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平成10(ワ)414 不当利得返還等請求,損害賠償請求

裁判所

平成14年3月25日 神戸地方裁判所

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30,819 文字

判決平成14年3月25日神戸地方裁判所平成10年(ワ)第414号不当利得返還等請求事件(第1事件) 平成11年(ワ)第1455号損害賠償請求事件(第2事件) 主文 1 第1事件原告及び第2事件原告の請求をいずれも棄却する。2 訴訟費用は,第1,第2事件とも原告の負担とする。事実 第1 請求(第1事件)1(1) 主位的請求被告兵庫県信用保証協会は、原告に対し、2010万円及びこれに対する平成10年3月11日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。(2) 予備的請求被告兵庫県信用保証協会は、原告に対し、1479万6626円及びこれに対する平成10年3月11日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。2 被告国は、原告に対し、1579万6626円及びこれに対する平成10年3月12日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。(第2事件)被告甲は,原告に対し,1479万6626円及びこれに対する平成11年8月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。第2 事案の概要本件は,原告が競売によって取得した土地の実測面積が,公簿上の面積の約半分しかなかったとして,(1) 被告兵庫県信用保証協会(以下,「被告信用保証協会」という。)に対しては,主位的に別紙物件目録記載の土地(以下,「本件土地」という。)につき,解除に基づく損害賠償請求として競落代金全額及び遅延損害金の賠償を,また,予備的に民法568条2項及び565条に基づく代金減額請求として,本件土地の適正評価額と競落価格の差額の返還及び遅延損害金の賠償を,(2) 被告国に対して 全額及び遅延損害金の賠償を,また,予備的に民法568条2項及び565条に基づく代金減額請求として,本件土地の適正評価額と競落価格の差額の返還及び遅延損害金の賠償を,(2) 被告国に対しては,国家賠償法1条1項により執行官及び執行裁判所の違法行為に基づく損害賠償請求として,本件土地の適正評価額と競落価格の差額,弁護士費用及び遅延損害金の賠償を,(3) 被告甲に対しては,不法行為に基づく損害賠償請求として,本件土地の適正評価額と競落価格の差額及び遅延損害金の賠償を,それぞれ求めた事案である。 して,本件土地の適正評価額と競落価格の差額の返還及び遅延損害金の賠償を,(2) 被告国に対しては,国家賠償法1条1項により執行官及び執行裁判所の違法行為に基づく損害賠償請求として,本件土地の適正評価額と競落価格の差額,弁護士費用及び遅延損害金の賠償を,(3) 被告甲に対しては,不法行為に基づく損害賠償請求として,本件土地の適正評価額と競落価格の差額及び遅延損害金の賠償を,それぞれ求めた事案である。1 争いのない事実等以下の事実は,当事者間に争いがないか,証拠上容易に認められる(証拠を掲記しない事実は当事者間に争いがない。)。(1) 事実経過ア執行裁判所であった神戸地方裁判所洲本支部裁判官(以下,「裁判所」という。)は,平成8年10月9日,洲本支部平成8年(ケ)第23号不動産競売事件(以下,「本件競売事件」という。)につき,同支部執行官に対し,本件土地を含む土地及び建物についての現況調査を命じ,同日乙執行官が上記現況調査を担当することになった。また,同日裁判所は,被告甲に対し,本件土地を含む土地及び建物について,評価命令を行った。イ同年11月12日,乙執行官は,神戸地方法務局三原出張所を訪れ,本件土地等に関する土地登記簿謄本,公図,地積測量図等を各閲覧調査し,本件土地の土地登記簿謄本,本件土地上に存在する建物登記簿謄本,公図,1126番31土地の地積測量図の写しを入手した。同公図によれば,1126番8の土地の南側には,順に1126番31,同番30,同番1,同番36及び同番37の各土地が存在していた。(乙13)ウ本件土地の登記簿謄本には,旧1126番 。同公図によれば,1126番8の土地の南側には,順に1126番31,同番30,同番1,同番36及び同番37の各土地が存在していた。(乙13)ウ本件土地の登記簿謄本には,旧1126番8の土地779.66平方メートルが,昭和45年12月18日に,1126番8,同30,同31の土地に分筆され,登記簿上の面積は,429.68平方メートルであるとの記載がされていた。また,登記簿上家屋番号362番ないし同366番の各建物が1126番8の地番上に存在していた旨が記載されていた。(甲13ないし17)エ平成8年12月3日,乙執行官は,本件土地所在地に赴いた。そして,乙執行官は,別紙平面図5の地点ないし10の地点にのべ石が存在していたのを見つけ,これが本件土地上に所在した建物の基礎であって,本件土地と1126番31の土地の一応の境界であると見当をつけた。 がされていた。また,登記簿上家屋番号362番ないし同366番の各建物が1126番8の地番上に存在していた旨が記載されていた。(甲13ないし17)エ平成8年12月3日,乙執行官は,本件土地所在地に赴いた。そして,乙執行官は,別紙平面図5の地点ないし10の地点にのべ石が存在していたのを見つけ,これが本件土地上に所在した建物の基礎であって,本件土地と1126番31の土地の一応の境界であると見当をつけた。(乙13,証人乙)オ同月9日,乙執行官は本件土地所在地を訪れ,本件土地の西方に位置する1126番6に居住する訴外清水方を訪れ,家人と思われる60歳くらいの女性から聞き取り調査を行った。この際,乙執行官は,上記女性から本件土地は本件競売事件の所有者兼債務者であった訴外丙が所有しており,洗濯物が干されている1126番31の土地は別の所有者の土地であること,本件土地は何も置かれていない一番北側の更地(以下,「北側更地」という。)であることなどの説明を受けた。(乙13,証人乙)カ乙執行官は,これを聞き,本件競売事件の目的物件が北側更地に間違いないこと及び同物件の所有者が丙であると考えた。(乙13,証人乙)キ同日,乙執行官は,丙に対し,本件土地の所有関係及び占有関係について照会書を発送し,それに対して同月16日に同人から送られてきた回答書には 所有者が丙であると考えた。(乙13,証人乙)キ同日,乙執行官は,丙に対し,本件土地の所有関係及び占有関係について照会書を発送し,それに対して同月16日に同人から送られてきた回答書には,本件土地が丙の所有であること,同人が本件土地を使用していること,本件土地の地積については429.68平方メートルとの記載がなされていた。(乙11の1)ク被告甲は,同年12月14日,本件競売事件の現況調査を担当した乙執行官から,裁判所提出前の現況調査報告書本文の原稿等の写しの交付を受けた。同月17日,乙執行官は,裁判所に現況調査報告書を提出した。(丁7,乙3,被告甲本人)ケ乙執行官と被告甲は,平成9年2月10日,本件土地等の現地調査を行った。その際,被告甲は,本件土地の写真を撮影した。その後,被告甲と乙執行官は,付近住民から事情を聴取するために,本件土地の近隣に住む2軒を訪問した。(乙13,14,丁A7,証人乙,被告甲本人)コ被告甲は,同年4月28日ころにも,現地を訪問し調査を行ったが,現地で付近住民から本件土地についての事情を聞くことはなかった。 3,被告甲本人)ケ乙執行官と被告甲は,平成9年2月10日,本件土地等の現地調査を行った。その際,被告甲は,本件土地の写真を撮影した。その後,被告甲と乙執行官は,付近住民から事情を聴取するために,本件土地の近隣に住む2軒を訪問した。(乙13,14,丁A7,証人乙,被告甲本人)コ被告甲は,同年4月28日ころにも,現地を訪問し調査を行ったが,現地で付近住民から本件土地についての事情を聞くことはなかった。(丁7,被告甲本人)サ被告甲は,同年6月13日ころ,乙執行官から本件土地以外の競売物件につき現地案内を受けた際,本件土地等の現況調査報告書が既に裁判所に提出されていることを知らされたため,洲本支部で同現況調査報告書を閲覧したが,先に乙執行官から交付を受けていた現況調査報告書の写しに加筆された点はなく,また,土地の状況等に関する特段の問題点の指摘もなされていなかった。(証人乙,被告甲本人)シ被告甲は,同月18日,本件土地の面積を公簿数量とほぼ同じと判断し,本件土地の地積を429.68平方メートルとして,本 特段の問題点の指摘もなされていなかった。(証人乙,被告甲本人)シ被告甲は,同月18日,本件土地の面積を公簿数量とほぼ同じと判断し,本件土地の地積を429.68平方メートルとして,本件土地の評価額を1086万円と算出した評価書を作成し,同年7月7日,裁判所に対し,本件評価書を提出した(乙14,丁7,被告甲本人)。