令和2(行ウ)36 総長解任処分取消等請求事件

裁判年月日・裁判所
令和6年3月13日 札幌地方裁判所
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判決文本文76,663 文字)

- 1 - 判決 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求の趣旨 1 文部科学大臣が令和2年6月30日付けでした原告に対する国立大学法人北海道大学学長を解任する旨の処分を取り消す。 2 被告らは、原告に対し、連帯して1466万1832円及びこれに対する令和2年6月30日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 原告は、被告国立大学法人北海道大学(以下「被告北大」という。)の総長(学長)であったが、被告北大の総長選考会議は、原告の非違行為30件を認めて、文部科学大臣に原告の総長解任の申出(以下「本件解任申出」という。)をした。これを受けた文部科学大臣は、総長選考会議が認定した非違行為のうち28件を認定し、原告を被告北大の学長から解任する決定(以下「本件解任処分」という。)をした。 本件は、原告が、総長選考会議による本件解任申出について、①手続に瑕疵があること、②解任事由である「その他役員たるに適しないと認めるとき」に該当しないにもかかわらずこれを認定したこと、③判断過程審査に裁量権の逸脱・濫用があること、④比例原則違反による裁量権の逸脱・濫用があることなどから違法であり、本件解任申出の違法性は文部科学大臣の本件解任処分に承継されると主張して、被告国に対し本件解任処分の取消しを求め、被告北大職員及び文部科学大臣の行為によって損害を被ったと主張して、被告国及び被告北大に対し、国家賠償法1条1項及び民法719条に基づく損害賠償請求として、連帯して損害金1466万1832円及びこれに対する不法行為の日(本 - 2 -件解任処分の日)である令和2年6月30日から民法所定の年3%の割合によ 民法719条に基づく損害賠償請求として、連帯して損害金1466万1832円及びこれに対する不法行為の日(本 - 2 -件解任処分の日)である令和2年6月30日から民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 2 被告北大における総長選考会議規程の定め別紙1「国立大学法人北海道大学総長選考会議規程」(甲1、以下「本件規程」という。)のとおり(一部)である。 3 前提事実(当事者間に争いがない事実並びに掲記証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)⑴ 当事者原告は、総長選考会議で総長の候補者に決定された後、文部科学大臣より被告北大の学長に任命され、平成29年4月、6年の任期(令和5年3月まで)で被告北大の総長に就任した。 ⑵ 本件解任処分に至る経緯総長選考会議は、平成30年11月6日、原告の非違行為を調査するため、本件規程18条の2に基づいて調査委員会を設置した(甲52)。 調査委員会は、平成31年2月6日、総長選考会議に調査報告書を提出した(甲4)。 総長選考会議は、令和元年7月4日、調査報告書が報告した原告の非違行為のうち30件の非違行為(別紙3添付の別紙1記載のもの)について事実確認をして、総長解任の申出を決議し、同月10日、文部科学大臣に原告の総長解任申出(本件解任申出)をした(甲20、21、63)。 文部科学大臣は、令和2年6月26日、総長選考会議が事実確認した原告の非違行為30件のうち28件(別紙4添付の別紙記載のもの)の事実確認をし、同事実によって、国立大学法人法17条2項に規定する「その他役員たるに適しないと認めるとき」に該当するものと判断し、原告を同月30日付けで被告北大の学長から解任する本件解任処分を行った(甲28)。 原告は、同月29日、本件解任処分の通知 に規定する「その他役員たるに適しないと認めるとき」に該当するものと判断し、原告を同月30日付けで被告北大の学長から解任する本件解任処分を行った(甲28)。 原告は、同月29日、本件解任処分の通知を受領した。 - 3 -⑶ 原告は、令和2年12月10日、本件訴訟を提起した(顕著な事実)。 4 争点⑴ 本件解任申出の手続に瑕疵があり、違法であると認められるか(本件解任処分はその違法性を承継するか。)。 ⑵ 本件解任処分及び本件解任申出において認定された各非違行為に事実及び評価の誤りがあるか。 ⑶ 本件解任申出に裁量権の逸脱・濫用があるか(本件解任処分はその違法性を承継するか。)。 5 争点に関する当事者の主張各争点における当事者の主張は、別紙2「争点整理一覧表」記載のとおりである。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実当事者間に争いのない事実、前記前提事実、後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば、本件解任申出及び本件解任処分の経緯について、以下の事実が認められる。 ⑴ 総長選考会議のA1議長(以下「A1議長」という。)、A42議長代行及び被告北大の顧問弁護士であるA2弁護士(以下「A2弁護士」という。)は、平成30年9月29日、総長室を訪れ、原告に対し、被告北大の職員らから原告が不適切な言動や行動に及んだことを裏付ける録音記録を含む資料を受領しており、進退について検討するように伝えたところ、原告は総長の辞任を拒否した(弁論の全趣旨)。 ⑵ A2弁護士は、平成30年10月22日、被告北大のA3理事(以下「A3理事」という。)、A4理事(以下「A4理事」という。)及びA5理事(以下「A5理事」という。)に対し、教職員らから原告の非違行為について報告を受けたとして、資料を送付した(甲66、弁論の全趣旨)。 という。)、A4理事(以下「A4理事」という。)及びA5理事(以下「A5理事」という。)に対し、教職員らから原告の非違行為について報告を受けたとして、資料を送付した(甲66、弁論の全趣旨)。 - 4 -上記理事3名にA6理事(以下「A6理事」という。)及びA43理事兼事務局長を加えた5名は、同月23日、総長選考会議に上記資料の検討を委ねるべきとして、同資料をA1議長に送付した(甲67)。 ⑶ 総長選考会議は、平成30年11月6日、平成30年度第1回臨時会議において、A7弁護士(委員長)、A8弁護士及びA9弁護士の3名からなる調査委員会(以下「調査委員会」という。)を設置した(甲52、弁論の全趣旨)。 A1議長は、同月12日、原告に対し、総長選考会議において、調査委員会を設置し、原告の非違行為等について調査することを決定したこと、今後、原告に対して、調査委員会から事実確認のための聞き取り調査を行うので、その対応をお願いすることなどを通知した(甲2)。 調査委員会は、同年12月3日から平成31年1月22日にかけて被告北大職員等34名を対象にヒアリングを実施したが、原告の聴取は行わず、原告に対する調査対象事実の告知も行わなかった(弁論の全趣旨)。 調査委員会は、同年2月6日、総長選考会議に対し、調査報告書を提出した(甲4)。 ⑷ 原告は、平成30年12月9日、A1議長に対し、総長選考会議A1議長宛ての「辞表提出に関する誓約及び要請について」と題する書面及び文部科学大臣宛ての「総長辞任願い」と題する書面を提出したが、被告北大は、原告の辞任届を受理しなかった。 「辞表提出に関する誓約及び要請について」と題する書面には、辞表の提出により、総長選考委員会と調査委員会が現に行っている解任手続を速やかに終了すること、及び辞めた理由は の辞任届を受理しなかった。 「辞表提出に関する誓約及び要請について」と題する書面には、辞表の提出により、総長選考委員会と調査委員会が現に行っている解任手続を速やかに終了すること、及び辞めた理由は健康上の問題で総長を遂行できないとすること、また、調査委員会が調べている非違行為の内容について、証拠物件である文書・録音を原告に提出することを要請し、これらが保障されるのであれば、原告は自らの健康上の理由で辞任することを誓約する旨記載されて - 5 -いた。 また、「総長辞任願い」と題する書面には、健康上の理由から被告北大総長の職を辞することの承認を願うことが記載されていた(甲3、弁論の全趣旨)。 原告は、同月中旬、体調不良のため休職して入院し、退院後の平成31年2月7日、総長職務代理であったA3理事に復職を申し出た(弁論の全趣旨)。 しかし、同理事は、原告に対し、総長選考会議議長から原告がパワーハラスメントほかの複数の非違行為に及んだとの報告を受けたことを踏まえ、役員会において、原告の主治医が就労可能であると判断しても、直ちに復職を認めるべきではないとの結論に至ったとして、原告の復職の申出には応じられない旨回答した(甲5)。 ⑸ 総長選考会議は、平成31年2月14日、原告に対し、「国立大学法人北海道大学総長選考会議規程第18条の規定に基づく今後の手続きについて(通知)」(甲6)において、調査報告書を添付し、本件規程18条に基づく解任の申出に係る審議を行うにあたっての手続を通知した。同通知では、調査報告書添付書類の閲覧期間は同月21日から同年3月1日まで(土曜日及び日曜日を除く。)の午前8時30分から午後5時までの間と指定され、原告の陳述書の提出期限は同年4月8日までとされた。 これに対し、当時の原告代理人ら(以下、単に「原告 ら同年3月1日まで(土曜日及び日曜日を除く。)の午前8時30分から午後5時までの間と指定され、原告の陳述書の提出期限は同年4月8日までとされた。 これに対し、当時の原告代理人ら(以下、単に「原告代理人ら」という。)は、同年2月26日、要請書(甲7)において、調査報告書添付書類の謄写及び同報告書添付の音声データの複製、並びに、閲覧期間の大幅な延長を求めた。 総長選考会議は、同年3月1日、「平成31年2月26日付け貴殿からの要請書について」(甲8)において、閲覧及び謄写並びに音声データの聴取及び複製の可否について示した上で、閲覧、謄写等を認める条件として、原 - 6 -告及び原告代理人らに対して、当該書類等を正当な権利行使以外の目的に利用しないこと、取得した情報を第三者に開示しないこと、及び本件の関係者への直接の働きかけを将来にわたって一切行わないことを約する誓約書の提出を条件とし、閲覧期間を同年3月20日まで延長した。 原告代理人らは、同月6日、「ご連絡書」(甲9)において、誓約書記載の「本件の関係者への直接の働きかけを将来にわたって一切行いません。」とする条件を削除すること、調査報告書添付書類のカメラや複写機を利用した謄写を認めること、閲覧期間の再延長を求めた。 総長選考会議は、同月7日、「平成31年3月6日付け貴殿からの連絡書について」(甲10)において、原告の代理人らの誓約書から「本件の関係者への直接の働きかけを将来にわたって一切行いません。」とする条件を削除することに同意したが、その他の要求については認めなかった。 原告代理人らは、同年4月9日、「ご連絡書」(甲14)において、①証拠書類の閲覧期間制限を撤回し、意見陳述実施日まで閲覧を認めること、②原告に提出を求める誓約書についても「本件の関係者への直接の働きかけ 代理人らは、同年4月9日、「ご連絡書」(甲14)において、①証拠書類の閲覧期間制限を撤回し、意見陳述実施日まで閲覧を認めること、②原告に提出を求める誓約書についても「本件の関係者への直接の働きかけを将来にわたって一切行いません。」とする条件を撤回すること、③コピー機・カメラによる謄写や音声データの複製を認めること、④同月19日までとされている陳述書の提出期限を延期することを求めた。 総長選考会議は、同月12日、「平成31年4月9日付け貴殿からの連絡書について」(甲15)において、陳述書の提出期限を令和元年5月10日まで延長すること、調査報告書添付書類の閲覧等を意見陳述日の前日までの間とすることを認めた。 原告代理人らは、同年5月10日、総長選考会議に対し、意見書(甲16)を提出し、原告は陳述書(甲17)を提出した。 ⑹ 原告及び原告代理人らは、令和元年5月21日、総長選考会議の臨時会議(令和元年度第1回)において口頭で意見陳述を行い、質疑応答が行われた。 - 7 -同会議には、A3理事、A4理事及びA5理事は出席しなかった(甲18、57)。 その後、総長選考会議は、同月25日(同第2回)、同年6月2日(同第3回)、同月11日(同第4回)、同月18日(同第5回)、同月24日(同第6回)及び同年7月4日(同第7回)に臨時会議を実施したが、いずれの会議にもA3理事、A4理事及びA5理事は出席しなかった(甲58ないし63)。 なお、原告及び原告代理人らは、同年6月21日にも口頭による意見陳述を行ったが、これには、A1議長のほか総長選考会議委員4名のみが出席した(甲19の2)。 総長選考会議は、令和元年度第7回臨時会議において、調査報告書が認定した非違行為のうち30件を認めて総長解任の申出を決議し、同月10日、文部科学大臣に対 議委員4名のみが出席した(甲19の2)。 総長選考会議は、令和元年度第7回臨時会議において、調査報告書が認定した非違行為のうち30件を認めて総長解任の申出を決議し、同月10日、文部科学大臣に対し、本件解任申出をした(甲20、21、63)。 ⑺ 原告は、令和2年1月29日、被告北大に対して復職を再度求めたが(甲22)、総長職務代理のA3理事は、同年2月10日、令和元年7月11日の役員会において、文部科学大臣の判断が出るまでの間は復帰を認めるのは適切でない旨を決定したことを通知した(甲23)。 ⑻ 文部科学大臣は、令和2年1月17日付け「行政手続法第13条第1項第1号に基づく聴聞の実施について(通知)」(甲24)を発し、総長選考会議の「国立大学法人北海道大学総長の解任の申出に係る審議等の結果」に記載された事案について、原告による日常的なハラスメント18件、対外的な被告北大の信用を失墜する行為2件、被告北大代表者及び研究者としての問題行為3件、総長としての資質を疑われる行為5件の事実確認をしたこと、原告に対して聴聞を実施することを通知した。 原告は、同年3月11日、文部科学大臣に対して陳述書(甲25)及び意見書(甲26)を提出し、同月16日、文部科学省による聴聞が実施さ - 8 -れた(甲27)。 ⑼ 文部科学大臣は、令和2年6月26日、「国立大学法人法第17条第2項に基づく処分」(甲28)において、総長選考会議が認定した30件の非違行為のうち28件を認定し、同月30日付けで原告を被告北大の総長から解任する本件解任処分を行った。 2 争点⑴(⑴ 本件解任申出の手続に瑕疵があり、違法であると認められるか〈本件解任処分はその違法性を承継するか。〉。)について⑴ 総長選考会議における意見陳述の機会の不存在(別紙2の第1の1) 争点⑴(⑴ 本件解任申出の手続に瑕疵があり、違法であると認められるか〈本件解任処分はその違法性を承継するか。〉。)について⑴ 総長選考会議における意見陳述の機会の不存在(別紙2の第1の1)ア原告は、総長選考会議が非違行為について調査するとしながら、どのような事情で解任申出の審議を行うに至ったのか原告に説明せず、また、調査委員会の調査報告書添付書類について、その大半の謄写を認めず、事情聴取の音声データの録音等も認めなかったから、実質的な反論及び立証を行う機会の付与が認められず、意見陳述の機会が与えられたと認めることはできないから、本件規程18条2項に反している旨主張する。 イしかしながら、前記認定事実⑸のとおり、総長選考会議は、平成31年2月14日、原告に対し、解任の申出に係る審議に関する手続を通知する際、調査報告書を添付しているのであって、原告は、この調査報告書によって、調査対象事項及びそれに対する調査委員会による調査結果の内容を把握できており、解任申出の審議を行うに至った事情について説明を受けなければ、意見陳述をすることができなかったとは認められない。 また、原告代理人らに対しても、多くの調査報告書添付書類の謄写や事情聴取の音声データの録音が認められていなかったことが認められるが(甲9)、これらの謄写した書類や録音が外部に流出することによる弊害は容易に想像することができる一方で、原告代理人らには、これらの閲覧等が認められ、筆記及びパソコンの打ち込みによる謄写も認められていたこと、調査報告書の内容は原告の言動に関するものであることからすると、 - 9 -これらの書類の謄写や音声データの録音等をしなければ、意見陳述をすることができなかったとはいえない(なお、実際、原告及び原告代理人らは、詳細な陳述書(甲17 であることからすると、 - 9 -これらの書類の謄写や音声データの録音等をしなければ、意見陳述をすることができなかったとはいえない(なお、実際、原告及び原告代理人らは、詳細な陳述書(甲17)及び意見書(甲16)を提出している。)。 そして、原告の陳述書の提出期限は、最終的には令和元年5月10日まで延長され、調査報告書添付書類の閲覧についても、総長選考会議における口頭での意見陳述が行われた同月21日の前日まで認められていることからすると、原告には、本件規程18条2項による意見陳述の機会が実質的に与えられていたということができる。 したがって、原告の上記主張は理由がない。 ⑵ 議長が総長選考会議による解任手続前に原告に対して総長の辞任を要求した違法(別紙2の第1の2)ア原告は、A1議長らは、原告の非違行為の証拠資料に接する前に、何ら総長辞任を要求する権限がないにもかかわらず、公益通報を阻止しているなどと虚偽の事実を申し向けて辞任を要求しており、違法である旨主張する。 イしかしながら、前記認定事実⑴のとおり、A1議長、A42議長代行及びA2弁護士は、原告に対して、進退について検討するよう申し入れたにすぎず、しかも、原告は同申入れに対し、辞任を拒否しているのであって、同申入れは、本件解任申出の手続に何ら影響を及ぼしていない。 したがって、原告の上記主張は、本件解任申出の手続が違法であることを何ら基礎付けるものではなく、理由がない。 ⑶ 理事・副学長3名のオブザーバー出席の違法(別紙2の第1の3)ア原告は、本件規程7条の2は、「会議が必要と認めるときは、会議の委員以外の者の出席を求め、説明又は意見を聴くことができる」と定めているところ、これは審議に必要な範囲で、個別的に出席を求め、発言を求めるものであるにもかかわらず 「会議が必要と認めるときは、会議の委員以外の者の出席を求め、説明又は意見を聴くことができる」と定めているところ、これは審議に必要な範囲で、個別的に出席を求め、発言を求めるものであるにもかかわらず、A3理事(副学長)、A4理事(副学長) - 10 -及びA5理事(副学長)の3名(以下「A3理事ら3名」という。)は、平成31年2月12日の臨時第2回総長選考会議まで出席しており、特にA4理事及びA5理事は非違行為の被害者とされている立場である以上、利害相反する他方当事者の直接関与となり、手続上の重大な瑕疵がある旨主張する。 イしかしながら、本件規程7条の2は、特段、出席することができない者を規定していないし、かえって、「国立大学法人北海道大学総長選考会議における理事の出席に関する申合せ」(丙35)によれば、総長選考会議には、総括理事、教育担当理事及び研究担当理事を出席させることとする、総長選考会議の求めに応じ、その他の理事を出席させることができると規定されているところ、A3理事は総括理事、A4理事は教育担当理事、A5理事は研究担当理事であることから(甲97)、A3理事ら3名の出席自体は同申合せに沿っているといえる。 さらに、A3理事ら3名は、調査委員会の設置が決められた平成30年11月6日の平成30年度第1回臨時会議(甲52)、調査委員会に対する質疑応答がなされ、調査報告書の提出をもって調査委員会における調査を終了することが了承された平成31年2月12日の同第2回臨時会議(甲54)及び原告の解任申出に関する選考会議のスケジュール等の報告がなされた同年3月19日の同第4回会議(甲55)にオブザーバーとして参加しているが、原告の非違行為について事実確認が始まった令和元年5月21日の令和元年度第1回臨時会議から、本件解任決議をした 告がなされた同年3月19日の同第4回会議(甲55)にオブザーバーとして参加しているが、原告の非違行為について事実確認が始まった令和元年5月21日の令和元年度第1回臨時会議から、本件解任決議をした同年7月4日の同第7回臨時会議まで間の会議には出席しておらず、利害関係のある理事らが本件解任申出の決定に実質的に関与したということもできない。 したがって、総長選考会議にA3理事ら3名がオブザーバー出席したことが違法であるとは認められず、原告の上記主張は理由がない。 - 11 -⑷ 開催自体を秘密にした臨時会議で審議した違法(別紙2の第1の4)ア解任に関する会議の開催の秘密原告は、定例の総長選考会議の開催は、被告北大のホームページにより公表されており、情報開示請求があれば開示しなければならないにもかかわらず、本件解任申出の手続に関する臨時総長選考会議は被告北大のホームページに全く記載されておらず、その存在が分からなければ開示請求もできない以上、会議開催自体の秘匿や会議内容の確認や記録保存の懈怠は、公文書等の管理に関する法律(以下「公文書管理法」という。)11条及び4条に違反する旨主張する。 しかしながら、被告北大ホームページでは、総長選考会議が文部科学大臣に対して本件総長解任申出をしたことが掲載され(丙36の1、2)、その後も本件解任申出を受けた文部科学大臣が原告を解任した旨が掲載されている(丙45)。また、本件解任申出の手続における臨時総長選考会議の議事録はいずれも作成されているのであって(丙52、54、57ないし63)、総長選考会議における意思決定に至る過程を合理的に跡付け、又は検証することができる文書は作成されているというべきであるから、公文書管理法11条及び4条に違反しているとはいえない。 また、そ 、総長選考会議における意思決定に至る過程を合理的に跡付け、又は検証することができる文書は作成されているというべきであるから、公文書管理法11条及び4条に違反しているとはいえない。 また、そもそも公文書管理法は、行政文書等の適正な管理、歴史公文書等の適切な保存及び利用等を図り、もって行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とするものであり(同法1条)、同法11条及び4条に従った文書が作成されていなかったからといって、当該文書が作成されるべき手続が直ちに違法になるとも解されないのであって、原告が主張する会議開催の秘匿や文書の管理の問題は、本件解任申出の手続の - 12 -違法に影響しないといいうべきである。 したがって、原告の上記主張は理由がない。 イ原告の辞任の申出を審議せず、手続をとらなかったこと原告は、平成30年12月8日、健康上の問題を理由に総長の辞任を申し出て、同月9日、A1議長はこれを本件規程9条2項の辞任の申出として受領し、何ら辞任の届出を止める権限がないにもかかわらず、その後の手続を進めなかったことは、重大な手続違背であると主張する。 