判決平成14年3月26日神戸地方裁判所平成5年(ワ)第399号の2 損害賠償請求事件(甲事件) 平成6年(ワ)第673号の1 損害賠償請求事件(乙事件) 主文 1 甲事件被告は,甲事件原告A1に対し,63万2781円及び内金57万2781円に対する平成5年3月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 甲事件被告は,甲事件原告A2及び同A3に対し,それぞれ31万6390円及び内金28万6390円に対する平成5年3月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 甲事件被告は,甲事件原告A4に対し,136万8839円及び内金123万8839円に対する平成5年3月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 甲事件被告は,甲事件原告A5に対し,352万8483円及び内金320万8483円に対する平成5年3月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 5 甲事件被告は,甲事件原告A6に対し,123万0141円及び内金111万0141円に対する平成5年3月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 6 甲事件被告は,甲事件原告株式会社垂水亀井堂に対し,611万2174円及び内金555万2174円に対する平成5年3月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 7 乙事件被告は,乙事件原告に対し,625万7683円及び内金568万7683円に対する平成5年3月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 8 甲事件原告ら及び乙事件原告のその余の請求をいずれも棄却する。 9 訴訟費用は,甲事件原告A1,同A2及び同A3のそれぞれに生じた費用の各20分の17と甲事件被告に生じた費用の20分の3を甲事件原告A1,同A2 及び乙事件原告のその余の請求をいずれも棄却する。 9 訴訟費用は,甲事件原告A1,同A2及び同A3のそれぞれに生じた費用の各20分の17と甲事件被告に生じた費用の20分の3を甲事件原告A1,同A2及び同A3の負担とし,甲事件原告A4に生じた費用の5分の2と甲事件被告に生じた費用の15分の1を甲事件原告A4の負担とし,甲事件原告A5に生じた費用の5分の2と甲事件被告に生じた費用の15分の1を甲事件原告A5の負担とし,甲事件原告A6に生じた費用の10分の7と甲事件被告に生じた費用の8分の1を甲事件原告A6の負担とし,甲事件原告株式会社垂水亀井堂に生じた費用の2分の1と甲事件被告に生じた費用の12分の1を甲事件原告株式会社垂水亀井堂の負担とし,乙事件原告に生じた費用の20分の9と乙事件被告に生じた費用の12分の1を乙事件原告の負担とし,その余は甲乙両事件被告の負担とする。 10 この判決は,第1ないし第7項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 1 甲事件被告は,甲事件原告A1に対し,418万2850円及び内金383万2850円に対する平成5年3月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 甲事件被告は,甲事件原告A2及び同A3に対し,それぞれ209万1425円及び内金191万6425円に対する平成5年3月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 甲事件被告は,甲事件原告A4に対し,226万4732円及び内金206万4732円に対する平成5年3月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 甲事件被告は,甲事件原告A5に対し,574万3000円及び内金524万3000円に対する平成5年3月25日から支払済みまで年5分の割合による金員 支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 甲事件被告は,甲事件原告A5に対し,574万3000円及び内金524万3000円に対する平成5年3月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 5 甲事件被告は,甲事件原告A6に対し,400万0472円及び内金370万0472円に対する平成5年3月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 6 甲事件被告は,甲事件原告株式会社垂水亀井堂に対し,1178万6007円及び内金1078万6007円に対する平成5年3月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 7 乙事件被告は,乙事件原告に対し,1154万0624円及び内金1054万0624円に対する平成6年5月7日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は,甲事件原告ら及び乙事件原告(以下「原告ら」という。)が,脱退甲乙両事件被告(以下「脱退被告」という。)の違法行為ないしその従業員の違法な勧誘によりワラント取引を行った結果,損害を被ったとして,脱退被告から吸収分割により権利義務を承継した甲乙両事件被告(以下「被告」という。)に対し,不法行為に基づき,損害賠償を求める事案である。 1 争いのない事実等(後掲括弧内に証拠等を摘示した事実以外は当事者間に争いがない。)(1) 当事者等ア原告ら(ア) 亡B(承継前の甲事件原告,以下「B」という。)は,昭和63年3月23日当時64歳(大正13年6月27日生)の男性であり,関西学院高等商業学校(現関西学院大学)を卒業した。在学中から軍隊に行き,復員してから,家業である衣料品卸売業のB商店を手伝った後,家業を継ぎ,有限会社B衣料の代表取締役となり,本件当時もその地位にあった(甲 等商業学校(現関西学院大学)を卒業した。在学中から軍隊に行き,復員してから,家業である衣料品卸売業のB商店を手伝った後,家業を継ぎ,有限会社B衣料の代表取締役となり,本件当時もその地位にあった(甲A3,B本人,弁論の全趣旨)。 平成元年当時,同社の年間売上げは1億円足らずであり,Bの同社からの年間収入は四,五百万円程度であった(B本人)。Bは,平成元年当時,自宅のほか,マンションを5か所程度所有し,数千万円の銀行預金があった(B本人)。 Bは,平成12年8月19日死亡した(弁論の全趣旨)。Bの本件訴訟を承継した甲事件原告A1(以下「原告A1」という。)はBの妻,同A2(以下「原告A2」という。)及び同A3(以下「原告A3」という。)はいずれもBの子であるところ,上記相続人3名(以下「原告Bら」という。)の間で,平成13年2月8日,本訴請求権につき,法定相続分に従い,原告A1がその2分の1を,原告A2及び原告A3がその各4分の1をそれぞれ取得する旨の遺産分割協議が成立した(弁論の全趣旨)。 (イ) 甲事件原告A4(以下「原告A4」という。)は,昭和63年11月17日当時39歳(昭和24年2月24日生)の男性であり,大学の経済学部を卒業後,父の経営する酒類販売業のA4商店で酒類販売の仕事に従事し,父が死亡した昭和57年ころからは,株式会社ワインアンドリカーズA4を設立して,酒類販売業を自営していた(甲D1,乙D19,原告A4本人,弁論の全趣旨)。 昭和63年ないし平成元年当時,同社の年間売上げは,1億二,三千万円であった(原告A4本人)。 原告A4は,平成2年2月ころ,マンションを約1億7000万円で購入し,頭金として1億円を支払った( 元年当時,同社の年間売上げは,1億二,三千万円であった(原告A4本人)。 原告A4は,平成2年2月ころ,マンションを約1億7000万円で購入し,頭金として1億円を支払った(原告A4本人)。 (ウ) 甲事件原告A5(以下「原告A5」という。)は,昭和63年10月25日当時55歳(昭和8年10月26日生)の男性であり,神戸医科大学(現神戸大学医学部)を卒業し,本件当時,内科医師としてA5診療所を経営していた(甲E4,弁論の全趣旨)。 (エ) 甲事件原告A6(以下「原告A6」という。)は,昭和63年5月25日当時57歳(昭和6年6月27日生)の男性であり,兵庫県立兵庫工業高等学校を卒業後,昌栄運輸株式会社に入社し,昭和60年ころから常務取締役であった(甲F2,原告A6本人,弁論の全趣旨)。 昭和63年当時,原告A6の年間収入は約1800万円であった(原告A6本人)。 (オ) 甲事件原告株式会社垂水亀井堂(以下「原告垂水亀井堂」という。)は,瓦せんべいの製造及び販売等を目的とする株式会社である。同代表者代表取締役であるCは,昭和61年8月21日当時50歳(昭和11年6月4日生)の男性であり,昭和27年,神戸市立上野中学校を卒業後,せんべいの製造販売を営む亀井堂の本家に入って修行をし,昭和48年,原告垂水亀井堂を設立し,それ以降,せんべいの製造販売業を営んでいた(甲G1,弁論の全趣旨)。 (カ) 乙事件原告は,昭和61年8月29日当時44歳(昭和17年1月24日生)の女性であり,兵庫県立福崎高等学校粟賀分校を卒業後,会社員をしていたが,昭和48年,宝石店のササヤ株式会社に就職し,勤務しながら宝石鑑定士の資格を取得した。昭和51年ころから,GIA 月24日生)の女性であり,兵庫県立福崎高等学校粟賀分校を卒業後,会社員をしていたが,昭和48年,宝石店のササヤ株式会社に就職し,勤務しながら宝石鑑定士の資格を取得した。昭和51年ころから,GIA(アメリカ宝石学会)日本校において,宝石鑑定のインストラクターとして勤務し,昭和56年ころから,自宅で「ジェモロジスト乙事件原告事務所」(宝石鑑定等についての指導)と「三井宝石」(宝石販売)を開業していた(甲H1,弁論の全趣旨)。 イ脱退被告及び被告脱退被告は,その営む証券業その他の営業全部を被告に承継させる吸収分割を行うため,平成13年5月14日,双方において分割契約書を作成し,同年6月28日,それぞれの株主総会の承認を得たうえ,同年10月1日,被告が変更の登記をしたことにより,被告は,本件訴訟の目的である損害賠償義務を含む脱退被告の権利義務を承継した。 当裁判所は,原告ら,脱退被告及び被告を審尋したうえ,平成14年1月15日,被告に本件訴訟を引き受けることを命ずる旨の決定をした。 脱退被告は,同月22日の本件口頭弁論期日において,原告ら及び被告の承諾を得て,本件訴訟から脱退した。 (2) ワラントの意義ワラントとは,新株引受権付社債(ワラント債)の社債部分から切り離され,それ自体で独自に取引の対象とされる新株引受権ないしこれを表章する証券のことであり,発行会社の株式をあらかじめ定められた期間(権利行使期間)内に,あらかじめ定められた価格(権利行使価格)で,決まった数量を購入(引受)できる権利又はこの権利が表章された証券のことをいう。 (3) ワラントの特徴アワラント価格は,理論的価値(パリティ)と株価値上がりへの期待(プレミアム まった数量を購入(引受)できる権利又はこの権利が表章された証券のことをいう。 (3) ワラントの特徴アワラント価格は,理論的価値(パリティ)と株価値上がりへの期待(プレミアム)からなる。 ワラントの理論的価格は,原則として,株価に連動するが,その変動幅は,株価のそれより大きい(ギアリング効果)し,また,プレミアム部分も不安定である(価格変動リスク)。 イワラントは,発行時に定められた権利行使期限を経過すると,権利行使ができなくなり,その価値がなくなる(権利失効リスク)。 また,権利行使期限経過前でも,株価が権利行使価格を超える見込みがない場合には価値がなくなり,その可能性は,権利行使期限が近づくにつれて高くなる。 ウ外貨建てワラントの価格は,為替変動の影響を受ける。 エワラントは,昭和61年ないし平成2年当時,比較的新しく,周知性の低い商品であり,また,外貨建てワラントの取引形態は,証券会社と顧客との相対取引であり,価格形成の不明朗,価格情報の不足,売却が困難な場合があることなどが指摘されている。 (4) 原告らの本件ワラント取引ア BについてBは,脱退被告担当者Dの勧誘を受け,脱退被告との間で,昭和63年3月23日以降,別紙Bワラント取引状況記載のとおりのワラント取引を行い,そのうち旭化成ワラント32及び新日本製鉄ワラント52については,いずれも売却しないまま権利行使期限が経過した(以下,上記取引にかかる各ワラントを一括して「本件ワラント(B)」ともいう。)。 イ原告A4について原告A4は,脱退被告担当者Eの勧誘を受け,脱退被告との間で,昭和63年11月17日以降,別 ラントを一括して「本件ワラント(B)」ともいう。)。 イ原告A4について原告A4は,脱退被告担当者Eの勧誘を受け,脱退被告との間で,昭和63年11月17日以降,別紙A4ワラント取引状況記載のとおりのワラント取引を行い(無断売買であるか否かについては争いがある。),そのうち新日本製鉄ワラント52については,売却しないまま権利行使期限が経過した(以下,上記取引にかかる各ワラントを一括して「本件ワラント(A4)」ともいう。)。 ウ原告A5について原告A5は,脱退被告担当者Fの勧誘を受け,脱退被告との間で,昭和63年10月25日以降,別紙A5ワラント取引状況記載のとおりのワラント取引を行い,そのうち東洋インキワラント及び積水化学ワラント05については,いずれも売却しないまま権利行使期限が経過した(以下,上記取引にかかる各ワラントを一括して「本件ワラント(A5)」ともいう。)。 エ原告A6について原告A6は,脱退被告担当者Gの勧誘を受け,脱退被告との間で,別紙A6ワラント取引状況記載のとおり,昭和63年5月25日,山之内製薬ワラント52(数量25万ドル,以下「本件ワラント(A6)」ともいう。)の買付を,同年12月8日,同ワラントの半分(数量12.5万ドル)の売付をそれぞれ行い,同ワラントの残り半分については,売却しないまま権利行使期限が経過した(原告A6が単独で同ワラントの買付を行ったか否かについては争いがある。)。 オ原告垂水亀井堂について原告垂水亀井堂は,脱退被告担当者H及びIの勧誘を受け,脱退被告との間で,昭和61年8月21日以降,別紙株式会社垂水亀井堂ワラント取引状況記載のとおりのワラント取引を行い(一部の 原告垂水亀井堂は,脱退被告担当者H及びIの勧誘を受け,脱退被告との間で,昭和61年8月21日以降,別紙株式会社垂水亀井堂ワラント取引状況記載のとおりのワラント取引を行い(一部の取引に関し,無断売買であるか否かについて争いがある。),そのうち日本電池ワラント17及び東芝ワラント21については,いずれも売却しないまま権利行使期限が経過した(以下,上記取引にかかる各ワラントを一括して「本件ワラント(垂水亀井堂)」ともいう。)。 カ乙事件原告について乙事件原告は,脱退被告担当者J及びKの勧誘を受け,脱退被告との間で,昭和61年8月29日以降,別紙乙事件原告ワラント取引状況記載のとおりのワラント取引を行い(一部の取引に関し,無断売買であるか否かについて争いがある。),そのうち三菱商事ワラント24(乙事件原告名義のもの及びL名義のもの)については,いずれも売却しないまま権利行使期限が経過した(以下,上記取引にかかる各ワラントを一括して「本件ワラント(乙事件原告)」ともいう。)。 2 主要な争点(1) ワラント取引自体の公序良俗違反の有無(2) 本件具体的勧誘行為の違法性の有無ア適合性の原則違反の有無イ説明義務違反等の有無(3) 無断売買の有無(原告A4,原告垂水亀井堂,乙事件原告につき)(4) 損害額 3 当事者の主張(1) ワラント取引自体の公序良俗違反の有無について(原告らの主張)アワラント取引の違法性(ア) 証券会社の優越的地位証券会社は免許制であり,必要な基準や条件を満たして免許を受けた証券会社は,その存立の根本からして専門的基盤を有してお 引の違法性(ア) 証券会社の優越的地位証券会社は免許制であり,必要な基準や条件を満たして免許を受けた証券会社は,その存立の根本からして専門的基盤を有しており,証券取引についての知識,経験,情報の収集,利用,判断すべての面において,一般投資家に比してはるかに優越した地位にある。証券会社がその優越的地位を利用して,一般投資家の損失において自己の利益を図ることを行ってきた事実があり,本件のワラント取引における一般投資家の被害も,まさにそのような証券会社の優越的地位の濫用によるものである。 (イ) 顧客の証券会社に対する信頼の悪用一般投資家は,公的な免許を取得して証券業を営む証券会社は公正かつ誠実な業務遂行を行うものと信頼しており,本件のワラント取引は,このような信頼を悪用してされたものである。 (ウ) ワラントの新規性,非周知性ワラントは,株式や社債などの旧来の金融商品とは全く異なる新規性を有するものであり,しかも市場そのものにとって未経験の商品で周知性の全くない商品である。まして,一般投資家にとっては,ワラントの危険性について新聞等に掲載されるようになった平成2年ころまで,一般投資家が目にし得る雑誌,新聞等にはワラントに関する記事はほとんどなく,まさに未知の商品であったから,仮に購入者がそれまで通常の株式取引,信用取引を繰り返していたような場合であっても,そのことによってワラントについての理解が可能であったと推認することはできず,その新規性,非周知性から,一般投資家に対する勧誘対象として適格性を欠く商品であった。 (エ) ワラントの超ハイリスク性,難解性ワラントは,現在株価がワラント その新規性,非周知性から,一般投資家に対する勧誘対象として適格性を欠く商品であった。 (エ) ワラントの超ハイリスク性,難解性ワラントは,現在株価がワラントの権利行使価格を上回らない場合には,その価値はほとんどなく,紙屑同然のものとなり,そのまま権利行使期限を経過すれば,紙屑となる。 しかも,ワラントは,価格変動は基本的に株価に連動するものの,その数倍の値幅で変動する性質(ギアリング効果)を有し,ギアリング効果による紙屑化の危険性も大きい。 また,ワラントの商品構造は,非常に難解かつ複雑であり,これを一般投資家に理解させるのは容易ではない。 (オ) 証券会社にとっての構造的うま味証券会社は,第一に,ワラント債発行に際して,幹事会社として発行業務を主宰することによって,莫大な発行手数料を,第二に,その発行により引き受けた外貨建てワラントを一般投資家に売りつけることによって,莫大な売買益を,第三に,証券市場に還流してきた調達資金によって,証券投資に際しての売買手数料をそれぞれ手にすることができる。 (カ) 公正な価格形成が制度的に保障されていないこと外貨建てワラント取引は,顧客と証券会社との相対売買であって,その価格形成過程は不透明であり,公正な価格が形成される制度的保障が全くないどころか,顧客を犠牲にして証券会社が利益を得るという利益相反の関係にある。 (キ) 価格の周知方法が講じられていないこと外貨建てワラントの価格情報は,平成元年4月末までは新聞紙上一切公表されておらず,平成2年9月24日までは,日本経済新聞等に,限定された銘柄の気配値がポイントで表示される程度 外貨建てワラントの価格情報は,平成元年4月末までは新聞紙上一切公表されておらず,平成2年9月24日までは,日本経済新聞等に,限定された銘柄の気配値がポイントで表示される程度で,一般投資家の投資判断材料としては全く不足していた。 (ク) 証券の内容が一般投資家には全く理解不能であること外貨建てワラントは,その原券自体入手困難であるうえ,その証券券面は,全文が専門的英語で記載されており,一般投資家が自ら読解することは不可能であった。 (ケ) 実質的な国内募集・売出しであること本件の外貨建てワラントは,形式的にはヨーロッパ市場で発行されたものであるが,その全部又はほとんどが計画的に直ちにわが国で消化されており,実質的には国内で募集・売出しされているにもかかわらず,大蔵大臣への届出や目論見書の作成等の証券取引法上の規制を潜脱するものである。 イ公序良俗違反このように,外貨建てワラントは,欠陥商品と言っても過言ではない証券であるにもかかわらず,証券会社は,その構造的うま味に目を付け,証券取引法を潜脱し,証券会社と一般投資家との証券取引の知識,情報量の圧倒的差異を最大限利用して,一般投資家の利益を顧みずに外貨建てワラントを大量かつ強引に売りさばいたのである。 このような勧誘・販売行為は,社会的に許容された相当性をはるかに逸脱し,公序良俗に反する違法な行為といわざるを得ない。 (2) 本件具体的勧誘行為の違法性の有無についてア適合性の原則違反の有無について(原告らの主張)(ア) 証券会社は,顧客の資力,能力,意向に適合した投資勧誘を行うべきであ の違法性の有無についてア適合性の原則違反の有無について(原告らの主張)(ア) 証券会社は,顧客の資力,能力,意向に適合した投資勧誘を行うべきである(適合性の原則)。 ワラント取引の危険性やワラントという商品の欠陥性に照らし,ワラント,とりわけ外貨建てワラントについては,自らワラント取引の仕組みとリスク,適正価格等について積極的に研究するだけの能力と意向を有し,ハイリスクに耐え得るだけの資金的余力を有するような投資家,すなわち,機関投資家や大手会社の財務部門,特殊な個人投資家など投資のプロのみが取引適格者といえるのであり,原告らのような一般投資家にワラント,特に外貨建てワラントの取引を勧誘することは,適合性の原則に違反する違法な行為である。 (イ) BについてBは,昭和59年ころから,脱退被告神戸駅前支店において証券取引を行っていたが,その取引の内容は株式や転換社債が中心で,かつ,全て堅実なものばかりであった。 取引の回数は,一見多数に上るようであるが,日本経済新聞等を見て堅実な銘柄を選択し,かつ,おおむね1年以上は持っておくという傾向であった。Bは,父が株式の信用取引を行って大きな損をしたのを見たことがあったので,信用取引はしないことにしていた。 Bは,昭和61年3月,日本鋼管の株式5万株を信用取引で購入したが(乙A7の1,2),これは,たまたま金員の持ち合わせがなかったために一時的に信用買いしたもので,同年4月16日,金員を入金して,全て現引した。そのうち1万5000株は,購入から2年半後である昭和63年9月,売却したが(乙A1の89),残る3万5000株は,平成元年3月17日,脱退被告から出庫し(乙A 16日,金員を入金して,全て現引した。そのうち1万5000株は,購入から2年半後である昭和63年9月,売却したが(乙A1の89),残る3万5000株は,平成元年3月17日,脱退被告から出庫し(乙A1の102),保有していた。したがって,Bは,本来の意味での信用取引を行ったことは皆無である。 また,Bは,脱退被告担当者から,頻繁に投資信託を勧められ,つき合いのつもりで購入したことはあったが,担当者に言われるとおり従っていただけである。 