物件明細書,現況調査報告書及び評価書は,平成9年9月11日以降,裁判所に備置された。ス本件競売事件は,同年10月6日から同月14日まで期間入札に付されたところ,原告は同月9日に入札に参加し,同月20日開札の結果,最高価買受申出人となった。そのため,裁判所は同月27日に本件土地について売却許可決定をなしたところ,原告は同年11月28日,裁判所に対し買い受け代金2010万円を納付し,同年12月1日,所有権移転登記がなされた。セ原告は,本件競売事件の債務者である丙に対し,本件土地の競売による売買契約を解除し,代金2010万円の返還請求の意思表示を,予備的に1479万6626円の代金減額請求の意思表示をすることをそれぞれ記載した書面を送付し,同書面は平成10年12月24日に到達したが,当時上記丙は無資力であった。(甲9の1,2,弁論の全趣旨)また,原告は,被告信用保証協会に対し,上記丙に対して送付した書面と同様の記載内容の書面を送付し,同書面は同月15日到達した。 ,本件土地の競売による売買契約を解除し,代金2010万円の返還請求の意思表示を,予備的に1479万6626円の代金減額請求の意思表示をすることをそれぞれ記載した書面を送付し,同書面は平成10年12月24日に到達したが,当時上記丙は無資力であった。(甲9の1,2,弁論の全趣旨)また,原告は,被告信用保証協会に対し,上記丙に対して送付した書面と同様の記載内容の書面を送付し,同書面は同月15日到達した。(甲10の1,2)ソ被告信用保証協会は,本件土地の根抵当権者であった者であり,本件競売事件における配当金全額を受け取った。(甲1)(2) 本件土地に関する物件明細書,現況調査報告書及び評価書の記載内容ア物件明細書(乙15) た者であり,本件競売事件における配当金全額を受け取った。(甲1)(2) 本件土地に関する物件明細書,現況調査報告書及び評価書の記載内容ア物件明細書(乙15)本件土地について,物件目録欄に「(1)所在・三原郡a町b字c,地番・1126番8,地目・宅地地積・429.68平方メートル」との記載がなされていた。イ現況調査報告書(乙3)(ア) 5枚目物件目録欄に(1)所在三原郡a町b字c地番 1126番8地目宅地地積 429.68平方メートルとの記載がある。(イ) 7枚目本件土地を中心とした近隣地の住宅地図が添付されている。その住宅地図には,本件土地を含む3筆の更地を表す白地の区画が赤い丸で囲まれ,物件位置という赤い横書きのスタンプが押され,その横に(1)と朱書され,上記区画のうち,一番北側の部分をオレンジ色で塗りつぶしてあり,1126番31の土地との境界に赤線が引かれている。(ウ) 8枚目本件土地付近の公図が添付されており,同図には,本件土地をオレンジ色で囲んだ上,物件番号という横書きの赤いスタンプを押され,その横にペンで(1)と記載されている。そして,1126番31の土地の箇所に「宅地,205.44㎡,戌」と,本件土地西側の公道部分(1126-5)の箇所に,「田,158㎡,内ム省」と,本件土地の東側の民家の一部分(1126-29)の箇所に,「宅地,71.73㎡,久米石油KK」とそれぞれ記入され ,戌」と,本件土地西側の公道部分(1126-5)の箇所に,「田,158㎡,内ム省」と,本件土地の東側の民家の一部分(1126-29)の箇所に,「宅地,71.73㎡,久米石油KK」とそれぞれ記入されている。 戌」と,本件土地西側の公道部分(1126-5)の箇所に,「田,158㎡,内ム省」と,本件土地の東側の民家の一部分(1126-29)の箇所に,「宅地,71.73㎡,久米石油KK」とそれぞれ記入され ,戌」と,本件土地西側の公道部分(1126-5)の箇所に,「田,158㎡,内ム省」と,本件土地の東側の民家の一部分(1126-29)の箇所に,「宅地,71.73㎡,久米石油KK」とそれぞれ記入されている。(エ) 10及び11枚目乙執行官が現況調査において撮影していた写真4枚が添付されており,北側更地を囲んだ赤い丸が記載されている。ウ評価書(乙14)(ア) 3頁「(ロ)地形・形状」として,「道路とほぼ等高且つ平坦な略長方形の画地である。」との記載が,「(ハ)現況地積公簿数量とほぼ同じとみられる。標準的画地規模に比し,規模大である点に劣る。」との記載がある。(イ) 4頁「6 評価額算出の過程」として、以下の数式が記載されている。(基準地価格) (時点修正) (地域格差) (標準価格)43,900円× 0.99 ÷  0.90 ≒ 48,000円(標準価格) (個別格差) (地積)48,000円× 0.81 × 429.68(市場調整) (評価額)×(1-0.35)≒10,860,000円(ウ) 6頁本件土地の物件目録として,「(1)所在・三原郡a町b字c,地番・1126番8,地目・宅地,地積・429.68平方メートル」との記載がある。(エ) 8頁 本件土地の物件目録として,「(1)所在・三原郡a町b字c,地番・1126番8,地目・宅地,地積・429.68平方メートル」との記載がある。(エ) 8頁本件土地を中心とした近隣地の住宅地図が添付されており,その住宅地図には,北側更地を赤色で囲んだ上,「対象不動産」という赤い横書きのスタンプが押されている。(オ) 9頁公図が添付されており,1126-8の土地について赤色で丸印が記入されている。(カ) 10ないし12頁それぞれ「写真1」,「写真2」,「写真3」のスタンプ及びいずれも「付属書類参考写真実査時平成9年2月10日撮影」とのスタンプが押されてあり,それぞれの頁に1枚ずつ写真が添付されており,北側更地の部分について,写真1については赤い丸が記入されており,写真2及び3については矢印で指し示されている。2 争点(1) 本件土地と1126番31の土地との公法上の境界(争点1)(2) 本件競売において原告が所有権を取得した範囲(争点2)(3)ア被告信用保証協会に対する代金返還請求の可否(争点3(1))イ被告信用保証協会に対する代金減額請求の可否(争点3(2))(4) 乙執行官の過失の有無(争点4)(5) 裁判所の過失の有無(争点5)(6) 被告甲の過失の有無(争点6)(7) 原告が、民事執行法上の救済手続以外の手続により救済を求めることの可否(争点7)(8) 損害(争点8)(9) 過失相殺(争点9) 有権を取得した範囲(争点2)(3)ア被告信用保証協会に対する代金返還請求の可否(争点3(1))イ被告信用保証協会に対する代金減額請求の可否(争点3(2))(4) 乙執行官の過失の有無(争点4)(5) 裁判所の過失の有無(争点5)(6) 被告甲の過失の有無(争点6)(7) 原告が、民事執行法上の救済手続以外の手続により救済を求めることの可否(争点7)(8) 損害(争点8)(9) 過失相殺(争点9) 3 争点に対する当事者の主張(1) 争点1(原告の主張)ア本 ことの可否(争点7)(8) 損害(争点8)(9) 過失相殺(争点9) 3 争点に対する当事者の主張(1) 争点1(原告の主張)ア本件土地と1126番31の土地との境界は,のべ石及び約30センチメートルの段差が存在する別紙平面図5の地点と10の地点を結んだ直線である。イ旧1126番1の土地は,昭和18年に戊が購入したものが,相続によりその所有権が移転し,昭和61年8月5日,当時の所有者であった共同相続人丁Aと丁Bにより,同番1,36及び37の3筆に分筆された。ウ旧1126番8の土地と,旧1126番1の土地に分筆された際,境界がどのように決定されたか現時点では明らかでない。エ旧字限図上は,1126番1の土地は,水路からかなり北東に広がっている。オ 1126番8の土地上にあった複数の建物は,旧1126番8の土地が分筆される以前に建築されたものであり,これをもってのべ石が境界でないとの根拠とはできない。カ旧1126番1の土地は,もと1126番4の土地と旧1126番1の土地が昭和5年8月に合併されたのであり,同時点から20年経過時点で,別紙平面図ア,イ,C,Dを囲んだ土地は,旧1126番1土地の所有者によって時効取得された。その結果,昭和45年に行われた旧1126番8土地の分割は,前記時効取得された範囲のCDを境界として行われたのであって,本件土地は当初から公簿上の面積とはかけ離れた広さしか有しないものとして存在し,それを前提として取引されてきた。キ丙は,昭和58年4月8日に代金1000万円で前所有者丁Aから本件土地を購入した際,本件土地の広さにつ け離れた広さしか有しないものとして存在し,それを前提として取引されてきた。キ丙は,昭和58年4月8日に代金1000万円で前所有者丁Aから本件土地を購入した際,本件土地の広さについて216.73平方メートルであるとの説明を受け,売買契約書には,「不動産の表示」の末尾に,「(但し,実測面積弐壱六.七参㎡」)と記載されていた。 に代金1000万円で前所有者丁Aから本件土地を購入した際,本件土地の広さにつ け離れた広さしか有しないものとして存在し,それを前提として取引されてきた。キ丙は,昭和58年4月8日に代金1000万円で前所有者丁Aから本件土地を購入した際,本件土地の広さについて216.73平方メートルであるとの説明を受け,売買契約書には,「不動産の表示」の末尾に,「(但し,実測面積弐壱六.