しかしながら、前記認定事実⑷のとおり、原告は、A1議長に対し、文部科学大臣宛ての「総長辞任願い」と題する書面を提出したが、同時に、総長選考会議宛ての「辞表提出に関する誓約及び要請について」と題する書面を提出し、同書面には、辞表の提出により、総長選考委員会と調査委員会が行っている解任手続を速やかに終了すること、及び辞めた理由は健康上の問題で総長を遂行できないとすること、また、調査委員会が調べている非違行為の内容について、証拠物件である文書・録音を原告 査委員会が行っている解任手続を速やかに終了すること、及び辞めた理由は健康上の問題で総長を遂行できないとすること、また、調査委員会が調べている非違行為の内容について、証拠物件である文書・録音を原告に提出することが保障されることを条件に辞任することを誓約する旨記載されていることからすると、上記「総長辞任願い」は、原告の確定的な意思に基づく辞任届であるとは認められない。 したがって、A1議長が原告について辞任の手続を進めなかったことは違法とはいえず、原告の上記主張は理由がない。 ウ定足数を欠いた聴聞手続原告は、令和元年6月21日に原告が行った口頭による意見陳述(甲19の2)が総長選考会議の定足数を充たさない会議で行われており、違法である旨主張する。 しかしながら、本件規程18条2項は、総長から意見陳述の申出があった場合には、口頭又は書面で陳述の機会を与えなければならないと規定するところ、前記認定事実⑸のとおり、原告は、同年5月10日に、 - 13 -総長選考会議に対し、意見書(甲16)及び原告の陳述書(甲17)を提出しており、書面で陳述する機会が与えられている。さらに、前記認定事実⑹のとおり、原告及び原告代理人らは、同年5月21日に、総長選考会議の定足数を満たした臨時会議(令和元年度第1回)において、口頭による意見陳述の機会も与えられている。 なお、前記認定事実⑹のとおり、原告は、同年6月21日に、A1議長ほか総長選考会議委員4名のみが出席した場において、口頭による意見陳述を行っているが、これは総長選考会議として実施されたものとは認められないから、総長選考会議の定足数を満たしていないからといって違法であるとはいえない。 したがって、上記原告の主張は理由がない。 ⑸ 調査委員会における調査手 されたものとは認められないから、総長選考会議の定足数を満たしていないからといって違法であるとはいえない。 したがって、上記原告の主張は理由がない。 ⑸ 調査委員会における調査手続の瑕疵(別紙2の第1の5)ア原告は、調査委員会において、原告に対する事情聴取を行わなかったこと、原告に対して調査対象事実が告知されなかったこと、調査委員会が非違行為認定の根拠とした録音データの反訳書には、録音データにはない事情が付加されていたことなどから、原告に対する手続保障が与えられず、認定方法の公平性が欠けており、信義誠実原則に反して違法である旨、そして、調査委員会の調査に重大な違法がある以上、本件解任申出も違法なものとなる旨主張する。 イしかしながら、調査委員会において、原告に対する事情聴取を行わなければならないとする明確な規定は存在せず、誰に対する調査を行うか等の調査方法は、調査委員会の裁量に委ねられているというべきである。そして、調査委員会の調査結果がそのまま総長選考会議の結論になるというものではなく、実際に、上記のとおり、原告は、総長選考会議に対し、意見書(甲16)及び陳述書(甲17)を提出し、また、令和元年5月10日には、総長選考会議の臨時会において、口頭で意見陳述を行い、さらに、 - 14 -同年6月21日にもA1議長ほか総長選考会議委員4名に対して口頭による意見陳述も行っているのであるから、調査委員会において、原告に対する事情聴取を行っていないからといって、本件解任申出が違法であるとはいえない。 また、録音データの反訳書(丙3)には、反訳者の主観的な評価が反映されている部分があることが認められるが、その内容は、全体を通して、録音内容を概ね正確に反訳しており、総長選考会議において原告の また、録音データの反訳書(丙3)には、反訳者の主観的な評価が反映されている部分があることが認められるが、その内容は、全体を通して、録音内容を概ね正確に反訳しており、総長選考会議において原告の非違行為に関する認定を著しく誤らせる程度の情報が付加されているとは認められない。 したがって、原告の上記主張は理由がない。 ⑹ 調査委員会の人選の瑕疵(別紙2の第1の6)ア原告は、本件規程18条の2第2項は、「調査委員会は、学外の有識者を含む委員で構成する」と定めているが、調査委員会の委員として、大学教育の研究者としても大学運営者としても素人であり、同質の弁護士3名を選任したことは、上記規程に反する旨主張する。また、被告北大は、法人文書不開示決定通知書(甲86)において、調査委員の選考については総長選考会議議長により決定し、選考経過を明らかにする文書は存在しない旨回答しているが、選考経過を明らかにできない点は公文書管理法11条及び4条に違反するほか、議長により決定した点は本件規程18条の2第3項に違反する旨主張する。 イしかしながら、本件規程18条の2第2項は、調査委員会は学外の有識者を含む委員で組織すると規定するのみで、調査委員の具体的な属性について何ら規定しておらず、また、委員全員を学外の有識者とすることを禁止するものであるとも解されないから、学外の第三者である弁護士3名を調査委員に選任したことが違法であるとはいえない。 そして、平成30年度臨時第1回国立大学法人北海道大学総長選考会議 - 15 -議事要旨(甲52)によれば、調査委員の選考は、同会議において、議長から、前記認定事実⑶記載の3名の弁護士により調査委員会を構成することなどが諮られ、これが了承されたことが認められるのであって、同議事 事要旨(甲52)によれば、調査委員の選考は、同会議において、議長から、前記認定事実⑶記載の3名の弁護士により調査委員会を構成することなどが諮られ、これが了承されたことが認められるのであって、同議事要旨により、調査委員の選考過程は明らかであるし、議長により決定されたものでもない。 したがって、原告の上記主張は理由がない。 ⑺ 調査委員会の調査目的の違法(別紙2の第1の7)ア原告は、調査委員会は、委嘱された事実についてその真偽、評価をするのではなく、総長選考会議から提出された調査対象資料を法的に体裁を整え、それに加えて、「調査対象事項で示された個々の行為は、その日常的に行われてきた行為の一端にすぎない」として、原告の悪性及び悪行を主張し、「総長としての資質」の欠落に結び付けたもので、調査委員会の調査目的が違法であった旨主張する。 イしかしながら、後述のとおり、総長選考会議が調査委員会の調査に基づいて認定した30件の非違行為のうち、28件の事実が認められ、「その他総長たるに適しない」と認めた本件解任申出に裁量の逸脱濫用は認められず、そのほかに調査委員会の調査目的が違法であることをうかがわせる事情も認められない。 したがって、原告の上記主張は理由がない。 ⑻ 以上のとおり、本件解任申出の手続に瑕疵は認められず、違法であるとは認められない。 3 争点⑵(本件解任処分及び本件解任申出において認定された各非違行為に事実及び評価の誤りがあるか。)について⑴ 平成29年5月2日のA10財務部長(以下「A10財務部長」という。)に対するハラスメントとされている点について(別紙2第2の1⑴)ア本件解任処分において、文部科学省は、原告による日常的なハラスメ - 16 -ントとして、「原告が、 」という。)に対するハラスメントとされている点について(別紙2第2の1⑴)ア本件解任処分において、文部科学省は、原告による日常的なハラスメ - 16 -ントとして、「原告が、平成29年5月2日夕方、A10財務部長らが原告に北海道日本ハムファイターズと被告北大との間における新球場に関する協議内容について報告するため総長室に入った際に、A10財務部長に対して、『財務部長が今やらなければならない業務を放棄している』『A11さん(元文部科学省顧問)に言うぞ』といった、威圧的な言動を行った。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載1⑴)、総長選考会議もほぼ同一の事実を認定する(別紙3添付の別紙1記載1)。 イ証拠(丙1p231、379、証人A10)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 A10財務部長及びA6理事は、平成29年5月2日午後4時頃、原告に対し、北海道日本ハムファイターズ(以下「日ハム」という。)と被告北大との間における新球場に関する協議内容を報告するため、総長室に入室した。 原告は、A10財務部長とA6理事が入室してすぐ、A10財務部長に対し、第3期中期計画における財務計画のシミュレーションの検討がどうなっているかを問い質した。 これに対し、A10財務部長は、問題なく作業を進捗させている旨報告したところ、原告は、「財務部長、あなたは今やらなければならない業務を放棄している。今後、日ハムとの協議については一切関わるな。」などと厳しい口調で叱責した。 A10財務部長及びA6理事は、総長室を退室したが、再び、原告は、A10財務部長に入室するよう指示し、これにA12学長補佐(以下「A12学長補佐」という。)及びA13元政策調整室長も同席した。 そして、原告は、A10財務部長に対し、「文部科 たが、再び、原告は、A10財務部長に入室するよう指示し、これにA12学長補佐(以下「A12学長補佐」という。)及びA13元政策調整室長も同席した。 そして、原告は、A10財務部長に対し、「文部科学省のA11顧問に言えば、お前の首なんか飛ばせるんだ、A11顧問に言い付けるぞ。」などと叱責した。 - 17 -ウこの点、原告は、A10財務部長に対し、日ハムの新球場誘致ではなく、人件費削減による研究環境悪化への対策を講じることについて取り組むよう指示した、業務上の必要性のある正当な言動である旨主張する。 そして、原告は、「平成29年6月に開催される経営協議会において、財政再建と人件費削減の見通しを報告することが必須であるとA10財務部長に伝えていたが、大きな進展が見られない状況だった。そのため、同日の面談において、A10財務部長に対し、人件費削減は重要かつ中核的な課題であると話し、責任者として真剣に取り組んでもらいたい旨話をしたが、激高したり、威圧的・脅迫的な言葉は使っていない。また、経営協議会のメンバーであるA11顧問は被告北大の財政シミュレーションに強い関心を持っており、『A11さんから、歯に衣着せぬ厳しい指摘があるかもしれない。このような対応ではご理解いただけない。大変だ。』と述べ、積極的な姿勢での取組みを促したのであり、人事に関わり圧力を加える発言はしていない。」旨陳述する(甲107p5、原告本人)。 しかしながら、原告の上記陳述は、A10財務部長の証言と相反するところ、A10財務部長の証言は、具体的かつ詳細である上、経緯に照らして自然で、調査委員会に対する説明(丙1p231)とも一致している。また、同席していたA6理事の調査委員会に対する説明(丙1p379)とも概ね一致するものであり、A10財務部長の証言の信 緯に照らして自然で、調査委員会に対する説明(丙1p231)とも一致している。また、同席していたA6理事の調査委員会に対する説明(丙1p379)とも概ね一致するものであり、A10財務部長の証言の信用性は高いといえる。他方、上記イの認定事実と相反する原告の上記陳述を裏付ける証拠はない。 したがって、上記イの認定事実と相反する原告の上記陳述は採用できない。 そして、原告が、A10財務部長の財務計画のシミュレーションの検討が十分でないと考えたとしても、「財務部長が今やらなければならな - 18 -い業務を放棄している。」「文部科学省のA11顧問に言えば、お前の首なんか飛ばせるんだ、A11顧問に言い付けるぞ。」などといった、威圧的な言動で叱責する必要はないのであって、かかる原告の言動が業務上の必要性のある正当な言動であるとはいえない。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は、正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がない。 ⑵ 平成29年6月30日のA14研究推進部長(以下「A14研究推進部長」という。)に対する言動について(別紙2第2の1⑵)ア本件解任処分において、文部科学省は、原告による日常的なハラスメントとして、「原告が、平成29年6月30日頃、総長室において、A14研究推進部長から、内閣府の事業である『まち・ひと・しごと』の予算積算の件で現状積算額の報告を受けた際、A14研究推進部長に対し、『激昂し』『お叱り、罵声』『足を踏み鳴らし』などと受け止められる態様で、『何を考えているのか』『メモをとるな』などと、威圧的な叱責を行った。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載1⑵)、総長選考会議もこれとほぼ同一の事実を認定する(別紙3添付の別紙1記載2)。 イ 考えているのか』『メモをとるな』などと、威圧的な叱責を行った。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載1⑵)、総長選考会議もこれとほぼ同一の事実を認定する(別紙3添付の別紙1記載2)。 イ証拠(丙1p28、47、丙2p8、証人A14、証人A5)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 A14研究推進部長は、平成29年6月上旬から中旬頃、原告から、内閣府の事業である「まち・ひと・しごと」の調整役に指名され、文部科学省の出向者から予算規模が一拠点当たり5年間で100億円、1年間で20億円と聞いていたことから、これを前提とした資料を作成した。 A14研究推進部長は、同月30日、担当のA5理事と共に総長室に行き、同資料を説明したところ、原告は、A14研究推進部長に対し、大きな声で、「総長裁量経費で2億円しか準備していない、100億円というような指示はしていない。」「何を考えているのか。」「メモを取る - 19 -な。」などと叱責し、床を二度、三度強く踏みつけるなどした。 その間、A14研究推進部長は、硬直した状態で黙って立っていた。 A5理事は、総長室を退室した後も、A14研究推進部長の息が荒く、顔色も悪く、精神的に不安定なように見えたことから、同人を理事室に入れて、1時間ほど話をして落ち着かせた。 ウこの点、原告は、A14研究推進部長が述べた「まち・ひと・しごと」事業の予算の額について質問したが、A14研究推進部長からかみ合った回答がなされなかったため、注意指導した、業務上必要性のある正当な言動である旨主張する。 そして、原告は、「平成29年6月29日の会議において、北海道及び札幌市等に対し、原告は被告北大として単年度2億円を用意する心づもりがあると呼びかけていた。同会議終了後、A5理事から被告 張する。 そして、原告は、「平成29年6月29日の会議において、北海道及び札幌市等に対し、原告は被告北大として単年度2億円を用意する心づもりがあると呼びかけていた。同会議終了後、A5理事から被告北大の予算案を北海道庁に示す必要があるとの報告を受けたため、A14研究推進部長に対し、予算案を示すよう指示した。にもかかわらず、A14研究推進部長から報告されたのは被告北大の予算を単年度で20億円、5年間で100億円まで増やしたというものであった。A14研究推進部長に対し、それを実現できる根拠や方策について質問したが、かみ合った回答がなかったため、指導注意した。また、『メモをとらないように。』と発言したが、メモを取ることに夢中にならず、質問の意図を踏まえて回答してほしいという趣旨であった。」旨陳述する(甲107p8、原告本人)。 しかしながら、原告の上記陳述は、A14研究推進部長及びA5理事の各証言と整合しないところ、A14研究推進部長及びA5理事の各証言は、いずれも具体的かつ詳細で、その内容は概ね一致しており、その経緯も自然である。また、A5理事の調査委員会に対する説明(丙1p47)や、途中から総長室に入室したA15政策調整室長代理(以下 - 20 -「A15室長代理」という。)の調査委員会に対する説明(丙1p28、丙2p8)とも整合しており、A14研究推進部長及びA5理事の各証言の信用性は高いといえる。他方、上記イの認定事実と相反する原告の陳述を裏付ける証拠はない。 したがって、上記イの認定事実と相反する原告の上記陳述は採用できない。 そして、原告が、A14研究推進部長の「まち・ひと・しごと」事業の予算の額について質問に対する回答が十分でないと考えたとしても、大きな声で、「総長裁量経費で2億円しか準備して ない。 そして、原告が、A14研究推進部長の「まち・ひと・しごと」事業の予算の額について質問に対する回答が十分でないと考えたとしても、大きな声で、「総長裁量経費で2億円しか準備していない、100億円というような指示はしていない。」「何を考えているのか。」「メモを取るな。」などと叱責し、床を二度、三度強く踏みつけるなどする必要はないのであって、かかる原告の言動が業務上の必要性のある正当な言動であるとはいえない。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は、正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がない。 ⑶ 平成29年9月1日のA6理事に対する言動について(別紙2第2の1⑶)ア本件解任処分において、文部科学省は、原告による日常的なハラスメントとして、「原告が、平成29年9月1日午後2時頃、総長室において、北海道大学の構内が北海道日本ハムファイターズの球場移転先の候補の1つとされていたことから、A6理事が原告に、大学側において検討チームを設置することを進言したところ、A6理事に対して、『何を考えているんだ』『こんなもん、来るわけないだろう』などと不必要に怒鳴るなど、威圧的な発言を行った。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載1⑶)、総長選考会議もこれとほぼ同一の事実(別紙3添付の別紙1記載3)を認定する。 イ証拠(丙1p363、丙4p44、証人A16)及び弁論の全趣旨によ - 21 -れば、以下の事実が認められる。 A6理事は、平成29年9月1日午後2時過ぎ頃、A16政策調整室長(以下「A16室長」という。)を伴って総長室を訪れ、原告に対し、被告北大が日ハムの新球場移転先の最終候補地になった場合に備え、検討チームを立ち上げることを進言した。 過ぎ頃、A16政策調整室長(以下「A16室長」という。)を伴って総長室を訪れ、原告に対し、被告北大が日ハムの新球場移転先の最終候補地になった場合に備え、検討チームを立ち上げることを進言した。 原告は、最初これを聞いていたが、途中から、机を叩いて、「何を考えているんだ。」「こんなもん、来るわけないだろう。」と怒鳴った。 これに対し、A6理事は、事前に、札幌市から要請があった時に備えて、本学としての方針というのは、きちんと関係の所とも検討を進めておいた方が良いと思う旨言って譲らなかったところ、原告から怒られたため、「そんな事だったら、立候補しなかったらいいじゃないですか。」と言った。 原告は、「何、考えているんですか。」というようなことを言って机を思いっきり叩き、その後、A6理事も原告と一緒に同席することになっていた来客の対応に同席しないほうがいい旨告げた。 このとき、A6理事が、机を叩いたり、怒鳴ったりしたことはなかった。 ウこの点、原告は、A6理事に対し、「(日ハムの球場の移転に関する)検討チームを今作る必要はありません。」と述べ、A6理事からその理由を質問された際に「現時点ではトップシークレットであり、話せない。」と回答した、原告がハラスメントを行ったと評価することはできない旨主張する。 そして、原告は、「A6理事に対し、『検討チームを今作る必要ありません。』と回答したが、不必要に怒鳴ったり、突き放すような一方的かつ強圧的な発言をしたことはない。札幌市の幹部から新球場を被告北大内に作る予定がない旨を聞かされており、そのことを公にしないでほし - 22 -いと要望を受けていた上、被告北大のОBからも反対意見を受けていたことから、原告は、A6理事に対し、検討チームを作る必要がない理由について、『現時点ではシーク を公にしないでほし - 22 -いと要望を受けていた上、被告北大のОBからも反対意見を受けていたことから、原告は、A6理事に対し、検討チームを作る必要がない理由について、『現時点ではシークレットであり、話せない。』と説明することしかできなかった。それに対し、A6理事は激昂し、手のひらで強くドンと1回机を叩きながら、原告に対し、『何を考えているのですか。』と怒鳴り、さらに、『今まで、私達にやる必要がない仕事をやらせていたのですか。』と怒鳴り続けた。」旨陳述する(甲107p11、原告本人)。 しかしながら、原告の上記陳述は、同席していたA16室長の証言と相反するところ、A16室長の証言は、具体的かつ詳細である上、その経緯も自然である。また、A6理事長の調査委員会に対する説明(丙1p363)とも一致し、さらに、政策調整室の総長室に一番近い席に座っていたA17も、調査委員会に対し、同様の回答をしている(丙4p44)ことからすると、A16室長の証言の信用性は高いといえる。他方、上記イの認定事実と相反する原告の上記陳述を裏付ける証拠はない。 したがって、上記イの認定事実と相反する原告の上記陳述は採用できない。 そして、原告が、日ハムの検討チームを作る必要はないと考えていたとしても、「何を考えているんだ。」「こんなもん、来るわけないだろう。」などと怒鳴る必要はないのであって、上記認定の態様に照らせば、原告の言動はハラスメントに該当すると評価することができる。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は、正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がない。 ⑷ 平成29年9月8日のA5理事らに対して、前言を理不尽に覆す合理性を欠く発言を行った事実について(別紙2第2の1⑷)ア本 評価は、正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がない。 ⑷ 平成29年9月8日のA5理事らに対して、前言を理不尽に覆す合理性を欠く発言を行った事実について(別紙2第2の1⑷)ア本件解任処分において、文部科学省は、原告による日常的なハラスメン - 23 -トとして、「原告が、平成29年9月8日午後2頃、文部科学省で実施された研究大学強化促進事業の中間評価ヒアリングに出席するために同省を訪れていたA5理事、A14研究推進部長、A18研究推進部研究支援課長(以下「A18課長」という。)