。 bAoは,平成10年9月17日に公正取引委員会で行われた同委員会審査官からの事情聴取に対して,要旨,次のとおり供述(以下「Ao供述」という)している。 。 - 30 -(a)Aoは,平成10年7月に,eの環境プラント本部営業部長から,受注を獲得するための営業方針を聞いた。 ,,(b)その内容は何としてもeが受注したいという物件についてはeが他社との間で話合いを行い,eの入札価格よりも高い価格で他社が入札することについて応じてもらい,他社の協力を得て受注するが,一方で他社がどうしても受注したいという物件については当社が協力することになる,というものであった。 (イ)Ao供述は,Aa供述,Ag供述,Ak供述及びAm供述ともよく整合しているので,信用できるものというべきである。 (ウ)この点,被告会社は,Ao供述は,eの営業方針としては,まずはコストであり,次に発注者にeの技術を認知してもらうことであり Am供述ともよく整合しているので,信用できるものというべきである。 (ウ)この点,被告会社は,Ao供述は,eの営業方針としては,まずはコストであり,次に発注者にeの技術を認知してもらうことであり,発注者に認知されれば他社の協力を得られるチャンスがあるというものであって,Aa供述等における受注調整の方法とは異なる旨主張するが,結局のところは他社との話合いによって受注を決定するという核心的部分においては他の供述とも一致するのであって,少なくともこの限度では信用性を有するものというべきである。 ,,,カ以上のとおり本件5社の上記各関係者の供述はこれを裏付けるメモノート又は文書があり,その供述にも不自然な点はなく,その内容も地方公共団体の発注するストーカ炉の建設工事について,本件5社間で協力し合って受注調整が行われていたなどの点において共通しており,相互にその信用性を補完しているものということができる。 (4)受注調整を行った会合の存在に関係するメモについてア平成8年12月9日の会合に係るメモについて(ア)証拠(甲ア24,甲サ67,180)及び弁論の全趣旨によれば,fのAaが所持していたノートには,400トン未満のごみ処理施設を列挙したとみられるリストのわきに「1巡目は自由,2巡目は自由,,- 31 -3巡目は200t/日未満「12/9「バッティングしたら12」,」,/18までに結着」と記載されていること,当該ノートの「12/9」とは,当該ノートの前後の記載によれば平成8年12月9日を指すものであり「結着」とは「決着」の誤記であると考えられることが認めら,れる。 (イ)また,証拠(甲ア24,甲サ76)及び弁論の全趣旨によれば,dの環境第2営業部第2営業室統括スタッフのApが所持していた平成8年の手帳には,ご 誤記であると考えられることが認めら,れる。 (イ)また,証拠(甲ア24,甲サ76)及び弁論の全趣旨によれば,dの環境第2営業部第2営業室統括スタッフのApが所持していた平成8年の手帳には,ごみ処理施設を列挙したとみられるリストの下に「①,200t/日以上「②200t/日未満「12/92件①,」,」,②双方から「さらに1件②から「合計3件「粕屋5町はトン」,」,」,()数確定せず最初2件で選択されず残った場合は最後の1件②区分で選択可」との記載があることが認められる。 (ウ)上記(ア)のAaのノートの記載と同(イ)のApの手帳の記載とは,,,内容がよく符合しておりこれと前記(3)の各供述とを総合勘案すれば,,上記ノート及び手帳の記載の意味するところは平成8年12月9日に200トン以上400トン未満のごみ処理施設の建設工事及び200トン未満の同工事について,f及びdを含む関係会社間で,自社が入札を希望する物件を,最初,規模の区分にかかわらず1件ずつ2巡にわたって自由に選択し,更に3巡目については200トン未満の工事の区分から1件を選択するという方法による受注調整のための会合が開かれたことが推認できる。 (エ)この点に関して,Aaは,その後の供述において,上記ノートの記載の意味は分からない旨述べている甲サ179180が上記(ウ)(,),のとおりその内容はAa供述とも整合するものとして理解できるのであって,かかるAaの弁解の供述を採用することはできない。 イ平成9年9月29日,同年10月16日及び同月29日の各会合に係る- 32 -メモについて(ア)証拠(甲ア24,甲サ57ないし63,69)及び弁論の全趣旨によれば,dは,ごみ処理施設の建設工事を,①全連400トン以上の大型, 日及び同月29日の各会合に係る- 32 -メモについて(ア)証拠(甲ア24,甲サ57ないし63,69)及び弁論の全趣旨によれば,dは,ごみ処理施設の建設工事を,①全連400トン以上の大型,②全連200トン以上400トン未満の中型,③全連200トン未満の小型に区分したリストを作成し所持しており,このうち平成9年9月1日付けで作成されたリスト甲サ60の余白には全連小型 (),「(00t未満)9/292~3件「大型10/16,1件,中型1」,0/29,2件? 「9/11大,中,小対象物件確定「一緒」,」,になった場合規模,管理者,建設用地(企業城下町)これらの指標をみて話し合い「救済措置あり同規模追加できる増えた会社次回」,調整」といった記載が,また同月11日付けで作成された各リスト(甲,),「()サ6263の各表紙には全連200t未満3件9/29月〃200t以上~400t未満2件10/29(水)〃400t以上1件10/16(木」とそれぞれ記載されていることが認)められる。 (イ)上記(ア)の各記載と前記(3)の各供述とを総合勘案すれば,上記各記載の意味するところは,平成9年9月11日に,全連400トン以上の大型,全連200トン以上400トン未満の中型,全連200トン未満の小型の3区分毎に受注調整を行う発注予定物件を業者間で確定し,同月29日に処理能力200トン未満の小型のストーカ炉の建設工事について3件の,同年10月16日に400トン以上の大型の工事について1件の,同月29日に200トン以上400トン未満の中型の工事について2件の,各受注調整を行うための会合を,dを含む関係会社間で行ったことが推認できる。 ウ平成10年1月30日の会合に係るメモについて の,同月29日に200トン以上400トン未満の中型の工事について2件の,各受注調整を行うための会合を,dを含む関係会社間で行ったことが推認できる。 