昭和31(オ)484 貸金請求

裁判年月日・裁判所
昭和33年6月19日 最高裁判所第一小法廷 判決 破棄差戻 高松高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する。      本件を高松高等裁判所に差戻す。          理    由  上告代理人弁護士白石近章の上告理由について。  原判決はその挙示の証拠により、被

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判決文本文1,209 文字)

主文原判決を破棄する。 本件を高松高等裁判所に差戻す。 理由上告代理人弁護士白石近章の上告理由について。 原判決はその挙示の証拠により、被上告人からDに対し判示立木を代金八五万円で売渡し、次いで昭和二八年三月二七日頃Dは上告人の代理人であるEに右立木を代金九五万円で転売し、内金二〇万円の支払を受けたところ、同年六月一日頃Eは上告人の代理人としてD及び被上告人と協議の上、上告人のDに支払うべき前示の残代金は直接被上告人に弁済することとし、即時内金三〇数万円を被上告人に支払つた上、被上告人との間に残額四〇万円の債務を以て消費貸借の目的とし、これを判示の如き期限及び利息の定めで返済する旨約定した事実を認定した上、更に挙示の証拠によつて、Eには上告人の代理人として右残代金三〇万円の支払をすることは勿論右準消費貸借契約を締結する権限のなかつたこと、しかしEが右契約を締結するについて判示のような事情が認められるから、被上告人はEに右代理権限ありと信ずるについて正当な事由があつたものであり、従つて上告人は被上告人に対し民法一一〇条の責を免れ得ないものであると判示していることは原判文上明らかである。しかしながら、表見代理人の行為に基づき本人が民法一一〇条の責を免れ得ないものとするが為めには、表見代理人に何らかの代理権限、いわゆる基本代理権の存することを必要とするものであるが、原判決はEが右準消費貸借契約締結の際に上告人の為め何らかの法律行為をなし得べき権限のあつたことについては何ら説示するところがない。尤も、原判決は前叙によつても明らかなように、Eが上告人とDとの間の前示売買契約について上告人を代理して該契約を締結する代理権限のあつた趣旨を判示しているから、原判決はこの代理権限がすなわち当時E 。尤も、原判決は前叙によつても明らかなように、Eが上告人とDとの間の前示売買契約について上告人を代理して該契約を締結する代理権限のあつた趣旨を判示しているから、原判決はこの代理権限がすなわち当時Eの有して- 1 -いた右にいわゆる基本代理権であると思惟したものであつたやも計り難いが、右代理権限は右売買契約の締結と同時に、(代理権の一回の行使によつて)すなわち前示準消費貸借の締結前たる三月前にすでに消滅していたものと認めるを相当とするから、これを以て右の基本代理権と目することはできない。要するに原判決はこの基本代理権の存在について周到な考慮を運らした形跡がなく漫然として民法一一〇条の適用を認めたのは審理不尽理由不備の誹を免れないものであつて、論旨は結局理由あるに帰し原判決は爾余の論旨に対する判断をまつまでもなく、叙上の点において到底破棄を免れない。 よつて、民訴四〇七条一項に従い、裁判官全員の一致で主文のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官下飯坂潤夫裁判官斎藤悠輔裁判官入江俊郎- 2 -

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