ら計7名の役職員に対し、出張先のロシアから成田に到着後1人で同省を訪れるので迎えは不要であると事前に伝えていたにも拘わらず、迎えがないことに激昂し、同省の玄関前で出迎えたA18課長を叱責するとともに、同省の控室においてこれら7名の役職員に対して、『なんで迎えに来ないのだ』『お前たちに一言言っておく』などと怒鳴るなど、前言を理不尽に覆す合理性を欠く発言を行った。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載1⑷)、総長選考会議もこれとほぼ同一の事実(別紙3添付の別紙1記載4)を認定する。 イ証拠(丙1p59、131、432、丙4p47、130、原告本人(一部)、証人A5、証人A14)及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。 原告は、平成29年9月8日、A5理事、A14研究推進部長及びA18課長ら7名の役職員と共に、文部科学省において、研究大学強化促進事業の中間評価ヒアリングに参加する予定であった。 そして、原告は、当日、出張先のロシアから成田空港に到着後、文部科学省に向かう予定であり、A5理事らとは同省の控室で待ち合わせる予定であった。 原告は、出張前、政策調整室のA19秘書(以下「A19秘書」という。)から文部科学省に アから成田空港に到着後、文部科学省に向かう予定であり、A5理事らとは同省の控室で待ち合わせる予定であった。 原告は、出張前、政策調整室のA19秘書(以下「A19秘書」という。)から文部科学省に着いたとき迎えが必要かどうか聞かれ、不要である旨伝えていたが、空港や駅への迎えについては特に指示をしていなかった。 原告は、同日、成田空港から文部科学省へ向かう途中、A19秘書に複数回架電し、成田に着いたことや、新橋駅に到着したことなどを - 24 -伝えていた。 A18課長は、政策調整室からの電話で、原告を文部科学省の玄関で出迎えてほしい旨の連絡を受けたことから、同省の玄関前で原告を出迎えたところ、原告は、A18課長を叱責した。 そして、原告は、文部科学省の控室に到着したが、部屋に入るなり、大声で「お前たちに一言言っておく。」「なんで迎えに来ないのだ。」などと叱責した。 ウこの点、原告は、上記アの事実及び評価には誤りがあり、これをもって、原告がハラスメントを行ったと評価することはできない旨主張する。 そして、原告は、「交通事情から待ち合わせの時刻に遅刻することが確実になったため,A19秘書に電話をし、A18課長に遅刻する旨連絡するよう伝え、文科省に到着して合流した際、『先ずは、皆さんに一言、遅刻いたしましたことお詫び申し上げます。』と述べた。」旨陳述する(甲107p13、原告本人)。 しかしながら、原告の上記陳述は、A5理事及びA14研究推進部長の各証言と相反するところ、A5理事及びA14研究推進部長の各証言は、いずれも具体的かつ詳細である上、経緯も自然で、その内容は概ね一致している。また、同人らの調査委員会における各説明(丙1p59、432、丙4p47)や、A18課長の調査委員会に対する回答(丙4p130 れも具体的かつ詳細である上、経緯も自然で、その内容は概ね一致している。また、同人らの調査委員会における各説明(丙1p59、432、丙4p47)や、A18課長の調査委員会に対する回答(丙4p130)、政策調整室で電話対応をしていたA19秘書の調査委員会に対する説明(丙1p131)とも概ね一致しており、A5理事及びA14研究推進部長の各証言の信用性は高いといえる。他方、上記イの認定事実と相反する原告の上記陳述を裏付ける証拠はない。 したがって、上記イの認定事実と相反する原告の上記陳述は採用できない。 そして、原告は、事前に文部科学省での出迎えは不要であると伝え、 - 25 -明確に空港や駅への出迎えを指示していなかったにもかかわらず、駅に迎えが来ないことについて大声で叱責していることからすると、原告の発言は合理性を欠いたものといえ、原告がハラスメントを行ったと評価することができる。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実(ただし、原告が、事前に迎えが不要であると伝えていたのは、文部科学省での出迎えであったと認められる。)及び評価は概ね正当であると認められ、原告の上記主張は理由がない。 ⑸ 平成29年10月26日のA15室長代理らに対する理不尽で合理性を欠く発言について(別紙2第2の1⑸)ア本件解任処分において、文部科学省は、原告による日常的なハラスメントとして、「原告は、平成29年10月26日午後、A21企画部次長とA13元財務部次長を随行し、文部科学省を訪問した際に、『事前にアポイントメントを入れると相手も構えてしまうのでアポイントメントは入れない』と述べていたにもかかわらず、A15室長代理がアポイントメントを取っていなかったことに怒り、同省から電話でA20政策調整室専門員 トメントを入れると相手も構えてしまうのでアポイントメントは入れない』と述べていたにもかかわらず、A15室長代理がアポイントメントを取っていなかったことに怒り、同省から電話でA20政策調整室専門員(以下「A20専門員」という。)に対して、『申し訳ないじゃすまないんだぁー』『A15君をだせ』といった理不尽で合理性を欠く発言を行った。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載1⑸)、総長選考会議もこれとほぼ同一の事実(別紙3添付の別紙1記載5)を認定する。 イ証拠(丙1p844、870、丙2p19、23、証人A15、証人A20)及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。 原告は、平成29年10月18日、A15室長代理に対し、概算要求の件で、インドネシアから戻った際、直接文部科学省に行き、法人支援課を中心に関係するところを数か所回りたい、たくさんのところを回るので、アポイントメントを取ると、審議官級などが出てきて、忌憚のな - 26 -い話を課長や課長補佐から聞くことができないので、アポイントメントは絶対に入れないでくれと強く指示された。そのため、A15室長代理は、アポイントメントを取らなかった。 原告は、同月26日、文部科学省を訪問したが、政策調整室に架電し、対応したA20専門員に対し、訪問予定の関係各課にアポイントメントを入れていないことについて、「申し訳ないんじゃすまないんだー。」「A15君を出せ。」などとA15室長代理を叱責する発言をした。 ウこの点、原告は、自分ではアポイントメントを取らないと述べたことがあるに過ぎず、アポイントメントを取らなくてよいと述べたことはない、仮に原告の指示が、アポイントメントを取らなくてよいと受け取られても仕方がないものであったとしても、アポイン 取らないと述べたことがあるに過ぎず、アポイントメントを取らなくてよいと述べたことはない、仮に原告の指示が、アポイントメントを取らなくてよいと受け取られても仕方がないものであったとしても、アポイントメントを取らなかった責任が誰にあるのかは不明であるから、原告がA15室長代理を問いただした行為の合理性も不明であり、原告の行動が理不尽で不合理との評価を受けるものではない旨主張する。 そして、原告は、「『総長が直接文部科学省の課長にアポイントメントを入れると相手も構えてしまうので、私からはアポイントメントは入れません。』と指示をしたにすぎず、あくまで自分から直接連絡はしないという趣旨であって、一切アポイントメント不要との指示をするはずがない。また、『申し訳ないんじゃすまないんだー。』『A15君を出せ。』などとは発言していない」旨陳述する(甲107p14、原告本人)。 しかしながら、原告の上記陳述は、A15室長代理及びA20専門員の各証言と相反するところ、A15室長代理の証言は、原告から具体的に理由を告げられてアポイントメントを絶対に入れないでくれと言われた旨、具体的かつ明確に証言しており、また、A15室長代理が原告ほか随行者に送った「10月26日(水)の文部科学省集合について」と - 27 -題するメールには、アポイントメントの相手方や時間が記載されていないこと(丙2p23)とも整合し、調査委員会に対する説明(丙2p19)とも一致している。また、A20専門員の証言も詳細かつ具体的である上、調査委員会に対する説明(丙1p844)とも概ね一致しており、A21研究推進部長(以下「A21研究推進部長」という。)も調査委員会に対してA15室長代理及びA20専門員と同様の説明(丙1p870)をしているのであって、A15室長代理及びA20 一致しており、A21研究推進部長(以下「A21研究推進部長」という。)も調査委員会に対してA15室長代理及びA20専門員と同様の説明(丙1p870)をしているのであって、A15室長代理及びA20専門員の各証言の信用性は高いといえる。他方、上記イの認定事実と相反する原告の上記陳述を裏付ける証拠はない。 したがって、上記イの認定事実と相反する原告の上記陳述は採用できない。 そして、原告が、A15室長代理に対し、事前にアポイントメントを入れると相手も構えてしまうのでアポイントメントは入れない旨指示していたにもかかわらず、A15室長代理がアポイントメントを取っていなかったことついて、電話で対応したA20専門員に対し、「申し訳ないんじゃすまないんだぁー。」「A15君を出せ。」と発言したことは、理不尽で合理性を欠く発言といえる。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は正当と認められ、原告の上記主張は理由がない。 ⑹ 平成29年10月26日のA6理事に対する不適切な叱責を行った点について(別紙2第2の1⑹)ア本件解任処分において、文部科学省は、原告による日常的なハラスメントとして、「原告は、平成29年10月26日午後、フロンティア基金の寄附者への感謝状を贈呈するため北海道大学東京オフィスを訪れた際に、A6理事が同席しないことを知っていた、あるいは知っておくべきであったにもかかわらず、同理事が同席していないことに怒り、その場から同理 - 28 -事に電話をし『なぜ、君はいないんだ』などと述べて同席しなかったことに対し不適切な叱責を行った。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載1⑹)、総長選考会議もこれとほぼ同一の事実(別紙3添付の別紙1記載6)を認定する。 イ んだ』などと述べて同席しなかったことに対し不適切な叱責を行った。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載1⑹)、総長選考会議もこれとほぼ同一の事実(別紙3添付の別紙1記載6)を認定する。 イ証拠(丙1p368、丙4p15、234、証人A22)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 A6理事は、平成29年10月12日、北大フロンティア基金(以下「フロンティア基金」という。)の担当理事として、校友会エルムの総会(同月26日午後2時~午後5時開催)にオブザーバーとして参加することが決まった。 当初予定されていたフロンティア基金の寄附者のA23(以下「A23」という。)への感謝状贈呈の日程がキャンセルされたことから、原告は、同月19日、A23に直接電話をして、原告が、東京に出向いて感謝状を贈呈することとなった。 A23が、同月26日午後5時から、被告北大の東京オフィスでの感謝状の贈呈を希望したことなどから、被告北大の広報課担当者は、A6理事に、上記日程等を伝えたところ、A6理事は、出席できない旨を伝えた。 同月20日、感謝状の贈呈の日程が確定したため、広報課担当者は、「感謝状受領者情報」を作成し、原告は、A19秘書からこの電子ファイルをメールで受け取ったが、この陪席者欄にA6理事は記載されていなかった。 原告は、同月26日午後、フロンティア基金の寄附者への感謝状を贈呈するため被告北大の東京オフィスを訪れた際、A6理事が出席しないことを知り、被告北大の校友会エルムの総会に出席していたA6理事に - 29 -電話をし、「なぜ、君はいないんだ。フロンティア基金の感謝状の贈呈で、担当理事がいないということは、あり得ないことだ。」と叱責した。 A6理事は、「この日は前から『私は不在です』ということは申し上 電話をし、「なぜ、君はいないんだ。フロンティア基金の感謝状の贈呈で、担当理事がいないということは、あり得ないことだ。」と叱責した。 A6理事は、「この日は前から『私は不在です』ということは申し上げていましたよね。」と原告に伝えたが、原告は「聞いていない。」「もうこれで二度目だぞ。」「三度目は無いぞ。もう一回やったらただじゃおかない。」などと叱責した。 当時、被告北大において、フロンティア基金の感謝状の贈呈に担当理事が出席しなければならないというルールはなかった。 ウこの点、原告は、上記アで認定された事実及びその評価には誤りがあり、原告がハラスメントを行ったと評価することはできない旨主張する。 そして、原告は、「感謝状贈呈式において、A23から被告北大に対する要望を聞いたが、その担当であるA6理事が不在であったため、A6理事に架電した、原告がA6理事に対して『なぜ、A6さんはここにいないんですか。』と質問をした事実はあるが、叱責したり、威圧的発言をした事実はない。」旨陳述する(甲107p16、原告本人)。 しかしながら、原告の上記陳述は、A6理事の調査委員会に対する説明(丙1p368、丙4p15)と相反するところ、A6理事の同説明内容は詳細かつ具体的である上、経緯も自然で、A22広報課課長補佐(以下「A22課長補佐」という。)の証言とも整合している。また、A22課長補佐は、総長選考委員会に対しても、同様の回答をしており(丙4p234)、A6理事の調査委員会に対する説明の信用性は高いといえる。他方、上記イの認定事実と相反する原告の上記陳述を裏付ける証拠はない。 したがって、上記イの認定事実と相反する原告の上記陳述は採用できない。 - 30 -そして、原告は、A19秘書から「感謝状受領者 反する原告の上記陳述を裏付ける証拠はない。 したがって、上記イの認定事実と相反する原告の上記陳述は採用できない。 - 30 -そして、原告は、A19秘書から「感謝状受領者情報」の電子ファイルをメールで受け取り、この「感謝状受領者情報」の陪席者欄にA6理事は記載されていなかったのであるから、A6理事が感謝状の贈呈に同席しないことは知り得た上に、そもそも当時、フロンティア基金の感謝状の贈呈に担当理事が出席しなければならないというルールもなかったにもかかわらず、「なぜ、君はいないんだ。」などと述べて、同席しなかったことについて不適切な叱責を行っているといえる。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が上記アで認定した事実及び評価は、正当であると認めることができ、原告の主張は理由がない。 ⑺ 平成29年12月14日のA14研究推進部長に対するハラスメントとされている点について(別紙2第2の1⑺)ア本件解任処分において、文部科学省は、原告による日常的なハラスメントとして、「原告は、平成29年12月14日午前、総長室において、A14研究推進部長から、A12学長補佐、A16室長及びA15室長代理の同席を得て、同日午後に開催の『地方大学・地域産業創生交付金に係る意見交換会』の事前レクチャーを受けた際に、A14研究推進部長に対して、『おまえ』『あんた』という品位と礼節を欠く呼称を用いたほか、『そのヒアリングとかレクは無いんだよ。』『冒頭呼ぶだけか。』『何をやるのかわからないで呼ばれて行くのか。』『レクするのは誰だ。理事か。その仕事は。』『A14さんだろ。それだけ言いたかった。』『やっとわかった。』『なんで持って来ないのさ。なんでここにないのさ。なんで政策調整室にないのさ。』などと発言し、他人が同席する場において粗 その仕事は。』『A14さんだろ。それだけ言いたかった。』『やっとわかった。』『なんで持って来ないのさ。なんでここにないのさ。なんで政策調整室にないのさ。』などと発言し、他人が同席する場において粗暴な言動により一方的で不適切な叱責を行った。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載1⑺)、総長選考会議もこれとほぼ同一の事実(別紙3添付の別紙1記載7)を認定する。 イ証拠(丙3p2、丙4p150、丙22の1、証人A14)及び弁論の - 31 -全趣旨によれば、以下の事実が認められる。 「まち・ひと・しごと」事業に関し、同日、北海道庁が主導する「地方大学・地域産業創生交付金に係る意見交換会」が計画されていたが、当初、原告は同会議に出席しない予定とされていた。 同会議の前日、原告の希望で、原告が同会議の冒頭に出席することになり(丙4p150)、同会議当日の朝、A14研究推進部長は、総長室に同会議の資料を持参し、原告に対して説明を行った。 原告は、A14研究推進部長に対し、「そのヒアリングとかレクは、ないんだよ。」「冒頭呼ぶだけかっ。」「何をやるのか分からないで呼ばれて行くのか。レクするのは誰だ。理事か。その仕事は。A14さんだろ。それだけ言いたかった。」「何で持ってこないのさ。何でここにないのさ。何で政策調整室にないのさ。」などと叱責し、A14研究推進部長を「お前」「あんた」などと呼称した上、机を叩くなどした 。 ウこの点、原告は、上司の部下に対する発言内容として、社会通念上相当なものである、「あんた」「お前」という呼称を用いたのは9回のみであり、上司と部下の関係にあることからすれば、直ちに品位と礼節を欠く呼称と評価することはできない旨主張する。 そして、原告は、「朝、A14研究推進部長に内閣府での報告を聞いた のは9回のみであり、上司と部下の関係にあることからすれば、直ちに品位と礼節を欠く呼称と評価することはできない旨主張する。 そして、原告は、「朝、A14研究推進部長に内閣府での報告を聞いたところ何も回答がなく、会議の資料も持参せずに内容について聞いても何も答えられなかったため叱責した。」旨陳述する(甲107p19、原告本人)。 しかし、原告は、当初、「地方大学・地域産業創生交付金に係る意見交換会」には出席しない予定であったところ、同会議の前日に原告の希望で同会議に出席することとなり、同会議の当日に原告に対する説明をすることになったという経緯がある上に、原告は、A14研究推進部長に対して、「お前」「あんた」という品位と礼節を欠く呼称を複数回に及 - 32 -んで使い、また、「そのヒアリングとかレクは、ないんだよ。」「冒頭呼ぶだけかっ。」「何をやるのか分からないで呼ばれて行くのか。レクするのは誰だ。理事か。その仕事は。A14さんだろ。それだけ言いたかった。」「何で持ってこないのさ。何でここにないのさ。何で政策調整室にないのさ。」などと、粗暴な言動でA14研究推進部長を一方的に叱責しているのであって、上司の部下に対する発言として、社会通念上相当なものであるということはできない。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は、正当であると認めることができ、原告の主張は理由がない。 ⑻ 平成29年12月14日のA10財務部長らに対するハラスメントとされている点について(別紙2第2の1⑻)ア本件解任処分において、文部科学省は、原告による日常的なハラスメントとして、「平成30年度から32年度までの3年間の北海道大学札幌キャンパスで使用する電気一式の入札手続きについて、P社が落札したと 本件解任処分において、文部科学省は、原告による日常的なハラスメントとして、「平成30年度から32年度までの3年間の北海道大学札幌キャンパスで使用する電気一式の入札手続きについて、P社が落札したところ、原告は、平成29年12月14日午後、総長室において、A10財務部長から試算では3年間で約5億円の経費削減になる旨報告を受けた際に、同財務部長に対して、合理的な理由もないのに『入札を取り消せ』などと非難したほか、北海道電力について言及したうえ『入札はやり直しだ』といった特定の業者のために入札を改めて実施するように要請したと受け取れる理不尽な発言を行った。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載1⑻)、総長選考会議もこれとほぼ同一の事実(別紙3添付の別紙1記載8)を認定する。 イ証拠(丙2p158、168、172、176、証人A10、証人A16)及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。 - 33 -平成29年12月14日、平成30年度から平成32年度までの3年間の被告北大の札幌キャンパスで使用する電気一式の一般競争入札が行われた。 被告北大では、電気は一般物品扱いであり、単価の高低以外に競争要素がないことから、最低価格落札方式(予定価格を設定して、その予定価格の範囲内で最も低額で入札したものが落札する方式)が採用されていた。 同入札において、東京の新電力会社が落札者となり、3年間で約5億円の経費削減効果が得られることとなった。 同日、A10財務部長は、経費削減効果を原告に報告するため、A16室長とともに総長室に入室し、原告に対し、落札結果を報告したところ、原告は、突然表情を変えて怒り始め、A10財務部長に対し、「財務部長は北海道経済をどう考えているんだ、何で北電に落とさせなかったんだ 長とともに総長室に入室し、原告に対し、落札結果を報告したところ、原告は、突然表情を変えて怒り始め、A10財務部長に対し、「財務部長は北海道経済をどう考えているんだ、何で北電に落とさせなかったんだ。」などと、机をたたきながら叱責した。 A10財務部長は、原告に対し、一般競争入札であり最低価格落札方式しか採用できないことや落札者が決定しておりやり直しはできないことなどを説明したが、原告は、「入札をやり直せ。」「契約をやり直せ。」などと叱責を続けた。 また、A10財務部長は、一旦退室したのち、再び原告に呼ばれ、A24理事兼事務局長(以下「A24事務局長」という。)らと共に総長室に入室して再度説明したが、「財務部長の責任だ、私は足下をすくわれた。北電に行って説明してこい。」などと発言した。 ウこの点、原告は、原告の発言は、新電力会社の安定的な電力供給等への不安から発せられたものであり、発言内容に合理性があり、理不尽な言動ではない旨主張する。 - 34 -そして、原告は、「被告北大は研究機器やコンピュータ等を継続的に使用しており、急な停電は研究を無に帰す事態を引き起こすリスクがあるから、供給の安定性が重要であること、北海道電力は北海道最大の企業であり、地方創生を先導する大きな役割を果たしていること、電力の契約に関する入札も総合評価方式と考え、総合的な評価をする必要があると考えていたことから、A10財務部長の報告を受け、『では各社の提案を見直して、総合的に判断して、もし問題があれば再度入札ですね。』『新電力が撤退したときに、北電が請け負ってくれるのですね。 契約を見直してください。問題があれば、再契約しなければなりません。』と発言したもので、合理性がある。」旨陳述する(甲107p21、原告本人)。 し 、北電が請け負ってくれるのですね。 