以上によれば,Bが証券取引についての能力・意向のいずれからしても,ワラント取引の不適合者といわざるを得ないことは明白である。 (ウ) 原告A4について原告A4がワラント取引をしたのは,取引を開始してから二,三年後であった。 そもそも原告A4の株式投資の開始は,株式を相続したことによるものであり,Eが担当者になるまでは,転換社債と投資信託の比率が大きく,株式取引は一部上場の安定株式の現株取引であり,安定志向であったにもかかわらず,Eは,個々の取引について原告A4の事前の了解を得ずに無断で取引をし,信用取引までしたものである。原告A4は,日本経済新聞を見る程度であって,証券取引について一応の知識を有していたにすぎず,信用取引におけるつなぎ売りの意味すら理解できないほどである。 このように,原告A4は,資力・能力・意向のいずれの面から見ても,ワラント取引のような,仕組みが難解で,かつ,投資額全額を失うおそれのある超ハイリスクな取引に耐えられるだけの適性を有していたとは到底いえない。 (エ) 原告A5について原告A5は,内科医師として個人病院であるA5 失うおそれのある超ハイリスクな取引に耐えられるだけの適性を有していたとは到底いえない。 (エ) 原告A5について原告A5は,内科医師として個人病院であるA5診療所を経営していた昭和63年当時55歳の男性であり,脱退被告との証券取引も,昭和62年5月1日,原告A5の父が死亡し,遺産として亡父が脱退被告神戸支店に預けていた国債・ワリコー等の投資信託を相続したことを契機として始まったものにすぎない。 原告A5は,脱退被告担当者F及びその前任者であるMに対しても,取引は投資信託などの堅実なものにするように常々指示し,確実な投資を基本としていた。原告A5と脱退被告との取引には,仕手株,信用取引や先物取引といった,短期間に投資額を全損するおそれのある投機的かつ難解なものはなかったし,また,原告A5がそのような取引を望んだこともなかった。原告A5の株式取引の経験はさほどあるとはいえず,原告A5には証券取引についての知識もほとんどなかった。 このように,原告A5は,運用資産の性質・資力・能力・意向のいずれの面から見ても,ワラント取引のような,仕組みが超困難で,かつ,投資額全額を失うおそれのあるハイリスクな取引に耐えられるだけの適性を有していたとは到底いえない。 (オ) 原告A6について原告A6は,昭和60年ころから株式投資の経験があったが,これは株式を相続したことによるものである。 原告A6が脱退被告とワラント取引をしたのは,脱退被告神戸支店と取引を開始してから3か月後にすぎず,それまでは,脱退被告担当者Gに勧誘されるがままにユアサフナショク株式とブラジルファンドの取引をしただけで,原告A6の意向はあくまでも したのは,脱退被告神戸支店と取引を開始してから3か月後にすぎず,それまでは,脱退被告担当者Gに勧誘されるがままにユアサフナショク株式とブラジルファンドの取引をしただけで,原告A6の意向はあくまでも安定志向であった。原告は,日本経済新聞を見る程度であり,証券取引について一応の知識を有しているにすぎなかった。 原告は,本件ワラント取引までに信用取引や先物取引といった,短期間に投資額を全損するおそれのある投機的かつ難解な取引をしたことはなかったし,あるいは店頭株のような投機的色彩の強い銘柄に投資したことも皆無であった。 このように,原告A6は,資力・能力・意向のいずれの面から見ても,ワラント取引のような,仕組みが超難解で,かつ,投資額全額を失うおそれのある超ハイリスクな取引に耐えられるだけの適性を有していたとは到底いえない。 (カ) 原告垂水亀井堂について原告垂水亀井堂は,同代表者C以外の従業員は5名であり,法人とは名ばかりの個人企業である。 原告垂水亀井堂の脱退被告における取引は,一見多数に上るようであるが,基本的には,脱退被告担当者Iに言われるがままの受け身の取引に終始し,C自身が新聞その他の資料を見たり勉強したりして,積極的に取引を行うことは皆無であった。また,「もうかるから,銀行で借りて金を出すように。」と言われるがままに信用取引も始め,実際に銀行から合計4000万円ないし5000万円を借りて脱退被告に預託したが,結局損を出しただけであった。このように,株式取引(信用取引を含む。)については一任しているような状態であり,Cは,いくらの金員を脱退被告に預託しているかもよく分からない状態であった。 Iの勧誘は, った。このように,株式取引(信用取引を含む。)については一任しているような状態であり,Cは,いくらの金員を脱退被告に預託しているかもよく分からない状態であった。 Iの勧誘は,利益保証や損失補てんを交えた異常かつ執拗な態様であった。 ときには,Cの知らない間に株式の売買が行われていたこともあった。 以上によれば,Cが投機的色彩が強く,かつ,難解な取引を行う能力も意向もなかったことは明らかであり,このような者にワラントという,それまでの取引とは全く異なり,投資額を全損するおそれのあるハイリスクかつ超難解な金融商品を勧めること自体,適合性原則違反にほかならない。 (キ) 乙事件原告について乙事件原告自身が株式取引を開始したのは,昭和61年3月ころからであり,ワラント取引を開始するまでの乙事件原告の取引経験は2年にすぎず,この中でも同年3月から7月にかけてはほとんど取引はなく,また,同年8月ころから昭和62年6月ころまでの取引はほとんど脱退被告担当者Jによる無断取引であり,また,その後昭和63年5月まで取引がほとんどなく,したがって,実質的に乙事件原告が受け身的にでも取引をしたといえるのは,同年5月からで,ワラント取引を開始するまでに1年もなく,しかも現株取引が少しある程度であった。 また,乙事件原告は,家族の生活を支えており,投機的色彩の少ない安全で堅実な資産運用を希望し,脱退被告と取引をしていたものである。 さらに,乙事件原告は,脱退被告に言われるがままの受け身の取引に終始しており,乙事件原告自身が資料その他で勉強し,積極的な取引を行うことは皆無であった。乙事件原告は,一度も脱退被告の店舗に行 さらに,乙事件原告は,脱退被告に言われるがままの受け身の取引に終始しており,乙事件原告自身が資料その他で勉強し,積極的な取引を行うことは皆無であった。乙事件原告は,一度も脱退被告の店舗に行ったことはないし,日本経済新聞も読んでいなかった。 このように,乙事件原告は,資力・能力・意向のいずれの面から見ても,ワラント取引のような,仕組みが超難解で,かつ,投資額全額を失うおそれのある超ハイリスクな取引に耐えられるだけの適性を有していたとは到底いえない。 (被告の主張)(ア) 原告Bら,原告A6及び乙事件原告に対する主張適合性の原則は,行政の考え方であり,民事法上の原則ではない。したがって,このような公法上の取締法規である同原則の違反が,直ちに民事法上の不法行為責任を構成するものではない。 また,ワラントは,株式の信用取引や商品先物取引に比べて,少ない投資資金と少ないリスク(リスクは,投資資金の限度に限定されている。)でそれと同程度の投資効率を期待できるという利点を有するのであるから,ワラントを一般投資家に対して勧誘すること自体は何ら違法な行為でないことは当然であり,その危険性のみを過大に評価することは許されない。 (イ) BについてBは,昭和48年ころから証券取引を始め,本件ワラント取引当時,脱退被告のほか,少なくとも野村證券,大和証券,山一証券,三洋証券及び勧角証券とも取引を行っていた。Bは,主に現物株式の取引を中心に行っていたところ,自分の判断で株式を購入,売却して,投資リスクを分散したり,利益を上げたりしていた。Bは,脱退被告との取引だけでも年間数千万円の利益を上げていたことから,他の 現物株式の取引を中心に行っていたところ,自分の判断で株式を購入,売却して,投資リスクを分散したり,利益を上げたりしていた。Bは,脱退被告との取引だけでも年間数千万円の利益を上げていたことから,他の証券会社との取引も合わせれば,売買益が1億円を超えるような取引を行っていたことを推測でき,本件ワラント(B)の購入の約定時,脱退被告だけでも合計2億5000万円以上の資金を証券投資に充当していた。 このように,Bは,本件ワラント(B)の購入時において,相当の証券取引の経験・知識を有していたし,ワラント取引の特性や危険性を理解する能力・経験を十分有していたから,ワラントのようなハイリスク・ハイリターンな取引を勧誘したとしても,その投資意向に反するということはできず,Bの一連の取引経過に照らせば,むしろBの投資意向と合致するものということができる。 したがって,適合性原則違反の事実は認められない。 (ウ) 原告A4について原告A4は,父の死亡後,時代の流れを考え,株式会社ワインアンドリカーズA4を設立し,ワラント取引を始めた昭和63年11月当時は,37歳の働き盛りの青年実業家であった。同社の売上げは,1億2000万円ないし1億3000万円であった。すなわち,原告A4は,経営者として当然有すべき経済知識,社会経験,一般常識を有していた。 原告A4は,脱退被告のみならず,野村證券,三洋証券及び山一証券とも取引を行っていた。複数の証券会社担当者とやりとりをする過程で,原告A4の証券知識,判断能力は飛躍的に高まっていった。 原告A4は,三宮にビルを持っていたほか,1億7000万円の「億ション」を購入することが可能な資力を持ち,脱退 過程で,原告A4の証券知識,判断能力は飛躍的に高まっていった。 原告A4は,三宮にビルを持っていたほか,1億7000万円の「億ション」を購入することが可能な資力を持ち,脱退被告のみにおいても8000万円を超える投資を行っていた。 他社でも取引を行っていたものと推測され,銀行等の預貯金も含めれば,相当程度の金融資産を有していたものと推測される。原告A4の証券会社に対する投資資金は,専ら相続により取得したものであり,原告A4自身の年齢とも相まって,リスクに十分耐え得る性格を有する資金である。 原告A4は,Eが担当する前においても,20銘柄の株式の買付の取引を行っていたところ,いずれも比較的短期間で売買を行った。また,原告A4は,1回当たり(又は1銘柄当たり)1000万円を超える投資を行ったことも多かった。 Eが担当してからの最初の取引は,昭和62年9月17日に約定が成立した国際電気株式の信用取引による売却であるが,これは,原告A4からの要望によるものである。すなわち,原告A4は,同株式を売却したい意向であったが,名義書換停止期間中であったことから,現物取引で売却できなかったため,Eは,同株式を担保として,信用取引を利用してこれを売却し,名義書換停止期間終了後に同株式を返還して決済(渡株)すれば,今これを売却したのと同じ目的を達することができる旨説明し,更に,これを「つなぎ売り」と称すると説明し,約定に至ったものである。また,原告A4は,昭和62年11月10日,信用取引によりヤマト運輸株式を購入したが,これも,原告A4の意向に基づくものであり,その後,平成元年7月ころから信用取引を活発化させ,同年12月27日まで信用取引を行っていた。 原告A4は,同年10 株式を購入したが,これも,原告A4の意向に基づくものであり,その後,平成元年7月ころから信用取引を活発化させ,同年12月27日まで信用取引を行っていた。 原告A4は,同年10月30日,店頭銘柄である日本合同ファイナンスを買い付けた。この点においても,原告A4は,値動きの激しい銘柄を好んでいたといえる。 以上によれば,本件当時の原告A4の証券投資に対する姿勢は,基本的には短期値上がり益取得の意向が強かったということができ,ワラント投資も,本件当時の原告A4の意向に適合した商品ということができる。 (エ) 原告A5について原告A5は,脱退被告神戸支店において十分な預り資産を有していたこと,株式,転換社債,投資信託などの取引を多数経験し,リスクがあっても値上がりが期待できる商品に積極的に投資しようという,短期売買によるキャピタルゲイン狙いの投資を続けてきたこと,取引の説明に対しても,会社内容その他の諸点につき,納得がいくまでよく質問し,検討した上で注文する顧客であったこと,友人が持参するらしい株式投資に関する新聞をよく読んでいたことなど,投資知識,経験,投資選好,資力のいずれの面から見ても,原告A5は,ワラント取引に適合的な投資家であった。 したがって,適合性の原則違反は認められない。 (オ) 原告A6について原告A6は,本件ワラント(A6)取引当時,脱退被告のほか,少なくとも国際証券外数社で証券取引を行い,国際証券では主に現物株式の取引を行い,その売買期間を考慮しても,比較的短期間で売買をして利益を上げていく投資スタンスで証券取引を行っていたものである。原告A6は,本件ワラント(A6)の購入の約定時 国際証券では主に現物株式の取引を行い,その売買期間を考慮しても,比較的短期間で売買をして利益を上げていく投資スタンスで証券取引を行っていたものである。原告A6は,本件ワラント(A6)の購入の約定時,脱退被告だけでも合計500万円以上の資金を証券投資に充当し,国際証券では,2口座で合計1000万円以上の投資資産を有していた。 このように,原告A6は,本件ワラントの購入時において,相当の証券取引の経験・知識を有していたし,ワラント取引の特性や危険性を理解する能力・経験を十分有していたから,ワラントのようなハイリスク・ハイリターンな取引を勧誘したとしても,その投資意向に反するということはできず,原告A6の一連の取引経過に照らせば,むしろ原告A6の投資意向と合致するものということができる。 したがって,適合性原則違反の事実は認められない。 (カ) 原告垂水亀井堂について原告垂水亀井堂は,昭和60年5月13日以降,株式,転換社債,投資信託,債券等の取引を続けていた。また,同年6月18日,信用取引を開始し,当初はつなぎ売りであったが,同年11月6日以降は本格的な取引になった。Cは,自己名義でも株式,転換社債,投資信託などの取引を続け,昭和61年12月5日,信用取引を開始した。Iは,ほぼ毎日Cに電話をかけていたが,Cから電話がかかってくることも多かった。Iは,週に1回程度Cを訪問し,その際には,四季報,株式の業界紙のコピー,株価のチャートのコピーなどを持参していた。原告垂水亀井堂(C)は,独自の相場観を持ち,信用取引の仕組み等についても詳しく,他社取引も行い,他社から投資に関する情報も得ていた様子であった。また,原告垂水亀井堂の投資に関する意向は,株式等の長期保有を目 井堂(C)は,独自の相場観を持ち,信用取引の仕組み等についても詳しく,他社取引も行い,他社から投資に関する情報も得ていた様子であった。また,原告垂水亀井堂の投資に関する意向は,株式等の長期保有を目的とするものではなく,短期売買によって利益を積み重ねていくというものであった。さらに,原告垂水亀井堂は,信用取引をしていただけあって,比較的潤沢な預り資産を有していた。 以上によれば,投資知識,経験,投資選好,資力のいずれの点から見ても,原告垂水亀井堂は,ワラント取引に適合的な顧客であった。 したがって,適合性の原則違反は認められない。 (キ) 乙事件原告について乙事件原告は,本件ワラント(乙事件原告)取引当時,脱退被告のほか,少なくとも,和光証券,ユニバーサル証券,野村證券で証券取引を行い,和光証券では主に現物株式の取引を中心に行い,その売買期間を考慮しても,乙事件原告は比較的短期間で売買をして利益を上げていく投資スタンスで証券取引を行っていたものである。乙事件原告は,本件ワラント(乙事件原告)の購入の約定時,脱退被告だけでも合計2300万円以上の資金を証券投資に充当し,和光証券では,合計1300万円以上の投資資産を有していた。 このように,乙事件原告は,本件ワラントの購入時において,相当の証券取引の経験・知識を有していたし,ワラント取引の特性や危険性を理解する能力・経験を十分有していたから,ワラントのようなハイリスク・ハイリターンな取引を勧誘したとしても,その投資意向に反するということはできず,乙事件原告自身,現物株式の取引はその投資意向に合致することを認めていることや,乙事件原告の一連の取引経過に照らせば,むしろ乙事件原告の投資意向と としても,その投資意向に反するということはできず,乙事件原告自身,現物株式の取引はその投資意向に合致することを認めていることや,乙事件原告の一連の取引経過に照らせば,むしろ乙事件原告の投資意向と合致するものということができる。 したがって,適合性原則違反の事実は認められない。 イ説明義務違反等の有無について(原告らの主張)(ア) 説明義務違反についてワラントは,商品構造が複雑で危険性が高く,しかも周知性がない金融商品であるから,証券会社は,顧客をワラント取引に勧誘する際,取引開始時に説明書を交付し,直接口頭でワラントの商品構造,取引形態や危険性等を本人に分かるように説明し,本人がそれを理解してリスク等を納得したことを確認する作業として確認書を徴求する義務がある。 (イ) 断定的判断の提供による勧誘の禁止について旧証券取引法50条1項1号は,証券会社又はその役員若しくは使用人に対し,「有価証券の価格・・・が騰貴し,又は下落することの断定的判断を提供して勧誘する行為」を禁止する。顧客に判断材料がなく,かつ,著しく不透明で,リスクの大きいワラント取引(特に海外ワラントの場合はなおさらである。)においては,断定的判断の提供は,もはやその一事をもって,当該取引を容認し得ないほどの高度の違法性を帯びた行為であるといえる。 (ウ) 損失負担・利益保証による勧誘の禁止について平成3年法律第96号による改正前の証券取引法50条1項3号は,「有価証券の売買その他の取引・・・につき,顧客に対して当該有価証券・・・について生じた損失の全部又は一部を負担することを約してする勧誘」を禁止して 第96号による改正前の証券取引法50条1項3号は,「有価証券の売買その他の取引・・・につき,顧客に対して当該有価証券・・・について生じた損失の全部又は一部を負担することを約してする勧誘」を禁止していた。また,同項5号等の法令は,顧客に対して特別の利益を提供することを約して勧誘する行為を禁止している。 ワラント取引においても,損失負担や利益保証による勧誘が違法性を有することは明らかである。 (エ) 虚偽表示又は重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき行為の禁止について平成4年法律第73号による改正前の証券取引法50条1項5号等の法令は,有価証券の売買等に関し,「虚偽の表示をし又は重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為」を禁止する。これらの規制は,説明義務違反のうち,特に違法性の高い行為を類型化したものであって,これに違反する行為は,直ちに強度の違法性を帯びることになる。 (オ) Bについて脱退被告担当者Dは,Bに対し,昭和63年3月ころ,電話で「ワラントという収益の上がる新しいものがあるので,買ってくれませんか。」と述べて,ワラント取引を勧誘した。Bは,「ワラントって何や。自分がわからんものは買いたくないから,嫌や。」と言ったが,Dが「いや,これは成績がいいんです。よくもうかるんで,買(こ)うといて下さい。」と何度も言うので,Bは,投資信託の勧誘と同様に,つき合い程度のつもりで,「あんたが間違いないと言うのやったら,まかしとくわ。」と了承したものである。 Dは,Bに対し,ワラント取引の本質的なことは一度も説明しなかった。また,Bは,Dその他脱退被告関係者から,ワラントのパンフレットや説明書の類を見せられたり,受 たものである。 Dは,Bに対し,ワラント取引の本質的なことは一度も説明しなかった。また,Bは,Dその他脱退被告関係者から,ワラントのパンフレットや説明書の類を見せられたり,受け取ったりしたことは一度もない。 なお,Bは,脱退被告に確認書(乙A3,A4)を差し入れているが,これらは,何か別の機会に何かのついでに,Bが内容を確認せずに署名捺印したものとしか考えられない。説明書(乙4の1)には,裏から2枚目に確認書の用紙が付いているから,脱退被告が説明書を交付したとすれば,Bの確認書はそこから切り取ったものであるはずであるところ,ワラント取引に関する確認書(乙A3)は,上記説明書(乙4の1)とは別に,1枚もののコピーを増刷りしたものである。 (カ) 原告A4についてEは,原告A4に対し,ワラント取引を開始するに当たって,ワラントの商品構造や,株価がワラントの権利行使価格を上回らない状態で経過すると,ワラントは次第に紙屑同然の価値しかなくなり,権利行使期限が経過すると,完全に紙屑となるとの危険性等について,一切何らの説明もしていない。原告A4は,Eから,来訪や電話の際の雑談で,「ワラントは短期にすぐもうかる投資効率のよい商品」と話していたことを数回聞いたにすぎない。 また,昭和63年11月17日付けの新日鉄ワラント取引は,いつものように原告A4の明確な承諾を得ず,改めてきちんとした説明もしないまま取引を開始したものである。 原告A4は,同ワラント購入前に,ワラントのパンフレットや説明書を受け取ったり,これらを示されて説明を受けたことはない。説明書の交付は,平成元年4月19日付け日本証券業協会通知により要求されるようにな 告A4は,同ワラント購入前に,ワラントのパンフレットや説明書を受け取ったり,これらを示されて説明を受けたことはない。説明書の交付は,平成元年4月19日付け日本証券業協会通知により要求されるようになったものであり,昭和63年11月に説明書を交付したとは到底考えられない。のみならず,当時の説明書(乙4の1)には,裏から2枚目に確認書の用紙が付いているから,脱退被告が説明書を渡したとすれば,原告A4の確認書はそこから切り取ったものであるはずであるところ,ワラント取引に関する確認書(乙D3)は,上記説明書(乙4の1)とは別に,1枚もののコピーを増刷りしたものである。したがって,説明書とは無関係に確認書が徴求されたものであり,脱退被告が原告A4に対して説明書を渡していないことは明白である。 なお,ワラント取引後に説明書を交付しても何の意味もないし,ワラント取引後に確認書を徴求しても,何ら説明したことにはならない。また,外国証券取引口座設定約諾書(乙D2),上記確認書(乙D3),国内新株引受権証券及び外国新株引受権証券の取引に関する確認書(乙D4)の日付は,いずれも原告A4の筆跡ではない。 (キ) 原告A5について原告A5は,F及びその後任の担当者であるNから,ワラントの何たるかについて全く説明を受けていないし,ワラントに権利行使期限があること,その期限を経過するとワラントは無価値になることの説明すらも受けていない。しかも,ワラントは,株式そのものとは全く異なり,値動きも激しく,高いリスクが存することなどについても一切の説明は受けていなかった。ほとんど電話で5分から10分程度の限られた説明で,素人の原告A5がワラントについて理解できるはずがない。Fは,原告A5の明確な了解も取らずに取引をし ことなどについても一切の説明は受けていなかった。