平成15(行ケ)490 審決取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成16年5月19日 東京高等裁判所
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平成15年(行ケ)第490号審決取消請求事件(平成16年4月28日口頭弁論終結)判決原告国産ラセン管株式会社訴訟代理人弁理士小池晃同田村榮一同伊賀誠司同藤井稔也同野口信博被告株式会社テクノフレックス・トーラ訴訟代理人弁護士安田有三同弁理士川上宣男 主文 特許庁が無効2002-35430号事件について平成15年9月29日にした審決を取り消す。 訴訟費用は被告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求主文と同旨第2 当事者間に争いのない事実 1 特許庁における手続の経緯(1) 原告は,名称を「導管の迂回配管装置及び迂回配管方法」(後に「水道管の迂回配管装置」と訂正)とする特許第3215666号発明(平成10年6月22日特許出願〔国内優先日・平成9年6月30日〕,平成13年7月27日設定登録,以下,この特許を「本件特許」という。)の特許権者である。 被告は,平成14年10月10日,本件特許のうち,願書に添付した明細書(以下「本件明細書」という。)の特許請求の範囲の【請求項2】(以下,同項に係る発明を「本件発明2」という。)に係る特許につき無効審判の請求をし,無効2002-35430号事件として特許 した明細書(以下「本件明細書」という。)の特許請求の範囲の【請求項2】(以下,同項に係る発明を「本件発明2」という。)に係る特許につき無効審判の請求をし,無効2002-35430号事件として特許庁に係属したところ,原告は,平成15年1月6日,本件明細書の特許請求の範囲の記載等の訂正(以下「本件訂正」という。)を請求した。特許庁は,上記事件につき審理した結果,同年9月29日,「訂正を認めない。特許第3215666号の請求項2に係る発明についての特許を無効とする。」との審決をし,その謄本は,同年10月9日,原告に送達された。 (2) 原告は,上記審決の取消しを求める本訴を提起した後,平成16年1月19日,本件明細書の特許請求の範囲の記載等の訂正をする旨の訂正審判の請求をしたところ,特許庁は,同請求を訂正2004-39012号事件として審理した上,同年3月12日,訂正を認める旨の審決(以下「訂正審決」という。)をし,その謄本は,同月24日,原告に送達された。 2 本件発明2に係る本件明細書の特許請求の範囲の記載(1) 設定登録時における【請求項1】及び【請求項2】の記載(以下,その明細書を「登録明細書」という。)【請求項1】道路の敷設経路上に存在する既設の埋設障害物に対してその両側にそれぞれ端部を臨ませて,上記道路に掘削された敷設溝内に敷設されるとともに内部に流体が流れる導管と,少なくとも,ラセン管と,このラセン管の両端にそれぞれ一体に連結された接続管と,上記ラセン管の外周部にその全長に亘って巻回されるブレードとからなり,上記埋設障害物を迂回して上記導管の端部と接続されるに足る長さを有するラセン管部材とから構成され,上記ラセン管部材は,上記ラセン管が上記敷設溝に連続して上記埋設障害物を迂回してその周辺領域に所定 り,上記埋設障害物を迂回して上記導管の端部と接続されるに足る長さを有するラセン管部材とから構成され,上記ラセン管部材は,上記ラセン管が上記敷設溝に連続して上記埋設障害物を迂回してその周辺領域に所定の幅で掘削された迂回敷設溝内に導かれて湾曲されるとともに,上記接続管が相対する上記導管の端部とそれぞれ接続されることにより上記埋設障害物を迂回配管して埋設されることを特徴とする導管の迂回配管装置。 【請求項2】上記ラセン管部材には,上記接続管の外周部に一体化されて第1の結合用凸部が設けられるとともに,上記導管には,上記第1の結合用凸部に対応する第2の結合用凸部が形成されるとともに上記接続管が嵌合される大径部に係止されることによって上記ラセン管部材との接続方向に対して抜け止めされた状態で結合リング部材が装着され,上記ラセン管部材と上記導管とは,上記第1の結合用凸部と上記第2の結合用凸部とにそれぞれ設けられて互いに連通された結合孔に挿通される結合用部材によって結合されることを特徴とする請求項1に記載の導管の迂回配管装置。 (2) 訂正審決に係るもの(注,訂正部分を下線で示す。なお,登録明細書の請求項1,3及び4に係る特許については,無効審決〔無効2002-35071号事件〕が確定したことから,登録明細書の請求項2は,請求項1とされ,従属項の形式であったものが独立項の形式に改められた。)