昭和52(も)1 刑事補償請求

裁判年月日・裁判所
昭和52年6月20日 最高裁判所第一小法廷 決定 その他 最高裁判所 昭和48(あ)1158
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【DRY-RUN】主    文      請求人に対し、金三万八四〇〇円の補償金を交付する。          理    由  本件補償請求の要旨は、請求人は、昭和四六年一月二九日窃盗被告事件について 公訴を提起され、

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判決文本文1,715 文字)

主文 請求人に対し、金三万八四〇〇円の補償金を交付する。 理由 本件補償請求の要旨は、請求人は、昭和四六年一月二九日窃盗被告事件について公訴を提起され、昭和五二年三月一七日最高裁判所において無罪の判決の言渡を受けたものであるが、昭和四六年一月一九日から同年二月四日までの間及び昭和四七年一一月七日の合計一八日間の未決の拘禁を受けているから、その日数に応じ、一日当り金三二〇〇円の割合による刑事補償を求める、というのである。 よつて、請求人に対する前記窃盗被告事件(最高裁判所昭和四八年(あ)第一一五八号)記録を調査するに、請求人は、昭和四六年一月一九日「他人と共謀のうえ、昭和四五年五月一五日ころ、東京都八王子市a町b番地A株式会社B研究所C室倉庫において、同研究所長D管理の動力電線三〇キロ位を窃取した」との事実により逮捕され、昭和四六年一月二一日右被疑事実により勾留されたが、同月二九日「他人と共謀のうえ、昭和四四年九月二五日ころ、横浜市c区de丁目f番地E工事現場内F株式会社現場事務所西側資材置場において、G管理の排水用鉛管約四一本を窃取した」との事実により勾留のまま公訴を提起され、即日右事実により改めて勾留され、昭和四六年二月四日保釈許可により釈放されるまで引き続き勾留されていたこと、その後同被告事件につき八王子簡易裁判所及び東京高等裁判所は各有罪の判決を言い渡したが、昭和五二年三月一七日最高裁判所第一小法廷において無罪の判決が言い渡され、同判決は同月二九日確定したこと、右逮捕及び昭和四六年一月二一日付勾留の基礎となつた窃盗被疑事実は不起訴となつたが、右勾留期間中の同月二四日以降請求人は無罪となつた事実の取調べを受けていること、以上の事実が認められる。ところで、刑事補償法一条にいう「未決の抑留又 勾留の基礎となつた窃盗被疑事実は不起訴となつたが、右勾留期間中の同月二四日以降請求人は無罪となつた事実の取調べを受けていること、以上の事実が認められる。ところで、刑事補償法一条にいう「未決の抑留又は拘禁」中には、無罪となつた公訴事実に基く抑留又は拘禁はもとより、たとえ不起訴となつた事実に- 1 -基く抑留又は拘禁であつても、そのうちに実質上は、無罪となつた事実についての抑留又は拘禁であると認められるものがあるときは、その部分の抑留及び拘禁もまたこれを包含するものと解するのを相当とする(最高裁判所昭和三〇年(し)第一五号同三一年一二月二四日大法廷決定・刑集一〇巻一二号一六九二頁)。本件公訴提起前の逮捕及び勾留は、不起訴となつた事実に基くものであるが、昭和四六年一月二四日以降請求人は無罪となつた事実の取調べを受けているので、右勾留中同日以降の部分は、実質上、無罪となつた事実による勾留と認めるのが相当である。してみると、請求人に対しては、無罪となつた公訴事実により勾留された公訴提起の日以後の拘禁についてはもとより、公訴提起前の勾留のうち同月二四日以降の拘禁についても、補償をすべきことになる。本件請求のうち、同月一九日から二三日までの逮捕及び勾留による補償を求める部分は、右逮捕及び勾留は無罪となつた事実に基くものではなく、また、第一審判決言渡当日である昭和四七年一一月七日の補償を求める部分は、請求人を拘禁した事実がないので、いずれも失当である。 よつて、請求人に対しては、昭和四六年一月二四日から同年二月四日までの一二日間につき、刑事補償法一条による補償をすべき場合に該当するから、当裁判所は、同法四条二項所定の事情を考慮し、請求人の受けた拘禁の日数に応じ、一日金三二〇〇円の割合による額の補償金合計三万八四〇〇円を請求人に交付するのを相当と認 補償をすべき場合に該当するから、当裁判所は、同法四条二項所定の事情を考慮し、請求人の受けた拘禁の日数に応じ、一日金三二〇〇円の割合による額の補償金合計三万八四〇〇円を請求人に交付するのを相当と認め、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。 昭和五二年六月二〇日最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官岸上康夫裁判官団藤重光裁判官藤崎萬里- 2 -

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