ウ平成10年1月30日の会合に係るメモについて(ア)証拠甲ア24甲サ58及び弁論の全趣旨によれば上記イ(ア)(,),- 33 -のdが所持していたリストのうち,平成9年12月17日付けで作成されたリストの余白には「1/20対象物件見直し400t以下,,」「1/30張付け」との記載があることが,また,証拠(甲ア24,甲サ55)及び弁論の全趣旨によれば,被告会社の環境事業本部東京営業部が同社大阪営業部に平成10年1月27日に送信したごみ処理施設のリストの送信文には「中型の対象物件送付します。1/30ハリツ,ケする予定です」との記載があることが,それぞれ認められる。 。 (イ)上記(ア)の各記載と前記(3)の各供述とを総合勘案すれば,平成10年1月30日に,処理能力200トン以上400トン未満の中型のストーカ炉の建設工事について被告会社及びdを含む関係会社間で張,,「り付け会議」と呼ばれる受注調整のための会合を開催したことが推認できる。 エ平成10年3月26日の会合に係るメモについて(ア)①証拠(甲ア24,甲サ73)及び弁論の全趣旨によれば,dの環境第1営業部長のAq(以下「Aq」という)が所持していた平成1。 ,,「」0年の手帳には同年3月26日の欄に業<中小型物件はりつけ>との記載があることが,②また,証拠(甲ア24,甲サ79)及び弁論の全趣旨によれば,fの環境装置第1部次長のArが所持していた同年の手帳には,同日の欄に「最終決定」との記載があることが,③さら,に,証拠(甲ア24,甲サ96,102)及び弁論の全趣旨によれば,f中国支社の機 ば,fの環境装置第1部次長のArが所持していた同年の手帳には,同日の欄に「最終決定」との記載があることが,③さら,に,証拠(甲ア24,甲サ96,102)及び弁論の全趣旨によれば,f中国支社の機械1課長のAkが同日にfのAaからされた連絡の内容を記載したメモには「AaK:秘会合で中国五県の話は出なかった。 ,。」,,「」引き続き営業強化宜しくとの記載があること及び上記秘会合とは,AkがAaから聞いた言葉をそのまま記載したものであり,Akは,その前任者や部下からごみ処理施設の受注については業界の調整があるということを聞いていたことから「秘会合」とは東京での受注調,- 34 -,,(,整のための会合であると考えていたことが④加えて証拠甲ア24甲サ96,103)及び弁論の全趣旨によれば,f中国支社の機械1課主任のAmは,上記Akのメモの記載内容について「秘会合」とはご,み処理施設の受注調整を行うための会合を指し,同日に行われたその会合においては,島根県,鳥取県,岡山県,広島県,山口県の中国5県内の物件の話はでなかったというように読める旨述べていることが,それぞれ認められる。 (イ)上記(ア)と前記(3)の各供述とを総合勘案すれば,平成10年3月26日に,処理能力200トン以上400トン未満の中型及び200トン未満の小型のストーカ炉の建設工事について,d及びfを含む関係会社間で「張り付け会議」と呼ばれる受注調整のための会合が開催され,たことが推認できる。 (5)受注調整を窺わせる受注予定物件リストの存在についてア証拠(甲ア24,甲サ89,140)及び弁論の全趣旨によれば,gの機械・環境・エネルギー事業本部環境装置営業本部西部営業部参事であったAs(以下「As」という)が所持していた「年度別受注予想 ア証拠(甲ア24,甲サ89,140)及び弁論の全趣旨によれば,gの機械・環境・エネルギー事業本部環境装置営業本部西部営業部参事であったAs(以下「As」という)が所持していた「年度別受注予想H0。 7.09.28」と題するリスト(以下「Asリスト」という)には,。 平成7年9月28日ころ,今後地方公共団体等からの発注が見込まれるご,(,,み焼却施設の建設工事が発注が見込まれる年度別平成8年度9年度,),「」,「」,「」,10年度11年度及び平成12年度以降の5分類にKMH「N「T」と5分類され,更にそのそれぞれが「-S「-F」に2」,,」,分類されてまとめられていることが認められる。また証拠(甲ア24,甲サ87)及び弁論の全趣旨によれば,Asリストのアルファベットの意味は,プラントメーカーの頭文字をとった略称であり「K」はg「M」は,,f「H」は被告会社たるa「N」はd「T」はeを示すものであるこ,,,とが認められる。 - 35 -また,Asリストの「-S」欄に記載された建設工事79件と平成10年9月17日までに地方公共団体から指名競争入札等の方法で発注された別表記載のストーカ炉の建設工事とを比較対照すると,同リストにおいて平成8年度から平成11年度に発注される見込みとされた工事について,実際には平成8年度に発注された建設工事15件のうち12件,平成9年度に発注された建設工事21件のうち9件,平成10年度に発注された建設工事7件のうち1件の合計22件が合致しており,これによれば,上記「-S」欄の記載は今後発注が見込まれるストーカ炉の建設工事についての記載であることが推認される。 ,,そして上記実際に発注された建設工事と合致する22件の記載のうち本件5社以外のプラントメーカ 「-S」欄の記載は今後発注が見込まれるストーカ炉の建設工事についての記載であることが推認される。 ,,そして上記実際に発注された建設工事と合致する22件の記載のうち本件5社以外のプラントメーカーであるjが落札した3件及びeではなく被告会社が落札した1件を除いた残余の18件については,実際の受注業者はAsリストの受注業者の予想と一致しており,Asリストは平成7年9月28日ころに作成された今後発注が見込まれるごみ焼却施設の建設工事についての分類であるにもかかわらず,指名競争入札等による落札業者を大多数的中させたものとなっており,gの情報収集能力がいかに高いものであったとしても,これだけの予測を的中させることは不可能に近いとみるのが自然である以上,Asリストは単に受注業者を予想したものではなく,本件5社間で受注調整を行い,あらかじめ決定していた受注予定者を記載していたものであるといわざるを得ない。 ,(,,,,イまた 証拠 甲ア24甲サ54ないし5658ないし67 153,155)及び弁論の全趣旨によれば,本件5社のうちe以外は,Asリストが作成された平成7年9月28日ころ以降,平成10年9月ころまでにかけて,全国のごみ焼却施設の発注予定物件についてのリストを作成し,所持していたことが認められる(被告会社につき甲サ54ないし56。gにつき甲サ64,65,153,155。fにつき甲サ66,6- 36 -7。dにつき甲サ58ないし63。そして,作成時期をほぼ同じくする。)リスト同士では多くの工事名が一致しており(甲サ62,63と155。 甲サ55と58,59。