主文 本件抗告を棄却する。 抗告費用は抗告人の負担とする。 理由 抗告代理人高梨孝江の抗告理由について【要旨】抵当権に基づく民事執行法43条1項に規定する不動産(同条2項の規定により不動産とみなされるものを含む。)を目的とする担保権の実行としての競売(以下「不動産競売」という。)においては,抵当権の不存在又は消滅を売却許可決定に対する執行抗告の理由とすることはできないものと解するのが相当である。 けだし,執行裁判所は,抵当権の登記のされている登記簿の謄本等が提出されたときは,抵当権の存否について判断することなく,不動産競売の手続を開始すべきものとされているとともに,抵当権の不存在又は消滅については開始決定に対する執行異議の理由とすることが認められていることにかんがみると,不動産競売の手続において抵当権の不存在又は消滅を主張するにはこの執行異議によるべきものであって,抵当権の不存在又は消滅は,売却不許可事由としての「不動産競売の手続の開始又は続行をすべきでないこと」(同法188条,71条1号)には当たらないというべきだからである。この判断は,所論引用の大審院の判例に抵触するものではない。 以上と同旨の原審の判断は,正当として是認することができる。原決定に所論の違法はなく,論旨は採用することができない。 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官北川弘治裁判官河合伸一裁判官福田博裁判官亀山継夫裁判官梶谷玄)- 1 -
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