平成15(行ウ)18 法人税更正処分等取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成18年2月13日 福岡地方裁判所 租税
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判決文本文26,106 文字)

- 1 -主文 本件訴えのうち,被告が平成14年9月24日付でした原告に対する平成13年1月1日から同年12月31日までの事業年度に係る法人税の更正処分のうち,所得金額1億2388万7436円,納付すべき税額4003万1100円を超えない部分の取消しを求める部分を却下する。 被告が平成14年9月24日付でした原告に対する平成13年1月1日から同年12月31日までの事業年度に係る法人税の更正処分のうち,所得金額1億2490万9999円,納付すべき税額4036万0700円を超える部分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,3万2000円を超える部分(いずれも裁決により一部取り消された後のもの)をいずれも取り消す。 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は被告の負担とする。 事実 及び理由第1当事者の求めた裁判 請求の趣旨(1)被告が平成14年9月24日付でした原告に対する平成13年1月1日から同年12月31日までの事業年度に係る法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分(いずれも裁決により一部取り消された後のもの)を取り消す。 (2)訴訟費用は被告の負担とする。 請求の趣旨に対する答弁(本案前)(1)主文第1項と同旨(2)訴訟費用は原告の負担とする。 - 2 -(本案)(1)原告の請求をいずれも棄却する。 (2)訴訟費用は原告の負担とする。 第2当事者の主張 請求原因(1)原告は被告に対し,平成13年1月1日から同年12月31日までの事業年度(以下,本件事業年度という。)に係る法人税について,青色の確定申告書により,所得金額を1億2388万7436円,納付すべき税額を4003万1100円として,法定申告期限までに確定申告をした。 (2)被告は,平成14年9月 。)に係る法人税について,青色の確定申告書により,所得金額を1億2388万7436円,納付すべき税額を4003万1100円として,法定申告期限までに確定申告をした。 (2)被告は,平成14年9月24日付で所得金額を2億1813万8222円及び納付すべき税額を7235万5200円とする更正処分及び過少申告加算税の額を323万2000円とする賦課決定処分(以下,本件更正処分等という。)をした。 (3)原告は,平成14年11月21日,国税不服審判所長に対し,審査請求をしたところ,同所長は,平成15年6月12日付で,本件更正処分等の一部を取り消す旨の裁決をし(裁決により取り消す本税の額102万4900円,加算税の額10万3000円,以下,本件裁決という。),原告は,そのころ,裁決書の送達を受けた。 (4)しかしながら,被告のした本件更正処分等(いずれも本件裁決により一部取り消された後のもの,以下,同じ)は,新工場建設にかかる開発行為の許可を受ける際に支出した用水路整備費用(以下,本件用水路整備費用という。)につき,これを繰延資産に該当するとしている点で違法である。 (5)よって,原告は,本件更正処分等の取消しを求める。 本案前の答弁の理由(1)更正処分は,当該納税者の当該年分の課税標準・税額を全体的に変更する処分であり,その効力は,更正処分によって決定された税額の全部に及ぶも- 3 -のと解すべきである。そうすると,更正処分取消しの訴えの訴訟物は,当該更正処分で決定された税額の全体に及ぶことになるが,その税額のうち,申告税額を超えない部分については,納税者が自ら納税義務を確定させているのであるから,その部分については,訴えの利益はない。 (2)よって,原告に対する平成14年9月24日付の更正処分のうち,原告の申告額を超えない部 分については,納税者が自ら納税義務を確定させているのであるから,その部分については,訴えの利益はない。 (2)よって,原告に対する平成14年9月24日付の更正処分のうち,原告の申告額を超えない部分の取消しを求める部分については,却下されるべきである。 本案前の答弁の理由に対する認否・反論本案前の答弁の理由は争う。 更正処分の後に増額再更正処分がなされた場合には,再更正処分によって全体の税額が決定され,当初の更正処分は再更正処分に吸収されて消滅することになるから(吸収説),当初の更正処分に対する取消しの訴えが係属中に増額再更正処分がなされると,その訴えは却下されるので,納税者は改めて再更正処分に対する取消しの訴えを提起しなければならない。 しかしながら,納税申告の後に更正処分がなされた場合については,吸収説によるのは正当ではない。納税申告と更正処分の場合においては,納税申告に対する救済手続である「更正の請求」を棄却する処分に対する取消しの訴えの係属中に増額再更正処分がなされても,従前の訴えはそのまま維持され,これに加えて増額再更正処分取消しの訴えが提起されると,2つの訴えは異なる要件のもとにそれぞれ並行して審理されなければならない。 本件の場合,原告は確定申告によって確定された税額には不服がなく,更正処分によって増額された税額に対してだけ訴訟を提起しているのであり,この場合にも吸収説によるのが不当であることは,明らかである。 さらに,本件訴訟の審理の対象は,確定申告後の更正処分によって増額された部分(ただし,本件裁決によって一部取り消された部分を除く。)であるから,被告の主張は理由がない。 - 4 - 請求原因に対する認否(1)請求原因(1),(2)の各事実は認める。 (2)同(3)の事実のうち,原告がそのころ裁決書の送達を受 分を除く。)であるから,被告の主張は理由がない。 - 4 - 請求原因に対する認否(1)請求原因(1),(2)の各事実は認める。 (2)同(3)の事実のうち,原告がそのころ裁決書の送達を受けたことは不知,その余は認める。 (3)同(4)は争う。 被告の主張(1)前提となる事実関係①原告は,昭和28年4月24日に設立された清涼飲料水の製造販売を業とする法人であり,代表取締役は,Aである。 原告の本店所在地は,従前,福岡市α××番27号であったが,平成14年6月30日,肩書住所地に移転した。 ②原告は,平成12年10月6日,肩書住所地付近に所在する土地に新工場を建設するための開発行為の許可(以下,本件許可という。)を受け,その後,同年11月15日,平成13年1月16日,同月29日,同年8月8日及び平成14年2月8日,開発行為の変更許可を受けた。 なお,前原市長は,福岡県知事宛の本件許可に係る開発行為許可申請書を平成12年7月31日に収受した。 ③原告は,上記新工場建設用地を南北に流れる中央用水路の一部を通路として使用するため,前原市長に対し,平成12年6月16日付で占用申請を行い,同市長は,平成13年3月8日付で占用許可をした。 ④ア原告は,平成14年2月21日,被告に,新工場建設に伴って支出した費用(本件用水路整備費用を含む。)の取扱いについて照会した。 イ被告は,法人税法基本通達7-3-11の2に照らして,すべて繰延資産として償却すべきであり,国等に対する寄附金とは認められないと回答した。 ウ被告の回答にもかかわらず,原告は,本件事業年度において,本件用- 5 -水路整備費用1億0218万7697円を寄附金として損金の額に算入した。 (2)課税の経緯①原告は,本件事業年度に係る法人税について,法人税の確 原告は,本件事業年度において,本件用- 5 -水路整備費用1億0218万7697円を寄附金として損金の額に算入した。 (2)課税の経緯①原告は,本件事業年度に係る法人税について,法人税の確定申告をし(請求原因(1)),被告は,本件更正処分等を行った(請求原因(2))。 法人税法37条4項(本件更正処分等の当時は,3項)1号には,「地方公共団体に対する寄附金」の額については,その支出をした事業年度の損金の額に算入される旨規定されているが,同号により損金の額に算入される寄附金とは,名義のいかんを問わず,対価性のない金銭その他の資産又は経済的利益の給付又は供与をいうものと解されており,地方公共団体に提供された金銭その他の資産又は経済的利益の給付又は供与であっても,その寄附によって設けられた設備を専属的に利用することその他特別の利益が寄附をした法人に及ぶと認められるものについては,対価性を有するため,同号により損金の額に算入される寄附金の額から除くこととされている。被告は,原告の本件用水路整備費用については,対価性を有することから,寄附金に該当しないと判断した。 そして,被告は,法人税法施行令14条1項9号イにより,上記費用は,繰延資産に該当すると判断し,法人税法基本通達7-3-11の2(3)(宅地開発等に際して支出する開発負担金等)を適用し,償却期間を8年とした。 ②原告は,審査請求を行い,国税不服審判所長は,本件裁決をしたが(請求原因(3)),本件裁決も,本件用水路整備費用を寄附金ではなく,繰延資産と認定したが,償却期間を6年としたため,一部取消がなされた。 ③原告は,本件裁決を不服として,平成15年9月16日,福岡地方裁判所に本件訴訟を提起した。 (3)本件更正処分等の適法性- 6 -①本件用水路の位置関係,機能による ,一部取消がなされた。 ③原告は,本件裁決を不服として,平成15年9月16日,福岡地方裁判所に本件訴訟を提起した。 (3)本件更正処分等の適法性- 6 -①本件用水路の位置関係,機能による便益について本件用水路(別紙図面1(甲19の29)の水色の線,このうち,工場中央部に存在するのが中央用水路,南側に存在するのが南側用水路である。)は,すべて原告の工場に接着しており,このような本件用水路の位置関係及びその役割からすると,本件用水路の整備によって第1次的に便益を受けるのは原告である。本件用水路の整備が不十分であれば,用水路からの溢水,用水路の決壊などの被害が生ずる危険があり,これにより敷地への浸水,地盤の崩壊等の被害に晒されるのは,原告の工場である。 なお,原告は,用水路からの溢水や工事用敷地への浸水はあり得ない旨主張するが,用水路には,雨水のみならず,上流の土砂,木材,ごみ等が流入することにより,容易に溢水することは,経験則上明らかであり,また,工場の基礎工事が不十分であれば,地盤の崩壊の危険が生ずることもあり得るのであって,本件用水路の整備によって,原告が便益を受けているのは明らかである。 他方,原告は,新工場建設用地が埋立てにより堤防よりも1メートル高くなったため,本件新工場建設用地南側の上流地域の水田に水没の危険を生じさせたことを自認しているところ,南側用水路の水は,周囲の川原川,端梅寺川には注がず,すべて中央用水路に注ぐ構造になっており(甲19の3,6),南側用水路及び中央用水路の深さ,幅が水量に応じて拡張されていることから,河川氾濫による原告の損害を回避するとともに,周辺住民に対する損害賠償責任を回避する役割を担っているのであり,将来の賠償問題が生ずるおそれを極力回避することを視野に入れて,本件用水路の整備を行っ ,河川氾濫による原告の損害を回避するとともに,周辺住民に対する損害賠償責任を回避する役割を担っているのであり,将来の賠償問題が生ずるおそれを極力回避することを視野に入れて,本件用水路の整備を行ったものである。 ②本件許可を受けるための不可欠の費用であること前原市開発行為等に関する指導要綱18条(乙7)は,事業主は,開発事業施行前に地元住民及び利害関係者に対し,開発等の計画,工事の施工- 7 -方法,災害及び公害の防止対策,その他について協議し,開発事業に伴う紛争が生じないように留意するとともに,紛争が生じた場合は責任をもってこれを解決しなければならない(1項),事業主は前項の協議の際,必要なものについては,同意又は承諾を得なければ開発事業に着手してはならない(2項)と定めている。また,都市計画法32条1項は,開発許可を申請しようとする者は,あらかじめ,開発行為に関係がある公共施設の管理者と協議しその同意を得なければならないと定めている。したがって,原告が本件許可を受けるためには,地元住民及び前原市の同意が不可欠であった。 そして,原告の新工場は,川原川,端梅寺川に挟まれた約7万平方メートルの中州部分を埋め立てて建設されたのであるが,中州部分は,従来,大雨の際に遊水機能を果たしていたことから,新工場建設に当たって,近隣の住民から,大雨等による洪水被害等の発生を懸念し,万全の対策を講じることや被害発生時には十分な補償を行うことを要望する意見書が原告に提出されていた(乙8,9)。そこで,原告は,近隣住民との協議を行い,洪水被害等の発生を防止するための万全の対策を講じる約束をしなければ,地元住民の同意,ひいては,前原市の同意を得ることはできなかった。 こうした状況下において,原告は,近隣住民の水路の位置を変えないで,しかも,水害発生 するための万全の対策を講じる約束をしなければ,地元住民の同意,ひいては,前原市の同意を得ることはできなかった。 こうした状況下において,原告は,近隣住民の水路の位置を変えないで,しかも,水害発生防止のため,拡幅,補強をしてもらいたいとの強い要望を受け入れ,本件用水路の拡幅,補強工事を行った。 そうすると,本件用水路の整備が地元住民の強い要望によるものであるとしても,これを受け入れなければ,新工場建設用地の埋立ての同意を得ることができず,ひいては,前原市から本件許可を得ることは不可能であった。したがって,本件用水路整備費用は,前原市から本件許可を受けるために不可欠の対価であった。 - 8 -③暗渠構造について建設省所管国有財産事務の手引(乙6,77ページ)によれば,付替水路は原則として開渠とすべきところ,原告は中央用水路に分断されている新工場建設用地を有効利用するための通路を確保する必要から,地元住民の了解を得て,前原市長に対し,原則に反した暗渠構造として許可するよう求めていた。すなわち,原告は,元々,新工場建設用地を分断する水路の付替を希望していたが,地元住民の反対からこれが適わず,その代替手段として,中央用水路を残し,原則として許可されない暗渠構造とすることを計画し,地元住民の了解を得て,前原市長に許可を求めたのである。 このように,新工場建設用地を分断する中央用水路を暗渠構造にすることによって,工場が東側と西側に分断されることを防ぎ,中央用水路の上部を通路として有効利用することも可能になるのであるから(自動車加重25トンのトラックが通行可能の程度に整備された。),原告が便益を受けるために中央用水路整備費用が支出されたことは明らかである。 原告は,原告が中央用水路の一部の上を通行しているのは,前原市長から通路の占用許可を受け, 通行可能の程度に整備された。),原告が便益を受けるために中央用水路整備費用が支出されたことは明らかである。 原告は,原告が中央用水路の一部の上を通行しているのは,前原市長から通路の占用許可を受け,3年間40万0876円の使用料を支払って得ている便益であり(甲14の1),中央用水路から受ける便益には当たらないと主張するが,上記使用料は,中央用水路の上部の通路を原告が独占的・排他的に使用することの対価に過ぎないのであり,中央用水路を暗渠構造にしなければ,原告がその上部を通路として利用することはできず,したがって,独占的・排他的使用の許可を得ることもできなかったのであるから,中央用水路を暗渠構造とするための費用が,原告に便益を与えていることは明らかである。 