ほとんど電話で5分から10分程度の限られた説明で,素人の原告A5がワラントについて理解できるはずがない。Fは,原告A5の明確な了解も取らずに取引をしたものである。 原告A5は,Fから示されるままに日付空白のワラント取引に関する確認書(乙E3)に記名捺印したが,Fからワラント取引に関する説明書の交付は受けておらず,ワラントの説明も受けていない。日付の記載は,原告A5の筆跡ではない。また,原告A5は,平成2年4月ころ,脱退被告からワラント取引説明書の交付を受けた事実はない。その後においても,脱退被告は,原告A5に対し,ワラントに関する説明を行ったことはなく,取引開始後相当期間経過後,一方的にワラントの説明書を原告A5に郵送してきただけである。 東洋インキワラントは,新発ワラントであり,マイナスパリティのワラントであったところ,Fは,原告A5に対し,マイナスパリティについての説明を全く行わなかった。 Nは,原告A5に対し,積水化学ワラントの勧誘に当たり,「(原告に勧めるワラントは脱退被告)神戸支店の新築祝いのための商品であり,有利である。」,「ワラントで株の損を取り返す。」,「短期間で必ず儲かる。」などと事実と異なる断定的判断を提供した勧誘により,原告A5に同ワラントを購入させたものである。 (ク) 原告A6についてGは,原告A6に対し,昭和63年5月中旬ころ,電話で約5分間ワラント取引を勧誘した際,ワラントの商品構造や,株価がワラントの権利行使価格を上回らない状態で経過すると,ワラントは次第に紙屑同然の価値しかなくなり,権利行使期限を徒過すれば,紙屑同然の無価値のものになるという最も重要な危 ワラントの商品構造や,株価がワラントの権利行使価格を上回らない状態で経過すると,ワラントは次第に紙屑同然の価値しかなくなり,権利行使期限を徒過すれば,紙屑同然の無価値のものになるという最も重要な危険性等について,何ら説明しなかった。 Gは,かえって,「株が100円上昇したら,「ワラント債」は約3倍上昇します。」,「期間が5年間あり,一時的に株価が下落しても,期間中には必ず反発します。」,「万一株価が下落した場合であっても,社債の部分が残るから,安心してください。」などと,元本保証の社債の一種のような表現をし,虚偽表示・誤導を生ぜしめる表示により勧誘した。 原告A6は,本件ワラント(A6)取引の際,ワラントの説明書の交付を受けていない。説明書の交付は,平成元年4月19日付け日本証券業協会通知により要求されるようになったものであり,昭和63年5月に説明書を交付したとは到底考えられない。のみならず,当時の説明書(乙4の1)には,裏から2枚目に確認書の用紙が付いているから,脱退被告が説明書を郵送したとすれば,原告A6の確認書はそこから切り取ったものであるはずであるところ,ワラント取引に関する確認書(乙F3)は,上記説明書(乙4の1)とは別に,1枚もののコピーを増刷りしたものである。したがって,脱退被告が原告A6に対して説明書を送付していないことは明白である。 なお,ワラント取引後に説明書を交付しても何の意味もないし,ワラント取引後に確認書を徴求しても,何ら説明したことにはならない。また,上記確認書(乙F3),国内新株引受権証券及び外国新株引受権証券の取引に関する確認書(乙F4)の日付は,いずれも原告A6の筆跡ではない。 (ケ) 原告垂水亀井堂について 記確認書(乙F3),国内新株引受権証券及び外国新株引受権証券の取引に関する確認書(乙F4)の日付は,いずれも原告A6の筆跡ではない。 (ケ) 原告垂水亀井堂について原告垂水亀井堂は,株式の取引で多額の損失を被ったので,Iからこれを埋め合わせる話が何度となくあった。 このような最中の平成元年9月下旬ころ,Iは,Cに対し,電話で「上組のワラントを買って下さい。」と勧めた。Cは,「ワラントって何や?」と聞いたが,Iは,「私もよく分からんのです。」と答える始末であった。Cは,「あんたも分からん,どこでどう買うのかも分からんものをどうして買えるんや。」と言ったが,Iは,「とにかく大丈夫です。」,「今までの分の埋め合わせをしますから。」,「3日間持っていれば上がります。もしそれで上がらなくても,1週間あったら必ずもうかりますから。」,「絶対間違いないですから。」,「私が責任を持ちます。」などとやかましく言うので,Cも根負けして,しぶしぶ「そしたら,お前が責任持てよ。」と言って承諾し,上組ワラントを2回に分けて脱退被告から購入したものである。Iの上記言動は,明らかに断定的判断の提供による勧誘に該当するのみならず,損失負担による勧誘に該当する悪質な違法行為である。 Iは,Cに対し,ワラント取引の本質的なことは何一つ説明しなかった。また,Cは,Iから,ワラント取引の説明書を交付されたことはない。後日,平成4年ころになって,C宅に説明書が突然郵送されてきただけであった。 なお,Cは,脱退被告に確認書(乙G3,G4,G6)を差し入れているが,これらは,何か別の機会に何かのついでに,Cが内容を確認せずに記名捺印もしくは署名捺印したものとしか考えられない。 なお,Cは,脱退被告に確認書(乙G3,G4,G6)を差し入れているが,これらは,何か別の機会に何かのついでに,Cが内容を確認せずに記名捺印もしくは署名捺印したものとしか考えられない。説明書(乙4の1)には,裏から2枚目に確認書の用紙が付いているから,脱退被告が説明書を交付したとすれば,原告垂水亀井堂の確認書はそこから切り取ったものであるはずであるところ,ワラント取引に関する確認書(乙G3)は,上記説明書(乙4の1)とは別に,1枚もののコピーを増刷りしたものである。 (コ) 乙事件原告について脱退被告担当者Kは,乙事件原告に対し,今までの損失を埋める商品で,株式より安全で確実な資産運用の商品として,ワラントを電話で勧誘した。Kは,「ワラント」という言葉を使わず,「外国債」という言葉を使用し,「外国債」には自信があるとも述べて勧誘した。 乙事件原告がどんなものかと尋ねると,Kは,「日本の優良企業が海外に出している社債で,安全で勝負が早い。」と説明した。乙事件原告が「転換社債と同じようなものか。」と尋ねたところ,Kは,「そうです。」と答えた。そこで,乙事件原告は,元本保証の安全で堅実な商品であると信じた。Kは,2回目の勧誘の際,「エース株式ユニットの損はこれで取り戻せる。」と言った。そこで,乙事件原告は,ワラントとは知らずに本件のワラントを購入した。電話の時間は,1回5分あるかないかであった。 Kは,電話でワラントの勧誘をしたのみで,ワラントの商品構造,ワラントが権利行使価格を上回らない状態で経過すると,ワラントは次第に紙屑同然の価値しかなくなり,権利行使期限が経過すると,完全に紙屑になる危険性や,値動きが激しく高リスクが存することなどについて全く説明していない。 回らない状態で経過すると,ワラントは次第に紙屑同然の価値しかなくなり,権利行使期限が経過すると,完全に紙屑になる危険性や,値動きが激しく高リスクが存することなどについて全く説明していない。 乙事件原告は,説明書の交付を受けていない。説明書の交付は,平成元年4月19日付け日本証券業協会通知により要求されるようになったものであり,平成元年2月に説明書を交付したとは到底考えられない。 乙事件原告が郵送されてきた確認書を放置していると,Kは,平成3年初めころの午後10時ころ,自宅に確認書を取りに来た。Kは,確認書の日付は空欄にしてほしいと言っていた。乙事件原告は,Kに言われるまま,あまりよく読まないで確認書に署名捺印した。 なお,ワラント取引後に説明書を交付しても何の意味もないし,ワラント取引後に確認書を徴求しても,何ら説明したことにはならない。 (被告の主張)(ア) 仮に証券会社にワラントについての説明義務が課せられるとしても,株式とは異なったワラント独自の危険性についてのみ説明すれば足りると考えられる。 すなわち,株式と異なるワラント独自の危険性とは,①ワラント価格は基本的に株価に連動し,かつ,株価の数倍の値動きをすること,②ワラントは権利行使期限後は無価値になることである(大阪地方裁判所平成6年9月14日判決,大阪高等裁判所平成12年5月19日第十二民事部判決等)。 (イ) BについてDは,Bに対し,昭和63年3月23日,ヤマハ発動機のワラントを電話で提案したところ,Bは,「説明を聞きたいので,すぐに行くから。」と言って,すぐに脱退被告神戸駅前支店の店頭に来た。Dは,Bに対し, Dは,Bに対し,昭和63年3月23日,ヤマハ発動機のワラントを電話で提案したところ,Bは,「説明を聞きたいので,すぐに行くから。」と言って,すぐに脱退被告神戸駅前支店の店頭に来た。Dは,Bに対し,ワラント取引説明書(乙4の1又は2)を示しながら,ワラントは,株価以上に値動きの幅が大きく,株式に比べて投資効率がよいが,反面,損をするときには株式以上に損をすること,権利行使期限を過ぎると無価値となることなどについて説明したうえ,ヤマハ発動機の業績,株価の推移,同ワラントの価格の推移,同ワラントの権利行使価格及び権利行使期限等を説明した。そこで,Bは,十分理解して同ワラントを購入することとなり,同日,約定となった(乙A1の68)。その際,Bは,自署押印のうえ,外国証券取引口座設定約諾書(乙A2)を脱退被告に差し入れた。 脱退被告においては,同年4月以降,ワラント取引について,ワラント取引確認書を徴求することとなり,Dは,同年5月12日,Bにワラント取引説明書を渡したうえで,上記確認書(乙A3)に署名・押印して差し入れてもらった。 したがって,Dは,Bに対し,前記①及び②の点を含め,ワラントの特性及び危険性について十分説明しているから,説明義務違反は認められない。 (ウ) 原告A4についてEは,新日鉄について外貨建てワラントが発行されており,「リスクはあるけれども,投資効率がよい。」との点から,原告A4に対し,ワラント取引を提案した。その際,Eは,ワラント取引説明書やワラントについての記事が掲載されていた新聞等を原告A4に渡し,これらの資料を交えて,一定期限を経過してしまうと,権利が消滅し,価値がゼロになってしまうが,期限については何年か先に到来するものが多く,ま ントについての記事が掲載されていた新聞等を原告A4に渡し,これらの資料を交えて,一定期限を経過してしまうと,権利が消滅し,価値がゼロになってしまうが,期限については何年か先に到来するものが多く,また,ワラントについては,一般に株式よりも値動きが大きく,値上がりした場合には,通常,株式に投資するよりも投資効率はよくなるが,逆に値下がりした場合には損失が大きくなる場合があることなどについて,15分ないし30分程度にわたり,説明した。 Eは,新日鉄ワラント51を提案するについては,当時,内需拡大傾向の影響を受けて,いわゆる鉄鋼業等の重厚長大産業が有望視されており,その中でも新日鉄のような中心株は有力視されている銘柄であるとして,原告A4にこれを提案した。その際,Eは,新聞記事(乙D15)等を交付して,新日鉄の今後の上昇期待について説明した。 昭和63年11月17日,同ワラントについて約定に至ったところ,原告A4は,同日付けで,「私は,貴社から受領したワラント取引に関する説明書の内容を確認し,私の判断と責任においてワラント取引を行います。」と書かれたワラント取引に関する確認書(乙D3)に署名捺印した。原告A4は,その意味を十分理解していた。 仮に脱退被告が説明義務を負うとしても,原告A4の属性を前提とする限り,口頭で前記①及び②の点を簡単に告知すれば,原告A4は,十分ワラントのリスクを現実的なものとして理解することができるはずである。さらに,Eは,原告A4方を訪問し,上記説明書に基づいて,ワラントの商品性格,メリット,リスクについて説明しており,必要にして十分な説明を尽くしていたと評価することができる。 (エ) 原告A5についてFは,原告A ,ワラントの商品性格,メリット,リスクについて説明しており,必要にして十分な説明を尽くしていたと評価することができる。 (エ) 原告A5についてFは,原告A5に対し,ワラント取引説明書(乙E4)を開いて,ワラント価格は株価にほぼ連動し,株価が値上がりすればその約3倍値上がりし,株価が値下がりすればその約3倍値下がりするというように,ハイリスク・ハイリターンな商品であることや,ワラントには権利行使期限が定められており,それを過ぎると無価値になってしまうことなどについて説明した。説明に要した時間は,20分ないし30分であり,説明の後,Fは,上記説明書を原告A5に交付した。 原告A5は,ワラント取引に関する確認書(乙E3)の文面を読んだうえで,署名捺印した。Fがワラント取引説明書の末尾に綴じられた確認書の用紙ではなく,そのコピーに署名捺印を求めたのは,提案と説明の際には説明書を交付したにとどまり,約定の成立には至らなかった場合には,後日約定が成立した際に,再度説明書を交付したり,以前交付した説明書を顧客に探させて,そこに綴じられた確認書を外すという煩雑なことをせず,確認書のコピーに署名捺印を求めていたところ,本件においても,原告A5の注文がFがワラント取引の説明をした三,四日後であったからである。 東洋インキワラントは,国内の新規発行ワラントであるところ,その約定当時の平成2年3月には,いまだ国内ワラントについて確認書差入れのルールがなかったが,同年4月に国内ワラントについても説明書,確認書ができたので,Fは,原告A5に対し,同月24日,説明書(乙7の1,2)を交付し,国内新株引受権証券及び外国新株引受権証券の取引に関する確認書(乙E4)に署名捺印を徴求した。 についても説明書,確認書ができたので,Fは,原告A5に対し,同月24日,説明書(乙7の1,2)を交付し,国内新株引受権証券及び外国新株引受権証券の取引に関する確認書(乙E4)に署名捺印を徴求した。 原告A5が同年6月にNに対してワラント取引の仕組みについて説明を求めた理由は,ワラント取引の仕組みやリスクが理解できていないからではなく,当時の相場環境の下で,ワラントの投資妙味を再確認するためであった。 したがって,Fは,原告A5に対し,前記①及び②の点について説明しているから,説明義務違反は認められない。 (オ) 原告A6について昭和63年5月25日ころ,原告A6からGに電話があったとき,Gは,原告A6に対し,山之内製薬ワラントを提案し,ワラントは,株価以上に値動きの幅が大きく,株式に比べて投資効率がよいが,反面,損をするときには株式以上に損をすること,権利行使期限を過ぎると無価値となることなどについて説明したうえ,原告A6の求めに応じて,同ワラントの具体的な権利行使期限,権利行使価格,株価,購入単価等を伝えた。 その後,脱退被告神戸支店から原告A6に対し,ワラント取引説明書(乙4の2)及びワラント取引に関する確認書(乙F3)が郵送され,原告A6は,上記確認書に署名押印のうえ,これを差し入れた。また,脱退被告神戸支店から原告A6に対し,平成2年ないし5年まで,毎年5月に説明書(乙7の1,2)が送付され,原告A6は,平成2年5月,国内新株引受権証券及び外国新株引受権証券の取引に関する確認書(乙F4)を脱退被告に差し入れた。 したがって,Gは,原告A6に対し,前記①及び②の点を含め,ワラントの特性及び危険性について 証券及び外国新株引受権証券の取引に関する確認書(乙F4)を脱退被告に差し入れた。 したがって,Gは,原告A6に対し,前記①及び②の点を含め,ワラントの特性及び危険性について十分説明しているから,説明義務違反は認められない。 (カ) 原告垂水亀井堂について原告垂水亀井堂は,昭和61年8月21日,三菱重工業ワラントを買い付けていたが,2年も前のことであるし,1銘柄の取引だけであったので,Iは,電話によるほか,訪問の際には,ワラント取引説明書(乙4の1ないし2)を開き,Cにワラント取引の仕組みとリスクについて改めて説明した。電話であれば5分程度,訪問の際には,短いときで10分,長いときで二,三十分かけ,回数は五,六回程度である。Iは,Cに対し,権利行使期限を経過すると,ワラントは無価値になってしまうこと,ワラントの値動きについては,必ずしも完全には株価と連動しないが,株価が上がればワラントはさらに大きく上がるし,株価が下がるとワラントはさらに大きく値下がりすることなどを説明した後,ワラント取引説明書を交付した。 Cは,ワラント取引に関する確認書(乙G3)の文面を読み,作業中で手袋をはめていたり,手が汚れていたこともあって,Cの印鑑を管理している妻に記名捺印を指示した。なお,上記確認書は,説明書の末尾に綴じられた用紙そのものではなく,それをコピーしたものであるが,その事情については,当時,脱退被告神戸支店には,末尾に確認書が綴じられた説明書とそれが綴じられていないものの2種類があって,後者については説明書に確認書の用紙をコピーしたものを挟み込んで郵送することになっていたのであって,本件は後者である。 また,脱退被告は,原告垂水亀井堂に対し, 種類があって,後者については説明書に確認書の用紙をコピーしたものを挟み込んで郵送することになっていたのであって,本件は後者である。 また,脱退被告は,原告垂水亀井堂に対し,平成2年4月及び平成3年3月,それぞれワラント取引説明書を郵送し,以後,原告垂水亀井堂名義については毎年3月,C名義については毎年4月,上記説明書を郵送していた。 したがって,Iは,Cに対し,前記①及び②の点について説明しているから,説明義務違反は認められない。 (キ) 乙事件原告についてKは,乙事件原告に対し,平成元年2月7日,三ツ星ベルトの株式を売却して,京阪電鉄ワラントを購入することを提案した。その際,Kは,乙事件原告に対し,ワラントは,株価以上に値動きの幅が大きく,株式に比べて投資効率がよいが,反面,損をするときには株式以上に損をすること,権利行使期限を過ぎると無価値となることなどについて説明したところ,乙事件原告は納得し,同株式を売却して,同ワラントを購入することになった。 ワラント取引説明書(乙4の1)は,脱退被告堺支店の事務の方から乙事件原告に郵送した。その後,乙事件原告は,ワラント取引に関する確認書(乙H4)及び外国証券取引口座設定約諾書(乙H5)を,署名捺印のうえ,脱退被告に差し入れた。乙事件原告がエース株式ユニットを売却して,京阪電鉄ワラントを購入した後も,上記説明書が乙事件原告に郵送され,さらに,Kは,上記説明書を持参して乙事件原告の自宅を訪問し,上記確認書(乙H6)及び上記約諾書(乙H7)に乙事件原告に署名捺印してもらったうえ,これらを差し入れてもらった。 したがって,Kは,乙事件原告に対し,前記①及び②の点を含め, 記確認書(乙H6)及び上記約諾書(乙H7)に乙事件原告に署名捺印してもらったうえ,これらを差し入れてもらった。 したがって,Kは,乙事件原告に対し,前記①及び②の点を含め,ワラントの特性及び危険性について十分説明しているから,説明義務違反は認められない。 (3) 無断売買の有無について(原告A4の主張)原告A4は,Eからワラントを勧められたのに対し,承諾の返事をしなかったところ,Eは,原告A4が脱退被告に開設していた勘定口座に保管されていた現物株式の売買代金等を原告A4に無断でワラント購入資金に流用し,前記のとおり,ワラントを売買した。 (原告垂水亀井堂の主張)Fは,三菱重工業,王子製紙,住友金属の各ワラント取引を勧誘された覚えが全くなく,無断売買としか考えられない。 (乙事件原告の主張)乙事件原告は,O名義のダイハツワラント21の取引(昭和61年9月2日購入)については,全く知らない。 (被告の主張)ア原告A4について無断売買の事実は否認する。 原告A4は,無断取引の抗議のためにEの自宅を訪れたと主張するが,原告A4が経営していた酒店は脱退被告神戸支店の近所であるから,無断取引の抗議で訪問するならば,脱退被告神戸支店を訪問し,しかもEの上司に抗議を申し入れるのが自然であり,抗議のためにわざわざEの自宅に行くのは不自然である。 また,原告A4は,億ションを購入することをきっかけに脱退被告との取引を中止したと供述するが,無断取引をされた者が取引を中断するのに,そのような言い訳をわざわざ用意する必要はない。無断取引それ自体をとが ,原告A4は,億ションを購入することをきっかけに脱退被告との取引を中止したと供述するが,無断取引をされた者が取引を中断するのに,そのような言い訳をわざわざ用意する必要はない。無断取引それ自体をとがめて,取引を中断すれば足りるはずである。 原告A4がそのような言い訳をしたのは,無断取引などなかったことの証左である。 さらに,原告A4は,再三にわたるEによる無断取引について,Eやその上司に何度も抗議をし,ようやく無断取引をしなくなったと主張するが,そうであるとすれば,原告A4のEや脱退被告に対する不信感は相当なものであったはずであるから,原告A4は,脱退被告と新規の取引を中断するのみならず,脱退被告に預けていた証券を全て出庫し,脱退被告との取引を完全に断ち切るのが普通であるところ,原告A4は,脱退被告との新規の取引は中止したが,脱退被告に保護預けにしていた証券を全部売却したわけではなく,また,脱退被告からこれらを全て引き上げたわけでもなかった。 イ原告垂水亀井堂について無断売買の事実は否認する。 Cが,そのつど売買報告書が郵送されるなどして取引自体を認識していながら,何らの苦情も申し出なかったことは,無断売買でないことの証左である。 ウ乙事件原告について無断売買の事実は否認する。 (4) 損害について(原告らの主張)ア Bについて(ア) Bは,代金合計766万5700円を拠出して本件ワラント(B)を購入したから,同額がBの損害である。 (イ) Bは,本訴提起に当たり,日本弁護士連合会の報酬基準内の弁護士費用を原告ら代理人らに支払うことを約したところ,そのうち少なくとも70万 を購入したから,同額がBの損害である。 (イ) Bは,本訴提起に当たり,日本弁護士連合会の報酬基準内の弁護士費用を原告ら代理人らに支払うことを約したところ,そのうち少なくとも70万円は,脱退被告の不法行為と相当因果関係のあるBの損害である。 イ原告A4について(ア) 原告A4は,Eの無断売買により,本件ワラント(A4)を代金合計3375万6943円で購入し,新日本製鉄ワラント52を除く各ワラントを代金合計3169万2211円で処分したから,その差額である206万4732円が原告A4の損害である。 (イ) 原告A4は,本訴提起に当たり,日本弁護士連合会の報酬基準内の弁護士費用を原告ら代理人らに支払うことを約したところ,そのうち少なくとも20万円は,脱退被告の不法行為と相当因果関係のある原告A4の損害である。 ウ原告A5について(ア) 原告A5は,代金合計524万3000円を拠出して本件ワラント(A5)を購入したから,同額が原告A5の損害である。 (イ) 原告A5は,本訴提起に当たり,日本弁護士連合会の報酬基準内の弁護士費用を原告ら代理人らに支払うことを約したところ,そのうち少なくとも50万円は,脱退被告の不法行為と相当因果関係のある原告A5の損害である。 