七参㎡」)と記載されていた。ク 1126番36及び同番37の土地所在図及び地積測量図(丁A5)によれば,同番36と同番1の土地の比較からすれば,同番1の土地の面積が,公簿上の41.02平方メートルしかないことはあり得ず,昭和61年に1126番1の土地が分筆される以前から同土地と1126番30の土地との境界は公簿とは大きく異なっていた。(被告らの主張)原告の主張する本件土地と1126番31の土地との境界は,否認する。以下の理由から,1126番1の土地と1126番31の土地の境界線は,別紙平面図のC,Dあるいは同E,Fをそれぞれ結んだ直線より,遙かに南西方向すなわち水路側に近づいた位置に存在していたと解される。ア本件土地は,昭和45年12月18日,旧1126番8の土地が,本件土地,1126番31の土地及び1126番30の土地に分筆されたところ,旧1126番8の土地から,まず,最も南西側に実測に基づく地積測量図に従って,144.54平方メートル分の土地を画して1126番30の土地とし,その北東側に接して地積測量図に従って,205.44平方メートル分の土地を画して1126番31の土地とし,その残地部分を本件土地としたものである。イ 1126番1の土地は,昭和61年8月5日,水路を挟んで跨っていた旧1126番1の土地479.20平方メートルから,1126 1の土地とし,その残地部分を本件土地としたものである。イ 1126番1の土地は,昭和61年8月5日,水路を挟んで跨っていた旧1126番1の土地479.20平方メートルから,1126番36及び1126番37の各土地とともに3つに分筆された。そして,水路から南西方向に1126番36の土地として337.39平方メートル,1126番37の土地として100.78平方メートルをそれぞれ実測して画し,同水路の北東側に広がる旧1126番1の残余の土地を1126番1の土地とした。 番1の土地は,昭和61年8月5日,水路を挟んで跨っていた旧1126番1の土地479.20平方メートルから,1126番36及び1126番37の各土地とともに3つに分筆された。そして,水路から南西方向に1126番36の土地として337.39平方メートル,1126番37の土地として100.78平方メートルをそれぞれ実測して画し,同水路の北東側に広がる旧1126番1の残余の土地を1126番1の土地とした。したがって,1126番1の土地は,同水路の北東に接して存在し,その面積は,41.02平方メートル(≒479.20-337.39-100.78)であると考えられる。ウそして,本件土地を含む別紙平面図A1,A2,B1,10,O,I,M,C,F,H,G,E,D,N,J,P,L,5,A1の各点を結ぶ直線で囲まれた土地(以下,「本件全土地部分」という。)は,ほぼ819平方メートル程度の面積を有するものと認められるところ,これから,1126番1の土地41.02平方メートル,1126番30及び1126番31の各面積である144.54平方メートル及び205.55平方メートルを差し引いた部分が,本件土地部分であり,したがって,本件土地と1126番31の土地との境界も,別紙平面図C,Dあるいは同E,Fをそれぞれ結んだ直線より,遙かに南西方向すなわち水路側に近づいた位置に存在していたと解される。エ別紙平面図記載のE,F点は水路にほぼ接して建てられた建物の北側と東側の各角部分であるが,本件では,かかる建物などの工作物の設置状況を根拠に土地の境界を決定するのは相当ではない。本件全土地部分は,昭和58年4月5日に,丙博が本件土地を買 側と東側の各角部分であるが,本件では,かかる建物などの工作物の設置状況を根拠に土地の境界を決定するのは相当ではない。本件全土地部分は,昭和58年4月5日に,丙博が本件土地を買い受けるに至るまで,一貫して同一人ら(新居一族)がこれを所有してきていたのであったから,建物の築造その他の土地使用に関し,各筆間の境界を意識する必要はなかった。オまた,本件土地付近の土地の種類は,その後宅地に転用されているものもあるが,旧来から田であった。山林などと異なり,田については,その公簿面積の正確性は一般的にそれなりに信頼できるものであることは,一般的経験則としても承認されている。カ原告が,1126番31の土地の所有者である訴外戌との立会いの下で作成られた立会証明書によって定められた本件土地の所有権の及ぶ範囲は,本件競売手続終了後に原告と訴外己との間で合意されたものに過ぎず,本件土地の範囲の判定がこれに拘束されるものではない。 ら田であった。山林などと異なり,田については,その公簿面積の正確性は一般的にそれなりに信頼できるものであることは,一般的経験則としても承認されている。カ原告が,1126番31の土地の所有者である訴外戌との立会いの下で作成られた立会証明書によって定められた本件土地の所有権の及ぶ範囲は,本件競売手続終了後に原告と訴外己との間で合意されたものに過ぎず,本件土地の範囲の判定がこれに拘束されるものではない。キ丁Aらも本件土地に係る分筆の経緯など過去の事情については全く認識していなかった。(2) 争点2(原告の主張)前記のとおり,本件土地と1126番31の土地との境界は,別紙平面図5の点と10の点を結んだ直線であり,その面積は,209.83平方メートルしかなかった。また,仮に,本件土地と1126番31の土地との境界が,被告ら主張のとおりであったとしても,前記のとおり,別紙平面図ア,イ,C,Dを囲んだ土地は,旧1126番1土地の所有者によって時効取得された。また,遅くとも昭和36年以降,CD線とEF線の間はその奥の土地への通路となっていた。1126番31の土地上には,昭 囲んだ土地は,旧1126番1土地の所有者によって時効取得された。また,遅くとも昭和36年以降,CD線とEF線の間はその奥の土地への通路となっていた。1126番31の土地上には,昭和45年以前から居宅及び物置のような建物が存在し,これをAなる人物が借りて使用していた。したがって,丙博が購入した1126番8土地の面積は,公簿の半分であった。(被告らの主張)前記のとおり,本件全土地部分は,ほぼ819平方メートル程度の面積を有するものと認められるところ,これから,1126番1の土地41.02平方メートル,1126番30及び1126番31の各面積である144.54平方メートル及び205.55平方メートルを差し引いた面積である428平方メートルが,本件土地の面積であり,その公簿面積とほぼ一致すると解される。(3)ア争点3(1)(原告の主張)(ア) 原告は,上記現況調査報告書及び評価書の記載等から,本件土地の地積は429.68平方メートル程度の地積を有すると信じ,原告経営の水産加工会社の製品及び原材料貯蔵用倉庫の建設用地とする目的で,本件競売事件において入札に参加してこれを競落し,前記第2,1(1)のとおり,買受代金を納付したものであり,仮に同報告書等に本件土地の実測面積が公簿の半分程度しかないと記載されていれば,そのような土地では前記目的を達成することはできないから,本件土地を買い受けることはなかった。 は429.68平方メートル程度の地積を有すると信じ,原告経営の水産加工会社の製品及び原材料貯蔵用倉庫の建設用地とする目的で,本件競売事件において入札に参加してこれを競落し,前記第2,1(1)のとおり,買受代金を納付したものであり,仮に同報告書等に本件土地の実測面積が公簿の半分程度しかないと記載されていれば,そのような土地では前記目的を達成することはできないから,本件土地を買い受けることはなかった。(イ) したがって,本来の目的を達しない場合として,民法568条1項,565条により,契約を解除することができ,債務者が無資力であることから,同法568条2項,565条により,被告信用保証協会に対して代金額 たがって,本来の目的を達しない場合として,民法568条1項,565条により,契約を解除することができ,債務者が無資力であることから,同法568条2項,565条により,被告信用保証協会に対して代金額の返還を請求できる。(被告信用保証協会の主張)(ア) 不動産競売は数量指示売買ではない。民法565条所定の数量指示売買とは,当事者において目的物の実際に有する数量を確保するために,その一定の数量を売主が契約において表示し,かつこの数量を基礎として代金額が定められた場合をいうが,不動産競売における土地面積の表示は通常単に土地を特定表示するための一つの要素に過ぎず,本件土地についてもその面積が実測されたことはなく,競売手続上ただ登記簿に記載されている所在,地番,地目,地積をもって表示されているだけであり,売主がそれだけの地積のあることを保証して,表示面積を確保する趣旨とは到底解されない。(イ) 以下の事情からすれば,原告には重過失が認められるのであって,保護されるべき特別の事情は存しない。a 競売においては,実測や筆界確認等の債務者の協力は得られない中で,ある程度の予測困難性を残しながら実務が行われている。