なお,原告は,暗渠構造にした理由の1つは,原告の従業員の転落防止であり,まさに原告の便益を図ることにあったことを自認するものである。 また,付近住民の転落防止というもう1つの理由については,将来の賠償- 9 -問題を極力回避するという視点が含まれており,これも原告の便益と評価することができる。 さらに,原告は,新工場建設の際,工場立地法による緑地の制限があり,中央用水路上の通路部分以外が緑地帯であり,この緑地帯部分を含めて工場立地法の制限をクリアすることを前提として,工場立地法に基づく申請書等を作成していた。原告は,中央用水路を暗渠構造にすることによって,その上部の通路以外の占用許可を受けていない部分を造成計画の段階で,緑地帯として確保して,工場立地法に基づく緑地面積率をクリアしたのであり,占用許可を受けていないといいながら中央用水路の通路部分以外の緑地帯からも便益を受けているのである。 なお,β工場工場全体見取図(乙11,5枚目)及び緑地求積図(乙13の3)によれば,工場の外縁部はす 用許可を受けていないといいながら中央用水路の通路部分以外の緑地帯からも便益を受けているのである。 なお,β工場工場全体見取図(乙11,5枚目)及び緑地求積図(乙13の3)によれば,工場の外縁部はすべて緑地帯となっており,しかも,中央用水路が暗渠構造から開渠構造になる部分において,新たな建物が建築中であり,新たに中央用水路上部の緑地帯部分に相当するだけの緑地帯を設置すべき遊休地はない。 ④中央用水路等に排水していること原告は,工場用水,生活排水を浄化施設から中央用水路に,ボーリングの水質検査の余水を南側用水路にそれぞれ排水しているのであり,この点でも,原告が本件用水路から便益を得ていることは明らかである。 原告は,中央用水路に排水することにより便益を受けたのではなく,逆に不利益を受けたと主張するが,原告主張のような行政指導がなされた事実はない上,仮に,そのような行政指導があったとしても,原告は,前原市から開発許可を受けるために,これに従い,福岡県知事に対しては,自ら,「新工場の汚水は浄化槽にて処理を行い中央の水路に放流する」旨記載した開発行為許可申請書を提出するなどこれを受忍しているのであるから,行政指導に不満があるからといって,原告が便益を得ていることを否- 10 -定することはできない。 ⑤以上のとおり,①本件用水路の位置関係,機能からみて,原告が第1次的に便益を得ており,②本件用水路整備費用は,本件許可を受ける前提としての地元住民の同意を得るための不可欠の費用であり,③中央用水路を暗渠構造にしたのは,原告が水路上部を通路等として有効利用するために不可欠であり,④原告は工場排水等を中央用水路等に排水し便益を得ているのであるから,本件用水路整備費用は,原告が便益を受ける公共施設の工事費用の支出であり(法人税法施行令14条1項9 利用するために不可欠であり,④原告は工場排水等を中央用水路等に排水し便益を得ているのであるから,本件用水路整備費用は,原告が便益を受ける公共施設の工事費用の支出であり(法人税法施行令14条1項9号イ),当該支出には,対価性がある。 よって,本件用水路整備費用は,寄附金ではなく,繰延資産であるから,本件更正処分等は適法である。 (4)法人税の計算過程及び根拠別紙「法人税の計算過程及び根拠1」のとおり(5) 結論 以上のとおり,本件更正処分等は適法であって,原告の主張は理由がない。 被告の主張に対する認否・反論(1)被告の主張(1),(2)の各事実は認める。 ただし,(1)④イ,(2)①については,被告が本件用水路整備費用を寄附金とは認められないと回答したのは,更正処分に付記された理由によるものであった。 (2)①同(3)①の主張のうち,本件用水路の位置関係は認めるが,その余は争う。 原告は,新工場建設用地を造成するに際し,その東側に接する川原川と西側に接する端梅寺川の堤防より約1メートル高くなるように埋め立てた。 そのため,水路からの溢水や工場敷地への浸水はあり得ない。また,水路自体の決壊や地盤の崩壊を防ぐためであれば,水路に沿って擁壁を設置す- 11 -ればよいのである。原告が本件用水路を整備したのは,大雨が降った場合に新工場建設用地により雨水がせき止められ,南側上流地域にある水田が水没することを防ぐためである。 なお,被告は,南側用水路の拡幅について,原告は河川氾濫の際の農作物に対する被害の補償責任を回避するという意味で便益を受けていると主張するが,原告は,付近の田畑の農作物に対する被害を防止すべく拡幅を行ったのであり,それにより補償責任が回避されるというのは派生的効果に過ぎない。 ②同②の主張は争う。 被告の主張は, ていると主張するが,原告は,付近の田畑の農作物に対する被害を防止すべく拡幅を行ったのであり,それにより補償責任が回避されるというのは派生的効果に過ぎない。 ②同②の主張は争う。 被告の主張は,被告が本件更正処分において行った主張と同趣旨であるが,それが不当であることは,本件裁決の次の判断からも明らかである。 「原処分庁は,請求人が本件用水路整備費用の支出の対価として本件許可を得るという特別の利益を受けていることを理由として,本件用水路整備費用が繰延資産に該当し,寄附金には該当しないとしているが,宅地開発等の許可を受けるために地方公共団体に対して,その宅地開発等に関連して支出されたものであっても,開発地域外であり,かつ,利用関係もない公共的施設の建設等のように対価性の認められない支出があることにかんがみれば,当該理由は相当でなく,その趣旨から法人税基本通達7-3-11の2は,本文かっこ書において,当該負担金等から純然たる寄附金の性質を有するものを除いているところである。」③同③の主張のうち,中央用水路の一部が暗渠構造であることは認めるが,その余は争う。 中央用水路は,南側の暗渠部分と北側の開渠部分とがあるが,被告の主張は,開渠部分には当てはまらない。 また,中央用水路のうち,暗渠部分は,現在,その上部は,通路部分と緑地帯部分からなっている。通路部分については,通路として利用するた- 12 -めだけであれば,橋梁構造でもよく,現に,工場への引込み道路のうち,川原川をまたぐ部分には橋が架けられている。被告の主張は,暗渠にしなければ通路にできないことを前提にするようであるが,そのようなことはない。 中央用水路のうちの南側部分は,造成計画の段階で,既にボックスカルバートを採用することが決定され,暗渠構造にすることになっていたのであり, ないことを前提にするようであるが,そのようなことはない。 中央用水路のうちの南側部分は,造成計画の段階で,既にボックスカルバートを採用することが決定され,暗渠構造にすることになっていたのであり,それは,通路以外の部分を緑地帯にするためであったと考えられる。 すなわち,現在の工場用地の地表は,ボックスカルバートの底面(もとあった素堀の水路の底の高さと同じ)から計ると約3メートルの高さであるから,原告の従業員(工場用地に接する部分)や付近の住民(道路に接する部分)の転落を防ぐため,暗渠構造にし,地表に樹木を植栽して緑地帯にすることにしたと考えられる。なお,原告は,緑地帯部分の占用許可を受けておらず,同部分を使用することはできない。 大規模開発の場合,開発区域内にある水路や里道等の公共施設は付替又は払下を行うのが通常である。