主文 本件請求を棄却する。 理由 第1本件請求の趣旨及び理由本件請求の趣旨及び理由は,弁護人ら作成の証拠開示に関する裁定請求書及び同補充書記載のとおりであるが,要するに,被告人らが本件放火行為を謀議したとする検察官証明予定事実との関係で,本件の共犯者とされるAの取調べを担当した捜査官が上記Aの供述状況及び供述内容を記載した捜査報告書等を,刑事訴訟法316条の15第1項6号により開示すべきというものである。 第2当裁判所の判断弁護人らが開示を求める上記捜査報告書等は,捜査官が上記Aの供述状況等の報告内容を文書により述べた「供述書」であって,同号の「被告人以外の者の供述録取書等」に該当する。 しかしながら,同号によって開示が認められる類型証拠に該当するためには,「検察官が特定の検察官請求証拠により直接証明しようとする事実の有無に関する供述を内容とするもの」という要件が必要であるところ,検察官の証明予定事実が明らかにされ,その証明に用いる検察官請求証拠が開示されて検察官の主張立証の全体像が明らかになった公判前整理手続の比較的初期の段階で,被告人側の主張明示や検察官による主張関連証拠の開示に先立って,被告人側の防御の準備と適切な争点及び証拠整理を図ることを目的として,検察官請求証拠の証明力を判断するため一般的・類型的にその必要性が認められる証拠について開示請求を認めた類型証拠開示制度の趣旨に照らせば,同号の「事実の有無に関する供述」とは,その事実があったこと又はなかったことを自らが体験したこととして述べるもの,すなわち,その事実の有無についての原供述を意味すると解される(大阪高等裁判所平成18年(く)第453号,平成18年10月6日決定)。 そして,上記捜査報告書等において捜査官が述べるところは,上記Aの供述状況等を報告したも についての原供述を意味すると解される(大阪高等裁判所平成18年(く)第453号,平成18年10月6日決定)。 そして,上記捜査報告書等において捜査官が述べるところは,上記Aの供述状況等を報告したものに過ぎないことからすれば,上記検察官証明予定事実との関係では,「事実の有無に関する供述」には該当しないことは明らかである。 したがって,弁護人らが開示を求める上記捜査報告書等は,同号の類型には該当しない。 第3よって,主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官・岡田信,裁判官・佐茂剛,裁判官・姥迫浩司)
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