エ原告A6について(ア) 原告A6は,代金370万0472円を拠出して本件ワラント(A6)を購入したから,同額が原告A6の損害である。 (イ) 原告A6は,本訴提起に当たり,日本弁護士連合会の報酬基準内の弁護士費用を原告ら代理人らに支払うことを約したところ,そのうち少なくとも30万円は,脱退被告の不法行為と相当因果関係のある原告A6の損害であ A6は,本訴提起に当たり,日本弁護士連合会の報酬基準内の弁護士費用を原告ら代理人らに支払うことを約したところ,そのうち少なくとも30万円は,脱退被告の不法行為と相当因果関係のある原告A6の損害である。 オ原告垂水亀井堂について(ア) 原告垂水亀井堂は,代金合計1079万0925円を拠出して本件ワラント(垂水亀井堂)の一部(上組ワラント12以降の分)を購入し,そのうちの一部のワラントを売却して代金4918円を得たから,その差額である1078万6007円が原告垂水亀井堂の損害である。 (イ) 原告垂水亀井堂は,本訴提起に当たり,日本弁護士連合会の報酬基準内の弁護士費用を原告ら代理人らに支払うことを約したところ,そのうち少なくとも100万円は,脱退被告の不法行為と相当因果関係のある原告垂水亀井堂の損害である。 カ乙事件原告について(ア) 乙事件原告は,代金合計3524万1174円を拠出して本件ワラント(乙事件原告)の一部(鈴木自動車ワラント43以降の分)を購入し,そのうちの一部のワラントを代金合計2470万0550円で売却したから,その差額である1054万0624円が乙事件原告の損害である。 (イ) 乙事件原告は,本訴提起に当たり,日本弁護士連合会の報酬基準内の弁護士費用を原告ら代理人らに支払うことを約したところ,そのうち少なくとも100万円は,脱退被告の不法行為と相当因果関係のある乙事件原告の損害である。 (被告の主張)争う。 第3 当裁判所の判断 1 ワラント取引自体の公序良俗違反の有無についてワラントは,前記第2の1(2)(3)記載の特徴を有し,大きな危険を伴うものではあるが,商法が分離型新株引受権付社債の 当裁判所の判断 1 ワラント取引自体の公序良俗違反の有無についてワラントは,前記第2の1(2)(3)記載の特徴を有し,大きな危険を伴うものではあるが,商法が分離型新株引受権付社債の発行を認め,証券取引法上もワラントの取引が予定されていること,少ない投資額で大きな利益を得る可能性があり,生じ得る損失も最大限で投資額にとどまるという点で金融商品としての合理性を有すること,前記のようなワラントの特徴も説明を受けることなどにより一般投資家にとって理解可能であると考えられることからすると,一般的に,証券会社が一般投資家を対象として行うワラント取引それ自体が公序良俗に反するものとはいえない。 そして,本件全証拠によっても,脱退被告のワラント取引それ自体が公序良俗に反する行為に当たるとする事由を見出すことはできない。 2 本件ワラントの取引経過等について(1) Bについてア前記争いのない事実等,後掲各証拠(なお,乙A第1号証の1ないし69及び乙A第7号証の1,2は,弁論の全趣旨によれば,いずれも真正に成立したものと認められる。乙A第2ないし第4号証は,いずれもBの署名が真正なものであることは当事者間に争いがないから,真正に成立したものと推定すべきである。)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 (ア) Bの取引経験,態様等Bは,昭和45年10月21日から大和証券株式会社との間で,昭和48年7月9日から勧角証券株式会社との間で,同年8月29日から野村證券株式会社との間で,昭和53年11月30日から山一証券株式会社との間で,昭和59年4月から脱退被告との間で,昭和63年3月3日から三洋証券株式会社との間で,本件ワラント(B)の取引に至るまで,それぞれ株 社との間で,昭和53年11月30日から山一証券株式会社との間で,昭和59年4月から脱退被告との間で,昭和63年3月3日から三洋証券株式会社との間で,本件ワラント(B)の取引に至るまで,それぞれ株式,転換社債,投資信託等の取引をしていた(甲A3,乙A1の1ないし69,乙A8,脱退被告を除く上記各会社に対する調査嘱託の結果,B本人)。本件ワラント(B)の取引開始当時,Bの脱退被告における取引回数は多数に上り,相当高額の利益を上げていた(乙Aの1ないし69,B本人)。 Bは,昭和61年3月20日及び同月25日,日本鋼管の株式合計5万株を信用取引で購入したが,これは,たまたま現金の持ち合わせがなかったために一時的に信用買いしたものであり,Bは,同年4月16日,金員を入金してすべて現引した(甲A3,乙A7の1,2,B本人)。 同年9月当時,Bの脱退被告における預り資産は約1億円(株式が9000万円,中国ファンドが500万円,現金が500万円)であった(乙A8,証人D)。 Bは,日本経済新聞や会社四季報等を読んでいたほか,週二,三回,午前9時30分ころから午前11時ころまで,脱退被告神戸駅前支店の店頭に行き,株式ボードを見たり,個別銘柄の問合せをしたりしていた(乙A8,証人D)。 Bは,会社の利益率と株価を比較するなどして自ら株式や転換社債の銘柄を選択し,店頭で指値により注文をし,売買の時期も自分で決めていた(甲A3,乙A8,証人D,B本人)。同一の銘柄を小刻みに売買して,利益を得たこともあった(乙A8,A11の1ないし8,B本人)。Dは,Bに対し,再三にわたり,現物株式の取引を勧誘したが,Bは,Dに対し,「あんたらの勧めるものはもう上がったものやろ。」などと言い,相手に 得たこともあった(乙A8,A11の1ないし8,B本人)。Dは,Bに対し,再三にわたり,現物株式の取引を勧誘したが,Bは,Dに対し,「あんたらの勧めるものはもう上がったものやろ。」などと言い,相手にしなかった(乙A8,証人D,B本人)。 一方,投資信託については,Bは,Dが勧めたものを購入していた(甲A3,証人D,B本人)。 (イ) 本件ワラント(B)取引の勧誘等Dは,Bに対し,昭和63年3月23日,電話でワラント取引を勧誘したところ,Bは,説明を聞くため,すぐに脱退被告神戸駅前支店に赴き,二,三十分間,Dからワラントに関する説明を受けたうえ,外国証券取引口座設定約諾書(乙A2)を作成し,ヤマハ発動機ワラント32を54.50ポイントで購入した(甲A3,乙A2,A8,証人D,B本人)。その際,Dは,ワラントの価格は株価以上に値動きの幅が大きく,株式に比べて投資効率のいい商品であることなどを説明したが,権利行使期限が経過すればワラントが無価値になることの説明はしなかった(甲A3,乙A8,証人D,B本人)。 同ワラントは,同日のうちに59.5ポイントまで上昇したので,DがBに電話をかけて売却を勧めたところ,Bは,これに応じて同ワラントを売却し,26万8302円の利益を得た(乙A8,証人D)。 Bは,昭和63年5月12日,富士通ワラント23を購入する際,「私は,貴社から受領したワラント取引に関する説明書の内容を確認し,私の判断と責任においてワラント取引を行います。」と記載されたワラント取引に関する確認書(乙A3)に署名押印したが,脱退被告からワラント取引に関する説明書の交付を受けなかった(甲A3,乙A3,B本人)。 Bは,その後, す。」と記載されたワラント取引に関する確認書(乙A3)に署名押印したが,脱退被告からワラント取引に関する説明書の交付を受けなかった(甲A3,乙A3,B本人)。 Bは,その後,別紙Bワラント取引状況記載のとおり,各ワラントの売買をし,利益を得た。Bは,本件ワラント(B)取引については,Dの勧めに従って,銘柄や売買の時期を決めていた(甲A3,乙A8,証人D,B本人)。 旭化成ワラント32及び新日本製鉄ワラント52の各預り証(甲A1,A2)には,「お預り種類」欄に「債券」と記載され,「償還日」欄に権利行使期限の日付が記載されているが,権利行使期限という文言は記載されていない(甲A1,A2)。 脱退被告神戸駅前支店は,Bに対し,平成2年ないし5年の5月ころ,国内新株引受権証券(国内ワラント)取引説明書(乙7の1)及び外国新株引受権証券(外貨建ワラント)取引説明書(乙7の2)をそれぞれ送付したが,Bは,これらを読まなかった(乙7の1,2,乙A8,証人D,B本人)。 Bは,平成3年6月4日,「私は,貴社から受領した「国内新株引受権証券取引説明書」及び「外国新株引受権証券取引説明書」の内容を確認し,私の判断と責任において下記の取引(外国新株引受権証券の取引)を行います。」と記載された国内新株引受権証券及び外国新株引受権証券の取引に関する確認書(乙A4)に署名押印した(甲A3,乙A4,B本人)。 脱退被告本社は,Bに対し,平成3年9月30日,平成4年3月31日,同年9月30日及び平成5年3月31日,ワラントの時価評価額や権利行使最終日等が記載された新株引受権証券(ワラント)のお預り残高明細を郵送した(甲C6,C7,乙A8,B本人)。また,旭化 月31日,同年9月30日及び平成5年3月31日,ワラントの時価評価額や権利行使最終日等が記載された新株引受権証券(ワラント)のお預り残高明細を郵送した(甲C6,C7,乙A8,B本人)。また,旭化成ワラント32については,平成4年2月から平成5年2月までの間,3か月ごとに,新日本製鉄ワラント52については,平成4年5月から平成5年5月までの間,3か月ごとに,新株引受権証券(ワラント)の権利行使期日のご案内を郵送した(甲A3,C8,C9,乙A8,B本人)。 旭化成ワラント32及び新日本製鉄ワラント52については,いずれも結局売却されることなく,権利行使期限が経過した。 イ当事者の供述等(ア) Bの供述等Bは,Dから「ワラントを買ってくれませんか。」と電話があり,「ワラントはどんなもんや。分からないもんはよう買わん。」と断ったが,Dが「成績のいいものはいいんです。」と言ったので,「そんなにいいのなら任せる。」と言って,ワラントを買ってもらったのであり,脱退被告神戸駅前支店の店頭でDからワラントに関する説明を聞いたことはない旨供述し,これと同旨の陳述書(B)(甲A3)がある。 しかしながら,ワラントは分からないから買わないと言いながら,ワラントに関する説明を何ら受けることなく,Dから成績がいいと言われただけで,すぐにワラントを買う気になったというのは不自然である。また,前記認定のとおり,Bは,ヤマハ発動機ワラント32を購入した当日,外国証券取引口座設定約諾書(乙A2)を作成したことからすると,Bは,当日,脱退被告神戸支店の店頭に赴いたものと考えられ,そうであるとすれば,Bは,Dから,ワラントに関し,何らかの説明を受けたものと認めるのが相当であり,他 書(乙A2)を作成したことからすると,Bは,当日,脱退被告神戸支店の店頭に赴いたものと考えられ,そうであるとすれば,Bは,Dから,ワラントに関し,何らかの説明を受けたものと認めるのが相当であり,他にこれを覆すに足りる的確な証拠はない。 したがって,これに反するBの上記供述及び上記陳述書は,いずれも採用することができない。 (イ) 証人Dの証言等a 証人Dは,Bに対し,前記認定の説明内容のほか,権利行使期限が過ぎるとワラントの価値がゼロになることなどを説明した旨証言し,これと同旨の陳述書(D)(乙A8)がある。 しかしながら,Bはこれを否定する供述をしているところ,前記認定のとおり,旭化成ワラント32及び新日本製鉄ワラント52の各預り証には,「お預り種類」欄に「債券」と記載され,「償還日」欄に権利行使期限の日付が記載されているが,権利行使期限という文言は記載されていないこと,旭化成ワラント32及び新日本製鉄ワラント52については,結局売却されることなく,権利行使期限が経過したことからすると,Bは,本件ワラント(B)の取引開始当時,権利行使期限が経過するとワラントが無価値になることを理解していたかどうかは疑わしいものというべきであるから,Bの上記供述は信用することができる。 以上によれば,Dは,Bに対し,権利行使期限の点については説明しなかったものと認められ,他にこれを覆すに足りる的確な証拠はない。 したがって,これに反する証人Dの上記証言及び上記陳述書は,いずれも採用することができない。 b 証人Dは,Bに対し,昭和63年3月23日及び同年5月12日,冊子「外貨建てワラントその魅力 これに反する証人Dの上記証言及び上記陳述書は,いずれも採用することができない。 b 証人Dは,Bに対し,昭和63年3月23日及び同年5月12日,冊子「外貨建てワラントその魅力とポイント」(乙4の1又は2)と同じものをそれぞれ渡した旨証言し,同年5月12日,ワラントの説明書をBに渡した旨の陳述書(D)(乙A8)がある。 しかしながら,Bは,これを否定する供述をしているところ,同年3月23日にワラント取引に関する説明書をBに渡したとする点については,上記陳述書にも記載がなく,他にこれを窺わせる証拠はないから,証人Dの同日に説明書を渡した旨の上記証言は採用することができない。 また,前記認定のとおり,Bは,同年5月12日,富士通ワラント23を購入する際,「私は,貴社から受領したワラント取引に関する説明書の内容を確認し,私の判断と責任においてワラント取引を行います。」と記載されたワラント取引に関する確認書(乙A3)に署名押印したのであるが,上記確認書は,上記冊子(乙4の1)12頁の次に綴じ込まれた確認書を切り取ったものではなく,それを複写したものであることからすると,上記確認書によっても,Bが脱退被告からワラント取引に関する説明書の交付を受けなかった旨の前記認定を覆すには足りないものというべきであり,他にこれを覆すに足りる的確な証拠はない(仮にDが上記冊子をBに交付したとすれば,上記冊子から切り取った確認書に署名押印を求めるはずであるところ,証人Dは,この点について,当時,確認書が綴じ込まれていない説明書もあり,それに確認書を挟んだものを渡した旨証言し,現に確認書が綴じ込まれていない説明書(乙4の2)が証拠として提出されているが,上記確認書が上記冊子に挟まれていたことを窺 綴じ込まれていない説明書もあり,それに確認書を挟んだものを渡した旨証言し,現に確認書が綴じ込まれていない説明書(乙4の2)が証拠として提出されているが,上記確認書が上記冊子に挟まれていたことを窺わせる客観的な証拠がない本件においては,これらの証拠によっても,Dが上記冊子をBに交付することなく,上記冊子から切り取った確認書を複写したもののみを示して署名押印を求めたのではないかとの疑いを払拭することができない。)。 したがって,これに反する証人Dの同日に説明書を渡した旨の上記証言及び上記陳述書も,いずれも採用することができない。 (2) 原告A4についてア前記争いのない事実等,後掲各証拠(なお,乙D第1号証の1ないし74は,弁論の全趣旨によれば,いずれも真正に成立したものと認められ,乙D第2ないし第4号証は,いずれも原告A4の署名が真正なものであることは当事者間に争いがないから,真正に成立したものと推定すべきである。)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 (ア) 原告A4の取引経験,態様等原告A4は,昭和57年ころ,父の死亡により株式を相続し,昭和60年10月ころから,自ら脱退被告との間で証券取引を開始し,本件ワラント(A4)の取引に至るまで,相続した株式を売却したほか,株式,投資信託,転換社債等の取引をしていた(甲D1,乙D1の1ないし74,乙D2,D16,D17,証人E,原告A4本人)。 Eは,原告A4に対し,その所有する国際電気株式の売却を勧めたところ,上記株式は名義書換停止期間中であったため,原告A4は,Eの勧めにより,昭和62年9月17日,信用取引を利用してこれを売却するといういわゆる「つなぎ売り」を行った(甲D 電気株式の売却を勧めたところ,上記株式は名義書換停止期間中であったため,原告A4は,Eの勧めにより,昭和62年9月17日,信用取引を利用してこれを売却するといういわゆる「つなぎ売り」を行った(甲D1,乙D10の1,D12の1,2,D16,D19,証人E,原告A4本人)。また,原告A4は,NTT株式の購入資金を得るため,Eの勧めにより,同年11月10日,ヤマト運輸株式の信用取引を行った(甲D1,乙D10の2,D12の3ないし8,D19,証人E,原告A4本人)。 Eは,週一,二回,原告A4の経営する店を訪問し,また,週一,二回,原告A4に電話をかけていた(甲D1,乙D19,原告A4本人)。原告A4は,Eが置いていった業界紙等の資料を読むことがたまにはあった(原告A4本人)。 原告A4は,Eに対し,相続した株式の売却やNTT株式の購入を指示したことはあったが,ほとんどの取引は,Eの積極的な勧めによるものであった(証人E,原告A4本人)。 (イ) 本件ワラント(A4)取引の勧誘等原告A4は,昭和63年11月17日,新日本製鉄ワラント51を購入した。Eは,原告A4に対し,その二,三週間前から何日かにわたり,15分ないし30分間程度をかけて,ワラント取引を勧誘した(甲D1,乙D19,証人E,原告A4本人)。その際,Eは,ワラントは,株式よりも値動きが大きく,資金効率のいい商品であることや,権利行使期限があることなどを説明したが,権利行使期限が経過すればワラントが無価値になることの説明はしなかった(甲D1,乙D19,証人E,原告A4本人)。 もっとも,原告A4は,同ワラントを購入した当日,「私は,貴社から受領したワラント取引に関する説明書の内容を確認し,私の判 の説明はしなかった(甲D1,乙D19,証人E,原告A4本人)。 もっとも,原告A4は,同ワラントを購入した当日,「私は,貴社から受領したワラント取引に関する説明書の内容を確認し,私の判断と責任においてワラント取引を行います。」と記載されたワラント取引に関する確認書(乙D3)に署名押印したが,脱退被告からワラント取引に関する説明書の交付を受けなかった(甲D1,乙D3,D19,証人E,原告A4本人)。 原告A4は,その後,別紙A4ワラント取引状況記載のとおり,各ワラントの売買をした。各ワラントの売却は,Eの積極的な勧めにより行われた(甲D1,証人E,原告A4本人)。 本件ワラント(A4)取引の中には,原告A4の明確な承諾を得ないまま行われたものもあった(甲D1,原告A4本人)。 原告A4は,平成元年以降,何度かEの自宅に行ってEと会い,損失を元に戻して返すように要求したところ,Eは,必ず損失を元に戻すように努力するとか,損失補てんをするなどと言った(甲D1,証人E,原告A4本人)。 原告A4は,平成2年2月10日,マンションを約1億7000万円で購入し,それをきっかけとして,同年4月以降,脱退被告との取引を終了させた(甲D1,乙D18の1,2,D19,証人E,原告A4本人)。 脱退被告は,原告A4に対し,同年5月以降,毎年1回,国内新株引受権証券(国内ワラント)取引説明書(乙7の1)及び外国新株引受権証券(外貨建ワラント)取引説明書(乙7の2)を送付したが,原告A4は,これらを読まなかった(乙7の1,2,D19,原告A4本人,弁論の全趣旨)。 原告A4は,同年11月1日,「私は,貴社から受領した「国内新株引受権 2)を送付したが,原告A4は,これらを読まなかった(乙7の1,2,D19,原告A4本人,弁論の全趣旨)。 原告A4は,同年11月1日,「私は,貴社から受領した「国内新株引受権証券取引説明書」及び「外国新株引受権証券取引説明書」の内容を確認し,私の判断と責任において下記の取引(国内新株引受権証券の取引及び外国新株引受権証券の取引)を行います。」と記載された国内新株引受権証券及び外国新株引受権証券の取引に関する確認書(乙D4)に署名押印した(乙D4,D19,証人E,原告A4本人)。 脱退被告は,原告A4に対し,平成3年9月30日以降,半年ごとに,ワラントの時価評価額や権利行使最終日等が記載された新株引受権証券(ワラント)のお預り残高明細を郵送した(乙11の1,2,D19)。 新日本製鉄ワラント52については,結局売却されることなく,権利行使期限が経過した。 イ当事者の供述等(ア) 原告A4の供述等Eは原告A4に対し,ワラントについて一切何の説明もしていない旨の陳述書(A4)(甲D1)がある。 しかしながら,原告A4は,他方において,Eからワラントには権利行使期限があると聞いた旨供述していることからすると,原告A4は,Eから,ワラントに関し,ある程度,何らかの説明を受けていたものと認めるのが相当であり,他にこれを覆すに足りる的確な証拠はない。 したがって,これに反する上記陳述書は,採用することができない。 (イ) 証人Eの証言等a 証人Eは,原告A4に対し,前記認定の説明内容のほか,権利行使期限が過ぎるとワラントが紙くずになることなどを説明し することができない。 (イ) 証人Eの証言等a 証人Eは,原告A4に対し,前記認定の説明内容のほか,権利行使期限が過ぎるとワラントが紙くずになることなどを説明した旨証言し,これと同旨の陳述書(E)(乙D19)がある。 しかしながら,原告A4はこれを否定する供述をしているところ,前記認定のとおり,原告A4がEの自宅に行ってEと会い,損失を元に戻して返すように要求したこと,新日本製鉄ワラント52については,結局売却されることなく,権利行使期限が経過したことからすると,原告A4は,本件ワラント(A4)の取引開始当時,権利行使期限が経過するとワラントが無価値になることを理解していたかどうかは疑わしいものというべきであるから,前記Eの供述及び陳述内容は信用できず,原告A4の上記供述を信用するのが相当である。 以上によれば,Eは,原告A4に対し,権利行使期限の点については説明しなかったものと認められ,他にこれを覆すに足りる的確な証拠はない。 したがって,これに反する証人Eの上記証言及び上記陳述書は,いずれも採用することができない。 bEは,原告A4に対し,ワラント取引を提案するに当たって,ワラント取引について脱退被告から発行されていた説明書等を渡した旨の陳述書(E)(乙D19)がある。 しかしながら,原告A4は,これを否定する供述をしているところ,証人Eは,原告A4に対し,冊子「外貨建てワラントその魅力とポイント」(乙4の1)と同じものを持参してワラントについて説明したかどうかを明確に答えることができなかったうえ,これを原告A4に渡した旨の供述をしていないことや,原告A4が新日本製鉄ワラン の魅力とポイント」(乙4の1)と同じものを持参してワラントについて説明したかどうかを明確に答えることができなかったうえ,これを原告A4に渡した旨の供述をしていないことや,原告A4が新日本製鉄ワラント51を購入した際に作成したワラント取引に関する確認書(乙D3)は,上記冊子(乙4の1)に綴じ込まれた確認書を切り取ったものではなく,それを複写したものであることからすると,上記陳述書は採用することができない。 (3) 原告A5についてア前記争いのない事実等,後掲各証拠(なお,乙E第1号証の1ないし19,乙E第5,第6号証の各1,乙E第7号証の1ないし4及び乙E第8号証の1は,弁論の全趣旨によれば,いずれも真正に成立したものと認められる。