甲サ54と61,本件5社のうち少なくともe。)以外の4社は,地方公共団体が発注を予定又は計画しているストーカ炉の建設工事についての情報をお互いに交換し 2,63と155。 甲サ55と58,59。甲サ54と61,本件5社のうち少なくともe。)以外の4社は,地方公共団体が発注を予定又は計画しているストーカ炉の建設工事についての情報をお互いに交換し,情報の共通化を図ろうとしていたことを推認することができる。 なお,上記各証拠によれば,上記各リストに記載された工事の多くは,その後に作成されたリストには記載されておらず,また,Asリストに記載された79件の工事もその後に作成された上記各リストには記載されていないことが認められる。この点において,被告会社は,これらの事情は上記各リストの談合を裏付けるものとしての証拠価値を弾劾すべき事情に当たると主張する。しかし,前記(4)ウのとおり,dや被告会社が所持していた上記リストの中には,受注調整を行うための会合を指す「張り付け会議の開催を窺わせる記載があるさらにAsリストには福岡市福」。 ,,(岡市臨海工場,1日当たりの処理能力900トン,札幌市(札幌市第5)清掃工場,1日当たりの処理能力900トン,東京中央(東京都中央地)区清掃工場,1日当たりの処理能力600トン)等といった,政令指定都市や県庁所在地等の地方公共団体が当時計画し,その後実際に発注したストーカ炉の建設工事であって,1日当たりの処理能力が600トン以上という大型の工事も複数含まれているところ,前記前提事実(6)イ(イ)のとおり本件5社のような情報収集能力に優れ,かつ,上記3件の各工事と別表とを対比すれば,これらの工事については本件5社(ただし,札幌市第5清掃工場の入札についてはgを除く)が現に指名を受けて入札に参加。 していることが認められるにもかかわらず,本件5社のうちeを除く4社が,このような大型工事に関する情報を入手できなかったとは到底考えられない。そう ついてはgを除く)が現に指名を受けて入札に参加。 していることが認められるにもかかわらず,本件5社のうちeを除く4社が,このような大型工事に関する情報を入手できなかったとは到底考えられない。そうすると,Asリストに記載された各工事については,本件5- 37 -社間で地方公共団体の発注予定物件について既に受注予定者が決定し,最早受注調整をする必要がなくなったからこそ,その後のリストには当該物件が記載されなくなったとみるのが自然である。 ウAsリストに関して,被告会社は,Asリストは,実際の地方公共団体発注に係るストーカ炉の建設工事の入札状況と比較すると,処理能力のトン数,受注年度,受注業者等の各点において多くの相違がある上に「大,阪-舞洲「大阪-平野「大阪-東淀」といった特命随意契約が見込」,」,まれ,受注調整を行う見込みがない工事についての記載もあり,また,被告会社は当時流動床炉の建設工事には参入しておらず,さらには,本件5社は別途にAsリスト記載の工事をも含めた工事のリストをも所持していたなどとも主張して,AsリストはgのAsが作成した業界各社の受注予想を記載した社内資料にすぎない旨主張する。 そして,確かに,前記アのとおり,Asリストは前記22件中4件の工事については建設工事を落札した会社が異なっていたり,受注年度や処理能力等の点で実際の発注状況とは一部異なる記載がなされていることが認められる。 しかしながら,Asリストには地方公共団体による発注前の工事案件についての記載もあることから,その程度の相違があることは当然想定される上に,仮にAsリストが同人又はgの作成に係る業界の受注予想であるとした場合には,当然に記載されてしかるべき本件5社以外のhやj等のプラントメーカー等についての記載が一切なされていないことは不自 る上に,仮にAsリストが同人又はgの作成に係る業界の受注予想であるとした場合には,当然に記載されてしかるべき本件5社以外のhやj等のプラントメーカー等についての記載が一切なされていないことは不自然である。また,上記4件以外の18件については,Asリストの記載が実際の落札状況と一致しているのであって,驚異的な的中率を示している。これらのことからすれば,Asリストの前記22件の記載が本件5社間での受注調整の結果としての受注予定者の記載であると考えるほかない。 また,証拠(甲サ141,乙27の1ないし7,28の1ないし5)及- 38 -,「」,,び弁論の全趣旨によれば大阪-舞洲の工事については被告会社が平成6年12月8日付けで,大阪市から見積書等の提出依頼を受けてこれを提出し,平成7年8月31日付けで実施設計の内定を受けて関係図書の作成を依頼され,平成9年3月28日に特命随意契約の方法により工事請負契約を締結したものであること「大阪-平野」の工事については,平,成7年12月11日に大阪市が公募し,平成11年2月8日にdが特命随意契約の方法により工事請負契約を締結したものであることが認められ,「大阪-東淀」の工事についても,特命随意契約の方法により発注されることが予想されていた可能性もあることが認められる。これら3件の工事については,大阪市が特命随意契約の方式により工事請負契約を締結することを決定し,これについてAsその他本件5社の関係者が把握するまでの間に本件5社間での受注調整が行われていた可能性もないわけではなく,これら3件の工事についての記載があることから,直ちに,他の工事についての記載,とりわけ前記22件の記載が本件5社間で決定されていた受注予定者の記載であるとの上記認定を左右するには足りず,他に上記認定を覆す の工事についての記載があることから,直ちに,他の工事についての記載,とりわけ前記22件の記載が本件5社間で決定されていた受注予定者の記載であるとの上記認定を左右するには足りず,他に上記認定を覆すに足りる証拠はない。 よって,Asリストがgの作成に係る受注予想に関する社内資料にすぎないとの被告会社の主張には理由がないものといわざるを得ない。 (6)本件5社間で将来発注予定の工事に関し受注予定者の決定が行われたことを窺わせる関係者のメモについてア証拠(甲ア24,甲サ85,145)及び弁論の全趣旨によれば,dの環境第1営業部長のAqが所持していたノートには,平成10年1月ころにAqが同部長に就任し前任者のAtから引継ぎを受けた際に聞いた内容をそのまま記載したメモとして「津島」との標記の下に「元々Mのはり,つけ物件」との記載があることが認められる。