平成20(む)243 証拠開示に関する裁定の請求

裁判年月日・裁判所
平成20年12月22日 金沢地方裁判所 棄却
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判決文本文922 文字)

主文 本件請求を棄却する。 理由 本件裁定請求の趣旨及び理由は,弁護人作成の「証拠開示命令請求書」及び「証拠開示命令請求に関する補充意見書」に記載されたとおりであるから,これらを引用する。その要旨は次のとおりである。本件被害者であるAの前科前歴に関する捜査関係事項照会回答書,前科照会書,前科回答書,前科調書,裁判書あるいはこれに準ずる書面(以下「本件書面」という。)の開示を求めた弁護人の請求に対し,検察官は,本件書面はAの本件事故当時の走行速度を直接推認させ,立証するものではなく,被告人の防御のために必要かつ重要であるとは認められないとして不開示とした。しかし,本件書面によって明らかにされるAの交通違反歴の存在は,同人には交通ルールを遵守する意識が欠如し,本件当時にも同人が速度違反で進行していた事実を推認させるものであって,またこれが開示されることの弊害も少なく,被告人の防御の準備のために必要かつ重要であるからこれらを開示すべきである,という。 そこで検討するに,Aの交通違反歴の内容は,Aの日常的な運転態度をうかがわせるひとつの資料とはいえても,本件事故の際のA運転車両の速度違反や信号無視等を直接推認させ,立証するものとはいえない。したがって,本件事故当時,Aが速度違反や信号無視等をしていたものであり,それゆえ被告人には過失がないとする弁護人の主張に直接関連するものとはいえず,被告人の防御の準備のために必要かつ重要であるとは認められない。他方,Aの交通違反歴の内容がみだりに公開されれば,同人の名誉やプライバシー等が害されることは明らかである。弁護人は,Aは被害者ではなく加害者となる余地があり,したがって弊害は大きくない旨主張するが,弁護人独自の見解というべきで到底採用できない。そうすると,本件書面は,その存否にかかわらず開示すること 。弁護人は,Aは被害者ではなく加害者となる余地があり,したがって弊害は大きくない旨主張するが,弁護人独自の見解というべきで到底採用できない。そうすると,本件書面は,その存否にかかわらず開示することが相当であるとは認められない。よって,本件請求は理由がない。(裁判官・堀内満)-

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