本件の場合,里道については,払下がなされたが,原告としては,水路についても付替を行い,中央用水路の位置にあった素堀の水路を閉鎖し,上流(南側)からの水を川原川に排水する予定であったが,周辺の住民が従前の位置に水路を残すように強く要望したため,原告がこれを受け入れて,中央用水路が設置されたのである。 したがって,中央用水路を暗渠構造にするかどうかという以前に,中央用水路が残り,工場用地がこれによって2分されたこと自体が原告にとって不利益となるのである。 なお,原告が中央用水路の一部の上を通行しているのは,前原市長から通路の占用許可を受け,3年間40万0876円の使用料を支払って得ている便益であり(甲14の1),中央用水路から受ける便益には当たらない。 - 13 -被告は,中央用水路の上に設置された緑地部分を加えないと全体の緑地部分の面積が本件工場用地の面積の20パーセントを超えないと主張するもののようであるが,緑地部分の 益には当たらない。 - 13 -被告は,中央用水路の上に設置された緑地部分を加えないと全体の緑地部分の面積が本件工場用地の面積の20パーセントを超えないと主張するもののようであるが,緑地部分の面積を工場用地の20パーセント以上にしさえすればよく,これをわざわざ工場用地の中央部に設置しなければならないということはなく,中央用水路が設置されていなければ,その上の緑地部分に相当する分を工場の外縁部に設置すればよいのであるから,本件工場用地を分断する中央用水路上の緑地部分は,本件工場の利便性を阻害するものである。 ④同④のうち,原告が工場用水,生活排水を浄化施設から中央用水路に,ボーリングの水質検査の余水を南側用水路にそれぞれ排水していることは認めるが,その余は争う。 原告としては,中央用水路の拡幅がなくても,これらの排水をすることができたのであるから,中央用水路の拡幅によって便益を受けたことにはならない。 原告の浄化施設は,本件工場用地の南東角に位置しており,原告としては,浄化施設から直接東側の川原川に放流する方が,パイプ敷設の距離が短く費用も安いにもかかわらず,前原市の行政指導に従って(甲10の5項,甲11の3項),浄化施設から遠い中央用水路までパイプを敷設せざるを得なくなり,そのための費用も増大したのであって,中央用水路に放流することによって便益を受けるどころか,不利益を受けたのである。 ボーリングの水質検査の余水の排水は,一時的なものに過ぎず,南側用水路の拡幅がなかったとしても可能なものである。 なお,中央用水路の機能は,主として,南側の田からの農業用水,雨水の排水である。 ⑤同⑤の主張は争う。 なお,本件における原告の確定申告は,青色であり(乙1),被告の本- 14 -件更正通知書(乙2)には,本件用水路整備費用が繰延資産に 田からの農業用水,雨水の排水である。 ⑤同⑤の主張は争う。 なお,本件における原告の確定申告は,青色であり(乙1),被告の本- 14 -件更正通知書(乙2)には,本件用水路整備費用が繰延資産に該当する理由について,「用水路整備費用についても,新工場の建設に際して行った開発許可申請において,都市計画法第32条に基づき前原市の同意協議を求めるために支出したものであり,自己が便益を受けるために支出する費用であることから,繰延資産に該当することとなります」と附記されているところ,被告は,本件訴訟において,被告の主張(3)①ないし④のとおり主張しているが,②以外は,本件更正通知書に附記された理由と同一性のないものであり,②は,本件更正通知書に附記された理由を大幅に補充し,拡張したものであって,同一性がなく,差し替えは許されない。 (3)同(4)については,本件用水路整備費用を繰延資産であるとし,寄附金と認めていない点を争う。 (4)同(5)は争う。 第3 判断 被告の本案前の答弁について請求原因(1)の事実は,後記2のとおり当事者間に争いがないから,申告税額を超えない部分については,原告自らが納税義務を確定させているということになり,その部分については訴えの利益がないというべきである(福岡高等裁判所平成元年3月16日判決)。なお,原告も,本件訴訟が,右部分についての取消しを求めるものではないことを認めている。 請求原因(1),(2)の各事実,同(3)の事実のうち,原告が平成14年11月21日,国税不服審判所長に対し,審査請求をしたところ,同所長が本件裁決をしたことは当事者間に争いがなく,証拠(甲1,2)と弁論の全趣旨によれば,同裁決書謄本は,平成15年6月19日ころ,原告に送達されたことが認められる。 被告の主張(1),(2 同所長が本件裁決をしたことは当事者間に争いがなく,証拠(甲1,2)と弁論の全趣旨によれば,同裁決書謄本は,平成15年6月19日ころ,原告に送達されたことが認められる。 被告の主張(1),(2)の各事実は,当事者間に争いがない。 本件更正処分等の適法性について(被告の主張(3))- 15 -本件の争点は,本件用水路整備費用が,繰延資産に該当するか(被告の主張),寄附金に該当するか(原告の主張)である。 (1)上記2,3の争いのない事実と証拠(甲2,9ないし25(枝番を含む。 以下,同じ),乙2,5,7ないし15,原告代表者)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 ①本件用水路整備費用は,本件許可にかかる開発地域内及び開発地域に隣接している既存の用水路を拡幅整備した費用であり,その工事のうち,中央用水路に施工された工事は,既存の用水路を掘削し,コンクリート製の基礎を造り,その上部に1辺1.5メートルのボックスカルバート(暗渠)を埋め込み,その上に約2.5メートル覆土し,表面をコンクリート敷きとし,7か所の通路以外は,回りを縁石で囲い,その内側に植栽し,緑地帯にするというものであった(なお,原告は,中央用水路上の緑地帯の面積を含めて,工場立地法の緑地面積率20パーセントを超えるとして,工場立地法に基づく申請(乙13)をしている。)。 ②新工場建設用地付近の従前の状況は,別紙図面2(甲15)のとおりであり,新工場建設後の状況は,別紙図面1(甲19の29)のとおりである。本件用水路は,別紙図面1の水色線付近に存在し(工場中央部に存在するのが中央用水路,南側に存在するのが南側用水路である。),矢印のように水が流れている。 本件新工場建設用地は,西側の瑞梅寺川と東側の川原川に挟まれた中州部分(約7万平方メートル)であったた 存在するのが中央用水路,南側に存在するのが南側用水路である。),矢印のように水が流れている。 本件新工場建設用地は,西側の瑞梅寺川と東側の川原川に挟まれた中州部分(約7万平方メートル)であったため,原告は,河川が増水しても新工場が冠水することのないよう,両川岸の堤防の高さより約1メートル高くなるように埋め立てることにした。 また,原告の当初の計画では,水路については付替を行い,現在の中央用水路の位置にあった素堀の水路を閉鎖し,上流(南側)から流れてくる水を川原川に排水することになっていた。 - 16 -③原告が,新工場建設用地の農業振興地域除外申請を行ったところ,近隣に所在するγ町内会は,原告に対し,平成7年10月,「農業振興地除外申請の条件付承諾に対する意見書」(乙8)を提出し,農業環境及び災害防止の観点から,用地を埋め立てるに際し,大雨による上流からの洪水により農地,農作物等に被害が発生しないよう,用水路の拡幅を含めての工事について十分な調査を行い工事に着手すること,原告が埋立工事を行った後,大雨等による河川決壊等で農地,農作物等に被害が発生した場合,原告は,地権者に対し十分な補償を行うこと等の条件を付けて,農業振興地域除外申請につき承諾した。 また,地元農業委員,δ行政区長,δ農区長,δ水利委員らも,平成7年11月6日,同趣旨の意見書(甲12)を提出した。 