b 最高裁作成の「競売不動産買受けの手引」においても,物件明細書,現況調査報告書,評価書は,「あくまでも,参考資料であることを心得ておいてください。」,「大きな買い物をするわけですから,買受申出をしようとする場合は,現地に行って自分の目で物件をよく見るほか,登記所などへ行って権利関係を確かめるなど,必ず,自ら調査,確認することが大切です。調査,確認が困難な場合や,権利関係が複雑な場合などは,弁護士に相談されるとよいでしょう。 買受けの手引」においても,物件明細書,現況調査報告書,評価書は,「あくまでも,参考資料であることを心得ておいてください。」,「大きな買い物をするわけですから,買受申出をしようとする場合は,現地に行って自分の目で物件をよく見るほか,登記所などへ行って権利関係を確かめるなど,必ず,自ら調査,確認することが大切です。調査,確認が困難な場合や,権利関係が複雑な場合などは,弁護士に相談されるとよいでしょう。」と,明記されている。どへ行って権利関係を確かめるなど,必ず,自ら調査,確認することが大切です。調査,確認が困難な場合や,権利関係が複雑な場合などは,弁護士に相談されるとよいでしょう。」と,明記されている。c 原告は,親類の不動産業者から,競売には何らかの危険性があることの注意を受けていた。d 評価書添付の「対象不動産の所在図」によれば,本件土地の範囲についての誤認はすぐに解消できた。e 後記争点4における被告国の主張を援用する。イ争点3(2)(原告の主張)本件土地の面積は,実際には209.83平方メートルであり,その適正評価額は原告主張の計算式によれば530万3347円であったことから,民法568条2項,565条により,被告信用保証協会に対して競落価格と上記適正額との差額1479万6626円の減額を請求できる。(被告信用保証協会の主張)かりに減額請求ができるとしても,原告は最低売却価格でなく,2010万円で競落しており,上記金額を面積比である429.68分の209.83で除すべきであり,原告の落札価格から上記金員である981万5637円を控除した1028万4363円が減額分とされるべきである。(4) 争点4(原告の主張)ア乙執行官は,現況調査報告書を作成するにあたり,買受希望者の判断を誤らせないように正確な現況の調査をし報告する義務があった。同執行官は,本件土地の地積を,本件土地の登記簿上の分筆前の1126番8の土地の地積779.66平方メートルから,分筆された1126番31の土地の地積205.44平方メートル及び同番30の土地の地積144.54平方 地の地積を,本件土地の登記簿上の分筆前の1126番8の土地の地積779.66平方メートルから,分筆された1126番31の土地の地積205.44平方メートル及び同番30の土地の地積144.54平方メートルを差し引いて算出したが,これら登記簿上の地積は,昭和45年12月17日に,土地家屋調査士であった訴外垣本が作成した地積測量図(以下,「本件地積測量図」という。 び同番30の土地の地積144.54平方 地の地積を,本件土地の登記簿上の分筆前の1126番8の土地の地積779.66平方メートルから,分筆された1126番31の土地の地積205.44平方メートル及び同番30の土地の地積144.54平方メートルを差し引いて算出したが,これら登記簿上の地積は,昭和45年12月17日に,土地家屋調査士であった訴外垣本が作成した地積測量図(以下,「本件地積測量図」という。)に基づくものであった。イしかしながら,そもそも公簿上の地積と実際の地積との間に齟齬があることは少なくなく,また,本件地積測量図において,本件土地の地積の求積方法は,本件土地と1126番31の土地の地積の合計である635.12平方メートルから1126番31の土地の面積を引いて算出しており,本件土地自体については1126番31の土地の求積におけるような正確な計算はなされていなかったのであるから,乙執行官は,本件地積測量図における上記のような本件土地の求積方法を見れば,仮に前記635.12平方メートルいう本件土地と1126番31の土地の合計面積に間違いがあれば本件土地の面積も当然違ってくるのであるから,本件土地について,その対角線等の距離測定を現地で行わなければ本件土地の地積の記載に間違いが生じるおそれが大きいことは十分認識可能であった。かかる場合,執行官としては,通常本件地積測量図記載の地積を鵜呑みにしてはならず,現況調査において,現地で特定できる基点を明確にして,そこから土地の各辺・対角線等についておおよその距離を測定・記載し,土地の範囲について見取図を作成して掛け算により地積をおよそ算出できる程度にまで調査すべきであった。ウしかしながら,同執行官は,現地調査において,本件土地の南側境界について,のべ石をもとに一応の確定を 図を作成して掛け算により地積をおよそ算出できる程度にまで調査すべきであった。ウしかしながら,同執行官は,現地調査において,本件土地の南側境界について,のべ石をもとに一応の確定をしたのみで,本件土地の対角線・辺等の距離等については全く調査せず,また,本件土地の見取図を作成することもなく,本件土地を撮影し,その写真に本件土地の範囲をかなり大まかに円で囲んだにすぎず,土地の範囲について数値をあげて記載しなかったことに加え,丙に対して本件土地に関し照会を行った際にも,地積や境界について照会項目に入れなかったなど,通常行うべき調査方法を採らず,また調査結果の十分な評価,検討を行わなかった。 ,本件土地の対角線・辺等の距離等については全く調査せず,また,本件土地の見取図を作成することもなく,本件土地を撮影し,その写真に本件土地の範囲をかなり大まかに円で囲んだにすぎず,土地の範囲について数値をあげて記載しなかったことに加え,丙に対して本件土地に関し照会を行った際にも,地積や境界について照会項目に入れなかったなど,通常行うべき調査方法を採らず,また調査結果の十分な評価,検討を行わなかった。エその結果,本件土地の地積につき,現況調査報告書に上記の通り記載し,同報告書記載の地積と実際の地積に看過しがたい相違を生じさせたものであり,同執行官には注意義務違反がある。(被告国の主張)ア民事執行規則29条1項4号イ及び同条2項は,土地を現況調査する場合に,執行官は現況調査報告書に,土地の形状及び現況地目等を記載するとともに,調査の目的物である土地又は建物の見取図及び写真を貼付しなければならないとしているのに過ぎないのに対し,同規則30条1項5号イは,評価人が,土地の評価をしたときには,評価書に地積を記載しなければならないとしている。そして,このように,評価書の記載事項に地積を明示的に定めているのは,地積の調査については,執行官ではなく,土地の評価について専門的知識,技術を有する評価人がなすべきであるという法の趣旨によるものであり,執行官に具体的な地積の評価を義務づけることはできない。したがって,地積に関する執行官の調査については,正確な距離や面積 する評価人がなすべきであるという法の趣旨によるものであり,執行官に具体的な地積の評価を義務づけることはできない。したがって,地積に関する執行官の調査については,正確な距離や面積の測定は不要であり,現況調査報告書には,例えば現地で特定できる目標物による表示,大体の縮尺,距離の概数等,適宜の方法で記載すれば足り,土地の範囲については,通常は,現況調査報告書に添付する土地の見取図(同規則29条2項)を引用することで足りると解される。そして,その見取図は,評価書に添付される「不動産の形状を示す図面」(同規則30条2項)のように正確な縮尺で作成される図面である必要はなく,執行官が自らの視覚により感知したところを図に示したもので足り,また図面中に距離,方位が詳細に記入されている必要はないが,土地の場合には,その範囲が明らかになるよう,境界を示す目標等を記載することが望ましいにすぎないのであり,乙執行官が,現況調査報告書1枚目の「形状」欄に,実測面積を記載すべき法的義務,及び本件土地について公簿上のものと異なる旨の記載をすべき法的義務はない。 れる図面である必要はなく,執行官が自らの視覚により感知したところを図に示したもので足り,また図面中に距離,方位が詳細に記入されている必要はないが,土地の場合には,その範囲が明らかになるよう,境界を示す目標等を記載することが望ましいにすぎないのであり,乙執行官が,現況調査報告書1枚目の「形状」欄に,実測面積を記載すべき法的義務,及び本件土地について公簿上のものと異なる旨の記載をすべき法的義務はない。イ乙執行官は,本件土地の地積を429.68平方メートルとする本件地積測量図を添付しているが,「形状」欄に同測量図を引用しているのではなく,また,物件目録記載の地積は,現況調査命令の受命物件を特定表示したものに過ぎず,本件土地が実際に上記面積を有することまで表示するものではない。