契約を見直してください。問題があれば、再契約しなければなりません。』と発言したもので、合理性がある。」旨陳述する(甲107p21、原告本人)。 しかし、原告の上記陳述は、A10財務部長の証言と相反するところ、A10財務部長の証言は、具体的かつ詳細であり、経緯も自然で、調査委員会に対しても、同様の回答(丙1p249)をしている。また、その場に同席していたA16室長の証人尋問における証言とも概ね整合し、さらに、A15室長代理及び総長室の隣の政策調整室にいたA19秘書も、調査委員会に対して、A10財務部長の上記証言に沿う説明をしていること(丙1p6、109)からすると、A10財務部長の証言の信用性は高いといえる。他方、上記イの認定事実と相反する原告の上記陳述を裏付ける証拠はない。 したがって、上記イの認定事実と相反する原告の上記陳述は採用できない。 そして、被告北大において、電気は一般物品扱いであり、単価の高低以外に競争要素がないことから、最低価格落札方式を採用しているにもかかわらず、原告は、A10財務部長に対し、机を叩きながら、「財務部長は北海道経済をどう考えているんだ、なんで北電に落とさせなかっ - 35 -たんだ。」「入札をやり直せ。」「契約をやり直せ。」などと叱責をし、特定の業者のための入札を改めて実施するように要請したと受け取れる発言をしているのであって、原告の発言が、新電力会社の安定的な電力供給等への不安から発せられたものであるとしても、その発言に合理性があるとはいえない。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は、正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がない。 ⑼ 平成30年1月25日のA15室 があるとはいえない。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は、正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がない。 ⑼ 平成30年1月25日のA15室長代理に対するハラスメントとされている点について(別紙2第2の1⑼)ア本件解任処分において、文部科学省は、原告による日常的なハラスメントとして、「原告が、平成30年1月24日夕刻、国際ニュースサイト『worldfolio』が原告に依頼したインタビューに英語で答える原案を作成するため、総務企画部広報課の職員に対し、同月25日午前にA25准教授と打合せの予定を入れるように指示したが、その予定が入っていなかったことに対し、同日午前、政策調整室内でA15政策調整室室長代理に対し、『朝に呼べって言ったじゃない』『何を聞いてるのさ』『余計なものを作ったってしょうがないだろ』『2度目だ』『もう3回目はないぞ。本当に』といった一方的で粗暴な口調の懇切さと配慮を欠く発言を行った。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載1⑼)、総長選考会議もこれとほぼ同一の事実(別紙3添付の別紙1記載9)を認定する。 イ証拠(甲107p25(一部)、丙3p10、丙4p140、丙22の2、原告本人(一部)、証人A15)及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。 原告は、平成30年1月24日夕方、国際ニュースサイトであるワールドフォリオが原告に依頼したインタビューに英語で答える原案を作成 - 36 -するため、A25准教授に電話をし、翌25日午前中に総長室に来るよう依頼した。 A15室長代理は、同日朝、A25准教授から、原告とA25准教授との打合せ時間について問合せを受けたが、連絡があるまで待つよう指示し、同日午前11時過ぎ頃、A25准教授 室に来るよう依頼した。 A15室長代理は、同日朝、A25准教授から、原告とA25准教授との打合せ時間について問合せを受けたが、連絡があるまで待つよう指示し、同日午前11時過ぎ頃、A25准教授の視点・考えで回答案の作成を進めて欲しい旨指示をした。 原告は、同月25日午前11時頃、A25准教授との打合せの予定が午前中に入っていなかったことに立腹し、A15室長代理に対し、「朝に呼べって言っていたじゃない。何を聞いているのさ。」「余計なものを作ったってしょうがないだろ。」「2度目だ。」「もう3回目はないぞ。本当に。」などと叱責した。 ウ原告は、A15室長代理が原告からの指示にもかかわらず、A25准教授との打ち合わせの調整を行っていなかったのであるから、原告がA15室長代理を叱責することはもっともであり、原告の発言は社会通念に照らして相当である、一方的で粗暴な口調の懇切さと配慮を欠くという評価は誤っている旨主張する。 そして、原告は、A15室長代理が指示内容を勝手に変更し、不要な作業を行っていたことが明らかになったため、声を荒げて注意したもので、必要なことであった旨陳述する(甲107p26、原告本人)。 確かに、上記イのとおり、原告は前日にA25准教授と電話をし、同月25日午前中に打合せを行う予定となっていたところ、A15室長代理が、自らの判断で、A25准教授に対し、連絡があるまで待つよう指示し、また、A25准教授の視点・考えで回答案の作成を進めて欲しい旨指示したことが認められる。 しかしながら、そうであるからといって、A15室長代理に対し、「朝に呼べって言ったじゃない。何を聞いてるのさ。」「余計なものを作 - 37 -ったってしょうがないだろ。」「2度目だ。」「もう3回目はないぞ。本当に。」などと一方的 A15室長代理に対し、「朝に呼べって言ったじゃない。何を聞いてるのさ。」「余計なものを作 - 37 -ったってしょうがないだろ。」「2度目だ。」「もう3回目はないぞ。本当に。」などと一方的かつ粗暴な口調で叱責する必要はないのであって、これらの原告の発言が懇切さと丁寧さを欠く不適切な発言であるといえる。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実は、一部経緯に誤っているところがあるものの、原告の言動及びその評価については、概ね正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がない。 ⑽ 平成30年1月25日のA15室長代理に対するハラスメントとされた点について(別紙2第2の1⑽)ア本件解任処分において、文部科学省は、原告による日常的なハラスメントとして、「原告は、平成30年1月25日午前11時30分頃、政策調整室内で、A15室長代理に、はじめから午後の会議で使う予定がないにもかかわらず、午後の会議に使用すると称し、事前の予告なしに、45分間の休憩を含めてわずか2時間半の間に、雑誌に連載されたオランダの農業事情に関する論考4回分程(4段組み紙面で合計9頁程)をA4用紙の1、2枚に要点整理するように指示をするという、理不尽かつ配慮を欠く業務を命じた。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載1⑽)、総長選考会議もほぼ同一の事実を認定する(別紙3添付の別紙1記載10)。 イ証拠(丙1p13、1207、丙2p94ないし105、丙4p209、証人A15、証人A12)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 原告は、平成30年1月25日午前11時30分頃、政策調整室内で、A15室長代理に対し、週刊東洋経済に連載されたオランダ農業事情に関する論考4回分程(4段組紙面で合計9頁)4編を渡し、同日午 。 原告は、平成30年1月25日午前11時30分頃、政策調整室内で、A15室長代理に対し、週刊東洋経済に連載されたオランダ農業事情に関する論考4回分程(4段組紙面で合計9頁)4編を渡し、同日午後2時からの内閣府が公募する地域版SIPに関する会議に資料として出す - 38 -ため1ないし2枚にまとめるよう指示した。 その後、原告は、A12学長補佐に対し、上記記事のコピーを見せながら、「今これ作れって言ってきた、あいつ余計なことをするからペナルティだ。」などと発言した。 A15室長代理は、昼食もとらず、上記論考の要約をA4用紙2枚にまとめて、同会議に向かう原告に渡したところ、原告は、歩きながらこれを読み、A15室長代理に戻した。 同会議では、A15室長代理の要約は使われることはなく、また、オランダ農業や上記論考に関する話題も出なかった。 ウこの点、原告は、A15室長代理の作成した資料が指示と異なっていたため打合せで使用しなかったが、当初から使うつもりのない資料を作成させたわけではないし、2時間半の間に論考4回分程を要点整理するように指示することは、部下への指示として社会通念上相当なものであり、理不尽かつ配慮を欠く業務を命じたという評価は誤っている旨主張する。 そして、原告は、「会議では北海道農業の在り方について議論する予定であったが、A15室長代理がまとめたのは直接関係のないオランダ農業の資料であったため、自ら資料をまとめ、口頭での説明に使用した。 A12学長補佐には、『午前中に心が乱れ余計なことをしたので、午後の会議の資料をまとめる時間がない。ペナルティではないが、足りない資料をまとめさせているが、よいだろうか。』と意見を聴いたのであり、A15室長代理のペナルティとして要約を作成させた旨の発言はしてい の会議の資料をまとめる時間がない。ペナルティではないが、足りない資料をまとめさせているが、よいだろうか。』と意見を聴いたのであり、A15室長代理のペナルティとして要約を作成させた旨の発言はしていない。」旨陳述する(甲107p27、原告本人)。 しかしながら、原告の上記陳述は、A12学長補佐の証言と相反するところ、A12学長補佐の証言は、具体的かつ詳細である上、調査委員会に対する説明(丙1p1207)及びA15室長代理の証言とも整合 - 39 -している。また、上記第3の3⑼で認定したとおり、同日午前中に原告はA15室長代理を叱責しており、そのペナルティとして要約を指示するという経緯も自然である。そうすると、A12学長補佐の証言の信用性は高いといえる。他方、上記イの認定事実と相反する原告の陳述を裏付ける証拠はない。 したがって、上記イの認定事実と相反する原告の上記陳述は採用できない。 そして、原告は、A15室長代理に対し、午後の会議の資料として不要であるにもかかわらず、同日午前中の出来事に対するペナルティとして、昼食時間を含めて約2時間半の間に、オランダ農業事情に関する論考4回分程(4段組紙面で合計9頁)4編を1ないし2枚にまとめるよう指示している上に、その内容や分量に照らし、容易な作業であるともいえないことからすれば、原告の上記指示は、部下への指示として社会通念上相当であるとはいえず、理不尽かつ配慮を欠く業務を命じたということができる。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は、正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がない。 ⑾ 平成30年1月25日のA10財務部長に対するハラスメントとされた点について(別紙2第2の1⑾)ア本件解任処分において、 、正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がない。 ⑾ 平成30年1月25日のA10財務部長に対するハラスメントとされた点について(別紙2第2の1⑾)ア本件解任処分において、文部科学省は、原告による日常的なハラスメントとして、「原告は、平成30年1月25日午後、総長室において、教職員十数名で、内閣府が公募する地域版SIPに関する構想の打ち合せを行った際に、A10財務部長がその席上、内閣府とのパイプが弱い旨の発言をしたところ、『下っ端役人に言われても知らんわ』『A26社長というのは黒田総裁のブレーンだから。その辺を使えっていうならいくらでも使うんだけれど、何にも知らないそんなのに言われたくないよ』『忖度言った - 40 -ってしょうがないんだ。そんなんだったら山本に言うぞ。岸田さんを使おうか。』『怒らせるな。』など威圧的で品位と礼節を欠く極めて不適切な発言を行った。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載1⑾)、総長選考会議もほぼ同一の事実を認定する(別紙3添付の別紙1記載11)。 イ証拠(丙22の3、丙3p11、証人A10)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 平成30年1月25日午後、総長室において、原告、教員、URA、財務部及び政策調整室の職員十数名で、地域版SIPに関する構想の打合せを行った。 A10財務部長は、同打合せにおいて、内閣府の参事官から、被告北大は内閣府とのパイプがないから不利だとの話を聞いていたため、同打合せでその旨発言をしたところ、原告は急に怒り出し、「下っ端役人に言われても知らんわ。」「何にも知らないそんなのに言われたくないよ。」「忖度言ったってしょうがないんだ。そんなんだったら山本(内閣府特命担当大臣)に言うぞ。岸田(外務大臣)さんを使おうか っ端役人に言われても知らんわ。」「何にも知らないそんなのに言われたくないよ。」「忖度言ったってしょうがないんだ。そんなんだったら山本(内閣府特命担当大臣)に言うぞ。岸田(外務大臣)さんを使おうか。」「怒らせるな。」などと叱責した。 ウこの点、原告は、上記各発言はA10財務部長に向けられたものではないし、やり取りの後半では原告のユーモア交じりの発言に対して笑いが起きていることからすれば、威圧的で品位と礼節を欠く極めて不適切な発言ではない旨主張する。 そして、原告は、「『下っ端役人』『何にも知らないそんなの』とは、内閣府参事官を指した言葉であって、A10財務部長に向けた発言ではない。A10財務部長は、『人を出してくれたら嬉しいというような感じでしょうかね。』と発言したが、人件費削減により大学の経営が危機に瀕している中、職員を出向させることで負担を強いられることをA10財務部長が自覚していない点で看過できず、『忖度言ったってし - 41 -ょうがないんだ。』と発言した。岸田元文部科学副大臣から内閣府に対してクレームをつけるため、『そんなんだったら山本に言うぞ。岸田さんを使おうか。』などと発言した。」旨陳述する(甲107p29、原告本人)。 しかし、原告は、A10財務部長の発言に対して「下っ端役人に言われても知らんわ。」「何にも知らないそんなのに言われたくないよ。」などと乱暴な言葉を使うなどした上で、A10財務部長に対して、「忖度言ったってしょうがないんだ。そんなんだったら山本(内閣府特命担当大臣)に言うぞ。岸田(外務大臣)さんを使おうか。」「怒らせるな。」などと厳しい口調で叱責しているのであり、威圧的で品位と礼節を欠く不適切な発言と評価することができる。 この点、原告は、やり取りの後半では原告のユーモア交じりの発言に を使おうか。」「怒らせるな。」などと厳しい口調で叱責しているのであり、威圧的で品位と礼節を欠く不適切な発言と評価することができる。 この点、原告は、やり取りの後半では原告のユーモア交じりの発言に対して笑いが起きているなどと主張し、録音データにそのような笑いがあることが認められるが、原告の「怒らせるな。」という発言の後、しばらく沈黙があり、A10部長が「すみません。」などと謝罪した後に、原告の発言に対して笑いが起こっているのであって、一連のやり取りを全体としてとらえれば、原告が指摘する笑いは、その場を取り繕うものにすぎないといえるのであって、前記評価を左右しない。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は、正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がない。 ⑿ 平成30年3月15日のA27産学・地域共働推進機構特任教授(以下「A27特任教授」という。)に対するハラスメントとされている点について(別紙2第2の1⑿)ア本件解任処分において、文部科学省は、原告による日常的なハラスメントとして、「原告は、平成30年3月15日、A27特任教授を総長室に呼び、A16室長とA15室長代理の同席のもと、A27特任教授に、 - 42 -『俺のところに来ているのだって全部だめだぞ』『外国特許を取るときに日本触媒を見捨てたからね、あんたの所は。』『何をやっているんだよ。』『なんか言ったらоnちゃん(北海道テレビ放送のマスコットキャラクター)だとかそっちばかりやったってしょうがないんだって。』『оnちゃんのだって動き悪いし。全部フォローが悪いんだよ。』『1年間見て最後に怒られているよ。』などと述べて、他人の面前で、時には机を叩くなどして、相当性を欠く態様で叱責を行った。」との事実を認定し(別紙4 のだって動き悪いし。全部フォローが悪いんだよ。』『1年間見て最後に怒られているよ。』などと述べて、他人の面前で、時には机を叩くなどして、相当性を欠く態様で叱責を行った。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載1⑿)、総長選考会議もほぼ同一の事実を認定する(別紙3添付の別紙1記載12)。 イ証拠(丙1p801、丙22の4、丙3p13、証人A27)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 A27特任教授は、平成30年3月初旬頃、原告から産学連携推進本部の活動報告及び財務報告を求められており、同月15日時点で資料の作成途中であった。また、A27特任教授は、北海道テレビ放送のマスコットキャラクターであるоnちゃんに関する広報活動を担当していた。 原告は、平成30年3月15日午前10時20分頃、A27特任教授を総長室に呼び出し、A16室長及びA15室長代理を同席させた上、同教授に対し、「俺のところに来ているのだって全部駄目だぞ。」「外国特許取るときに日本触媒を見捨てたからね、あんたの所は。」「何をやっているんだよ。」「なんか言ったらоnちゃんだとかそっちばっかりやったってしょうがないんだって。」「оnちゃんのだって動き悪いし。全部フォローが悪いんだよ。1年間見て最後に怒られているよ。」などと述べ、机を1回叩いて叱責した。 ウこの点、原告は、机を叩いたのは1回だけで、資料がないことを強調したものにすぎず、大学の外部資金の獲得が急務であるなか、部下が不十分な報告をした点を叱責したもので、社会通念上相当である旨 - 43 -主張する。 そして、原告は、「当時、財務省からの要求で、被告北大は国以外の民間等からの外部資金調達がノルマとなっていた。A27特任教授に対し、平成29年度の実績と平成30年度の外部資金調 -主張する。 そして、原告は、「当時、財務省からの要求で、被告北大は国以外の民間等からの外部資金調達がノルマとなっていた。A27特任教授に対し、平成29年度の実績と平成30年度の外部資金調達に関する具体的な案の提示を再三再四求めていたが、平成30年3月15日にやっと報告があった。A27特任教授に対して実績が上がっていないと指摘すると、A27特任教授は立ち上がって、『やっていますよ。』と大声で言い、机を叩くなどした。また、оnちゃんについても北海道テレビ放送から苦言を呈されたことがあり、やるべきことをやっていないとの思いがあって、A27特任教授を叱責した。」旨陳述する(甲107p32、原告本人)。 しかしながら、原告の上記陳述は、A27特任教授の証言と相反するところ、A27特任供述の証言は、具体的かつ詳細である上、調査委員会に対する説明(丙1p801)とも一致している。そして、録音データ(丙22の4)によれば、原告の叱責に対し、A27特任教授は穏当に応答していることからすると、録音データの前に原告が主張するようにA27特任教授が激高していたというのも不自然である。他方、上記イの認定事実と相反する原告の主張を裏付ける証拠はない。 したがって、上記イの認定事実と相反する原告の上記陳述は採用できない。 そして、A27特任教授の報告が遅れていたり、北海道テレビ放送とのプログラムが十分でないとしても、本件と直接関係のないA16室長及びA15室長代理を同席させた上、その面前で、机を叩いて、A27特任教授に対して、「全部駄目だぞ。」「何をやっているんだよ。」などと叱責しているのであり、上司の部下に対する発言として配慮を欠いており、社会通念上相当なものであるとはいえない。 - 44 -エしたがって、文部科学省及び総長選考 やっているんだよ。」などと叱責しているのであり、上司の部下に対する発言として配慮を欠いており、社会通念上相当なものであるとはいえない。 - 44 -エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は、正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がない。 ⒀ 平成30年5月16日のA21研究推進部長に対するもの(別紙2第2の1⒀)ア本件解任処分において、文部科学省は、原告による日常的なハラスメントとして、「原告は、平成30年5月16日夕刻、打合せが終了した後に、その場に出席していたA5理事とA21研究推進部長を総長室に呼び入れ、A28政策調整室長代理(以下「A28室長代理」という。)とA29政策調整室係員(以下「A29係員」という。)を同席させたうえで、『卓越大学院プログラム』の申請準備に関して、これに関与していなかったA5理事とA21研究推進部長に『何やっているのさ』などと威圧的に述べて、理不尽な叱責を行った。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載1⒀)、総長選考会議もこれとほぼ同一の事実(別紙3添付の別紙1記載13)を認定する。 イ証拠(甲21別紙p42、丙1p302、881、証人A5)及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。 卓越大学院プログラムについて、平成29年度まではA5理事及びA21研究推進部長が担当していたが、平成30年度からはA4理事及びA30企画課長(以下「A30課長」という。)が担当していた。 平成30年5月16日夕刻、原告は、経営改革推進事業の打ち合せの後、A5理事及びA21研究推進部長を総長室に呼び、これにA28室長代理とA29係員を同席させた。 そして、原告は、A5理事及びA21研究推進部長に対し、卓越大学院プロクラムの申請準備につい 後、A5理事及びA21研究推進部長を総長室に呼び、これにA28室長代理とA29係員を同席させた。 そして、原告は、A5理事及びA21研究推進部長に対し、卓越大学院プロクラムの申請準備について、机を叩きながら、「国際本部は寝ないで仕事してるのに、あなたたちは一体何をしているんだ。」などと大きな声で叱責した。 - 45 -A21研究推進部長は、原告に対し、自分は担当を外れているため、卓越大学院プログラムに関わるのであれば事務局長を通して欲しいと伝えると、原告は、「引継ぎをちゃんとしなきゃだめだ。」