上記「M」は前記のとおりfを意味するものと推認できるところ,これと別表とを対比すれば,上記- 39 -の「津島」とは,同年6月10日に入札された津島市ほか十一町村衛生組合が発注したストーカ炉の建設工事(番号84)のことを指し,同工事の指名競争入札には本件5社並びにh及びjが参加し,fが落札していることが認められる。これと前記(4)エ(ア)のとおり,Aqが自身の手帳の平成10年3月26日の欄にも「業<中小型物件はりつけ>」と記載していること,Ag供述においても本件5社間での受注調整のための会合を「張り付け会議」と称しているとあること等を総合して勘案すれば,Aqがノートに記載した前記「はりつけ」の意味は受注予定者の決定を意味し,当該ノートの記載事項の意味は,津島市ほか十一町村衛生組合が発注する予定のストーカ炉の建設工事について,既に発注前の平成10年1月以前の段階から,本件5社間で,fが受注 は受注予定者の決定を意味し,当該ノートの記載事項の意味は,津島市ほか十一町村衛生組合が発注する予定のストーカ炉の建設工事について,既に発注前の平成10年1月以前の段階から,本件5社間で,fが受注予定者と決められていたことを指すものと考えられる。 イまた,証拠(甲ア24,甲サ82,84,87,140)及び弁論の全趣旨によれば,gの機械・環境・エネルギー事業本部環境装置営業本部九「,,」州環境営業グループ参与であったAuが所持していた国分鳥栖天草と題するファイルに在中していたメモ類には「国分地区衛生管理組合」,のごみ焼却施設の建設工事に係るメモとして「国分については,過去数,年前から,業界で,当社がチャンピンということであった「更にスト。」,ーカになっても,j,kの7社が参考メーカーであり,当社がチャンピオンで受注するためには競合2社への当社のインパクトが必要であり… 中,(略)…政治的な支援が,必要である「今回はAv方式で裏形営業はK。」,G,表営業はKHI。しかし当社大手5社では認知物件であり,KGのルートとは別の裏形ルートで,営業展開」との記載があること(なお,上。 記「チャンピン」との記載は「チャンピオン」の誤記であると考えられ,る)が認められる。そして,上記Auは,当時はどのような意味で「チ。 ャンピオン」という用語を使用したのかの記憶はないが,現時点では常識- 40 -的に考えて建設業者の談合によって決められる受注予定者のことであると理解している旨供述している(甲サ87。 )これらの記載によれば,国分地区衛生管理組合が発注する予定のごみ焼却施設の建設工事については,本件5社間で,gが受注予定者として決まっていたことが推認できる。 (7)本件5社間で入札価格等の連絡が行われたことを窺わせるメモ 地区衛生管理組合が発注する予定のごみ焼却施設の建設工事については,本件5社間で,gが受注予定者として決まっていたことが推認できる。 (7)本件5社間で入札価格等の連絡が行われたことを窺わせるメモについてア証拠(甲ア24,甲サ124,140)及び弁論の全趣旨によれば,dの環境エンジニアリング本部環境第2営業部長であったAhが所持していた「物件調査および希望物件のリストアップ」と題する文書等在中の袋内にあったメモには,次のような記載がなされていることが認められる。 ここにいう「M「K「H「T」はそれぞれf,g,被告会社た」,」,」,るa,eを指し,最上段はアルファベットの記載はないものの,当該メモを所持していたAhが所属するdであるものと考えられるところ,本件5社のそれぞれについて回数,金額,d以外の4社が辞退すること等の記載がなされていることからすれば,当該メモは,60億円を超える規模の工事についての本件5社の入札状況を記載したメモであるということができ「①②③④62.5億(61億)(60億)M 最低より7000万円引き同左辞退K 〃4000万円引き〃辞H 〃3000万円引き〃辞T 〃5000万円引き〃辞69.5」- 41 -る。 そして,証拠(甲ア24,甲サ29)及び弁論の全趣旨によれば,上記1回目の入札金額と思われる金額は,平成10年8月31日に入札が行われた賀茂広域行政組合の発注に係るストーカ炉の建設工事(別表記載の番号87の工事)の第1回目の入札金額(d62億円,f65億円,g67億円,被告会社69億円,e69.5億円)と極めて酷似していること,他方で,これ以外には平成6年4月1日から平成10年9月17日までに地方公共団体によって発注された別 d62億円,f65億円,g67億円,被告会社69億円,e69.5億円)と極めて酷似していること,他方で,これ以外には平成6年4月1日から平成10年9月17日までに地方公共団体によって発注された別表記載のストーカ炉の建設工事における入札状況で類似するものはないこと,上記賀茂広域行政組合の発注に係るストーカ炉の建設工事は第1回目の入札でdが落札したことが認められる。 以上のとおり,賀茂広域行政組合の発注に係るストーカ炉の建設工事の入札について,当該メモにおける本件5社のうちd以外の4社の第1回目の入札金額は実際の金額と完全に一致していることから,当該メモは上記工事について書かれたものであると推認できるところ,上記工事の入札についてはdが第1回目の入札で落札しているにもかかわらず,上記Ahのメモには第2回目以降第4回目までの入札価格と辞退の有無とが記載され,その結果としてdが落札したものとされていること,dの入札金額はメモの記載と実際の入札金額とでは5000万円の差があること,eの第1回目の入札金額が訂正されていることからして,これは,Ahが本件5社のうちd以外の4社の入札金額を予想したり,入札結果を単純に記載したりしたものではなく,入札に先立って,あらかじめ本件5社間で入札金額を打ち合わせ,それをメモしたものであるということができる。 イまた,証拠(甲ア24,甲サ125,140)及び弁論の全趣旨によれば,gの機械・環境・エネルギー事業本部環境装置営業本部東部営業部参事のAwが所持していた「95-5-2」の日付のあるメモには,焼却炉- 42 -工事の見積原価額が積算過程とともに示され「出し値」として,第1回,目から第3回目までの入札価格が記載されており,この中で「不調の場合の予定価格と最低入札額の想定」がなされ「入札結果に至る過程 -工事の見積原価額が積算過程とともに示され「出し値」として,第1回,目から第3回目までの入札価格が記載されており,この中で「不調の場合の予定価格と最低入札額の想定」がなされ「入札結果に至る過程」とし,て2つの案が検討された上で最終案が示されており,また,本件5社を示す「K「H「T「M「N」についてそれぞれ第1回目から第3」,」,」,」,回目までの入札金額と考えられる金額が次のような一覧表として添付されており,このうち,gを示す「K」の第1回目から第3回目までの入札金額は上記の最終案にそった金額となっていることから,同一覧表は上記メ,。 