ウ本件土地の現況を見れば,本件土地と1126番31の土地との境界がのべ石であることは一見して明らかであるところ,乙執行官が作成した現況調査報告書8枚目の公図と写真3葉を現地の状況と照合して検討すれば,本件土地と1126番31の土地の境界が上記のべ石であり,本件土地の北側と西側の各道路 して明らかであるところ,乙執行官が作成した現況調査報告書8枚目の公図と写真3葉を現地の状況と照合して検討すれば,本件土地と1126番31の土地の境界が上記のべ石であり,本件土地の北側と西側の各道路と東側の民家との間の側溝,上記のべ石で囲まれた部分が本件土地であることは,現況調査報告書を閲覧した者においておのずから容易に知ることができたはずである。また,原告は,本件土地から徒歩2,3分の距離にある本件土地と同じ町内に居住し,本件土地に面した道路を1か月に1,2回は通行するなど,本件土地及び近隣地の状況については十分な知識を有しており,さらに,原告は,本件土地の元所有者であった丙やその前所有者の戊,その係累の丁C及び本件土地の近隣地の所有者であった己らとはいずれも面識があり交際しており,本件土地の入札にあたっては原告と親戚関係があり不動産業を営む庚が関与していたのであるから,原告が,上記現況調査報告書によって認識しうる本件土地の範囲と表示された面積との相違について疑念を抱いた際に,本件土地の地積について確認することは十分に可能であった。エそして,本件地積測量図の記載と本件土地の現況の地積が異なることは,公図,写真と現地の状況を照合することによっておのずから明らかとなるはずであり,閲覧者が現況調査報告書を基にして現地調査をすれば,本件土地の範囲を正確に知りうる資料が添付されていたのであるから,現況調査報告書に瑕疵はなく,したがって乙執行官にも過失はない。 いて疑念を抱いた際に,本件土地の地積について確認することは十分に可能であった。エそして,本件地積測量図の記載と本件土地の現況の地積が異なることは,公図,写真と現地の状況を照合することによっておのずから明らかとなるはずであり,閲覧者が現況調査報告書を基にして現地調査をすれば,本件土地の範囲を正確に知りうる資料が添付されていたのであるから,現況調査報告書に瑕疵はなく,したがって乙執行官にも過失はない。(5) 争点5(原告の主張)ア現況調査報告書には,上記のとおり,対角線・辺等の距離に基づく「掛け算」の方式による求積過程の記載や見取図,距離の測定記載などがなく,本件評価書においても,「公簿数量とほぼ同じとみ ア現況調査報告書には,上記のとおり,対角線・辺等の距離に基づく「掛け算」の方式による求積過程の記載や見取図,距離の測定記載などがなく,本件評価書においても,「公簿数量とほぼ同じとみられる。」との記載があるのみであったのであるから,このような現況調査報告書及び評価書(以下,「本件各書類」という。)の地積の記載には十分な調査・評価がなされてないのではないかと疑わせる不自然さがあったのであり,このような状況のもとで担当裁判官は,本件各書類の内容の正確性についての確認をすべき義務があった。イにもかかわらず,担当裁判官は,かかる義務を怠り,前記執行官の現況調査の誤りを是正することなく,本件報告書に基づいて本件土地について物件明細書を作成し,誤った本件各書類を閲覧に供したものであるところ,本件では,本件現況調査の結果の誤りが執行官の基本的な調査義務の懈怠に基づくものであり,その結果執行対象土地の地積を2倍以上にも誤った記載をしたという明白かつ重大な違法が存する場合であって,かかる場合執行裁判所は上記誤りを是正すべき特別の事情がある。ウ争訟の裁判は当事者間で争いになっている権利関係についての司法機関としての専門的判断であり,一方本件のような執行処分は通常争いのない誰の目から見ても明らかな事実関係に基づきいわば事務処理的になされる性質のものであるから同列に論じることはできない。(被告国の主張)ア執行裁判所は,評価人の評価に基づいて最低売却価格を定めるとともに,不動産の表示等を記載した物件明細書を作成し,その写しを執行裁判所に備え置き,不動産の売却の方法を定め,売却の許可または不許可の決定を言い渡すなど不動産競売事件において手続を進める権限を有する。 争いのない誰の目から見ても明らかな事実関係に基づきいわば事務処理的になされる性質のものであるから同列に論じることはできない。(被告国の主張)ア執行裁判所は,評価人の評価に基づいて最低売却価格を定めるとともに,不動産の表示等を記載した物件明細書を作成し,その写しを執行裁判所に備え置き,不動産の売却の方法を定め,売却の許可または不許可の決定を言い渡すなど不動産競売事件において手続を進める権限を有する。執行裁判所が,物件 を記載した物件明細書を作成し,その写しを執行裁判所に備え置き,不動産の売却の方法を定め,売却の許可または不許可の決定を言い渡すなど不動産競売事件において手続を進める権限を有する。執行裁判所が,物件明細書を作成するなどにあたっては,当該執行事件の記録,特に現況調査報告書や評価書,目的不動産の登記簿謄本等を資料としているところ,上記資料の記載に相違があり,その資料によっては事実関係の把握が困難である場合などには,執行官に対する補充調査を命じたり,民事執行法5条に基づく利害関係人等に対する審尋を行うことによって資料を収集することが認められている。イ裁判官の行う職務行為のうち,争訟の裁判については,上訴等の訴訟法上の救済方法によって是正されるべき瑕疵が存在したとしても,これによって当然に国家賠償法1条1項の規定にいう違法な行為があったものとして国の損害賠償責任の問題が生じるわけのものではなく,上記責任が肯定されるためには,当該裁判官が違法又は不当な目的をもって裁判をしたなど,裁判官がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認めうるような特別の事情があることを必要とする。そしてかかる理は任意競売にも当然適用され,また,執行裁判所の補助機関としての執行官の行為により損害を被ったものがある場合にも妥当すると解される。そして,本件執行処分は,現況調査報告書,評価書を初めとする事件記録から認められる事実関係を前提として,目的不動産の最低売却価額等に関する判断を行うものであって,上記判断に対しては,利害関係人は執行抗告を申し立てるなどの方法によってその是正を求める方法が認められており,したがって,その判断過程に,国家賠償法1条1項の規定にいう違法があったものとして国が損害賠償責任を負うためには 関係人は執行抗告を申し立てるなどの方法によってその是正を求める方法が認められており,したがって,その判断過程に,国家賠償法1条1項の規定にいう違法があったものとして国が損害賠償責任を負うためには,争訟の裁判についてと同様,裁判官がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認めうるような特別の事情があることを要すると解すべきである。 があったものとして国が損害賠償責任を負うためには 関係人は執行抗告を申し立てるなどの方法によってその是正を求める方法が認められており,したがって,その判断過程に,国家賠償法1条1項の規定にいう違法があったものとして国が損害賠償責任を負うためには,争訟の裁判についてと同様,裁判官がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認めうるような特別の事情があることを要すると解すべきである。ウ本件においては,現況調査報告書の記載や評価書の記載は一見して明白なほどの不自然さや誤りはなく,両者の内容には明白な矛盾等もなかったのであり,担当裁判官がその内容の正確性についての確認をしなかったからといって過失はあるとは言えない。(6) 争点6(原告の主張)ア被告甲は,本件競売事件において,本件土地の評価を行うにつき,本件土地の現況及び形状などを正しく認識して評価,報告する義務があった。イ被告甲は,本件土地を評価するにあたって現地に赴いた際,現況調査報告書添付予定の公図写及び地積測量図を持参しており,公図と地積測量図における本件土地の形状は,それぞれ明らかに異なっており,被告甲もその点を認識していた。そして,歩測してどこまでの幅があるか分からないということを認識していた。ウまた,本件土地と隣地との間には,既に12ないし13年前に境界確認の鋲が打ち込まれていたし,隣地所有者に確認しても本件境界がすぐに判明したはずであった。被告甲は本件土地近隣の民宿を訪問して,本件土地の境界について質問しているが,不十分であった。エ丙は,購入当時の売買契約書を所持していたし,昭和58年当時の測量図も存在していたのであるから,被告甲は丙に架電ないし書面にて照会すべきであった。分であった。エ丙は,購入当時の売買契約書を所持していたし,昭和58年当時の測量図も存在していたのであるから,被告甲は丙に架電ないし書面にて照会すべきであった。オ建物数棟が存在したのは旧1126番8土地であった。また,旧1126番8土地が昭和45年に分筆されたことは,登記簿をみれば判明することであり,建物数棟の合計面積が約400平方メートルあったとしても,本件土地の面積が400平方メートルあるという結論には至らないにもかかわらず,被告甲は分筆時期を確認せずにそのように判断した。