と述べた。 ウこの点、原告は、前企画課長であったA21研究推進部長に対し、後任への引継ぎをちゃんと行うよう指示するもので、業務上の必要性のある正当な言動である旨主張する。 そして、原告は、「叱責をしたり、机を叩いたりしたことはない。会議後にA21研究推進部長を呼び止めたが、同人から現在は卓越大学院プログラムの担当ではないとの回答があり、後任のA30課長に引き継ぎをきちんとする必要があると考え、『後任への引き継ぎをちゃんとしないとだめです。』と述べた。」旨陳述する(甲107p34、原告本人)。 しかしながら、原告の上記陳述は、A5理事の証言と相反するところ、A5理事の証言は、具体的かつ詳細である上、経緯に照らしても自然である。また、A29係員の調査委員会に対する説明(甲21別紙p42、丙1p302)とも整合する上、担当を外れたにもかかわらず叱責されたという経緯についてはA21研究推進部長の調査委員会に対する説明(丙1p881)とも整合しており、A5理事の証言の信用性は高いといえる。この点、A21研究推進部長は、調査委員会に対して、原告が机を叩いたことについて記憶にない旨説明しているが(丙1p883)、この点に 881)とも整合しており、A5理事の証言の信用性は高いといえる。この点、A21研究推進部長は、調査委員会に対して、原告が机を叩いたことについて記憶にない旨説明しているが(丙1p883)、この点について記憶が定かでないとしても不自然であるとまではいえず、他に上記イの認定事実と相反する原告の上記陳述を裏付ける証拠はない。 したがって、上記イの認定事実と相反する原告の上記陳述は採用できない。 そして、原告は、既にA5理事及びA21研究推進部長が卓越大学院プログラムの担当から外れていたにもかかわらず、同人らがその担当者 - 46 -であると誤解して、同プログラムの進捗状況について、「何をやっているんだ。」などと机を叩いて叱責しており、そもそも両名に対する理不尽な叱責である上、その態様も威圧的なものであり、業務上の必要性のある正当な言動であるとはいえない。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は、正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がない。 ⒁ 平成30年5月30日のA31政策調整室長代理(以下「A31室長代理」という。)に対するもの(別紙2第2の1⒁)ア本件解任処分において、文部科学省は、原告による日常的なハラスメントとして、「原告は、世界トップレベル研究拠点プログラムの2次審査申請の内容について、A28室長代理(WPI対策室長)に対して『よく書けている』『今年は大丈夫だな』のようなコメントをしていたところ、その締切である平成30年6月1日の直前の同年5月30日朝に、自宅から大学まで向かう総長車中において、A31室長代理に『全然ブラッシュアップされていない。自分が言ったことも全然直っていない。どうやって直すのかの方針もない』といった、前言を翻す理不尽な発言を 自宅から大学まで向かう総長車中において、A31室長代理に『全然ブラッシュアップされていない。自分が言ったことも全然直っていない。どうやって直すのかの方針もない』といった、前言を翻す理不尽な発言をしたうえ、大学に出勤し政策調整室に入室するとすぐに『今すぐ全員を呼べ』などといった威圧的な言動をし申請書の書き直しを命じるという、不合理で不適切な業務指示を行った。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載1⒁)、総長選考会議もこれとほぼ同一の事実(別紙3添付の別紙1記載14)を認定する。 イ証拠(丙2p109、丙3p19、丙18の1・2、丙22の6、丙56p1、証人A28)及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。 平成30年度のWPI(世界トップレベル研究拠点プログラム)申請において、第2次審査の書類提出期限は同年6月1日であった。 - 47 - 同年5月18日、WPIの申請書は、英語圏の審査員が読んでも違和感がない表現にするための英語表現のレビューを依頼し、その回答を待っている段階だった。 WPI対策室長であったA28室長代理は、同日、原告に同日時点の申請書を渡し、この後英語表現のブラッシュアップをする予定であると伝えた。 原告は、同月24日、A28室長代理に対し、申請書について、「よく書けている。」「今年は大丈夫だな。」と述べた。 A28室長代理は、英語表現のブラッシュアップ中であること、同月30日に原告の決裁とサインを貰う予定であることを伝えた。 A28室長代理は、同月29日、原告に申請書を渡した。 原告は、書類提出期限の前日である同月30日朝、総長車内において、A31室長代理に対し、「なんもブラッシュアップされていないこれ。」「がっつり怒るから、今日。気合 29日、原告に申請書を渡した。 原告は、書類提出期限の前日である同月30日朝、総長車内において、A31室長代理に対し、「なんもブラッシュアップされていないこれ。」「がっつり怒るから、今日。気合い入れないと。」「私の言ったのだって全然直ってないし、どうやって直すかの方針もないし。」などと発言した。 原告は、同日午前9時25分頃、「今すぐ全員呼べ。」と指示し、理事、担当教員及びURAに対し、「計算科学、情報科学、実験科学の連動がよくわからない。特に情報科学の組み込みがよく分からない。」などとコメントし、同日中に書き直した申請書を原告と理事全員に送付するよう指示した。 A28室長代理は、同日午後10時23分、書き直した申請書を総長及び理事全員に送付した。 ウこの点、原告は、A28室長代理に対し、「よく書けている。」「今年は大丈夫だな。」と述べたのは士気を鼓舞するためであり、修正を要しないことを表明する文脈ではないし、「今すぐ全員を呼べ。」と述べ - 48 -たのは、申請書の締切が翌日であったことから、申請書の修正を急いで行うために関係者を呼び集めたもので、合理性及び必要性のある業務指示である旨主張する。 そして、原告は、「英語で書かれた申請書は5月29日の2、3週間前に受け取っていたが、同月30日に見た申請書は、前年のものと比較してこなれたものとはなっていなかったことから、A31室長代理に対し、『全然ブラッシュアップされていない。』などと発言した。」旨陳述する(甲107p36、原告本人)。 しかしながら、原告は、提出期限の約2週間前の平成30年5月18日に英語で書かれた申請書を受け取り、内容を確認した上で、A28室長代理に対し、「よく書けている。」「今年は大丈夫だな。」と伝えていたにもかかわ ら、原告は、提出期限の約2週間前の平成30年5月18日に英語で書かれた申請書を受け取り、内容を確認した上で、A28室長代理に対し、「よく書けている。」「今年は大丈夫だな。」と伝えていたにもかかわらず、提出期限の2日前になって、A31室長代理に対し、「なんもブラッシュアップされていないこれ。」「がっつり怒るから、今日。気合い入れないと。」などと突然前言を翻し、それにもかかわらず「今すぐ全員を呼べ」などと高圧的に発言して、同日中の申請書の書き直しを命じているのであって、これら一連の経緯にかんがみれば、原告のかかる書き直しの指示に合理性があるとはいえず、不合理で不適切な業務指示であるということができる。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は、正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がない。 ⒂ 平成30年6月5日のA30課長に対するもの(別紙2第2の1⒂)ア本件解任処分において、文部科学省は、原告による日常的なハラスメントとして、「平成30年4月16日の経営戦略室会議レク時に、『卓越大学院プログラム』申請に関して、申請書類を3週間前及び1週間前の2度にわたり原告に申請書類を提示するというスケジュールについて原告の許可を得て、そのスケジュールに沿って打合せを行い、原告からの意見を踏 - 49 -まえて申請書類を修正したにもかかわらず、原告は、同年6月5日にA30課長らが申請前の最終確認のため総長室を訪れたところ、A30課長に対して、事前に原告が了承した予定とは異なる『10日位前には申請書類を見せてもらわないといけない』といった理不尽な言動に及んだ。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載1⒂)、総長選考会議もこれとほぼ同一の事実(別紙3添付の別紙1記載15)を認定する。 申請書類を見せてもらわないといけない』といった理不尽な言動に及んだ。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載1⒂)、総長選考会議もこれとほぼ同一の事実(別紙3添付の別紙1記載15)を認定する。 イ証拠(丙1p1054、1074、1107、丙4p283、証人A30)及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。 A30課長は、平成30年4月16日、原告に対して、経営戦略室会議の議事進行レクチャーを行った際、平成30年度の卓越大学院プログラムの申請(獣医学院と工学院のプログラム2件)スケジュールについて、資料(丙1p1074~1076)を用いて説明し、申請書類の提出期限である同年6月6日までの間に、原告に対するレクチャーを2回することとし、1回目を同年5月16日及び17日、2回目を同月29日とすることで原告の了承を得た。 A30課長は、同月16日及び17日、原告に対して申請書類を提示しながら1回目の意見交換を行い、それを踏まえて申請書類の作成・修正作業が進められ、同月29日に2回目の意見交換が行われた。 A30課長は、工学院のプログラムについて、原告が元工学研究院長であることなどから担当理事と相談の上、3回目の説明をすることとし、申請書類の提出期限の前日である同年6月5日に総長室を訪ねたところ、入室するや否や、原告は、A30課長に対し、「企画課は何をやっているのか。」「ガヴァナンスがなっていない。」「スケジュールがなっていない。」「申請書類は10日くらい前に見せてもらわないといけない。」などと怒鳴った。その際、A4理事及びA5理事らが同席していた。 - 50 -ウこの点、原告は、上記発言はしておらず、「申請日の10日位前には申請書類のフローチャートを要約したパワーポイントの変更点がわ A4理事及びA5理事らが同席していた。 - 50 -ウこの点、原告は、上記発言はしておらず、「申請日の10日位前には申請書類のフローチャートを要約したパワーポイントの変更点がわかるものを見せてもらわないといけない。」という趣旨の発言である旨主張し、A30課長に対して上記発言はしていない旨陳述する(甲107p36)。 しかしながら、A30課長の証言は、具体的かつ詳細である上、経緯に照らして自然で、調査委員会に対する説明(丙1p1073)とも整合している。また、A32総務企画部企画課課長補佐も、調査委員会に対し、それまでに原告に対してレクチャーをしていたにもかかわらず、原告から叱責を受けた旨、A30課長の証言と整合する説明(丙1p1107)をしており、A30課長の証言の信用性は高いといえる。他方、上記イの認定事実と相反する原告の上記陳述を裏付ける証拠はない。 したがって、上記イの認定事実と相反する原告の上記陳述は採用できない。 そして、原告は、申請までのスケジュールの説明を受けた上、2回レクチャーを受けることを了承し、実際に2回にわたってレクチャーを受けていたのであるから申請までのスケジュールを把握することができていた上、申請書類の内容についても一定程度は理解することができていたにもかかわらず、申請書の提出期限の前日のレクチャーにおいて突然、「企画課は何をやっているのか。」「ガヴァナンスがなっていない。」「スケジュールがなっていない。」「申請書類は10日くらい前に見せてもらわないといけない。」などと怒鳴っているのであって、原告の叱責は理不尽であるということができる。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は、正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がな ているのであって、原告の叱責は理不尽であるということができる。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は、正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がない。 ⒃ 平成30年6月6日のA29係員に対するもの(別紙2第2の1⒃) - 51 -ア本件解任処分において、文部科学省は、原告による日常的なハラスメントとして、「原告は、平成30年6月6日夕刻、A29係員に対し、『明日までに、『日本の科学研究の失速を食い止める会』(6月12日開催)での講演のパワーポイントを作っておいて。明日みせて』とだけ命じて、それ以上の具体的な指示をすることもなく、同係員にパワーポイント原稿を作成させ、同月11日、総長室内で同係員に対し『A29さんに作ってもらったパワーポイントは、数えられるくらいしか使っていない。結局、自分でほとんど作ったよ』『こんな学生でも作れるようなパワーポイントじゃだめなんだ』などと、嫌がらせとも受け止められる理不尽かつ不条理な指示と発言をしたうえ、同年7月5日、総長と若手事務職員による意見交換会において、他の職員の面前で『彼女にわざとやらせているのに、できるわけないだろうという仕事をドンと与えてやっているのに』という不適切な発言をした。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載1⒃)、総長選考会議もこれとほぼ同一の事実を認定する(別紙3添付の別紙1記載16)。 イ証拠(丙1p185、丙4p220、証人A29、証人A28)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 原告は、平成30年6月6日夕方頃、帰りの総長車に乗り込んだ際、原告を見送っていたA29係員に対し、車の窓から「日本の科学研究の失速を食い止める会の講演資料を作って、明日までに見せて。」とだけ指示をし は、平成30年6月6日夕方頃、帰りの総長車に乗り込んだ際、原告を見送っていたA29係員に対し、車の窓から「日本の科学研究の失速を食い止める会の講演資料を作って、明日までに見せて。」とだけ指示をした。 A29係員は、日本の科学研究の失速を食い止める会に関する講演の内容を把握していなかったことから、上司であるA16室長、A28室長代理及びA31室長代理と相談しながら、パワーポイントを作成し、翌7日にこれを原告に見せた。これに対し、原告は、方向性はよく、グラフ等を追加するよう指示した。 - 52 -この指示を受けて、A29係員は、連日残業をして改訂作業を行い、同月8日(金曜日)午後8時30分頃、原告にメールで改訂したパワーポイントを提出した。 原告は、同月11日(月曜日)、A29係員が総長室に入室した際、「A29さんに作ってもらった資料はほとんど使わなかった。自分で資料を作った。A29さんに作ってもらった資料、何ページあるかな。」などと言った。 その後、A29係員が再度入室した際には、「自分は忙しい、こんな学生でも作れるような資料じゃ駄目で、自分は自分でしか作れない講演資料を作らなければならない。」などと言った。 原告は、同年7月5日、原告とA29係員を含む若手職員との意見交換会において、「彼女(A29係員)に、できるわけがないだろうという仕事をどんどん、わざとやらせているのに、周りが手取り足取り、こうしたらいいんじゃないかというふうに言って、これじゃ育たない。」などと発言した。 ウこの点、原告は、発表までに自ら資料を作成することは難しいと判断し、A29係員に対して資料を渡してパワーポイントに張り付けるよう指示したもので、言動は穏当であり、不適切とはいえない旨主張する。 そして、原告は、「 ら資料を作成することは難しいと判断し、A29係員に対して資料を渡してパワーポイントに張り付けるよう指示したもので、言動は穏当であり、不適切とはいえない旨主張する。 そして、原告は、「平成30年6月6日午前中にA19秘書から講演依頼を聞き、その2~3時間後、資料を提示した上でA29係員にパワーポイントの作成を依頼した。同月11日のA29係員に対する発言は、若手職員に自由に仕事をさせるべきであり、いろいろな意見を述べて混乱させるようなことをしないで欲しいという趣旨である。また、意見交換会において、『彼女に難しい仕事を与えても、周りが手取り足取り世話を焼き、こうしたらいいんじゃないかと言ってきて、若手が育たない。 - 53 -失敗したという経験をしないと伸びない。』という趣旨で発言した。」旨陳述する(甲107p38、原告本人)。 しかしながら、原告の上記陳述は、A29係員の証言と整合しないところ、A29係員の証言は、具体的かつ詳細である上、その経緯も自然である。そして、A28室長代理の証言とも整合し、A31室長代理の調査委員会に対する説明(丙1p185)とも整合していることからすれば、A29係員の証言の信用性は高いといえる。他方、上記イの認定事実と相反する原告の上記陳述を裏付ける証拠はない。 したがって、上記イの認定事実と相反する原告の上記陳述は採用できない。 そして、原告は、講演の内容も把握していない若手職員のA29係員に対し、車の窓越しに、既に夕方であるにもかかわらず、翌日までに講演資料を作るよう指示するだけで、それでもA29係員は、上司に相談するなどして残業しながらパワーポイント作成し、原告に見せたところ、方向性はよい、グラフ等を追加するように指示され、これに従って連日残 資料を作るよう指示するだけで、それでもA29係員は、上司に相談するなどして残業しながらパワーポイント作成し、原告に見せたところ、方向性はよい、グラフ等を追加するように指示され、これに従って連日残業して改訂作業を行った。にもかかかわらず、原告は、A29係員が作った資料はほとんど使わなかった旨言い、また、A29係員が作った資料について、学生でも作れるような資料じゃ駄目だなどと告げるなど、原告の言動は、理不尽で不条理であるといわざるを得ないし、若手職員との意見交換の場において、できるわけがない仕事をどんどんわざとやらせているなどと言うなど、若手職員に対する配慮に欠けた発言をしているのであり、これについても不適切な発言といわざるを得ない。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は、正当であると認められ、原告の上記主張は理由がない。 ⒄ 平成30年7月2日のA16室長らに対するもの(その1)(別紙2第2の1⒄) - 54 -ア本件解任処分において、文部科学省は、原告による日常的なハラスメントとして、「原告は、平成30年7月2日午前、A16室長とA31室長代理に対し、原告のスケジュール調整に関して『日程のスケジュールが全く駄目だよ。今日もA31さんに言ったけど。任せているだけだからこんなになっているんだよ』『全然うまくいかないじゃないすか、これじゃ』『あんな、狭いもん説明してどうすんのさ』『だったら、意見交換なんてする必要ないしょ』などと怒声を混じえて威圧的に相当性を欠く発言をした。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載1⒄)、総長選考会議もこれとほぼ同一の事実(別紙3添付の別紙1記載17)を認定する。 イ証拠(丙22の7、丙3p22、証人A16)及び弁論の全趣旨によれば、以下の し(別紙4添付の別紙記載1⒄)、総長選考会議もこれとほぼ同一の事実(別紙3添付の別紙1記載17)を認定する。 イ証拠(丙22の7、丙3p22、証人A16)及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。 原告は、平成30年7月2日、総長室において、A16室長及びA31室長代理に対し、「日程のスケジュールが全く駄目だよ。任せているだけだからこんなになっているんだよ。」「全然うまくいかないじゃないですか、これじゃ。」「あんな、狭いもん説明してどうすんのさ。」「だったら、意見交換なんてする必要ないしょ。」などと怒鳴って発言した。 ウこの点、原告は、過密な日程が常に予定されており、両名に相手の報告内容を事前によく確認し、予定時間を的確に定めるように重ねて注意したものであり、スケジュール管理改善や計画案についての業務上のやり取りであって、必要性がある旨主張する。 そして、原告は、「『日程のスケジュールが全く駄目だよ。任せているだけだからこんなになっているんだよ。』『全然うまくいかないじゃないですか、これじゃ。』との発言は、同日の監査報告が予定よりも大幅に伸び、理事連絡会議の開催時間の変更を余儀なくされたことについて、予定時間を的確に定めるよう注意したものである。『あんな、狭いもん説明してどうすんのさ。』『だったら、意見交換なんてする必要ないし - 55 -ょ。』との発言は、A16室長及びA31室長代理に対する叱責ではなく、文部科学省から指示された狭い範囲での計画案に対し、疑問や苛立ちを共有したいとの思いから出た発言である。また、これらの発言は別の日に行ったものであり、録音データの前半部分と後半部分が切り貼りされている。」旨陳述する(甲107p39、原告本人)。 しかしながら、A16室長及びA31室 た発言である。また、これらの発言は別の日に行ったものであり、録音データの前半部分と後半部分が切り貼りされている。」旨陳述する(甲107p39、原告本人)。 しかしながら、A16室長及びA31室長代理とも録音データ(丙22の7、丙3p22)の内容は同年7月2日のものであると述べ、その他録音が切り貼りされたものであると疑わせる証拠はない。そうすると、録音データの内容が切り貼りされたものであり、同日のものではない旨の原告の主張は採用できない。 そして、会話の内容によると、スケジュール調整についてA16室長及びA31室長代理を叱責していることは明らかであり、改善すべき点があるのであればその旨を指摘すれば足りるにもかかわらず、両名を怒鳴りながら叱責をしているのであって、かかる原告の言動に業務上の必要性があるということはできない。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は、正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がない。 ⒅ 平成30年7月2日のA16室長らに対するもの(その2)について(別紙2第2の1⒅)ア本件解任処分において、文部科学省は、原告による日常的なハラスメントとして、「原告は、平成30年7月2日午後、総長車にA16室長とA31室長代理を同乗させた上で、両名に対して、『私も総長として人事まで握っているから、失礼なことをしますよ。人事まで動かしますよ。