平成20(行ウ)32 土地収用補償金請求事件

裁判年月日・裁判所
平成21年3月5日 東京地方裁判所 公用負担・公用収用など
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判決文本文17,405 文字)

-- 主文 本件訴えのうち,別紙原告目録記載の原告番号95番ないし101番の原告らに係る部分をいずれも却下する。 別紙原告目録記載の原告番号1番ないし94番の原告らに係る請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は,原告らの負担とする。 事実 及び理由第1請求 被告は,原告らに対し,別紙補償金請求目録記載の各原告らに対応する金員及びこれらに対する平成19年10月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 仮執行宣言第2事案の概要本件は,都道α線道路整備工事(以下「本件事業」という)の起業地(西。 東京市β地内)にマンションを所有する原告らが,その敷地の一部が収用されたことに伴い,東京都収用委員会が収用裁決において定めた損失補償の額が不服であるとして,土地収用法(以下「法」という)133条2項に基づき,。 被告に対し,上記補償額の増額変更を求めた事案である。 争いのない事実等(証拠により容易に認められる事実は証拠を掲記した)。 (1)事業本件事業は,被告を起業者とし,都道α線(西東京市計画道路×号線)のうち西東京市β地内の延長49.2メートルの区間において幅員16メートルの道路を新設整備する事業である(甲1)。 (2)収用の対象西東京市β所在のA(以下「本件マンション」という)の敷地は,もと。 は一筆の土地(分筆前の西東京市β×番1)であったが,別紙物件目録記載-- 1の土地(分筆後の西東京市β×番1,同記載2の土地(分筆後の同×番)8)及び同記載3の土地(分筆後の同×番9)に分筆され,同記載2の土地。 ,(以下「本件対象地」という)が本件事業のために収用され,残地として同記載1の土地(以下「本件残地1」という)及び同記載3の土地(以下。 「本件残地2」といい,本件残地 され,同記載2の土地。 ,(以下「本件対象地」という)が本件事業のために収用され,残地として同記載1の土地(以下「本件残地1」という)及び同記載3の土地(以下。 「本件残地2」といい,本件残地1と同2を合わせて「本件各残地」という)が生じた(甲1,2)。 。 (3)裁決手続の開始被告は,平成17年7月1日,法39条1項に基づく裁決の申請を行い,これを受けて,東京都収用委員会は,同年8月25日,裁決手続の開始を決定し,平成18年4月21日,法45条の3に規定されている裁決手続開始の登記(以下「本件開始登記」という)が経由された(甲1)。 。 (4)収用裁決東京都収用委員会は,被告の申請に基づき,平成19年7月26日,本件対象地を収用し,権利取得の時期を同年10月23日とする裁決(以下「本件裁決」という)を行い,損失補償に関して次のとおり定めた(甲1)。 。 ア本件対象地の補償額は,1m当たり26万2500円が相当であるが, 起業者の見積額である1m当たり27万0200円の方が高いので,法 48条3項に基づき,1m当たり27万0200円として補償する。 ただし,上記の価格に基づいて算定された補償額の一部については,法82条に基づき,区分所有者らの替地による補償の要求を相当と認め,金銭に代えて次の替地によって補償し,その残額を金銭で補償する。 (ア)本件残地1の南側に接する別紙物件目録記載4及び5の土地(イ)本件残地1の東側に接する別紙物件目録記載6の土地(以下「本件東側替地」という)。 イ残地補償は,本件残地1について1m当たり7900円とし,本件残 地2について1m当たり6万7500円とする。 -- (5)原告らについてア別紙原告目録記載の原告番号1番ないし94番の原告らは,本件開始登記がさ 1m当たり7900円とし,本件残 地2について1m当たり6万7500円とする。 -- (5)原告らについてア別紙原告目録記載の原告番号1番ないし94番の原告らは,本件開始登記がされた平成18年4月21日以前から本件対象地及び本件各残地の所有権を有し,本件裁決の名宛人とされた者である。 イその余の原告ら(原告番号95番ないし101番)7名(以下「本件原告ら7名」という)は,本件開始登記がされた平成18年4月21日の。 後に本件対象地及び本件各残地の所有権を承継取得した者であり,本件裁決の名宛人とされていない者である(甲10ないし13)。 争点 (1)本案前の争点は,本件開始登記後に権利を承継取得した本件原告ら7名が原告適格を有するか否かである(争点1。 ),(2)本案の争点は,本件裁決が定めた補償額の適法性であるが,具体的には①本件対象地に係る補償額の当否(争点2,②本件各残地に係る残地補償)の額の当否(争点3)である。 