カこのように,被告甲は,本件土地の現況等を本件土地の近隣住民や従前の所有者に照会すれば容易に確認できたにもかかわらず照会を行わないなど,上記義務に違反したため,昭和61年に1126番1の土地が分筆される以前から同土地と1126番31の土地との境界が公簿と大きく異なっていたことを見逃し,漫然と旧1126番8土地上に存在した家屋の床面積の和をもって本件土地の地積の根拠とし,本件土地の客観的な評価と異なる本件評価書を作成し,これを執行裁判所に提出した。 の近隣住民や従前の所有者に照会すれば容易に確認できたにもかかわらず照会を行わないなど,上記義務に違反したため,昭和61年に1126番1の土地が分筆される以前から同土地と1126番31の土地との境界が公簿と大きく異なっていたことを見逃し,漫然と旧1126番8土地上に存在した家屋の床面積の和をもって本件土地の地積の根拠とし,本件土地の客観的な評価と異なる本件評価書を作成し,これを執行裁判所に提出した。キ原告は,本件評価書を閲覧し,その内容を真実であると信じ,前記のとおり本件土地を前記代金で競落したものであって,被告甲は原告が被った損害について賠償する義務がある。(被告らの主張)ア民事執行法上,競売対象物件たる不動産についての占有関係の調査は,原則的,第1次的には,現況調査を命じられた執行官の職責である。イ執行官の現況調査は,民事執行手続の一環として迅速に行われなければならないにもかかわらず,目的不動産の位置や形状を正確に記載した地図が必ずしも整備されていなかったり,所有者等の関係人の協力を得る イ執行官の現況調査は,民事執行手続の一環として迅速に行われなければならないにもかかわらず,目的不動産の位置や形状を正確に記載した地図が必ずしも整備されていなかったり,所有者等の関係人の協力を得ることが困難な場合があるなど調査を実施する上での制約も少なくなく,これらの点を考慮すると,現況調査報告書の記載内容が目的不動産の実際の状況と異なっても,そのことから直ちに執行官が前記注意義務に違反したと評価するのは相当ではなく(最高裁判所平成9年7月1日判決・判時1617号86頁参照),評価人についても上記の趣旨が当てはまる。評価書の記載内容が目的不動産の実際の状況と異なっても,そのことから直ちに評価人が注意義務に違反したと評価するのは相当でなく,評価人が競売不動産の評価を行うに当たり,通常行うべき評価方法を採らず,あるいは,調査結果の十分な評価,検討を怠るなど,その調査結果及び判断の過程が合理性を欠き,その結果,評価書の記載内容と目的不動産の実際の状況との間に看過しがたい相違が生じた場合に限って,当該評価人が前記注意義務に違反したものと認めれると解すべきであり,本件における上記のような競売不動産の実測面積と公簿面積のある程度のずれは,買受人としては当然に予測すべきものであった。ウ現況調査報告書記載の滅失建物の一階面積合計が約400平方メートル存在し,現況の土地の広さから見て,現場で公簿面積に相当する土地が十分に存在しうる(目視及び歩測で確認)。 との間に看過しがたい相違が生じた場合に限って,当該評価人が前記注意義務に違反したものと認めれると解すべきであり,本件における上記のような競売不動産の実測面積と公簿面積のある程度のずれは,買受人としては当然に予測すべきものであった。ウ現況調査報告書記載の滅失建物の一階面積合計が約400平方メートル存在し,現況の土地の広さから見て,現場で公簿面積に相当する土地が十分に存在しうる(目視及び歩測で確認)。エ一般に競売手続における評価人の不動産評価実務においては,明確な位置・範囲を知ることができない状況にある土地のケース,即ち,地積測量図もなくいわゆる17条図のような対象物件の位置・範囲を確定するに足りる図面・資料が存在せず,土地の現況,四囲の土地との全ての境界が判明 範囲を知ることができない状況にある土地のケース,即ち,地積測量図もなくいわゆる17条図のような対象物件の位置・範囲を確定するに足りる図面・資料が存在せず,土地の現況,四囲の土地との全ての境界が判明しなくても,せめて四囲四辺のうち二辺程度が隣地との境ではないかと判断できるような状況が窺え,債権者その他当該不動産競売関係者らから特段の異論・説明等もない場合には,概ね公簿面積を評価額算定の基礎として当該不動産評価を実施する取り扱いになっていた。オ本件土地上には,過去に5棟の滅失建物が存在したことが,現況調査報告書の登記簿謄本の調査結果記載部分から確認できたのであるから,本件土地上ののべ石はこれら建物のいずれか1棟の基礎部分であったと判断されることから,これら5棟の建物が本件土地に同時に存在した可能性が十分あると考えられる以上,そのうちの1棟の建物の基礎である上記のべ石が本件土地の境界を直ちに裏付けるものとは到底考えられなかった。カその他債権者側からもしくは債務者側からの情報を含め,資料及び近隣聴取の結果などに照らしても,公簿面積と異なり,それを遙かに下回る地積であることを窺わせるような情報が全く得られなかった。キ丙の自宅の玄関先で,被告甲は幾度も声をかけたが,同人宅からは何の応答もなかった。ク競売対象物件たる土地の境界の確定は,当該土地の買受人とその隣地所有者との間での土地所有権確認ないし境界確定訴訟によって行うとされており,執行裁判所においてさえ上記境界を確定する権限ないし職責は存しないから,同裁判所から命じられて限られた資料,時間,費用によって不動産評価を行うことが義務づけられている評価人に対し,上記境界を確定する義務を負わせるような結果となることは,不動産競 の応答もなかった。ク競売対象物件たる土地の境界の確定は,当該土地の買受人とその隣地所有者との間での土地所有権確認ないし境界確定訴訟によって行うとされており,執行裁判所においてさえ上記境界を確定する権限ないし職責は存しないから,同裁判所から命じられて限られた資料,時間,費用によって不動産評価を行うことが義務づけられている評価人に対し,上記境界を確定する義務を負わせるような結果となることは,不動産競 し職責は存しないから,同裁判所から命じられて限られた資料,時間,費用によって不動産評価を行うことが義務づけられている評価人に対し,上記境界を確定する義務を負わせるような結果となることは,不動産競売の仕組みさらにはその運用実務に照らして,到底是認することができない。仮にそのような調査義務まで評価人に課せられているとすれば,それに対応する権限が法制度上当然に付与されている必要があるが,上述のとおりそのような権限は付与されていなかった。前記最高裁判例の理は,土地の境界という観念的で不可視的な存在であり,その確定に当たっても極めて広範囲で複雑な事情を総合的に判断して決定されるべきものに係る評価人の調査活動については,一層強く妥当するものと解すべきである。ケ平成10年以前は,評価人に認められた調査権限は,不動産への立入り,債務者若しくはその不動産を占有する第三者に対する質問若しくは文書提示要求に限られていた。(7) 争点7(被告らの主張)アそもそも不動産競売事件における執行裁判所の処分は,債権者の主張,登記簿の記載その他記録に現れた権利関係の外形に依拠して行われるものであり,その結果関係人間の実体的権利関係との不適合が生じることがあり得るが,これについては執行手続の性質上,民事執行法に定める救済の手続により是正されることが予定されているものである。したがって,執行裁判所自らその処分を是正すべき場合等特別の事情がある場合は格別,そうでない場合には権利者が上記手続による救済を求めることを怠ったため損害が発生したとしても,その賠償を国に対して請求することはできない。イ原告は,兵庫県三原郡a町b1129番地において山形水産株式会社を経営する者であり,同社は本件土地 怠ったため損害が発生したとしても,その賠償を国に対して請求することはできない。イ原告は,兵庫県三原郡a町b1129番地において山形水産株式会社を経営する者であり,同社は本件土地から直線距離にして約300メートルに所在していたのであり,原告は本件土地を買い受けるまでに現況調査報告書を閲覧するのみならず,自ら現地に赴き,本件土地の現況を十分に見分し,本件土地の境界について確認し,本件土地の地積について十分に認識した上で入札に参加し,本件土地を競落した。 て請求することはできない。イ原告は,兵庫県三原郡a町b1129番地において山形水産株式会社を経営する者であり,同社は本件土地から直線距離にして約300メートルに所在していたのであり,原告は本件土地を買い受けるまでに現況調査報告書を閲覧するのみならず,自ら現地に赴き,本件土地の現況を十分に見分し,本件土地の境界について確認し,本件土地の地積について十分に認識した上で入札に参加し,本件土地を競落した。また,原告は,平成9年10月9日に入札に参加し,同月20日に開札の結果最高価買受申出人となった。そこで,執行裁判所は,同月27日に本件不動産について売却許可決定をなしたところ,原告は,同年11月28日に買受代金を納付したものであり,原告は,期間入札後,代金を納付するまでの間に現地確認のために十分な時間を与えられていたから,現況調査報告書に添付された写真と照合しつつ,本件土地の現況,地積を確認するなどした上,売却許可決定に対して執行抗告を申し立てるなどの方法によって執行裁判所の処分の是正を求めることができたと考えられる。