乙E第2,第3号証は,いずれも原告A5名下の印影が同人の印章によるものであることは当事者間に争いがないので,上記の印影は同人の意思に基づいて顕出されたものと推定されるから,真正に成立したものと推定すべきである。乙E第4号証は,原告A5の署名が真正なものであることは当事者間に争いがないから,真正に成立したものと推定すべきである。乙E第9号証の1ないし5は,原告A5本人の供述及び弁論の全趣旨によれば,いずれも脱退被告従業員のMが各作成名義人又はその代理人である原告A5の意思に基づいて署名を代行したものと認められるから,真正に成立したものと推定すべきである。)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 (ア) 原告A5の取引経験,態様等原告A5は,昭和62年5月1日,父が死亡して,脱退被告神戸支店に預けられていた投資信託等を相続したことをきっかけとして,脱退被告との間で,同年9月29日から本件ワラント(A5)の取引に至るまで,株式,転換社債,投資信託等の取 日,父が死亡して,脱退被告神戸支店に預けられていた投資信託等を相続したことをきっかけとして,脱退被告との間で,同年9月29日から本件ワラント(A5)の取引に至るまで,株式,転換社債,投資信託等の取引をしていた(甲E4,乙E1の1ないし19,E2,E9の1,E14,証人F,原告A5本人)。 また,原告A5は,母,妻,長女,次女の名義の各口座でも,本人に代わって投資信託等の取引を行った(甲E4,乙E5の1,E6の1,E7の1ないし4,E8の1,E9の2ないし5,証人F,原告A5本人)。 Fは,週1回程度,昼や夕方にA5診療所を訪れたり,電話をかけたりしていた(甲E4,乙E14,証人F,原告A5本人)。Fは,同診療所を訪れた際,原告A5に四季報等の資料を渡したり,預り証の交換や入出金等の精算をしたりしたことがあった(乙E14,証人F)。同支店が同診療所の隣の仮店舗で営業していたときは,原告A5が同支店を訪れて事務処理の手続をしたことがあった(甲E4,原告A5本人)。 原告A5は,Fの勧めにより,株式等の取引をしていたが,その際,Fに質問をすることがあったし,ときには取引を断ることもあった(甲E4,乙E14,証人F,原告A5本人)。 (イ) 本件ワラント(A5)取引の勧誘等原告A5は,昭和63年10月25日,神戸製鋼所ワラント13を購入した。Fは,原告A5に対し,その三,四日前からワラント取引を勧誘した(乙E14,証人F,原告A5本人)。 その際,Fは,ワラントとは新しい株式に換えられるものであることなどを説明したが,ワラントの値動きが大きいことや権利行使期限が経過すればワラントが無価値になることの説明はしなかった(甲E4,乙E14,証人F,原 ,ワラントとは新しい株式に換えられるものであることなどを説明したが,ワラントの値動きが大きいことや権利行使期限が経過すればワラントが無価値になることの説明はしなかった(甲E4,乙E14,証人F,原告A5本人)。 原告A5は,同ワラントを購入した当日,「私は,貴社から受領したワラント取引に関する説明書の内容を確認し,私の判断と責任においてワラント取引を行います。」と記載されたワラント取引に関する確認書(乙E3)に記名押印したが,脱退被告からワラント取引に関する説明書の交付を受けなかった(甲E4,乙E3,E14,証人F,原告A5本人)。 原告A5は,その後,2か月足らずの間に,Fの勧めにより,別紙A5ワラント取引状況記載のとおり,ワラントを売却しては新たなワラントを購入することを繰り返した(乙E14,証人F,原告A5本人)。 原告A5は,平成2年3月16日,別紙A5ワラント取引状況記載のとおり,東洋インキワラントを現金で購入した。その際,Fは,原告A5に対し,新しいもので,取引金額の少ないものが残っているので,これを買わないかなどと言って,ワラント取引を勧誘した(乙E14,証人F,原告A5本人)。 同ワラントの募集報告書(甲E1)には,権利行使期限の記載はない(甲E1)。 原告A5は,同年4月24日,「私は,貴社から受領した「国内新株引受権証券取引説明書」及び「外国新株引受権証券取引説明書」の内容を確認し,私の判断と責任において下記の取引(国内新株引受権証券の取引及び外国新株引受権証券の取引)を行います。」と記載された国内新株引受権証券及び外国新株引受権証券の取引に関する確認書(乙E4)に署名押印したが,脱退被告からワラント取引に関する説明書の 権証券の取引及び外国新株引受権証券の取引)を行います。」と記載された国内新株引受権証券及び外国新株引受権証券の取引に関する確認書(乙E4)に署名押印したが,脱退被告からワラント取引に関する説明書の交付を受けなかった(甲E4,乙E4,E14,証人F,原告A5本人)。 脱退被告は,原告A5に対し,同年5月以降,毎年1回,国内新株引受権証券(国内ワラント)取引説明書(乙7の1)及び外国新株引受権証券(外貨建ワラント)取引説明書(乙7の2)を送付したが,原告A5は,これらを読まなかった(乙7の1,2,原告A5本人,弁論の全趣旨)。 原告A5は,Fの上司である営業課長のN(以下「N」という。)に対し,同年6月ころ,電話で「ワラントとは何や。」と尋ね,Nからワラントについて説明を受けた(甲E4,証人N,原告A5本人)。 原告A5は,同年7月18日,積水化学ワラント05を購入した。Fは,原告A5に対し,その数日前に電話でワラント取引を勧誘したが,原告A5は,すぐには取引を承諾せず,Nの意見を求めたため,電話を替わったNが同ワラントについて説明した(甲E4,乙E14,E15,証人F,証人N,原告A5本人)。 同ワラントの預り証には,「権利行使期限」,「以降無効」という文言が記載されていた(乙E17)。また,同ワラントの外国証券取引報告書(甲E2)には,「償還日」欄と「利率」欄にまたがる形で「権利最終1993.3.25」と記載されている(甲E2)。 原告A5は,同年8月よりも前の時点で,Fから,権利行使期限が経過すればワラントが無価値になることの説明を受け,その旨認識した(原告A5本人)。 平成3年8月23日作成のお預り残 告A5は,同年8月よりも前の時点で,Fから,権利行使期限が経過すればワラントが無価値になることの説明を受け,その旨認識した(原告A5本人)。 平成3年8月23日作成のお預り残高明細書(甲E3)においては,ワラントの銘柄名が「債券」欄に記載され,「債券投信の次期利払日」欄に「ワラント・・」とか,権利行使期限を示す「5.3.25」という文言が記載されている(甲E3)。 東洋インキワラント及び積水化学ワラント05については,いずれも結局売却されることなく,権利行使期限が経過した。 イ当事者の供述等(ア) 原告A5の供述等aFがA5診療所を訪れてワラントの説明をしたことはない旨の原告A5作成の陳述書(甲E4)がある。 しかしながら,原告A5は,他方において,Fからワラントとは新しい株式に換えられるものであるという説明を受けた旨供述していることからすると,原告A5は,Fから,ワラントに関し,何らかの説明を受けたものと認めるのが相当であり,他にこれを覆すに足りる的確な証拠はない。 したがって,これに反する上記陳述書は,採用することができない。 b 原告A5は,Nが,日興證券が新築するので特別の客に将来利益の出る商品を分けているなどと言って,積水化学ワラント05の取引を勧誘した旨供述し,Nが「神戸支部の新築祝いのための商品であり有利である。」,「ワラントで株の損を取り返す。」,「短期間で必ずもうかる。」などと事実と異なる勧誘をした旨の原告A5作成の陳述書(甲E4)があるが,これを否定する証人F及び証人Nの各証言並びに弁論の全趣旨に照らし,原告A5の上記供述及び上記陳述書は,いずれも採用 うかる。」などと事実と異なる勧誘をした旨の原告A5作成の陳述書(甲E4)があるが,これを否定する証人F及び証人Nの各証言並びに弁論の全趣旨に照らし,原告A5の上記供述及び上記陳述書は,いずれも採用することができない。 (イ) 証人Fの証言等a 証人Fは,原告A5に対し,前記認定の説明内容のほか,資料を使いながら,ワラントの価格は株式に連動して約3倍の値動きをすることや,権利行使期限が過ぎるとワラントが無価値になることなどを説明した旨証言し,これと同旨の陳述書(F)(乙E14)がある。 しかしながら,原告A5はこれを否定する供述をしているところ,前記認定のとおり,原告A5がNに対し,平成2年6月ころ,電話で「ワラントとは何や。」と尋ねたこと,東洋インキワラント及び積水化学ワラント05については,いずれも結局売却されることなく,権利行使期限が経過したことからすると,原告A5は,本件ワラント(A5)の取引開始当時,ワラントの価格は値動きが大きいことや権利行使期限が経過するとワラントが無価値になることを理解していたかどうかは疑わしいものというべきであるから,上記Fの供述及び陳述内容と対比し,原告A5の上記供述を信用するのが相当である。 以上によれば,Fは,原告A5に対し,ワラントの危険性については説明しなかったものと認められ,他にこれを覆すに足りる的確な証拠はない。 したがって,これに反する証人Fの上記証言及び上記陳述書は,いずれも採用することができない。 b 証人Fは,原告A5に対し,ワラントについて説明した際,説明書を渡した旨証言し,これと同旨の陳述書(F)(乙E14)がある。 しかし とができない。 b 証人Fは,原告A5に対し,ワラントについて説明した際,説明書を渡した旨証言し,これと同旨の陳述書(F)(乙E14)がある。 しかしながら,原告A5は,これを否定する供述をしているところ,原告A5が神戸製鋼所ワラント13を購入した際に作成したワラント取引に関する確認書(乙E3)は,冊子「外貨建てワラントその魅力とポイント」(乙4の1)に綴じ込まれた確認書を切り取ったものではなく,それを複写したものであることからすると,証人Fの上記証言及び上記陳述書は,いずれも直ちに採用することができない。 この点,被告は,ワラントの提案と説明の際には説明書を交付したにとどまり,約定の成立には至らなかった場合には,後日約定が成立した際に,確認書のコピーに署名捺印を求めていたところ,本件においても,Fが確認書のコピーに署名捺印を求めたのは,原告A5の注文がFがワラント取引の説明をした三,四日後であったからであると主張し,証人Fも,事前に顧客に説明書を渡した場合には,後日の約定の際,改めて説明書を持参することはせず,また,顧客の手元に説明書がない場合があるので,確認書のコピーに署名捺印をしてもらうことが多かった旨証言する。確かに,この説明は,一見合理的であるかの如くであるが,上記確認書は,上記冊子から切り取ったものではなく,それを複写したものである以上,Fが上記冊子を原告A5に交付することなく,上記冊子から切り取った確認書を複写したもののみを示して署名押印を求めたのではないかとの疑いを払拭することができない。 (4) 原告A6についてア前記争いのない事実等,後掲各証拠(なお,乙F第1号証の1ないし4は,弁論の全趣旨によれば,いずれも真正に成立した の疑いを払拭することができない。 (4) 原告A6についてア前記争いのない事実等,後掲各証拠(なお,乙F第1号証の1ないし4は,弁論の全趣旨によれば,いずれも真正に成立したものと認められる。乙F第2ないし第4号証は,いずれも原告A6の署名が真正なものであることは当事者間に争いがないから,真正に成立したものと推定すべきである。)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 (ア) 原告A6の取引経験,態様等原告A6は,昭和60年ころ,父から相続した三越等の二,三銘柄の株式約1000株ずつを売却したことがあった(甲F2,原告A6本人)。 原告A6は,国際証券株式会社との間で,昭和62年3月27日から自己名義で,同年4月30日から長女であるP名義で,それぞれ株式の取引をしていた(乙F7,同社に対する調査嘱託の結果,原告A6本人)。 原告A6は,昭和63年1月ころ,脱退被告神戸支店と取引をするため,電話をかけたところ,Gが応対し,喫茶店で会うことになった(甲F2,乙F7,証人G,原告A6本人)。原告A6は,Gに対し,喫茶店で会って,15分ないし20分間程度話をした際,「株でいいものがあればまた連絡してほしい。新規発行の転換社債や新規公開の株式も案内してほしい。」などと言った(甲F2,乙F7,証人G,原告A6本人)。 原告A6は,同年2月17日,Gの勧めにより,ユアサフナショク株式を2000株購入した(甲F2,乙F1の1,乙F7,F8,証人G,原告A6本人)。同株式はその後値上がりしたところ,原告A6は,Gから同株式が更に値上がりする見込みであることを聞き,同株式を,同月25日に1000株を,同月27日に2000株を F7,F8,証人G,原告A6本人)。同株式はその後値上がりしたところ,原告A6は,Gから同株式が更に値上がりする見込みであることを聞き,同株式を,同月25日に1000株を,同月27日に2000株をそれぞれ購入した(甲F2,乙F1の1,2,乙F7,F8,証人G,原告A6本人)。 原告A6は,同年4月1日,同株式を売却し,130万6600円の利益を得た(甲F2,乙F1の3,乙F7,F8,証人G,原告A6本人)。 原告A6は,同日,Gの勧めにより,ブラジルファンドを購入した(甲F2,乙F1の3,乙F2,F7,F8,証人G,原告A6本人)。 原告A6は,新日本証券証券株式会社との間で,同月19日から,株式等の取引をしていた(同社に対する調査嘱託の結果,原告A6本人)。 原告A6は,Gに対し,1日2回程度電話をかけ,株価の値動き等の情報を聞いたり,特定の商品を挙げて,これは脱退被告が主幹事であり,他社より手に入りやすいはずであるから,少し分けてもらえないかとか,新規発行の転換社債や新規公開の株式を回してほしいと言ったりした(甲F2,乙F7,証人G)。また,原告A6は,週一,二回程度,脱退被告神戸支店を訪れていた(乙F7,証人G)。原告A6は,日本経済新聞を購読していた(原告A6本人)。 (イ) 本件ワラント(A6)取引の勧誘等Gは,昭和63年5月25日,原告A6からかかってきた電話の中でワラント取引を勧誘したところ,原告A6は,同日,山之内製薬ワラント52を代金740万0945円で購入した。 その際,Gは,約10分間にわたり,株価が上がれば「ワラント債」の価格はギアリング効果によりその3倍くらい上がること,株式よりも投資効率がいいこと 製薬ワラント52を代金740万0945円で購入した。 その際,Gは,約10分間にわたり,株価が上がれば「ワラント債」の価格はギアリング効果によりその3倍くらい上がること,株式よりも投資効率がいいこと,為替の影響を受けること,権利行使期限まで5年間あることなどを説明したが,権利行使期限が経過すればワラントが無価値になることの説明はしなかった(甲F2,乙F7,証人G,原告A6本人)。原告A6は,当初,ワラントを債券と誤解していた(甲F2,原告A6本人)。 同ワラントの購入代金のほぼ半額である370万円は,原告A6の知人であるQが出捐したものである(甲F2,乙F1の4,原告A6本人)。 原告A6は,同ワラントを購入した数日後,「私は,貴社から受領したワラント取引に関する説明書の内容を確認し,私の判断と責任においてワラント取引を行います。」と記載されたワラント取引に関する確認書(乙F3)に署名押印したが,脱退被告からワラント取引に関する説明書の交付を受けなかった(甲F2,乙F3,F7,証人G,原告A6本人)。 同年6月6日発行の同ワラントの預り証(乙F10)には,「お預り種類」欄に「債券」と記載され,「償還日」欄に権利行使期限の日付が記載されているが,権利行使期限という文言は記載されていない(乙F10)。 同ワラントは,その後,値下がりしたので,原告A6は,Gに対し,時々「えらいものを買ってしまった。」と言ったが,Gは,原告A6に対し,権利行使期限まで4年以上あるので,少し様子を見ながら,株価上昇を待つように言った(甲F2,乙F7,F9の1,証人G)。 原告A6は,同年12月8日,別紙A6ワラント取引状況記載のとおり,同ワラントの半分(12万5000 ,少し様子を見ながら,株価上昇を待つように言った(甲F2,乙F7,F9の1,証人G)。 原告A6は,同年12月8日,別紙A6ワラント取引状況記載のとおり,同ワラントの半分(12万5000ドル)を売却した。原告A6は,それまでに,権利行使期限が経過すればワラントが無価値になることを聞いていた(原告A6本人)。 原告A6は,同月13日,脱退被告から現金274万7804円,新たな預り証(甲F1),お取引明細書及び計算書を受領し,従前の預り証(乙F10)及び出金受領書を脱退被告に交付した(甲F1,F2,乙F7,F10,F11,証人G,原告A6本人)。同ワラントの半分の売却は,原告A6がQの依頼によりその持分を売却したものであり,原告A6は,Qに対し,上記現金を交付した(甲F2,原告A6本人)。 上記預り証(甲F1)の記載は,上記預り証(乙F10)と同様である(甲F1)。 同ワラントの価格は,その後,昭和64年ないし平成元年に入ってから25ポイント程度にまで回復したところ,Gは,原告A6に対し,せっかく価格が上昇に向かったところなので,売るのはもったいない,もう少し様子を見て,利益が出るタイミングを見るように言った(乙F7,F9の1,証人G)。 脱退被告は,原告A6に対し,平成2年5月以降,毎年1回,国内新株引受権証券(国内ワラント)取引説明書(乙7の1)及び外国新株引受権証券(外貨建ワラント)取引説明書(乙7の2)を送付したが,原告A6は,これらを読まなかった(甲F2,乙7の1,2,原告A6本人,弁論の全趣旨)。 原告A6は,同月2日,「私は,貴社から受領した「国内新株引受権証券取引説明書」及び「外国新株引受権証券取引説明書」の内容を確認し,私の判断 ,原告A6本人,弁論の全趣旨)。 原告A6は,同月2日,「私は,貴社から受領した「国内新株引受権証券取引説明書」及び「外国新株引受権証券取引説明書」の内容を確認し,私の判断と責任において下記の取引(国内新株引受権証券の取引及び外国新株引受権証券の取引)を行います。」と記載された国内新株引受権証券及び外国新株引受権証券の取引に関する確認書(乙F4)に署名押印した(乙F4)。 Gは,平成元年3月ころ,脱退被告本店に転勤したが,その後,平成3年11月ころ,原告A6は,Gに対し,電話で同ワラントが値下がりしていることの不満を述べたうえ,兵銀ファクターの新規公開株式は,脱退被告が主幹事であり,地元神戸ということもあるので,これを回してもらえるように,神戸支店に連絡してほしいと言った(甲F2,乙F7,証人G)。 同ワラントの残り半分については,結局売却されることなく,権利行使期限が経過した。 イ証人Gの証言等(ア) 証人Gは,原告A6に対し,前記認定の説明内容のほか,権利行使期限が過ぎるとワラントが無価値になることなどを説明した旨証言し,これと同旨の陳述書(G)(乙F7)がある。 しかしながら,原告A6はこれを否定する供述をするとともに,本件ワラント(A6)を購入してから3か月か半年後に権利行使期限が経過するとワラントが無価値になることを聞いたという不利な供述をしているところ,前記認定のとおり,預り証(乙F10)には,「お預り種類」欄に「債券」と記載され,「償還日」欄に権利行使期限の日付が記載されているが,権利行使期限という文言は記載されていないこと,原告A6は,Gに対し,時々「えらいものを買ってしまった。」と言ったことからする 「債券」と記載され,「償還日」欄に権利行使期限の日付が記載されているが,権利行使期限という文言は記載されていないこと,原告A6は,Gに対し,時々「えらいものを買ってしまった。」と言ったことからすると,原告A6は,本件ワラント(A6)の取引開始当時,権利行使期限が経過するとワラントが無価値になることを理解していたかどうかは疑わしいものというべきであるから,上記Gの供述等と対比し,原告A6の上記供述を信用するのが相当である。 以上によれば,Gは,原告A6に対し,権利行使期限の点については説明しなかったものと認められ,他にこれを覆すに足りる的確な証拠はない。 したがって,これに反する証人Gの上記証言及び上記陳述書は,いずれも採用することができない。 (イ) 証人Gは,原告A6に対し,ワラントを「ワラント債」と説明したことはない旨証言し,これと同旨の陳述書(G)(乙F7)がある。 しかしながら,原告A6は,本件ワラント(A6)を購入してから3か月か半年後に権利行使期限が経過するとワラントが無価値になることを聞いたが,それまではワラントのことを債券と思っていた旨一貫した供述をし,その供述は原告A6にとって不利な内容を含むものであるうえ,前記認定のとおり,Gが5年間の期限があると説明したこと,預り証(乙F10)には,「お預り種類」欄に「債券」と記載され,「償還日」欄に権利行使期限の日付が記載されているが,権利行使期限という文言は記載されていないことをも併せ考慮すると,原告A6の上記供述は信用することができる。 以上によれば,原告A6は,本件ワラント(A6)の取引開始当時,ワラントを償還期限に元本が償還される債券と誤解していたと認められる。そうであ の上記供述は信用することができる。 以上によれば,原告A6は,本件ワラント(A6)の取引開始当時,ワラントを償還期限に元本が償還される債券と誤解していたと認められる。そうであるとすれば,Gがそのような誤解を招くような説明をした可能性は否定することができず,他にGが「ワラント債」と説明した旨の前記認定を覆すに足りる的確な証拠はない。 したがって,これに反する証人Gの上記証言及び上記陳述書は,いずれも直ちに採用することができない。 (ウ) 証人Gは,原告A6に対し,本件ワラント(A6)の取引後,ワラントの説明書を郵送した旨証言し,これと同旨の陳述書(G)(乙F7)がある。 しかしながら,本来,取引開始前に説明書を交付しなければならないのであるから,本件ワラント(A6)の取引後に説明書を郵送したとしても,説明義務を尽くしたことにはならないうえ,原告A6は,証人Gの上記証言内容を否定する供述をしているところ,原告A6が本件ワラント(A6)を購入した後に作成したワラント取引に関する確認書(乙F3)は,冊子「外貨建てワラントその魅力とポイント」(乙4の1)に綴じ込まれた確認書を切り取ったものではなく,それを複写したものであることからすると,上記冊子が果たして原告A6に郵送されたかどうかも疑わしいから,証人Gの上記証言及び上記陳述書は,いずれも採用することができない。 (5) 原告垂水亀井堂についてア前記争いのない事実等,後掲各証拠(なお,乙G第1号証の1ないし44,乙G第5号証の1ないし8及び乙G第10,第11号証は,弁論の全趣旨によれば,いずれも真正に成立したものと認められる。乙G第2ないし第4号証は,いずれも原告垂水亀井堂代表取締役C名下の ないし44,乙G第5号証の1ないし8及び乙G第10,第11号証は,弁論の全趣旨によれば,いずれも真正に成立したものと認められる。