争点に関する当事者の主張(1)争点1(本件原告ら7名が原告適格を有するか否か)について(原告らの主張)ア法45条の3第1項は「裁決手続開始の登記があった後において,,」当該登記にかかる権利を承継した者は,当該承継を起業者に対抗できない旨を定めているが,これは,裁決手続開始の登記があった後,同登記が抹消されるまでの間は起業者に対抗できないという趣旨と解される。そして,既に本件開始登記は抹消されているから,本件原告ら7名は,土地所有者であることを起業者に対抗でき,本件裁決中の損失の補償に関する訴えについて原告適格を有する。 イ本件原告ら7名は,本件開始登記後に本件マンションの区分所有権及び補償金請求権をその前権利者から承継取得した者であり,本件裁決の既判-- 力が及ぶ に関する訴えについて原告適格を有する。 イ本件原告ら7名は,本件開始登記後に本件マンションの区分所有権及び補償金請求権をその前権利者から承継取得した者であり,本件裁決の既判-- 力が及ぶ承継人(行政事件訴訟法7条,民事訴訟法115条1項3号)に当たるから,行政事件訴訟法9条1項の法律上の利益を有する者として,本件裁決のうち損失の補償に関する訴えについて原告適格を有する。 ウ本件原告ら7名は,債務者たる前権利者の補償金請求権につき,債権者代位権を行使して起業者に対し補償金を請求できるから,法定訴訟担当として,本件裁決のうち損失の補償に関する訴えの原告適格を有する。 エ本件原告ら7名は,前権利者から本件訴訟追行についての授権を受けており,本件原告ら7名が前権利者に代わって訴訟を行っても,弁護士代理や訴訟信託禁止の原則について脱法のおそれはなく,これを認める合理的必要もあるから,任意的訴訟担当として,本件裁決のうち損失の補償に関する訴えの原告適格を有する。 (被告の主張)ア法133条3項は,損失の補償に関する訴えの当事者となるべき者として「土地所有者」を掲げているところ,法45条の3第1項は,裁決手続開始の登記があった後において,当該登記にかかる権利を承継した者は,当該承継を起業者に対抗できない旨を定めているから,法133条3項の「土地所有者」は,裁決手続開始の登記があった時点の土地所有者に限られ,その後に土地所有権や損失補償請求権を譲り受けた者は含まれない。 したがって,本件開始登記の後に土地所有権や損失補償請求権を譲り受けた本件原告ら7名は,損失の補償に関する訴えを提起することができる「土地所有者」に当たらない。 イ損失の補償に関する訴え(法133条2項,3項)は,行政事件訴訟法4条が定める当事者訴訟であり,取消訴訟につ 告ら7名は,損失の補償に関する訴えを提起することができる「土地所有者」に当たらない。 イ損失の補償に関する訴え(法133条2項,3項)は,行政事件訴訟法4条が定める当事者訴訟であり,取消訴訟について定める行政事件訴訟法9条の適用はもとより準用規定も存在しないから,本件原告ら7名が行政事件訴訟法9条に基づいて原告適格を有するとの主張は失当である。 ウ裁決手続開始の登記後の土地の承継取得者は,起業者が認めない限り,-- 補償金請求権を承継取得することはないから(法45条の3,本件原告)ら7名が補償金請求権を行使する余地はないし,また,原告らが補償金請求権を取得したとしても,補償金請求権は起業者に対する権利であって前権利者に対する権利でないから,そもそも債権者代位の被保全権利とはなり得ないのであって,本件原告ら7名が前権利者の補償金請求権を代位行使することはあり得ない。 (2)争点2(本件対象地に係る補償額の当否)について(原告らの主張)法71条の「相当な価格」は,収用される土地の近傍類地における代替地を取得するに充分な金額でなければならない。そして,隣地購入の場合には5割増の価格となることが珍しくないところ,本件対象地の近傍類地が1m当たり34万1863円で取引された事例があるから,その5割増の1m 当たり51万2794円が本件対象地の「相当な価格」である。 そして,本件対象地(実測765.61m)のうち替地補償された合計 440.03mでは足りない325.58m分について,本件マンショ ンの敷地に隣接した土地を買い増すに充分な補償をすべきであるから,追加補償すべき額は,以下のとおり8765万5903円になる。 (54万0997円(51万2794円/m(上記の相当な価格)×1. 055(取得諸費用相当分)-2 すに充分な補償をすべきであるから,追加補償すべき額は,以下のとおり8765万5903円になる。 (54万0997円(51万2794円/m(上記の相当な価格)×1. 055(取得諸費用相当分)-27万0200円/m(補償額)×1. ) 0058(法71条の修正率)×325.58m=8765万5903) 円また,本件東側替地の取得価格は,実際に1m当たり39万4000円 であり,本件対象地の補償金を1m当たり27万0200円としたのは, 低きに失したことが明らかであるから,本件東側替地取得のために持ち出しとなった(39万4000円/m-27万0200円/m×1.005 8(法71条の修正率)×230.73m(本件東側替地の実測面積)) -- =2820万2820円についても追加補償されるべきである。 (被告の主張)本件裁決は,不動産鑑定士3名の鑑定が,本件対象地の価格について1m当たり27万2000円,25万3000円及び26万2600円であり, いずれも取引事例比較法,収益還元法,開発法によって求めた価格を基に規準価格との均衡にも配慮して定められたものであって合理的であり,優劣を付け難かったことから,これらを相加平均した約26万2500円を本件対象地の価格と認めたものであり,しかも,本件裁決は,法48条3項を適用し,起業者の見積額である1m当たり27万0200円を採用した。よっ て,この単価に基づいて算定された補償額に不足がないことは明らかである。 また,本件東側替地は,旧所有者が,先祖伝来の畑であったことなどの事情により手放す意思が乏しかったために1m当たり39万4000円とい う高額になったのであって,客観的かつ正常な市場価格を反映したものでない。 (3)争点3(本件各残地に係る残地補償の額の当 事情により手放す意思が乏しかったために1m当たり39万4000円とい う高額になったのであって,客観的かつ正常な市場価格を反映したものでない。 (3)争点3(本件各残地に係る残地補償の額の当否)について(原告らの主張)ア本件残地1は,本件対象地の収用により三角形の不整形地となるから,相続税の財産評価基本通達を参考にして,本件対象地の相当な価格(1m当たり51万2794円)につき5%の減価をすべきであり,減価分を 残地補償すべきである。したがって,追加補償の額は,54万0997円(51万2794円×1.055(諸費用分)×2890.58m×) 0.05(減価率)-2295万7142円(裁決の認定額)=5523万2613円である。 イ本件残地2は,本件対象地の収用により狭小な土地になるから,相続税の財産評価基本通達を参考にして,本件対象地の相当な価格(1m当た り51万2794円)につき30%の減価をすべきであり,その減価分を-- 残地補償すべきである。追加補償の額は,54万0997円(51万2794円×1.055(諸費用分)×93.92m×0.3(減価率)) -633万9600円(裁決の認定額)×1.0058(法71条の修正率)=886万6762円である。 また,本件対象地及び本件残地2に設置されていた11台分の機械式立体駐車設備が撤去されることにより,本件残地2には2台しか駐車できなくなるから,残りの9台分の45年分(本件マンションの耐用年数)の駐車場使用料(1台につき月1万2000円)相当額である9台×1万2000円×12か月×23.230717(45年のホフマン係数)=3010万7009円を追加補償すべきである。 (被告の主張)ア本件裁決は,不動産鑑定士3名の鑑定が本件残地1の減価率について3% 00円×12か月×23.230717(45年のホフマン係数)=3010万7009円を追加補償すべきである。 (被告の主張)ア本件裁決は,不動産鑑定士3名の鑑定が本件残地1の減価率について3%で一致し,不合理でなかったことから減価率を3%と認めたものである。 そこで,本件裁決は,1m当たり26万2500円(本件対象地の相当 な価格)×3%=1m当たり7900円に基づいて,本件残地1の残地 補償の額を算定したものであり,その補償額に不足はない。 イ本件裁決は,本件残地2に関する不動産鑑定士3名の鑑定,すなわち,減価率26%,23%及び28%がいずれも合理的で優劣を付け難かったことから,これらを相加平均した25.7%を減価率と認めた上で,1m当たり26万2500円(本件対象地の相当な価格)×25.7%=1 m当たり6万7500円に基づいて本件残地2の残地補償の額を算定し たものであり,その補償額に不足はない。 第3争点に対する判断 争点1(本件原告ら7名が原告適格を有するか否か)について(1)法45条の3第1項は,裁決手続開始の登記があった後に,当該登記に係る権利を承継した者は,当該承継を起業者に対抗することができない旨定-- めている。これは,裁決手続開始の登記がされた後に,収用対象地の所有者等の変更が生じた場合でも,収用委員会は,その登記がされた時点における土地所有者等を裁決手続の当事者として審理を進め,その土地所有者等を名宛人として裁決をすれば足りるとすることで,裁決手続の円滑かつ迅速な進行を確保しようとしたことにある。 そして,法133条3項は,収用委員会の裁決に関する不服のうち,損失補償に関するものについては,起業者と被収用者との間の訴訟によって解決させることとしているが,これは,損失補償に関する争いは, る。 そして,法133条3項は,収用委員会の裁決に関する不服のうち,損失補償に関するものについては,起業者と被収用者との間の訴訟によって解決させることとしているが,これは,損失補償に関する争いは,裁決手続の当事者である起業者と被収用者との間で解決させることが可能であり,また,その当事者間で解決させることが適当であるからであると解される(最高裁昭和58年9月8日第一小法廷判決・判例時報1096号62頁参照。 。)そうすると,法133条3項が,起業者に対して訴訟を提起できる者として定めている「土地所有者」とは,裁決手続において,起業者に対して自らの権利を対抗できる被収用者,すなわち裁決手続開始の登記がされたときの「土地所有者」であると解すべきである。 