悪いですけど、事務局長よりこっちなんですから、本来は』といった、人事を掌握している原告独自の判断で不利益な人事をするかのような、不適切で威圧的な言動に及んだ。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載1 - 56 -⒅)、総長選考会議もこれとほぼ同一の事実を認定する(別紙3添付の別紙1記載18)。 イ証拠(丙22の8 切で威圧的な言動に及んだ。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載1 - 56 -⒅)、総長選考会議もこれとほぼ同一の事実を認定する(別紙3添付の別紙1記載18)。 イ証拠(丙22の8、丙3p29、証人A16)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 原告は、平成30年7月2日午後、総長車内において、A16室長及びA31室長代理に対し、スケジュール調整について叱責した後、「失礼に当たるなら、今の方が失礼ですよ。」「何も分からないで議長をやって、何も分からないのに喋れっていうんですか。そうしたら、私も総長として人事まで握っているから、失礼なことしますよ。人事まで動かしますよ。悪いですけど、事務局長よりこっちなんですから、本来は。」などと発言した。 ウ原告は、上記発言は原告が信頼するA16室長及びA31室長代理に、今後の大学改革について事務局長に対する不満を交えて相談した中でのものであって、両名の非を責めたものでも人事に言及したものでもないし、口調は通常の会話のレベルを大きく超えるものではなく、不適切で威圧的な言動とはいえない旨主張する。 そして、原告は、「事務局長の大学経営改革促進事業に関する態度について批判し、意見交換会で詳細を知らないまま司会をしなければならず、質問にも答えられない状況だったことから、『失礼に当たるなら、今の方が失礼ですよ。何も分からないで議長をやって、何も分からないのに喋れっていうんですか。』と発言したもので、A16室長及びA31室長代理を叱責したものではない。また、財務部次長に関する人事にも不満があったことから、『私も総長として人事まで握っているから、失礼なことしますよ。人事まで動かしますよ。』と発言したもので、A16室長及びA31室長代理を叱責したものではない。また、録音デー にも不満があったことから、『私も総長として人事まで握っているから、失礼なことしますよ。人事まで動かしますよ。』と発言したもので、A16室長及びA31室長代理を叱責したものではない。また、録音データ(丙22の8、丙3p29~32)はこれらの文脈を踏まえていない - 57 -もので、切り貼りされたものである。」旨陳述する(甲107p40、原告本人)。 しかしながら、A16室長及びA31室長代理とも録音データ(丙22の8、丙3p29)の内容は同日のものであると述べ、その他録音が切り貼りされたものであると疑わせる証拠はない。そうすると、原告は上記のとおりの叱責をしたと認められる。 そして、本件は前記⒄と同日の発言であり、A16室長及びA31室長代理に対し、スケジュール調整に関する叱責をした上で、「私も総長として人事まで握っているから、失礼なことしますよ。人事まで動かしますよ。悪いですけど、事務局長よりこっちなんですから、本来は。」と発言していることからすれば、この発言は人事権を背景とした両名に対する発言であることは明らかであり、不適切で威圧的な言動ということができる。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は、正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がない。 ⒆ 空沼小屋再開記念式典に関する対外的非礼行為(別紙2第2の2⑴)ア本件解任処分において、文部科学省は、原告による対外的な被告北大の信用を失墜する具体的行為として、「被告北大山岳部が管理していた山小屋『空沼小屋』の再開記念式典が、平成29年7月2日に現地で開催されることとなり、これに出席する予定の駐日スイス大使と原告との面談日程を調整していた同年4月28日に、原告は同山岳部OBで学校法人北海道科学大学理事長である 式典が、平成29年7月2日に現地で開催されることとなり、これに出席する予定の駐日スイス大使と原告との面談日程を調整していた同年4月28日に、原告は同山岳部OBで学校法人北海道科学大学理事長であるA33(以下「A33理事長」という。)に対して、電話で『山岳部が総長のスケジュールを管理する、或いは行動を決定するとは何事だ。』という趣旨のことを、礼節を欠いた表現で伝えた。また、原告は、同年7月2日に開催された再開記念式典に出席した駐日スイス大使との面談を、合理的な理由もなく一方的にキャンセル - 58 -するという、要人に対して非礼な対応に及んだ。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載2⑴)、総長選考会議もほぼ同一の事実を認定する(別紙3添付の別紙1記載21)。 イ証拠(丙1p391、1187、丙2p119~125、丙4p3、証人A33、証人A12)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 被告北大山岳部が管理していた山小屋「空沼小屋」の再開記念式典が、平成29年7月2日に現地で開催され、同式典に駐日スイス大使が出席することとなっていた。 A19秘書は、同年4月25日、スイス大使館担当者に対し、同式典後、原告が大使にあいさつする機会をもらいたい旨のメールを送り、同月26日、同担当者から、面談を行うことについて了承する旨のメールを受けた。 北大山の会の会長である被告北大のA34教授の依頼を受けて、被告北大山岳部OBであった学校法人北海道科学大学理事長であるA33理事長は、同年4月27日、原告に対し、同式典に出席する駐日スイス大使の希望により、原告との面談を、同大使が札幌に到着する同年7月1日の夕刻もしくは空沼小屋等から戻った同月2日夕刻に設定したいとして、原告の都合を尋ねるメールを送った。 同年4月28 スイス大使の希望により、原告との面談を、同大使が札幌に到着する同年7月1日の夕刻もしくは空沼小屋等から戻った同月2日夕刻に設定したいとして、原告の都合を尋ねるメールを送った。 同年4月28日朝、原告は、A33理事長からのメールに対し、同人に架電し、「無礼だ。北大総長を何と思っているんだ。」「山岳部が総長の行動を指示するのか、山岳部が俺の行動をなんで決めるんだ。」などと発言した。これに対し、A33理事長は、「もし都合が付けば出席いただきたい、出席したくなければ結構です。」と述べた。 その後、原告は、A12学長補佐に対し、「A33理事長に電話した。 非常に無礼だ、北大総長をなめるなと言ってやった。」などと述べると - 59 -ともに、駐日スイス大使との面談をキャンセルするよう伝えた。 A19秘書は、同日、スイス大使館担当者に対し、原告は海外出張直前であり、タイムズハイヤーエデュケーションのパネラーとしての参加・準備のため、駐日スイス大使との面談をキャンセルする旨メールで連絡した。なお、タイムズハイヤーエデュケーションのパネラーとしての参加は、駐日スイス大使との面談が決まる前から入っていた予定であった。 被告北大のA35名誉教授(以下「A35名誉教授」という。)は、A33理事長から上記原告の言動を聞き、同年5月12日、原告と面会し、A33理事長への謝罪が必要であることなどを伝えた。 同面会後、原告は、A12学長補佐に対し、A33理事長との関係修復について対応すると伝え、これを受けて、A12学長補佐は、A33理事長に対して、過日電話で大変失礼をしたなどと記載した文書を作成し、原告の確認を得た上でA33理事長に送付した。 ウこの点、原告は、A33理事長に上記礼節を欠く発言はしていないし、駐日スイス大使との面 して、過日電話で大変失礼をしたなどと記載した文書を作成し、原告の確認を得た上でA33理事長に送付した。 ウこの点、原告は、A33理事長に上記礼節を欠く発言はしていないし、駐日スイス大使との面談の日程調整をする前から中国科学技術大学学長との面会の予定があり、空沼小屋の記念式典と重複したことから、政策調整室に対し、「7月2日を指定したのは当方であるから、謝罪したい。」とスイス大使館への連絡を指示しており、また、仮にA33理事長との間に一時的な誤解が生じたとしても、原告とA33理事長とが直接話し合って誤解は解消されており、被告北大の信用を失墜させるものとは評価できない旨主張する。 そして、原告は、「A33理事長から電話を受け、空沼小屋に一緒に登山をして欲しいとの依頼を受けたが、総長就任後の多忙な時期であり断った。A12学長補佐にはA33理事長から強い口調で依頼があり、大学の事業を優先して断ったが、これで良かったかを尋ねた。その後A - 60 -33理事長に架電し、山岳部から総長を山に登らせろと言われて依頼したと言われ、A33理事長とはその場で和解した。駐日スイス大使との面談については、中国への出張と重なったためキャンセルした。」旨陳述する(甲107p41、原告本人)。 しかしながら、原告の上記陳述は、A33理事長及びA12学長補佐の証言と整合しないところ、両者の証言は、具体的かつ詳細である上、原告がA33理事長からのメールに対して架電し、「無礼だ。」と発言した経緯等も一致している。また、両者の証言は、A12学長補佐の調査委員会に対する説明(丙1p1184、丙4p3)、A35名誉教授の調査委員会に対する説明(丙1p391)やA19秘書とスイス大使館担当者とのメールの内容(丙2p119~125)とも整合している。 そうすると 対する説明(丙1p1184、丙4p3)、A35名誉教授の調査委員会に対する説明(丙1p391)やA19秘書とスイス大使館担当者とのメールの内容(丙2p119~125)とも整合している。 そうすると、A33理事長及びA12学長補佐の証言の信用性は高いといえる。他方、上記イの認定事実と相反する原告の上記陳述を裏付ける証拠はない。なお、A33理事長は、調査委員会に対し、「非常に無礼だ。北大総長をなめるな」という直接的な表現はなかった旨説明しているが(丙4p166)、証人尋問において、当時は学校法人北海道科学大学の理事長をしており、プライドがあって、子供のけんかのように言った言わないというようなことを書く気分ではなかったと証言していることからすると、A33理事長の調査委員会に対する上記説明は、上記イの認定を左右しない。 したがって、上記イの認定事実と整合しない原告の上記陳述は採用できない。 そして、原告は、他大学の理事長であるA33理事長に対して、「無礼だ。北大総長を何と思っているんだ。」「山岳部が総長の行動を指示するのか、山岳部が俺の行動をなんで決めるんだ。」などと礼節を欠いた発言をし、また、被告北大から駐日スイス大使との面談を申し込み、了 - 61 -承を得た経緯があるにもかかわらず、合理的な理由もなく一方的にキャンセルするよう指示し、駐日スイス大使に対する非礼な対応に及んでいるといえるのであって、被告北大の信用を失墜させる言動であるということができる。 そして、これらの経緯は、前記イ認定のとおりであって、原告の発言が原告とA33理事長との間の一時的な誤解に基づくものとはいえない。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は、正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がない。 理事長との間の一時的な誤解に基づくものとはいえない。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は、正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がない。 ⒇ ANAの件(別紙2第2の2⑵)ア本件解任処分において、文部科学省は、原告による対外的な被告北大の信用を失墜する具体的行為として、「原告は、平成29年10月22日午後8時から9時頃、羽田空港国際線ターミナル内の『ANALOUNGE』受付において、全日本空輸株式会社(以下「ANA」という。)のルールによれば同行者1名までが入室可能であり、同行者2名は入室できないにもかかわらずこれを求めて拒否されると、自身が被告北大総長であることを名乗り『X総長が来たのに、何でちゃんと対応しなかったんだ、って怒られるのは、他の人ですよ』などと述べて、本来であれば受けられない待遇をことさらに要請し、もって被告北大の信用を失墜させかねない行為に及んだ。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載2⑵)、総長選考会議もこれとほぼ同一の事実を認定する(別紙3添付の別紙1記載22)。 イ証拠(丙1p2、98、469、488、丙30、証人A36、証人A15)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 原告は、平成29年10月23日から同月25日にインドネシアで開催される日本・インドネシア学長会議に出席するため、同月22日から海外出張を予定していたところ、同会議の業務を担当していたA36係員(以下「A36係員」という。)は、原告に対し、出張前の事前レク - 62 -チャーの際に、ANAのルールによれば羽田空港のANAラウンジを利用できるのは原告及び同行者1名までである旨伝えていた。 原告は、同年10月22日午後8時から午後9時頃、羽田空港 - 62 -チャーの際に、ANAのルールによれば羽田空港のANAラウンジを利用できるのは原告及び同行者1名までである旨伝えていた。 原告は、同年10月22日午後8時から午後9時頃、羽田空港国際線ターミナル内のANAラウンジ受付において、受付職員に対し、原告に加えてA37国際部長(以下「A37国際部長」という。丙1p463)及びA36係員のラウンジへの入室を求めた。 受付職員がこれを断ると、原告は、自身が被告北大の総長であることを告げた上で、「私は札幌支店長と知り合いである。ここでラウンジに入れなかったというようなことが後で札幌支店長の耳に入ったら、困るのは他の人ですよ。なんでX総長が来たのにちゃんと対応しなかったんだと怒られるのは他の人ですよ。」などと怒った様子で大声で述べた。 また、原告は、交代した職員に対しても、同様のことを告げた上で、「札幌支店に電話してみなさい。」などと述べた。 その後、今回限りの利用として3名のラウンジ入室が許可された。 原告が受付職員と話し始めてからラウンジに入室するまで10分以上かかった。 このとき、ラウンジには、数名の客がいた。 その後、A15室長代理は、ANAから原告の上記言動についてクレームを受け、A16室長と共にANA札幌支社に赴いて謝罪した。 ウこの点、原告は、ANAとの間では、総長在任期間中はVIP待遇としてもらっており、現場の判断でラウンジへの入室を可能としてもらったにすぎず、原告とANAの担当者とのやり取りは一般的な交渉の範囲内であり、ことさら執拗に入室を要請したものではなく、被告北大の信用を失墜させるものとは評価できない旨主張する。 そして、原告は、「ANAの支店長と電話ができないかとは述べたが、受付において被告北大の総長であるとアピールしたことは したものではなく、被告北大の信用を失墜させるものとは評価できない旨主張する。 そして、原告は、「ANAの支店長と電話ができないかとは述べたが、受付において被告北大の総長であるとアピールしたことはなく、穏当な - 63 -交渉をしただけである。」旨陳述する(甲107p42、原告本人)。 しかしながら、原告の上記陳述は、A36係員の証言と相反するところ、A36係員の証言は、具体的かつ詳細で、調査委員会に対する説明(丙1p488)とも概ね整合し、ANAのクレームを受けてA15室長代理らが謝罪に赴いた経緯等に照らしても自然である。また、A37国際部長の調査委員会に対する説明(丙1p469)やA15室長代理の証言とも整合しており、A36係員の証言の信用性は高いといえる。 他方、上記イの認定事実と相反する原告の陳述を裏付ける証拠はない。 したがって、上記イの認定事実と相反する原告の上記陳述は採用できない。 そして、原告は、ANAのルール上許容されていない同行者2名のラウンジ利用を求めた上、これが断られると、自身が被告北大の総長であると伝え、「ここでラウンジに入れなかったというようなことが後で札幌支店長の耳に入ったら、困るのは他の人ですよ。」などと怒った様子で大声で述べ、札幌支店長へ連絡することを要求し、その時間も10分以上に及んでいることからすると、本来であれば受けられない待遇を殊更に要求したというべきであり、原告のかかる言動は、被告北大の信用を失墜させる行為であるということができる。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は、正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がない。 (21) 電力の競争入札に関する件(別紙2第2の3⑴)ア本件解任処分において、文部科学省は した上記アの事実及び評価は、正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がない。 (21) 電力の競争入札に関する件(別紙2第2の3⑴)ア本件解任処分において、文部科学省は、原告の被告北大代表者及び研究者としての問題行為として、「原告は、平成29年12月14日、総長室において、被告北大札幌キャンパスで使用する電気一式購入の政府調達案件について、競争入札によって落札者が決定し、入札結果を報告してきたA10財務部長に対し、合理的な理由もなく『入札を取り消せ』などと非 - 64 -難し、北海道電力について言及したうえで、特定の業者のために入札を改めて実施するよう要請したと受け取れる理不尽な言動に及ぶなど、落札結果を覆し北海道電力と契約できるよう、政府調達の基本ルールを無視した不適切な業務を指示した。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載3⑴)、総長選考会議もこれとほぼ同一の事実(別紙3添付の別紙1記載23)を認定する。 イ証拠及び弁論の全趣旨から認められる事実は、上記⑻イで認定したとおりである。 ウこの点、原告は、政府調達の基本ルールを無視した不適切な業務指示がなされたとは評価できない旨主張し、上記⑻ウのように陳述する(甲107p21、原告本人)。 しかしながら、上記⑻ウで指摘したとおり、上記⑻イの認定事実と相反する原告の上記陳述は採用できず、上記⑻ウで指摘したとおり、被告北大において、電気は一般物品扱いであり、単価の高低以外に競争要素がないことから、最低価格落札方式を採用しているにもかかわらず、原告は、A10財務部長に対し、合理的な理由なく、「財務部長は北海道経済をどう考えているんだ。なんで北電(北海道電力)に落とさせなかったんだ。」「入札をやり直せ。」「契約をやり直せ。」などと叱責 、原告は、A10財務部長に対し、合理的な理由なく、「財務部長は北海道経済をどう考えているんだ。なんで北電(北海道電力)に落とさせなかったんだ。」「入札をやり直せ。」「契約をやり直せ。」などと叱責し、特定の業者のために入札を改めて実施するよう要請したと受け取れる理不尽な言動に及んでいるのであって、原告の言動は、政府調達の基本ルールを無視した不適切な業務指示であるということができる。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は、正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がない。 (22) 北大フロンティア基金「総長政策活動口座」開設の件(別紙2第2の3⑵)ア本件解任処分において、文部科学省は、原告の被告北大代表者及び研究者としての問題行為として、「原告は、平成29年11月頃から、『本学の - 65 -学生に対する支援、教育研究、社会貢献及び国際交流に関する活動等の推進並びに教育研究環境の整備拡充を図るとともに、経済的な理由で修学が困難な学生に対して財政的に支援することを目的』とするフロンティア基金の趣旨に反するにもかかわらず、同基金を利用して、総長の活動費(懇親会費等)として自由に使えるような資金を確保することを企図して、A20専門員らにこれを実現するよう命令するという、裁量の範囲を逸脱して不適切な業務を指示した。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載3⑵)、総長選考会議もこれとほぼ同一の事実(別紙3添付の別紙1記載24)を認定する。 イ証拠(丙1p920、853、972、1129、1202、丙2p179、証人A20、証人A16、証人A12)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 フロンティア基金は、北大フロンティア基金規程(丙1p972)において、その管理及び 02、丙2p179、証人A20、証人A16、証人A12)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 フロンティア基金は、北大フロンティア基金規程(丙1p972)において、その管理及び運営に関して必要な事項が定められており、被告北大の学生に対する支援、教育研究、社会貢献及び国際交流に関する活動等の推進並びに教育研究環境の整備充実を図るとともに、経済的な理由で修学が困難な学生に対して財政的に支援することを目的とする寄附金であり、学生支援事業経費、卒業生・産業界等との連携支援事業経費等その他基金の目的達成に必要な事業経費等に充てるものとされ、フロンティア基金の趣旨や会計ルールに則って支出されていた。 被告北大では、会議費等支出基準(丙2p189)として、被告北大において、総長及び理事が業務遂行のために外部の個人又は団体と交際するために要する経費の支出について必要な事項が定められていた。 同基準では、会議費の支出範囲は、意見交換又は情報収集のための各種懇談会等に係る会費又は懇談会費の実費(ただし、名目に関わらず単なる酒宴と認められるものは除く。)と規定されていた。 - 66 -被告北大では、毎年年末に総長がポケットマネーで酒を購入して、各部局に配っていたところ、原告は、平成29年12月頃、A20専門員に対し、フロンティア基金に、役員の活動費を積み立てておき、公的・私的な活動費(総長がポケットマネーで支払っていた内部の懇親会費等)として使用することができないか、活動費として自由に使えるところに20万円入金したいなどとして、被告北大の総務企画部広報課(以下「広報課」という。)に聞くよう指示した。 A20専門員は、広報課に対して、原告から言われた内容を説明したところ、広報課は、同基金は自由に使えるわけではなく て、被告北大の総務企画部広報課(以下「広報課」という。)に聞くよう指示した。 