【請求項1】道路の敷設経路上に存在する既設の下水マンホールに対してその両側にそれぞれ端部を臨ませて,上記道路に掘削された敷設溝内に敷設される水道管と,少なくとも,両端に嵌合端部を有するラセン管と,上記嵌合端部の外周部に嵌合されて溶接されるフランジ板に上記ラセン管の外周部に嵌合されて上記ラセン管の両端部を保護する保護リングが溶接されることに 管と,少なくとも,両端に嵌合端部を有するラセン管と,上記嵌合端部の外周部に嵌合されて溶接されるフランジ板に上記ラセン管の外周部に嵌合されて上記ラセン管の両端部を保護する保護リングが溶接されることにより上記ラセン管の両端にそれぞれ一体に連結される接続管と,上記ラセン管の外周部にその全長に亘って巻回されるブレードとからなり,上記下水マンホールを迂回して上記水道管の端部と接続されるに足る長さを有するラセン管部材とから構成され,上記ラセン管部材には,上記接続管の外周部に溶接により一体に第1の結合用凸部が設けられるとともに,上記水道管には,上記第1の結合用凸部に対応する第2の結合用凸部が形成されるとともに上記接続管が嵌合される大径部に係止されることによって上記ラセン管部材との接続方向に対して抜け止めされた状態で結合リング部材が装着され,上記ラセン管部材と上記水道管とは,上記第1の結合用凸部と上記第2の結合用凸部とにそれぞれ設けられて互いに連通された結合孔に結合用ねじが挿通されナットがねじ込まれた状態で結合され,上記ラセン管部材は,上記ラセン管が上記敷設溝に連続して上記下水マンホールを迂回してその周辺領域に所定の幅で掘削された迂回敷設溝内に導かれて湾曲されるとともに,上記接続管が相対する上記水道管の端部とそれぞれ接続されることにより上記下水マンホールを迂回配管して埋設されることを特徴とする水道管の迂回配管装置。 3 審決の理由審決は,本件訂正中,特許請求の範囲の【請求項3】を訂正する部分について,当該訂正後の【請求項3】に係る発明は,特開平8-42751号公報及び実願平5-23071号(実開平6-80971号公報)のCD-ROMに記載された発明(以下,それぞれ「刊行物1発明」,「刊行物2発明」という。)に基づいて当業者が容易に発明 8-42751号公報及び実願平5-23071号(実開平6-80971号公報)のCD-ROMに記載された発明(以下,それぞれ「刊行物1発明」,「刊行物2発明」という。)に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法29条2項の規定により,特許出願の際,独立して特許を受けることができないから,本件訂正は,特許法134条5項において準用する同法126条4項の規定に違反し,認められないとして,本件発明2の要旨を登録明細書の特許請求の範囲の記載(上記2(1))のとおり認定した上,本件発明2は,刊行物1発明及び刊行物2発明並びに実願昭53-26251号(実開昭54-129814号)のマイクロフィルム及び特開昭61-286690号公報に記載された周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本件発明2に係る特許は,特許法29条2項の規定に違反してされたものであり,同法123条1項2号に該当し,無効とすべきものであるとした。 第3 原告主張の審決取消事由審決が,本件発明2の要旨を登録明細書の特許請求の範囲の記載(上記第2の2(1))のとおり認定した点は,訂正審決の確定により本件明細書の特許請求の範囲の記載が上記第2の2(2)のとおり訂正されたため,誤りに帰したことになるから,審決は,本件発明2の要旨の認定を誤った違法があり,取り消されるべきである。 第4 被告の主張訂正審決の確定により本件明細書の特許請求の範囲の記載が上記のとおり訂正されたことは認める。 第5 当裁判所の判断訂正審決の確定により,本件明細書の特許請求の範囲の記載が上記第2の2(2)のとおり訂正されたことは当事者間に争いがなく,この訂正によって特許請求の範囲が減縮されたことは明らかである。 そうすると,審決が 定により,本件明細書の特許請求の範囲の記載が上記第2の2(2)のとおり訂正されたことは当事者間に争いがなく,この訂正によって特許請求の範囲が減縮されたことは明らかである。 そうすると,審決が,本件発明2の要旨を登録明細書の特許請求の範囲の記載(上記第2の2(1))のとおり認定したことは,結果的に誤りであったことに帰し,これが審決の結論に影響を及ぼすことは明らかであるから,審決は,瑕疵があるものとして取消しを免れない。 よって,原告の請求は理由があるから認容することとし,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所知的財産第2部裁判長裁判官篠原勝美裁判官古城春実裁判官早田尚貴

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