これを本件についてみるに,本件原告ら7名は,いずれも,本件開始登記がされた平成18年4月21日の後に,本件開始登記時の所有者から権利を承継した者であって,起業者には対抗できない者であり,起業者からこれらの者を積極的に裁決手続の当事者として扱うことにした事実も窺えないから,原告ら7名は,法133条3項によって損失補償の訴えを提起することができるとされている「土地所有者」には当たらないというべきである。 したがって,本件訴えの原告適格を有さないというべきであり,本件原告ら7名の訴えはいずれも不適法である。 (2)この点について,本件原告ら7名は,種々の理由を掲げて,本件原告ら7名は,本件訴えの原告適格を有する旨主張するので,以下検討する。 アまず,本件原告ら7名は,法45条の3第1項は,裁決手続開始の登記-- があった後,同登記が抹消されるまでの間についてを対象として規定するものであるところ,本件においては既に同登記が抹消されているから,本件原告ら7名は原告適格を有するに至ったと主張す 登記-- があった後,同登記が抹消されるまでの間についてを対象として規定するものであるところ,本件においては既に同登記が抹消されているから,本件原告ら7名は原告適格を有するに至ったと主張する。 しかしながら,前示のように,起業者に対して法133条の損失補償の訴えを提起することができる土地所有者は,裁決手続において,起業者に対して自らの権利を対抗できる被収用者,すなわち裁決手続開始の登記がされた時の土地所有者であると解すべきであり,裁決手続の終了によって裁決手続開始の登記が抹消されたからといって,このことに変容が来されるべき理由はおよそ見出し難いから,この点についての本件原告ら7名の主張は採用できない。 イまた,本件原告ら7名は,同原告らに本件裁決の既判力が及ぶから,行政事件訴訟法9条1項の法律上の利益を有し,原告適格を有すると主張する。しかしながら,行政庁の裁決の「既判力」などというものはおよそ観念し難いから,これを前提とする主張は失当であることはもとより,損失の補償に関する訴えは,行政事件訴訟法4条前段のいわゆる形式的当事者訴訟に当たるところ,当事者訴訟には行政事件訴訟法9条は準用されない(同法41条参照)から,同条項によって原告適格を有するとする主張もまた失当であるといわざるを得ない。 したがって,この点に関する本件原告ら7名の主張は採用できない。 ウそして,本件原告ら7名は,旧所有者の起業者に対する補償金請求権を債権者代位(民法423条)により行使するものであると主張する。 しかしながら,前示のとおり,法は,裁決手続の円滑かつ迅速な進行を確保するために,損失補償に関する争いは,裁決手続の起業者に対抗できる被収用者に限り訴えることができるとしているのであるから,仮に,本件原告ら7名が,民法上の債権者代位の要件を満たしてい 速な進行を確保するために,損失補償に関する争いは,裁決手続の起業者に対抗できる被収用者に限り訴えることができるとしているのであるから,仮に,本件原告ら7名が,民法上の債権者代位の要件を満たしていたとしても,法133条3項の定める原告適格を有しない同原告らは,法133条が設け-- た損失補償に関する訴えを提起することができないことは明らかである。 また,そもそも本件原告ら7名は,債権者代位の被保全権利としていかなる権利を主張するのか明らかでなく,被保全権利の存在を認めるに足りる証拠もない。 よって,この点に関する本件原告ら7名の主張は採用できない。 エさらに,本件原告ら7名は,旧所有者から本訴追行の授権を受けたから,任意的訴訟担当が許容されるべきであると主張する。 しかしながら,そもそも任意的訴訟担当は,民事訴訟法が訴訟代理人を原則として弁護士に限り,また,信託法が訴訟行為をなさしめることを主たる目的とする信託を禁止している趣旨に照らし,当該訴訟担当がこのような制限を回避,潜脱するおそれがなく,かつ,これを認める合理的必要がある場合にのみ許容されると解されるところ(最高裁昭和45年11月11日大法廷判決・民集24巻12号1854頁参照,法133条が,。)前示のとおり損失補償に関する訴えの当事者適格を裁決手続の当事者である起業者と土地所有者等に限定していることに鑑みれば,これに該当せず,また,弁護士でもない者に,訴訟を担当させることを法が許容しているとはおよそ考え難く,またそれを許容すべき合理的必要があるとも認め難い。 よって,この点に関する本件原告ら7名の主張は採用できない。 争点2(本件対象地に係る補償額の当否)について(1)法68条は,土地を収用することによって土地所有者又は関係人が受ける損失は,起業者が補償しなけ に関する本件原告ら7名の主張は採用できない。 争点2(本件対象地に係る補償額の当否)について(1)法68条は,土地を収用することによって土地所有者又は関係人が受ける損失は,起業者が補償しなければならない旨を定め,法71条は,収用する土地に対する補償金の額は「近傍類地の取引価格等を考慮して算定した,事業の認定の告示の時における相当な価格に,権利取得裁決の時までの物価の変動に応ずる修正率を乗じて得た額」とする旨を定めているところ,法71条の「相当な価格」とは,金銭をもって補償する場合には,被収用者が近傍において被収用地と同等の代替地等を取得することを可能とするに足りる-- 金額(最高裁昭和48年10月18日第一小法廷判決・民集27巻9号1210頁参照)というものと解するのが相当である。 