A20専門員は、広報課に対して、原告から言われた内容を説明したところ、広報課は、同基金は自由に使えるわけではなく、ルールを変えることはできない旨回答した。 A20専門員は、その旨を原告に伝えたところ、原告は、できないはずはないなどと言って再度検討するよう指示し、その後、A20専門員は、広報課と原告との間を何度か行き来したが、広報課の回答は変わらなかった。 そのため、A20専門員は、広報課以外に相談する相手として原告が名前を挙げたA16室長に相談した。 原告は、同月27日、A16室長やA20専門員に対し、本当は100万円くらい出したい、来年の評議会の懇親会と事務連の忘年会を合体させて、その時にも使おうと思っている、ビアガーデンに寄附者を招待するときに部局長を呼んで、その時にも使いたいなどと話した。 そして、A16室長が財務部等と相談するなどした結果、フロンティア基金に総長政策活動口座が開設されることとなり、寄附者を原告、金額を20万円、使途範囲の具体例として交際費等(学内外の接待、会合参加、慰安、贈答、謝礼等)、会議費等とし、その支出に当たっては、社会通念上妥当と判断される範囲にとどめることとされた。 ウこの点、原告は、フロンティア基金に新たな口座を作成させたが、裁 - 67 -量の範囲を逸脱し不適切な指示を行ったものと評価することはできない旨主張する。 そして、原告は、「以前、工学部で預けていた寄附金をフロンティア基金に振り替え、使途が広がった経験があった。A20専門員に対して『基金室はそう言っていますが、ルールは変わっています。広報課では既に変えています。』と発言したのは、上記経験を踏まえ、国際会議等の交際接待費について 途が広がった経験があった。A20専門員に対して『基金室はそう言っていますが、ルールは変わっています。広報課では既に変えています。』と発言したのは、上記経験を踏まえ、国際会議等の交際接待費について、教授が自己負担していたものを寄附金で補助できないかという趣旨である。」旨陳述する(甲107p43、原告本人)。 しかし、これまで被告北大の総長は、毎年年末にポケットマネーで酒を購入して、各部局に配っていたところ、原告は、酒宴を含む内部の懇親会等に自由に使える資金を確保することを企図して、フロンティア基金に積立金を設けるべく、A20専門員に対し、何度も広報課とのやりとりを指示しているところ、本来、フロンティア基金は、学生支援、教育研究、社会貢献及び国際交流活動等の教育研究環境の整備充実、学生への財政支援を目的としているのであって、フロンティア基金に酒宴を含む内部の懇親会費等に自由に使える積立金を設けることは、この目的(趣旨)にそぐわないものといえる。加えて、被告北大の会議費等支出基準においては、外部の個人又は団体と交際するために要する経費の支出について、名目に関わらず単なる酒宴と認められるものは除くと規定されていたことに照らすと、原告が企図した内部において酒宴を含む懇親会費等に自由に使える資金を確保することを企図してフロンティア基金に積立金を設けることを検討するよう指示したことは、総長として軽率な指示であったということができる。そして、かかる原告の指示・意向を受けて、A16室長が財務部等と相談するなどして、なんとか不相当なものとならないようにするべく、支出に当たって社会通念上妥当と - 68 -される範囲にとどめることとするなど、部下職員に不要な負担をかけることにもなっているのであって、原告のかかる業務指示は、不適切であったい するべく、支出に当たって社会通念上妥当と - 68 -される範囲にとどめることとするなど、部下職員に不要な負担をかけることにもなっているのであって、原告のかかる業務指示は、不適切であったいうことができる。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は、概ね正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がない。 (23) 研究者の立場にあるものとしての問題行為―特別講演のパワーポイント作成の件(別紙2第2の3⑶)ア本件解任処分において、文部科学省は、原告による被告北大代表者及び研究者としての問題行動として、「原告は、日本スピリチュアルケア学会の第11回学術大会における特別講演『ロボットと倫理』(平成30年9月29日)で使用する予定のパワーポイントスライドの作成に当たり、まず、他人が作成したデータを転載することで自ら作成したうえ、平成30年9月7日から同月中旬ころにかけて、他人が作成したデータであることがわからないように加工するようA29係員を通じてA38大学力強化推進本部主任URA(以下「A38URA」という。)に指示するとともに、そのデータを交付した上、A38URAをしてそのように修正させ、もって研究者倫理に違反し著作権を侵害する不適切な業務を行わせた。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載3⑶)、総長選考会議もこれとほぼ同一の事実(別紙3添付の別紙1記載25)を認定する。 イ証拠(丙1p626、628、646、丙2p190、証人A38、証人A29)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 原告は、「ロボットと倫理」というテーマで、平成30年9月29日の日本スピリチュアルケア学会の第11回学術大会における特別講演を依頼され、自ら講演用のパワー ば、次の事実が認められる。 原告は、「ロボットと倫理」というテーマで、平成30年9月29日の日本スピリチュアルケア学会の第11回学術大会における特別講演を依頼され、自ら講演用のパワーポイント(丙1p646。以下「パワーポイント①」という。)を作成したところ、同月7日、A38URAに - 69 -対し、「ロボットと倫理」というテーマで講演を依頼されて資料を作成しており、その資料を確認して欲しい旨依頼した。 その後、A38URAは、A28室長代理に対し、原告に具体的な内容を確認してほしい旨頼み、これを受けてA28室長代理は、A29係員に対して原告に確認するよう指示した。 A29係員は、同日、原告にこれを確認したところ、原告は、自らが作成したパワーポイント①をパソコンの画面に示しながら、資料のほとんどをインターネットから取得しているので、A38URAに原告のオリジナル資料に見えるよう加工して欲しい旨を伝えた。 A29係員は、原告に対し、引用元を明示するのであれば、見栄えは悪いかもしれないが、そういう方法もできるが、そうではなくて、自分のオリジナルの資料に見えるように加工するということか確認したところ、原告は、インターネットで検索したら、すぐにコピーしてきたものと分かってしまうのが一番心配であるなどと言って、A38URAにオリジナルの資料に見えるように加工してもらい、原告がロシアから帰国する同月14日に修正したデータをもらいたい旨言った。そして、A29係員は、原告の指示をメモ(丙1p626)にした。 A38URAは、パワーポイント①のデータと総長の指示としてA29係員が作成したメモを受け取り、パワーポイント①を確認したところ、スライド中に出典の情報がないにも関わらず、スライドを丸ごと引用した A38URAは、パワーポイント①のデータと総長の指示としてA29係員が作成したメモを受け取り、パワーポイント①を確認したところ、スライド中に出典の情報がないにも関わらず、スライドを丸ごと引用したり、図(画像)をそのまま引用するなどし、これらが全体の3分の1以上を占めていることを把握した。そのため、A38URAは、丸ごと引用されているスライドには出典を明記するパワーポイント(丙1p674。以下「パワーポイント②」という。)を作成し、これをA28室長代理に送付し、スライドを引用したものについては出典を明記して対応せざるを得ないが、図の引用については、図のエッセンスを抜き出し - 70 -て新たな図を作るという趣旨でよいかどうかなどをメールで尋ねた。その際、A38URAは、被告北大の総長が講演をする以上、どこかで見たような画像などが出典を明記せずに盛り込まれているスライドを使うのは、あってはならないことだと思う(特に倫理について講演する資料では)などと指摘した。 その後、A38URAは、A28室長代理から引用された画像を変えるよう指示を受けたことから、画像を入れ替える等したパワーポイント(丙1p703。以下「パワーポイント③」という。)を作成した。 A38URAは、同月14日、原告に対し、パワーポイント③について、指示どおり引用等はせずにオリジナル資料のように作成した旨説明し、原告は、「短時間でよくやってくれた。」などと述べ、パワーポイント③の内容について承諾した。 A38URAは、政策調整室を通じて、原告にパワーポイント③のデータを渡した。 被告北大は、「北海道大学における科学者の行動規範」(丙2p212、241)を定めており、被告北大において研究活動を行うすべての科学者が、日本学術会議が策定した「 のデータを渡した。 被告北大は、「北海道大学における科学者の行動規範」(丙2p212、241)を定めており、被告北大において研究活動を行うすべての科学者が、日本学術会議が策定した「科学者の行動規範」に基づき、研究活動を行うことを宣言し、研究の立案・計画・申請・実施報告等の過程において、研究・調査データのねつ造、改ざん、盗用等の不正行為を行わず、またこれに加担しないことなどを定めている。そして、盗用とは、他の者のアイデア、分析方法、解析方法、データ、研究結果、論文又は用語を当該者の了解又は適切な表示なく流用することとされている。 ウこの点、原告は、A38URAに対し、講演で使用するパワーポイントデータが著作権を侵害していないかのチェックを依頼したもので、何ら研究者倫理に反するものとは評価できない旨主張する。 - 71 -そして、原告は、「A38URAに対し、パワーポイントの中で引用がないものは引用を明示し、引用が分からないものはその旨明示して欲しいと指示した。A38URAを試験するために引用元の資料は渡さずに上記指示を行った。」旨陳述する(甲107p44、原告本人)。 しかしながら、原告の上記陳述は、A38URA及びA29係員の各証言と整合しないところ、両者の証言は、具体的かつ詳細である上、A29係員が原告からの指示内容を記録したメモの内容(丙1p304)やA38URAのメール(丙1p628)ともよく整合しており、A38URA及びA29係員の各証言の信用性は高いといえる。他方、上記イの認定事実と整合しない原告の上記陳述を裏付ける証拠はない。 したがって、上記イの認定事実と整合しない原告の上記陳述は採用できない。 そして、原告は、講演で使用する予定のパワーポイントのスライド 原告の上記陳述を裏付ける証拠はない。 したがって、上記イの認定事実と整合しない原告の上記陳述は採用できない。 そして、原告は、講演で使用する予定のパワーポイントのスライドを作成するにあたって、出典を引用することなく他人が作成した資料を多く引用した上、A29係員を通じて、A38URAに対し、他人が作成したデータであることがわからないように加工するよう指示しているのであって、かかる指示は、他人の著作権を侵害しかねないものであるし、また、かかる指示は、北海道大学における科学者の行動規範で行わないとされている盗用にも該当しかねない研究者倫理に違反するものということができる。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は、正当であると認められ、原告の上記主張は理由がない。 (24) 倫理監督者の承認を得ず報酬を得て講演を行った行為(別紙2第2の4⑴)ア本件解任処分において、文部科学省は、その他、総長としての資質を疑われる行為として、「原告は、被告北大との間で平成27年度から平成30年度までの間に物品取引があり、被告北大の代表者である原告との関係 - 72 -において、国立大学法人北海道大学役職員倫理規程(別紙5、以下「倫理規程」という。)上に定める『利害関係者』に該当する一般社団法人北海道セメント協会(以下「北海道セメント協会」という。)が主催した平成29年11月24日の『セメントの底力セミナー』及び平成30年5月9日の『第72回セメント技術大会』において、同規程に基づく倫理監督者の承認を得ずに同協会からの依頼に応じ報酬を得て講演を行い、もって倫理規程に違反する行為に及んだ。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載4⑴)、総長選考会議もほぼ同一の事実を認定する(別紙3添付の の承認を得ずに同協会からの依頼に応じ報酬を得て講演を行い、もって倫理規程に違反する行為に及んだ。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載4⑴)、総長選考会議もほぼ同一の事実を認定する(別紙3添付の別紙1記載26)。 イ証拠(丙2p274、281)及び弁論の全趣旨によれば、被告北大は、平成27年度~平成30年度まで、北海道セメント協会と物品契約を締結しており、同協会は、被告北大の代表者であった原告との関係で、倫理規程3条1項の「利害関係人」に該当するところ(丙2p281)、原告は、同協会が主催する「セメントの底力セミナー」(平成29年11月24日)及び「第72回セメント技術大会」(平成30年5月9日)(以下「本件講演」という。)において、倫理監督者の承認を得ず、同協会からの依頼に応じて講演し、報酬(謝礼額合計22万8841円)を得た事実が認められる。 ウこの点、原告は、倫理規程違反を2回行ったが、倫理規程を誤解していたに過ぎず、取得した報酬金も全額寄附しているのであり、悪質な違反とはいえず、むしろ寄附によって原告の適格性を示す事情である旨主張する。 そして、原告は、「北海道セメント協会から依頼を受けた『セメントの底力セミナー』及び『第72回セメント技術大会』は不特定多数かつ多数の者の利益の増進に寄与する公益目的事業であり、倫理規程が適用されないと判断した。また、報酬30万円はフロンティア基金に寄附し - 73 -ている。したがって、倫理規程に反する行為は一切行っていない。」旨陳述する(甲107p47)。 しかしながら、北海道セメント協会は平成27年度から平成30年度まで被告北大と物品契約を締結しているから、本件講演当時、被告北大の代表者である原告との関係で倫理規程3条1項の利害関係者に該当するところ、倫理 ら、北海道セメント協会は平成27年度から平成30年度まで被告北大と物品契約を締結しているから、本件講演当時、被告北大の代表者である原告との関係で倫理規程3条1項の利害関係者に該当するところ、倫理規程9条1項によれば、利害関係者からの依頼に応じて報酬を受けて、講演を行う場合には、あらかじめ倫理監督者の承認を得なければならないのであって、当該講演が不特定多数かつ多数の者の利益の増進に寄与する公益を目的事業であることや、その報酬をフロンティア基金に寄付したからといって、あらかじめの倫理監督者の承認が不要であるとする理由はない。 したがって、原告が倫理規程9条1項に違反していることは明らかである。 そして、原告は、総長の立場にありながら、2度にわたって倫理監督者の承認を得ずに本件講演を行い、利害関係者から報酬(謝礼額合計22万8841円)を得ており、その金額も少額とはいえないことからすれば、取得した報酬をフロンティア基金に寄附したことを考慮しても、かかる原告の行為は、総長としての資質を疑わせる行為であるということができる。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は、正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がない。 (25) 総長室の移動工事による追加支出を要する行為(別紙2第2の4⑵)ア本件解任処分において、文部科学省は、その他、総長としての資質を疑われる行為として、「原告は、人件費削減幅の縮小が総長へ立候補した際の動機であるとしていたが、これを実現するためには、全学的な経費節減に取り組まなければならないところを、総長室がある事務棟の耐震改修工 - 74 -事が完了していたにもかかわらず、平成29年3月に事務棟北側に配置されていた総長室を日当たりの良い南側に変更 減に取り組まなければならないところを、総長室がある事務棟の耐震改修工 - 74 -事が完了していたにもかかわらず、平成29年3月に事務棟北側に配置されていた総長室を日当たりの良い南側に変更する工事を行わせ、当初の計画にはない追加の経費を支出させるという不適切な行為をした。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載4⑵)、総長選考会議もほぼ同一の事実を認定する(別紙3添付の別紙1記載27)。 イ証拠(丙2p303、丙4p4、p211、証人A12、原告本人(一部))及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 原告の前総長は、医学部、歯学部、小部局以外では一律14.4%の人件費の削減等を打ち出していたところ、原告は、人件費の削減率を7. 5%に圧縮し、大学の教育水準の維持を図ることなどを訴えて総長選挙に立候補し、再選を目指した前総長を破って総長に就任した。 総長室のある事務棟の改修工事は、平成29年2月28日に完成していたところ、総長就任直前であった原告は、同工事完了後に内覧をした後、A12学長補佐に対し、「今の総長室は暗い、明るい場所に変更して欲しい。」旨言い、事務棟北側に配置されていた総長室を日当たりの良い南側に移すことを強く要望した。 原告の上記要望に基づき、平成29年4月、総長室の設置場所変更に伴う改修工事(模様替え及び電気設備工事)が発注され、同工事に合計132万3000円が支出された。 ウこの点、原告は、追加工事を依頼した時点で総長室のある事務局棟の改修工事は完了しておらず、追加工事を指示する前にA12学長補佐及びA24事務局長から追加工事が可能である旨の回答を得ており、その費用も事務局棟工事全体の0.3%である132万3000円と低額にとどまり、追加工事の指示は会議室を機 を指示する前にA12学長補佐及びA24事務局長から追加工事が可能である旨の回答を得ており、その費用も事務局棟工事全体の0.3%である132万3000円と低額にとどまり、追加工事の指示は会議室を機能的に利用するために必要で、来訪者の多い総長室の日当たりを良くするために必要な工事であった旨主張する。 - 75 -そして、原告は、「総長室の移転を打診したのは、会議室を取り囲む形で総長室を設置することにより、動線上の利点や機能的な会議が実現できると考えたからである。A12学長補佐から、改修工事が完了していないため、総長室の移転が可能であるとの報告を受け、その際に改修費用は最小限にとどめて欲しいと伝えた。」旨陳述する(甲107p48)。 しかしながら、原告の上記陳述は、A12学長補佐の証言と相反するところ、A12学長補佐の証言は、具体的かつ詳細である上、原告が改修工事完成後に総長室を日当たりの良い南側に変更して欲しい旨要望した点は、同人の調査委員会に対する回答(丙4p4)や財務部主計課A39の回答(丙4p211)とも整合しており、A12学長補佐の証言の信用性は高いといえる。他方、上記イの認定事実と相反する原告の主張を裏付ける証拠はない。 そして、原告は、既に改修工事が完了していたにもかかわらず、原告の一存により、自らが使用する総長室の場所を北側から南側に移す工事をさせ、132万円余りの追加費用を被告北大に負担させている。その上、かかる指示は、原告が総長選に立候補した際に人件費の削減率を圧縮するよう訴えて総長に就任した姿勢とも整合しないものであることからすると、原告の上記主張を考慮しても、原告の上記言動は、適切さを欠いているといえるのであって、原告の総長としての資質を疑わせる行為ということができる。 エしたが とも整合しないものであることからすると、原告の上記主張を考慮しても、原告の上記言動は、適切さを欠いているといえるのであって、原告の総長としての資質を疑わせる行為ということができる。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は、概ね正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がない。 (26) 感謝状贈呈式を欠席した行為(別紙2第2の4⑶)ア本件解任処分において、文部科学省は、その他、総長としての資質を疑 - 76 -われる行為として、「原告は、平成30年12月6日午後1時30分から予定されていた、北大フロンティア基金に500万円の寄附をしたA40サンエス技研株式会社取締役名誉会長(以下「A40名誉会長」という。)への感謝状贈呈式への出席を、原告自らが贈呈することが予定されていたのにもかかわらず、合理的な理由もないのに直前になり翻意したうえこれを欠席し、重要な職務を懈怠した。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載4⑶)、総長選考会議もほぼ同一の事実を認定する(別紙3添付の別紙1記載28)。 イ証拠(甲17p99、甲19の2p7、丙1p373、丙4p236)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 フロンティア基金の寄附者については、平成30年度から500万円以上の寄附者に対して、原則として総長が訪問して感謝状を手渡しするルールとなっていた。 原告は、平成30年12月6日午後1時30分から、フロンティア基金に500万円を寄附したA40名誉会長に対し、東京で感謝状を贈呈する予定であった。 原告は、自ら文部科学省訪問の日時を設定した上、A6理事に対し、A40名誉会長に対する感謝状贈呈式の二、三日前、「最近、文部科学省に顔を出せていないから、文部科学省に を贈呈する予定であった。 原告は、自ら文部科学省訪問の日時を設定した上、A6理事に対し、A40名誉会長に対する感謝状贈呈式の二、三日前、「最近、文部科学省に顔を出せていないから、文部科学省に行かないといけない。」旨述べ、同贈呈式を欠席した。 原告は、時間調整をすることによって、文部科学省を訪れるとともに、A40名誉会長の感謝状贈呈式に出席する余地があった。 ウこの点、原告は、感謝状贈呈式に先立ち、文部科学省を訪問する理由があり、感謝状贈呈は副学長によりされることが多く、総長が出席しなければならないとはされていなかったし、感謝状贈呈は総長の職務の中で優先順位がそれほど高いものではなく、A6理事もその旨了承してい - 77 -ることからすれば、感謝状贈呈式の欠席によって被告北大の運営に重大な支障は生じていない旨主張する。 そして、原告は、「国立大学協会のアンケート報告及び5か年計画の委員就任を断ることなどの理由から、文部科学省に自ら赴く必要がある一方で、感謝状贈呈式は重要な業務ではあるが、これまで総長が欠席して理事が感謝状を贈呈することもあった。A40名誉会長に対しては後日直接お詫びの電話をしており、A40名誉会長からは『気にしなくて結構です。』