モの記載に引き続いて同時期に作成されたものであることが認められるそして,証拠(甲ア24,甲サ29)及び弁論の全趣旨によれば,上記の各入札金額と思われる金額は,平成7年5月9日に入札が行われた佐渡広域市町村圏組合の発注に係るストーカ炉の建設工事(別表記載の番号26の工事)の第1回目から第3回目までの本件5社の各入札金額と完全に一致すること,他方で,これ以外には平成6年4月1日から平成10年9月17日までに地方公共団体によって発注されたストーカ炉の建設工事における入札状況で類似するものはないこと,上記佐渡広域市町村圏組合の発注に係るストーカ炉の建設工事は第3回目の入札でgが落札したことがK①6,220,000,000②6,150,000,000③6,050,000,000H①6,460,000,000②6,190,000,000③6,100,000,000T①6,310,000,000②6,195,000,000③6,105,000,000M①6,600,000,000②6,200,000,000③6,125,000,000N①6,690,000,000 0,000②6,195,000,000③6,105,000,000M①6,600,000,000②6,200,000,000③6,125,000,000N①6,690,000,000②6,215,000,000③6,140,000,000- 43 -認められ,これらを総合すると,上記メモは,上記工事の入札価格について記載したものであるということができる。 そうすると,上記メモは平成7年5月2日ころに作成されたものと推認できるところ,gは,入札前に,既に上記工事に係る本件5社の実際の入札金額を正確に把握していたこととなり,これと前記(3)の各供述とを総合勘案すれば,当該メモは,上記工事の入札について受注予定者をgとすることを決定し,gが落札することができるように,あらかじめ本件5社の入札金額を連絡し合って調整した際のメモであるということができ,結果としても,事前の調整のとおり,本件5社が予定された金額どおりに入札したものであることが認められる。 (8)本件5社による入札状況の把握についてア本件5社では,以下のとおり,ストーカ炉の建設工事の入札状況について,数値化して把握していたことが認められる。 (ア)証拠(甲ア24,甲サ29,106)及び弁論の全趣旨によれば,,,fの環境装置1課主務であったAxが所持していたノートには年月日工事名とみられる名称(これには,別表記載の平成10年9月17日までに実際に地方公共団体から発注されたストーカ炉の建設工事と名称及び入札年月日が一致するものも複数存する,ストーカ炉の処理能力と。)みられる数値,本件5社の略称であるアルファベット,h及びjの略称とみられる「E」及び「Q」とのアルファベット,各社毎の分数の数値とそれに対する加算式等が記載されており,その数値及び計算式をみる )みられる数値,本件5社の略称であるアルファベット,h及びjの略称とみられる「E」及び「Q」とのアルファベット,各社毎の分数の数値とそれに対する加算式等が記載されており,その数値及び計算式をみると,各社において分母にごみ焼却施設の建設工事におけるストーカ炉の処理能力を,分子に落札したストーカ炉の処理能力を,それぞれ記載して,落札した割合をストーカ炉の処理能力のトン数によって計算し把握していたことが推認できる。 (イ)そして,これと,前記(3)イのとおり,本件5社間においてストー- 44 -カ炉の建設工事の受注調整を行う「大手5社のルール」として,5社の比率は20パーセントずつとし,20パーセントのシェアを維持する方法として「受注トン数」を「指名件数」で除して算出する方法がとられており,その結果,指名を数多く受けた方が当該企業としては得になるというAg供述及びAgメモの内容,及び,前記(3)エのとおり,Amがストーカ炉について「※全連:大手5社協有.受注機会均等化(山,積)…極力5社のメンバーセットが必要(他社介入の時は条件交渉を伴う「他社案件でも指名入りで分母積み上げを図る要あり」との記)」,(),,,,載がある引継文書を所持しAmはこれをもって本件5社の間には指名を得た件数又は処理トン数を分母とした一定の計算式があるのではないかと考えていたことを併せて勘案すると,上記Axのノートの計算式は,直近に地方公共団体の発注によるストーカ炉の建設工事の入札が行われた物件のほか,今後入札が行われる予定の物件についても受注予定者を想定した上で,これをも含めて,本件5社の受注割合を,ストーカ炉の処理能力を基に,受注に係るトン数を発注又は発注予定に係るトン数で除して計算したものであり,Axはこれらを比較し検討していたことが を想定した上で,これをも含めて,本件5社の受注割合を,ストーカ炉の処理能力を基に,受注に係るトン数を発注又は発注予定に係るトン数で除して計算したものであり,Axはこれらを比較し検討していたことが推認できる。 イまた,証拠(甲ア24,甲サ107,140)及び弁論の全趣旨によれば,gのAsが所持していた計算一覧表には「H07.11.30現在,(H8/2調整済」という記載がされた上で,本件5社並びにh及びj)の略称である各アルファベットとそれによる区分毎に「平成6年3月3,1日まで「平成7年3月31日まで,前回であるとする「同年8月2」,」7日まで,現状とする「同年11月30日まで」に分けて,A,B及び」(),,QBをAで除した数値と題する各数値が記載されているほか年月日工事名とみられる名称(これには,別表記載の平成10年9月17日までに実際に地方公共団体から発注されたストーカ炉の建設工事と名称及び入- 45 -札年月日が一致するものが存する,ストーカ炉の処理能力とみられる数。),,値の記載があり前回であるとする平成7年8月27日の時点での数値に現状であるとする同年11月30日までに行われた入札に係る工事におけるストーカ炉の処理能力のトン数が加算されて同日時点での数値が計算されていることが認められ,これらによれば,gでは,同日ころまでの本件5社の受注割合を,ストーカ炉の処理能力を基に,受注に係るトン数を発注に係るトン数で除して計算し,比較していたことが推認できる。 (9)小括,,,以上(3)ないし(8)によれば前記(3)の関係者の各供述は相互に整合し各供述に対応するメモ等の客観的に存在する証拠ともよく符合している上に,その内容にそった会合が開催されたことがこれに対応するメモ等によって認められ によれば前記(3)の関係者の各供述は相互に整合し各供述に対応するメモ等の客観的に存在する証拠ともよく符合している上に,その内容にそった会合が開催されたことがこれに対応するメモ等によって認められること,受注調整が行われていたことが受注予定物件リスト等によって認められること,本件5社間で将来発注予定の工事に関し受注予定者の決定が行われたことがこれに対応する関係者のメモ等によって認められること,本件5社間で入札価格等の連絡が行われたことがこれに対応するメモ等によって認められること,本件5社による入札状況について,上記各供述のとおり,ストーカ炉の処理能力を基準として将来受注予定の工事分を含めた本件5社間の受注割合を計算してその数値が把握されていたことが認められることによって,上記各供述が裏付けられている。これらを総合すると,Aa供述のとおり,遅くとも平成6年4月までには本件基本談合が成立し,同月以降,平成10年9月17日までの間,fのAa,被告会社のAb,dのAc,eのAd,gのAe又はAf等の本件5社の営業担当者が集まった本件会合において,将来の地方公共団体発注に係るストーカ炉の建設工事について,処理能力の区分に応じて,本件5社間で物件毎に受注予定者を話合いで決定し,当該受注予定者が,入札前に入札に参加する各社の入札価格を調整し,これを各社に連絡して,受注予定者が落札できるように図っていた- 46 -ことが認められ,この認定を左右するに足りる証拠はない。 上記認定に対し,被告会社は,本件会合においては,業界に関する情報の交換等の正当な業務活動が行われていたにすぎない旨主張し,これにそう証拠(甲サ104,105,乙23,30ないし32,38)を指摘するが,,,上記認定は本件会合において受注調整のみが行われたとするものではなく受注調 が行われていたにすぎない旨主張し,これにそう証拠(甲サ104,105,乙23,30ないし32,38)を指摘するが,,,上記認定は本件会合において受注調整のみが行われたとするものではなく受注調整以外にも,情報交換等が行われていたとしても,これをもって上記認定を左右することにはならない。 (10)本件工事における本件談合の有無についてア以上の認定事実に加えて,証拠(甲ア24,甲サ85,89,106,125,155)及び弁論の全趣旨によれば,平成6年4月から公正取引委員会による立入検査が行われた平成10年9月17日までの間に地方公共団体によって発注され,指名競争入札等の方法により入札が行われた別表記載のとおりのストーカ炉の建設工事87件のうち,メモ,文書等の証拠や個別の工事に係る関係者の供述等をもって上記のような方法による本,,,件個別談合が行われたことが窺われる工事は別表記載の番号264549ないし51,53ないし56,58ないし62,74,76,77,79ないし87の26の工事であるといえる一方で,被告会社の主張するとおり,本件工事についての本件個別談合があったことを直接的に示す供述又は物証は存していない。 イしかしながら,前記のとおり,Aaが出席した平成6年4月以降平成10年9月17日までの間に地方公共団体発注に係るストーカ炉の建設工事の受注調整のために本件5社の営業担当者間で開催された本件会合においては,その場で初めて,どの工事をどのように配分するかといった区分や基準,受注希望業者が競合した場合の解決方法,本件5社以外のプラントメーカーが入札に参加した場合の調整方法,入札に当たっての入札価格の調整,決定,連絡の方法等が決められたものではなく,既に前もって形成- 47 -されていた本件5社間の合意が引き継がれてい ラントメーカーが入札に参加した場合の調整方法,入札に当たっての入札価格の調整,決定,連絡の方法等が決められたものではなく,既に前もって形成- 47 -されていた本件5社間の合意が引き継がれていったものであり,その後もその内容にそった受注調整が数多く実行されてきたことにかんがみれば,Aaら本件会合への出席者は,いずれもそれまでの各社からの出席者から引き継いで,当該会社を代表して,受注調整のための本件会合に出席するようになったとみるのが自然である。 そして,前記(3)エのとおり,平成元年の段階ではこのような合意内容が形成されていたものともいえるのであって,かかる会合は,遅くとも平成6年4月から一定程度前の時期から継続的に行われてきたものであると推認することができる。 ウそして,前記前提事実(第2の2)(9)のとおり,本件工事が,本件組合発注に係る処理能力400トンの全連ストーカ炉の建設工事であり,実際の契約金額も257億2940万円(3パーセントの消費税相当額を含む)という巨額のものであること,指名競争入札に参加した指名業者も。 本件5社のみで,上記受注調整に参加している本件5社以外のプラントメ,. ーカーを含まないものであること落札価格も本件組合の予定価格の98997パーセントという高額のものとなっていることからすれば前記(3),イのAg供述や同(3)エのAm供述のとおり,本件5社では地方公共団体等に対する営業活動として,本件基本談合に参加した本件5社のみを入札参加業者として指名するよう営業活動を行うように内部で指示がされていたような状況にあったにもかかわらず,本件工事に係る本件入札においては,本件基本談合から離れて実質的な競争が行われたと考えることは不合理である。このような事情に加え,一般に談合は秘密裡に行われるものであ な状況にあったにもかかわらず,本件工事に係る本件入札においては,本件基本談合から離れて実質的な競争が行われたと考えることは不合理である。このような事情に加え,一般に談合は秘密裡に行われるものであることを勘案すれば,極めて処理能力の小さなストーカ炉であるとか,極端に予定価格を下回る価格で落札されているなど,本件個別談合が行われなかったこと,あるいは,本件基本談合が存在するにもかかわらず受注予定者以外の業者が低額で落札したことが不合理ではない特段の事情がな- 48 -い限り,本件基本談合にそった本件個別談合が行われて,本件5社間においてあらかじめ受注予定者を被告会社とする旨が決められ,被告会社が落札できるよう相互に入札価格を調整,連絡し合って,各社がこれにそう入札を行い,その結果として被告会社が本件工事を落札したものと推認するのが相当である。 