。 そして,法88条の2は,法71条の適用に関し必要な事項の細目は政令で定める旨を定めており,この委任を受けて制定された「土地収用法第八十八条の二の細目等を定める政令(以下「細目政令」という)1条は,法7」。 1条の相当な価格は,近傍類地の取引事例が収集できるときは,当該取引事例における取引価格に取引が行われた事情,時期等に応じて適正な補正を加えた価格を基準とし,当該近傍類地及び収用する土地に関する位置,形状,環境,収益性及び一般の取引における価格形成上の諸要素を総合的に比較考量し,必要に応じ,借賃等の収益から推定される当該土地の価格,土地所有者が当該土地の取得及び改良又は保全のため支出した金額及び当該土地についての固定資産税評価額その他の課税の場合の評価額をも参考にして算定すべきものと定めている。したがって,これらの諸要素を考慮した上で,補償すべき「相当な価格」を判断すべきである。 (2)そこで,このような観点から本件対象地の「相当な 場合の評価額をも参考にして算定すべきものと定めている。したがって,これらの諸要素を考慮した上で,補償すべき「相当な価格」を判断すべきである。 (2)そこで,このような観点から本件対象地の「相当な価格」について検討するに,それぞれ文中に掲記した証拠によれば,東京都収用委員会が本件裁決を行うに当たって依拠した3名の不動産鑑定士による鑑定(以下「本件各鑑定」という)は,次のような内容であったと認められる。 。 ア不動産鑑定士B(以下「B鑑定士」という)の鑑定(以下「B鑑定」。 という(乙5の2)。)(ア)標準画地の設定同一需給圏を西東京市全般,近隣地域を本件対象地を基点とする都道沿い約100mまでの範囲とし,幅員7mの市道沿いの標準的画地を間口10m,奥行15m,整形(長方形,地積150m程度の一般住) 宅敷地と判断した。 (イ)本件対象地の個別的要因-- 本件対象地は,台形で標準画地に比べやや不整形なのでマイナス1%,地積大による面大減価としてマイナス5%,市道2路線に接する角地によりプラス2%を相乗して,標準画地との格差率を96%と評価した。 (ウ)取引事例比較法による評価額(比準価格)近隣地域及び同一需給圏内の類似地域における①ないし④の取引事例(①西東京市γ,②同市δ,③同市ε,④同市ζ)の1m当たりの取 引価格(①32万6607円,②33万2201円,③29万7360円,④25万7908円)を基礎として,事情補正,時点修正,標準化補正,地域格差補正を行った価格(①29万3000円,②28万7000円,③29万円,④29万円)を算出し,標準画地の価格を1m2当たり29万円と査定し,公示地(西東京市η)の公示価格24万円を補正して得た規準価格27万5000円を考慮していったん標準画地の更地価格を29万 万円,④29万円)を算出し,標準画地の価格を1m2当たり29万円と査定し,公示地(西東京市η)の公示価格24万円を補正して得た規準価格27万5000円を考慮していったん標準画地の更地価格を29万円と査定し,これに標準画地との格差率96%を乗じ,取引事例比較法による本件対象地の比準価格を1m当たり27万80 00円と査定した。 (エ)開発法による価格現存する本件マンションの仕様,規模を標準とするマンション分譲を想定し,開発法による価格を1m当たり26万6000円と査定した。 (オ)収益還元法による価格(収益価格)最有効利用に基づく賃貸マンションの建築を想定し,収益価格を1m当たり21万4000円と査定した。 (カ)地価公示価格を規準として求めた価格上記(ウ)において,地価公示価格を規準として求めた価格を考慮した。 (キ)本件対象地の鑑定評価額試算価格の調整に当たり,価格の接近して得られた比準価格((ウ))と開発法による価格((エ))を等分に関連付け,その価格の中庸値をも-- って,本件対象地の鑑定評価額を1m当たり27万2000円とした。 イ不動産鑑定士C(以下「C鑑定士」という)の鑑定(以下「C鑑定」。 という(乙5の3)。)(ア)標準画地の設定同一需給圏は,西東京市及び隣接市の住宅地域,近隣地域の範囲は,本件対象地が接する北側道路沿い北東方約250mの同一用途地域の範囲内とし,標準的画地を幅員7mの市道沿い,間口10m,奥行12m,長方形,地積120m程度の住宅地域と判断した。 (イ)本件対象地の個別的要因本件対象地は,北西及び南西側が道路に接面する角地であるのでプラス3%,地積大による減価としてマイナス10%,やや不整形地で宅地の有効利用度がやや劣ることによるマイナス1%を相乗して, の個別的要因本件対象地は,北西及び南西側が道路に接面する角地であるのでプラス3%,地積大による減価としてマイナス10%,やや不整形地で宅地の有効利用度がやや劣ることによるマイナス1%を相乗して,標準画地との格差率を92%と評価した。 (ウ)取引事例比較法による評価額(比準価格)近隣地域及び同一需給圏内の類似地域における①ないし④の取引事例(①西東京市γ,②同市θ,③同市θ,④同市θ)の1m当たりの取 引価格(①31万円,②28万8000円,③24万2000円,④22万1000円)を基礎として,事情補正,時点修正,標準化補正,地域要因格差補正を行った価格(①28万円,②28万6000円,③28万6000円,④28万5000円)を算出し,これらの価格を考慮して標準画地の価格を1m当たり28万4000円と査定し,これに 標準画地との格差率92%を乗じて,取引事例比較法によって求めた本件対象地の比準価格を1m当たり26万1000円と査定した。 (エ)開発法による価格開発法による価格は,一体利用(マンションの建築,分譲)を前提として1m当たり24万4000円,画地分割(一般住宅地としての標 -- 準的な画地に分割,更地分譲)を前提として1m当たり18万300 0円とそれぞれ査定した。 (オ)収益還元法による価格(収益価格)鉄筋コンクリート造7階建の共同住宅を想定し,収益価格を1m当 たり22万3000円と査定した。 (カ)地価公示価格を規準として求めた価格(規準価格)本件対象地の同一需給圏内の類似地域に存する公示地の公示価格(西東京市η)を標準として,規準価格を1m当たり23万3000円と 査定した。 (キ)本件対象地は,画地規模が大きいため個人の需要は極めて少なく,開発業者の需要が中心になると考えられ, 示価格(西東京市η)を標準として,規準価格を1m当たり23万3000円と 査定した。 (キ)本件対象地は,画地規模が大きいため個人の需要は極めて少なく,開発業者の需要が中心になると考えられ,取引事例比較法による比準価格及び一体利用を前提とする開発法による価格が,他の試算価格よりも説得力を持つと判断されることから,収益価格は参考にとどめ,規準価格との均衡を十分に考慮した上で,本件対象地の鑑定評価額を1m当 たり25万3000円とした。 ウ不動産鑑定士D(以下「D鑑定士」という)の鑑定(以下「D鑑定」。 という(乙5の4)。)(ア)標準画地の設定同一需給圏は,西東京市及び隣接する東久留米市,練馬区内の住宅地域であり,近隣地域は,西東京市βのうち,第1種中高層住居専用地域に存する住宅地域の範囲とし,標準的画地を幅員7mの市道,長方形の中間画地1500m程度の戸建住宅及び共同住宅と判断した。 (イ)本件対象地の個別的要因本件対象地は,北西及び南西側が道路に接面する角地であることによるプラス3%,南端部に凹凸のあるやや不整形な画地であることによるマイナス2%を相乗して,標準画地との格差率を101%と評価した。 -- (ウ)取引事例比較法による評価額(比準価格)同一需給圏内の類似地域である練馬区に存し,買主が宅地開発業者である開発素地の①ないし④の取引事例(①練馬区ι,②同区ι,③同区κ,④同区λ)の1m当たりの取引価格(①19万8830円,②2 4万1547円,③26万2252円,④25万7118円)を基礎として,事情補正,時点修正,標準化補正,地域格差補正を行った価格(①24万0300円,②25万3900円,③26万2300円,④24万0700円)を算出し,これらの価格を考慮して標準画地の価格を1m当た 事情補正,時点修正,標準化補正,地域格差補正を行った価格(①24万0300円,②25万3900円,③26万2300円,④24万0700円)を算出し,これらの価格を考慮して標準画地の価格を1m当たりの比準価格を24万9000円と査定した。 (エ)開発法による価格標準画地上に鉄筋コンクリート造5階建の分譲マンションを建設してこれを分譲することを想定し,開発法による価格を1m当たり27万 1000円と査定した。 (オ)収益還元法による価格(収益価格)標準画地上に鉄骨造3階建の共同住宅を建築して賃貸することを想定し,収益価格を1m当たり21万7000円と査定した。 (カ)地価公示価格を規準として求めた価格(規準価格)中層のマンションの使用を標準的とする標準地(三鷹市μ,東久留米市ν)の地価公示価格を規準として,標準画地の規準価格を1m当た り23万7000円及び23万5000円と査定した。 (キ)上記(ウ)の取引事例は,開発業者が買主となっており取引に当たって特段の事情は認められなかったことから類似性及び規範性を有しており,また,本件対象地のような比較的大規模な画地については,開発法による価格が規範性を有しており,両試算価格は,等しく妥当性を有することから,両試算価格を均等に関連付けて,標準画地の価格を1m2当たり26万円と査定し,その上で,標準画地との格差率101%-- ((イ))を乗じて,本件対象地の鑑定評価額を1m当たり26万26 00円とした。 (3)以上のB鑑定,C鑑定及びD鑑定は,いずれも,本件対象地の近隣地域又は類似地域から選択された取引事例に基づく取引事例比較法による比準価格,収益還元法による収益価格,開発法による価格を算定し,地価公示価格を規準として求めた規準価格との均衡にも配慮していた上で 地域又は類似地域から選択された取引事例に基づく取引事例比較法による比準価格,収益還元法による収益価格,開発法による価格を算定し,地価公示価格を規準として求めた規準価格との均衡にも配慮していた上で,最終的には,取引事例比較法による比準価格及び開発法による価格を主たる根拠として本件対象地の価格を決定しているものであり,その鑑定手法は,いずれも細目政令の定める価格算定上の諸要素を考慮したものであって特段不合理な点は見当たらず,最終的な1m辺りの鑑定評価額をみても,B鑑定が27万2 000円,C鑑定が25万3000円及びD鑑定が26万2600円であり,いずれも26万円前後に収まり大差ないことからすると,これらの価格は,鑑定意見としていずれも合理性を有するものであると認められる。 そして,一般に土地評価に精通していると考えられる不動産鑑定士による土地の評価額については,その評価の過程の合理性を検証し,不合理な点が見当たらない場合には,その結論は合理性を有するものと考えられるところ,仮に,結論を異にする複数の評価が存在する場合には,それらの合理性を比較検討し,その結果,いずれも合理性を有し,優劣を付けることができないとの結論に至った場合には,これらの評価を相加平均することによって相当な価格を求めることが合理的であると解される。 これを本件についてみるに,B鑑定,C鑑定及びD鑑定は,いずれも鑑定意見として合理性を有するものであって,それらの優劣を付けることができないと認められるから,これらを相加平均することにより最も妥当な結論を導くことができると解すべきである。そこで,本件対象地の1m当たりの 金額であるB鑑定の27万2000円,C鑑定の25万3000円及びD鑑定の26万2600円を相加平均すると26万2533円となるから,これ-- きである。そこで,本件対象地の1m当たりの 金額であるB鑑定の27万2000円,C鑑定の25万3000円及びD鑑定の26万2600円を相加平均すると26万2533円となるから,これ-- を法71条の相当な価格と認めるべきであり,本件裁決が相当とした本件対象地の1m当たりの価格26万2500円は,妥当な金額であったという ことができる。 そして,本件裁決は,収用委員会は損失の補償に関する事項について起業者等が申し立てた範囲を超えて裁決してはならない旨を定める法48条3項を適用して,本件対象地の1m当たりの価格として27万0200円を採 用したのであるから,この単価を基礎として定められた補償金の額は,法71条の相当な価格を下回るものではないと認めるのが相当である。 (4)原告らの主張についてア原告らは,本件各鑑定の取引事例比較法において基礎とされた取引事例は,本件対象地から遠く離れているから,不適切である旨を主張する。 しかしながら,そもそも取引事例比較法とは,一般に,対象不動産の近隣地域又は類似地域から取引事例を選択し,これと対象不動産との間で事情補正,時点修正,標準化補正及び地域格差補正を行って,価格を試算する手法であるところ,本件各鑑定においては,取引事例として本件対象地の近隣地域及び同一需給圏内の類似地域における住宅地域の土地が選択されていることが認められ(乙5の2,3,選択された取引事例に関して)も,事情補正,時点修正,標準化補正及び地域格差補正がされており,その修正が適切に行われていないことをうかがわせるに足りる証拠はない。 よって,取引事例の選択が不適切であるとの原告らの主張は採用できない。イ次に,原告らは,本件マンションの区分所有者である原告らは,マンションの敷地に接した土地を買い増して従前の容積率及 拠はない。 よって,取引事例の選択が不適切であるとの原告らの主張は採用できない。イ次に,原告らは,本件マンションの区分所有者である原告らは,マンションの敷地に接した土地を買い増して従前の容積率及び駐車場用地を確保することを欲しているから,近隣の取引事例こそを相当な価格の算定の上での根拠とすべきであり,本件各鑑定が収益価格,開発価格,公示価格を問題にしたことは,原告らにとって全く無意味なことである旨を主張する。 しかしながら,前示のとおり,法及び細目政令は,近傍類地の取引事例-- だけでなく「借賃等の収益から推定される当該土地の価格,土地所有者,が当該土地の取得及び改良又は保全のため支出した金額及び当該土地についての固定資産税評価額その他の課税の場合の評価額」をも参考にすべき旨を定めている(法71条,88条の2,細目政令1条)から,原告らの主張は,これを全く考慮しないものであり,法71条の相当な価格の算定方法としておよそ不適切といわざるを得ないから,採用の限りではない。 ウさらに,原告らは,本件対象地の近隣における土地付建物の取引事例を根拠として,本件対象地の相当な価格は,その取引事例の5割増しの1m当たり51万2794円であると主張する。 