そのため,原告は,近隣住民等の要望を受け入れ,水路の付替をしないこととし,大雨が降った場合に,南側上流域の農地や農作物に水没による被害が及ばないように,水害防止を可能とする程度の流量を確保した上で,従前の水路の位置に中央用水路を設置するとともに,南側用水路を整備することにした。 ④原告は,平成11年10月18日に,福岡県土木部用地課と協議を行ったが,その際,福岡県は, 流量を確保した上で,従前の水路の位置に中央用水路を設置するとともに,南側用水路を整備することにした。 ④原告は,平成11年10月18日に,福岡県土木部用地課と協議を行ったが,その際,福岡県は,原告に,中央用水路は,計画では暗渠であるが,管理上の問題があるため,原則として認められないものの,暗渠であっても適切な維持管理ができる構造であれば認めることも考えられるため,暗渠にできるのかどうか,できるとすれば,どのようなものかについて検討すること,中央用水路には外部から入れるようにする必要があること,中央用水路は,全面占用することはできないが,必要最小限の横断通路部分の占用は可能であること等を伝えた。 ⑤前原市開発行為等に関する指導要綱第5条には,「事業主は,関係法令等による申請又は届出を行う前若しくは開発事業を施行する前に,本要綱- 17 -に基づく公共・公益施設の基本計画及び費用負担ならびに維持管理等について協議し,市長の同意を得なければならない」と規定されているところ,原告は,前原市長に,平成11年11月8日付の「中央水路の暗渠化及び堤防敷き埋立,公園の設置について協議書」(乙5)を提出した。その内容は,用水路について,地元協議の中で,付替を含めたルートの変更を要望してきたが,現況どおりとの地元の要望が強く,現在の位置を変えずに施工することとする,新工場用地の利用の面から,中央用水路を暗渠構造とすることで地元の了解を得ている,用水路敷きについて必要最小限の幅を通路として占用許可を得たいというものであった。 ⑥原告が前原市長に対し,平成12年6月12日,開発行為に関する協議を求めたところ,前原市農林土木課長は,同月13日,都市計画法32条の協議書締結の事前確認として,大雨等の被害に関し,関係者と十分協議すること,中央用水路に布 12年6月12日,開発行為に関する協議を求めたところ,前原市農林土木課長は,同月13日,都市計画法32条の協議書締結の事前確認として,大雨等の被害に関し,関係者と十分協議すること,中央用水路に布設するボックスカルバートについては,一体利用しないこと(で施工に同意する),占用については,必要最小幅で申請を行うことという条件を付して,協議事項に同意し,その旨の書面(乙10)を作成した。 ⑦原告代表者は,平成12年6月6日,新工場建設予定地内の里道につき,国と売買契約を締結した(甲25)。 また,原告は,中央用水路の上の一部を通路として使用するため,前原市長に対し,平成12年6月22日付で占用申請(甲14の2)を行い,同市長は,平成13年3月8日付で占用許可(甲14の1)をした(占用許可面積376.7平方メートル,占用許可期間平成12年11月15日から平成15年3月31日まで,使用料40万0876円)。 ⑧原告は,平成12年10月6日,新工場建設用地に新工場を建設するための本件許可を受け,その後,同年11月15日,平成13年1月16日,同月29日,同年8月8日及び平成14年2月8日,開発行為の変更許可- 18 -を受けた。なお,前原市長は,福岡県知事宛の本件許可に係る開発行為許可申請書を平成12年7月31日に収受した。 ⑨原告は,新工場の汚水を浄化槽で処理し,中央用水路へ放流することにしており,福岡県知事に提出した本件許可に係る上記開発許可申請書にその旨記載した。 原告の新工場の浄化施設は,本件工場用地の南東角に位置しており,原告としては,浄化施設から直接東側の川原川に放流する方が,パイプ敷設の距離が短く費用も安かったが,前原市の行政指導(甲10の5項,甲11の3項)に従って,浄化施設から遠い中央用水路までパイプを敷設し,中央用水 浄化施設から直接東側の川原川に放流する方が,パイプ敷設の距離が短く費用も安かったが,前原市の行政指導(甲10の5項,甲11の3項)に従って,浄化施設から遠い中央用水路までパイプを敷設し,中央用水路に排水することになった。 ⑩前原市長は,平成14年11月18日,原告が本件許可に当たり行った本件用水路工事については,完成後,地元農業者の農業用水路として専ら利用されており,原告は利用していないのであって,当初の工場建設に必要があったためではなく,地元の要望にこたえるものであったとの原告の申出(甲13の1)に関し,そのとおり相違ない旨回答(甲13の2)した。また,そのころ,前原市ε水利組合長,前原市ε行政区長会会長も,前原市長と同様の見解(甲13の3,4)を示した。 ⑪前原市長は,審査請求手続の際の国税不服審判所からの照会に対し,用水路の整備については,法令又は条例等を根拠とするものではないが,開発区域及び隣接地に未整備水路があり,開発申請に当該未整備水路の整備計画がない場合は,行政指導として整備を要請することとしており,また,平成14年11月18日,上記のとおりの回答をした理由について,中央用水路等については,地元の要望どおり,付替を行わず現況の位置とし,水路断面の決定が上流域からの流出量に大きく作用されており,開発区域内の水路占用を車両通行部分しか許可せず,原告の敷地として一体利用できなくなっていることからである旨回答した(甲2)。 - 19 -⑫原告は,現在,工場用水,生活排水を浄化施設から中央用水路に排水しており,ボーリングの水質検査の余水を一時的に南側用水路に排水している。 (2)①繰延資産とは,法人が支出する費用のうち支出の効果がその支出の日以後1年以上におよぶもので政令で定めるものをいい(法人税法2条24号),政令で の余水を一時的に南側用水路に排水している。 (2)①繰延資産とは,法人が支出する費用のうち支出の効果がその支出の日以後1年以上におよぶもので政令で定めるものをいい(法人税法2条24号),政令で定める費用のうちの1つとして,自己が便益を受ける公共的施設又は共同的施設の設置又は改良のために支出する費用で支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶものと規定され(法人税法施行令14条1項9号イ),自己が便益を受ける公共的施設又は共同的施設の設置又は改良のために支出する費用は,法人が自己の必要に基づいて行う道路,堤防,護岸,その他の施設又は工作物の設置又は改良のために要する費用とされている(法人税基本通達8-1-3)。 一方,寄附金とは,寄附金,拠出金,見舞金その他いずれの名義をもってするかを問わず,法人がした金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与をいい,その額は,贈与した金銭の額若しくは金銭以外の資産のその贈与の時における価額又は経済的な利益のその供与の時における価額によるとされ(法人税法37条7項),法人が各事業年度において支出した寄附金のうち,損金算入限度を超える部分の金額は,損金の額に算入されないが(同法37条3項),国又は地方公共団体に対する寄附金の場合,寄附金の合計額(その寄附をした者がその寄附によって設けられた設備を専属的に利用することその他特別の利益がその寄附をした者に及ぶと認められるものを除く。)は,寄附金の損金算入限度額の計算の基礎となる寄附金に算入されず,その支出の時の損金の額に算入される(同法37条4項1号)。 ②そこで,上記(1)認定の事実を前提として,本件用水路の整備が原告の必要に基づいて行われたか否か,原告が本件用水路の整備により便益を受け- 20 -るか否かについて,以下,検討する。 