なお,この点に関して,被告会社は,本件基本談合が存したとしても,具体的な工事については,必ずしもこれに基づく本件個別談合が行われるとは限らない上に,当該工事については別途の基本談合に基づいて個別談合が行われる可能性もあるから,当該基本談合を当該工事において具体化する個別談合を,日時,場所,参加者等の詳細をもって特定し,立証しな,(,ければ不法行為たる談合の立証としては不十分である旨主張する実際原告は,本訴における請求原因事実として,被告会社は,f,d,e及びgとの間で,遅くとも平成6年4月以降,地方公共団体が指名競争入札等によって発注した全連ストーカ炉又は准連ストーカ炉の建設工事について,受注予定者を決定する方法等に関する合意に基づき,話合いにより受注予定者を決定し,同予定者が当該工事を受注できるように,各社の入札価格を連絡するなどして協力し合い,本件組合が発注した本件工事の指名競争入 定者を決定する方法等に関する合意に基づき,話合いにより受注予定者を決定し,同予定者が当該工事を受注できるように,各社の入札価格を連絡するなどして協力し合い,本件組合が発注した本件工事の指名競争入札についても,あらかじめ,被告会社を受注予定者とし,他の4社は,被告会社に受注させるために,あえて被告会社よりも高い金額で入札することにより競争から離脱することを入札期日に先立って合意し,入札期日において,その合意を実行して,本件組合に対し,競争が行われていれば避けることができたはずの高額の工事代金を負担させて,本件組合に損害を被らせた旨主張するが,それ以上に,具体的な個別談合の日時・場所等については不明であるとしている。しかし,上述したところに照ら。)して,被告会社の上記主張は採用できない。 そこで,上述した例外的な特段の事情が認められるかについてみるに,- 49 -本件全証拠によってもこれを認めるに足りない。また,被告会社は,h及びjは,本件5社からの入札に係る協力要請の事実を否定している旨主張し,これにそう証拠として弁護士法23条の2に基づく弁護士照会の結果(乙25の1及び25の2,26の1及び26の2)を挙げるが,これのみでは前記の各証拠に裏打ちされた認定を左右するには足りないものというべきである。さらに,被告会社は,原告が別表記載の各工事のうち落札率の高いものだけを取り上げて談合に係る工事である旨主張し,その証拠として落札率の高さを指摘することは同義反復である旨主張するが,当裁判所が本件入札における本件談合を認定した根拠は落札率の高さのみに基づくものではないから,被告会社の上記主張を採用することはできない。 エ以上によれば,本件入札において,本件基本談合にそって,遅くとも本件入札の実施日である平成6年6月9日前に,本件5社間 のみに基づくものではないから,被告会社の上記主張を採用することはできない。 エ以上によれば,本件入札において,本件基本談合にそって,遅くとも本件入札の実施日である平成6年6月9日前に,本件5社間で被告会社を受注予定者とする旨の本件個別談合が行われ,これに基づいて,各社の入札価格が調整されて入札が実施され,本件談合が行われた結果,被告会社が本件工事を落札したことが認められる。そして,これは本件組合に対する不法行為を構成するものというべきである。 争点(2)(本件談合による本件組合の損害額)について(1)上記1のとおり,本件談合は被告会社の本件組合に対する不法行為を構成するところ,本件談合に基づく本件入札によって,本件組合が被った損害額について,以下,検討する。 (2)この点,原告は,本件入札における落札率の高さや,談合が行われなかった他の工事の入札の際の落札価格と予定価格との乖離率等にかんがみれば,本件談合がなく入札参加者間の競争が確保されていれば,少なくとも落札価格の15パーセント以上低い価格で落札した業者が出現したはずであるから,本件談合により本件組合が被った損害額は少なくとも被告会社の落札価格の15パーセント相当額である38億5941万円を下らない旨主張す- 50 -る。 (3)アそこで,勘案するに,本件談合によって,被告会社は,本来他の入札参加者との健全な競争関係を前提として決定されるべき入札価格について,当該競争関係を全く意識することなく,自社の利益を最大限にするために,予定価格に近接した価格で入札をし,当該価格で工事を落札することができることとなったものであり,現に,本件工事においては,被告会社の落札価格は予定価格の98.997パーセントという高額なものとなっている。そして,本件談合がなければ,入札参加者間で 落札することができることとなったものであり,現に,本件工事においては,被告会社の落札価格は予定価格の98.997パーセントという高額なものとなっている。そして,本件談合がなければ,入札参加者間での健全な競争によって落札業者が決定されていたであろうから,当該競争が行われていた場合に形成されたであろう想定落札価格に基づいて締結された請負契約に係る契約金額と,被告会社が本件組合との間で締結した本件談合に基づく落札価格に基づいて締結された実際の請負契約に係る契約金額との差額分について,被告会社は本件組合に対して損害を与えたものというべきである。 イしかしながら,想定落札価格は実在しない価格であり,また,健全な競,,争入札における落札価格は当該具体的な工事の種類・規模・場所・内容入札当時の経済情勢及び各社の財務状況,当該工事以外の工事の数・請負金額,当該工事に係る入札への参加者数,地域性等の多種多様な要因が複雑に絡み合って形成されるものであり,本件入札における想定落札価格を証拠に基づき具体的に認定することは困難であるものといわざるを得ない。 したがって,本件においては,本件組合において損害が生じたことは認められるものの,損害の性質上その額を立証することが極めて困難であるから,民事訴訟法248条に基づき,口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき,相当な損害額を認定すべきものである。 ウ以上のような観点から,本件組合が被った損害額について判断するに,- 51 -別表をみても明らかなとおり落札率は個別の工事毎に相当程度の差異がある上に,損害額の算定が困難な中において被告会社に損害賠償義務を負わせる以上,当該賠償額の算定に当たってはある程度手堅く控え目な金額をもって認定することもやむを得ないと考えられること,前記1のとおりの本件5社に の算定が困難な中において被告会社に損害賠償義務を負わせる以上,当該賠償額の算定に当たってはある程度手堅く控え目な金額をもって認定することもやむを得ないと考えられること,前記1のとおりの本件5社による本件基本談合及び本件個別談合の経緯及び態様,本件工事の種類・規模・場所・内容,本件工事の予定価格,本件工事に係る請負契約の契約金額,平成6年4月以降平成10年9月17日までの地方公共団体発注に係るストーカ炉の建設工事の指名競争入札等における落札価格と予定価格との乖離率,その他本件に表れた一切の事情を総合考慮すると,被告会社の本件談合により本件組合が被った損害額は,本件工事に係る被告会社の請負契約の契約金額の5パーセントに相当する12億8647万円と認めるのが相当である。