ウしたがって,そのような民事執行手続による救済を怠った原告は,自らが被った損害の賠償を被告国に対して請求することはできない。(8) 争点8(原告の主張)乙執行官,執行裁判所担当裁判官及び被告甲の過失によって,誤った本件各書類が作成・備置され,その結果原告がその内容を真実であると信じ,前記のとおり本件土地を競落した結果,原告は以下のような損害を受けた。(ア) 競落代金と適正評価額の差額 1479万6626円(イ) 弁護士費用 記のとおり本件土地を競落した結果,原告は以下のような損害を受けた。(ア) 競落代金と適正評価額の差額 1479万6626円(イ) 弁護士費用 100万円(ウ) 合計 1579万6626円(被告らの主張)損害はいずれも否認ないし争う。本件競売事件で原告が取得した本件土地の面積は,公簿上の面積とほぼ同じである428平方メートルであって,原告には何ら損害が生じていない。(9) 争点9(被告らの主張)アおよそ土地取引において,公簿上の地積と実際の地積との間に齟齬があることが少なくないのが現状であった。イ前記のとおり,現況調査報告書には本件土地の範囲を正確に認識しうるだけの記載がなされており,ことに現況調査報告書添付の写真によれば,本件土地の範囲は,1126番31の土地との境界のあるのべ石より北側の北側更地部分のみであることは明確に認識し得たはずである。 じていない。(9) 争点9(被告らの主張)アおよそ土地取引において,公簿上の地積と実際の地積との間に齟齬があることが少なくないのが現状であった。イ前記のとおり,現況調査報告書には本件土地の範囲を正確に認識しうるだけの記載がなされており,ことに現況調査報告書添付の写真によれば,本件土地の範囲は,1126番31の土地との境界のあるのべ石より北側の北側更地部分のみであることは明確に認識し得たはずである。また,本件土地と1126番31の土地の間にはのべ石とその付近に打たれている二つの鋲が存在しており,また,本件土地と1126番31の土地との占有状況の相違,その間にある明確なのべ石と約30センチメートルの段差の存在,上記鋲等の現地の状況と相俟って,現況調査報告書の記載を見れば,買受人が本件土地の範囲を特定しうるだけの情報が十分に掲載されており,本件土地の地積について疑問を抱くことが十分に可能であった。また,原告が,上記現況調査報告書によって認識しうる本件土地の範囲と表示された面積との相違について疑念を抱いた際に,本件土地の地積について確認することは十分に可能 可能であった。また,原告が,上記現況調査報告書によって認識しうる本件土地の範囲と表示された面積との相違について疑念を抱いた際に,本件土地の地積について確認することは十分に可能であったことは,争点4被告国の主張ウに記載のとおりである。そして,上記地積測量図の記載と本件土地の現況の地積が異なることは,公図,写真と現地の状況を照合することによっておのずから明らかとなるはずであり,閲覧者が現況調査報告書を基にして現地調査をすれば,本件土地の範囲を正確に知りうる資料が添付されていた。ウしたがって,原告は,わずかの注意によって本件土地の正確な範囲を知り得たはずであったにもかかわらず,現況調査報告書や評価書に記載された公簿上の地積のみを信用した点には極めて大きな過失がある。(被告甲の主張)原告の上記過失に照らせば,原告側の落ち度は極めて大きく,その責任割合はせいぜい被告甲5に対して原告95と解すべきである。第3 争点に対する判断 1 争点1(本件土地と1126番31の土地との公法上の境界)について(1) 証拠(甲1ないし4,18ないし20,24,乙3,丁1,5並びに鑑定人辛の鑑定)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。ア旧1126番1の土地は,もと1126番4の土地と旧1126番1の土地が昭和5年8月に合併されたものであった。 の責任割合はせいぜい被告甲5に対して原告95と解すべきである。第3 争点に対する判断 1 争点1(本件土地と1126番31の土地との公法上の境界)について(1) 証拠(甲1ないし4,18ないし20,24,乙3,丁1,5並びに鑑定人辛の鑑定)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。ア旧1126番1の土地は,もと1126番4の土地と旧1126番1の土地が昭和5年8月に合併されたものであった。イ昭和45年12月18日,旧1126番8の土地が,本件土地,1126番31の土地及び1126番30の土地に分筆されたところ,旧1126番8の土地から,まず,最も南西側に,実測に基づく地積測量図に従って,144.54平方メートル分の土地を画して1126番30の土地とし,その北東側に接 126番30の土地に分筆されたところ,旧1126番8の土地から,まず,最も南西側に,実測に基づく地積測量図に従って,144.54平方メートル分の土地を画して1126番30の土地とし,その北東側に接して地積測量図に従って,205.44平方メートル分の土地を画して1126番31の土地とし,その残地部分を本件土地とした。ウ 1126番30の土地と接している1126番1の土地は,昭和61年8月5日,水路を挟んで跨っていた旧1126番1の土地から,1126番36及び1126番37の各土地とともに3つに分筆された。そして,水路から南西方向に1126番36の土地として337.39平方メートル,1126番37の土地として100.78平方メートルをそれぞれ実測して画し,同水路の北東側に広がる旧1126番1の残余の土地を1126番1の土地とした。エ本件全土地部分は,昭和46年5月に,戌が1126番31の土地を買い受けるに至るまで,一貫して新居一族(戊及びその相続人)がこれを所有してきていた。オ本件土地付近の土地の種類は,その後宅地に転用されているものもあるが,旧来から田であった。カ別紙平面図記載のE,F点は水路にほぼ接して建てられていた建物の北側と東側の各角部分であった。キ本件周辺の土地の公簿上の面積は下記の通りであった。旧1126番8  779.66平方メートル旧1126番1  479.20平方メートルク本件全土地部分の面積は,約819平方メートルであった。(2) 上記認定事実によれば,1126番1の土地は,別紙平面図の水路の北東に接して存在したと認めることができる。 。カ別紙平面図記載のE,F点は水路にほぼ接して建てられていた建物の北側と東側の各角部分であった。キ本件周辺の土地の公簿上の面積は下記の通りであった。旧1126番8  779.66平方メートル旧1126番1  479.20平方メートルク本件全土地部分の面積は,約819平方メートルであった。(2) 上記認定事実によれば,1126番1の土地は,別紙平面図の水路の北東に接して存在したと認めることができる。そして,本件土地付近の土地が旧来から田であったこと 9平方メートルであった。(2) 上記認定事実によれば,1126番1の土地は,別紙平面図の水路の北東に接して存在したと認めることができる。そして,本件土地付近の土地が旧来から田であったこと及び田が通常四角形の形状を呈しており,その面積が計測しやすいと考えられることからすれば,その公簿上の面積についても概ね信頼することができると解される。だとすれば,旧1126番8の土地及び旧1126番1の土地は,いずれも公簿上の面積とほぼ同一の面積を有していたと推認され,また,実測に基づく土地の面積についても,ほぼ同一の面積を有していたと認めることができ,以上からすれば,1126番1の土地の面積は,旧1126番1の面積から,1126番36及び1126番37の土地の面積を控除した値に近い41.02平方メートルであると認められる。(3) そして,本件土地が,上記(1)イのとおり分筆された経過からすれば,本件土地の面積は,本件全土地部分の面積から,1126番1,1126番30及び1126番31の各面積を控除した約428平方メートルであると認められ,したがって,旧1126番1の土地と旧1126番8の土地との公法上の境界は,別紙平面図ア点とイ点を結ぶ直線付近にあったと認めるのが相当である。(4) この点,原告は,丁5の地積測量図上の1126番1の土地の形状,範囲からすれば,同土地の面積が41.02平方メートルであったとは考えられないこと,また,旧字限図(甲12)上は,同土地は,水路からかなり北東に広がっていることなどから,同土地の面積はより広かったと主張する。しかしながら,地積測量図においては,実測等によって求積がなされた部分の面積,形状については信頼することができるが,その余の部分については,当該地番の土地が 積はより広かったと主張する。しかしながら,地積測量図においては,実測等によって求積がなされた部分の面積,形状については信頼することができるが,その余の部分については,当該地番の土地がその場所に位置していることは示しているとしても,当該土地の面積や各辺の長さを正確に反映していると認めることはできないというべきであるし,また,旧字原図が本件土地付近の状況を正確に反映していると認めることもまたできないから,これらを根拠として同土地の面積がより広かったと認めることはできない。 