平成17(行コ)248 規則変更認証処分取消請求控訴事件(原審・水戸地方裁判所平成16年(行ウ)第10号)

裁判年月日・裁判所
平成18年6月28日 東京高等裁判所 その他
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判決文本文2,927 文字)

- 1 -主文本件控訴を棄却する。 控訴費用は,控訴人の負担とする。 事実 及び理由第1控訴の趣旨原判決を取り消す。 被控訴人が平成15年11月12日付け総指令第93号で行った宗教法人 「Aα分教会」の規則変更認証処分を取り消す。 (略語等は,原則として,原判決に従う。)第2事案の概要本件は,被控訴人訴訟参加人(当時の名称「Aα分教会」)が,そ 参加人。 本件規の包括宗教法人であった控訴人との包括関係を廃止し,名称及び法人規則()を変更したことに関し,控訴人が,本件規則の変更を認証する旨の本件処分を則した被控訴人に対し,本件規則の変更は,①参加人の責任役員全員及びA甲府大教会代表役員のいずれの同意もなくして行われたから,宗教法人法28条1項2号の手続要件に違反し,②参加人が控訴人との被包括関係廃止後も名称の一部に控訴人の名称を使用することは,控訴人の人格権を侵害し,また,不正競争防止法2条1項1号,2号に違反するから,宗教法人法28条1項1号の法令適合性の要件を欠いており,これらを看過してされた本件処分は違法であると主張して,その取消しを求めた事案である。 原審は,控訴人の請求を棄却した。 当裁判所も,原審と同様に,控訴人の請求を棄却すべきものと判断した。 前提事実及び当事者の主張は,原判決の事実及び理由の第2の「1前提事 実」及び「2当事者の主張」(原判決2頁3行目から16頁13行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 第3当裁判所の判断当裁判所の判断は,次のとおり改めるほかは,原判決の事実及び理由の「第3- 2 -当裁判所の判断」1から3まで(原判決16頁15行目から25頁7行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 原判決18頁10行目から20頁3行目 は,原判決の事実及び理由の「第3- 2 -当裁判所の判断」1から3まで(原判決16頁15行目から25頁7行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 原判決18頁10行目から20頁3行目の「文面上明らかである。」までを, 次のとおり改める。 「①宗教法人法は,宗教法人には,3人以上の責任役員を置き,そのうち1人を代表役員とする(18条1項),責任役員は,規則で定めるところにより,宗教法人の事務を決定する(同条4項),規則に別段の定めがなければ,宗教法人の事務は,責任役員の定数の過半数で決し,その責任役員の議決権は,各々平等とする(19条)と定める。これらの規定によれば,「議決」が予定されているところからみて,個々の責任役員は,合議体の構成員として,事務に関して宗教法人の意思決定に関与することが宗教法人法の予定するところであり,責任役員は,全体として,宗教法人の合議制の議決機関として,その権能と職責を有するというべきである。 ②宗教法人法26条1項前段が,宗教法人は,規則を変更しようとするときは,規則で定めるところによりその変更のための手続をしなければならないと定めているのは,規則変更に関する宗教法人の意思決定手続を経ていることを要求するものであり,同法27条が,「規則の変更の決定について規則で定める手続を経たことを証する書類」(同条1号)の添付を義務づけているのは,所轄庁が,当該書類によって,上記意思決定がされていることを確認,審査するためであると解される。 ③宗教法人法の前記規定に照らすと,参加人の本件旧規則28条1項の「この規則を変更しようとするときは,責任役員全員・・・の同意を得」なければならないとする定めは,同法19条にいう「別段の定め」に当たり,参加人の規則を変更するには,合議制の議決機関としての責任役員が, 規則を変更しようとするときは,責任役員全員・・・の同意を得」なければならないとする定めは,同法19条にいう「別段の定め」に当たり,参加人の規則を変更するには,合議制の議決機関としての責任役員が,個々の責任役員全員の賛意(同意)の下に宗教法人としての意思を決定することを要すると解するのが相当であり,これとは別に,個々の責任役員の個別の同意を要するとする趣旨ではないと解される。 - 3 -④本件認証申請に際し,参加人が被控訴人に提出した「規則の変更の決定について規則で定める手続を経たことを証する書類」である本件会議録(甲5号証)によれば,本件規則の変更につき,個々の責任役員全員の賛意(同意)により,参加人の合議制の議決機関としての責任役員において,規則変更に係る同意の議決がされ,当該同意の下に参加人の意思として,本件規則を変更することが決定されたことが文面上明らかである。」原判決24頁15行目から25頁4行目までを,次のとおり改める。 「また,不正競争防止法違反の主張についてみるに,不正競争防止法は,営業の自由の保障の下で自由競争が行われる取引社会を前提に,経済活動を行う事業者間の競争が自由競争の範囲を逸脱して濫用的に行われ,あるいは,社会全体の公正な競争秩序を破壊するものである場合に,これを不正競争として防止しようとするものにほかならないと解される。そうすると,同法の適用は,上記のような意味での競争秩序を維持すべき分野に広く認める必要があり,社会通念上営利事業といえないものであるからといって,当然に同法の適用を免れるものではないが,他方,そもそも取引社会における事業活動と評価することができないようなものについてまで,同法による規律が及ぶものではないというべきである。これを宗教法人の活動についてみるに,宗教儀礼の執行や教義の普及 ,そもそも取引社会における事業活動と評価することができないようなものについてまで,同法による規律が及ぶものではないというべきである。これを宗教法人の活動についてみるに,宗教儀礼の執行や教義の普及伝道活動等の本来的な宗教活動に関しては,営業の自由の保障の下で自由競争が行われる取引社会を前提とするものではなく,不正競争防止法の対象とする競争秩序の維持を観念することはできないものであるから,取引社会における事業活動と評価することはできず,同法の適用の対象外であると解するのが相当である。また,それ自体を取り上げれば収益事業と認められるものであっても,教義の普及伝道のために行われる出版,講演等本来的な宗教活動と密接不可分の関係にあると認められる事業についても,本来的な宗教活動と切り離してこれと別異に取り扱うことは適切でないから,同法の適用の対象外であると解するのが相当である(最高裁平成17年(受)第575号同18年1月20日第二小法廷判決参照)。 - 4 -そうすると,宗教法人の宗教活動も不正競争防止法の「営業」に含まれることを前提に,「Aα教会」という名称を使用することが同法に違反し,違法であるとの控訴人の主張は,理由がない。」第4 結論 以上によれば,原判決は相当であるから,本件控訴を棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第1民事部裁判長裁判官江見弘武裁判官生野考司裁判官植垣勝裕

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