しかしながら,法88条の2に基づいて定められた細目政令1条は,近傍類地の取引事例が収集できるときは,当該取引事例における取引価格に取引が行われた事情,時期等に応じて適正な補正を加えた価格を基準とすることを,法71条の相当な価格を求めるに当たっての要素としているところ,原告らが挙げる取引事例(1m当たり34万1863円)につい ては,全く事情補正,時点修正,標準化補正及び地域要因格差補正等の修正がされていないばかりか,土地付建物の売出し価格をそのまま採用した上で,その価格をさらに5 1m当たり34万1863円)につい ては,全く事情補正,時点修正,標準化補正及び地域要因格差補正等の修正がされていないばかりか,土地付建物の売出し価格をそのまま採用した上で,その価格をさらに5割増しにして算定するなどというおよそ根拠に乏しい算出方法を用いており不合理というほかない。 したがって,この点についての原告らの主張は採用できない。 (5)そして,他に,本件対象地の補償金の額が,不相当であることを認めるに足りる証拠はない。 争点3(本件各残地に係る残地補償の額の当否)について,(1)法74条1項は,同一の土地所有者に属する一団の土地の一部を収用し又は使用することによって残地の価格が減じ,その他残地について損失が生ずるときは,その損失を補償しなければならない旨を定めており,同条2項は,残地補償の額について,法71条の例による旨を定めている。よって,-- 残地補償の額についても,前記2(1)の観点から判断すべきである。 (2)そこで,まず,本件残地1について検討するに,証拠(乙5の5ないし7)によれば,B鑑定士,C鑑定士及びD鑑定士は,いずれも,不整形であることを理由として減価率をマイナス3%と査定したことが認められ,そのことに不合理な点は見当たらない。そして,前記2のとおり本件対象地の相当な価格は1m当たり26万2533円と認められるから,これに減価率 マイナス3%を乗じた7876円をもって残地補償の額と認めるべきである。 そうすると,本件裁決が,本件残地1の残地補償の基準額を1m当たり 7900円としたことは正当であり,その額に不足はないというべきである。 (3)次に,本件残地2について,証拠(乙5の5ないし7)によれば,B鑑定士は,地積につきプラス3%,不整形につきマイナス10%,奥行短小につきマイナス あり,その額に不足はないというべきである。 (3)次に,本件残地2について,証拠(乙5の5ないし7)によれば,B鑑定士は,地積につきプラス3%,不整形につきマイナス10%,奥行短小につきマイナス20%であることを考慮して,減価率をマイナス26%と査定し,C鑑定士は,形状につきマイナス30%,地積につきプラス10%を考慮して,減価率をマイナス23%と査定し,D鑑定士は,規模の小さい不整形地につきマイナス20%,奥行短小につきマイナス10%であることを考慮して,減価率をマイナス28%と査定したことが認められる。 そして,本件各鑑定は,いずれも地積及び形状などの同様の要素を考慮しており,その結果得られた減価率がマイナス23%から28%までの間に収斂していることからすると,いずれも合理的で優劣を付けることができないというべきであるから,これらを相加平均して最も妥当な結果を導くのが相当である。これによれば,B鑑定のマイナス26%,C鑑定のマイナス23%,D鑑定のマイナス28%を相加平均したマイナス25.7%を減価率として相当と認めるべきであり,本件対象地の相当な価格である1m当たり 26万2533円に減価率マイナス25.7%を乗じた1m当たり6万7 471円をもって残地補償の額と認めるべきである。 そうすると,本件裁決が,本件残地1の残地補償の基準額を1m当たり6 -- 万7500円としたことは正当であり,その額に不足はないというべきである。 なお,原告らは,本件対象地及び本件残地2に設置された機械式立体駐車設備の撤去を余儀なくされ,45年分の駐車場使用料相当額が生ずると主張する。しかしながら,証拠(甲1)によれば,当該立体駐車設備については,本件裁決において,構外に移転することを前提としてその移転費用が補償されている(工作物補 年分の駐車場使用料相当額が生ずると主張する。しかしながら,証拠(甲1)によれば,当該立体駐車設備については,本件裁決において,構外に移転することを前提としてその移転費用が補償されている(工作物補償)ことが認められ,しかも,原告らに対しては,金銭補償及び替地補償がされており,移設先の駐車場用地を確保するための補償も行われているのであるから,原告らに45年分の駐車場使用料相当額の損害が発生したとは認められず,原告らの上記主張は採用できない。 第4 結論 以上によれば,本件訴えのうち,別紙原告目録記載の原告番号95番ないし101番の原告ら(本件原告ら7名)に係る部分は不適法であるからいずれも却下し,その余の原告らに係る請求はいずれも理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担について行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条,65条1項本文を適用して,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第3部裁判長裁判官定塚誠裁判官谷口豊-- 裁判官工藤哲郎

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