乙G第2ないし第4号証は,いずれも原告垂水亀井堂代表取締役C名下の印影が原告垂水亀井堂の印章によるものであることは当事者間に争いがないので,上記の印影は原告垂水亀井堂の代表者であるCの意思に基づいて顕出されたものと推定されるから,真正に成立したものと推定すべきである。)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 (ア) Cの取引経験,態様等Cは,妻が脱退被告神戸支店との間で株式の取引をしていたことをきっかけとして,脱退被告神戸支店との間で,昭和60年5月13日から原告垂水亀井堂名義で,同年8月20日からC名義で,本件ワラント(垂水亀井堂)の取引に至るまで,株式,転換社債,投資信託,債券等の取引をしていた(甲G1,乙G1の1ないし44,乙G2,G5の1ないし8,G10,G11,G22,証人I,C本人)。 Cは,同年10月8日から,株式の信用取引を始め,H及びIの勧めにより,多数の株式の信用取引をしていた(甲G1,乙G16,G22,証人I,C本人,弁論の全趣旨)。 Iは,本件ワラント(垂水亀井堂)の取引後である昭和63年9月ころから原告垂水亀井堂の取引を担当し,ほぼ毎日,Cと電話で話をし,週1回程度,原告垂水亀井堂の事務所を訪れていた(乙G22,証人I,C本人)。Iは,その際,会社四季報,株式の業界紙のコピー,株価チャートのコピー等を持参していた(乙G22,証人I,C本人)。 Cの取引は,おおむねIの提案によるものであったが,Cは,Iの提案を断ることもあったし,自ら取引を指示することもあった(乙G22,証人I,C本人)。 た(乙G22,証人I,C本人)。 Cの取引は,おおむねIの提案によるものであったが,Cは,Iの提案を断ることもあったし,自ら取引を指示することもあった(乙G22,証人I,C本人)。 (イ) 本件ワラント(垂水亀井堂)取引の勧誘等Cは,昭和61年8月21日,原告垂水亀井堂名義で三菱重工業ワラント11を購入し,翌22日,同ワラントを売却して,69万1365円の利益を得た。その際,Cは,ワラントを売買したとは認識していなかった(C本人,弁論の全趣旨)。 Iは,Cに対し,原告垂水亀井堂の取引を担当するようになった昭和63年9月ころから,電話をかけたり,原告垂水亀井堂の事務所を訪れたりして,何度かワラント取引を勧誘したが,Cは,これに応じなかった(乙G22,証人I)。その際,Iは,ワラントの値動きが大きいことや権利行使期限が経過すればワラントが無価値になることの説明はしなかった(甲G1,C本人)。 Iは,Cに対し,電話で王子製紙ワラント41の取引を勧誘した(甲G1,C本人)ところ,Cは,平成元年3月31日,原告垂水亀井堂名義で同ワラントを購入し,同年4月3日,同ワラントを売却して,26万6791円の利益を得た。その際,Cは,ワラントを売買したとは認識していなかった(C本人,弁論の全趣旨)。 Cの妻は,Cが同ワラントを購入した数日後,Cの指示により,「私は,貴社から受領したワラント取引に関する説明書の内容を確認し,私の判断と責任においてワラント取引を行います。」と記載されたワラント取引に関する確認書(乙G3)に原告垂水亀井堂代表取締役C名義で記名押印したが,脱退被告からワラント取引に関する説明書の交付を受けなかった(甲G1,乙G3,G 取引を行います。」と記載されたワラント取引に関する確認書(乙G3)に原告垂水亀井堂代表取締役C名義で記名押印したが,脱退被告からワラント取引に関する説明書の交付を受けなかった(甲G1,乙G3,G22,証人I,C本人)。 Iは,Cに対し,住友金属ワラント31の取引を勧誘した(乙G22,証人I)ところ,Cは,同月28日,原告垂水亀井堂名義で同ワラントを購入し,同年5月8日,同ワラントを売却して,57万6686円の利益を得た。Cは,その際,ワラントを売買したとは認識していなかった(C本人,弁論の全趣旨)。 Cが,同年6月28日,原告垂水亀井堂名義で日本触媒化学の株式を購入した際,Cは,Iに対し,損失を補てんする旨一筆書くように求めたところ,Iは,Cに対し,「6/28以降触媒化学が下げた場合,その分を責任を持って負担致します。」と裏面に記載したIの名刺(甲G2)を交付した(甲G2,C本人,弁論の全趣旨)。 Cは,同年9月27日,原告垂水亀井堂名義で上組ワラント12を購入した。その際,Iは,Cに対し,電話で「3日か1週間待てば上がる。」などと言ったが,権利行使期限が経過すればワラントが無価値になることの説明はしなかった(甲G1,乙G22,証人I,C本人)。 Cは,その後,Iの勧めにより,別紙株式会社垂水亀井堂ワラント取引状況記載のとおり,原告垂水亀井堂名義で各ワラントの売買をした。 Cは,Iに対し,信用取引をするから,ワラントをその保証金に回すように頼んだところ,Iは,ワラントは外国証券であり,信用取引の担保にならないと答えたので,Cは,ワラントが実体のあるものであることを確かめたいと思い,Iに対し,「何か証拠になるものを送ってこいや。 うに頼んだところ,Iは,ワラントは外国証券であり,信用取引の担保にならないと答えたので,Cは,ワラントが実体のあるものであることを確かめたいと思い,Iに対し,「何か証拠になるものを送ってこいや。」と言ったが,証券が送られてこなかったため,そのことを指摘したところ,原告垂水亀井堂については,月次報告書方式を採用したことにより,預り証が交付されていなかったことから,Iは,月次報告書が証拠であると答えた(甲G1,乙G17,証人I,C本人)。 平成2年2月ころ,相場が急落したため,Cは,Iに対し,株式やワラントを含む取引全般についての説明を求めたところ,Iは,Cに対し,株価が戻れば,期限内にワラントの価格が戻ることは十分あり得る旨説明した(乙G22,証人I)。 Cが,同年5月29日,原告垂水亀井堂名義で古河機械金属の株式を売却し,397万0546円の損失を被った際,Cは,Iに対し,損失を補てんするように求めたところ,Iは,Cに対し,50万円を補てんするとともに,同年7月7日,「古河機械金属5,000株分の損金について,¥500,000,-を除いた分,平成2年12月までに返済することをお約束致します。」と裏面に記載したIの名刺(甲G3)を交付した(甲G3,C本人,弁論の全趣旨)。 Cは,Iが東京に転勤した同年8月より後である平成3年ころ,ユニバーサル証券の柏木から,ワラントは期限が来ると紙切れになるなどと聞き,Iに電話をかけて,その点を問い質したところ,Iは,「まだ期限が3年あるので,その間に上がるでしょう。」と答え,Cが「そしたら持っとけばいいんやな。」と確かめたところ,Iは,「ええ。」と答えた(甲G1,乙G22,証人I,C本人)。 Cの妻は,同年3月1日, に上がるでしょう。」と答え,Cが「そしたら持っとけばいいんやな。」と確かめたところ,Iは,「ええ。」と答えた(甲G1,乙G22,証人I,C本人)。 Cの妻は,同年3月1日,Cの指示により,「私は,貴社から受領した「国内新株引受権証券取引説明書」及び「外国新株引受権証券取引説明書」の内容を確認し,私の判断と責任において下記の取引(国内新株引受権証券の取引及び外国新株引受権証券の取引)を行います。」と記載された国内新株引受権証券及び外国新株引受権証券の取引に関する確認書(乙G4)に原告垂水亀井堂代表取締役C名義で記名押印した(乙G4,C本人)。 脱退被告は,原告垂水亀井堂に対し,平成3年3月以降,毎年1回,国内新株引受権証券(国内ワラント)取引説明書(乙7の1)及び外国新株引受権証券(外貨建ワラント)取引説明書(乙7の2)を送付したが,Cは,これらを読まなかった(甲G1,乙7の1,2,G22,証人I,C本人,弁論の全趣旨)。 Cは,「貴社との有価証券取引に関し,平成4年1月31日現在の報告のとおり,一切の取引明細ならびに残高の内容に相違ありません。」と記載された回答書(乙G19)に原告垂水亀井堂名義で記名押印したうえ,これを脱退被告に郵送し,脱退被告は,平成4年2月18日,これを受領した(乙G19)。 Cは,同年3月4日現在の月次報告書として,ワラントの銘柄,権利行使期限,時価評価額等が記載されるとともに,その下部に「私が貴社を通じて行った有価証券の売買およびその他の取引は,全て私の判断と責任において行ったものであり,取引残高について相違ないことを確認いたします。」,「現在にいたる取引経過について,不審な点,異議はありません。」などど記載されたお取引 びその他の取引は,全て私の判断と責任において行ったものであり,取引残高について相違ないことを確認いたします。」,「現在にいたる取引経過について,不審な点,異議はありません。」などど記載されたお取引残高確認書(乙G20)に「(株)垂水亀井堂C」名義で署名し,原告垂水亀井堂の印章により押印した(乙G20)。 Cは,Iが静岡に転勤した平成3年3月より後である平成4年ころ,ワラントが紙切れ同然となったため,再度Iに電話をかけて抗議したところ,Iは,「ワラントは会社が返してくれるかもしれないから,支店長に言ってみたら。」と答えた(甲G1,乙G22,証人I,C本人)。 日本電池ワラント17及び東芝ワラント21については,いずれも結局売却されることなく,権利行使期限が経過した。 イ当事者の供述等(ア) Cの供述等Cは,Iが,上組ワラント12の取引を勧誘した際,「これ大丈夫ですから,私が保証しますから。」と言った旨供述し,Iが「とにかく大丈夫です。」,「今までの分の埋め合わせをしますから。」,「絶対間違いないですから。」,「私が責任を持ちます。」などと言った旨のC作成の陳述書(甲G1)がある。 しかしながら,証人Iは,これを否定する証言をしているところ,C自身,反対尋問において,Iから「3日か1週間待てば上がる。」旨言われたことくらいしか覚えていない旨供述していることからすると,前記認定のとおり,Cが日本触媒化学の株式を購入した際に,Iが損失補てんの約束をしたことを考慮しても,Iが保証するとか責任を持つなどと述べた旨のCの上記供述及び上記陳述書は,いずれも直ちに採用することができない。 (イ) 証人 入した際に,Iが損失補てんの約束をしたことを考慮しても,Iが保証するとか責任を持つなどと述べた旨のCの上記供述及び上記陳述書は,いずれも直ちに採用することができない。 (イ) 証人Iの証言等a 証人Iは,Cに対し,昭和63年9月に原告垂水亀井堂の取引を担当するようになってから間もなく,ワラント取引を提案した際,取引説明書や業界紙のコピー等を持参して,権利行使期限が過ぎるとワラントが無価値になることや,ワラントの価格は必ずしも株価と連動するわけではないが,株価が上がればワラントの価格は更に大きく値上がりするし,株価が下がるとワラントの価格は更に大きく下がることなどを説明した旨証言し,これと同旨の陳述書(I)(乙G22)がある。 しかしながら,Cが王子製紙ワラント41を購入した記憶がないと供述しているほか,原告垂水亀井堂は,当初,上組ワラント12の取引より前のワラント取引をしたことを主張していなかったことをも併せ考慮すると,Cは,王子製紙ワラント41を購入した際,ワラントを購入したとは認識していなかったものと認められる。そうであるとすれば,Cは,同ワラントの取引当時,ワラントの価格は値動きが大きいことや権利行使期限が経過するとワラントが無価値になることを理解していたかどうかは疑わしいものというべきであるうえ,Cは,平成3年ころにワラントは期限が来ると紙切れになることを聞いたという不利な供述をしていることをも併せ考慮すると,証人Iがいうような説明はなかった旨のCの供述は信用することができる。 以上によれば,Iは,Cに対し,ワラントの危険性については説明しなかったものと認められ,他にこれを覆すに足りる的確な証拠はない。 したがって, 以上によれば,Iは,Cに対し,ワラントの危険性については説明しなかったものと認められ,他にこれを覆すに足りる的確な証拠はない。 したがって,これに反する証人Iの上記証言及び上記陳述書は,いずれも採用することができない。 b 証人Iは,Cに対し,「3日か1週間待てば上がる。」と言ったことはない旨証言する。 しかしながら,C本人は,Iがそのように言った旨一貫した供述をしているところ,証人I自身,当時の記憶は鮮明ではない旨証言していることや,Iは,Cが上組ワラント12を購入する約3か月前に株式を購入した際,損失補てんの約束をするなど,強引な勧誘をしていたことが窺われることをも併せ考慮すると,Cの上記供述は信用することができる。 以上によれば,Iは,Cに対し,「3日か1週間待てば上がる。」と言ったものと認められ,他にこれを覆すに足りる的確な証拠はない。 したがって,これに反する証人Iの上記証言は,採用することができない。 c 証人Iは,Cに対し,ワラント取引を提案した際,取引説明書を持参して渡したとか,Cが王子製紙ワラント41を購入した日に,冊子「外貨建てワラントその魅力とポイント」(乙4の2)と同じものと確認書のコピーを同封して郵送した旨証言する。 しかしながら,Cは,これを否定する供述をしているところ,Iがワラント取引を提案した際にワラント取引に関する説明書をCに渡したことについては,陳述書(I)(乙G22)にも記載がなく,他にこれを窺わせる証拠はないから,証人Iのこの点に関する上記証言は採用することができない。 また 明書をCに渡したことについては,陳述書(I)(乙G22)にも記載がなく,他にこれを窺わせる証拠はないから,証人Iのこの点に関する上記証言は採用することができない。 また,ワラント取引に関する説明書を郵送したことについても,上記陳述書に記載がないばかりか,これは証人Iが直接経験したことではないうえ,Cが同ワラントを購入した数日後に作成したワラント取引に関する確認書(乙G3)は,冊子「外貨建てワラントその魅力とポイント」(乙4の1)に綴じ込まれた確認書を切り取ったものではなく,それを複写したものであることからすると,証人Iのワラント取引に関する説明書の郵送に関する上記証言も,直ちに採用することができない。 (6) 乙事件原告についてア前記争いのない事実等,後掲各証拠(なお,甲H第1号証の1ないし5,甲H第2号証の1及び甲H第8号証の1ないし3は,弁論の全趣旨によれば,いずれも真正に成立したものと認められる。乙H第4ないし第7号証は,いずれも乙事件原告又はLの署名が乙事件原告の意思に基づくものであることは当事者間に争いがないから,真正に成立したものと推定すべきである。)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 (ア) 乙事件原告の取引経験,態様等乙事件原告は,野村證券株式会社姫路支店との間で,昭和61年3月10日から脱退被告堺支店との間の取引に至るまで,株式,転換社債の取引をしていた(甲H1,同社に対する調査嘱託の結果,乙事件原告本人)。 乙事件原告は,脱退被告堺支店との間で,同年7月ころから本件ワラント(乙事件原告)の取引に至るまで,乙事件原告,弟L及び母Oの名義で,株式の取引をしていた(甲H1,乙H1の1ないし5,乙H2 乙事件原告は,脱退被告堺支店との間で,同年7月ころから本件ワラント(乙事件原告)の取引に至るまで,乙事件原告,弟L及び母Oの名義で,株式の取引をしていた(甲H1,乙H1の1ないし5,乙H2の1,乙H8の1ないし3,乙H9,H13の1,乙事件原告本人)。 乙事件原告は,ユニバーサル証券との間で,同年8月ころ,取引を開始した(乙事件原告本人)。また,乙事件原告は,和光証券株式会社に対し,同月6日,取引口座(保護預り口座)の設定を申し込んだ(同社に対する調査嘱託の結果,乙事件原告本人)。 Kの前の脱退被告担当者であったJは,乙事件原告によく電話をかけていたが,乙事件原告も,Jに電話をかけたことがあった(乙事件原告)。 Jは,無断売買をして問題になっていた(証人K)。 Kは,本件ワラント(乙事件原告)の取引後である昭和62年9月ころから,乙事件原告の取引を担当した(乙H9,証人K)。 取引の際の連絡は,Kが乙事件原告に電話をかけていたほか,乙事件原告がKに電話をかけることもあった(乙H9,証人K)。 乙事件原告は,Kの勧めにより株式を購入していたほか,自ら取引の注文をしたり,難平買いをしたこともあった(乙H9,証人K,乙事件原告本人)。 乙事件原告が京阪電鉄ワラントを購入した平成元年2月7日当時,乙事件原告の脱退被告における預り資産は,合計約2300万円であった(証人K)。 (イ) 本件ワラント(乙事件原告)取引の勧誘等乙事件原告は,昭和61年8月29日,O名義でダイハツワラント21を購入した。その際,乙事件原告は,ワラントを購入したとは認識していなかった( ラント(乙事件原告)取引の勧誘等乙事件原告は,昭和61年8月29日,O名義でダイハツワラント21を購入した。その際,乙事件原告は,ワラントを購入したとは認識していなかった(乙事件原告本人)。 乙事件原告は,平成元年2月1日に購入した三ツ星ベルト株式の価格が急落したため,その損失を取り戻すことを求めたことから,Kは,乙事件原告に対し,同月7日,その損失を取り戻すため,電話でワラント取引を勧誘したところ,乙事件原告は,同日,乙事件原告名義で京阪電鉄ワラント52を購入した(甲H1,乙H9,証人K,乙事件原告本人)。その際,Kは,ワラントがユーロドル建ての新株引受権であること,ワラントは株価以上に値動きの幅が大きく,株式よりも投資効率がいいことなどを説明したが,権利行使期限が経過すればワラントが無価値になることの説明はしなかった(甲H1,乙H9,証人K,乙事件原告本人)。乙事件原告は,Kに対し,ワラントについて,外国のものなのか,転換社債とどう違うのかという質問をしたので,Kは,乙事件原告に対し,ワラントは為替相場の影響を受けることや,転換社債は社債部分を転換して株式を引き受けることができるが,ワラントはただの権利であり,これを行使しないと株式を引き受けることができないことを説明した(証人K,乙事件原告本人)。 脱退被告堺支店は,乙事件原告に対し,同ワラントの購入直後,冊子「外貨建てワラントその魅力とポイント」(乙4の1)と同じもの及び外国証券取引口座設定約諾書(乙H5)を郵送し,後日,Kが乙事件原告の自宅を訪問した際,乙事件原告は,「私は,貴社から受領したワラント取引に関する説明書の内容を確認し,私の判断と責任においてワラント取引を行います。」と記載されたワラント取引に関する確認書(乙 件原告の自宅を訪問した際,乙事件原告は,「私は,貴社から受領したワラント取引に関する説明書の内容を確認し,私の判断と責任においてワラント取引を行います。」と記載されたワラント取引に関する確認書(乙H4,上記冊子から切り取られたもの)及び同約諾書にそれぞれ署名押印した(甲H1,乙4の1,乙H4,H5,H9,証人K,乙事件原告本人)。乙事件原告は,上記冊子を読まなかった(甲H1,乙事件原告本人)。 乙事件原告は,Kに対し,エース株式ユニットが元本割れをしていることについて苦情を述べていたことから,Kは,乙事件原告に対し,その損失を取り戻すため,再度同ワラントの購入を勧誘したところ,乙事件原告は,同月13日,L名義で同ワラントを購入した(甲H1,乙H9,証人K)。 脱退被告堺支店は,同ワラントの購入直後,上記冊子と同じもの及び外国証券取引口座設定約諾書(乙H7)をLの住所に郵送したが,これらが乙事件原告の手元に届かなかったので,Kはこれらを乙事件原告の自宅に持参し,乙事件原告は,ワラント取引に関する確認書(乙H6,上記冊子から切り取られたもの)及び同約諾書にそれぞれL名義で署名押印した(甲H1,乙4の1,乙H6,H7,H9,証人K,乙事件原告本人)。乙事件原告は,上記冊子を読まなかった(甲H1,乙事件原告本人)。 乙事件原告は,同年8月25日,同ワラントをいずれも売却し,合計139万3715円の利益を得た。 乙事件原告は,その後,別紙乙事件原告ワラント取引状況記載のとおり,乙事件原告及びL名義で鈴木自動車ワラント43及び伊藤忠ワラント20を購入し,いずれも売却して利益を得た。 乙事件原告は,同年12月21日,乙事件原告及びL名義で三菱商事ワラント24を購入した。 鈴木自動車ワラント43及び伊藤忠ワラント20を購入し,いずれも売却して利益を得た。 乙事件原告は,同年12月21日,乙事件原告及びL名義で三菱商事ワラント24を購入した。 乙事件原告は,平成3年夏ころ,証券不祥事等があったことから,証券会社には愛想が尽きたと言い,Kに対し,売りどきになったら電話をするように言っていた(乙H9,証人K)。 脱退被告は,乙事件原告に対し,同年9月30日以降,半年ごとに,ワラントの時価評価額や権利行使最終日等が記載された新株引受権証券(ワラント)のお預り残高明細を郵送した(甲H2,乙11の1,2,H9,証人K)。 Kは,平成4年1月ころ,乙事件原告に電話をかけ,三菱商事ワラント24のポイントを説明したが,乙事件原告は,それを理解することができず,円で説明するように求めたので,Kが同ワラントの現在の評価額(百数十万円)を説明したところ,乙事件原告は,なぜそこまで放置したのかと強く抗議し,Kは,これに対し,まだ期間があるから取り戻せるチャンスがある旨答えた(甲H1,乙事件原告本人)。 Kは,同年2月末ころ,脱退被告上野支店に転勤する際,乙事件原告の要望で,課長のR及び後任のSを連れて,乙事件原告の事務所に転勤のあいさつをしに行ったところ,乙事件原告は,ワラントの価格が下がっていることについて非常に強い苦情を述べた(甲H1,H3,乙H9,証人K,乙事件原告本人)。 脱退被告は,乙事件原告に対し,平成5年4月ころから,3か月ごとに,新株引受権証券(ワラント)の権利行使期日のご案内を郵送した(乙12,H9,証人K)。 乙事件原告及びL名義の三菱商事ワラント24については,いず 年4月ころから,3か月ごとに,新株引受権証券(ワラント)の権利行使期日のご案内を郵送した(乙12,H9,証人K)。 乙事件原告及びL名義の三菱商事ワラント24については,いずれも結局売却されることなく,権利行使期限が経過した。 イ当事者の供述等(ア) 乙事件原告の供述等a 乙事件原告は,Kが,京阪電鉄ワラント52の取引を勧誘した際,ワラントについて,「有利で安全で勝負が早い。」,「日本の優良な企業が外国で出してる社債だ。」と言ったが,よく分からないので,「転換社債みたいなもんですか。」と聞いたところ,Kは,「はい,そうです。」と答えた旨供述し,これと同旨の乙事件原告作成の陳述書(甲H1)がある。 しかしながら,証人Kは,前記認定のとおり回答したと供述しているところ,乙事件原告から前記認定のとおりの質問をされたことを明確に記憶しているうえ,ワラントと転換社債の違いに関する質問に対するKの前記認定の回答内容は,期限が到来又は経過した場合の効果の違い(無価値になるか否か。)を説明したものではなく,必ずしも的を射たものではないことからすると,その証言は作為的なものではないというべきであり,信用することができる。 