と言われた。」旨陳述する(甲107p48、原告本人)。 確かに、500万円以上のフロンティア基金への寄附者には総長自ら感謝状を贈呈するルールがあったとしても、その他の業務の必要性によっては、かかる業務を優先して感謝状贈呈式を欠席することが直ちに職務の懈怠を基礎付けるとはいえない。 しかしながら、文部科学省へ赴く必要があったとしても、原告は自ら文部科学省への訪問時間を設定しているところ、時間を調整することにより、感謝状贈呈式への出席と文部科学省の訪問を両立させる余地もあ 。 しかしながら、文部科学省へ赴く必要があったとしても、原告は自ら文部科学省への訪問時間を設定しているところ、時間を調整することにより、感謝状贈呈式への出席と文部科学省の訪問を両立させる余地もあったのであり、これを試みることなく、感謝状贈呈式を欠席していることからすると、文部科学省へ赴く必要があったことは感謝状贈呈式を欠席する合理的な理由とはいえない。そして、フロンティア基金への高額寄附者に総長が自ら感謝状を贈呈することは、継続的な寄附につながり得るものであることからすれば、合理的理由なく感謝状贈呈式の二、三日前に欠席を決めたことは、被告北大の運営に重大な支障が生じていないとしても、重要な職務の懈怠であるということができ、上記原告の言動は、原告の総長としての資質を疑わせる行為ということができる。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は、正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がない。 (27) 学術コンサルティング制度に関し異議を唱えた行為(別紙2第2の4⑷) - 78 -ア本件解任処分において、文部科学省は、その他、総長としての資質を疑われる行為として、「原告は、学術コンサルティング制度の導入に関して、平成30年2月14日開催の部局長等連絡会議の前日(同月13日)に行われた事前レクチャーにおいて、既に理事連絡会議や役員会の議を経て同年4月に導入する方針が固まっていたにもかかわらず、その方針に異議を唱え、会議の議題とすることを見送らざるを得なくなり、直前で導入を延期させたために、多くの関係者を困惑させ、業務を増大させるとともに、役職員らの士気を低下させた。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載4⑷)、総長選考会議もこれとほぼ同一の事実(別紙3添付の別紙1記載29)を認定 くの関係者を困惑させ、業務を増大させるとともに、役職員らの士気を低下させた。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載4⑷)、総長選考会議もこれとほぼ同一の事実(別紙3添付の別紙1記載29)を認定する。 イ証拠(丙4p57、証人A5、証人A14)及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。 A5理事は、原告も出席していた平成29年9月11日の理事連絡会議において、学術コンサルティング制度(本務として教員が営利企業等に対する学術的指導を行う制度)の創設について説明し、間接経費(大学の収益)を指導料の10%とすることについても説明した。 これに対し、原告は、間接経費についてはコメントせず、部局長等意見交換会に付議して意見をもらうよう指示した。 A5理事は、原告も出席した同年10月18日の部局長等意見交換会において、学術コンサルティング制度の創設及び間接経費を10%とすることについて説明し、翌年4月1日からの制度開始に向けて準備を進めることとされた。これに対して原告は特段意見を述べなかった。 原告が欠席した平成30年2月7日の役員会において、同年4月1日付けで学術コンサルティング制度を創設すること及び間接経費を10%とすることについて了承され、同年2月14日の部局長等連絡会議で意見聴取を行うこととなった。 - 79 -A14研究推進部長は、同月13日、原告に対する翌日の部局長等連絡会議の事前レクチャーにおいて、学術コンサルティング制度の間接経費を10%とすることについて説明したところ、原告は間接経費割合について聞いていない、間接経費の割合を20~30%にしたい旨発言した。そのため、同部局長等連絡会議の議題として提案することは見送られた。 原告は、同年3月1日、A16室長らの説得により学術コンサルティ いていない、間接経費の割合を20~30%にしたい旨発言した。そのため、同部局長等連絡会議の議題として提案することは見送られた。 原告は、同年3月1日、A16室長らの説得により学術コンサルティング制度を部局長等連絡会議にて審議することを了承し、同月13日の部局長等連絡会議、同年4月18日の教育研究評議会及び同月23日の役員会での審議を経て、同年5月1日付けで間接経費を10%とする学術コンサルティング制度が新設された。 ウこの点、原告は、平成30年2月13日以前から、外部資金の獲得額が減る恐れがあるため、間接経費を30%に上げるよう検討を要請しており、同日もこれに基づいて指示をしたもので、唐突な指示とはいえないし、学術コンサルティング制度の新設の遅れは1か月程度にとどまる上、業務の増大も認められない旨主張する。 そして、原告は、「平成30年2月13日以前から、担当理事であったA5理事に対して間接経費を上げるよう指示していた。学術コンサルティング制度が提案された当初、間接経費は5%ほどしか計上されていなかったが、その段階で間接経費を共同研究費と同じ30%まで上げられないか検討をお願いしていた。したがって、同日に間接経費を上げるように指示したことが唐突であったということはない。」旨陳述する(甲107p49、原告本人)。 しかしながら、原告の上記陳述は、A5理事の証言と相反するところ、A5理事の証言は、具体的かつ詳細である上、間接経費を10%とすることを原告が了承していた経緯については、理事連絡会、部局長等連絡 - 80 -会議及び役員会の議事録(丙4p61、66)とも整合しており、A5理事の証言の信用性は高いといえる。他方、原告は、平成30年2月13日前から間接経費を30%に上げられないか検討をお願いしていた旨主 会議及び役員会の議事録(丙4p61、66)とも整合しており、A5理事の証言の信用性は高いといえる。他方、原告は、平成30年2月13日前から間接経費を30%に上げられないか検討をお願いしていた旨主張するが、これを裏付ける証拠はなく、かえって同議事録の記載と整合しない。 したがって、上記イの認定事実と相反する原告の上記陳述は採用できない。 そして、原告は、平成29年9月11日の理事連絡会議及び同年11月18日の部局長等意見交換会において、A5理事が学術コンサルティング制度において間接経費を指導料の10%とすることについて説明している場に出席し、これについて特段の意見を述べていなかったにもかかわらず、平成30年2月13日の事前レクチャーにおいて、突然、間接経費割合について聞いていない、間接経費の割合を20~30%にしたい旨発言し、これにより学術コンサルティング制度の新設が1か月遅延しているのであって、かかる原告の言動が関係者を困惑させ業務を増大させたであろうことは容易に想像することができ、また、職員の士気を低下させているのであって(証人A14)、原告の上記言動は、原告の総長としての資質を疑わせる行為ということができる。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は、正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がない。 (28) コミュニケーションマークについて優柔不断な姿勢を示した行為(別紙2第2の4⑸)ア本件解任処分において、文部科学省は、その他、総長としての資質を疑われる行為として、「原告は、平成30年3月頃、広報のためのプロジェクトチームにおいて被告北大の新たなコミュニケーションマークを決定するに際し、『全部自分が見るんだ。決定は私がするから』などと指示しな - として、「原告は、平成30年3月頃、広報のためのプロジェクトチームにおいて被告北大の新たなコミュニケーションマークを決定するに際し、『全部自分が見るんだ。決定は私がするから』などと指示しな - 81 -がらも、『俺決められない』『決めなくてもいいや』などと述べて最終的な判断をしない優柔不断な姿勢を示し、もってその決定を遅延させた。」との事実を認定し(別紙4添付の別紙記載4⑸)、総長選考会議もこれとほぼ同一の事実(別紙3添付の別紙1記載30)を認定する。 イ証拠(丙19p2、丙33、証人A27、証人A15)及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。 原告は、平成29年9月14日、ブランド活用推進プロジェクトチーム(以下「ブランドチーム」という。)の全体リーダーの1人であるA27特任教授から被告北大ブランドの商品化に関する報告を受けた際、「北大の名前、北大のマークを付けた商品に関してはボールペン1本からすべて見る。」と発言した。 これに対し、A27特任教授は、全てのものを総長である原告が見るのは現実的ではないと考え、ブランドチームに一定の権限移譲をするよう進言したが、原告は、総長として、被告北大のマークが入っているものは全て自分の目を通さない限り許可はしない旨発言した。 ブランドチームは、同年12月頃から、原告の了解の下、被告北大のコミュニケーションマークの改定作業を行い、平成30年2月28日には、アートディレクターのA41(以下「A41デザイナー」という。)と、デザイン開発委託契約を締結し、同年3月14日、原告に対し、A41デザイナーによる新しいコミュニケーションマーク3案のプレゼンテーションの機会を設けたが、原告は、同プレゼンテーション後、「俺は決められない、他の人の意見も聞く。」旨述べ、その後、 告に対し、A41デザイナーによる新しいコミュニケーションマーク3案のプレゼンテーションの機会を設けたが、原告は、同プレゼンテーション後、「俺は決められない、他の人の意見も聞く。」旨述べ、その後、プロジェクトチームによる2回目のプレゼンテーションを経ても新しいコミュニケーションマークを選定しなかった。 そして、同月19日、理事連絡会議において、新たなコミュニケーションマークの検討がされたが、そこでも決定には至らなかった。 - 82 -A27特任教授らは、同月27日に、A41デザイナーを訪問し、デザイン開発委託契約で定められた納期である同月30日までに被告北大側がデザインを決定できないことを伝えて謝罪した。 その後、コミュニケーションマークの改定作業は、原告の総長在任中は進まなかった。 ウこの点、原告は、理事連絡会での決定を受けてコミュニケーションマークのデザインを決定しようとしたが、A15室長代理が再検討を求め譲らなかったためにやむなく遅延が生じたものであるし、既に使用していた使用期限が切れていないコミュニケーションマークが存在していたから、コミュニケーションマークの決定を積極的に促さなかったとしても被告北大の運営に何ら差支えはない旨主張する。 そして、原告は、「コミュニケーションマークの決定には理事全員の賛同がなければならないと考えており、理事連絡会では全員の賛成がなかったため決まらなかった。その後、A27特任教授やA15室長代理から催促や進言はなく、多忙な理事らも注意を払う時間がなかった。」旨陳述する(甲107p36、原告本人)。 しかしながら、A15室長代理が再検討を求め譲らなかったためにやむなく遅延が生じたことを認めるに足りる証拠はない。 そして、原告は、「北大の名前、 述する(甲107p36、原告本人)。 しかしながら、A15室長代理が再検討を求め譲らなかったためにやむなく遅延が生じたことを認めるに足りる証拠はない。 そして、原告は、「北大の名前、北大のマークを付けた商品に関してはボールペン1本からすべて見る。」「被告北大のマークが入っているものは全て自分の目を通さない限り許可はしない。」旨発言しているにもかかわらず、自らコミュニケーションマークを選定しようとせず、「俺は決められない、他の人の意見も聞く。」旨述べ、理事連絡会議でも決定に至らないと、その後は、その決定をすることなく、原告の総長在任中は、コミュニケーションマークの改定作業が進まなかったことからすると、原告の優柔不断な姿勢が原因で、新しいコミュニケーションマー - 83 -クの決定がされなかったということができ、かかる原告の言動は、原告の総長としての資質を疑わせる行為ということができる。 エしたがって、文部科学省及び総長選考会議が認定した上記アの事実及び評価は、正当であると認めることができ、原告の上記主張は理由がない。 4 争点⑶(本件解任申出に裁量権の逸脱・濫用があるか〈本件解任処分はその違法性を承継するか。〉。)について⑴ 裁量権の逸脱・濫用(判断過程審査)(別紙2第3)ア原告は、本件解任申出には、その判断に重大な事実誤認及び評価の誤りがあるにとどまらず、考慮すべき事情を考慮しておらず、裁量権の逸脱・濫用があり違法である旨、そして、この違法性は文部科学大臣による本件解任処分に承継され、本件解任処分も違法である旨主張する。 イしかしながら、総長選考会議は、本件解任処分において認定された、原告の日常的なハラスメント18件、対外的な被告北大の信用を失墜する具体的行為2件、被告北大代表者及び研究者としての 旨主張する。 イしかしながら、総長選考会議は、本件解任処分において認定された、原告の日常的なハラスメント18件、対外的な被告北大の信用を失墜する具体的行為2件、被告北大代表者及び研究者としての問題行為3件及びその他総長としての資質を疑われる行為5件の合計28件の非違行為(以下「本件処分認定事実」という。)に更に2件の事実を加えた事実を認定しているところ、上記のとおり、原告には、本件解任処分において認定された合計28件の非違行為が認められる。 そして、処分認定事実の内容は、被告北大の職員に対して威圧的にふるまう、過度に叱責する、合理的な理由もなく予定をキャンセルする、不必要な業務を指示する、研究者倫理に反し著作権を侵害しかねない指示をする、合理的な理由なく前言を覆す、入札の公正さを害するような言動に及ぶ、職員倫理規定に違反する、対外的にも尊大な態度で接するなど、多岐にわたっており、また、被告北大の職員を困惑させるとともに、被告北大の信用を失墜させるものである。 - 84 -そうすると、本件処分認定事実以外の2件の事実を除いても、総長選考会議が、原告の総長選時に示された、「望まれる総長像~国立大学法人北海道大学の総長選考基準~(平成27年3月19日総長選考会議)」に基づき、原告は「社会の信頼を得ることができ、かつ、基幹総合大学としての教育研究活動を適切かつ効果的に運営することができる者」とはいえず、本件規程18条1項4号所定の「その他総長たるに適しないと認められるとき」に該当すると判断した評価は正当ということができる。 ウこの点、原告は、総長の解任申出は被告北大内におけるチェック機能を果たしてもなお解任事由が解消されない場合に行うものでなければならない旨主張する(別紙2第3の1イ)。 しかしながら、 この点、原告は、総長の解任申出は被告北大内におけるチェック機能を果たしてもなお解任事由が解消されない場合に行うものでなければならない旨主張する(別紙2第3の1イ)。 しかしながら、国立大学法人法及び本件規程のいずれにおいても、解任申出の事由を定めるにとどまり、総長の解任申出は、大学内におけるチェック機能を果たしてもなお解任事由が解消されないような場合に行わなければならないとする規定は存在しない。また、実質的にも、総長は、大学のトップの地位にあって、職員の人事権等など大きな権限を有していることからすれば、大学内のチェック機能を果たさなければ解任申出ができないとすれば、不適格な総長を解任することが現実に困難となることも考えられるから、大学内のチェック機能を果たさなければ解任申出ができないと解することは相当であるともいえない。 また、原告は、①被告北大の財政状況を改善させたこと、②平成31年「THE世界大学ランキング日本版」において、被告北大が全国5位にランキングされ、教育力の向上を達成していること、③平成30年10月にWPIに採択され、これにより毎年7億円の補助金が交付され、若手研究者の安定的雇用の促進や世界的な研究者との交流の促進が図られることなどの原告の実績について、総長選考会議及び文部科学省は考慮していない旨主張する(別紙2第3の3)。 - 85 -しかしながら、原告が主張するこれらの実績は、原告個人の功績であるといえるかどうかは必ずしも明らかではない上に、上記のとおり、原告の非違行為の件数及びその内容に照らせば、仮に原告が主張するような功績が原告に認められるとしても、総長選考会議が「その他総長たるに適しないと認められるとき。」に該当するとした判断に裁量権の逸脱・濫用があるとは認められない。 容に照らせば、仮に原告が主張するような功績が原告に認められるとしても、総長選考会議が「その他総長たるに適しないと認められるとき。」に該当するとした判断に裁量権の逸脱・濫用があるとは認められない。 ⑵ 裁量権の逸脱・濫用(比例原則違反)(別紙2第4)ア原告は、仮に総長としての不適切な行為が認められたとしても、それは軽微なものにとどまり、また、学内のチェック機能によって改善されるべきもので、総長解任という重大な不利益を課すことを正当化し得るものではない、原告の総長としての資質を疑わせる事由とこれに課された不利益がバランスを失していることは明らかであり、本件解任申出は、比例原則に反するものとして、裁量権の逸脱・濫用といわざるを得ない旨、また、この違法性は文部科学省による本件解任処分に承継されるから、本件解任処分も違法である旨主張する。 イしかしながら、上記のとおり、総長の解任申出をする場合に学内のチェック機能を経なければならないとする理由はないし、原告の非違行為の件数及びその内容に照らせば、本件解任処分による原告の不利益が大きいことを踏まえても、総長選考会議が「その他総長たるに適しないと認められるとき。」に該当すると認めた判断が比例原則に反するものとはいえず、本件解任申出に裁量権の逸脱・濫用は認められない。 5 結論よって、原告の請求はいずれも理由がないからこれらを棄却することとして、主文のとおり判決する。 札幌地方裁判所民事第2部 - 86 - 裁判長裁判官 右田晃一 裁判長裁判官 藤永かおる 裁判長裁判官 市原隆一郎 (別紙1及び5を除き、別紙は掲載省略。) - 87 - 裁判長裁判官 藤永かおる 裁判長裁判官 市原隆一郎 (別紙1及び5を除き、別紙は掲載省略。) - 87 -(別紙1) 国立大学法人北海道大学総長選考会議規程 第1条この規程は、(中略)総長選考会議(以下「会議」という。)の議事の手続その他会議に関し必要な事項について定めるものとする。 第7条 1 会議は、委員の3分の2以上が出席しなければ議事を開くことができない。 2 会議の議事は、(中略)出席委員の過半数をもって決するものとする。 第7条の2会議が必要と認めるときは、会議に委員以外の者の出席を求め、説明又は意見を聴くことができる。 第9条総長の選考は、次の各号のいずれかに該当する場合にこれを行う。 ⑴ (省略)⑵ 総長が辞任を申し出て、文部科学大臣がこれを受理した場合⑶ (省略)第18条 1 会議は、総長が次の各号のいずれかに該当すると認めたときは、文部科学大臣に総長の解任を申し出るものとする。 ⑴ 心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認められるとき。 ⑵ 職務上の義務違反があるとき。 ⑶ 職務の執行が適当でないため本学の業務の実績が悪化した場合であって、総長に引き続き職務を行わせることが適当でないと認められるとき。 ⑷ その他総長たるに適しないと認められるとき。 2 会議は、前項の申出の審議を行うに当たり、総長から意見陳述の申出があった場合には、口頭又は書面で陳述の機会を与えなければならない。 - 88 - 3 第1項の申出に係る議事は、委員総数の3分の2以上をもって決するものとする。 第18条の2 1 会議は、前条第1項の申出の審議を行うに当たり、調査委員会を設置し、調査 - 88 - 3 第1項の申出に係る議事は、委員総数の3分の2以上をもって決するものとする。 第18条の2 1 会議は、前条第1項の申出の審議を行うに当たり、調査委員会を設置し、調査を行うことができるものとする。 2 調査委員会は、学外の有識者を含む委員で組織する。 3 前項の委員は、会議の承認を得て、議長が委嘱する。 4項ないし7項(省略) - 89 -(別紙5) 国立大学法人北海道大学役職員倫理規程 第1条この規程は、国立大学法人北海道大学(以下「本学」という。)に勤務する役員及び職員(以下「役職員」という。)の職務に係る倫理の保持に資するため必要な措置を講ずることにより、職務の執行の公正さに対する国民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、もって本学業務に対する国民の信頼を確保することを目的とする。 第2条 1 この規程において、「事業者等」とは法人(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものを含む。)その他の団体及び事業を行う個人(当該事業の利益のためにする行為を行う場合における個人に限る。)という。 2 (省略)第3条 1 この規程において、「利害関係者」とは、役職員が職務として携わる次の各号に掲げる事務の区分に応じ、当該各号に定める者をいう。 ⑴ 契約に係る事務物品購入、受託研究、共同研究その他の契約に関し、契約を締結している事業者等、契約の申込みをしている事業者等及び契約の申込みをしようとしていることが明らかである事業者等⑵⑶ (省略) 2 役職員に異動があった場合において、当該異動前の職に係る当該役職員の利害関係者であった者が、異動後引き続き当該職に係る他の役職員の利害関係者であるときは、当該利害関係者であった者は、当該異動の日か 役職員に異動があった場合において、当該異動前の職に係る当該役職員の利害関係者であった者が、異動後引き続き当該職に係る他の役職員の利害関係者であるときは、当該利害関係者であった者は、当該異動の日から起算して3年間(当該期間内に、当該利害関係者であった者が当該職に係る他の役職員の利 - 90 -害関係者でなくなったときは、その日までの間)は、当該異動があった役職員の利害関係者である者とみなす。 3 (省略)第9条 1 役職員は、利害関係者からの依頼に応じて報酬を受けて、講演(中略)をしようとする場合は、あらかじめ倫理監督者の承認を得なければならない。 2 倫理監督者は、利害関係者から受ける前項の報酬に関し、役職員の職務の種類又は内容に応じて、当該報酬の額が公正な職務の執行に対する国民の疑惑や不信を招くおそれがあると判断した場合は、当該講演等を承認しないものとする。

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