原告 。 ②そこで,上記(1)認定の事実を前提として,本件用水路の整備が原告の必要に基づいて行われたか否か,原告が本件用水路の整備により便益を受け- 20 -るか否かについて,以下,検討する。 原告の当初の計画では,水路については付替を行い,現在の中央用水路の位置にあった素堀の水路を閉鎖し,上流(南側)から流れてくる水を川原川に排水することになっていたものの,近隣住民等の強い要望等により,原告が本件用水路の整備を行うことになったのであり,専ら原告の必要に基づいて行われたとはいえない。しかしながら,本件用水路の整備については,近隣住民等の要望,前原市や福岡県の行政指導等の制約の下でのやむを得ない選択であったとしても,原告の新工場建設用地の埋立てに始まる新工場建設計画の中に組み込まれたもので,最終的には,原告の意思に基づくものであるというべきである。そうすると,原告にとっては,新工場建設用地の分断を避け,一体的に利用することを可能にするため,本件用水路の整備を選択する場合にも,可能な限り,当初の計画である本件水路の付替の場合と近い状態が望ましいのであり(そのためにどのような工事を,どのくらいの費用をかけて行うかも,最終的には,原告の判断による。),これを実現するために,上記認定のとおり,中央用水路の上部を通路として有効利用することを可能にするべく,占用許可を受けることを予定した上で,中央用水路の一部を暗渠構造にするなどの工法を採用し,本件用水路の整備を行ったものというべきであるから,原告にも,本件用水路の整備の必要があったということができる。 また,原告の埋立てによって,新工場建設用地が両川岸の堤防より約1メートルの高さにまでかさ上げされたことによって,南側上流域の農地等が洪水等によって被害を受ける可能性が生じたため,これを回避し,水害 た,原告の埋立てによって,新工場建設用地が両川岸の堤防より約1メートルの高さにまでかさ上げされたことによって,南側上流域の農地等が洪水等によって被害を受ける可能性が生じたため,これを回避し,水害を防止するためにも,本件用水路の整備が必要とされたのであり,この点から考えても,原告にも,本件用水路の整備の必要があったということができる。 しかも,前原市開発行為等に関する指導要綱18条は,事業主は,開発- 21 -事業施工前に地元住民及び利害関係者に対し,開発等の計画,工事の施工方法,災害及び公害の防止対策,その他について協議し,開発事業に伴う紛争が生じないように留意するとともに,紛争が生じた場合は責任をもってこれを解決しなければならない(1項),事業主は前項の協議の際,必要なものについては,同意又は承諾を得なければ開発事業に着手してはならない(2項)と定めており(乙7),また,都市計画法32条1項は,開発許可を申請しようとする者は,あらかじめ,開発行為に関係がある公共施設の管理者と協議しその同意を得なければならないと定め,また,上記指導要綱第5条は,事業主は,関係法令等による申請又は届出を行う前若しくは開発事業を施行する前に,本要綱に基づく公共・公益施設の基本計画及び費用負担並びに維持管理等について協議し,市長の同意を得なければならないと定めているところ(上記認定のとおり),原告の新工場は,中州部分を埋め立てて建設される計画であったため,近隣住民等が大雨による洪水被害等の対策を講じることを要望していたことから,原告は,その要望を受け入れ,水路の付替をしないで,水害発生防止のため,本件用水路の整備を行ったものであり,本件用水路の整備をしなければ,新工場建設用地の埋立ての同意を得ることが困難であり,ひいては,前原市から本件許可を受ける 路の付替をしないで,水害発生防止のため,本件用水路の整備を行ったものであり,本件用水路の整備をしなければ,新工場建設用地の埋立ての同意を得ることが困難であり,ひいては,前原市から本件許可を受けることも困難であったはずであるから,本件用水路の整備は,前原市から円滑に本件許可を受けるという原告の必要に基づくものであったといえる。 さらに,原告は,現在,工場用水,生活排水を浄化施設から中央用水路に排水しており,ボーリングの水質検査の余水を南側用水路にそれぞれ排水していることは,上記のとおりであるから,原告は,本件用水路の整備による便益を受けていることになる。 ③もっとも,自己が便益を受ける公共的施設又は共同的施設の設置又は改良のために支出する費用であっても,寄附金に該当するものは繰延資産と- 22 -はならないところ,国又は地方公共団体に対する寄附金の場合,原則としてその寄附金の合計額全額が損金に算入され,例外的に,その寄附をした者がその寄附によって設けられた設備を専属的に利用することその他特別の利益がその寄附をした者に及ぶと認められる場合は除かれていることからすれば(法人税法37条4項1号),繰延資産となるのは,その費用を負担した法人が,その施設を専ら使用する場合又は一般の者と比較して特別の便益を受ける場合であって,一般の者と同程度の便益を受けるに過ぎないものは寄附金になるものと解される。 これを本件についてみると,中央用水路には,本件工場用地の上流(南側)から流れてくる水もあり,原告だけが専属的に利用しているものではないこと,本件用水路の整備は,前原市から円滑に本件許可を受けるという原告の必要に基づくものであったとしても,本件用水路の整備は,農業環境及び災害防止の観点から,用地を埋め立てるに際し,大雨による上流からの洪水により農 整備は,前原市から円滑に本件許可を受けるという原告の必要に基づくものであったとしても,本件用水路の整備は,農業環境及び災害防止の観点から,用地を埋め立てるに際し,大雨による上流からの洪水により農地,農作物等に被害が発生しないよう,用水路の拡幅を含めての工事について十分な調査を行い工事に着手するようにという周辺住民の強い要望によりなされたものであって,水害の防止という便益は,本件工場用地周辺住民の便益でもあり,原告がより多くの便益を受けるとまではいえないこと,原告が本件用水路の整備により本件許可を受けることができたという便益は,本件許可を受けるという単一の行為に向けられているに過ぎず,費用の支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶものという繰延資産の性質にそぐわないこと,生活排水,工場用水,ボーリングの水質検査の余水を排水することは,用水路の通常の利用方法であって,特別の便益とはいえないことは明らかであること,中央用水路の通路部分以外の緑地帯により,工場立地法に基づく緑地面積率をクリアすることができているという便益は,そもそも,中央用水路を暗渠構造にし,その上部については,一部のみしか通路として利用できず,残部は緑地帯と- 23 -しなければならなくなった結果として,中央用水路上部の緑地帯を緑地面積率の計算に加えることができるようになったというものであって,間接的,反射的な便益に過ぎず,原告が特別の便益を受けているとまではいえないこと,中央用水路により,本件工場用地は東西に2分され,原告は,中央用水路の上部の一部についてだけ占有許可を受け,通路として利用しており,その他の部分は利用できず,本件工場用地の一体利用が妨げられており,また,原告の浄化施設は,本件工場用地の南東角に位置しており,原告としては,浄化施設から東側にある川原 け,通路として利用しており,その他の部分は利用できず,本件工場用地の一体利用が妨げられており,また,原告の浄化施設は,本件工場用地の南東角に位置しており,原告としては,浄化施設から東側にある川原川に直接放流した方が,パイプ敷設の距離が短く,費用も安かったにもかかわらず,前原市の行政指導に従い,浄化施設から遠い中央用水路までパイプを敷設せざるを得ず,そのために支出した費用も増大しており,原告は,本件用水路整備により,むしろ不便を強いられているといえること,前原市長は,本件用水路は,完成後,地元農業者の農業用水路として専ら利用されており,原告は利用しておらず,当初の工場建設に必要があったためではなく,地元の要望にこたえるものであったとの原告の申出に関し,そのとおり相違ない旨回答していること,前原市ε水利組合長,前原市ε行政区長会会長も,前原市長と同様の見解を示し,それに加え,原告は中央用水路から何らの便益も受けていない旨回答していることからすれば,原告は,本件用水路を専ら使用しているとはいえず,また,一般の者と比較して本件用水路から特別の便益を受けているともいえないので,本件用水路整備費用は,繰延資産とは認めることができず,寄附金であると認めるのが相当である。 (3)以上によると,本件用水路整備費用は,原告の主張するように寄附金に該当し,これを繰延資産として税額を計算した本件更正処分は違法である。 法人税の計算過程及び根拠上記4で認定したとおり,本件用水路整備費用は,地方公共団体である前原市に対する寄附金であり,法人税法37条4項1号により,本件用水路整備費- 24 -用の全額は本件事業年度の損金の額に算入される。 また,原告は,原告の本件事業年度の法人税の確定申告において,所得金額について,原告が本件許可を受けるために支出した り,本件用水路整備費- 24 -用の全額は本件事業年度の損金の額に算入される。 また,原告は,原告の本件事業年度の法人税の確定申告において,所得金額について,原告が本件許可を受けるために支出した公園整備費用4582万6165円は繰延資産に該当し,その支出の効果が及ぶ期間が72月(6年)であるとして算出した償却費543万8844円を損金の額に算入していたが(乙1),本件更正処分では,その支出の効果の及ぶ期間は,法人税基本通達7-3-11の2(3)の定めにより96月(8年)とされ,その結果,償却限度額は441万6281円であり,原告が損金に算入した543万8844円との差額102万2563円は,本件事業年度における所得金額に含まれるとされたところ(甲24,乙2),原告は,かかる点について,国税不服審判所長に対する審査請求及び本件訴訟において明らかには争っておらず,また,この点に関して本件更正処分が違法であると認めるべき事情も存在しないので,上記102万2563円は,原告の本件事業年度の所得金額に含まれる。 したがって,原告の本件事業年度における法人税の計算過程及びその根拠は,別紙「法人税の計算過程及び根拠2」のとおりとなる(甲2,24,乙1,2)。 以上によれば,原告の訴えのうち,主文第1項掲記の部分は不適法であるから却下し,その余の部分については,主文第2項掲記の限度で理由があるから認容し,その余は理由がないから棄却すべきことになる。 よって,訴訟費用の負担につき,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条,64条を適用して,主文のとおり判決する。 福岡地方裁判所第6民事部裁判長裁判官野尻純夫- 25 -裁判官川崎聡子裁判官森中剛- 26 -別紙法人税の計算過程及び根拠1原告の本件事業年度における法人税の 。 福岡地方裁判所第6民事部裁判長裁判官野尻純夫- 25 -裁判官川崎聡子裁判官森中剛- 26 -別紙法人税の計算過程及び根拠1原告の本件事業年度における法人税の計算過程及びその根拠は,以下のとおりである。 なお,被告は,原告の本件事業年度の所得金額を2億1813万8222円及び納付すべき税額を7235万5200円とする更正及び過少申告加算税の額を323万2000円とする賦課決定を行ったものであるが,本件裁決により,本件用水路整備費用の繰延資産としての耐用年数は6年(15年の10分の4)であるとして,原処分の一部が取り消され,それぞれの所得金額及び納付すべき税額が変更されて認定されている。すなわち,本件用水路整備費用の繰延資産耐用年数については,減価償却資産の耐用年数表等に関する省令の別表第1に掲げる「構築物」の「コンクリート造」の「下水道」に該当し,その耐用年数は15年と定められており,また,公共的施設の設置又は改良のために支出する費用は,法人税基本通達8-2-3の規定によりその施設又は工作物の耐用年数の10分の4に相当する年数を基礎として償却することに取り扱われているため,これらの規定が適用された。 裁決は,関係行政庁を拘束する(国税通則法102条1項)ことから,原処分を取り消し,又は変更する裁決があると,裁決自体の効力により違法又は不当であった原処分は当然に取り消され,又は変更される。そこで,本件事業年度については,本件裁決により変更された認定額を述べる。 ①所得金額2億1515万1735円本件更正処分の所得金額は,本件事業年度の法人税確定申告書に記載した所得金額1億2388万7436円に,本件用水路整備費用に係る繰延資産の償却超過額9024万1736円と公園整備費用に係るの繰延資産の償却超過 分の所得金額は,本件事業年度の法人税確定申告書に記載した所得金額1億2388万7436円に,本件用水路整備費用に係る繰延資産の償却超過額9024万1736円と公園整備費用に係るの繰延資産の償却超過額の合計額102万2563円の合計金額9126万4299円を加算した金額2億1515万1735円となる。 ②納付すべき法人税額7235万5400円ア所得金額に対する法人税額6390万5300円- 27 -本件事業年度の所得金額に対する法人税の額は,本来,所得金額(国税通則法第118条1項の規定に基づき1000円未満の端数金額を切り捨てた後のもの)に法人税法66条に規定する税率を乗じて法人税額を算出することになるが,「経済社会の変化等に対応して早急に講ずべき所得税及び法人税の負担軽減措置に関する法律」16条(法人税の税率の特例)により,平成11年4月1日以降に開始する事業年度から軽減税率を適用して計算した金額6390万5300円となる。 イ同族会社の課税留保金額に対する税額743万8350円(ア)留保金額1億3503万4334円本件事業年度の留保金額は,法人税法67条2項の規定に基づき,本件事業年度の法人税確定申告書に記載した所得金額のうち留保した金額1億2089万0384円(乙1,法人税確定申告書別表三の1欄)に,本件裁決で認定された増加する所得金額のうち留保した金額9126万4299円(本件用水路整備費用及び公園整備費用に係る繰延資産の償却超過額の合計金額,全額留保金額である。)を加算した金額2億1215万4683円から,法人税額6389万1952円(②法人税額6390万5300円から控除所得税額1万3348円を控除した金額)と当該法人税額に係る地方税法の規定による道府県民税の額として法人税法施行令140条の規定により 税額6389万1952円(②法人税額6390万5300円から控除所得税額1万3348円を控除した金額)と当該法人税額に係る地方税法の規定による道府県民税の額として法人税法施行令140条の規定により計算した住民税額1322万8397円(上記アの所得金額に対する法人税額6390万5300円に0.207を乗じた金額)の合計額7712万0349円を控除した1億3503万4334円となる。 (イ)留保控除額7544万4396円また,本件事業年度の留保控除額は,法人税法67条3項の規定に基づき,同項1号ないし3号のうち最も多い金額となる。 同項1号は,上記1の所得金額2億1515万1735円に租税特別措置法62条の2の8項(平成10年4月改正により削除)に基づく新規土地取- 28 -得に係る累積損金算入負債利子額の損金算入額40万3684円を加算した当該事業年度の所得等の金額2億1555万5419円の35%に相当する金額7544万4396円,同項2号は,1500万円,同項3号は,零円となり,最も多い金額である7544万4396円が留保控除額となる。 (ウ)課税留保金額5958万9000円よって,本件事業年度の課税留保金額は,上記(ア)の本件事業年度の留保金額1億3503万4334円から,上記(イ)の本件事業年度の留保控除額7544万4396円を控除した金額5958万9000円(国税通則法第118条1項の規定に基づき1000円未満の端数金額を切り捨てた後のもの)となる。 (エ)課税留保金額に対する税額743万8350円課税留保金額に対する税額は,法人税法67条1項の規定に基づき計算した743万8350円となる。 ウ法人税額計7134万3650円差引法人税額は,法人税額等の特別控除額がないため上記アの所得金額に対する法人税額639 は,法人税法67条1項の規定に基づき計算した743万8350円となる。 ウ法人税額計7134万3650円差引法人税額は,法人税額等の特別控除額がないため上記アの所得金額に対する法人税額6390万5300円となる。法人税額計は差引法人税額6390万5300円と上記イの課税留保金額に対する税額743万8350円を加算した金額7134万3650円となる。 エ納付すべき法人税額7133万0300円本件事業年度の納付すべき法人税額は,上記ウの法人税額計7134万3650円から法人税法68条により計算した控除所得税額1万3348円を控除した金額7133万0300円(国税通則法119条1項の規定により100円未満切捨てたもの)となる。 ③既に納付の確定した本税額4003万1100円既に納付の確定した本税額は,本件事業年度の法人税確定申告書(乙1)別表1の13欄の差引所得に対する法人税額4003万1100円となる。 - 29 -④差引納付すべき税額3129万9200円差引納付すべき税額は,上記②のエの納付すべき法人税額7133万0300円から,上記③の既に納付の確定した本税額4003万1100円を差引いた3129万9200円となる。 ⑤過少申告加算税の計算312万9000円過少申告加算税の額は,通則法65条1項の規定に基づき過少申告加算税の賦課決定処分の基礎となる上記④の本件更正処分により納付すべき税額3129万9200円から,通則法118条3項の規定に基づき計算した1万円未満の金額を控除した金額3129万0000円に10パーセントの税率を乗じた312万9000円となる。 別紙法人税の計算過程及び根拠2①所得金額1億2490万9999円原告の本件事業年度における所得金額は,本件事業年度の法人税確定申告書に記載した所得金 率を乗じた312万9000円となる。 別紙法人税の計算過程及び根拠2①所得金額1億2490万9999円原告の本件事業年度における所得金額は,本件事業年度の法人税確定申告書に記載した所得金額1億2388万7436円に,公園整備費用に係る繰延資産の償却超過額102万2563円を加算した1億2490万9999円となる。 ②納付すべき法人税額4036万0700円ア所得金額に対する法人税額3683万2700円本件事業年度の所得金額に対する法人税の額は,本来,所得金額(国税通則法第118条1項の規定に基づき,1000円未満の端数を切り捨てた後のもの)に,法人税法66条に規定する税率を乗じて法人税額を算出することになるが,「経済社会の変化等に対応して早急に講ずべき所得税及び法人税の負担軽減措置に関する法律」16条(法人税の税率の特例)により,平成11年4月1日以降に開始する事業年度から軽減税率を適用して計算した金額3683万2700円となる。 イ同族会社の課税留保金額に対する税額354万1350円- 30 -(ア)留保金額7746万9227円本件事業年度の留保金額は,法人税法67条2項の規定に基づき,本件事業年度の法人税確定申告書に記載した所得金額のうち留保した金額1億2089万0384円に,本件裁決で認定され増加する公園整備費用に係る繰延資産の償却超過額102万2563円(全額留保金額である。)を加算した金額1億2191万2947円から,法人税額3681万9352円(上記②アの法人税額3683万2700円から控除所得額1万3348円を控除した金額)と,当該法人税額に係る地方税法の規定による都道府県民税の額として法人税法施行令140条の規定により計算した住民税額762万4368円(法人税額3687万2700円に0.20 48円を控除した金額)と,当該法人税額に係る地方税法の規定による都道府県民税の額として法人税法施行令140条の規定により計算した住民税額762万4368円(法人税額3687万2700円に0.207を乗じた金額)の合計額4444万3720円を控除した7746万9227円となる。 (イ)留保控除額4385万9789円本件事業年度の留保控除額は,法人税法67条3項に基づき,同項1号ないし3号のうち最も多い金額となる。 同項1号は,上記①の所得金額に租税特別措置法62条の2の8項(平成10年4月改正により削除)に基づく新規土地取得に係る累積損金算入負債利子額の損金算入額40万3684円を加算した当該事業年度の所得金額1億2531万3683円の35%に相当する4385万9789円,同項2号は,1500万円,同項3号は0円となり,最も多い金額である4385万9789円が留保控除金額となる。 (ウ)課税留保金額3360万9000円よって,本件事業年度の課税留保金額は,上記(ア)の留保金額から上記(イ)の留保控除額を控除した金額3360万9000円(国税通則法第118条1項の規定に基づき,1000円未満の端数金額を切り捨てた後のもの。)となる。 (エ)課税留保金額に対する税額354万1350円- 31 -課税留保金額に対する税額は,法人税法67条1項の規定に基づき計算した354万1350円となる。 ウ法人税額計4037万4050円差引法人税額は,法人税額等の特別控除額がないため,上記アの法人税額3683万2700円となる。法人税額計は,差引法人税額と上記イの課税留保金額に対する税額354万1350円を加算した金額4037万4050円となる。 エ納付すべき法人税額4036万0700円本件事業年度の納付すべき法人税額は,上記ウの 引法人税額と上記イの課税留保金額に対する税額354万1350円を加算した金額4037万4050円となる。 エ納付すべき法人税額4036万0700円本件事業年度の納付すべき法人税額は,上記ウの法人税額計4037万4050円から法人税法68条により計算した控除所得税額1万3348円を控除した金額4036万0700円(国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数金額を切り捨てたもの。)となる。 ③既に納付の確定した本税額4003万1100円既に納付の確定した本税額は,本件事業年度の法人税確定申告書(乙1)別表1の13欄の差引所得に対する法人税額4003万1100円となる。 ④差引納付すべき税額32万9600円差引納付すべき税額は,上記②エの納付すべき法人税額4036万0700円から,上記③の既に納付の確定した本税額4003万1100円を差し引いた32万9600円となる。 ⑤過少申告加算税の計算3万2000円過少申告加算税の額は,国税通則法65条1項の規定に基づき,過少申告加算税の賦課決定処分の基礎となる上記④の差引納付すべき税額32万9600円から,国税通則法118条3項の規定に基づき計算した1万円未満の金額を控除した32万円に10パーセントの税率を乗じた3万2000円となる。

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