これによれば,Kは,乙事件原告に対し,前記のとおり説明したものと認められ,これを覆すに足りる的確な証拠はない。 したがって,これに反する乙事件原告の上記供述及び上記陳述書は,いずれも直ちに採用することができない。 b 乙事件原告は,ワラントのパンフレットを受け取っていないとか,Kは,平成3年初めころの午後10時前後に確認書を自宅に取りに来た旨供述し,これと同旨の乙事件原 ることができない。 b 乙事件原告は,ワラントのパンフレットを受け取っていないとか,Kは,平成3年初めころの午後10時前後に確認書を自宅に取りに来た旨供述し,これと同旨の乙事件原告作成の陳述書(甲H1)がある。 しかしながら,前記のとおり,ワラント取引に関する確認書(乙H4,H6)は,いずれも冊子「外貨建てワラントその魅力とポイント」(乙4の1)から切り取られたものであるから,乙事件原告は,上記確認書に署名押印をする前に上記冊子を受け取ったものと推認するのが相当であり,これを覆すに足りる的確な証拠はない。 したがって,これに反する乙事件原告の上記供述及び上記陳述書は,いずれも採用することができない。 また,上記確認書の様式は,平成3年ころに用いられていた確認書の様式とは異なること(乙A4,D4,E4,F4,G4,弁論の全趣旨),脱退被告堺支店が上記冊子等をLの住所に郵送したのは,その住所の登録が変更された平成元年5月15日より前であること(乙H15)からすると,Kが平成3年初めころに確認書を自宅に取りに来た旨の乙事件原告の上記供述及び上記陳述書も,いずれも採用することができない。 (イ) 証人Kの証言等証人Kは,乙事件原告に対し,前記認定の説明内容のほか,ワラントは権利行使期限が過ぎると価値がなくなることなどを説明した旨証言し,これと同旨の陳述書(K作成)(乙H9)がある。 しかしながら,乙事件原告はこれを否定する供述をしているところ,前記認定のとおり,乙事件原告が平成4年1月ころにワラントの時価評価額が下がっていることを知り,強く抗議したこと,乙事件原告及びL名義の三菱商事ワ ら,乙事件原告はこれを否定する供述をしているところ,前記認定のとおり,乙事件原告が平成4年1月ころにワラントの時価評価額が下がっていることを知り,強く抗議したこと,乙事件原告及びL名義の三菱商事ワラント24については,いずれも結局売却されることなく,権利行使期限が経過したことからすると,乙事件原告は,京阪電鉄ワラント52の取引当時,権利行使期限が経過するとワラントが無価値になることを理解していたかどうかは疑わしいものというべきであるから,乙事件原告の上記供述は信用することができる。 以上によれば,Kは,乙事件原告に対し,権利行使期限の点については説明しなかったものと認められ,他にこれを覆すに足りる的確な証拠はない。 したがって,これに反する証人Kの上記証言及び上記陳述書は,いずれも採用することができない。 3 本件具体的勧誘行為の違法性の有無について(1) 自己責任原則と証券会社の義務証券取引は,本来危険を伴うものであって,証券会社が投資者に提供する情報も将来の経済情勢や政治状況等の不確定な要素を含み,予測や見通しの域を出ないのが実情であるから,投資者は,上記のような情報を参考にしつつも自ら投資判断に必要な情報を収集し,自らの判断と責任において証券取引を行うのが原則であり,このことはワラント取引においても妥当する。 しかしながら,証券会社は,公的な免許を受けて証券業を営む者であって,証券取引及び当該商品に関する高度の専門的知識,豊富な経験,証券発行会社の業績や財務状況等の情報,それらに基づく優れた分析・判断力を有するのみならず,政治,経済情勢等,あらゆる面において情報的優位にあり,それゆえに多数の一般投資家は,証券会社の推奨,助言等にはそれなりの合 や財務状況等の情報,それらに基づく優れた分析・判断力を有するのみならず,政治,経済情勢等,あらゆる面において情報的優位にあり,それゆえに多数の一般投資家は,証券会社の推奨,助言等にはそれなりの合理性があるものと信頼して証券市場に参加し,その信頼を保護することにより市場秩序が維持されているという現在の状況下では,前記第2の1(2)(3)記載のワラントの特質にかんがみ,証券会社は,具体的にワラント取引を勧誘するに際し,信義則上,顧客がその危険性について的確な認識形成を行い,自己の判断と責任で取引し得る状態を確保するための配慮義務を負うことがあり,これに違反する勧誘行為は違法と評価されることがあるというべきである。 (2) 適合性の原則違反の有無についてア証券会社の情報的優位の状況における顧客の証券会社に対する信頼保護の要請のもと,証券取引法や公正慣習規則等が,証券会社に対し,顧客に対する投資勧誘に際しては,顧客の投資経験,意向及び資力等に最も適合した取引がされるよう配慮することを要請していることからすると,証券会社又はその従業員が行った顧客への投資勧誘が,当該投資者の投資意向ないし目的に反し,その投資経験,資産等に照らして過大な危険を伴う取引を積極的に勧誘したものである場合には,当該勧誘行為は違法なものというべきである。 イ BについてBは,前記のとおり,本件当時,有限会社B衣料の代表取締役であったところ,昭和45年ころから約17年半の間,証券取引の経験があり,本件ワラント(B)の取引開始当時,脱退被告を含む証券会社6社との間で,株式,転換社債,投資信託等の取引をしていたこと,脱退被告における取引回数は多数に上り,相当高額の利益を上げていたこと,脱退被告における預り資産が約1億円であっ 脱退被告を含む証券会社6社との間で,株式,転換社債,投資信託等の取引をしていたこと,脱退被告における取引回数は多数に上り,相当高額の利益を上げていたこと,脱退被告における預り資産が約1億円であったこと,週二,三回,脱退被告神戸駅前支店の店頭に行き,自ら銘柄を選択して指値により注文するなど,証券取引に対する積極的な姿勢が窺われること,本件ワラント(B)の各購入代金はいずれも500万円未満であることなどからすると,Dの勧誘行為が,Bの投資意向ないし目的に反し,その投資経験,資産等に照らして過大な危険を伴う取引の勧誘と評価することはできず,適合性の原則に反して違法であるということはできない。 ウ原告A4について原告A4は,前記のとおり,本件当時,株式会社ワインアンドリカーズA4を設立して,酒類販売業を自営していたところ,昭和60年10月ころから本件ワラント(A4)の取引に至るまで3年余の間,脱退被告との間で,株式,投資信託,転換社債等の取引をしていたこと,ほとんどの取引は,Eの積極的な勧めによるものではあったが,原告A4が自ら株式の売買を指示したり,信用取引をしたこともあったこと,平成2年2月ころ,マンションを約1億7000万円で購入し,頭金として1億円を支払ったこと(原告A4本人)からすると,本件ワラント(A4)の取引開始当時も,相応の資力を有していたと推認することができることからすると,本件ワラント(A4)の取引の回数が比較的多いことを考慮しても,なおEの勧誘行為が,原告A4の投資意向ないし目的に反し,その投資経験,資産等に照らして過大な危険を伴う取引の勧誘と評価することはできず,適合性の原則に反して違法であるということはできない。 エ原告A5について原告A5は,前記の 験,資産等に照らして過大な危険を伴う取引の勧誘と評価することはできず,適合性の原則に反して違法であるということはできない。 エ原告A5について原告A5は,前記のとおり,本件当時,内科医師としてA5診療所を経営しており,相応の資力を有していたものと推認することができるところ,昭和62年9月29日から本件ワラント(A5)の取引に至るまで1年余の間,脱退被告との間で,株式,転換社債,投資信託等の取引をしていたうえ,その家族名義の各口座でも,本人に代わって投資信託等の取引を行ったことがあったこと,原告A5は,Fの勧めにより,株式等の取引をしていたが,その際,Fに質問をすることがあったし,ときには取引を断ることもあったことからすると,Fの勧誘行為が,原告A5の投資意向ないし目的に反し,その投資経験,資産等に照らして過大な危険を伴う取引の勧誘と評価することはできず,適合性の原則に反して違法であるということはできない。 オ原告A6について原告A6は,前記のとおり,本件当時,昌栄運輸株式会社の常務取締役であり,その年間収入が約1800万円であったところ,昭和60年ころから本件ワラント(A6)の取引に至るまで約3年間,自己名義及び長女名義で株式の取引をしていたこと,脱退被告との間で取引を開始する際,「株でいいものがあればまた連絡してほしい。新規発行の転換社債や新規公開の株式も案内してほしい。」などと言ったり,1日2回程度電話をかけ,株価の値動き等の情報を聞くなどしていたうえ,脱退被告との間の取引は2銘柄だけであったものの,ユアサフナショク株式については,値上がりする見込みであることを聞き,2回買増しするなど,証券取引に対する積極的な姿勢が窺われることからすると,なおGの勧誘行為が,原告 は2銘柄だけであったものの,ユアサフナショク株式については,値上がりする見込みであることを聞き,2回買増しするなど,証券取引に対する積極的な姿勢が窺われることからすると,なおGの勧誘行為が,原告A6の投資意向ないし目的に反し,その投資経験,資産等に照らして過大な危険を伴う取引の勧誘と評価することはできず,適合性の原則に反して違法であるということはできない。 カ原告垂水亀井堂についてCは,前記のとおり,本件当時,原告垂水亀井堂の代表取締役であり,相応の資力を有していたものと推認することができるところ,昭和60年5月13日から本件ワラント(垂水亀井堂)の取引に至るまで1年余の間,株式,転換社債,投資信託,債券等の取引をしていたうえ,同年10月8日から多数の株式の信用取引をしていたことからすると,Hの勧誘行為が,C(原告垂水亀井堂)の投資意向ないし目的に反し,その投資経験,資産等に照らして過大な危険を伴う取引の勧誘と評価することはできず,適合性の原則に反して違法であるということはできない。 キ乙事件原告について乙事件原告は,前記のとおり,本件当時,宝石鑑定士として,「ジェモロジスト乙事件原告事務所」(宝石鑑定等についての指導)と「三井宝石」(宝石販売)を開業しており,脱退被告との間の取引の当初から,数百万円単位で株式を購入していること,平成元年2月7日当時,脱退被告における預り資産が合計約2300万円であったことからすると,本件ワラント(乙事件原告)の取引開始当時も,相応の資力を有していたものと推認することができることからすると,乙事件原告の投資経験は,昭和61年3月10日から本件ワラント(乙事件原告)の取引に至るまでわずか5か月余しかなかったこと,それまでの株式取引は,無断 ていたものと推認することができることからすると,乙事件原告の投資経験は,昭和61年3月10日から本件ワラント(乙事件原告)の取引に至るまでわずか5か月余しかなかったこと,それまでの株式取引は,無断売買をして問題になっていたJの積極的な勧誘によるものであったことが窺われることを考慮しても,なおJの勧誘行為が,乙事件原告の投資意向ないし目的に反し,その投資経験,資産等に照らして過大な危険を伴う取引の勧誘と評価することはできず,適合性の原則に反して違法であるということはできない。 (3) 説明義務違反等の有無についてア前記のとおり,ワラントは,比較的新しい金融商品で,その仕組みも複雑であるうえ,ハイリスク・ハイリターンという特徴や権利行使期限経過後は無価値になるという危険性を有すること,証券会社の情報的優位の状況における顧客の証券会社に対する信頼保護の要請のもと,公正慣習規則等の日本証券業協会の自主規制においても,証券会社がワラント取引をする際には,顧客に対してあらかじめ説明書を交付し,取引内容や危険性について十分説明し,自己の判断と責任において当該取引を行う旨を理解させ,確認を得るように要請されていることからすると,顧客が的確な認識形成をしたうえで投資決定をするための前提として,証券会社あるいはその従業員は,ワラント取引に際し,顧客の年齢,職業,投資経験,能力,資産状況等に応じて,ワラントの価格は株価と連動して株価の数倍の値動きをすること,権利行使期限経過後は無価値になることの2点を中心に,ワラントの特徴,仕組み及び危険性についての説明をすべき信義則上の義務を負うものと解され,これに違反する勧誘行為は違法なものというべきである。 イ Bについて前記認定のとおり,Dは,Bに対し,本件ワラン いての説明をすべき信義則上の義務を負うものと解され,これに違反する勧誘行為は違法なものというべきである。 イ Bについて前記認定のとおり,Dは,Bに対し,本件ワラント(B)の取引に際し,ワラントの価格は株価以上に値動きの幅が大きいことなどは説明したものの,それは,株式に比べて投資効率のいい商品であるというワラントの有利な側面を強調したものであったし,権利行使期限が経過すればワラントが無価値になることなどの危険性については十分に説明しなかったものであり,この説明不足のために,Bは,ワラントの危険性を十分に理解することができないままに本件ワラント(B)の取引を開始するに至ったものと解される。 したがって,Dは,Bに本件ワラント(B)の取引を勧誘するに当たって,証券会社の従業員として尽くすべき信義則上の説明義務に違反したものというべきであり,上記勧誘行為は不法行為を構成するから,脱退被告は,民法709条,715条1項に基づき,上記不法行為によりBに生じた損害を賠償すべき責任を負っていたものである。 ウ原告A4について前記認定のとおり,Eは,原告A4に対し,本件ワラント(A4)の取引に際し,ワラントは株式よりも値動きが大きいことなどは説明したものの,それは,株式に比べて資金効率のいい商品であるというワラントの有利な側面を強調したものであったし,権利行使期限があることなどは説明したものの,権利行使期限が経過すればワラントが無価値になることなどの危険性については十分に説明しなかったものであり,この説明不足のために,原告A4は,ワラントの危険性を十分に理解することができないままに本件ワラント(A4)の取引を開始するに至ったものと解される。 したがって かったものであり,この説明不足のために,原告A4は,ワラントの危険性を十分に理解することができないままに本件ワラント(A4)の取引を開始するに至ったものと解される。 したがって,Eは,原告A4に本件ワラント(A4)の取引を勧誘するに当たって,証券会社の従業員として尽くすべき信義則上の説明義務に違反したものというべきであり,上記勧誘行為は不法行為を構成するから,脱退被告は,民法709条,715条1項に基づき,上記不法行為により原告A4に生じた損害を賠償すべき責任を負っていたものである。 エ原告A5について前記認定のとおり,Fは,原告A5に対し,本件ワラント(A5)の取引に際し,ワラントとは新しい株式に換えられるものであることなどは説明したものの,ワラントの値動きが大きいことや権利行使期限が経過すればワラントが無価値になることなどの危険性については十分に説明しなかったものであり,この説明不足のために,原告A5は,ワラントの危険性を十分に理解することができないままに本件ワラント(A5)の取引を開始するに至ったものと解される。 したがって,Fは,原告A5に本件ワラント(A5)の取引を勧誘するに当たって,証券会社の従業員として尽くすべき信義則上の説明義務に違反したものというべきであり,上記勧誘行為は不法行為を構成するから,脱退被告は,民法709条,715条1項に基づき,上記不法行為により原告A5に生じた損害を賠償すべき責任を負っていたものである。 オ原告A6について前記認定のとおり,Gは,原告A6に対し,本件ワラント(A6)の取引に際し,株価が上がれば「ワラント債」の価格はギアリング効果によりその3倍くらい上がることなどは説明したものの,それは 前記認定のとおり,Gは,原告A6に対し,本件ワラント(A6)の取引に際し,株価が上がれば「ワラント債」の価格はギアリング効果によりその3倍くらい上がることなどは説明したものの,それは,株式よりも投資効率がいいというワラントの有利な側面を強調したものであったうえ,ワラントを債券と誤解させるものであったし,権利行使期限まで5年間あることなどは説明したものの,権利行使期限が経過すればワラントが無価値になることなどの危険性については十分に説明しなかったものであり,この説明不足のために,原告A6は,ワラントの危険性を十分に理解することができないままに本件ワラント(A6)の取引を開始するに至ったものと解される。 したがって,Gは,原告A6に本件ワラント(A6)の取引を勧誘するに当たって,証券会社の従業員として尽くすべき信義則上の説明義務に違反したものというべきであり,上記勧誘行為は不法行為を構成するから,脱退被告は,民法709条,715条1項に基づき,上記不法行為により原告A6に生じた損害を賠償すべき責任を負っていたものである。 カ原告垂水亀井堂について原告垂水亀井堂が三菱重工業ワラント11を購入した際,HがCに対してワラントの危険性を説明したことを窺わせる証拠はないうえ,Iは,Cに対し,王子製紙ワラント41の取引に際し,何らかの説明をしたであろうことは推察されるものの,前記認定のとおり,ワラントの値動きが大きいことや権利行使期限が経過すればワラントが無価値になることなどの危険性については十分に説明しなかったものであり,この説明不足のために,Cは,ワラントの危険性を十分に理解することができないままに本件ワラント(垂水亀井堂)の取引を開始するに至ったものと解される。 に説明しなかったものであり,この説明不足のために,Cは,ワラントの危険性を十分に理解することができないままに本件ワラント(垂水亀井堂)の取引を開始するに至ったものと解される。 したがって,H及びIは,Cに本件ワラント(垂水亀井堂)の取引を勧誘するに当たって,証券会社の従業員として尽くすべき信義則上の説明義務に違反したものというべきであり,上記勧誘行為は不法行為を構成するから,脱退被告は,民法709条,715条1項に基づき,上記不法行為により原告垂水亀井堂に生じた損害を賠償すべき責任を負っていたものである。 キ乙事件原告について乙事件原告がダイハツワラント21を購入した際,Jが乙事件原告に対してワラントの危険性を説明したことを窺わせる証拠はないうえ,前記認定のとおり,Kは,乙事件原告に対し,京阪電鉄ワラント52の取引に際し,ワラントは株価以上に値動きの幅が大きいことなどは説明したものの,それは,株式よりも投資効率がいいというワラントの有利な側面を強調したものであったし,権利行使期限が経過すればワラントが無価値になることなどの危険性については十分に説明しなかったものであり,この説明不足のために,乙事件原告は,ワラントの危険性を十分に理解することができないままに本件ワラント(乙事件原告)の取引を開始するに至ったものと解される。 したがって,J及びKは,乙事件原告に本件ワラント(乙事件原告)の取引を勧誘するに当たって,証券会社の従業員として尽くすべき信義則上の説明義務に違反したものというべきであり,上記勧誘行為は不法行為を構成するから,脱退被告は,民法709条,715条1項に基づき,上記不法行為により乙事件原告に生じた損害を賠償すべき責任を負っていたものであ に違反したものというべきであり,上記勧誘行為は不法行為を構成するから,脱退被告は,民法709条,715条1項に基づき,上記不法行為により乙事件原告に生じた損害を賠償すべき責任を負っていたものである。 4 無断売買の有無について(1) 原告A4について原告A4は,Eからワラントを勧められたのに対し,承諾の返事をしなかったところ,Eは,原告A4が脱退被告に開設していた勘定口座に保管されていた現物株式の売買代金等を原告A4に無断でワラント購入資金に流用し,ワラントを売買した旨主張し,新日本製鉄ワラント51の購入を承諾していないとか,本件ワラント(A4)取引は,すべてEが独断で行った旨供述する。 確かに,脱退被告が月次報告書方式を採用した平成元年2月16日以降,自動的に入金等の手続がされることとなったのに伴い,Eの取引の勧誘がますます積極的なものとなり,原告A4の取引の回数が急増したこと(甲D1,乙D1の78ないし114,D16,D19,証人E,原告A4本人),原告A4は,投資経験が比較的浅かったにもかかわらず,本件ワラント(A4)の取引開始直後である平成元年1月19日から平成2年3月7日までの間,三菱重工業株式を始めとする多数の株式の信用取引を行ったこと(甲D1,乙D10の2,3,D12の9ないし23,D16,D19,証人E,原告A4本人),Eは,原告A4名義で株式の信用取引をした際,預り金が不足していたため,自ら不足分を入金して立て替えたことがあったこと(甲D1,証人E,原告A4本人),前記認定のとおり,原告A4が,平成元年以降,何度かEの自宅に行ってEと会い,損失を元に戻して返すように要求したところ,Eは,必ず損失を元に戻すように努力するとか,損失補てんをするなどと言ったことからすると,原告A4 原告A4が,平成元年以降,何度かEの自宅に行ってEと会い,損失を元に戻して返すように要求したところ,Eは,必ず損失を元に戻すように努力するとか,損失補てんをするなどと言ったことからすると,原告A4の上記供述は,誇張があるとしても,おおむね信用することができる。 以上によれば,少なくとも,前記のとおり,本件ワラント(A4)取引の中には,原告A4の明確な承諾を得ないまま行われたものもあったと認められ,これを覆すに足りる的確な証拠はない。 しかしながら,他方,前記認定のとおり,原告A4がEに対し,損失を元に戻して返すように要求したこと,Eが原告A4に対し,損失を元に戻すためにワラントを購入する旨述べたこと(原告A4本人),本件ワラント(A4)の取引開始後も,原告A4が脱退被告において入出金を繰り返し(乙D17),前記認定のとおり,平成2年4月ころまで,脱退被告との取引を続けていたことからすると,原告A4は,Eに対し,本件ワラント(A4)の取引について,包括的にこれを一任していたか,あるいは,事後にこれを追認したものと認めるのが相当であり,終始全くの無断売買であったとまで断ずることはできない。 したがって,原告A4の上記主張は,採用することができない。 (2) 原告垂水亀井堂について原告垂水亀井堂は,Cは,三菱重工業,王子製紙,住友金属の各ワラント取引を勧誘された覚えが全くなく,無断売買としか考えられない旨主張し,Cは,これらのワラントを買った記憶がないとか,買っていない旨供述する。 確かに,前記認定のとおり,Cは,これらのワラントを購入した際,ワラントを購入したとは認識していなかったが,そのことから直ちに無断売買であったということはできない。また,Cは,反対尋問 確かに,前記認定のとおり,Cは,これらのワラントを購入した際,ワラントを購入したとは認識していなかったが,そのことから直ちに無断売買であったということはできない。また,Cは,反対尋問において,無断売買の点について,回避的な態度であいまいな供述を繰り返していることからすると,Cの無断売買に関する上記供述は直ちに採用することができず,他にこれを認めるに足りる的確な証拠はない。 