よって求積がなされた部分の面積,形状については信頼することができるが,その余の部分については,当該地番の土地がその場所に位置していることは示しているとしても,当該土地の面積や各辺の長さを正確に反映していると認めることはできないというべきであるし,また,旧字原図が本件土地付近の状況を正確に反映していると認めることもまたできないから,これらを根拠として同土地の面積がより広かったと認めることはできない。また,別紙平面図記載のE,F点は水路にほぼ接して建てられていた建物の北側と東側の各角部分であったことや,別紙平面図5の点と10の点にのべ石が存在していたことについても,本件全土地部分は,昭和46年5月に,戌が1126番31の土地を買い受けるに至るまで,一貫して新居一族がこれを所有してきていたことからすれば,新居一族は,建物の建築にあたって各筆間の境界を意識する必要はなかったと解されるから,これらを根拠として本件土地付近の各土地の境界を認定することはできない。旧1126番4と旧々1126番1が昭和5年8月に合併されたとの事実のみでは,別紙平面図ア,イ,C,Dを囲んだ土地を旧1126番4の土地の所有者が占有していたとの事実を認めるに足りる証拠がない以上,同時点から20年経過時点で,旧1126番1土地の所有者によって時効取得され,その結果,昭和45年に行われた旧1126番8土地の分割は,前記時効取得された範囲のCDを境界として行われたとの主張もまた認めることはできない。2 争点2(本件競売において原告が所有権を取得した範囲)について(1) 担保権実行による不動産競売手続において,買受人が売却許可決定によって取得する不動産の所 た認めることはできない。2 争点2(本件競売において原告が所有権を取得した範囲)について(1) 担保権実行による不動産競売手続において,買受人が売却許可決定によって取得する不動産の所有権の範囲は,売却許可決定,物件明細書及び売却方法の公告に記載された不動産の範囲で,当該担保権の及ぶ範囲であると解される。そして,当該土地について,隣接地との境界が不明確であるとか,紛争が生じている場合には,債務者が現実に有する所有権の範囲と同一の範囲の不動産につき,買受人が所有権を取得すると解される。しかしながら,その境界が公法上の境界ではなく,私人間の合意による境界にとどまる場合には,物件明細書及び売却方法の公告の不動産の記載において,不動産の範囲に関して何らかの合意があったとして特別の売却条件として記載されている場合は格別,買受人(担保権者)に対して対抗要件を具備しない限りは,その境界に関する合意はなかったものとして,債務者の有する所有権の範囲を画するのが相当であると解される。 と解される。しかしながら,その境界が公法上の境界ではなく,私人間の合意による境界にとどまる場合には,物件明細書及び売却方法の公告の不動産の記載において,不動産の範囲に関して何らかの合意があったとして特別の売却条件として記載されている場合は格別,買受人(担保権者)に対して対抗要件を具備しない限りは,その境界に関する合意はなかったものとして,債務者の有する所有権の範囲を画するのが相当であると解される。(2) そこで,証拠(甲1,14,21,乙7,9,15,証人丙,前記鑑定並びに検証の結果)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。ア丙は,昭和58年4月8日に,丁Aから,本件土地を1000万円で購入した。その際の売買契約書には,「不動産の表示」欄に地番として1126番8と表示され,末尾に「(但し,実測面積弐壱六.七参㎡)」と記載されていたが,丙の購入する部分が,本件土地の一部分であるとの合意はなかった。そして,丙は同人から本件土地の面積が216.73平方メートルであるとの説明を受け,現地の状況についても確認した。イ別紙平面図C,D,E,F,Cの各点を結ぶ直線で囲まれた部分は,丙が幼少のころから通路として使用されてい 216.73平方メートルであるとの説明を受け,現地の状況についても確認した。イ別紙平面図C,D,E,F,Cの各点を結ぶ直線で囲まれた部分は,丙が幼少のころから通路として使用されていた。ウ別紙平面図L,K,O,I,J,P,Lの各点を結ぶ直線で囲まれた部分には,遅くとも昭和45年以降,勢戸所有の建物が存在しており,丙が本件土地を購入した際にも,同建物は存在していたが,原告が本件競売事件において入札する際には,存在していなかった。エ被告信用保証協会は,丙との間で,昭和62年2月27日,本件土地につき根抵当権設定契約を締結し,同年3月11日,根抵当権設定登記を経由した。オ丙は,平成元年ころ,勢戸との間で立会いの下で,両者各所有の土地の境界を別紙平面図5の点と10の点を結ぶ直線とすることを確認した上,同図A1,A2,B1,B2,K,5の各点に鋲を打った。カ本件土地は,登記簿上,前記旧1126番8を,1126番30及び同番31に分筆して以降,分筆等の手続は行われていない。キ被告信用保証協会は,本件競売事件の申立をし,平成8年9月25日に裁判所から競売開始決定を得,同月27日,本件土地につき差押登記がなされた。 で,両者各所有の土地の境界を別紙平面図5の点と10の点を結ぶ直線とすることを確認した上,同図A1,A2,B1,B2,K,5の各点に鋲を打った。カ本件土地は,登記簿上,前記旧1126番8を,1126番30及び同番31に分筆して以降,分筆等の手続は行われていない。キ被告信用保証協会は,本件競売事件の申立をし,平成8年9月25日に裁判所から競売開始決定を得,同月27日,本件土地につき差押登記がなされた。ク本件土地の売却許可決定及び物件明細書においては,本件土地に関する不動産の表示として,いずれも(ア)所在三原郡a町b字c(イ) 地番 1126番8(ウ) 地目宅地(エ) 地積 429.68平方メートル(オ)所有者丙博との記載があるだけであった。(3) 上記認定事実によれば,本件競売事件において競売の対象となった不動産は本件土地の売却許可決定及び物件明細書に表示された1126番の8の土地全体であり,その面積は,前記のとおり,公法上 (3) 上記認定事実によれば,本件競売事件において競売の対象となった不動産は本件土地の売却許可決定及び物件明細書に表示された1126番の8の土地全体であり,その面積は,前記のとおり,公法上の境界をもとにすれば,約428平方メートルであったと認められる。これに対し,原告は,前記のとおり過去の経緯等から丙が有していた所有権の範囲は,209.83平方メートルであったと主張する。確かに上記認定事実によれば,丙が本件土地を購入した時点においては,売買当事者の意思としては,別紙平面図A1,A2,B1,B2,K,5,A1の各点を結んだ直線で囲まれた土地(ほぼ北側更地に対応する。)を目的とするものであったと認めることができる。しかしながら,被告信用保証協会は,本件土地全体につき,昭和62年に根抵当権設定登記を経由し,同根抵当権の実行による競売手続により原告が本件土地を買受けたのであるから,原告が本件土地全体について所有権を取得することは,民法94条2項の法理に照らして明らかである。戌が本件土地の一部(南西側)を時効取得しうるものであったとしても,被告信用保証協会に対抗することはできず,原告の本件土地の全体の所有権取得を妨げるものではない。また,平成10年になされた丙と己との間における境界の確認(甲8)についても,本件競売による原告の土地所有権取得の範囲に影響を与えるものではない。 ,原告が本件土地全体について所有権を取得することは,民法94条2項の法理に照らして明らかである。戌が本件土地の一部(南西側)を時効取得しうるものであったとしても,被告信用保証協会に対抗することはできず,原告の本件土地の全体の所有権取得を妨げるものではない。また,平成10年になされた丙と己との間における境界の確認(甲8)についても,本件競売による原告の土地所有権取得の範囲に影響を与えるものではない。(4) 以上のとおり,原告が本件競売事件において取得した所有権の範囲は,公法上の境界で画された1126番8の土地全体であり,その面積はほぼ429平方メートルであったと認められる。3 結論よって,その余の点を判断するまでもなく,原告の請求はいずれも理由がないからこれを棄却することとし,訴訟費 体であり,その面積はほぼ429平方メートルであったと認められる。3 結論よって,その余の点を判断するまでもなく,原告の請求はいずれも理由がないからこれを棄却することとし,訴訟費用の負担につき,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。神戸地方裁判所第5民事部裁判長裁判官前坂光雄 裁判官永田眞理 裁判官窪田俊秀物件目録所在三原郡a町b字c地番 1126番8地目宅地地積 429.68平方メートル

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