なお,この点に関して,原告は,本件工事以外の談合と目される工事についての落札率等に係る試算や別表記載の各工事における落札率の分析等を根拠に,少なくとも本件工事に係る請負契約,,金額の15パーセント相当額が損害である旨主張するが上記イのとおり想定落札価格は多種多様な要因が複雑に絡み合って形成されるものである上に,上記のとおり,賠償額の算定に当たってはある程度手堅く控え目な金額をもって認定することもやむを得ないというべきであるから,原告の主張を採用することはできない。 よって,被告会社は本件組合に対して,不法行為に基づく損害賠償として,12億8647万円及び少なくともこれに対する不法行為時たる本件入札後であり本件組合が被告会社に対して契約代金全額を支払った日以後である平成10年5月6日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金を支払うべき義務があるというべきである。 他方で,上記金額を超える部分については本件組合に損害は生じていないことになるから,原告の請求は棄 月6日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金を支払うべき義務があるというべきである。 他方で,上記金額を超える部分については本件組合に損害は生じていないことになるから,原告の請求は棄却されるべきである(最高裁判所平成- 52 -6年12月20日第3小法廷判決・民集48巻8号1676頁参照。 ) 争点(3)(違法な怠る事実の有無)について(1)被告管理者は,民法709条の損害賠償請求と独占禁止法25条の損害賠償請求とはその要件に軽重があり,秘密裡に行われた談合を立証する証拠としても事実上公正取引委員会での審判記録に頼るほかないのであるから,被告管理者としては民法709条の損害賠償請求と独占禁止法25条の損害賠償請求のいずれを提起するかの選択権を有し,公正取引委員会の審判が確定していない現時点においては独占禁止法25条の損害賠償請求権は行使し得ないのであるから,民法709条の損害賠償請求権の行使を留保していたとしても,違法に怠る事実は存しないこととなる旨主張し,被告会社はこれに加えて,さらに,地方自治法242条の2第1項4号の損害賠償代位請求,,は怠る事実が違法である場合に住民に代位請求を認めた規定であるとして上記のように被告管理者が民法709条の損害賠償請求権の行使を留保していたとしても違法ではないから,代位請求の訴訟要件又は本案要件としての前提を欠くことになる旨主張する。 (2)しかしながら,前記1及び2のとおり,被告会社は本件談合によって,本件組合に対して損害を与えており,当該行為は民法709条の不法行為を構成するものであるところ,本件組合は,現時点まで当該損害賠償請求権を行使していないことは明らかである。 ,(。),そして地方公共団体の長地方公共団体の組合の執行機関を含むは債権について,政 るものであるところ,本件組合は,現時点まで当該損害賠償請求権を行使していないことは明らかである。 ,(。),そして地方公共団体の長地方公共団体の組合の執行機関を含むは債権について,政令の定めるところにより,その督促,強制執行その他その保全及び取立てに関し必要な措置をとらなければならない(地方自治法292条,240条2項)のであって,債権を行使するか否かについての裁量の余地はほとんどなく,同法施行令(昭和22年政令第16号)171条ないし同条の7に係る徴収停止事由等がないにもかかわらず相当期間その債権を行使しない場合には,それを正当化する特段の事情がない限り財産の管理を- 53 -怠るものとして違法であるというべきであるところ,被告管理者は,少なくとも,本訴における共同被告として,上記認定に係る各証拠を入手して相当期間が経過しているにもかかわらず,上記損害賠償請求権を行使してはいない。 この点,被告らは,被告管理者が上記審決が出されて確定するまで上記損害賠償請求権を行使しないことには合理性がある旨主張するが,独占禁止法25条に基づく損害賠償請求を将来提起し得る可能性があるとしても,それにより,既に発生している民法709条の不法行為に基づく損害賠償請求権を行使しないことを正当化する理由とはならないから,上記特段の事情は認め難い。 また,被告管理者は,既に本訴において,地方自治法242条の2第1項4号に基づく損害賠償代位請求がなされている以上,重ねて被告管理者は代位に係る請求権を訴訟上行使することはできないのであるから,違法な怠る事実は存しないとも主張するが,訴訟外で当該請求権を行使したり,上記損害賠償代位請求に訴訟参加したりすることは可能であるところ,被告管理者はこれらの措置をとっていないのであるから,その不作為が違法と 事実は存しないとも主張するが,訴訟外で当該請求権を行使したり,上記損害賠償代位請求に訴訟参加したりすることは可能であるところ,被告管理者はこれらの措置をとっていないのであるから,その不作為が違法と評価されることもやむを得ないところである(最高裁判所平成13年12月13日第1小法廷判決・民集55巻7号1500頁。 )(3)そうすると,被告管理者が上記民法709条の不法行為に基づく損害賠償請求権を行使していないことは違法であるというべきであり,本訴における原告の損害賠償代位請求及び怠る事実の違法確認請求は上記2の金額の限度で理由があるものというべきである。 第4 結論 以上の次第で,原告の本訴各請求は主文に判示した限度で理由があるから認容し,その余は理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第2部- 54 -大門匡裁判長裁判官裁判官関口剛弘は差し支えにつき,裁判官菊池章は転補につき,それぞれ署名押印することができない。 大門匡裁判長裁判官

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