したがって,原告垂水亀井堂の上記主張は,採用することができない。 (3) 乙事件原告について乙事件原告は,O名義のダイハツワラント21の取引については全く知らない旨主張し,これに沿う乙事件原告本人の供述がある。 確かに,前記認定のとおり,乙事件原告は,同ワラントを購入した際,ワラントを購入したとは認識していなかったが,そのことから直ちに無断売買であったということはできない。 また,Jは,無断売買をして問題になっていたものの,乙事件原告との関係で同ワラントの無断売買をしたことを認めるに足りる的確な証拠はないから,乙事件原告の上記供述は,その裏付けを欠き,直ちに採用することができない。 したがって,乙事件原告の上記主張は,採用することができない。 5 損害額について(1) Bについてア基礎となる損害額Bは,別紙Bワラント取引状況記載のとおり,本件ワラント(B)の取引を行ったところ,その購入代金の合計3213万7945円から,一部のワラントを売却して得た利益の合計2831万9401円を損益相殺した381万8544円をもって,上記不法行為と相当因果関係のあるBの損害と認めるのが相当である。 イ過失相殺前記のとおり,Dの 合計2831万9401円を損益相殺した381万8544円をもって,上記不法行為と相当因果関係のあるBの損害と認めるのが相当である。 イ過失相殺前記のとおり,Dの勧誘行為は,ワラントの危険性についての説明が不十分であった点において違法なものではあるが,他方,Dは,ワラントの価格は株価以上に値動きの幅が大きいことなど,ワラントに関し,ある程度の説明をしたものであるから,その過失ないし違法性の程度は重大なものとはいえない。 他方,Bは,前記のとおり,会社の代表取締役であったこと,投資経験が豊富で,証券取引に関し,相応の知識,能力を有していたこと,ヤマハ発動機ワラント32を購入した当日にこれを売却して26万8302円の利益を得たことからすると,ワラントの危険性を理解することは比較的容易であったと考えられる。また,Bは,平成2年5月ころ,国内新株引受権証券(国内ワラント)取引説明書(乙7の1)及び外国新株引受権証券(外貨建ワラント)取引説明書(乙7の2)の送付を受けたのであるから,その内容を検討することにより,ワラントの危険性を容易に認識することができたのに,これらを読むことなく放置した結果,その損害が拡大したものである。 そうすると,Bの過失は大きいものというべきであり,その過失割合は,前記の諸事情のほか,本件に顕れた一切の事情を考慮すると,7割と認めるのが相当である。 したがって,脱退被告は,Bに対し,前記アの損害額381万8544円の3割に当たる114万5563円(1円未満切捨て,以下同じ。)の賠償責任を負っていたものというべきである。 ウ弁護士費用前記イの過失相殺後の損害認容額及び本件訴訟の経過等に照らすと,本件訴訟 3円(1円未満切捨て,以下同じ。)の賠償責任を負っていたものというべきである。 ウ弁護士費用前記イの過失相殺後の損害認容額及び本件訴訟の経過等に照らすと,本件訴訟のBにかかる弁護士費用は12万円が相当であり,これを上記不法行為と相当因果関係のあるBの損害と認めるのが相当である。 エ結論したがって,脱退被告は,Bに対し,損害金合計126万5563円及び内金114万5563円に対する不法行為の日の後であり,かつ,訴状送達の日の翌日であることが記録上明らかな平成5年3月25日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の賠償責任を負っていたものであるところ,前記争いのない事実等によれば,Bが死亡したことに伴う遺産分割協議により,本訴請求権につき,原告A1がその2分の1を,原告A2及び原告A3がその各4分の1をそれぞれ取得したというのであるから,脱退被告から吸収分割により本件訴訟の目的である損害賠償義務を承継した被告は,原告A1に対し,63万2781円及び内金57万2781円に対する前記のとおりの遅延損害金の賠償責任を,原告A2及び原告A3に対し,それぞれ31万6390円及び内金28万6390円に対する前記のとおりの遅延損害金の賠償責任をそれぞれ負うものというべきである。 (2) 原告A4についてア基礎となる損害額原告A4は,別紙A4ワラント取引状況記載のとおり,本件ワラント(A4)の取引を行ったところ,その購入代金の合計3375万6943円から,一部のワラントを売却して得た利益の合計3169万2211円を損益相殺した206万4732円をもって,上記不法行為と相当因果関係のある原告A4の損害と認めるのが相当である。 943円から,一部のワラントを売却して得た利益の合計3169万2211円を損益相殺した206万4732円をもって,上記不法行為と相当因果関係のある原告A4の損害と認めるのが相当である。 イ過失相殺前記のとおり,Eの勧誘行為は,ワラントの危険性についての説明が不十分であった点において違法なものであるうえ,原告A4の明確な承諾を得ないままワラント取引を行ったこともあったこと,原告A4は,本件ワラント(A4)の取引開始当時,3年余の投資経験しかなく,それまでに行った信用取引は,「つなぎ売り」を除けば,1回しかなかったこと(その後,原告A4は,多数の株式の信用取引を行ったが,それは,Eの積極的な勧めによるものと考えられるうえ,本件ワラント(A4)の取引開始後に投資経験を積んだからといって,その取引開始当時,ワラントの危険性を理解する能力が十分であったとはいえないから,原告A4の過失の判断において,原告A4が多数の株式の信用取引を行ったことを考慮するのは相当ではない。)からすると,Eが,ワラントは株式よりも値動きが大きいことや権利行使期限があることなど,ワラントに関し,ある程度の説明をしたことを考慮しても,その過失ないし違法性の程度は軽視することができない。 他方,原告A4は,前記のとおり,酒類販売業を自営していたこと,3年余とはいえ,それなりの投資経験があったこと,Eからワラントに権利行使期限があることの説明を受けたことからすると,ワラントの危険性を理解することは困難ではなかったと考えられる。また,原告A4がEに対し,損失を元に戻して返すように要求したことにより,本件ワラント(A4)の取引が助長されたと考えられるうえ,原告A4は,平成2年5月ころ,国内新株引受権証券(国内ワラント)取引説明書( 告A4がEに対し,損失を元に戻して返すように要求したことにより,本件ワラント(A4)の取引が助長されたと考えられるうえ,原告A4は,平成2年5月ころ,国内新株引受権証券(国内ワラント)取引説明書(乙7の1)及び外国新株引受権証券(外貨建ワラント)取引説明書(乙7の2)の送付を受けたのであるから,その内容を検討することにより,ワラントの危険性を容易に認識することができたのに,これらを読むことなく放置した結果,その損害が拡大したものである。 そうすると,原告A4にも相応の過失があったものというべきであり,その過失割合は,前記の諸事情のほか,本件に顕れた一切の事情を考慮すると,4割と認めるのが相当である。 したがって,脱退被告は,原告A4に対し,前記アの損害額206万4732円の6割に当たる123万8839円の賠償責任を負っていたものというべきである。 ウ弁護士費用前記イの過失相殺後の損害認容額及び本件訴訟の経過等に照らすと,本件訴訟の原告A4にかかる弁護士費用は13万円が相当であり,これを上記不法行為と相当因果関係のある原告A4の損害と認めるのが相当である。 エ結論したがって,脱退被告は,原告A4に対し,損害金合計136万8839円及び内金123万8839円に対する不法行為の日の後であり,かつ,訴状送達の日の翌日であることが記録上明らかな平成5年3月25日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の賠償責任を負っていたものであるから,脱退被告から吸収分割により本件訴訟の目的である損害賠償義務を承継した被告は,原告A4に対し,上記のとおり賠償責任を負うものというべきである。 (3) 原告A5についてア基礎 脱退被告から吸収分割により本件訴訟の目的である損害賠償義務を承継した被告は,原告A4に対し,上記のとおり賠償責任を負うものというべきである。 (3) 原告A5についてア基礎となる損害額原告A5は,別紙A5ワラント取引状況記載のとおり,本件ワラント(A5)の取引を行ったところ,その購入代金の合計1767万9537円から,一部のワラントを売却して得た利益の合計1126万2570円を損益相殺した641万6967円をもって,上記不法行為と相当因果関係のある原告A5の損害と認めるのが相当である。 イ過失相殺前記のとおり,Fの勧誘行為は,ワラントの危険性についての説明が不十分であった点において違法なものであること,原告A5は,本件ワラント(A5)の取引開始当時,1年余の投資経験しかなかったこと(原告A5は,本件ワラント(A5)の取引開始後である平成元年4月13日,日本油脂株式を信用取引で売却したが,これは名義書換停止期間中のいわゆる「つなぎ売り」であった(乙E10,E14,証人F)うえ,本件ワラント(A5)の取引開始後に投資経験を積んだからといって,その取引開始当時,ワラントの危険性を理解する能力が十分であったとはいえないから,原告A5の過失の判断において,原告A5が株式の信用取引を行ったことを考慮するのは相当ではない。),原告A5は,ワラントの危険性を十分に理解していなかったにもかかわらず,Fの勧めにより短期間のうちにワラントの売買を繰り返し,損失が生じたことからすると,Fの過失ないし違法性の程度は軽視することができない。 他方,原告A5は,前記のとおり,内科医師としてA5診療所を経営していたこと,1年余とはいえ,それなりの投資経験があったことからすると ないし違法性の程度は軽視することができない。 他方,原告A5は,前記のとおり,内科医師としてA5診療所を経営していたこと,1年余とはいえ,それなりの投資経験があったことからすると,ワラントの危険性を理解することは困難ではなかったと考えられる。また,原告A5は,平成2年5月ころ,国内新株引受権証券(国内ワラント)取引説明書(乙7の1)及び外国新株引受権証券(外貨建ワラント)取引説明書(乙7の2)の送付を受けたのであるから,その内容を検討することにより,ワラントの危険性を容易に認識することができたのに,これらを読むことなく放置したうえ,平成3年8月よりも前の時点で,権利行使期限が経過すればワラントが無価値になることを認識したのに,ワラントを売却しなかった結果,その損害が拡大したものである。 そうすると,原告A5にも相応の過失があったものというべきであり,その過失割合は,前記の諸事情のほか,本件に顕れた一切の事情を考慮すると,5割と認めるのが相当である。 したがって,脱退被告は,原告A5に対し,前記アの損害額641万6967円の5割に当たる320万8483円の賠償責任を負っていたものというべきである。 ウ弁護士費用前記イの過失相殺後の損害認容額及び本件訴訟の経過等に照らすと,本件訴訟の原告A5にかかる弁護士費用は32万円が相当であり,これを上記不法行為と相当因果関係のある原告A5の損害と認めるのが相当である。 エ結論したがって,脱退被告は,原告A5に対し,損害金合計352万8483円及び内金320万8483円に対する不法行為の日の後であり,かつ,訴状送達の日の翌日であることが記録上明らかな平成5年3月25日から支払済みまで 退被告は,原告A5に対し,損害金合計352万8483円及び内金320万8483円に対する不法行為の日の後であり,かつ,訴状送達の日の翌日であることが記録上明らかな平成5年3月25日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の賠償責任を負っていたものであるから,脱退被告から吸収分割により本件訴訟の目的である損害賠償義務を承継した被告は,原告A5に対し,上記のとおり賠償責任を負うものというべきである。 (4) 原告A6についてア基礎となる損害額原告A6は,別紙A6ワラント取引状況記載のとおり,本件ワラント(A6)の取引を行ったところ,前記認定のとおり,その購入代金740万0945円のうち370万円は原告A6の知人であるQが出捐したものであり,かつ,本件ワラント(A6)の半分の売却代金274万7804円はQに交付されたから,本件ワラント(A6)の購入代金からQが出捐した分を差し引いた370万0945円のうち,原告A6主張の370万0472円をもって,上記不法行為と相当因果関係のある原告A6の損害と認めるのが相当である。 イ過失相殺前記のとおり,Gの勧誘行為は,ワラントの危険性についての説明が不十分であった点において違法なものであるうえ,ワラントを債券と誤解させた点でも違法なものであること,原告A6は,本件ワラント(A6)の取引開始当時,約3年間の投資経験しかなかったことからすると,Gが,ワラントの価格はギアリング効果により株式の3倍の値動きをすることや権利行使期限まで5年間あることなど,ワラントに関し,相当程度の説明をしたことを考慮しても,その過失ないし違法性の程度は軽視することができない。 他方,原告A6は,前記のとおり,会社の常務取締 まで5年間あることなど,ワラントに関し,相当程度の説明をしたことを考慮しても,その過失ないし違法性の程度は軽視することができない。 他方,原告A6は,前記のとおり,会社の常務取締役であったこと,約3年間とはいえ,それなりの投資経験があったこと,Gから権利行使期限まで5年間あることの説明を受けたことからすると,ワラントの危険性を理解することは困難ではなかったと考えられる。また,原告A6は,遅くとも昭和63年12月8日の時点で,権利行使期限が経過すればワラントが無価値になることを認識していたうえ,昭和64年ないし平成元年に入ってからワラントの価格が回復していたのに,ワラントを売却しなかった結果,その損害が拡大したものである。 そうすると,原告A6にも相応の過失があったものというべきであり,その過失割合は,前記の諸事情のほか,Gがもう少し様子を見てワラントの価格が上がるのを待つように言ったことが本件ワラント(A6)の売却を妨げた一因となったこと,その他本件に顕れた一切の事情を考慮すると,7割と認めるのが相当である。 したがって,脱退被告は,原告A6に対し,前記アの損害額370万0472円の3割に当たる111万0141円の賠償責任を負っていたものというべきである。 ウ弁護士費用前記イの過失相殺後の損害認容額及び本件訴訟の経過等に照らすと,本件訴訟の原告A6にかかる弁護士費用は12万円が相当であり,これを上記不法行為と相当因果関係のある原告A6の損害と認めるのが相当である。 エ結論したがって,脱退被告は,原告A6に対し,損害金合計123万0141円及び内金111万0141円に対する不法行為の日の後であり,かつ,訴状送達の日の翌日 る。 エ結論したがって,脱退被告は,原告A6に対し,損害金合計123万0141円及び内金111万0141円に対する不法行為の日の後であり,かつ,訴状送達の日の翌日であることが記録上明らかな平成5年3月25日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の賠償責任を負っていたものであるから,脱退被告から吸収分割により本件訴訟の目的である損害賠償義務を承継した被告は,原告A6に対し,上記のとおり賠償責任を負うものというべきである。 (5) 原告垂水亀井堂についてア基礎となる損害額原告垂水亀井堂は,別紙垂水亀井堂ワラント取引状況記載のとおり,本件ワラント(垂水亀井堂)の取引を行ったところ,その購入代金の合計2728万4950円から,一部のワラントを売却して得た利益の合計1803万1326円を損益相殺した925万3624円をもって,上記不法行為と相当因果関係のある原告垂水亀井堂の損害と認めるのが相当である。 イ過失相殺前記のとおり,H及びIの勧誘行為は,ワラントの危険性についての説明が不十分であった点において違法なものであるうえ,Iが「3日か1週間待てば上がる。」と言って,断定的判断を提供した点でも違法なものであること,Cは,本件ワラント(垂水亀井堂)の取引開始当時,1年余の投資経験しかなかったことからすると,H及びIの過失ないし違法性の程度は軽視することができない。 他方,Cは,前記のとおり,原告垂水亀井堂の代表取締役であったこと,1年余とはいえ,それなりの投資経験があったこと,株式の信用取引も行っていたことからすると,ワラントの危険性を理解することは困難ではなかったと考えられる。また,Cは,平成3年3月こ 役であったこと,1年余とはいえ,それなりの投資経験があったこと,株式の信用取引も行っていたことからすると,ワラントの危険性を理解することは困難ではなかったと考えられる。また,Cは,平成3年3月ころ,国内新株引受権証券(国内ワラント)取引説明書(乙7の1)及び外国新株引受権証券(外貨建ワラント)取引説明書(乙7の2)の送付を受けたのであるから,その内容を検討することにより,ワラントの危険性を容易に認識することができたのに,これらを読むことなく放置したうえ,平成3年ころ,権利行使期限が経過すればワラントが無価値になることを認識したのに,ワラントを売却しなかった結果,その損害が拡大したものである。 そうすると,Cにも相応の過失があったものというべきであり,その過失割合は,前記の諸事情のほか,Iが権利行使期限までの3年間にワラントの価格が上がるであろうから,まだワラントを持っておいていいと言ったことが上組ワラント12,日本電池ワラント17及び東芝ワラント21の売却を妨げた一因となったこと,その他本件に顕れた一切の事情を考慮すると,4割と認めるのが相当である。 したがって,脱退被告は,原告垂水亀井堂に対し,前記アの損害額925万3624円の6割に当たる555万2174円の賠償責任を負っていたものというべきである。 ウ弁護士費用前記イの過失相殺後の損害認容額及び本件訴訟の経過等に照らすと,本件訴訟の原告垂水亀井堂にかかる弁護士費用は56万円が相当であり,これを上記不法行為と相当因果関係のある原告垂水亀井堂の損害と認めるのが相当である。 エ結論したがって,脱退被告は,原告垂水亀井堂に対し,損害金合計611万2174円及び内金555万2174円に対す ある原告垂水亀井堂の損害と認めるのが相当である。 エ結論したがって,脱退被告は,原告垂水亀井堂に対し,損害金合計611万2174円及び内金555万2174円に対する不法行為の日の後であり,かつ,訴状送達の日の翌日であることが記録上明らかな平成5年3月25日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の賠償責任を負っていたものであるから,脱退被告から吸収分割により本件訴訟の目的である損害賠償義務を承継した被告は,原告垂水亀井堂に対し,上記のとおり賠償責任を負うものというべきである。 (6) 乙事件原告についてア基礎となる損害額乙事件原告は,別紙乙事件原告ワラント取引状況記載のとおり,本件ワラント(乙事件原告)の取引を行ったところ,その購入代金の合計4628万5669円から,一部のワラントを売却して得た利益の合計3680万6196円を損益相殺した947万9473円をもって,上記不法行為と相当因果関係のある乙事件原告の損害と認めるのが相当である。 イ過失相殺前記のとおり,J及びKの勧誘行為は,ワラントの危険性についての説明が不十分であった点において違法なものであるうえ,本件ワラント(乙事件原告)の取引当時,乙事件原告の投資経験がわずか5か月余しかなかったことからすると,Kが,ワラントがユーロドル建ての新株引受権であることやワラントは株価以上に値動きの幅が大きいことなど,ワラントに関し,ある程度の説明をしたことを考慮しても,J及びKの過失ないし違法性の程度は軽視することができない。 他方,乙事件原告がKに対し,損失を取り戻すことを求めたことにより,本件ワラント(乙事件原告)の取引が助長されたと考えられるうえ, 失ないし違法性の程度は軽視することができない。 他方,乙事件原告がKに対し,損失を取り戻すことを求めたことにより,本件ワラント(乙事件原告)の取引が助長されたと考えられるうえ,京阪電鉄ワラント52の購入直後,冊子「外貨建てワラントその魅力とポイント」(乙4の1)と同じものを受け取ったのであるから,その内容を検討することにより,ワラントの危険性を容易に認識することができたのに,これを読むことなく放置し,更に,平成4年1月ころ,ワラントの時価評価額が下がっていることを知ったのに,ワラントを売却しなかった結果,その損害が拡大したものである。 そうすると,乙事件原告にも相応の過失があったものというべきであり,その過失割合は,前記の諸事情のほか,Kがまだ期間があるから取り戻せるチャンスがある旨言ったことが乙事件原告及びL名義の三菱商事ワラント24の売却を妨げた一因となったこと,その他本件に顕れた一切の事情を考慮すると,4割と認めるのが相当である。 したがって,脱退被告は,乙事件原告に対し,前記アの損害額947万9473円の6割に当たる568万7683円の賠償責任を負っていたものというべきである。 ウ弁護士費用前記イの過失相殺後の損害認容額及び本件訴訟の経過等に照らすと,本件訴訟の乙事件原告にかかる弁護士費用は57万円が相当であり,これを上記不法行為と相当因果関係のある乙事件原告の損害と認めるのが相当である。 エ結論したがって,脱退被告は,乙事件原告に対し,損害金合計625万7683円及び内金568万7683円に対する不法行為の日の後であり,かつ,訴状送達の日の翌日であることが記録上明らかな平成5年3月25日から支払済みまで民 告は,乙事件原告に対し,損害金合計625万7683円及び内金568万7683円に対する不法行為の日の後であり,かつ,訴状送達の日の翌日であることが記録上明らかな平成5年3月25日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の賠償責任を負っていたものであるから,脱退被告から吸収分割により本件訴訟の目的である損害賠償義務を承継した被告は,乙事件原告に対し,上記のとおり賠償責任を負うものというべきである。 第4 結語よって,原告らの本訴請求は本判決主文第1ないし第7項の限度でいずれも理由があるからこれらを認容することとし,その余の請求はいずれも理由がないからこれらを棄却することとし,訴訟費用の負担について民訴法61条,64条本文,65条1項本文を,仮執行の宣言について同法259条1項をそれぞれ適用し,仮執行免脱宣言の申立ては相当でないからこれを却下することとして,主文のとおり判決する。 神戸地方裁判所第六民事部裁判長裁判官松村雅司裁判官水野有子裁判官増田純平
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